JP3115224B2 - 低温域で喫食するためのルウ食品 - Google Patents

低温域で喫食するためのルウ食品

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JP3115224B2 JP08015196A JP1519696A JP3115224B2 JP 3115224 B2 JP3115224 B2 JP 3115224B2 JP 08015196 A JP08015196 A JP 08015196A JP 1519696 A JP1519696 A JP 1519696A JP 3115224 B2 JP3115224 B2 JP 3115224B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カレー、シチュー
等のルウ食品に関し、更に詳しくは、加熱調理せずに低
温域(通常冷蔵〜常温といわれる5〜25℃程度)での
喫食に適した新規なカレー、シチュー等のルウ食品に関
するものである。
【従来の技術】従来のカレーやシチュー等のルウ系食品
は、通常、主に固体脂を用い、これに小麦粉、香辛料等
を混合加熱して調理される。即席タイプのルウ系食品に
ついても、固体脂を用い、これに小麦粉等を混合加熱後
冷却固化して製造され(固形ルウ)、これに加水加熱
し、必要な具材を加えて調理する。近年に至っては、上
記固形ルウの他にも、常温域で流動性を有する油脂を含
み、ポリ容器からしぼり出せる程度の流動性を有したペ
ースト状カレールウなるものも提案されている(特公昭
63−3583号公報)。これらの食品は、いずれも加
熱調理して熱い状態で食されるものであり、熱い状態で
原料の風味特徴が発揮されて良好な食味を呈する。
【0002】ところで、低温域(通常冷蔵〜常温といわ
れる5〜25℃程度)で食べれるルウ食品ができれば、
清涼感があり夏場の喫食等に適し、新規で斬新なものと
なると考えられる。一般に、味覚の感受性は食品の温度
によって変化し、例えば塩味については低温域になるに
したがいその味覚が強く感じられるといわれている。し
かしながら、従来と同様の原料配合によるルウ系食品を
前記低温域に冷やして喫食したところ、意外にも塩味は
強く感じられるどころか反対に低下し、また塩味を含め
た風味が全体的に低下して味気のない食味となり、喫食
に適さないといった問題がある。
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低温域にお
いて原料の風味特徴が発揮されて良好な食味を呈し、低
温域での喫食に適した新規なルウ食品を提供することを
目的とするものである。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、低温域で喫食
するためのルウ食品において、(a) 塩分、(b) 甘味度、
(c) pHの調整から選ばれる少なくとも1つを特定する
ことにより、所望の目的を達成できることを見出し、本
発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、少なく
とも油脂及びα化した澱粉を含み、これらを水に分散又
は分散及び溶解してなり、(a) 塩分の調整、(b) 甘味度
の調整及び(c) pHの調整から選ばれる少なくとも1つ
の手段により、品温5〜10℃における味覚感受性の低
下に対応した風味強化が行われていることを特徴とす
る、加熱調理せずに低温域で喫食するための液状ないし
ペースト状のルウ食品である。
【0004】
【発明の実施の形態】本発明で対象とするルウ食品は、
少なくとも油脂及びα化した澱粉を含み、これらを水に
分散又は分散及び溶解してなる調理済の食品であって、
カレー、シチュー、ソース類、スープ類、これらの類似
品が例示される。尚、分散には乳化も含まれる。本発明
で用いる油脂は、常温で液状でも固形状でもよい。この
うち、室温(25℃)で液状のものが好ましく、特に5
〜10℃で液状のものが好ましく、より好ましくは融点
