JP3105006B2 - 安定化ポリオキシメチレン樹脂組成物 - Google Patents

安定化ポリオキシメチレン樹脂組成物

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JP3105006B2
JP3105006B2 JP03007132A JP713291A JP3105006B2 JP 3105006 B2 JP3105006 B2 JP 3105006B2 JP 03007132 A JP03007132 A JP 03007132A JP 713291 A JP713291 A JP 713291A JP 3105006 B2 JP3105006 B2 JP 3105006B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱安定性の優れたポ
リオキシメチレン樹脂及びその組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリオ
キシメチレン樹脂は各種の物性のバランスにすぐれ、か
つ、その加工が容易であることにより代表的エンジニア
リングプラスチックとして、電気・電子部品、自動車部
品その他の機構部品として広範に用いられている。しか
しながら、用途の拡大、多様化に伴い、その品質に対す
る要求はより高度化する傾向を示している。要求される
特性として、押し出しあるいは成形工程に伴う機械的強
度の低下、金型等への付着物(モールドディポジット)
の発生、長期加熱条件下に於ける(ヒートエージング)
機械的特性の低下、成形品の着色等が低いレベルに抑制
されることなどが挙げられる。これらの現象の重要因子
の一つに加熱時のポリマーの分解が挙げられる。
【0003】ポリオキシメチレンは、その化学構造から
して本質的に、加熱酸化雰囲気下、酸性あるいはアルカ
リ性条件下で容易に分解されやすい性質を持っている。
化学的に活性な末端を安定化するには重合体の末端をア
セチル化などによりエステル化するか(ホモポリマ
ー)、あるいは重合時にトリオキサンと環状エーテル、
環状ホルマール等隣接炭素結合を有するモノマーとを共
重合し、しかる後、不安定な末端部分を分解除去して不
活性な安定末端とする方法がある(コポリマー)。しか
しながら、加熱時にはポリマーの主鎖部分での開裂分解
反応も起こり、その防止には、上記の処理のみでは対処
できず、実用的には酸化防止剤およびその他の安定剤の
添加が必須とされている。
【0004】しかし、これら安定剤を配合したポリオキ
シメチレン組成物も、それでポリマーの分解が完全に抑
えられるわけではなく、実際には成形の際、成形機のシ
リンダー内で熱や酸素の作用を受け、主鎖分解により、
あるいは十分安定化されていない末端からホルムアルデ
ヒドを発生し、押出成形加工時に作業環境を悪化させた
り、長時間にわたり成形を行う場合、金型面に微粉状
物、タール状物を付着させ(モールドディポジット)、
作業効率を低下させ、又成形品の表面状態を悪化させる
最大要因の一つとなっており、またポリマーの分解によ
り機械的強度の低下、樹脂の着色が生じる。更に、成形
品を長期に加熱したとき(ヒートエージング)の主鎖分
解も機械的強度の低下、着色等の原因となる。このよう
な事情により、より効果的な安定剤処方を求めて努力が
続けられている。
【0005】ポリオキシメチレン樹脂に添加される酸化
防止剤としては、立体障害基を有するフェノール化合物
(ヒンダードフェノール)、または立体障害基を有する
アミン化合物(ヒンダードアミン)が、またその他の安
定剤として、ポリアミド、尿素誘導体、アミジン化合
物、アルカリまたはアルカリ土類金属の水酸化物、有機
または無機酸塩等の化合物が組み合わされて用いられ
る。
【0006】酸化防止剤としてヒンダードフェノールは
特に有効であるが、一方でフェノール類は弱酸であり、
更に光を吸収することにより強い酸ともなるため、添加
量が増えると共にかえってポリマーの分解触媒ともなり
うる。またその酸化体は着色要因ともなりやすい。又そ
れ自体が成形時にモールドデポジットの原因となる場合
もある。従って、成形時、ヒートエージング時、あるい
は光照射条件下で、安定剤として機能すると同時にポリ
マーの分解要因ともなり、成形安定性、ヒートエージン
グ安定性、耐候性のバランスのとれた安定剤処方は微妙
であり、これまでに種々の提案、工夫がなされてきてい
