JP3113984B2

JP3113984B2 - 改良された喫煙物

Info

Publication number: JP3113984B2
Application number: JP02087295A
Authority: JP
Inventors: イアン・キャンベル・ブラウン; デビッド・ジョン・ディトリッチ; リチャード・トーマス・フィーベルコーン
Original assignee: ブリティッシュアメリカンタバコ（インヴェストメンツ）リミテッド
Priority date: 1989-03-31
Filing date: 1990-03-30
Publication date: 2000-12-04
Anticipated expiration: 2015-12-04
Also published as: BR9001661A; EP0390419B1; AU5239590A; DE69008602T2; DE69008602T3; EP0390419A2; DK0390419T3; AU637089B2; EP0390419B2; ATE105149T1; EP0390419A3; CA2013427A1; ES2054241T5; CA2013427C; AR244956A1; JPH02286068A; GB8907255D0; DE69008602D1; GR3025017T3; ES2054241T3

Description

【発明の詳細な説明】本発明は紙巻きたばこ及び類似喫煙物に関するもので
あって、その目的の一つは、タール放出量が少ないにも
拘らず、喫煙者の嗜好を満足させる紙巻きたばこを提供
することにある。

すなわち、本発明は湿潤剤の含有量が４〜15重量％に
なるように刻みたばこ葉の大部分を、湿潤剤で処理した
たばこ葉と、これを包む巻き紙からなるたばこロッドを
備えた喫煙物を提供する。好ましくは前記の湿潤剤含有
量は、５％以上で12％未満であり、さらに好ましくは７
〜10％、例えば９％である。

湿潤剤はグリセロール、プロピレングリコール、ソル
ビトール及びジエチレングリコールの１種もしくは２種
以上が適当である。

湿潤剤は膨脹処理をたばこ葉に施す以前に、たばこ葉
に施薬される。膨脹前のたばこ葉の湿潤剤含有量は、膨
脹後のそれを４〜15％にするために、約５〜約20％の範
囲にある。

本発明者らはたばこ葉を膨脹工程に供する前に湿潤剤
で処理すれば、膨脹工程後にその処理を行うより、膨脹
工程でのたばこ葉ストランド長の減少を回避できること
を見出した。また、膨脹工程以前に湿潤剤を施薬するこ
とは、膨脹工程後に平衡含水量が望ましくない程上昇す
るのを抑制し、膨脹たばこ葉の充填力の減少を押える点
でも好ましい。

たばこ葉に湿潤剤を施薬するに当っては、湿潤剤を好
ましくは水溶液の形で噴霧するのが適当である。

湿潤剤はたばこ葉を膨脹させる前に、充分均一にたば
こ葉に分布させるべきであって、そのためには施薬後た
ばこ葉を転動させたり、充分な時間たばこ葉を静置する
のが有効である。

本発明に係る喫煙物のたばこ葉は、膨脹工程に供する
前に、含水量が22〜30％の範囲に、好ましくは26〜30％
の範囲になるよう予めコンディショニングするのが適当
である。

膨脹工程に供される本発明のたばこ葉は、葉身（lami
na）及び／又は葉柄（stem）のいずれでも差し支えな
い。膨脹されたたばこ葉は、好ましくは葉身からなり、
このものはたばこ葉を高度に膨脹させるのに有効な膨脹
処理の産物である。高度膨脹処理は、例えば米国再発行
特許第30,693号に記載されている外、英国特許第1,570,
270号及び同第2,160,408A号に記載されている。高度膨
脹処理を施すと、充填値の増大幅で、たばこ膨脹率は通
常でも75％であり、約120％になることさえある。高度
膨脹処理に供されるたばこ葉の嵩密度は、ボルグワルド
（Borg−waldt）密度計を用いて測定して、一般には約1
00〜約200mg/ccの範囲、好ましくは150mg/cc以上であ
る。

本発明に係る喫煙物の喫煙材料の小部分は、再構成た
ばこ葉及び／又はたばこ葉代用物で構成させることがで
きる。しかし、喫煙材料のすべては天然の刻みたばこ葉
であることが好ましい。そして、本発明に係る喫煙物の
刻みたばこ葉の全部又は大部分が、膨脹たばこ葉であっ
て、この膨脹たばこ葉のすべてが、膨脹せしめられる前
に、湿潤剤によって処理されていることが好ましい。好
適には、たばこ葉の少なくとも65％が湿潤剤で処理され
た膨脹たばこ葉であり、70％が湿潤剤で処理された膨脹
たばこ葉であることがさらに好ましい。

