JP3108823B2 - フルカラートナー及び画像形成方法 - Google Patents

フルカラートナー及び画像形成方法

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JP3108823B2
JP3108823B2 JP04080287A JP8028792A JP3108823B2 JP 3108823 B2 JP3108823 B2 JP 3108823B2 JP 04080287 A JP04080287 A JP 04080287A JP 8028792 A JP8028792 A JP 8028792A JP 3108823 B2 JP3108823 B2 JP 3108823B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真に於る乾式現像
剤に関するものであり、特に非磁性トナーとキャリアを
用いる二成分現像方法及び磁性トナーを用いる一成分現
像方法を用いたフルカラー複写機の画像形成方法と、該
画像形成方法を好適に具現化し得るフルカラートナーに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真方式のフルカラー複写機
又はプリンタ等の画像形成装置が数多く製造されてい
る。通常、斯る画像形成装置は、潜像担持体上に通常の
電子写真プロセスにて潜像を形成し、該潜像をトナーに
て現像してトナー画像を形成し、該画像を転写材に転写
して可視画像が得られる。
【0003】この時、像担持体上の残留画像はクリーニ
ング手段にて清掃し、像担持体は繰返し使用され、特に
小型化、コスト面からも大変有利であるという理由か
ら、ゴム弾性材からなるクリーニングブレードを像担持
体にカウンター方向に圧接させる構成のブレードクリー
ニング手段が広く使用されている。
【0004】一般的にこの様な電子写真法に於ては、多
数の現像方法が知られているが、これらの現像法に於て
は特にトナー及びキャリアを主体とする現像剤を用いる
磁気ブラシ法、カスケード法、液体現像法等が広く実用
化されている。これらの方法は、いずれも比較的安定に
良画像の得られる優れた方法であるが、反面、キャリア
の劣化、トナーとキャリアの混合比変動という二成分現
像剤にまつわる共通の欠点を有する。
【0005】かかる欠点を回避する為、トナーのみより
なる一成分系現像剤を用いる現像方法が各種提案されて
いるが、中でも磁性を有するトナー粒子よりなる現像剤
を用いる方法に優れたものが多い。磁性トナーに使われ
る材料のなかで、特に磁性体はトナー全体に対して重量
で20〜70重量%含有されている為、トナーの性能を
大きく左右する。例えば特開昭58−189646号公
報にみられる様に、FeO含有量16〜25重量%の磁
性粉を含有する磁性トナーでは確かに高い静電荷像の現
像効率と良好な転写効率が得られることが示されてい
る。だが、近年の傾向として複写機が高速化の方向に進
んでいる為、FeO含有量16〜25重量%の磁性粉を
含有する上記磁性トナーでは高解像、高耐久等を充分に
満足させることは出来ない。更に多色現像法によりフル
カラー画像等を得る場合等は、黒色の微妙な色調制御が
難しい為に鮮明な色味を妨げる原因となる。
【0006】一方で近年、フルカラー複写機の大幅な普
及に伴ない市場に於ける新たなユーザーニーズとしては
フルカラー複写機やプリンター等に白黒機兼務型の機能
が要求されて来つつある。つまりはオフィス環境に於
て、通常一般白黒機と同様のスピード、品質を維持しつ
つ、尚、鮮明高画質なフルカラー画像を得ることが可能
な複写機が要求されて来ているのである。この様な場
合、黒色トナー単独での使用回数も増加し必然的にトナ
ー消費も多くなる為、今後求められるフルカラー複写機
に於ける黒色トナーには、優れた画質及び耐久安定性と
いったものが望まれてくる。
【0007】また、磁性トナーと非磁性トナーの様に表
面性状の異なる複数の現像剤を組合せて画像を形成する
場合には、磁性体と結着樹脂より成る磁性トナー粒子
と、着色剤、結着樹脂より成る非磁性トナー粒子の感光
体に対する、すべり性あるいは削れ性等に差があり、感
光体とクリーニングブレードとの圧着状態を常に安定に
維持するのが難しいのが現状である。
【0008】この様なフルカラー機に於ける現像工程で
磁性トナーと非磁性トナーを併用していく上では、各々
のトナーに於て最適とされるべき結着樹脂が求められて
くる。つまりは磁性トナーに於ては結着樹脂中に於ける
磁性粉の分散状態が問題視され、一方で非磁性トナーに
於ては、結着樹脂に対する着色染顔料の分散及び透光性
の改善が問題とされる。又、双方のトナーが優れた定着
性を有することもこの様な場合、必要不可欠な要因とし
て挙げることが出来る。
【0009】この様なことから電子写真に於て磁性、非
磁性を問わず、トナー性能は主に結着樹脂の役割による
所が大であり、離型剤や可塑剤、その他の添加剤等によ
りこの様な問題を改善しようという提案もあるが、これ
らはあくまでも補助的な効果でしかあらず、本質的な解
決にはなり得ない。
【0010】これら結着樹脂の改善については、他に種
々の方法が提案されている。
【0011】例えば、特開昭56−158340号公報
に、低分子量重合体と高分子量重合体とよりなるトナー
が提案されているが、このバインダー樹脂は、実際には
架橋成分を含有させることが難しいため、より高性能に
耐オフセット性を向上させるためには、高分子量重合体
の分子量を大きくするか、比率を増す必要がある。この
方向は粉砕性を著しく低下させる方向であり、実用上満