るにもかかわらず、必ずしも満足な結果は得られていな
い。
【0007】本発明はかかるポリオキシメチレンの安定
性を改善することをその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の如
き問題点を解決し、更に一層効果的なポリオキシメチレ
ンの安定剤に関し探索検討を行った結果、その構造中に
フェノキシ単位を含む特定の一連の化合物がポリオキシ
メチレンの安定剤として効果を有することを見出し、本
発明に至った。
【0009】すなわち本発明は、ポリオキシメチレン樹
脂に対し0.01〜5重量%の一般式(I)で示されるフェ
ノキシ化合物を添加配合することを特徴とするポリオキ
シメチレン樹脂組成物に関し、押出、成形時の酸化又は
熱分解による樹脂の劣化、モールドディポジットの発
生、ヒートエージング時の劣化等、その安定性に基づく
問題点を改善するものである。
【0010】 Y1-O-Ar1-X-Ar2-O-Y2 (I) 一般式(I)において、 Xは-CpH2p- 、-C m H 2m OC n H 2n -
-C m H 2m SC n H 2n -、 -CpH2pN(CrH2r+1)CqH2q-、-CpH2pCOCqH2q-、-CpH2pCOOC
qH2q- 、 -CpH2pCON(CrH2r+1)CqH2q- 、-CpH2pS(=O)2CqH2q- 、 -CpH2PP(=O)(R)CqH2q- 、-CpH2pP(=O)(R)OCqH2q-、 -CpH2pOP(=O)(R)OCqH2q- (但し、m,n は1〜20の整数、p,q,r は0〜20の整数、
R はC1〜C20 のアルキル、アルコキシ基、或いはフェニ
ル基)から選ばれる二価の原子団の一つ以上からなる、
すなわち、単独でもよいし、二種以上の組み合わせでも
良い。特に好ましくは -CpH2p- 、-C m H 2m OC n H 2n - -C m H 2m SC n H 2n -、 -CpH2pN(CrH2r+1)CqH2q-、CpH2pCOCqH2q- 、-CpH2pCOOC
qH2q- 、 -CpH2pS(=O)2CqH2q- (但し、m,n は1〜20の整数、p,q,r は0〜20の整数)
から選ばれる二価の原子団である。
【0011】-OY1,-OY2 は水酸基以外の置換基すなわ
ち、Y1,Y2 として-CmH2m+1 、 -(CmH2mO)n C l H 2l+1 、-CmH2mSCpH2p+1 、-CmH2mN(CpH
2p+1)(CqH2q+1)、 -CmH2mCOCnH2n+1 、-CmH2mCOOCnH2n+1 、-CmH2mOCOCnH
2n+1 、 -CmH2mCON(CpH2p+1)(CqH2q+1)、-CmH2mN(CpH2p+1)COCqH
2q+1 、 -CmH2mS(=O)2CnH2n+1 、-CmH2mP(=O)(R)CnH2n+1、-CmH
2mP(=O)(R)OCnH2n+1 、 -CmH2mOP(=O)(R)CnH2n+1 、-CmH2mOP(=O)(R)OCnH2n+1 (但し、m,n,l は1〜20の整数、p,q は0〜20の整数、
R はC1〜C20 のアルキル、アルコキシ基)で示される
一価の基を示し、これらのうち特に-CmH2m+1 、-(CmH2m
O)n C l H 2l+1 等のアルキル基、あるいはエーテル基が好
ましく、例えばアルキル基として直鎖アルキル基、イソ
プロピル基、イソブチル基、 sec−ブチル基、tert−ブ
チル基等が、エーテル基としてエチルエーテル基、プロ
ピルエーテル基、ブチルエーテル基、メチル−プロピル
エーテル基、ペンチルエーテル基、ジメチル−プロピル
エーテル基等が挙げられる。さらには-CmH2mCOOCnH
2n+1 、-CmH2mOCOCnH2n+1 あるいは-CmH2mN(CpH2p+1)(C
qH2q+1)で示されるアルキルエステル、アルキルアミン
もY1,Y2 として好ましいものである。
【0012】一般式(I)において、Ar1 およびAr2
フェニレン基、ナフチレン基等二価のアリーレン基を示
し特にフェニレン基が好ましく、-X- および-OY1,-OY2
以外に置換基を有しないものでもよく、あるいはこれら
以外に置換基として-CmH2m+1、-(CmH2mO)n C l H 2l+1 、-C
mH2mSCpH2p+1 、-CmH2mCOCnH2n+1 、 -CmH2mCOOCnH2n+1 、-CmH2mOCOCnH2n+1 、-CmH2mS(=O)2