本発明の紙巻きたばこに於ける喫煙材料の重量は、50
0〜800mgの範囲であるのが適当である。

本発明の喫煙物に於ける喫煙材料の充填密度は、210m
g/ccを越えない。

本発明の喫煙物について、水及びニコチンを除外した
微粒物質（以下、これをPMWNFと略記する）の放出量を
測定すると、その値は湿潤剤に比例することが認められ
た。従って、水、ニコチン及び湿潤剤を除外した微粒物
質（以下、これをPMWNHFと略記する）で表示するのが有
用である。本発明の喫煙物におけるPMWNHF対ニコチンの
放出量比の値は、８〜１の範囲、好ましくは６〜１の範
囲、より好ましくは約５〜１の範囲にある。

本発明に係る紙巻きたばこから出る主流煙中の湿潤剤
は、標準人工喫煙条件で測定すると、主流煙のPMWNFの
好ましくは15％以上、より好ましくは20％以上、さらに
好ましくはほぼ25％になる。主流煙中の湿潤剤の量は、
24〜26％の範囲に、例えば24％であるのが適当である。

本発明の喫煙物には、燃焼遅延剤を使用することがで
きる。そうした燃焼遅延剤としては、例えば塩化マグネ
シウム、塩化ナトリウム、硫酸アンモニウム、乳酸アン
モニウム又はこれらの混合物を挙げることができる。

本発明はまた、たばこ葉に湿潤剤を施薬する工程と、
その後にたばこ葉を膨脹させる工程を包含し、膨脹工程
前のたばこ葉への湿潤剤施薬量を、膨脹工程後のたばこ
葉の湿潤剤含有量が４〜15重量％の範囲になる量とする
たばこ葉の処理方法を提供するものでもある。

本発明の理解を助けるために、本発明の実施例を以下
に記載する。

実施例１ 20％の水処理葉柄と、40％のバーリー種たばこ葉身
と、40％の熱風乾燥したたばこ葉身からなる刻みたばこ
葉のブレンドに、グリセロールの含有量が10％に、塩化
マグネシウムの含有量が１％になるよう、それぞれを添
加した。このブレンドを含水量25％にコンディショニン
グした後、高度膨脹工程に供した。膨脹たばこのグリセ
ロール含有量は約６％であった。

こうして得られた膨脹たばこ葉を使用して、円周24.7
5mmの紙巻きたばこを調製した。調製した各紙巻きたば
こは、膨脹たばこ葉と紙巻きたばこ用標準巻き紙からな
る長さ64mmのたばこロッドを備えるものであった。たば
こロッドのたばこ葉充填密度は約145mg/ccであった。各
たばこロッドには、長さ20mmの酢酸セルロース製フィル
ターを帯封紙で取付けた。この紙巻きたばこをフィルタ
ーで通気したところ、通気率は55％であった。

上記の紙巻きたばこを、標準（コレスタ）人工喫煙条
件でくゆらせた。それによれば、２秒間で35cm³のパフ
が毎分行われ、主流煙中の各成分の放出量は次の通りで
あった。成分放出量（mg） TPM 5.88 ニコチン 0.63 PMWNF 4.37 グリセロール 1.35 PMWNHF 3.02 上記したところから、PMWNHF対ニコチンの比は4.8で
あることが認められ、グリセロールの放出量は、PMWNF
の放出量の31％であることが認められる。

また、コレスタ人工喫煙条件で喫煙すると、商業的に
入手可能な紙巻きたばこ、すなわち、ベンソン・エンド
・ヘッジィスウルトラ（商品名）は、主流煙中のグリ
セロール放出量が0.44mgであり、これはPMWNF放出量の
9.4％に相当する。そして、上記ウルトラのPMWNHF対ニ
コチンの比は、9.9であった。

パネルによる喫煙官能試験では、本発明に係る上記の
紙巻きたばこは、紙巻きたばこ、ウルトラを凌ぐ官能試
験結果を与えた。

実施例２ 65％の熱風乾燥葉身と、35％のバーリー種葉身とから
なる第１の刻みたばこ葉ブレンドに、グリセロールを含
有量が６％になるよう添加し、また乳酸アンモニウムを
含有量が２％になるよう添加した。このブレンドを含水
量が30％になるようコンディショニングした後、高度DI
ET膨脹工程に供した。膨脹たばこのグリセロール含有量
は4.4％であった。

第２の刻みたばこ葉ブレンドは、50％のバーリー種葉
身と、50％の天日乾燥東洋産葉身からなるものであっ
た。第２のブレンドには膨脹処理を施さなかった。

上記の第１及び第２のブレンドを、前者70％、後者30
％で混合し、これにプロピレングリコールを1.5％の含
有量で添加した。全湿潤剤（グリセロール＋プロピレン
グリコール）の含有量は、4.6％であった。