が5℃以下の油脂である。また、コーン油、大豆油、紅
花油、なたね油等の植物油が好ましい。このように、低
融点の油脂を用いることにより、低温の喫食温度域で、
ルウ食品に好適な流動性を与えて、従来品の口どけが悪
くなるなどの食感上の問題を解消し、滑らかさ、マイル
ドな風味が達成される。そして、α化した澱粉や他の増
粘性物質との相乗効果により滑らかな物性として好適な
粘度が得られる。本発明において、常温で固形状の油脂
を用いる場合には、ルウ食品中に微粒子状に分散させる
必要がある。油脂の使用量は任意とすることができる
が、滑らかさ、マイルドな風味を達成する上で、ルウ食
品中に25重量%(以下、%と略称する)以下とするの
がよく、より好ましくは15%以下、最も好ましくは1
2%以下である。尚、油脂による滑らかな風味を得る上
で1.5%以上油脂を使用するのが望ましい。
【0005】本発明で用いるα化した澱粉としては、澱
粉自体をα化したものはもとより、澱粉含有材料中の澱
粉をα化したものも含まれる。具体的には、例えばα化
した小麦粉、コーンスターチ、ポテトスターチ、加工澱
粉等を挙げることができ、これらを単独で、あるいは2
種以上を併用してもよい。これらのうち、α化小麦粉澱
粉及び/又はα化加工澱粉が好ましい。α化加工澱粉と
しては、架橋澱粉、酸処理澱粉、熱処理澱粉、酸化澱
粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉などが低温域で安
定な粘度と滑らかさを達成する上で好ましい。また、小
麦粉中の澱粉をα化させるために焙煎したものを用いる
と、ルウに焙煎風味を与えることができるので好まし
い。本発明で用いる香辛料は、目的とするルウ食品の種
類に応じて適宜配合することができるが、その含有量を
従来のルウ食品より高めに設定するのがよい。これによ
り、低温域において、香辛料の香気成分が良好に香り立
ち、下記する(a) 塩分の調整、(b) 甘味度の調整、(c)
pHの調整から選ばれる少なくとも1つの手段との相乗
効果により、配合された原料の風味全体がさらに強化さ
れるのでよい。上記効果を得るための香辛料の含有量と
しては、具体的には、例えばルウ食品がカレーである場
合は0.2〜10%以上とするのが好ましく、また0.4〜
5%とするとさらに好ましい。また、シチューである場
合は0.001%以上とするのが好ましく、また0.01〜
1%とするとさらに好ましい。
【0006】また、香辛料として芳香性のもの、例えば
コリアンダー、フェンネル、カルダモン、フェヌグリー
ク、クミン、ジル、クローブ、キャラウエー、ナツメ
グ、メース、アニス、セロリー、ローレル、タイム等を
使用する場合は、香味増強効果が得られ、同様の点か
ら、上記香辛料の中でも低温域で芳香性(揮発点)を有
するものの使用がより望ましい。また、カレーの場合
は、色調料であるターメリックの含有量を減らすのがよ
い。低温域ではターメリック特有の土臭さが発現されや
すく、他の香辛料の香気性がマスキングされる傾向があ
るが、その含有量を例えば0.2%以下とすることによ
り、土臭さが感じられず他の香辛料の香気性を活かせる
のでよい。尚、カレーとしての良好な色調を得る上で、
0.05%以上ターメリックを含有することが望ましい。
【0007】本発明では、上記成分が水に分散又は分散
及び溶解してなり、(イ)油脂の融点及び/又は粒径の
調整、(ロ)α化した澱粉の調整及び(ハ)水不溶性原
料の分散状態の調整から選ばれる少なくとも1つの手段
を採用した場合には、品温5〜10℃における喫食に適
した、舌にざらつき感がなく、滑らかであって、かつ口
どけが良好な物性のルウ食品を得ることができる。上記
物性のルウ食品に対して、下記する本発明の味覚調整手
段(a) 〜(c) を構じることにより、味覚および食感の両
面に優れた高品質のルウ食品が得られる。ここで、
(イ)の油脂の融点及び/又は粒径の調整は、前記の低
融点油脂を使用するか、ホモゲナイズ処理等により微粒
