JP3115238B2 - 窒化けい素回路基板 - Google Patents

窒化けい素回路基板

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JP3115238B2
JP3115238B2 JP08238172A JP23817296A JP3115238B2 JP 3115238 B2 JP3115238 B2 JP 3115238B2 JP 08238172 A JP08238172 A JP 08238172A JP 23817296 A JP23817296 A JP 23817296A JP 3115238 B2 JP3115238 B2 JP 3115238B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒化けい素回路基
板に係り、特に冷熱サイクルの付加等に対する信頼性を
向上させ、かつ放熱性および構造強度を改善した窒化け
い素回路基板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パワートランジスタモジュールや
スイッチング電源モジュール等の比較的高電力を扱う半
導体部品の搭載用基板等として、セラミックス基板上に
銅板等の金属板を接合したセラミックス回路基板が用い
られている。
【0003】上述したようなセラミックス回路基板の製
造方法、すなわちセラミックス基板と金属板との接合方
法としては、Ti、Zr、Hf、Nb等の活性金属をA
g−Cuろう材等に1〜10%添加した活性金属ろう材
を用いる方法(活性金属法)や、金属板として酸素を1
00〜1000ppm 含有するタフピッチ電解銅や表面を
1〜10μmの厚さで酸化させた銅を用いてセラミック
ス基板と銅板とを直接接合させる、いわゆる直接接合法
(DBC法:ダイレクト・ボンディング・カッパー法)
等が知られている。
【0004】例えば直接接合法においては、まず所定形
状に打ち抜かれた厚さ0.3〜0.5mmの銅回路板を、
酸化アルミニウム(Al2 3 )焼結体や窒化アルミニ
ウム(AlN)焼結体等からなる厚さ0.6〜1.0mm
のセラミックス基板上に接触配置させて加熱し、接合界
面にCu−Cu2 Oの共晶液相を生成させ、この液相で
セラミックス基板の表面を濡らした後、液相を冷却固化
することによって、セラミックス基板と銅回路板とが接
合される。このような直接接合法を適用したセラミック
ス回路基板は、セラミックス基板と銅回路板との接合強
度が強く、またメタライズ層やろう材層を必要としない
単純構造なので小型高実装化が可能である等の長所を有
しており、また製造工程の短縮化を図ることもできる。
【0005】ところで、上述した直接接合法や活性金属
法等により金属板をセラミックス基板に接合したセラミ
ックス回路基板においては、大電流を流せるように金属
板の厚さを0.3〜0.5mmと厚くしているため、熱履
歴に対して信頼性に乏しいという問題があった。すなわ
ち、熱膨張率が大きく異なるセラミックス基板と金属板
とを接合すると、接合後の冷却過程や冷熱サイクルの付
加により、上記熱膨張差に起因する熱応力が発生する。
この応力は接合部付近のセラミックス基板側に圧縮と引
張りの残留応力分布として存在し、特に金属板の外周端
部と近接するセラミックス部分に残留応力の主応力が作
用する。この残留応力は、セラミックス基板にクラック
を生じさせたり、あるいは金属板剥離の発生原因等とな
る。また、セラミックス基板にクラックが生じないまで
も、セラミックス基板の強度を低下させるという悪影響
を及ぼす。
【0006】上述した残留応力のうち、金属板の接合後
の冷却過程で発生する熱応力に基くものは、冷却速度の
調節等によりある程度までは低減できるものの、実使用
時における搭載部品からの発熱等に起因する残留応力
は、外的条件によっては低減することができず、重大な
問題となっている。このため、上記したようなセラミッ
クス回路基板は、通常、セラミックス基板の裏面にも表
面すなわち半導体部品の実装部と同一あるいは5〜30
%薄い金属板を接合して、セラミックス回路基板の反り
を防止しているが、残留応力の問題は根本的には解決さ
れていない。
【0007】上述したような熱応力や残留応力による問
題、すなわち接合強度の低下やクラックの発生等への対
応策として、例えば特公平5−25397号公報には、
金属板としての銅板の外周端部を薄肉形状(薄肉部)、
具体的には外周端部を段付き形状やテーパー形状とする
ことが記載されている。また、特開平3−145748
号公報には、金属板の外周縁部に沿った内側に溝を形成
することが記載されている。これにより、金属板の外周
端部に集中する応力を溝で分散させることによって、接
合強度の低下やクラックの発生等を防止している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のセラミックス回路基板における熱履歴に対する
信頼性の向上手法のうち、特公平5−25397号公報
に記載されている手法では、金属板外周端部の薄肉部を
回路パターンの形成と同時にエッチング等で形成してい
るために製造工程が繁雑となり、製造工数の増大を招い
ていた。
【0009】また、特開平3−145748号公報にお
いても、同様に金属板の外周縁部に沿った溝をエッチン
グ法で形成することが主に記載されている。エッチング
法によれば、回路パターンの形成と同時に溝を形成する
ことができるものの、上述したようにエッチング法は工
程が複雑で、製造工数の増大を招くといった難点を有し
ている。さらに、溝を金型等を用いた機械加工により形
成することも示されているが、この機械加工による方法
で金属板の外周縁部の内側全周にわたって溝を形成した
場合、押圧等により溝を形成する際に押圧部周辺の金属
板に塑性変形が発生し、これに伴って特に金属板中央部
にゆがみ等の変形が発生する。この金属板の変形は、金
属板の接合不良あるいは接合強度低下の原因となってし
まう。
【0010】このようなことから、金属板接合後の冷却
過程や冷熱サイクルの付加により、金属板に生じる熱応
力や残留応力を分散、緩和して、セラミックス基板のク
ラック発生や強度低下を有効に防止すると共に、製造工
程の簡略化が図れる機械加工によっても金属板の変形を
防止し得る技術が強く求められている。
【0011】一方、半導体素子の高集積化、高出力化、
大型化が進展し、素子から発熱する熱を効率的に系外に
放散できる回路基板構造や熱応力に耐える高強度の回路
基板構造を求める技術的要請が高まっている。そこでセ
ラミックス基板として従来のアルミナ(Al2 3 )基
板よりも高強度を有する窒化けい素(Si3 4 )基板
を用いることも試行された。しかしながら、Si3 4
基板は、靭性値などの機械的強度は優れているものの熱
伝導性が窒化アルミニウム基板などと比較して著しく低
いため、特に放熱性を要求される半導体用回路基板の構
成材としては実用化されていない。
【0012】一方、窒化アルミニウム基板は他のセラミ
ックス基板と比較して高い熱伝導性と低熱膨張特性とを
有するが、機械的強度の点で満足するものが得られてい
ないため、回路基板の実装工程において付加されるわず
かな押圧力や衝撃力によって、回路基板が破損し易く、
半導体装置の製造歩留りが大幅に減少させる場合があ
る。
【0013】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、放熱性および構造強度に優れ、冷熱
サイクルが付加された場合等においても、金属板に生じ
る熱応力や残留応力を分散させることにより金属板の外
周端部への応力集中を緩和し、セラミックス基板のクラ
ック発生や強度低下を有効に防止することができ、しか
も製造工程的に有利な機械加工によっても金属板の変形
を防止し得る、信頼性や製造性に優れる窒化けい素回路
基板を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の窒化けい素回路
基板は、請求項1に記載したように、希土類元素を酸化
物に換算して1.0〜17.5重量%、不純物陽イオン
元素としてのLi,Na,K,Fe,Ca,Mg,S
r,Ba,Mn,Bを合計で1.0重量%以下、好まし
くは0.3重量%以下(検出限界としての0重量%を含
む)含有し、熱伝導率が60w/m・k以上である高熱
伝導性窒化けい素基板と、この高熱伝導性窒化けい素基
板に接合された金属板とを具備する窒化けい素回路基板
において、前記金属板の前記高熱伝導性窒化けい素基板
との接合面と反対面側の外周縁部内側に、溝が形成され
ていることを特徴としている。
【0015】なお、上記希土類元素酸化物の含有範囲で
ある1.0〜17.5重量%は、数学的な表示として当
