JP3243891B2 - ピルビン酸の精製方法 - Google Patents

ピルビン酸の精製方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はピルビン酸の精製方法に
関する。ピルビン酸は工業的にはアラニン、チロシン、
トリプトファンなどの各種アミノ酸の製造原料としてさ
らに種々の医薬製造の中間原料として広い用途を有して
いる。従って安価に製造し得れば種々の合成原料とし
て、また代謝促進物質として極めて有用である。
【0002】安価に高純度のピルビン酸水溶液が得られ
れば、その塩を得るにはそのまま塩化反応を行った後、
濃縮・晶析などの常法により容易に目的物を得ることが
でき、また、ピルビン酸水溶液を常法による濃縮後、エ
ステル化原料にしてもよいし、L−チロシン、L−トリ
プトファンを酵素反応から製造する原料としても有用で
ある。
【0003】
【従来の技術】従来、ピルビン酸またはその塩を含む水
溶液からピルビン酸またはその塩を精製する方法として
は、ピルビン酸塩を含む水溶液からの分離法は、強酸性
陽イオン交換樹脂により陽イオン成分を除去した後、強
塩基性陰イオン交換樹脂による吸着・クロマト分離によ
る精製(実験化学講座vol12&25)を行い、(a)
有機酸として得る場合には蒸留精製するか、または、
(b) ピルビン酸塩として得る場合には塩化反応を行った
後、濃縮・晶析あるいは、有機溶媒による晶析などの精
製を行う(特開昭54−132522号公報、特公昭5
8−42855号公報)方法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の方
法では、不安定なピルビン酸またはその塩を安価に収率
よく純度よく得るには不十分であり、特に不純物を多く
混入した発酵生産されたピルビン酸またはその塩、ある
いは濃縮・晶析によって目的物を取得した後の不純物を
多く混入した母液から安価に収率よく回収精製する方法
が望まれた。しかしながら、従来の方法(実験化学講座
第12および25巻)記載の強塩基性陰イオン交換樹脂
(四級アンモニウム基を交換基とする)では、溶出剤お
よび不純物の混入が著しく、収率よく回収精製するには
不十分であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ピルビン
酸を含有する混合液から、不純物を分離除去しピルビン
酸を精製する方法について鋭意研究を続けてきた結果、
三級アミンを交換基とする弱塩基性陰イオン交換体が純
度も収率もともに優れ効果的に精製できることを見い出
し本発明を完成させるに至った。
【0006】すなわち、本発明は、ピルビン酸を含む水
溶液を、三級アミンを交換基とする弱塩基性陰イオン交
換体と接触させることを特徴とするピルビン酸の精製方
法である。
【0007】以下本発明を詳細に説明する。
【0008】本発明によれば、ピルビン酸を含む水溶液
を三級アミンを交換基とする弱塩基性陰イオン交換体と
接触させることにより、ピルビン酸を該樹脂に吸着さ
せ、しかるのちに溶出することによりピルビン酸を精製
することができる。
【0009】本発明において用いるピルビン酸を含む水
溶液は、たとえば発酵生産された培養液およびそれらの
処理物、ピルビン酸塩類の濃縮・晶析母液の処理液、ま
たは化学合成法で製造されたピルビン酸を含む処理液で
あってもよいし、ピルビン酸を含む蒸留精製残渣であっ
てもよい。ピルビン酸塩類の精製にあっては、まず強酸
性陽イオン交換体に通液し、陽イオン成分を除去し、し
かる後に前記イオン交換体により精製を行う。主な不純
物としてはパラピルビン酸、酢酸などの有機酸などが挙
げられる。
【0010】本発明に用いる弱塩基性陰イオン交換体
は、三級アミンを交換基とする弱塩基性陰イオン交換体
であって、ここで三級アミンとは、例えば、
【化1】 であり、Pは高分子基を示し、R1 およびR2 は同種ま
たは異種のアルキル基を示す。形状は任意であり短繊維
状、解砕物、あるいはビーズ状樹脂を示す。たとえば本
発明で用いるイオン交換体を商品名で示せば“ダウェッ
クス”NWA−1;“ダイアイオン”WA−30、WA
−10、WA−11;“デュオライト”A−6、A−3
08、KA−800、KA−900;“アンバーライ
ト”IRA−93、IRA−94、IRA−68、XE
−275;“レバチット”MP−60などが挙げられ
る。
【0011】本発明において用いる溶出剤としては硫
酸、塩酸などの鉱酸でよく、また、濃度は0.1N〜2
Nの一般的濃度でよく、あまり濃度を高くすると目的物
中に溶出剤が混入し純度を下げるし、また溶出剤濃度を
下げると目的物の濃度が希薄となるため、好ましくは
0.3N〜1Nである。
【0012】また、溶出剤の通液速度SVは0.1〜2
と一般的な速度でよいが目的物を純度よく溶出させるに
はSV0.3〜1.0が好ましい。操作温度については
特に規定されず常温で収率よく純度よく目的物が得られ
る。
【0013】本発明の精製操作は常法で実施できる。
【0014】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0015】実施例1 純度41%のピルビン酸含量24%のピルビン酸ナトリ
ウム晶析母液を、強酸性陽イオン交換樹脂“レバチッ
ト”S−100(H)(***バイエル社製)に通液
し、得られた流出液を、1.5Nの苛性ソーダで再生し
た三級アミンを交換基とする弱塩基性陰イオン交換樹脂
“ダイヤイオン”WA−30(三菱化成工業(株)
製)、700mlを充填した40mmφ塔に通液・吸着し
た。十分に水洗を行った後、0.5N硫酸を溶出剤と
し、SV=0.5で通液・脱着した。流出液を350ml
ずつ区分し、ピルビン酸濃度を液体クロマトグラフィー
で定量し、同時にまた液中の酸成分の定量を中和滴定で
行い、次式に従ってピルビン酸純度を求めた。
【0016】
【式1】
【0017】それによるとピルビン酸純度93.1%の