化された低融点油脂及び/又は固体脂を原料中に分散
(あるいは分散及び溶解)するか、両者を併用すること
によって行うことができる。尚、微粒化は、粒子径を1
00μ以下とするのが好ましく、より好ましくは50μ
以下とするのが滑らかな物性を得る上でよい。(ロ)の
α化した澱粉の調整としては、他の原料との関連で、α
化した澱粉の種類及び使用量を調整することがあげられ
る。α化した澱粉を、ルウ食品中に1〜16%含有させ
ることにより求めるルウ食品の物性が達成される。
【0008】(ハ)の水不溶性原料の分散状態の調整と
しては、油脂以外の水不溶性原料、例えば、香辛料など
をホモゲナイズ処理する等により、原料中に微粒化して
分散することがあげられる。この際、微粒化した粒子径
を1000μ以下とするのが好ましく、より好ましくは
500μ以下、更に好ましくは100μ以下とするのが
滑らかな物性を得る上でよい。尚、ホモゲナイズ処理
は、原料ごとに格別に行ってもよく、ルウ原料全体に対
して行うこともできる。本発明では、上記した成分の外
に必要に応じて水、塩、糖質、調味料等の任意の原料を
用い、これらを適宜調整することによって、(a) 塩分、
(b) 甘味度、(c) pHから選ばれる1ないしそれ以上を
調整することが重要であり、これにより低温域において
原料の風味特徴が発揮されて良好な食味を呈し、低温域
での喫食に適した新規なルウ食品が得られる。
【0009】塩分の調整は、食塩ないしこれを含む原料
を適宜配合し、塩分の含有量を従来の温かい状態で喫食
される場合に好適とされる塩分含有量に対して、20%
以上、好ましくは30〜70%高めに調整することによ
り、低温域で塩味に基づく風味特徴が良好に発揮され
る。更に具体的には、例えばルウ食品がカレーである場
合、前記風味特徴を改善する点で、塩分含有量を1.2%
以上とするのが好ましく、また1.3〜1.7%とするのが
さらに好ましい。また、ルウ食品がシチューである場
合、0.6%以上とするのが好ましく、また0.7〜1.2%
とするのがさらに好ましく最も好ましくは0.9〜1.1%
である。
【0010】また、甘味度の調整についても、従来のル
ウ食品に比べてその度合いを高めることにより、低温域
において甘味に基づく風味特徴が良好に発揮される。具
体的には、例えばルウ食品がカレーである場合は、5〜
10℃における甘味度が蔗糖を1.2%以上、さらに好ま
しくは1.4〜1.7%含有する場合に相当するように、甘
味成分を含む原料を適宜配合して調整するのがよい。ま
た、ルウ食品がシチューである場合には、5〜10℃に
おける甘味度が蔗糖を0.9%以上、さらに好ましくは1.
0〜1.6%含有する場合に相当するように、甘味成分を
含む原料を適宜配合して調整することができる。また、
pHの調整は、従来のルウ食品におけるpH域より低め
に調整することにより、酸味に基づく風味特徴が良好に
発揮される。具体的には、例えばルウ食品がカレーであ
る場合、pHは5.6%以下、さらに好ましくは4.9〜5.
4に調整するのがよい。また、ルウ食品がシチューであ
る場合には、クリーム系シチューではpHは6.3以下、
さらに好ましくは5.5〜6.2に調整するのがよく、それ
以外のものでは5.8以下、さらに好ましくは5.0〜5.4
に調整するのがよい。尚、pHは、トマト、リンゴ、ウ
スターソース、ワイン、チャツネ、ヨーグルト、クエン
酸等を適宜配合して調整することができる。
【0011】このように本発明のルウ食品は、(a) 塩
分、(b) 甘味度、(c) pHから選ばれる少なくとも1つ
を特定することにより各々に基づく風味特性が良好に発
揮されるが、特に(a) 塩分と(b) 甘味度の両者を特定し
た場合には、各々の風味特性がさらに引き立てられると
ともに風味全体にまとまりが得られるのでよい。更にp
Hをも特定した場合には、上記効果がいっそう相乗的に
向上する。また、本発明のルウ食品は、温かい米飯、野
菜等の食材にかけて喫食した場合、食材からの伝熱によ
る品温上昇に伴い香辛料等の香気成分が良好に香り立