足するものは得られにくい。さらに低分子量重合体と架
橋した重合体とをブレンドしたトナーに関し、特開昭5
8−86558号公報に、低分子量重合体と不溶不融性
高分子量重合体を主要樹脂成分とするトナーが提案され
ている。その方法に従えば、定着性、粉砕性の改良は行
われると思われるが、不溶不融性高分子量重合体が40
〜90重量%と大きいことにより、耐オフセット性と粉
砕性を共に高性能で満足することが難しく、実際上はオ
フセット防止用液体の供給装置をもつ定着機でなけれ
ば、定着性,耐オフセット性,粉砕性を充分満足するト
ナーを生成することは極めて困難である。さらに不溶不
融性高分子量重合体が、多くなるとトナー製造時の熱混
練で、溶融粘度が非常に高くなるため、通常よりはるか
に高温で熱混練するか、あるいは高いシェアで熱混練し
なければならず、その結果、前者は他の添加剤の熱分解
によるトナー特性の低下、後者はバインダー樹脂の分子
間で過度の切断が起り、当初の耐オフセット性能が出に
くいという問題を有している。また、該バインダー樹脂
中に磁性粉ないしは、染顔料を含有させたところで良好
な分散状態は得られない。
【0012】また、特開昭56−16144号公報に、
GPCによる分子量分布に於て、分子量103 〜8×1
4 及び分子量105 〜2×106 のそれぞれの領域に
少なくとも1つが極大値をもつ結着樹脂成分を含有する
トナーが提案されている。この場合、粉砕性、耐オフセ
ット性、定着性、感光体へのフィルミングや融着、画像
性などがすぐれているが、さらにトナーにおける耐オフ
セット性及び定着性の向上が要望されている。特に定着
性をより向上させて、他の種々の性能を保つかあるいは
向上させつつ、今日の厳しい要求に対応するのは、該樹
脂ではむずかしい。
【0013】このような問題を解決する結着樹脂として
特開昭63−223014号公報に開示されているもの
があるが、更なる高耐久性,高信頼性を要求される現在
では、十分な対応をしきれなくなってきている。
【0014】また結着樹脂は現像性に与える影響も大き
く、摩擦帯電量が安定する様な結着樹脂が望まれてい
る。
【0015】更にこの様な同一画像上に磁性トナーと非
磁性トナーが多重で混在する系に於いては磁性トナーと
非磁性トナーの定着画像に於いて表面平滑性が異なると
いう問題を生じる。磁性トナー中には磁性粉が20〜7
0重量%の割合で混在しており、見かけ上、定着後の画
像表面は粗れた状態であるのに対し、染顔料を含有する
非磁性トナーに於いては完全溶融といった状態で、磁性
トナーよりも表面平滑性は優れている。この様な結果か
ら、人の視覚にうったえる光沢を示す光の反射角が異な
り、非磁性トナーは高い光沢性を有するのに対し、磁性
トナーに於いては光沢が乏しい為、多色現像に於いてピ
クトリアルな画像を得る場合に於いては、得られる画像
の質感が変わるといった問題を生じてしまう。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上述の
如き問題点を解決したフルカラートナー及び該トナーを
用いた画像形成方法を提供することにある。
【0017】即ち、本発明の目的は4色のカラートナー
を用いたフルカラートナーに於いて、安定的な色再現
性、高画像濃度、高耐久性を有するフルカラートナーを
提供することにある。
【0018】更なる目的は磁性トナー及び非磁性トナー
の併用に於いて常に安定したクリーニング特性を有する
フルカラートナーを提供することにある。
【0019】又、更なる目的は定着性が優れ、同時にオ
フセット性、巻きつき性、ブロッキング性の優れたフル
カラートナーを提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは、
多くの研究実験の結果、フルカラー複写機に用いられる
磁性及び非磁性トナーに於て用いられる結着樹脂のTH
F可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)による分子量分布を規定することにより、高
画像濃度、高耐久性を達成し、且つ鮮明な色味を有する
フルカラートナーが得られることを知見した。
【0021】更に該フルカラートナーを用いた多重現像
に於て、磁性黒色トナーを潜像担持体上第1層目に現像
し、第2層目以降に非磁性カラートナーを現像すること
により、優れた質感を持つ画像が得られることを知見し
た。
【0022】本発明の特徴は、少なくともイエロートナ
ー、マゼンタトナー、シアントナー及び黒色トナーを有
する多色電子写真用フルカラートナーに於て、該イエロ
ートナー、マゼンタトナー及びシアントナーが着色剤、
結着樹脂及び2種以上の外添剤からなる非磁性トナーで
あり、該黒色トナーが、磁性酸化鉄中のFeO含有量が
25〜30重量%の黒色磁性粉含有樹脂粒子及び2種以
上の外添剤を有する磁性トナーであって、該外添剤が少
なくとも流動性向上剤と重量平均粒径0.2〜2.5μ
mの球形微粒子を含有することであり、更に、前記イエ
ロートナー、マゼンタトナー及びシアントナーに用いら
れる結着樹脂がTHF可溶分のゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー(GPC)による分子量分布に於て、
分子量1000〜100,000の領域にピークを少な
くとも1つ有するものであり、更に黒色トナーに用いら
れる結着樹脂がTHF可溶分のゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー(GPC)による分子量分布に於て、