CnH2n+1 、 -CmH2mP(=O)(R)CnH2n+1、-CmH2mP(=O)(R)OC nH2n+1、 -CmH2mOP(=O)(R)CnH2n+1 、-CmH2mOP(=O)(R)OC
nH2n+1 、 -CmH2mN(CpH2p+1)(CqH2q+1)、-CmH2mCON(CpH2p+1)(CqH
2q+1)、 -CmH2mN(CpH2p+1)COCqH2q+1 (m,n,l は1〜20の整数、p,q は0〜20の整数、R はC1
〜C20 のアルキル基、或いはフェニル基)、及びフェニ
ル基から選ばれた置換基を導入したものでもよく、中で
も無置換又は置換基として-CmH2m+1、-(CmH2mO)n C l H
2l+1 、-CmH2mCOOCnH2n+1 、-CmH2mN(CpH2p+1)(C
qH2q+1)を有するものが好ましく使用される。かかる置
換基を有する場合は、本化合物の反応性を高め、あるい
はポリオキシメチレン樹脂に対する相溶性を改善する上
で効果的である。これら置換基は1個に限らず複数個あ
るいは2種以上導入したものでもよく、またその置換位
置はo−,m−,p−のいずれでも良い。但し、アリー
レン基(Ar1,Ar2)に -OH基が直接結合したものは(I)
式化合物から除く。
【0013】かかる(I)式化合物はポリオキシメチレ
ン樹脂に対して0.01〜5重量%、好ましくは0.1 〜2重
量%添加される。これらの化合物の添加量が過少である
ときは安定化効果は乏しく、一方過剰である時にはむし
ろポリマーの分解や変色が促進される場合があり、好ま
しくない。
【0014】これらの添加剤が配合されるポリオキシメ
チレンとは、オキシメチレン基を主たる構成単位とする
高分子化合物で、ポリオキシメチレンホモポリマー、ま
たはオキシメチレン基以外に他の構成単位を少量含有す
るコポリマー、ターポリマー、ブロックコポリマーのい
ずれでもよく、また、分子が線状のみならず、分岐、架
橋構造を有するものであっても良い。また、その重合度
に関しても特に制限はなく、成形加工が可能であれば何
れにてもよい。
【0015】上記化合物は単独で用いても顕著な安定化
効果が見られるが、更にアミン、アミド等の含窒素化合
物、アルカリあるいはアルカリ土類金属の水酸化物、無
機酸塩、カルボン酸塩またはアルコキシド等の金属含有
化合物及び立体障害性フェノール化合物等を1種以上併
用することも可能である。
【0016】ここで含窒素化合物とは、ナイロン12、
ナイロン6・12、ナイロン6・66・610のような
単独または共重合ポリアミド、メチロール基等を有する
置換ポリアミド、ナイロン塩、カプロラクタムとの組み
合わせから合成されるポリエステルアミド等のポリアミ
ド類、ポリアミノトリアゾール、ジカルボン酸ジヒドラ
ジド、尿素から加熱により合成される加熱縮合体、ウラ
シール類、シアノグアニジン類、ジシアンジアミド、グ
アナミン(2,4−ジアミノ−sym −トリアジン)、メ
ラミン、N−ブチルメラミン、N−フェニルメラミン、
N,N−ジフェニルメラミン、N,N−ジアリルメラミ
ン、N,N’,N”−トリフェニルメラミン、N,
N’,N”−トリメチロールメラミン、ベンゾグアナミ
ン、2,4−ジアミノ−6−メチル−sym −トリアジ
ン、2,4−ジアミノ−6−ブチル−sym −トリアジ
ン、2,4−ジアミノ−6−ベンジルオキシ−sym −ト
リアジン、2,4−ジアミノ−6−ブトキシ−sym −ト
リアジン、2,4−ジアミノ−6−シクロヘキシル−sy
m −トリアジン、2,4−ジアミノ−6−クロロ−sym
−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メルカプト−sy
m −トリアジン、2,4−ジオキシ−6−アミノ−sym
−トリアジン(アメライド)、2−オキシ−4,6−ジ
アミノ−sym −トリアジン(アメリン)、N,N,
N’,N’−テトラシアノエチルベンゾグアナミン等が
挙げられる。また、後述のヒンダードアミン類も含まれ
る。
【0017】また金属化合物としては、ナトリウム、カ
リウム、マグネシウム、カルシウムもしくはバリウム等
の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩、
シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、アジピン酸塩等
の如きカルボン酸塩、ステアリン酸塩のような高級(C10