ち、これにより配合された原料の風味全体がさらにいっ
そう明瞭なものとなり、特に夏期の喫食等に適した新規
なメニューとなる。
【0012】また、本発明では以上の成分の外、増粘性
物質を併用することもできる。増粘性物質としては、澱
粉以外の増粘剤、繊維質、タンパク質等が例示され、こ
れらを単独乃至適当な組合せで用いることができる。具
体的には、アラビアガム、キサンタンガム、グアガム、
ローカストビーンガム等のガム質、乳タンパク(乳カゼ
イン)、ゼラチン、グルテン、ペクチン、デキストリン
等の使用が特に望ましい。本発明において増粘性物質を
併用する場合、本発明のルウ食品中に0.01〜5%以下
含有させるのが好ましく、より好ましくは0.05〜3%
以下である。これらによって、滑らかでかつ口どけが良
好な食感が達成される。更に本発明では、油脂と水系原
料の分散(乳化)を良好にすために乳化剤を配合するこ
ともでき、また、その他肉類、魚介類、野菜類、果実類
等の具材等を配合することもでき、更に、油脂の酸化を
防ぐために酸化防止剤を配合することもできる。この
際、乳化剤としては、ルウ食品の物性を滑らかにする上
で0.01〜1%使用するのが好ましく、酸化防止剤とし
ては、油脂の酸化を防ぐ上で、0.01〜0.2%以下使用
するのが好ましい。
【0013】尚、野菜、果実の液汁、各種エキス等の液
体原料を用いる場合は、これらをW/O型エマルジョン
として(必要に応じて乳化剤を含み)用いることが望ま
しい。これにより、油脂と水系原料の分散性(乳化)を
高め、前記風味調整手段による風味調整をより好適に達
成し、かつ滑らかな物性の液状ないしペースト状ルウ食
品を調製できる。本発明のルウ食品としては、品温5
〜10℃における粘度を8000cp以下のものが好ま
しく、より好ましくは品温5〜10℃における粘度を
5000cp以下であり、さらに好ましくは品温5〜
10℃における粘度を2000cp以下である。また、
品温5〜10℃における粘度が800cp以下である
液状のルウ食品も好ましい。上記粘度域に調製すること
により、喫食時を通して粘度が変化しても口どけや風味
等が良好となり、特に、比較的低粘度でかつボディー感
のある食感の新しい形態のルウ食品が得られ、特に冷や
して喫食するカレーやシチュー等として好適なものとな
る(上記〜のルウ食品)。
【0014】また、粘度800cp未満とすれば、低粘
度でサラサラとした流動状のものとなり、清涼感のある
全く新規な冷やして喫食するカレーやシチュー等として
好適なものとなる(上記のルウ食品)。これらの粘度
は、前記物性調整手段(イ)〜(ロ)、増粘性物質、乳
化剤等の使用あるいはこれらを組み合せることで適宜達
成することができる。尚、粘度はB型粘度計等により容
易に測定することができる。本発明のルウ食品を、柔軟
性のあるチューブ状、袋状等の容器に入れた形態とする
と、冷蔵庫等で冷やした後、喫食時にルウを米飯等に掛
けて容易に喫食できる。また、容器入り食品を冷蔵(チ
ルド)製品とすることもできる。本発明の液状ないしペ
ースト状ルウ食品は、喫食に際しては、加熱調理するこ
となく、冷蔵庫等で冷やし(通常冷蔵といわれる品温5
〜10℃程度の冷却状態とし)、冷蔵庫等から取り出
し、米飯、野菜、ポテト、各種ヌードルなどにかけて低
温ないし常温で喫食する。この際、冷却したルウ食品単
独で食してもよく、これと温かい米飯、野菜等の食品と
を組み合せて喫食してもよい。また、前記冷蔵温度域よ
りも低い温度域(凍結しない温度域)、あるいは高い温
度域に冷やして喫食してもよい。本発明のルウ食品は、
喫食に際して、加熱調理しないことを特徴とし、製造工
程で適宜加熱処理を行い得ることはいうまでもない。
【0015】更に、本発明では、以上の低温域で喫食す
るためのルウ食品を調製するためのルウ食品基材を提供
する。上記基材とは、通常これに加水するかしないで、
必要により(肉、野菜等の具材を加えて)加熱調理して
本発明のルウ食品を調製するための基材である(加熱調