然のことであるが、含有量の下限値である1.0重量%
および上限値である17.5重量%を含むものである。
以下、他の成分範囲についても同様である。
【0016】また、本発明の他の窒化けい素回路基板
は、請求項3に記載したように、希土類元素を酸化物に
換算して1.0〜17.5重量%含有し、窒化けい素結
晶相および粒界相から構成されるとともに粒界相中にお
ける結晶化合物相の粒界相全体に対する割合が20%以
上、好ましくは50%以上である高熱伝導性窒化けい素
基板と、この高熱伝導性窒化けい素基板に接合された金
属板とを具備する窒化けい素回路基板において、前記金
属板の前記高熱伝導性窒化けい素基板との接合面と反対
面側の外周縁部内側に、溝が形成されていることを特徴
としている。
【0017】ここで、金属板の外周縁部内側とは、図6
に示すように金属板2の幅Dを基準として、外周縁部か
ら中央方向へ向って、金属板2の幅Dの1/3以内の部
分と定義する。すなわち、金属板2の幅Dを基準とし
て、外周縁部を含まない外周縁部から中央方向への両側
1/3以内の部分を外周縁部内側とし、中央の金属板2
の幅Dの1/3の部分を中央部とする(図6においては
外周縁部内側を斜線で示す)。
【0018】また、本発明に係る窒化けい素回路基板に
おいて、上記溝としては連続した溝の他に請求項8に記
載したように不連続な溝を所定の間隔をおいて形成して
もよい。また請求項13に記載したように、上記連続し
た溝または不連続な溝に代えて、複数の孔を形成しても
よい。
【0019】また、金属板に溝を形成した本発明の窒化
けい素回路基板においては、上記高熱伝導性窒化けい素
基板に接合された全ての金属板に上記連続した溝または
不連続な溝が形成されていることが好ましいが、高熱伝
導性窒化けい素基板に接合された少なくとも1つの金属
板に上記連続した溝または不連続な溝が形成されていれ
ば本発明に包含されるものである。また、金属板の全周
でなくても包含される。
【0020】一方、金属板に複数の孔を形成した本発明
の窒化けい素回路基板においては、高熱伝導性窒化けい
素基板上に接合された全ての金属板に上記複数の孔が形
成されていることが好ましいが、少なくとも1つの金属
板に上記複数の孔が形成されていれば本発明に包含され
る。
【0021】上述した金属板に溝を形成した本発明の窒
化けい素回路基板のより好ましい形態としては、請求項
6,10に記載したように、前記連続した溝または不連
続な溝はプレス加工により形成された溝である形態、さ
らには請求項5,9に記載したように、前記連続した溝
または不連続な溝が前記金属板の外周縁部に沿って直線
状に形成されている形態、請求項7,11に記載したよ
うに、前記連続した溝または不連続な溝の幅が0.2〜
1.0mmの範囲である形態、請求項12に記載したよう
に、前記不連続な溝の長さをL0 、近接する前記不連続
な溝間の最短距離をL1 としたとき、1/10L0 ≦L
1 ≦1/2L0 を満足する形態が挙げられる。
【0022】一方、金属板に複数の孔を形成した本発明
の窒化けい素回路基板の好ましい形態としては、請求項
14に記載したように、前記複数の孔は前記金属板の外
周縁部に沿って直線状の形成されている形態が挙げら
れ、また請求項15に記載したように前記複数の孔は非
貫通孔である形態、請求項16に記載したように前記複
数の孔は貫通孔である形態、請求項17に記載したよう
に前記複数の孔はプレス成形により形成された孔である
形態、請求項18に記載したように隣接する前記孔間の
最短距離をL3 、前記隣接する孔の中心間距離をL4
したとき、1/5L4 ≦L3 ≦1/2L4 を満足する形
態が挙げられる。
【0023】また本発明で使用する高熱伝導性窒化けい
素基板は、希土類元素を酸化物に換算して1.0〜1
7.5重量%、不純物陽イオン元素としてのLi,N
a,K,Fe,Ca,Mg,Sr,Ba,Mn,Bを合
計で1.0重量%以下、好ましくは0.3重量%以下
(検出限界としての0重量%を含む。)含有するように
構成される。
【0024】また他の態様として高熱伝導性窒化けい素
基板は、希土類元素を酸化物に換算して1.0〜17.
5重量%含有し、窒化けい素結晶相および粒界相から成
るとともに粒界相中における結晶化合物相の粒界相全体
に対する割合が20%以上、好ましくは50%以上であ
る窒化けい素焼結体から形成してもよい。
【0025】さらに上記希土類元素としてはランタノイ
ド系列の元素を使用することが熱伝導率を向上させるた
めに、特に好ましい。
【0026】また、高熱伝導性窒化けい素基板は、窒化
アルミニウムまたはアルミナを1.0重量%以下含有す
るように構成してもよい。さらにアルミナを1.0重量
%以下と窒化アルミニウムを1.0重量%以下とを併用
してもよい。
【0027】また本発明において使用する高熱伝導性窒
化けい素基板は、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,
Cr,Mo,Wからなる群より選択される少なくとも1
種を酸化物に換算して0.1〜3.0重量%含有するこ
とが好ましい。このTi,Zr,Hf,V,Nb,T
a,Cr,Mo,Wから成る群より選択される少なくと
も1種は、酸化物、炭化物、窒化物、けい化物、硼化物
として窒化けい素粉末に添加することにより含有させる
ことができる。
【0028】さらに本発明で使用する高熱伝導性窒化け
い素基板の製造方法は、酸素を1.7重量%以下、不純
物陽イオン元素としてのLi,Na,K,Fe,Ca,
Mg,Sr,Ba,Mn,Bを合計で1.0重量%以
下、好ましくは0.3重量%以下、α相型窒化けい素を
90重量%以上含有し、平均粒径1.0μm以下の窒化
けい素粉末に、希土類元素を酸化物に換算して2.0〜
17.5重量%以下と、必要に応じてアルミナおよび窒
化アルミニウムの少なくとも一方を1.0重量%以下添
加した原料混合体を成形して成形体を調製し、得られた
成形体を脱脂後、温度1800〜2100℃で雰囲気加
圧焼結し、上記焼結温度から、上記希土類元素により焼
結時に形成された液相が凝固する温度までに至る焼結体
の冷却速度を毎時100℃以下にして徐冷することを特
徴とする。
【0029】上記製造方法において、窒化けい素粉末
に、さらにアルミナおよび窒化アルミニウムの少なくと
も一方を1.0重量%以下添加するとよい。
【0030】さらに窒化けい素粉末に、さらにTi,Z
r,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,Wの酸化物、
炭化物、窒化物、けい化物、硼化物からなる群より選択
される少なくとも1種を0.1〜3.0重量%添加する
とよい。
【0031】上記製造方法によれば、窒化けい素結晶組
織中に希土類元素等を含む粒界相が形成され、気孔率が
2.5%以下、熱伝導率が60W/m・K以上、三点曲
げ強度が室温で650MPa以上の機械的特性および熱
伝導特性が共に優れた窒化けい素基板が得られる。
【0032】上記製造方法において使用され、焼結体の
主成分となる窒化けい素粉末としては、焼結性、強度お
よび熱伝導率を考慮して、酸素含有量が1.7重量%以
下、好ましくは0.5〜1.5重量%、Li,Na,
K,Fe,Mg,Ca,Sr,Ba,Mn,Bなどの不
純物陽イオン元素含有量が合計で1.0重量%以下、好
ましくは0.3重量%以下に抑制されたα相型窒化けい
素を90重量%以上、好ましくは93重量%以上含有
し、平均粒径が1.0μm以下、好ましくは0.4〜
0.8μm程度の微細な窒化けい素粉末を使用すること
ができる。
【0033】平均粒径が1.0μm以下の微細な原料粉
末を使用することにより、少量の焼結助剤であっても気
孔率が2.5%以下の緻密な高熱伝導性窒化けい素基板
を形成することが可能であり、また焼結助剤が熱伝導特
性を阻害するおそれも減少する。
【0034】またLi,Na,K,Fe,Ca,Mg,
Sr,Ba,Mn,Bの不純物陽イオン元素は熱伝導性
を阻害する物質となるため、60W/m・K以上の熱伝
導率を確保するためには、上記不純物陽イオン元素の含
有量は合計で1.0重量%以下とすることにより達成可
能である。特に同様の理由により、上記不純物陽イオン
元素の含有量は合計で0.3重量%以下とすることが、
さらに好ましい。ここで通常の窒化けい素焼結体を得る
ために使用される窒化けい素粉末には、特にFe,C
a,Mgが比較的に多く含有されているため、Fe,C
a,Mgの合計量が上記不純物陽イオン元素の合計含有
量の目安となる。
【0035】なお、本発明で使用する高熱伝導性窒化け
い素基板において、上記不純物陽イオン元素の含有量
が、数学的な意味において完全に0重量%となることは
有り得ない。したがって、本願発明において規定する不