〜C32)脂肪酸塩および水酸基等の置換基を有する置換高
級脂肪酸の塩などをあげることができる。更に、同一分
子内に少なくとも一つの三級窒素原子とカルボン酸の金
属を含む塩基性化合物、たとえばN−メチルイミノ2酢
酸ナトリウム、ニトリロ3酢酸3ナトリウム、エチレン
ジアミン4酢酸4ナトリウム、エチレンジアミン4酢酸
2カルシウム、ジエチレントリアミン5酢酸5ナトリウ
ム、ジエチレン5酢酸5カリウム、トリエチレンテトラ
ミン6酢酸6ナトリウム、エチレンオキシビス(エチル
アミン)−N,N,N’,N’−4酢酸ナトリウム等が
挙げられる。
【0018】また本発明における(I)式化合物は、公
知の酸化防止剤、すなわちヒンダードフェノール、ある
いはヒンダードアミン等と併用すれば、更に一層の熱安
定性、特にヒートエージング特性改善等において顕著な
相乗効果が認められる。
【0019】かかる目的で併用されるヒンダードフェノ
ール系酸化防止剤としては、例えば2,2’−メチレン
ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、
1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−
tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕、ペンタエリスリトールテトラキス〔3−(3,5
−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3
−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート〕、N,N’−ヘキサメチレンビス
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロ
シンナミド)等が挙げられる。
【0020】またヒンダードアミン系化合物とは、立体
障害性基を有するピペリジン誘導体で、その例を示せ
ば、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピ
ペリジン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−
テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メトキ
シ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベ
ンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジン、4−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テ
トラメチルピペリジン、4−フェノキシ−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン、4−ベンジルオキシ−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェ
ニルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメ
チルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジル)オギザレート、ビス(2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジル)マロネート、ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ア
ジペート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジル)セバケート等である。また高分子量のピペ
リジン誘導体重縮合物、例えば、コハク酸ジメチル−1
−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物等も有効
である。
【0021】また本発明組成物には成形性改善のため、
あるいは成形物に目的に応じた特性を付与するため、熱
可塑性樹脂に対する一般的な添加剤、例えば染顔料等の
着色剤、滑剤、核剤、離型剤、帯電防止剤その他の界面
活性剤、あるいは有機高分子材料、無機または有機の繊
維状、粉体状、板状の充填材を1種又は2種以上添加す
ることができる。