理して調製されたルウは冷却して食される)。上記基材
は、通常油脂、小麦粉及び香辛料等の適宜原料を混合分
散後加熱処理し、冷却して固形、粉末状、顆粒状、フレ
ーク状、ペースト状、液状等として調製される。勿論、
市販品とする場合に、保存性をもたせるための適宜処理
を施し得ることはいうまでもない。尚、食品基材がペー
スト状、液状等の場合は、これに水や具材を加えて混合
し、必要により加熱調理して極めて簡便にルウ食品を調
製できる。上記基材の原料配合、製法等は、適宜調理操
作により、ルウ食品が前記の構成と性能を達成し得るよ
うに構成される。また、ペースト状、液状等の基材を柔
軟性のあるチューブ状、袋状等の容器に入れておけば、
押し出す等の操作で容易に容器から出して、ルウ食品を
調製できるので好ましい。尚、以上の本発明の説明にお
いて、原料の含有量並びにルウ食品の粘度は、具材を除
いたルウ食品におけるものを指す。
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、従来は温かい状態で喫
食していたカレーなどのルウ食品を冷やして食べるとい
う喫食形態を提供できる。また、(a) 塩分、(b) 甘味
度、(c) pHから選ばれる1ないしそれ以上を特定する
ことにより、低温域で風味が低下することなく良好な食
味を呈する、低温域での喫食に適した新規なカレーなど
のルウ食品を提供できる。更に、温かい米飯、野菜等の
食材にかけたり、あるいはナス、カボチャ、トマト等の
夏野菜、豆類等を加えることにより、夏期の喫食に適し
た清涼感のあるメニューを提供できる。次に実施例によ
り本発明を説明する。尚、各実施例における粘度は、B
型粘度計(R100型粘度計、東機産業社製)により測
定したものである。
【0017】
【実施例】
実施例1:カレー サラダ油(融点−10℃)35重量部(以下、部と略称
する)と小麦粉20部部を焙煎したものに、カレー粉7
部、香辛料1部、食塩10.2部、砂糖10.2部、クエン
酸0.001部及び水700部を加えて約195℃で30
分間加熱混合後、具材として鶏肉150部、玉葱100
部、ナス50部、ピーマン80部及びトマト100部を
加え、更に加熱してカレーを調製した。上記カレー(具
材は除く)は、塩分含量1.5%で、10℃における甘味
度が蔗糖を1.5重量%含む場合に相当し、pH5.3、品
温5℃における粘度約3700cp、10℃における粘
度約3300cpで、上記温度域で流動状油脂(油脂含
量約6%)、α化した小麦粉(澱粉含量約2.6%)及び
他の原料が均一に分散した形態(香辛料の粒径約100
〜300μ、香辛料としてターメリック約0.15%、ク
ミン、シナモン、カルダモン等からなる低温で揮発性を
有する芳香性香辛料約0.8%が含まれる)のものであっ
た。上記カレーを常温に冷却し、冷蔵庫に入れて5℃程
度まで冷却した。冷蔵庫から出したカレー(品温約10
℃)を、従来のカレーと同様にして炊飯した米飯に掛け
て食したところ、滑らかな粘度と口どけを有し、香辛料
等の風味が十分に醸し出された高品質のものであった。
また、夏野菜の食感と風味が活かされ、清涼感のあるも
の(特に夏場の喫食に適するもの)であった。
【0018】実施例2:カレー基材 サラダ油(融点−10℃)30部、α化小麦粉20部、
加工澱粉(マツノリンCM、松谷化学社製)7部、カレ
ー粉8部、香辛料1部、食塩10.2部、砂糖10.2部及
びクエン酸0.1部を約120℃で約20分間加熱混合し
た(基本原料)。これとは別に、サラダ油(融点−10
℃)5部、オニオンエキス5部、モノグリセリン脂肪酸
エステル0.1部及び大豆レシチン0.2部を加え、2分間
均質器にかけW/O型エマルジョンを得た。このエマル
ジョンを、前記基本原料に加えて掻き取り式熱交換器で
品温約85℃で約30分間加熱混合し均質器にかけてカ
レールウ基材を得た。上記基材を冷却し、ポリエチレン
製の柔軟チューブ容器に100gを充填密封して、チュ
ーブ容器入りのカレー基材を製造した。カレー基材はチ