純物陽イオン元素の含有量は、実質上、検出限界として
の0重量%を含むものである。
【0036】さらに、β相型と比較して焼結性に優れた
α相型窒化けい素を90重量%以上含有する窒化けい素
原料粉末を使用することにより、高密度の窒化けい素基
板を製造することができる。
【0037】また窒化けい素原料粉末に焼結助剤として
添加する希土類元素としては、Ho,Er,Yb,Y,
La,Sc,Pr,Ce,Nd,Dy,Sm,Gdなど
の酸化物もしくは焼結操作により、これらの酸化物とな
る物質が単独で、または2種以上の酸化物を組み合せた
ものを含んでもよいが、特に酸化ホルミウム(Ho2
3 ),酸化エルビウム(Er2 3 )が好ましい。
【0038】特に希土類元素としてランタノイド系列の
元素であるHo,Er,Ybを使用することにより、焼
結性あるいは高熱伝導化が良好になり、1850℃程度
の低温度領域においても十分に緻密な焼結体が得られ
る。したがって焼成装置の設備費およびランニングコス
トを低減できる効果も得られる。これらの焼結助剤は、
窒化けい素原料粉末と反応して液相を生成し、焼結促進
剤として機能する。
【0039】上記焼結助剤の添加量は、酸化物換算で原
料粉末に対して1.0〜17.5重量%の範囲とする。
この添加量が1.0重量%未満の場合は、焼結体の緻密
化が不十分であり、特に希土類元素がランタノイド系元
素のように原子量が大きい元素の場合には、比較的低強
度で比較的に低熱伝導率の焼結体が形成される。一方、
添加量が17.5重量%を超える過量となると、過量の
粒界相が生成し、熱伝導率の低下や強度が低下し始める
ので上記範囲とする。特に同様の理由により4〜15重
量%とすることが望ましい。
【0040】また上記製造方法において他の選択的な添
加成分として使用するTi,Zr,Hf,V,Nb,T
a,Cr,Mo,Wの酸化物,炭化物、窒化物、けい化
物、硼化物は、上記希土類元素の焼結促進剤の機能を促
進すると共に、結晶組織において分散強化の機能を果し
Si3 4 焼結体の機械的強度を向上させるものであ
り、特に、Hf,Tiの化合物が好ましい。これらの化
合物の添加量が0.1重量%未満の場合においては添加
効果が不充分である一方、3.0重量%を超える過量と
なる場合には熱伝導率および機械的強度や電気絶縁破壊
強度の低下が起こるため、添加量は0.1〜3.0重量
%の範囲とする。特に0.2〜2重量%とすることが望
ましい。
【0041】また上記Ti,Zr,Hf等の化合物は窒
化けい素焼結体を黒色系に着色し不透明性を付与する遮
光剤としても機能する。そのため、特に光によって誤動
作を生じ易い集積回路等を搭載する回路基板を製造する
場合には、上記Ti等の化合物を適正に添加し、遮光性
に優れた窒化けい素基板とすることが望ましい。
【0042】さらに上記製造方法において、他の選択的
な添加成分としてのアルミナ(Al2 3 )は、上記希
土類元素の焼結促進剤の機能を助長する役目を果すもの
であり、特に加圧焼結を行なう場合に著しい効果を発揮
するものである。このAl23 の添加量が0.1重量
%未満の場合においては、より高温度での焼結が必要に
なる一方、1.0重量%を超える過量となる場合には過
量の粒界相を生成したり、または窒化けい素に固溶し始
め、熱伝導の低下が起こるため、添加量は1重量%以
下、好ましくは0.1〜0.75重量%の範囲とする。
特に強度、熱伝導率共に良好な性能を確保するためには
添加量を0.1〜0.5重量%の範囲とすることが望ま
しい。
【0043】また、後述するAlNと併用する場合に
は、その合計添加量は1.0重量%以下にすることが望
ましい。
【0044】さらに他の添加成分としての窒化アルミニ
ウム(AlN)は焼結過程における窒化けい素の蒸発な
どを抑制するとともに、上記希土類元素の焼結促進剤と
しての機能をさらに助長する役目を果すものである。
【0045】AlNの添加量が0.1重量%未満(アル
ミナと併用する場合では0.05重量%未満)の場合に
おいては、より高温度での焼結が必要になる一方、1.
0重量%を超える過量となる場合には過量の粒界相を生
成したり、または窒化けい素に固溶し始め、熱伝導率の
低下が起こるため、添加量は0.1〜1.0重量%の範
囲とする。特に焼結性,強度,熱伝導率共に良好な性能
を確保するためには添加量を0.1〜0.5重量%の範
囲とすることが望ましい。なお前記Al2 3と併用す
る場合には、AlNの添加量は0.05〜0.5重量%
の範囲が好ましい。
【0046】また焼結体の気孔率は熱伝導率および強度
に大きく影響するため2.5%以下となるように製造す
る。気孔率が2.5%を超えると熱伝導の妨げとなり、
焼結体の熱伝導率が低下するとともに、焼結体の強度低
下が起こる。
【0047】また、窒化けい素焼結体は組織的に窒化け
い素結晶と粒界相とから構成されるが、粒界相中の結晶
化合物相の割合は焼結体の熱伝導率に大きく影響し、本
発明で使用する高熱伝導性窒化けい素基板においては、
粒界相の20%以上とすることが必要であり、より好ま
しくは50%以上が結晶相で占めることが望ましい。結
晶相が20%未満では熱伝導率が60W/m・K以上と
なるような放熱特性に優れ、かつ高温強度に優れた高熱
伝導性窒化けい素基板が得られないからである。
【0048】さらに上記のように高熱伝導性窒化けい素
基板の気孔率を2.5%以下にし、また窒化けい素結晶
組織に形成される粒界相の20%以上が結晶相で占める
ようにするためには、窒化けい素成形体を温度1800
〜2100℃で2〜10時間程度、加圧焼結し、かつ焼
結操作完了直後における焼結体の冷却速度を毎時100
℃以下にして徐冷することが重要である。
【0049】焼結温度を1800℃未満とした場合に
は、焼結体の緻密化が不充分で気孔率が2.5vol%以上
になり機械的強度および熱伝導性が共に低下してしま
う。一方焼結温度が2100℃を超えると窒化けい素成
分自体が蒸発分解し易くなる。特に加圧焼結ではなく、
常圧焼結を実施した場合には、1800℃付近より窒化
けい素の分解蒸発が始まる。
【0050】上記焼結操作完了直後における焼結体の冷
却速度は粒界相を結晶化させるために重要な制御因子で
あり、冷却速度が毎時100℃を超えるような急速冷却
を実施した場合には、焼結体組織の粒界相が非結晶質
(ガラス相)となり、焼結体に生成した液相が結晶相と
して粒界相に占める割合が20%未満となり、強度およ
び熱伝導性が共に低下してしまう。
【0051】上記冷却速度を厳密に調整すべき温度範囲
は、所定の焼結温度(1800〜2100℃)から、前
記の焼結助剤の反応によって生成する液相が凝固するま
での温度範囲で充分である。ちなみに前記のような焼結
助剤を使用した場合の液相凝固点は概略1600〜15
00℃程度である。そして少なくとも焼結温度から上記
液相凝固温度に至るまでの焼結体の冷却速度を毎時10
0℃以下、好ましくは50℃以下、さらに好ましくは2
5℃以下に制御することにより、粒界相の20%以上、
特に好ましくは50%以上が結晶相になり、熱伝導率お
よび機械的強度が共に優れた焼結体が得られる。
【0052】本発明において使用する高熱伝導性窒化け
い素基板は、例えば以下のようなプロセスを経て製造さ
れる。すなわち前記所定の微細粒径を有し、また不純物
含有量が少ない微細な窒化けい素粉末に対して所定量の
焼結助剤、有機バインダ等の必要な添加剤および必要に
応じてAl2 3 やAlN,Ti化合物等を加えて原料
混合体を調整し、次に得られた原料混合体を成形して所
定形状の成形体を得る。原料混合体の成形法としては、
汎用の金型プレス法、ドクターブレード法のようなシー
ト成形法などが適用できる。上記成形操作に引き続い
て、成形体を非酸化性雰囲気中で温度600〜800
℃、または空気中で温度400〜500℃で1〜2時間
加熱して、予め添加していた有機バインダ成分を充分に
除去し、脱脂する。次に脱脂処理された成形体を窒素ガ
ス、水素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気中
で1800〜2100℃の温度で所定時間雰囲気加圧焼
結を行う。
【0053】上記製法によって製造された窒化けい素基
板は気孔率が2.5%以下、60W/m・K(25℃)
以上の熱伝導率を有し、また三点曲げ強度が常温で65
0MPa以上と機械的特性にも優れている。
【0054】なお、低熱伝導性の窒化けい素に高熱伝導
性のSiC等を添加して焼結体全体としての熱伝導率を
60W/m・K以上にした窒化けい素基板は本発明の範
囲には含まれない。しかしながら、熱伝導率が60W/
m・K以上である窒化けい素焼結体に高熱伝導性のSi
C等を複合させた窒化けい素系基板の場合には、本発明
の範囲に含まれることは言うまでもない。