【0022】本発明の組成物の調製方法は特に制限はな
く、例えば単によくブレンドするだけでも有効であり、
各成分を混合した後、押出機等により溶融混練、押し出
してペレットとし、これらを成形してもよい。また一
旦、組成の異なるペレットを調製し、そのペレットを所
定量混合して成形に供し、成形後に目的組成の成形品を
得る方法、あるいは成形機に各成分の1または2以上を
直接仕込む方法、いずれも使用できる。また、添加剤の
配合を均一化するために樹脂成分の一部を細かい粉体と
して、これ以外の成分と混合し添加するのは有効な方法
である。
【0023】また、本発明に関わる樹脂組成物は、押出
成形、射出成形、圧縮成形、真空成形、吹込成形、発泡
成形等のいずれによっても成形可能である。
【0024】
【発明の効果】上記説明及び実施例に示す如く、本発明
による(I)式化合物はそれ自体、酸としての要素を含
まず、かつ着色物質ともなりにくいため、これを添加配
合したポリオキシメチレン樹脂組成物は、成形時のポリ
マー分解を抑え、分解ガスの発生防止、重合度の低下と
それに伴う機械的強度の低下の抑制、およびモールドデ
ィポジットの発生抑制、着色防止等に関して、その効果
が大であるだけでなく、ヒートエージング時の機械的強
度低下および着色の防止、耐候性の改善等にも有効であ
り、バランスのとれた熱安定性を有するポリオキシメチ
レン樹脂又はその組成物を提供するものである。
【0025】
【実施例】以下、本発明の効果を具体的に示すために、
実施例を挙げて説明するが、本発明はこれら実施例にな
んら限定されるものではない。
【0026】実施例1〜、比較例1〜2 実施例1〜として、安定剤をなんら含まないポリオキ
シメチレンコポリマー樹脂 100部をとって粉砕し、それ
ぞれに下記(A) 〜(E) の化合物、
【0027】
【化1】
【0028】各 0.3重量部を添加し、窒素雰囲気下でよ
く攪拌混合した。ポリマー主鎖分解の程度を、分子量低
下に伴う溶融粘度の経時的変化で評価するため、この混
合物10gを宝工業製 MX101型メルトインデクサー装置に
投入し、 210℃で所定時間溶融滞留させた後、内径2.09
mmのオリフィスを通し、2.16kgの荷重を掛けながら10分
間当たりに流出する樹脂の重量(MI値)を測定した。
測定は、樹脂投入後、7分、30分、60分の滞留後測定
し、60分後におけるMI値の上昇分、ΔMI=MI(60
分)−MI(7分)を求めた。なお比較のため、なんら
添加剤を加えないポリオキシメチレンコポリマー樹脂、
および公知の代表的ヒンダードフェノール系酸化防止剤
としてペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5
−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート〕(Irganox 1010 、チバガイギー社製)0.3 重
量部を同様にしてポリオキシメチレンコポリマー樹脂 1
00重量部に添加したものについても同様の測定を行った
(それぞれ比較例1および2)。結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】フェノキシ化合物の添加により、初期MI
値が上昇するものも存在したが、これは添加剤の潤滑効
果によるものと思われポリマーの分解とは異なる機構に
よる。本発明の組成物の30分後のMI値の上昇は少な
く、ポリマー鎖の分解が極めて効率的に抑えられてい
る。更に、60分後についてもその上昇(ΔMI)は極め
て小さい。
【0031】実施例10、比較例3〜4 実施例1〜と同一処方によりポリオキシメチレンコポ
リマー樹脂と添加剤(A) 〜(E) をブレンドし、次いで 2
00℃において押出機にて溶融混練押し出してペレットと
した。これらペレット8gをメルトインデクサー内に、
200℃で5分間溶融滞留させた後、荷重をかけて流出さ
せ、発生するホルムアルデヒドを捕集して、アセチルア
セトン法にて測定し、単位重量当たりの樹脂に対する発
生するホルムアルデヒドの重量(ppm) として表した。尚
比較のため添加剤を加えない場合(比較例3)、および
Irganox 1010を同様に配合したもの(比較例4)につい
ても同様に行った。また、これらペレットを用い、射出
成形機内で 200℃の温度で1時間滞留させ、その後40mm
×70mm×2mmの板状成形品を成形し、溶融滞留に伴う着