分子量2000〜15000の領域にピークを少なくと
も1つ有し、分子量15000〜100,000の領域
にピーク又は肩を少なくとも1つ有することである。
【0023】本発明の黒色トナーに用いられるFeO含
有量が25〜30重量%である磁性酸化鉄は、黒色顔料
としての黒色度が高く、適度な電気抵抗を保持するため
トナー帯電量を安定化させる作用があり、画像濃度を向
上させることができ、現像性の面では画像上のかぶりの
ランクを向上させる働きがある。
【0024】ここで、FeO含有量が25重量%未満の
磁性酸化鉄をトナーに用いると、特に高速機への適応を
考えた場合に低温低湿環境下ではトナー帯電量を適度に
コントロールしにくくなり、トナー帯電量の過度の上昇
による画像濃度低下やバックグラウンドの汚れに充分対
処しきれるものではなく、又、黒色トナーとして鮮明な
色味を得る為の色調制御等も難しくなる。
【0025】一方、FeO含有量が30重量%を上まわ
る磁性酸化鉄をトナーに用いると、特に高湿環境下では
トナーの帯電量が低下し、画像濃度低下が発生する。
【0026】この磁性体は平均粒子が0.1〜2μm、
好ましくは0.1〜0.5μm程度のものが好ましく、
トナー中に含有させる量としては樹脂成分100重量部
に対し約20〜200重量部、好ましくは樹脂成分10
0重量部に対し40〜150重量部が良い。
【0027】本発明に用いる磁性酸化鉄は、硫酸鉄(F
eSO4 )を苛性ソーダ(NaOH)で中和しFe(O
H)2 を得、アルカリ調整によりpH12〜13にした
後蒸気と空気により酸化しマグネタイトのスラリーを得
る。次の乾燥工程を温風乾燥器を用い乾燥温度、乾燥時
間をコントロールすることにより磁性酸化鉄中のFeO
をコントロールすることができる。乾燥終了後解砕しマ
グネタイト粉体を得る。
【0028】ここで磁性酸化鉄中のFeOの測定は下記
の手順による。
【0029】磁性酸化鉄1.000gを500mlのビ
ーカーに入れ脱イオン水50mlを加え、更に特級硫酸
20mlを添加し、磁性酸化鉄を完全に溶解させる。
【0030】次に脱イオン水100ml加え、更にMn
SO4 、H2 SO4 及びH3 PO4(モル比0.3:
2.0:2.0)から成るMnSO4 混液10mlを加
えて合計180mlとした後、10mlを採取し、0.
1NのKMnO4 溶液にて滴定する。
【0031】そして次式により磁性酸化鉄1.000g
中に含まれるFeO(%)を求める。
【0032】
【数1】 本発明に使用できる球形微粒子としては、0.2〜2.
5μmの重量平均径を有するものであれば何ら構わな
い。また、出発原料、製法等何ら限定されるものではな
い。
【0033】上記球形微粒子は、0.2μmより小さい
と感光体の表面粗さが粗い場合、クリーニングブレード
が感光体表面に追従できず、クリーニングブレードから
のすり抜けが多くなり潜像形成時に帯電ムラ等が生じ、
画像劣化を生じやすくなる。一方、2.5μmより大き
いとクリーニングブレードによって十分にクリーニング
され、ブレードエッジ部に溜りにくくなり、スペーサー
機能が低下し、効率が悪くなってしまう。
【0034】本発明に使用できる球形微粒子としては、
ケイ酸微粉体、アルミナ微粉体、酸化チタン微粉体、酸
化ジルコニウム微粉体、酸化マグネシウム微粉体などの
無機酸化物、チッ化ホウ素微粉体、チッ化アルミニウム
微粉体、チッ化炭素微粉体などのチッ化物などがある。
また、シリコーン樹脂粒子などの無機樹脂粒子、などが
挙げられる。
【0035】本発明に特に好適なのはケイ素原子に1個
のアルキル基を有するシロキサン構造をとるシリコーン
樹脂粒子が粒度分布をシャープにしやすく好ましい。さ
らに、粒度分布としては、体積分布における80%以上
が平均粒径の±30%以内にあることが望ましい。ま
た、必要に応じて表面処理を行っても良い。また、この
添加量は0.05〜3重量%、好ましくは0.1〜2重
量%が良い。
【0036】なお、本発明の球形微粒子の粒度分布の測
定はパーティクルアナライザー(CAPA500)にて
行った。
【0037】本発明においては、前記球形微粒子の他に
外添剤として流動向上剤を含有させることが必要であ
る。そのような流動向上剤としては、シリカ、アルミ
ナ、酸化チタン等が挙げられ、流動性付与の点でBET
比表面積として50m2 /g以上のものが良い。
【0038】さらに必要に応じて、滑剤としての脂肪酸
金属塩、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミ
など、またはフッ素含有重合体微粉末、例えばポリテト
ラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等お
よびテトラフルオロエチレン−ビニリデンフルオライド
共重合体の微粉末、あるいは、酸化スズ、酸化亜鉛等の
導電性付与剤を添加しても良い。
【0039】本発明に於けるイエロートナー、マゼンタ
トナー及びシアントナーに用いられる結着樹脂として
は、THF可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー(GPC)による分子量分布で分子量1000〜
100,000の領域にピークを少なくとも1つ有する
ことが望ましい。上記領域中からピークがはずれた場
合、ブロッキング性に支障をきたすばかりでなく、幅広
い温度領域での定着特性が得られず結果として多重で現
像した場合、フルカラーに求められる鮮明な色再現性の
為の混色領域が得られないことになる。
【0040】一方、黒色トナーに用いられる結着樹脂と