【0055】本発明に係る窒化けい素回路基板は、上記
のように製造した高熱伝導性窒化けい素基板の表面に、
前記直接接合法や活性金属法を用いて導電性を有する金
属板を一体に接合して製造される。
【0056】本発明の窒化けい素回路基板においては、
金属板の接合面と反対面側の外周縁部内側に、連続した
溝や不連続な溝または複数の孔を形成している。ここ
で、金属板の接合後の冷却過程で発生する熱応力や冷熱
サイクルの付加等による熱応力、またそれらに基く残留
応力は、金属板の外周縁部内側に設けられた上記連続し
た溝や不連続な溝または複数の孔により分散されるた
め、金属板の外周端部への応力集中が緩和される。これ
により、金属板の外周端部での応力値自体を低減するこ
とができるため、従来問題となっていたセラミックス基
板のクラック発生や強度低下等を有効に防止することが
可能となる。
【0057】特に、上述した応力の分散を不連続な溝に
より達成する場合には、機械加工により溝を形成して
も、機械加工時の押圧による金属板の変形を溝と溝の間
の溝非形成領域により緩和することができる。従って、
機械加工時における金属板、特に金属板中央部の変形を
防止することが可能となる。ただし、金属板の角部近傍
は特に熱応力や残留応力が集中するため、溝が形成され
ていることが好ましい。
【0058】一方、上述した応力の分散を複数の孔によ
り達成する場合には、金属板の強度低下部位(薄肉部)
が不連続となることにより、機械加工時には金属板自体
に変形や反り等が発生することを有効に防止し得る。従
って、応力分散の部位(孔)をプレス加工等の機械加工
によって実用的に形成することが可能となると共に、プ
レス加工等によっても金属板自体に変形や反り等が発生
することを有効に防止することが可能となる。
【0059】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態について、
以下に示す実施例および添付図面を参照して具体的に説
明する。まず本発明において使用する高熱伝導性窒化け
い素基板について述べ、しかる後に、この高熱伝導性窒
化けい素基板をセラミックス基板として使用した窒化け
い素回路基板について説明する。
【0060】まず本発明の窒化けい素回路基板の構成材
となる各種高熱伝導性窒化けい素基板を以下の手順で製
造した。
【0061】すなわち、酸素を1.3重量%、前記不純
物陽イオン元素を合計で0.15重量%含有し、α相型
窒化けい素97%を含む平均粒径0.55μmの窒化け
い素原料粉末に対して、表1〜3に示すように、焼結助
剤としてのY2 3 ,Ho23 などの希土類酸化物
と、必要に応じてTi,Hf化合物,Al2 3 粉末,
AlN粉末とを添加し、エチルアルコール中で窒化けい
素製ボールを用いて72時間湿式混合した後に乾燥して
原料粉末混合体をそれぞれ調整した。次に得られた各原
料粉末混合体に有機バインダを所定量添加して均一に混
合した後に、1000kg/cm2 の成形圧力でプレス成形
し、各種組成を有する成形体を多数製作した。次に得ら
れた各成形体を700℃の雰囲気ガス中において2時間
脱脂した後に、この脱脂体を表1〜3に示す焼結条件で
緻密化焼結を実施した後に、焼結炉に付設した加熱装置
への通電量を制御して焼結炉内温度が1500℃まで降
下するまでの間における焼結体の冷却速度がそれぞれ表
1〜3に示す値となるように調整して焼結体を冷却し、
それぞれ試料1〜51に係る窒化けい素焼結体を調製し
た。さらに得られた焼結体を加工研磨して所定形状の高
熱伝導性窒化けい素基板とした。
【0062】こうして得た試料1〜51に係る各窒化け
い素基板について気孔率、熱伝導率(25℃)、室温で
の三点曲げ強度の平均値を測定した。さらに、各窒化け
い素基板についてX線回折法によって粒界相に占める結
晶相の割合を測定し、下記表1〜3に示す結果を得た。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
【表3】
【0066】表1〜3に示す結果から明らかなように試
料1〜51に係る窒化けい素焼結体においては、原料組
成および不純物量を適正に制御し、従来例と比較して緻
密化焼結完了直後における焼結体の冷却速度を従来より
低く設定しているため、粒界相に結晶相を含み、結晶相
の占める割合が高い程、高熱伝導率を有する放熱性の高
い高強度窒化けい素基板が得られた。
【0067】これに対して酸素を1.3〜1.5重量
%,前記不純物陽イオン元素を合計で0.13〜1.5
0重量%含有し、α相型窒化けい素を93%含む平均粒
径0.60μmの窒化けい素原料粉末を用い、この窒化
けい素粉末に対してY2 3 (酸化イットリウム)粉末
を3〜6重量と、アルミナ粉末を1.3〜1.6重量%
添加した原料粉末を成形,脱脂後、1900℃で6時間
焼結し、炉冷(冷却速度:毎時400℃)して得た焼結
体の熱伝導率は25〜28W/m・Kと低く、従来の一
般的な製法によって製造された窒化けい素焼結体の熱伝
導率に近い値となった。
【0068】次に得られた試料1〜51に係る各高熱伝
導性窒化けい素基板の両面に、直接接合法または活性金
属法を用いて金属板を一体に接合することにより、それ
ぞれ窒化けい素回路基板を製造した。
【0069】図1は、本発明の一実施例による窒化けい
素回路基板の構造を示す図である。同図において、高熱
伝導性窒化けい素基板1の表面1aには金属板として銅
板2が接合されている。また、高熱伝導性窒化けい素基
板1の裏面1bにも、同様に銅板3が接合されており、
これらにより窒化けい素回路基板4Aが構成されてい
る。
【0070】また、図1に示す窒化けい素回路基板4A
における銅板2,3は、高熱伝導性窒化けい素基板1に
対して直接接合法、いわゆるDBC法により接合されて
いる。このようなDBC法を利用する場合の銅板2,3
としては、タフピッチ銅のような酸素を100〜300
0ppm の割合で含有する銅を用いることが好ましいが、
接合時の条件によっては無酸素銅を用いることも可能で
ある。なお、銅や銅合金の単板に代えて、高熱伝導性窒
化けい素基板1との接合面が少なくとも銅により構成さ
れている他の金属部材とのクラッド板等を用いることも
できる。
【0071】高熱伝導性窒化けい素基板1の表面1a側
に接合された銅板2は、半導体部品等の実装部となるも
のであり、所望の回路形状にパターニングされている。
また、高熱伝導性窒化けい素基板1の裏面1b側に接合
された銅板3は、接合時における高熱伝導性窒化けい素
基板1の反り等を防止するものであり、中央付近から2
分割された状態でほぼ高熱伝導性窒化けい素基板1の裏
面1b全面に接合、形成されている。裏面1b側の銅板
3には、半導体部品等の実装部となる銅板2と同じ厚さ
のものを使用してもよいが、銅板2の厚さの70〜90
%の厚さの銅板を使用することが好ましい。
【0072】ここで、図1に示した窒化けい素回路基板
4Aは、高熱伝導性窒化けい素基板1に銅板2,3をD
BC法により接合したものであるが、例えば図2に示す
ように、銅板2,3を活性金属法で高熱伝導性窒化けい
素基板1に接合した窒化けい素回路基板5Aであっても
よい。上記活性金属法は、例えばTi、Zr、Hf、N
b等から選ばれた少なくとも1種の活性金属を含むろう
材(以下、活性金属含有ろう材と記す)層6を介して、
高熱伝導性窒化けい素基板1と銅板2,3とを接合する
方法である。用いる活性金属含有ろう材の組成として
は、例えばAg−Cuの共晶組成(72wt%Ag−28
wt%Cu)もしくはその近傍組成のAg−Cu系ろう材
やCu系ろう材を主体とし、これに1〜10重量%のT
i、Zr、Hf、Nb等から選ばれた少なくとも1種の
活性金属を添加した組成等が例示される。なお、活性金
属含有ろう材にInのような低融点金属を添加して用い
ることもできる。
【0073】図1に示した窒化けい素回路基板4Aのよ
うに、銅板2,3を高熱伝導性窒化けい素基板1にDB
C法で接合したものは、単純構造で高接合強度が得ら
れ、また製造工程を簡易化できる等の利点を有する。ま
た、図2に示した窒化けい素回路基板5Aのように、銅
板2,3を高熱伝導性窒化けい素基板1に活性金属法で
接合したものは、高接合強度が得られると共に、活性金
属含有ろう材層6が応力緩和層としても機能するため、
より信頼性の向上が図れる。このようなことから、要求
特性や用途等に応じて接合法を選択することが好まし
い。
【0074】また、活性金属法により高熱伝導性窒化け
い素基板1に金属板を接合する場合には、銅板に限ら
ず、用途に応じて各種の金属板、例えばニッケル板、タ
ングステン板、モリブデン板、これらの合金板やクラッ
ド板(銅板とのクラッド板を含む)等を用いることも可
能である。
【0075】そして、上述した窒化けい素回路基板4