ューブ容器から容易に押し出せるものであった。
【0019】実施例3:カレー 実施例2のカレー基材100部に、水700部及び実施
例1と同様の具材を加えて加熱しカレーを調整した。上
記カレー(具材は除く)は、塩分含量1.5%で、10℃
における甘味度が蔗糖を1.5重量%含む場合に相当し、
pH5.3、品温5℃における粘度約2400cp、10
℃における粘度約1900cpで、上記温度域で流動状
油脂(油脂含量約4.8%)、α化澱粉約2.9%及び他の
原料が均一に分散した形態(香辛料の粒径約100μ以
下、香辛料としてターメリック約0.18%、クミン、シ
ナモン、カルダモン等からなる低温で揮発性を有する芳
香性香辛料約1.0%が含まれる)のものであった。上記
カレーを実施例1と同様に喫食したところ、豊かな風味
と滑らかな粘度と口どけを有する高品質のものであっ
た。
【0020】実施例4:カレー 実施例2のカレー基材に水900部を加える以外は実施
例3と同様にしてカレーを調整した。上記カレー(具材
は除く)は、塩分含量1.2%で、10℃における甘味度
が蔗糖を1.2重量%含む場合に相当し、pH5.3、品温
5℃における粘度約700cp、10℃における粘度約
500cpで、上記温度域で流動状油脂(油脂含量約3.
9%)、α化澱粉約2.4%及び他の原料が均一に分散し
た形態(香辛料の粒径約100μ以下、香辛料としてタ
ーメリック約0.14%、クミン、シナモン、カルダモン
等からなる低温で揮発性を有する芳香性香辛料約0.8%
が含まれる)のものであった。上記カレーを実施例1と
同様に冷蔵庫から出して野菜サラダに掛けて喫食したと
ころ、豊かな風味と低粘度で非常に滑らかな口どけを有
する高品質のもので、新規なサラダの喫食形態が供され
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東 弘子 大阪府東大阪市御厨栄町1丁目5番7号 ハウス食品株式会社内 (56)参考文献 特開 昭51−139642(JP,A) 特公 昭46−15652(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/39 - 1/48 A23L 1/195

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも油脂α化した澱粉、塩分及
    び香辛料を含み、これらを水に分散又は分散及び溶解
    た形態を有し、pHが4.9〜5.4で、塩分の含有量
    が1.3〜1.7重量%であることを特徴とする、加熱
    調理せずに低温域で喫食するための液状ないしペースト
    状のカレールウ食品。
  2. 【請求項2】 5〜10℃における甘味度が、蔗糖を
    1.2重量%以上含有する場合に相当するものである請
    求項記載のルウ食品。
  3. 【請求項3】 ターメリックの含有量が、0.2%以下
    である請求項記載のルウ食品。
  4. 【請求項4】 少なくとも油脂α化した澱粉、塩分及
    び香辛料を含み、これらを水に分散又は分散及び溶解
    た形態を有し、pHが5.5〜6.2で、塩分の含有量
    が0.9〜1.1重量%であることを特徴とする、加熱
    調理せずに低温域で喫食するための液状ないしペースト
    状のシチュールウ食品。
  5. 【請求項5】 5〜10℃における甘味度が、蔗糖を
    0.9重量%以上含有する場合に相当するものである請
    求項記載のルウ食品。
  6. 【請求項6】 低温域で芳香性を有する香辛料を含む請
    求項1又は4記載のルウ食品。
  7. 【請求項7】 品温5〜10℃における喫食に適した流
    動性ないし粘度を有する請求項1又は4記載のルウ食
    品。
  8. 【請求項8】 請求項1又は4記載のルウ食品を調製す
    るためのルウ食品基材。
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