流出液が72%の収率で得られた。得られたピルビン酸
水溶液を苛性ソーダ水溶液で中和した後、濃縮・晶析・
脱水を繰返し、ピルビン酸ナトリウムの結晶を75%の
収率で得た。得られた乾燥結晶を酵素法乳酸デヒドロゲ
ナーゼによる定量をした結果、純度99.1%であっ
た。
【0018】実施例2 純度61%、濃度6.4%のピルビン酸を含有する培養
液3.7リットルを強酸性陽イオン交換樹脂“レバチッ
ト”S−100(H)(***バイエル社製)2リット
ルに通液し得られた流出液を、アルカリ水溶液で再生し
た“ダイヤイオン”WA−30(OH型)(三菱化成
工業(株)製)3.2リットルを充填した70mmφの塔
に通液吸着させ、十分に水洗を行った後0.5Nの硫酸
を溶出剤としSV0.8で通液・脱着した。流出液を
2.5リットルずつに区分し、ピルビン酸濃度を液体ク
ロマトグラフィーで定量し、同時にまた液中の酸成分の
定量を中和滴定で行い、ピルビン酸純度を求めた。それ
によると94.1%純度の流出液を78%の収率で得
た。
【0019】実施例3 実施例2と同様に、硫酸の溶出剤濃度を0.5Nから
1.0Nに変え、溶出液速度SV0.8から0.6に変
えた以外は変えることなく、同様の操作を行った。
【0020】その結果、ピルビン酸純度94.7%の流
出液を71.5%の収率で得た。
【0021】実施例4 実施例2と同様に三級アミンを交換基とする弱塩基性陰
イオン交換樹脂“アンバーライト”IRA−93(米国
ロームアンドハース社製)を、1.5N苛性ソーダで再
生した後、内径40mmφの塔に350ml充填し、純度6
2%、濃度2.6%のピルビン酸水溶液を通液・吸着さ
せた。十分に水洗を行った後、0.5Nの硫酸を溶出剤
としSV0.83で通液・吸着した。流出液を200ml
ずつ区分し、実施例1と同様に分析・定量した。その結
果、純度93.0%の流出液を72.3%の収率で得
た。
【0022】実施例5 実施例2と同様に三級アミンを交換基とする弱塩基性イ
オン交換樹脂“デュオライト”KA−900(米国ダイ
アモンドシャムロック社製)を、2N苛性ソーダで再生
した後、内径36mmφの塔に180ml充填し、実施例4
と同純度、濃度のピルビン酸を含有する水溶液を通液・
吸着させた。十分に水洗を行った後、0.5Nの硫酸を
溶出剤としSV0.7で通液・脱着した。流出液を13
0mlずつ区分し実施例1と同様に分析・定量した。その
結果、純度96.8%の流出液を73.8%の収率で得
た。
【0023】比較例1 実施例2と同培養液を同法により処理した流出液を使用
して、同法で再生した四級アンモニウム基を交換基とす
る強塩基性陰イオン交換樹脂“ダイヤイオン”PA41
2(三菱化成工業(株)製)720mlに通液・吸着さ
せ、0.5N硫酸を溶出剤としSV0.5で通液・脱着
した。流出液を360mlずつに区分し、同法により分析
定量したところ、93.7%純度の流出液を56%の収
率で得た。
【0024】比較例2 実施例1と同様に、弱塩基性イオン交換樹脂“ダイヤイ
オン”WA−30を四級アンモニウム基を交換基とする
強塩基性イオン交換樹脂“ダイヤイオン”PA−316
(三菱化成工業(株)製)に変えた以外は、変えること
なく操作を行った。その結果、ピルビン酸純度89.6
%の流出液を48.5%の収率で得た。
【0025】比較例3 実施例1と同様に、弱塩基性イオン交換樹脂“ダイヤイ
オン”WA−30を四級アンモニウム基を交換基とする
強塩基性イオン交換樹脂“レバチット”MP−500
(***バイエル社製)に変えた以外は、変えることなく
操作を行った。その結果、ピルビン酸純度87.6%の
流出液を20.8%の収率で得た。
【0026】比較例4 実施例2と同培養液を同法により処理した流出液を使用
して、同法で再生した一、二級アミンを交換基とする弱
塩基性陰イオン交換樹脂“アンバーライト”IR−45
(ロームアンドハース社製)350mlを充填した40mm
φの塔に通液・吸着させた。十分に水洗を行った後、
0.4Nの硫酸を溶出剤としSV=0.5で通液・脱着
した。流出液を175mlずつ区分し、実施例1と同様に
分析・定量した。その結果、最高ピルビン酸純度47%
の流出液を9%の収率で得た。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、一操作で一挙にピルビ
ン酸の純度を向上させることができ、高純度の精製品を
得ることができる。また、その後の精製の負荷を下げ、
工業的に安価にピルビン酸を精製することが可能とな
る。
【0029】さらに、本発明によればピルビン酸を高回
収率でかつ高純度に精製することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 51/487 C07C 51/47 C07C 59/19

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピルビン酸を含む水溶液を三級アミンを
    交換基とする弱塩基性陰イオン交換体と接触させること
    を特徴とするピルビン酸の精製方法。
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PL2330209T3 (pl) 2008-09-30 2017-12-29 Toray Industries, Inc. Sposób i urządzenie do wytwarzania związku chemicznego oraz układ do hodowli ciągłej
AU2011339328A1 (en) 2010-12-09 2013-07-04 Toray Industries, Inc. Method for producing chemical by continuous fermentation
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