A,5Aにおいては、図1に示すように、半導体部品等
の実装部となる銅板2の外周縁部内側に、連続な溝7が
外周縁部に沿って、すなわち銅板2の各回路パターン部
の外周縁部に沿って形成されている。
【0076】また上記連続した溝7に代えて、不連続な
溝を形成してもよい。図3は不連続な溝8を形成した銅
板2を、高熱伝導性窒化けい素基板1の表面1aに直接
接合法により一体に接合した窒化けい素回路基板4Bを
示す。この窒化けい素回路基板4Bは、不連続な溝8を
形成した点以外は図1に示す窒化けい素回路基板4Aと
同様な構成である。
【0077】一方、図4は、不連続な溝8を形成した銅
板2を、活性金属含有ろう材層6を介して高熱伝導性窒
化けい素基板1の表面1aに一体に接合した窒化けい素
回路基板5Bを示す断面図である。この窒化けい素回路
基板5Bは、不連続な溝8を形成した点以外は図2に示
す窒化けい素回路基板5Aと同様な構成である。
【0078】そして、上述した窒化けい素回路基板4
B,5Bにおいては、図5に示すように、半導体部品等
の実装部となる銅板2の外周縁部内側に、不連続な溝8
が外周縁部に沿って、すなわち銅板2の各回路パターン
の外周縁部に沿って形成されている。
【0079】上記連続した溝7および不連続な溝8は、
製造工程の繁雑化を避けると共に、製造工数の低減を図
るために、金型を用いたプレス加工等の機械加工により
形成することが望ましい。ただし、必ずしも他の形成方
法の適用を除外するものではない。
【0080】ここで、上述した銅板2(金属板)の外周
縁部内側とは、図6に示すように銅板2の幅Dを基準と
して、外周縁部から中央方向へ向って銅板2の幅Dの1
/3以内の部分とする。すなわち、銅板2の幅Dを基準
として、外周縁部を含まない外周縁部から中央方向に両
側1/3D以内の部分を外周縁部内側(図6においては
斜線で示す)とし、銅板2の幅Dの中央1/3の部分を
中央部とする。溝7,8の形成領域が上記外周縁部内側
を超えて中央部に達すると、銅板2の外周端部の応力集
中を十分に緩和できなくなると共に、実装面積の低下を
招くことになる。
【0081】上述した連続の溝7および不連続な溝8
は、銅板2の各回路パターン部の外周縁部に沿って、所
定の間隔で直線状に形成することが好ましい。このよう
に、溝7,8を直線状に形成することによって、銅板2
の外周端部への応力集中を効率的に緩和でき、言い換え
ると応力を効率的に分散させることができる。
【0082】また図5に示す不連続な溝8を構成する各
単体溝8aの形状、すなわち単体溝8aの幅Wおよび長
さL0 は、後述する単体溝8aの形成間隔や銅板2の大
きさ等にもよるが、幅Wを0.2〜1.0mmの範囲、長
さL0 を20mm以下の範囲とすることが好ましい。単体
溝8aの幅Wが0.2mm未満の場合には、十分に応力を
分散できないおそれがあり、また、1.0mmを超えると
銅板2の強度低下を招きやすくなると共に、実装面積の
低下を招くことになる。
【0083】幅Wのさらにこのましい範囲は同様の理由
から0.4〜0.8mmである。また、各単体溝8aの長
さL0 が20mmを超えると、溝非形成領域の減少に伴っ
て銅板2の変形を十分に抑制できないおそれがある。各
単体溝8aの最小長さは特に限定されるものではない
が、銅板2の外周端部への応力集中を効率的に緩和する
という点から2mm以上とすることが好ましい。
【0084】また図5において、直線状に配列された不
連続な溝8は、上述した各単体溝8aの長さL0 に対し
て近接する単体溝8a間の最短距離L1 が、1/10L
0 ≦L1 ≦1/2L0 を満足するように形成することが
好ましい。不連続な溝8の形成間隔(近接する単体溝8
a間の最短距離L1 )があまり大きすぎると、具体的に
はL1 >1/2L0 となると、溝形成による応力の分散
効果を十分に得られないおそれがあり、一方不連続な溝
8の形成間隔があまり小さすぎると、具体的にはL1
1/10L0 となると、溝非形成領域による銅板2の変
形抑制効果が十分に得られなくなるおそれがある。
【0085】不連続な溝8は、上述したような形成間隔
を満足していれば溝非形成領域の位置等が特に限定され
るものではないが、図5に示すように銅板2の角部近傍
には溝が形成されるように、各単体溝8aを配置するこ
とが望ましい。これは、銅板2の角部近傍は特に熱応力
や残留応力が集中するためである。また、不連続な溝8
を構成する各単体溝8aの長さL0 は、全て同一としな
ければならいなものではなく、上述した各条件を満足す
る範囲内で適宜変更することが可能である。
【0086】上記連続した溝7および不連続な溝8の縦
断面形状は、図7に示すように深さ方向にほぼ均等な形
状であっても、また図8に示すように逆三角形状であっ
てもよい。ただし、その深さdは銅板2の厚さtの1/
3〜2/3の範囲とすることが好ましい。溝7,8の深
さが銅板2の厚さtの1/3未満であると、応力の分散
効果が不十分となるおそれがあり、また厚さtの2/3
を超えると銅板2の強度低下等を招きやすくなる。ま
た、溝7,8の形成位置、すなわち銅板2の外周縁部か
ら溝7,8までの最短距離L2 は、銅板2の厚さや大き
さ等によっても異なるが、0.3〜1.0mmとすること
が好ましい。溝7,8の形成位置を示す距離L2 が0.
3mm未満であると、銅板2の形状維持能が低下し、また
距離L2 が1.0mmを超えると銅板2の外周端部での応
力集中を十分に緩和できないおそれがある。
【0087】以上半導体部品等の実装部となる高熱伝導
性窒化けい素基板1の表面1aに接合する銅板2につい
て詳述したが、高熱伝導性窒化けい素基板1の裏面1b
に接合する銅板3についても、表面1a側の銅板2と同
様に、その外周縁部内側に溝7,8を形成することが好
ましい。特に、放熱性等の点から比較的厚い銅板(金属
板)を用いる場合には、裏面1b側の銅板3にも溝7,
8を形成することが望ましい。裏面1b側の銅板3に形
成する溝7,8の形状や形成間隔等は、表面1a側の銅
板2に形成する溝7,8に準ずるものとする。
【0088】上述した窒化けい素回路基板4は、例えば
以下のようにして製造される。すなわち、例えばタフピ
ッチ銅のような酸素含有銅板を、所定形状(銅板2に関
しては回路パターン形状)に加工すると共に、その外周
縁部内側に例えば直線状に連続した溝7または不連続な
溝8をプレス加工等の機械加工により形成する。このよ
うな溝7,8を有する銅板2,3を高熱伝導性窒化けい
素基板上にそれぞれ接触配置し、銅の融点(1356
K)以下で銅と酸化銅の共晶温度(1338K)以上の
温度で加熱することにより、各銅板2,3を接合し窒化
けい素回路基板4を作製する。この加熱の際の雰囲気
は、銅板として酸素含有銅板を使用する場合には不活性
ガス雰囲気とすることが好ましい。
【0089】また、活性金属法により金属板を接合した
窒化けい素回路基板5は、例えば以下のようにして製造
される。まず、上記窒化けい素回路基板4と同様に、連
続した溝7または不連続な溝8を有する銅板2,3を用
意する。一方、前述したような活性金属含有ろう材をペ
ースト化したものを、例えば高熱伝導性窒化けい素基板
1側に塗布する。ろう材層の塗布厚は、冷熱サイクル特
性の向上を図る上で、加熱接合後のろう材層6の層厚が
あまり厚くならないようにすることが好ましい。次に、
ろう材ペーストを塗布した高熱伝導性窒化けい素基板1
上に、銅板2,3をそれぞれ積層配置し、使用したろう
材に応じた温度で熱処理することにより、窒化けい素回
路基板5を作製する。
【0090】上述したような構造の窒化けい素回路基板
4,5においては、銅板2,3の接合後の冷却過程で発
生する熱応力や冷熱サイクルの付加等による熱応力、お
よびそれらに基く残留応力は、銅板2,3の外周縁部内
側に設けられた溝7,8により分散されて、銅板2,3
の各外周端部への応力集中が緩和される。これにより、
銅板2,3の外周端部での応力値自体が低減するため、
従来問題となっていたセラミックス基板部のクラック発
生や強度低下等を有効に防止することができる。そし
て、上述した応力の分散を溝7,8により達成している
ため、溝7,8の形成にプレス加工等の機械加工を適用
しても、銅板2,3の、特にその中央部の変形を防止す
ることができる。従って、銅板2,3の変形による接合
強度の低下等を招くことなく、製造工程の簡略化および
製造工数の低減が実現できる。
【0091】次に、上記溝を形成した実施例の具体例お
よびその評価結果について述べる。
【0092】実施例1 まず、高熱伝導性窒化けい素基板1として、前記試料1
〜51に係る窒化けい素基板を採用し、空気中で酸化す
ることにより、表面に厚さ4μm酸化物層(SiO
2 層)を有する厚さ0.7mmの高熱伝導性窒化けい素基