色を日本電色工業(株)製Z-1001DP型色差計にて測定
し、黄色度(JIS K7103)を測定した。更に、これらペレ
ットを 200℃のシリンダー温度にて射出成形し、40mm×
70mm×2mmの板状成形品とJIS K7113 1号型(厚み3m
m) 引っ張り試験片を作成した。本成形物を 140℃で8
日間放置(ヒートエージング)した後、引っ張り試験片
にて引っ張り伸度の保持率を、板状成形品にて着色(黄
色度表示)を測定した。これらの結果を併せて表2に示
す。
【0032】
【表2】
【0033】本発明の組成物(実施例)はホルムアルデ
ヒド発生量が大幅に減少し、溶融滞留時の着色が顕著に
少なく、ヒートエージング後の伸度保持率の向上、着色
防止の点でも効果が見られた。
【0034】実施例1113、比較例5〜6 前記化合物(A) を、それぞれ添加物を含まないポリオキ
シメチレンコポリマー樹脂 100重量部に対し、各0.1 ,
1,2重量部添加し、実施例1〜10と同様の評価を行
った。比較として、それぞれの添加物0.005 、および10
重量部をポリオキシメチレンコポリマー樹脂 100重量部
に対し添加したものについても同様に評価した。これら
の結果を表3に示す。
【0035】
【表3】
【0036】添加量が本発明の範囲にあるものは好まし
い結果が得られたが、 0.005重量部添加ではポリマー分
解やガス発生、伸度保持に対して効果が少なく、一方、
10重量部添加では着色が大きかった。
【0037】実施例1418、比較例7 添加剤を何ら含まないポリオキシメチレンコポリマー樹
脂 100重量部に対し、実施例1〜に示す化合物(A) 〜
(E) を各 0.3重量部および、それぞれにメラミン 0.2重
量部を添加し、実施例1〜10と同様に評価した。比較
例として、メラミン 0.2重量部のみを同様に添加した場
合についても同様の評価を行った。結果は表4に示す。
【0038】
【表4】
【0039】この場合も本発明の組成物はホルムアルデ
ヒドガス発生の抑止、ヒートエージング後の伸度保持等
の点で更に改善効果が認められた。
【0040】実施例1922、比較例8〜9 実施例1〜に示した化合物のうち、(A) 及び(B) の各
0.2重量部、およびフェノール系酸化防止剤であるIrga
nox 1010あるいはヒンダードアミン系酸化防止剤である
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)セバケート(Sanol LS-770、三共(株)製)各 0.2
重量部、さらにメラミン 0.2重量部をポリオキシメチレ
ンコポリマー樹脂 100重量部に添加し、実施例1〜10
と同様の評価を行った。なお比較例として、Irganox 10
10 0.4重量部およびメラミン 0.2重量部(比較例8)、
あるいはSanol LS-770 0.4重量部およびメラミン 0.2重
量部(比較例9)を添加し実施例と同様に評価した。結
果は表5にまとめて示す。
【0041】
【表5】
【0042】この場合も本発明の組成物は、伸度保持に
顕著な向上が認められた。一方、ヒンダードフェノール
との併用では若干着色傾向が見られたが、ヒンダードフ
ェノール単独添加系と比べれば、着色レベルは低い。
【0043】
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−172362(JP,A) 特公 昭47−17766(JP,B1) 特公 昭37−14223(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 59/00 - 59/04

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)で示される化合物を、0.01
    〜5重量%含有する安定化ポリオキシメチレン樹脂組成
    物。 Y1-O-Ar1-X-Ar2-O-Y2 (I) 但し、Ar1,Ar2 は直結水酸基を有しないアリーレン基を
    示し、同一でも異なっていてもよく、X は-CpH2p- 、-C
    m H 2m OC n H 2n - -C m H 2m SC n H 2n -、 -CpH2pN(CrH2r+1)CqH2q-、-CpH2pCOCqH2q-、-CpH2pCOOC
    qH2q- 、 -CpH2pCON(CrH2r+1)CqH2q- 、-CpH2pS(=O)2CqH2q- 、 -CpH2PP(=O)(R)CqH2q- 、-CpH2pP(=O)(R)OCqH2q-、-CpH