しては、THF可溶分のゲルパーミエーションクロマト
グラフィー(GPC)による分子量分布に於て、分子量
2000〜15000の領域にピークを少なくとも1つ
有し、分子量15000〜100,000の領域にピー
ク又は肩を少なくとも1つ有することが望ましい。20
00〜15000にピークがなく、分子量2000未満
にピークがあると、耐ブロッキング性、感光体への融
着、フィルミング、粉砕装置内壁への融着などがやや問
題となる。分子量15000未満にピークがなく、かつ
分子量15000以上の領域にピークがあると粉砕性が
問題となることがあり、粗粒子の生成も問題となる場合
がある。
【0041】又、分子量が15000以上の領域にピー
ク、もしくは肩がなく、分子量15000未満の領域の
みにピークがある場合は、耐オフセット性、感光体の融
着が問題となる場合がある。分子量15000〜100
000の領域にピークもしくは肩がなくかつ10000
0を超えた領域にメインピークがあると粉砕性が問題と
なることがある。
【0042】更に好ましくは、分子量2000〜150
00未満の領域にあるピークと分子量15000〜10
0,000の領域にあるピーク又は肩との間隙は、分子
量5000以上、好ましくは10000以上の差がある
のが良い。
【0043】又、この様な分子量分布が本発明に係る範
囲であるのは、トナー製造時に結着樹脂中への黒色磁性
粉の分散性を高め、高着色力、安定な帯電特性を得るこ
とが可能になることによるものである。
【0044】本発明でのTHF不溶分とは、樹脂組成物
中のTHFに対して不溶性となったポリマー成分(実質
的に架橋ポリマー)の重量割合を示し、架橋成分を含む
樹脂組成物の架橋の程度を示すパラメータとして、使う
ことができる。THF不溶分とは、以下のように測定さ
れた値をもって定義する。
【0045】すなわち、樹脂サンプル(24メッシュパ
ス、60メッシュオンの粉体)0.5〜1.0gを秤量
し(W1 g)、円筒濾紙(例えば、東洋濾紙製No.8
6R)に入れてソックスレー抽出器にかけ、溶媒として
THF100〜200mlを用いて6時間抽出し、溶媒
によって抽出された可溶成分をエバポレートした後、1
00℃で数時間真空乾燥しTHF可溶樹脂成分量を秤量
する(W2 g)。樹脂のTHF不溶分は、下記式から求
められる。
【0046】
【数2】 以上の操作で得られた溶媒可溶成分の蒸発乾固物はTH
F(テトラヒドロフラン)に溶解させ、サンプル処理フ
ィルターを通過させた後、GPCの試料とする。
【0047】本発明に於て、THF可溶分のGPC(ゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィ)によるクロマト
グラムのピーク又は/およびショルダーの分子量は次の
条件で測定される。
【0048】すなわち、40℃のヒートチャンバー中で
カラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒
としてTHF(テトラヒドロフラン)を毎分1mlの流
速で流し、試料濃度として0.05〜0.6重量%に調
整した樹脂のTHF試料溶液を50〜200μl注入し
て測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有
する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料
により作成された検量線の対数値とカウント数との関係
から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料と
しては、例えば、Pressure Chemical
Co.製あるいは、東洋ソーダ工業社製の分子量が6
×102 ,2.1×103 ,4×103,1.75×1
4 ,5.1×104 ,1.1×105 ,3.9×10
5 ,8.6×105 ,2×106 ,4.48×106
ものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン
試料を用いるのが適当である。また、検出器にはRI
(屈折率)検出器を用いる。
【0049】なお、カラムとしては、103 〜2×10
6 の分子量領域を適確に測定するために、市販のポリス
チレンゲルカラムを複数組合せるのが良く、例えば、W
aters社製のμ‐styrage 1500,10
3 ,104 ,105 の組み合せや、昭和電光社製のsh
odex KF−80Mや、KF−801,803,8
04,805の組み合せや、KA−802,803,8
04,805の組み合わせ、あるいは東洋曹達製のTS
Kge1 G1000H,G2000H,G2500
H,G3000H,G4000H,G5000H,G6
000H,G7000H,GMHの組み合せが好まし
い。
【0050】これらフルカラートナーを用い潜像担持体
上に順次、像形成を行なう多色現像方法に於て、本発明
では、該黒色トナーを潜像担持体上第1順目に現像し、
第2順目以降は順次、シアントナー、イエロートナー、
マゼンタトナーを現像させ多重の像形成を司ることが望
ましい。本発明に係る様な白黒兼務型複写機の場合、黒
色単色で、かつ連続コピー画像を得る機会が多く、いわ
ゆる粒子間での合一が行なわれていれば定着特性として
は2ピークを有する様な硬めの結着樹脂を媒体として介
することが望ましい。しかしながら、フルカラーの様な
ピクトリアルな画像をコピーする際には鮮明な色味が要
求され、必然的に混色させやすくする為に比較的溶融し
やすい結着樹脂が望まれてくる。
【0051】以上の様な場合において、両者を満足する