板を用意すると共に、外周縁部内側に直線状の連続した
溝7または不連続な溝8を外周縁部に沿ってプレス加工
により形成した、タフピッチ銅(酸素含有量:300pp
m )からなる所定形状の厚さ0.3mmの銅板2,3を用
意した。
【0093】連続した溝7の形状は、縦断面形状を図7
に示した深さ方向にほぼ均等形状とすると共に幅Wを
0.5mm、深さdを0.15mmとし、また形成位置は銅
板2,3の外周縁部からの距離L2 が0.5mmとなるよ
うにした。
【0094】一方、不連続な溝8の形状は、縦断面形状
を図7に示した深さ方向にほぼ均等形状とすると共に図
5に示した、各単体溝8aの幅Wを0.5mm、長さL0
を10mm、深さdを0.15mmとし、近接する各単体溝
8a間の最短距離L1 を2mm(=0.2L0 )とし、ま
た形成位置は銅板2,3の外周縁部からの距離L2
0.5mmとなるようにした。
【0095】そして、図1および図3に示したように、
高熱伝導性窒化けい素基板1の両面に2枚の銅板2,3
をそれぞれ直接接触配置し、窒素ガス雰囲気中にて13
48Kの条件で加熱して接合させ、目的とする窒化けい
素回路基板4A,4Bを得た。
【0096】このようにして得た窒化けい素回路基板4
A,4Bに対して熱サイクル試験(TCT:233K×
30分+RT×10分+398K×30分を1サイクル
とする)を施し、この熱サイクル付加時における応力分
布を測定した。その結果を図9に示す。なお、図9にお
ける比較例(一点鎖線で示す)は、溝を有しない銅板
2′を用いる以外は上記実施例1と同一条件で作製した
窒化けい素回路基板に対して、同一条件で熱サイクルを
付加した際の応力分布の測定結果である。
【0097】図9から明らかなように、銅板2,3の外
周縁部に沿って連続した溝7または不連続な溝8を形成
することにより、冷熱サイクル付加時の応力は溝7,8
により分散され、外周端部の応力は溝を有しない比較例
に比べて明らかに低減されていることが分かる。これに
より、窒化けい素基板のクラック発生や強度低下等を防
止することが可能となる。ちなみに、実施例1の窒化け
い素回路基板は、100サイクルのTCT後においても
クラックが発生しなかったのに対して、比較例による窒
化けい素回路基板は100サイクルで窒化けい素回路基
板の25%にクラックが生じた。
【0098】また、不連続な溝8をプレス加工により形
成した際には、銅板2,3に変形等が生じなかったのに
対し、同様にプレス加工により銅板の外周縁部に沿って
全周に連続した溝7を形成した場合には銅板の中央部に
変形が発生するものがあった。また、プレス加工時には
変形が小さい銅板であっても、高熱伝導性窒化けい素基
板との加熱接合や放冷の際に変形が発生していた。
【0099】実施例2 高熱伝導性窒化けい素基板1として、試料1〜51に係
る厚さ0.6mmの高熱伝導性窒化けい素基板を用意する
と共に、外周縁部内側に直線状の不連続な溝8を外周縁
部に沿ってプレス加工により形成した所定形状の厚さ
0.3mmの銅板2,3とを用意した。不連続な溝8の形
状は、縦断面形状を図7に示した深さ方向にほぼ均等形
状とすると共に、各単体溝8aの幅Wを0.5mm、長さ
0 を10mm、深さdを0.15mmとし、近接する各単
体溝8a間の最短距離L1 を2mm(=0.2L0 )と
し、また形成位置は銅板2,3の外周縁部からの距離L
2 が0.5mmとなるようにした。
【0100】そして、図4に示すように、高熱伝導性窒
化けい素基板の両面に、In:Ag:Cu:Ti=1
4.0:59.0:23.0:4.0組成の活性金属含
有ろう材をペースト化したものを塗布し、この塗布層を
介して銅板2,3を積層配置した後、窒素ガス雰囲気中
にて加熱して接合させ、目的とする窒化けい素回路基板
5Bを得た。
【0101】このようにして得た窒化けい素回路基板5
Bに対して熱サイクル試験を実施例1と同一条件下で実
施したところ、実施例1と同様な良好な結果が得られ、
冷熱サイクルに対する信頼性に優れることを確認した。
また、上記銅板2,3に不連続な溝8をプレス加工で形
成した後の変形についても実施例1と同様であった。
【0102】次に金属板(銅板)に複数の孔を形成した
本発明の実施例について説明する。
【0103】図10は複数の孔9を形成した銅板2を、
高熱伝導性窒化けい素基板1の表面1aに直接接合法に
より一体に接合した窒化けい素回路基板4Cを示す。こ
の窒化けい素回路基板4Cは、溝7に代えて複数の孔9
を形成した点以外は図1に示す窒化けい素回路基板4A
と同様な構成である。
【0104】一方、図11は、複数の孔9を形成した銅
板2を、活性金属含有ろう材層6を介して高熱伝導性窒
化けい素基板1の表面1aに一体に接合した窒化けい素
回路基板5Cを示す断面図である。この窒化けい素回路
基板5Cは、溝7に代えて複数の孔9を形成した点以外
は図2に示す窒化けい素回路基板5Aと同様な構成であ
る。
【0105】そして、上述した窒化けい素回路基板4
C,5Cにおいては、図12や図13に示すように、半
導体部品等の実装部となる銅板2の外周縁部に沿って、
すなわち銅板2の各回路パターン部の外周縁部に沿っ
て、その内側に複数の孔9が形成されている。複数の孔
9の横断面形状は、図12に示すような円形状であって
も、また図13に示すような矩形状であってもよい。ま
た、複数の孔9は、製造工程の煩雑化を避けると共に、
製造工数の低減を図るために、金型を用いたプレス加工
により形成することが望ましい。ただし、必ずしも他の
形成方法の適用を除外するものではない。
【0106】上述した複数の孔9は、銅板2の各回路パ
ターン部の外周縁部に沿って、所定の間隔で直線状に形
成されることが好ましい。このように、複数の孔9を直
線状に形成することによって、銅板2の外周端部への応
力集中を効率的に緩和でき、言い換えると応力を効率的
に分散させることができる。
【0107】孔9の大きさは、その横断面形状や銅板2
の大きさ、さらには後述する孔9の形成間隔等にもよる
が、例えば図12に示すような円形状の場合には直径
0.1〜1.0mmとすることが好ましい。孔9の大きさ
が0.1mm未満の場合には、十分に応力を分散できない
おそれがあり、また1.0mmを超えると銅板2の強度低
下を招き易くなると共に、実装面積の低下を招く。さら
に好ましい範囲は、同様の理由から0.3〜0.7mmで
ある。一方、図13に示すような矩形状の孔9とする場
合には、長辺の長さを上記したような大きさとすること
が好ましい。
【0108】また、直線状に配列された複数の孔9は、
隣接する孔9との間の最短距離をL3 、隣接する孔9の
中心間距離をL4 としたとき、1/5L4 ≦L3 ≦1/
2L4 を満足するように形成することが好ましい。孔9
の形成間隔(隣接する孔9間の最短距離L3 )があまり
大きすぎると、具体的にはL3 >1/2L4 となると、
応力の緩和効果を十分に得られないおそれがあり、一方
孔9の形成間隔があまり小さすぎると、具体的にはL3
<1/5L4 となると、例えば上述したように複数の孔
9をプレス加工等で形成する場合に、銅板(金属板)2
の外周縁部内側(孔形成部分)の強度低下を十分に抑制
できないおそれがある。これにより、銅板2の変形が生
じて、銅板2の接合強度が低下するおそれがある。
【0109】上述した複数の孔9は、図14や図15に
示すように非貫通孔9A,9Bであってもよいし、また
図16に示すように貫通孔9Cであってもよい。例え
ば、非貫通孔9A,9Bはプレス加工等により容易に形
成することができるため、製造工数の削減等に有効であ
り、また貫通孔9CはDBC法を適用する場合に、接合
に寄与せずにガス化した酸素等の排出孔としても機能
し、膨れの防止等による接合状態の均一性をより一層高
める上で有効である。このように、非貫通孔9A,9B
および貫通孔9Cは、応力の分散・緩和効果とは別に、
それぞれ異なる有効性を有しているため、接合方法や用
途等に応じて適宜選択することが好ましい。
【0110】ここで、複数の孔9を非貫通孔9A,9B
とする場合、その深さ方向の形状は、図14に示すよう
にほぼ均一形状であっても、また図15に示すように逆
円錐状(あるいは逆角錐状)であってもよい。ただし、
その深さdは銅板2の厚さtの1/3〜2/3とするこ
とが好ましい。非貫通孔状の孔9の深さが銅板2の厚さ
tの1/3未満であると、応力の分散効果が不十分とな
るおそれがある。
【0111】また、図14に示すように複数の孔9の形
成位置、すなわち銅板2の外周縁部から孔9までの最短
距離L5 は、銅板2の厚さや大きさ等によっても異なる
が、0.3〜1.0mmとすることが好ましい。
【0112】以上は、半導体部品等の実装部となる高熱
伝導性窒化けい素基板1の表面1aに接合する銅板2に