    2pOP(=O)(R)OCqH2q- (但し、m,n は1〜20の整数、p,q,r は0〜20の整数、
    R はC1〜C20 のアルキル、アルコキシ基、或いはフェニ
    ル基)から選ばれた二価の原子団から構成され、 また、Y1,Y2 は-CmH2m+1 、-(CmH2mO)nClH2l+1 、-CmH
    2mSCpH2p+1 、 -CmH2mN(CpH2p+1)(CqH2q+1)、-CmH2mCOCnH2n+1 、-CmH
    2mCOOCnH2n+1 、 -CmH2mOCOCnH2n+1 、-CmH2mCON(CpH2p+1)(CqH2q+1)、 -CmH2mN(CpH2p+1)COCqH2q+1 、-CmH2mS(=O)2CnH2n+1 、 -CmH2mP(=O)(R)CnH2n+1、-CmH2mP(=O)(R)OCnH2n+1 、 -CmH2mOP(=O)(R)CnH2n+1 、-CmH2mOP(=O)(R)OCnH2n+1 (但し、m,n,l は1〜20の整数、p,q は0〜20の整数、
    R はC1〜C20 のアルキル、アルコキシ基、或いはフェニ
    ル基)から選ばれる1種以上の一価の原子団を示し、
    Y1,Y2 は同一でも異なっていてもよい。
  2. 【請求項2】 一般式(I)において、 Xが-CpH2p- 、
    -C m H 2m OC n H 2n - -C m H 2m SC n H 2n - 、-CpH2pN(CrH2r+1)CqH2q-、-CpH2pCOCqH
    2q-、 -CpH2pCOOCqH2q- 、-CpH2pS(=O)2CqH2q- (但し、m,n は1〜20の整数、p,q,r は0〜20の整数)
    より選ばれる二価の原子団より成る請求項1記載の安定
    化ポリオキシメチレン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 一般式(I)において、Y1あるいはY2
    -CmH2m+1 、 -(CmH2mO)nClH2l+1 、-CmH2mCOOCnH2n+1 、-CmH2mOCOCn
    H2n+1 、 -CmH2mN(CpH2p+1)(CqH2q+1) (但し、m,n,l は1〜20の整数、p,q は0〜20の整数)
    から選ばれる請求項1又は2記載の安定化ポリオキシメ
    チレン樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 一般式(I)において、Ar1,Ar2 が、-X
    - 及び-OY1,-OY2 以外は置換基を有しないか、あるいは
    -CmH2m+1 、-(CmH2mO)nClH2l+1 、 -CmH2mSCpH2p+1 、-CmH2mCOCnH2n+1 、-CmH2mCOOCnH
    2n+1 、 -CmH2mOCOCnH2n+1 、-CmH2mS(=O)2CnH2n+1 、-CmH2mP(=
    O)(R)CnH2n+1、 -CmH2mP(=O)(R)OCnH2n+1 、-CmH2mOP(=O)(R)CnH2n+1 、 -CmH2mOP(=O)(R)OCnH2n+1 、-CmH2mN(CpH2p+1)(C
    qH2q+1)、 -CmH2mCON(CpH2p+1)(CqH2q+1)、-CmH2mN(CpH2p+1)COCqH
    2q+1 (但し、m,n,l は1〜20の整数、p,q は0〜20の整数、
    R はC1〜C20 のアルキル基、或いはフェニル基)及びフ
    ェニル基から選ばれる原子団を置換基として有するベン
    ゼン環である請求項1〜3のいずれか1項記載の安定化
    ポリオキシメチレン樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項記載の一般
    式(I)で示される化合物を0.01〜5重量%含有し、更
    にフェノール系化合物、窒素含有化合物、アルカリある
    いはアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩、カルボン
    酸塩のいずれか1種又は2種以上と併用配合された安定
    化ポリオキシメチレン樹脂組成物。
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