上では、図1に示す様な結着樹脂の違いによる表面光沢
性の影響が、大きく左右される因子としてあげられる。
【0052】従って、マゼンタトナーを第1順目に現像
し、順次シアントナー、イエロートナー、黒色トナーを
現像する従来の現像順をとった多色現像を行なうと、本
発明のフルカラートナーを用い、現像後、紙等の複写紙
上へ順次転写して行く場合、最上層に磁性体を含有した
黒色トナーが来ることにより、その下層に来る3色の光
沢性に支障を来し、4色重ね合ったフルカラー画像に於
いては特に画像部各所で異なった光沢性を生じてしまう
結果となる。この様なことから、本発明に於いては、し
かるべき現像順により多色画像を得ることにより、光沢
性の低い黒色トナーを転写紙上最下層に形成させ、光の
乱反射を防ぎ、一様な光沢性をもったフルカラー画像を
得ることが可能となる。
【0053】本発明の目的に適合する着色剤としては下
記の顔料又は染料が挙げられる。尚、本発明に於て耐光
性の悪いC.I.デイスパースY164,C.I.ソル
ベントY77及びC.I.ソルベントY93の如き着色
剤は、推奨できないものである。
【0054】染料としては、例えばC.I.ダイレクト
レッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシ
ッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.
モーダントレッド30、C.I.ダイレクトブルー1、
C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー
9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシック
ブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モー
ダントブルー7等がある。
【0055】顔料としては、ナフトールイエローS、ハ
ンザイエローG、パーマネントイエローNCG、パーマ
ネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジ
ンオレンジG、パーマネントレッド4R、ウオッチング
レッドカルシウム塩、ブリリアントカーミン3B、ファ
ストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、フタ
ロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、インダン
スレンブルーBC等がある。
【0056】好ましくは顔料としてはジスアゾイエロ
ー、不溶性アゾ、銅フタロシアニン、染料としては塩基
性染料、油溶性染料が適している。
【0057】特に好ましくはC.I.ピグメントイエロ
ー17、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピ
グメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー1
4、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメ
ントレッド5、C.I.ピグメントレッド3、C.I.
ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド6、
C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントブル
ー15、C.I.ピグメントブルー16または下記で示
される構造式(I)を有する、フタロシアニン骨格に置
換基を2〜3個置換した銅フタロシアニン顔料などであ
る。
【0058】
【化1】 染料としてはC.I.ソルベントレッド49、C.I.
ソルベントレッド52、C.I.ソルベントレッド10
9、C.I.ベイシックレッド12、C.I.ベイシッ
クレッド1、C.I.ベイシックレッド3bなどであ
る。
【0059】その含有量としては、OHPフィルムの透
過性に対し敏感に反映するイエロートナーについては、
結着樹脂100重量部に対して12重量部以下であり、
好ましくは0.5〜7重量部が望ましい。
【0060】12重量部を超えると、イエローの混合色
であるグリーン、レッド、又、画像としては人間の肌色
の再現性に劣る。
【0061】その他のマゼンタ、シアンのカラートナー
については、結着樹脂100重量部に対しては15重量
部以下、より好ましくは0.1〜9重量部以下が望まし
い。
【0062】本発明における潜像保持体としてはその表
面にフッ素系樹脂粉体を5〜40重量%含有する有機感
光体が好適である。本発明者らは磁性トナーと非磁性ト
ナーの両者を適用した際のクリーニング性、及び画像特
性について鋭意検討した結果、トナーの外添剤として少
なくとも重量平均粒径0.2〜2.5μmの球形微粒子
を含有したトナーが、磁性体含有の有無によらず種々の
環境でクリーニング特性が安定化し、良好な画像を提供
することを見出したのである。
【0063】クリーニング性が安定する理由としては、
有機感光体表面とクリーニングブレードとの過度の圧着
を前述の球形微粒子がスペーサーとなって緩和し、適度
な摩擦特性が得られるからである。
【0064】本発明に係るトナーには荷電特性を安定化
するために荷電制御剤を配合しても良い。その際トナー
の色調に影響を与えない無色または淡色の荷電制御剤が
好ましい。本発明においては、負荷電性現像剤を使用し
たとき、本発明は一層効果的になり、その際の負荷電制