ついて詳述したが、高熱伝導性窒化けい素基板1の裏面
1bに接合する銅板3についても、表面側の銅板2と同
様に、その外周縁部内側に複数の孔9を形成することが
好ましい。特に、放熱性等の点から比較的厚い銅板(金
属板)を用いる場合には、裏面側の銅板3にも複数の孔
9を形成することが好ましい。裏面側の銅板3に形成す
る複数の孔9の形状や形成間隔等は、表面側の銅板2に
形成する複数の孔9に準ずるものとする。
【0113】上述したような窒化けい素回路基板4C,
5Cは、実施例1〜2と同様に、複数の孔9を形成した
銅板2,3などの金属板を、直接接合法や活性金属法を
使用して高熱伝導性窒化けい素基板1に一体に接合する
ことにより製造される。
【0114】上述したような構成の窒化けい素回路基板
4C,5Cにおいては、銅板2,3の接合後の冷却過程
で発生する熱応力や冷熱サイクルの付加等による熱応
力、およびそれらに基づく残留応力は、銅板2,3の外
周端部内側に設けられた複数の孔9により分散され、銅
板2,3の各外周端部への応力集中が緩和される。これ
により、銅板2,3の外周縁部での応力値自体が減少す
るため、従来問題となっていたセラミックス基板部のク
ラック発生や強度低下等を有効に防止することができ
る。
【0115】そして、上述した応力の分散を複数の孔9
により達成しているため、銅板2,3の強度低下部位は
その外周縁部に沿って不連続となる。したがって、複数
の孔9の形成にプレス加工等の機械加工を適用しても、
銅板2,3自体に変形や反り等が発生することがないた
め、銅板2,3の接合強度の低下等を招くことなく、製
造工程の簡略化および製造工数の低減が実現できる。
【0116】次に、複数の孔を形成した実施例の具体例
およびその評価結果について述べる。
【0117】実施例3 まず、高熱伝導性窒化けい素基板1として、実施例1で
用いた窒化けい素基板を採用した。すなわち表面に厚さ
4μmの酸化物層を有する厚さ0.7mmの高熱伝導性窒
化けい素基板と、外周縁部に沿って複数の孔9がプレス
加工により形成された、タフピッチ銅(酸素含有量:3
00ppm )からなる所定形状の銅板2,3とを用意し
た。孔9の形状は、図12および図14に示した円形状
(直径=0.6mm、深さ=0.2mm)とした。また、複
数の孔9の形成間隔は、隣接する孔9間の最短距離L3
を0.25mm(=1/2L4 )とし、また形成位置は銅
板2,3からの距離L5 が0.5mmとなるようにした。
【0118】そして、図10に示したように、高熱伝導
性窒化けい素基板1の両面に2枚の銅板2,3をそれぞ
れ直接接触配置し、窒素ガス雰囲気中にて1348Kの
条件で加熱して接合させ、目的とする窒化けい素回路基
板4Cを得た。
【0119】このようにして得た窒化けい素回路基板4
Cに対して熱サイクル試験を実施例1と同一条件下で実
施したところ、ほぼ実施例1と同様な良好な結果が得ら
れ、図9に示すような応力分布が得られた。なお、図9
における比較例(一点鎖線で示す)は、複数の孔9を有
しない銅板2′を用いる以外は上記実施例3と同一条件
で作成した窒化けい素回路基板に対して、同一条件で熱
サイクルを付加した際の応力分布の測定結果である。
【0120】図9から明らかなように、銅板2,3の外
周縁部に沿って複数の孔9を形成することにより、冷熱
サイクル付加時の応力は孔9により分散させ、外周縁部
の応力は複数の孔9を有しない比較例に比べて明らかに
低減されていることが分かる。これにより、高熱伝導性
窒化けい素基板1のクラック発生や強度低下等を防止す
ることが可能となる。ちなみに、実施例3の窒化けい素
回路基板は、200サイクルのTCT後においても殆ど
クラックが発生しなかった(1%にクラック発生)のに
対して、比較例による窒化けい素回路基板は、200サ
イクルで高熱伝導性窒化けい素基板1の35%にクラッ
クが発生した。
【0121】また、複数の孔9をプレス加工により形成
した銅板2,3は、プレス加工時に反りや変形等は発生
しなかったのに対し、同様にプレス加工により銅板の外
周縁部に沿って全周に溝を形成した銅板では、プレス加
工時に銅板の外周縁部に反りや変形が発生するものがあ
った。また、プレス加工時には変形の小さい銅板の場合
にも、高熱伝導性窒化けい素基板との加熱接合、放冷の
際に変形が発生していた。
【0122】実施例4 高熱伝導性窒化けい素基板1として実施例2で用いた窒
化けい素基板を採用した。すなわち厚さ0.6mmの高熱
伝導性窒化けい素基板と、外周縁部に沿って複数の孔9
がプレス加工により形成された所定形状の厚さ0.3mm
の銅板2,3とを用意した。複数の孔9の形状は、図1
2および図16に示した貫通孔(直径0.5mm)であ
る。また、複数の孔9の形成間隔は、隣接する孔9間の
最短距離L3 を0.25mm(=1/2L4 )とし、また
形成位置は、図14に示す銅板2,3からの距離L5
0.5mmとなるようにした。
【0123】そして、図11に示したように、高熱伝導
性窒化けい素基板1の両面に、重量比でIn:Ag:C
u:Ti=14.0:59.0:23.0:4.0の組
成の活性金属含有ろう材をペースト化したものを塗布
し、この塗布層を介して銅板2,3を積層配置した後、
窒素ガス雰囲気中にて加熱して接合させ、目的とする窒
化けい素回路基板5Cを得た。
【0124】このようにして得た窒化けい素回路基板5
Cに対して熱サイクル試験を実施例3と同一条件下で実
施したところ、実施例3と同様な良好な結果が得られ、
冷熱サイクルに対する信頼性に優れることを確認した。
また、上記銅板2,3に複数の孔9をプレス加工で形成
した後の強度についても同様であった。
【0125】また上記各実施例に係る窒化けい素回路基
板4,5によれば、窒化けい素焼結体が本来的に有する
高強度高靭性特性に加えて特に熱伝導率を大幅に改善し
た高熱伝導性窒化けい素基板1を使用している。したが
って、基板に搭載する半導体素子等の発熱部品からの発
熱は熱伝導率が高い窒化けい素基板1を経て迅速に系外
に伝達されるため放熱性が極めて良好である。
【0126】また、高強度高靭性である高熱伝導率窒化
けい素基板1を使用しているため、回路基板の最大たわ
み量を大きく確保することができる。そのため、アッセ
ンブリ工程において回路基板の締め付け割れが発生せ
ず、回路基板を用いた半導体装置を高い製造歩留りで安
価に量産することが可能になる。
【0127】また高熱伝導性窒化けい素基板1の靭性値
が高いため、熱サイクルによって基板1と金属回路板や
金属板2,3との接合部に割れが発生することが少な
く、耐熱サイクル特性が著しく向上し、耐久性および信
頼性に優れた半導体装置を提供することができる。
【0128】さらに高い熱伝導率を有する窒化けい素基
板1を使用しているため、高出力化および高集積化を指
向する半導体素子を搭載した場合においても、熱抵抗特
性の劣化が少なく、優れた放熱性を発揮する。
【0129】特に窒化けい素基板自体の機械的強度が優
れているため、要求される機械的強度特性を一定とした
場合に、他のセラミックス基板を使用した場合と比較し
て基板厚さをより低減することが可能となる。この基板
厚さを低減できることから熱抵抗値をより小さくでき、
放熱特性をさらに改善することができる。また要求され
る機械的特性に対して、従来より薄い基板でも十分に対
応可能となるため、基板製造コストをより低減すること
が可能となる。
【0130】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の窒化けい
素回路基板によれば、冷熱サイクルが付加された場合等
においても、金属板に生じる熱応力や残留応力を、連続
した溝や不連続な溝、または複数の孔により分散させる
ことで、金属板の外周端部への応力集中を緩和すること
ができると共に、製造工程的に有利な機械加工によって
も金属板の変形を防止することができる。したがって、
製造工程の簡略化および製造工数の低減を図った上で、
冷熱サイクルの付加等によるセラミックス基板部のクラ
ック発生や強度低下を有効に防止することができ、信頼
性および製造性に優れた窒化けい素回路基板を提供する
ことが可能となる。
【0131】特に、本発明に係る窒化けい素回路基板に
よれば、窒化けい素焼結体が本来的に有する高強度高靭
性特性に加えて特に熱伝導率を大幅に改善した高熱伝導
性窒化けい素基板を使用しているため、基板に搭載する
半導体素子等の発熱部品からの発熱は、高熱伝導性窒化
けい素基板を経て迅速に系外に伝達されるため放熱性が
極めて良好である。また、高強度高靭性である窒化けい
素基板を使用しているため、回路基板の最大たわみ量を
大きく確保することができる。そのため、アッセンブリ
工程において回路基板の締め付け割れが発生せず、回路
基板を用いた半導体装置を高い製造歩留りで安価に量産
することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による窒化けい素回路基板の
構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)はその
断面図。
【図2】本発明の他の実施例による窒化けい素回路基板
の構造を示す断面図。
【図3】本発明の他の実施例による窒化けい素回路基板
の構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)はそ
の断面図。
【図4】本発明の他の実施例による窒化けい素回路基板
の構造を示す断面図。
【図5】本発明における不連続な溝の一形状例を示す平
面図。
【図6】本発明に溝または孔の形成位置を示す平面図。
【図7】本発明における溝の縦断面形状の一例を示す
図。
【図8】本発明における溝の縦断面形状の他の例を示す
図。
【図9】本発明の一実施例による窒化けい素回路基板に
熱サイクルを付加した際の銅板端部近傍の応力分布の測
定結果を従来例と比較して示す図。
【図10】複数の孔を形成した一実施例に係る窒化けい
素回路基板の構造を示す図であって、(a)は平面図、
(b)はその断面図。
【図11】複数の孔を形成した他の実施例に係る窒化け
い素回路基板の構造を示す断面図。
【図12】本発明における複数の孔の形状の一例と好ま
しい形成間隔を示す平面図。
【図13】本発明における複数の孔の形状の他の例を示
す平面図。
【図14】本発明における複数の孔の縦断面形状の一例
を示す断面図。
【図15】本発明における複数の孔の縦断面形状の他の
例を示す断面図。
【図16】本発明における複数の孔の縦断面形状のさら
に他の例を示す断面図。
【符号の説明】
1 高熱伝導性窒化けい素基板 1a 高熱伝導性窒化けい素基板の表面 1b 高熱伝導性窒化けい素基板の裏面 2,2′,3 銅板(金属板) 4,5,4A,5A,4B,5B,4C,5C 窒化け
い素回路基板 6 活性金属含有ろう材層 7 連続な溝 8 不連続な溝 8a 単体溝 9 複数の孔 9A,9B 非貫通孔 9C 貫通孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 那波 隆之 神奈川県横浜市鶴見区末広町2の4 株 式会社東芝 京浜事業所内 (72)発明者 佐藤 孔俊 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株式会社東芝 横浜事業所内 (56)参考文献 特開 平4−343287(JP,A) 特開 平3−145748(JP,A) 特開 平6−152078(JP,A) 特開 平6−135771(JP,A) 特開 平7−48174(JP,A) 特開 平7−187793(JP,A) 特開 平5−41566(JP,A) 特開 平8−250823(JP,A) 特開 平5−167205(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 23/12 C04B 35/584 H01L 23/373

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希土類元素を酸化物に換算して1.0〜
    17.5重量%、不純物陽イオン元素としてのLi,N
    a,K,Fe,Ca,Mg,Sr,Ba,Mn,Bを合
    計で1.0重量%以下(検出限界としての0重量%を含
    む)含有し、熱伝導率が60w/m・k以上である高熱
    伝導性窒化けい素基板と、この高熱伝導性窒化けい素基
    板に接合された金属板とを具備する窒化けい素回路基板
    において、前記金属板の前記高熱伝導性窒化けい素基板
    との接合面と反対面側の外周縁部内側に、溝が形成され
    ており、この窒化けい素回路基板に対して熱サイクル試
    験を100サイクル実施した際に窒化けい素基板にクラ
    ックが発生しないことを特徴とする窒化けい素回路基
    板。
  2. 【請求項2】 高熱伝導性窒化けい素基板は、不純物陽
    イオン元素としてのLi,Na,K,Fe,Ca,M
    g,Sr,Ba,Mn,Bを合計で0.3重量%以下
    (検出限界としての0重量を含む)含有することを特徴
    とする請求項1記載の窒化けい素回路基板。
  3. 【請求項3】 希土類元素を酸化物に換算して1.0〜
    17.5重量%含有し、窒化けい素結晶相および粒界相
    から構成されるとともに粒界相中における結晶化合物相
    の粒界相全体に対する割合が20%以上であり、熱伝導
    率が60W/m・k以上である高熱伝導性窒化けい素基
    板と、この高熱伝導性窒化けい素基板に接合された金属
    板とを具備する窒化けい素回路基板において、前記金属
    板の前記高熱伝導性窒化けい素基板との接合面と反対面
    側の外周縁部内側に、溝が形成されており、この窒化け
    い素回路基板に対して熱サイクル試験を100サイクル
    実施した際に窒化けい素基板にクラックが発生しないこ
    とを特徴とする窒化けい素回路基板。
  4. 【請求項4】 高熱伝導性窒化けい素基板は、窒化けい
    素結晶相および粒界相から構成されるとともに粒界相中
    における結晶化合物相の粒界相全体に対する割合が50
    %以上であることを特徴とする請求項3記載の窒化けい
    素回路基板。
  5. 【請求項5】 前記溝は、前記金属板の外周縁部に沿っ
    て直線状に形成されていることを特徴とする請求項1ま
    たは3記載の窒化けい素回路基板。
  6. 【請求項6】 前記溝は、プレス加工により形成された
    溝であることを特徴とする請求項1または3記載の窒化
    けい素回路基板。
  7. 【請求項7】 溝の幅が0.2〜1.0mmの範囲であ
    ることを特徴とする請求項1または3記載の窒化けい素
    回路基板。
  8. 【請求項8】 前記溝は不連続に形成されていることを
    特徴とする請求項3記載の窒化けい素回路基板。
  9. 【請求項9】 前記不連続な溝は、前記金属板の外周縁
    部に沿って直線状に形成されていることを特徴とする請
    求項8記載の窒化けい素回路基板。
  10. 【請求項10】 前記不連続な溝は、プレス加工により
    形成された溝であることを特徴する請求項8記載の窒化
    けい素回路基板。
  11. 【請求項11】 不連続な溝の幅が0.1〜1.0mm
    の範囲であることを特徴とする請求項8記載の窒化けい
    素回路基板。
  12. 【請求項12】 前記不連続な溝の長さをL、近接す
    る前記不連続な溝間の最短距離をLとしたとき、1/
    10L≦L≦1/2Lを満足することを特徴とす
    る請求項8記載の窒化けい素回路基板。
  13. 【請求項13】 希土類元素を酸化物に換算して1.0
    〜17.5重量%含有し、窒化けい素結晶相および粒界
    相から構成されるとともに粒界相中における結晶化合物
    相の粒界相全体に対する割合が20%以上であり、熱伝
    導率が60W/m・k以上である高熱伝導性窒化けい素
    基板と、この高熱伝導性窒化けい素基板に接合された金
    属板とを具備する窒化けい素回路基板において、前記金
    属板の前記高熱伝導性窒化けい素基板との接合面と反対
    面側の外周縁部内側に、複数の孔が形成されており、こ
    の窒化けい素回路基板に対して熱サイクル試験を100
    サイクル実施した際に窒化けい素基板にクラックが発生
    しないことを特徴とする窒化けい素回路基板。
  14. 【請求項14】 前記複数の孔は、前記金属板の外周縁
    部に沿って所定の間隔で直線状に形成されていることを
    特徴とする請求項13記載の窒化けい素回路基板。
  15. 【請求項15】 前記複数の孔は、非貫通孔であること
    を特徴とする請求項13記載の窒化けい素回路基板。
  16. 【請求項16】 前記複数の孔は、貫通孔であることを
    特徴とする請求項13記載の窒化けい素回路基板。
  17. 【請求項17】 前記複数の孔は、プレス加工により形
    成された孔であることを特徴とする請求項13記載の窒
    化けい素回路基板。
  18. 【請求項18】 隣接する前記孔間の最短距離をL
    隣接する孔の中心間距離をLとしたとき、1/5L
    ≦L≦1/2Lを満足することを特徴とする請求項
    13記載の窒化けい素回路基板。
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