上記のブレンド混合物を使用して、円周24.75mmの紙
巻きたばこを調製した。各紙巻きたばこは長さ59mmのた
ばこロッドと、標準的なたばこ用巻き紙からなるもので
あった。このロッドのたばこ葉充填密度は190mg/ccであ
った。たばこロッドのそれぞれに、長さ7mmの縮み紙部
分と長さ18mmの酢酸セルロース部分からなる全長25mmの
二重フィルターを取付けた。この紙巻きたばこをフィル
ターの酢酸セルロースに於て通気したところ、通気率は
60％であった。

この紙巻きたばこを標準人工喫煙条件でくゆらせる
と、主流煙中の各成分放出量は次の通りであった。成分放出量（mg） TPM 6.79 ニコチン 0.84 PMWNF 5.43 グリセロール 1.00 プロピレングリコール 0.28 PMWNHF 4.15 従って、PMWNHF対ニコチンの比は4.9であり、湿潤剤
の放出量はPMWNFのそれの24％である。

商業的に入手可能な紙巻きたばこ、すなわち、キャメ
ルライト（商品名）では、主流煙中のグリセロール放出
量は0.39mgであり、これはPMWNF放出量の８％に相当す
る。キャメルライトに於けるPMWNHF対ニコチンの比は9.
7であった。

実施例３本例では25％のバーリー種葉身と、40％の熱風乾燥葉
身と、25％の水処理葉柄と、10％の天日乾燥東洋産葉身
からなる刻みたばこ葉のブレンドを使用した。このブレ
ンドにグリコールを含有量10％で、また塩化マグネシウ
ムを含有量１％でそれぞれ添加した後、高度膨脹工程に
供した。膨脹したたばこ葉のグリセロール含有量は８％
であった。

このたばこ葉を使用し、実施例１と同様にして紙巻き
たばこを調製した。これを標準人工喫煙条件でくゆらせ
たところ、主流煙中の各成分の放出量は、次の通りであ
った。成分放出量（mg） TPM 6.55 ニコチン 0.54 PMWNF 4.93 グリセロール 1.63 PMWNHF 3.30 従って、PMWNHF対ニコチンの比は6.1であり、湿潤剤
の放出量はPMWNFのそれの33％である。

フロントページの続き (72)発明者デビッド・ジョン・ディトリッチイギリス国、ハンプシャー、サザンプトン、シャーレイ、ニューランド・アベニュー 52 (72)発明者リチャード・トーマス・フィーベルコーンイギリス国、ハンプシャー、サザンプトン、シャーレイ、ニューランド・アベニュー 108 (56)参考文献特開昭64−20079（ＪＰ，Ａ) 特公昭56−5156（ＪＰ，Ｂ２) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A24B 15/32 A24B 3/12

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】葉身から得た刻みたばこ葉と、これを包む
巻き紙からなるロッドを備えた喫煙物であって、ロッド
内の刻みたばこ葉の大部分が湿潤剤で予め処理され、湿
潤剤の含有量が４〜15重量％の範囲にあり、かつロッド
内の刻みたばこ葉が膨張処理を受けたたばこ葉であり、
たばこ葉の充填密度が210mg/ccを越えない喫煙物。
【請求項２】湿潤剤の含有量が７％を下回らない請求項
１記載の喫煙物。
【請求項３】湿潤剤の含有量が12％を越えない請求項１
又は２記載の喫煙物。
【請求項４】湿潤剤の含有量が10％を越えない請求項１
又は２記載の喫煙物。
【請求項５】湿潤剤が、グリセロール、プロピレングリ
コール、ソルビトール及びジエチレングリコールの１種
又は２種以上である請求項１〜４のいずれか１項記載の
喫煙物。
【請求項６】膨張処理を受けたたばこ葉の嵩密度が、約
100〜約200mg/ccである請求項１〜５のいずれか１項記
載の喫煙物。
【請求項７】ロッド内のたばこ葉の少なくとも65％が膨
張たばこで占められる請求項１〜６のいずれか１項記載
の喫煙物。
【請求項８】膨張たばこが予め湿潤剤で処理されている
請求項７記載の喫煙物。
【請求項９】標準人工喫煙条件において前記の喫煙物を
喫煙した際の、水分、ニコチン及び湿潤剤を除く微粒物
質の放出量対ニコチンの放出量の比が、１〜６の範囲に
ある請求項１〜８のいずれか１項記載の喫煙物。
【請求項１０】たばこ葉に湿潤剤を施薬する工程と、そ
の後にたばこ葉を膨張させる工程を包含し、膨張工程前
のたばこ葉への湿潤剤施薬量を、膨張工程後のたばこ葉
の湿潤剤含有量が４〜15重量％の範囲になる量とするた
ばこ葉の処理方法。
【請求項１１】膨張前のたばこ葉の湿潤剤含有量が約５
〜約20重量％である請求項10記載のたばこ葉の処理方
法。