御剤としては例えばアルキル置換サリチル酸の金属錯体
(例えばジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯体
または亜鉛錯体)の如き有機金属錯体が挙げられる。負
荷電制御剤をトナーに配合する場合には結着樹脂100
重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5
〜8重量部添加するのが良い。
【0065】本発明のフルカラー現像剤でイエロー、マ
ゼンタ、シアンの2成分系現像剤に使用される磁性粒子
としては、例えば表面酸化または未酸化の鉄、ニッケ
ル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類等
の金属及びそれらの合金または酸化物及びフェライトな
どが使用できる。また、その製造方法として特別な制約
はない。
【0066】本発明に用いられる磁性粒子の材質として
最適なのは、98%以上のCu−Zn−Fe(組成比
(5〜20):(5〜20):(30〜80))の組成
からなるフェライト粒子であって、これは表面平滑化が
容易で帯電付与能が安定し、且つコートを安定にできる
ものである。
【0067】本発明においては、上記磁性粒子の表面を
樹脂等で被覆するが、その方法としては、樹脂等の被覆
材を溶剤中に溶解もしくは懸濁せしめて塗布し磁性粒子
に付着せしめる方法、単に粉体で混合する方法等、従来
公知の方法がいずれも適用できる。被覆層の安定のため
には、被覆材が溶剤中に溶解する方が好ましい。
【0068】上記磁性粒子の表面への被覆物質として
は、トナー材料により異なるが、例えば、アミノアクリ
レート樹脂、アクリル樹脂、或いはそれらの樹脂とスチ
レン系樹脂との共重合体などが好適である。負帯電する
樹脂としては、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポ
リテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエ
チレン重合体、ポリフッ化ビニリデンなどが、帯電系列
において負側に位置し、好適であるが、必ずしもこれに
制約されない。
【0069】本発明に最適なものとしては、アクリル樹
脂或いはそれらの樹脂とスチレン系樹脂との共重合体な
どである。
【0070】上記化合物の被覆量は、磁性粒子の帯電付
与特性が前述の条件を満足するよう適宜決定すれば良い
が、一般には総量で磁性粒子に対し0.1〜30重量%
(好ましくは0.3〜20重量%)である。
【0071】これら磁性粒子の重量平均粒径は35〜6
5μm、好ましくは40〜60μmを有することが好ま
しい。さらに、重量分布26μm以下が2〜6%であ
り、且つ重量分布35μm〜43μm間が5%以上25
%以下であり、且つ74μm以上が2%以下であるとき
に良好な画像を維持できる。
【0072】本発明において、上述の磁性粒子とトナー
粒子の混合比率は現像剤中のトナー濃度として、2.0
重量%〜9重量%、好ましくは3重量%〜8重量%にす
ると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2.0%
以下では画像濃度が低く実用上不可となり、9%以上で
はカブリや機内飛散を増加せしめ、現像剤の耐用寿命を
短める。
【0073】本発明に係る着色剤含有樹脂粒子を作製す
るには熱可塑性樹脂を必要に応じて着色剤としての顔料
または染料、荷電制御剤、その他の添加剤等をボールミ
ルの如き混合機により充分混合してから加熱ロール、ニ
ーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶
融、捏和及び練肉して樹脂類を互いに相溶せしめた中に
顔料または染料を分散または溶解せしめ、冷却固化後粉
砕及び厳密な分級を行って本発明に係るところの着色剤
含有樹脂粒子を得ることができる。
【0074】本発明において使用する結着物質として
は、従来電子写真用トナー結着樹脂として知られる各種
の材料樹脂が用いられる。
【0075】例えば、ポリスチレン、スチレン・ブタジ
エン共重合体、スチレン・アクリル共重合体等のスチレ
ン系共重合体、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共
重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体のような
エチレン系共重合体、フェノール系樹脂、エポキシ系樹
脂、アクリルフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエ
ステル樹脂、マレイン酸系樹脂等である。また、いずれ
の樹脂もその製造方法等は特に制約されるものではな
い。
【0076】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げるが、「部」及
び「%」は全て「重量部」及び「重量%」である。
【0077】実施例1 プロポキシ化ビスフェノールとフマル酸を 100部 縮合して得られたポリエステル樹脂 (この樹脂におけるTHF可溶分の分子量分布としては 6300にピークを有するものであった。) C.I.ピグメントイエロー17 3.5部 ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯塩 4部 をヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行った後、
2軸式押出機で溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用い
て粒径約1〜2mm程度に粗粉砕した。次いでエアージ
ェット方式による微粉砕機で微粉砕した。さらに、得ら
れた微粉砕物を多分割分級装置で分級して、重量平均粒
径8.0μmのイエロー系樹脂粒子を得た。
【0078】上記イエロー系樹脂粒子100部に対し
て、チタンクロライドから合成した親水性酸化チタン
(BET70m2 /g)0.7部と平均粒径0.8μm
の球形のシリコーン樹脂粒子0.5部を合せてイエロー
トナーとした。
【0079】次にC.I.ピグメントイエロー17のか
わりに、ローダミン系顔料4部を使用してイエロートナ
ー同様にして、マゼンタトナーとした。
【0080】次にC.I.ピグメントイエロー17のか
わりに下記構造式に示すフタロシアニン顔料5部を使用
して、イエロートナー同様にしてシアントナーとした。
【0081】
【化2】 次にC.I.ピグメントイエロー17のかわりにFeO
含有量26.1%、比表面積8.1m2 /g、嵩密度
0.44g/cm3 のマグネタイト60部を使用し、結
着樹脂として下記樹脂A、添加剤としてヘキサメチルジ
シラザンで疎水化処理したケイ酸微粉体(BET230
2 /g)0.5部と球形シリコーン樹脂粒子0.5部
を使用して黒色磁性トナーとした。
【0082】上記イエロー、マゼンタ、シアントナーを
メタクリル酸メチル−ブチルアクリレート(75:2
5)共重合体で表面被覆したCu−Zn−Fe系フェラ
イト粒子と、それぞれトナー濃度が5%となる様に混合
して現像剤とした。
【0083】上記3種の現像剤と黒色磁性トナーを使用
して市販のカラー複写機(CLC−500キヤノン製)
を現像順がブラック、シアン、イエロー、マゼンタの色
順で画出しができる様に改造し、現像コントラストを3
50Vに一定して画出し評価を行なった。1万枚の耐久
試験を行なっても、鮮明な色味を有し画質も大きな変化
はなく、地カブリ等も見られず、画像濃度も各色1.4
〜1.5と高濃度を示し、耐久後のクリーニング不良も
全く確認されなかった。
【0084】<結着樹脂A>下記のモノマー組成物を用
いた共重合体(a)を用意した。
【0085】 スチレンモノマー 75.5部 ブチルアクリレートモノマー 13.5部 モノブチルマレートモノマー 10.0部 ジ−tert−ブチルパーオキサイド 6.0部 次に、この共重合体(a)を含む下記の混合溶液を調製
した。
【0086】 共重合体(a) 30.0部 スチレンモノマー 46.0部 ブチルアクリレートモノマー 21.0部 モノブチルマレートモノマー 3.0部 ジビニルベンゼン 0.3部 ベンゾイルパーオキサイド 1.0部 tert−ブチルパーオキシ−2エチルヘキサノエート 0.6部 次いで上記混合溶液に、ポリビニルアルコール部分ケン
化物0.12部を溶解した水170部を加え、エマルジ
ョン粒径が100μm以下となる様にホモミキサーで乳
化し、懸濁分散液とした。水50部を入れ窒素置換した
反応器に上記分散液を添加し、反応温度70〜95℃で
6時間懸濁重合反応させた。反応終了後、濾別、脱水、
乾燥し、結着樹脂組成物Aを得た。この樹脂Aにおける
THF可溶分の分子量分布としては7,200及び4
6,000に各々ピークを有するものであった。
【0087】尚、GPC測定用カラムとしてShode
x KF−80Mを用い、GPC測定装置(ウォーター
ズ社製150CALC/GPC)の40℃のヒートチャ
ンバーに組み込みTHF流速1ml/min、検出器は
RIの条件下、試料(THF可溶分の濃度約0.1%)
を200μl注入することでGPCを測定した。分子量
測定の検量線としては分子量0.5×103 ,2.35
×103 ,10.2×103 ,35×103 ,110×
103 ,200×103 ,470×103 ,1200×
103 ,2700×103 ,8420×103 の10点
の単分散ポリスチレン基準物質(ウォーターズ社製)の
THF溶液を用いた。
【0088】実施例2 実施例1において磁性トナー中のマグネタイトがFeO
含有量28.1%、比表面積7.4m2 /g、嵩密度
0.46g/cm3 である以外は実施例1と同様に画出
しを行ったところ、黒色画像濃度が1.6〜1.7と高
い他は、実施例1同様の良好な結果が得られた。
【0089】実施例3 実施例2において、イエロー、マゼンタ、シアンの各ト
ナーに含有される親水性の酸化チタンが、チタンイソプ
ロポキシドから合成した親水性酸化チタン(BET12
0m2 /g)を0.5部使用する以外は、同様に画出し
を行なったところ、鮮明な色味を有し、画像濃度も高
く、クリーニング不良も見られない良好な結果が得られ
た。
【0090】実施例4 実施例1において、磁性トナー中のマグネタイトがFe
O含有量27.2%、比表面積7.6m2 /g、嵩密度
0.42g/cm3 であり、親水性酸化チタンをジメチ
ルシリコンオイルで疎水化処理した酸化チタン0.5部
を使用する以外は実施例1と同様に画出しを行ったとこ
ろ、画像濃度も安定し、1万枚の耐久試験によっても画
質に大きな変化はなく、カブリ等の問題も見られなかっ
た。
【0091】比較例1 実施例1において、黒色磁性トナーに用いられる結着樹
脂が下記Bに示す結着樹脂である以外は、同様の評価を
行なった。
【0092】 <結着樹脂B> スチレンモノマー 72.0 部 ブチルアクリレートモノマー 24.0 部 モノブチルマレートモノマー 4.0 部 ジビニルベンゼン 0.30部 ベンゾイルパーオキサイド 1.7 部 上記混合物に、ポリビニルアルコール部分ケン化物0.
12部を溶解した水170部を加え、充分に乳化させた
懸濁分散液とした。水50部を入れ、窒素置換した反応
器に上記分散液を添加し、反応温度70〜95℃で6時
間反応させた。反応終了後、濾別、脱水、乾燥し結着樹
脂Bを得た。
【0093】この樹脂BにおけるTHF可溶分の分子量
分布を測定したところ、分子量24,000の領域にピ
ークを有するものであった。
【0094】耐久試験を行なったところ、カブリ等は見
られなかったが、トナー中における粗粒が多く、現像時
において、感光体へ付着し、摺擦等の要因による融着が
発生してしまった。
【0095】比較例2 実施例1において、イエロートナー、マゼンタトナー及
びシアントナーに用いられる結着樹脂が下記樹脂Cであ
る以外は同様にして評価を行なった。
【0096】<結着樹脂C>エトキシ化ビスフェノール
Aとテレフタル酸とを縮合して得られるポリエステル樹
脂C この樹脂CにおけるTHF可溶分の分子量分布としては
120,000の領域にピークを有するものであった。
【0097】初期評価を行なったところ、該樹脂Cを用
いたシアントナーにおいてオフセットが見られ、又、他
の2色においても定着時に十分溶融定着していない為
に、得られる多色画像においても混色不十分で色味に支
障を来し、画像品質を著しく低下させるに至った。
【0098】比較例3 実施例1で黒色トナーに使用したマグネタイトのかわり
にFeO含有量23.0%、比表面積7.7m2 /g、
嵩密度0.29g/cm3 であるマグネタイトを用いる
以外は実施例1と同様の評価を行なった。
【0099】耐久試験において画質に大きな変化はな
く、カブリ等も見られなかったが2000枚付近から画
像濃度低下が発生した。
【0100】比較例4 実施例2においてカラートナー及び黒色トナーを用いた
流動向上剤としての親水性酸化チタン、ケイ酸微粉体を
除いてトナーを構成する以外は、実施例1と同様の評価
を行なったところ、20℃/10%環境下でハーフトー
ン部に画像ムラが発生した。
【0101】比較例5 実施例1において、カラートナー及び黒色トナーに球形
微粒子を含有しない以外は、実施例1と同様の評価を行
なったところ、高画像濃度は維持することができたが画
像上にクリーニング不良跡が多数発生してしまったため
に、耐久試験1000枚時の途中で評価を中断した。
【0102】
【発明の効果】本発明によれば、白黒機兼務型のフルカ
ラー複写機及びプリンターにおいて用いられるトナーの
結着樹脂成分の分布を規定することにより、安定な定着
特性をもったフルカラートナーが得られ、且つ黒色トナ
ーにおいては用いられる磁性粉中のFeO含有量を規定
することにより、高画像濃度、高耐久性を維持するのが
可能となり、尚且つ、外添剤として流動性向上剤と球形
微粒子を含有することにより、非磁性+磁性トナーの併
用系においてクリーニング特性の向上を図ることが可能
となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】結着樹脂の違いによる表面光沢性の影響を示す
ためのグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G03G 15/01 G03G 9/08 301 321 (56)参考文献 特開 平3−267945(JP,A) 特開 昭64−35455(JP,A) 特開 平4−21861(JP,A) 特開 平2−67567(JP,A) 特開 昭61−273556(JP,A) 特開 平4−50859(JP,A) 特開 平3−177847(JP,A) 特開 昭58−189646(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともイエロートナー、マゼンタト
    ナー、シアントナー及び黒色トナーを有する多色電子写
    真用フルカラートナーに於て、(1)該イエロートナ
    ー、マゼンタトナー及びシアントナーが着色剤、結着樹
    脂及び2種以上の外添剤を含む非磁性トナーであり、
    (2)該黒色トナーが、磁性酸化鉄中のFeO含有量が
    25〜30重量%である黒色磁性粉、結着樹脂及び2種
    以上の外添剤を含む磁性トナーで構成され、(3)且
    つ、該イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナ
    ーに用いられる結着樹脂がTHF可溶分のゲルパーミエ
    ーションクロマトグラフィー(GPC)による分子量分
    布に於て、分子量1000〜100,000の領域にピ
    ークを少なくとも1つ有し、(4)該黒色トナーに用い
    られる結着樹脂がTHF可溶分のゲルパーミエーション
    クロマトグラフィー(GPC)による分子量分布に於
    て、分子量2000〜15000の領域にピークを少な
    くとも1つ有し、分子量15000〜100,000の
    領域にピーク又は肩を少なくとも1つ有することを特徴
    とするフルカラートナー。
  2. 【請求項2】 外添剤が少なくとも流動性向上剤と重量
    平均粒径0.2〜2.5μmの球形微粒子を含有するこ
    とを特徴とする請求項1に記載のフルカラートナー。
  3. 【請求項3】 前記球形微粒子が、ケイ酸微粉体、シリ
    コーン樹脂粒子等の含ケイ素化合物であることを特徴と
    する請求項2に記載のフルカラートナー。
  4. 【請求項4】 前記球形微粒子がケイ素原子に1個のア
    ルキル基を有するシロキサン構造を有するシリコーン樹
    脂粒子があることを特徴とする請求項2又は3に記載の
    フルカラートナー。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のフルカラートナーを用
    い、潜像担持体上のトナー像を順次、転写材上に像形成
    させる多色現像方法に於て、該黒色トナーを転写材上第
    1順目に現像し、第2順目以降は、順次シアントナー、
    イエロートナー、マゼンタトナーを現像させ像形成を行
    うことを特徴とする画像形成方法。
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