JP3063145B2 - ポリオキシメチレン樹脂組成物 - Google Patents

ポリオキシメチレン樹脂組成物

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JP3063145B2 JP29478290A JP29478290A JP3063145B2 JP 3063145 B2 JP3063145 B2 JP 3063145B2 JP 29478290 A JP29478290 A JP 29478290A JP 29478290 A JP29478290 A JP 29478290A JP 3063145 B2 JP3063145 B2 JP 3063145B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、成形時のホルムアルデヒド臭がきわめて少
なく、かつ金型への析出物がきわめて少なく、更に電気
接点汚染防止性に優れたポリオキシメチレン樹脂組成物
に関するものである。
[従来の技術] ポリオキシメチレン樹脂は機械的強度と耐衝撃性のバ
ランスのとれたエンジニアリングプラスチックとして知
られ、電子機器用品、自動車部品として広範な分野にお
いて使用されている。
しかしながら、ポリオキシメチレン樹脂は構造上熱安
定性に乏しく、成形時にホルムアルデヒドガスが発生し
て作業環境を悪化させたり、一般にモールドデポジット
といわれる金型上に生成したオリゴマなどの付着によ
り、成形品の外観を損なうなどの改良すべき点がいくつ
かある。また、電気・電子機器のブロック部材や内部部
品等にポリオキシメチレン樹脂を用いた場合、銅などの
金属製電気接点部品が腐食あるいは有機化合物の付着に
より変色し、接点不良を起こすといった問題があった。
上記のような欠点を改良する方法として従来より実に
様々な安定剤処方が考案されてきた。例えば、ポリオキ
シメチレン樹脂に対してポリアミド及び炭素数12〜35の
脂肪酸金属塩を添加配合してなる樹脂組成物が特公昭62
−4422号公報で公知である。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら上記特公昭62−4422号公報に提案されて
いる樹脂組成物の安定剤処方は最適化されたものではな
く、改善すべき余地を残している。
即ち、ポリアミドはポリオキシメチレン樹脂がエンジ
ニアリングプラスチックとして商品化された頃より知ら
れている実にポピュラーな耐熱剤であるが、その構造、
特に共重合組成によってその効果に著しい相違がみられ
る。そして特公昭62−4422号に記載されているポリアミ
ドは、ポリアミド12やポリアミド6/66/610三元共重合体
などであり、これらのポリアミドを使用してもポリオキ
シメチレン樹脂の短期間の熱安定性はある程度改善され
たものの、連続成形時におけるモールドデポジットの発
生などにみられる長期間における熱安定性に関しては十
分満足のいくものではなかった。
また、上記特公昭62−4422号に記載されているような
脂肪酸金属塩は水酸基を有しない脂肪酸金属塩あるいは
水酸基を有する不飽和脂肪酸金属塩であり、これらは一
般に酸捕捉剤としてよく知られている。しかしながら、
これらの単純な脂肪酸の金属塩ではポリオキシメチレン
樹脂との相溶性が悪く、また、不飽和結合を有すると熱
安定性が低下し分解してしまうため、樹脂から析出して
電気接点を汚染してしまうという問題があった。具体的
には特公昭62−4422号に記載されているステアリン酸カ
ルシウムやミリスチン酸カルシウムでは、ポリオキシメ
チレン樹脂との相溶性が悪いために電気接点を汚染して
しまう。また、水酸基を有しているが不飽和脂肪酸であ
るリシノール酸カルシウムは不飽和結合を有するために
熱安定性が低下し、電気接点汚染の原因となる。よっ
て、上記の脂肪酸金属塩を使用した組成物は電気接点汚
染防止の点から、十分満足のいくものではなかった。そ
こで、本発明は電気接点汚染のないポリオキシメチレン
樹脂組成物の取得を課題とする。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結
果、ポリオキシメチレン樹脂に対してある特定の共重合
組成を有するポリアミド共重合体をヒンダードフェノー
ル系酸化防止剤、および、ある特定の構造を有する脂肪
酸の金属塩と共に配合・添加することにより、きわめて
熱安定性が高く、作業性が良好であり、更に電気接点を
全く汚染しないポリオキシメチレン樹脂組成物が得られ
ることを見いだし、本発明に到達した。特に、ポリアセ
タール樹脂は種々の添加剤処方を必要とする樹脂である
ために、これまで十分な電気接点汚染防止性が得られな
かったが、本発明により、初めて優れた電気接点汚染防
止性を得ることが可能となった。
即ち、本発明は、 ポリオキシメチレン樹脂に対して、次の(A)〜
(C)の化合物を含有してなるポリオキシメチレン樹脂
組成物である。
(A)分子量400以上のヒンダードフェノール系酸化防
止剤 (B)水酸基を有する飽和脂肪酸の金属塩 (C)ポリアミド6/66/610/12四元共重合体。
本発明で使用されるポリオキシメチレン樹脂とは、オ
キシメチレン単独重合体及び主としてオキシメチレン単
位からなり、ポリマ主鎖中に少なくとも一種の炭素数2
〜8個の隣接する炭素原子を有するオキシアルキレン単
位を含有するオキシメチレン共重合体を意味する。
オキシメチレン単独重合体は、例えば、実質的に無水
のホルムアルデヒドを有機アミン、有機あるいは無機の
錫化合物、金属水酸化物のような塩基性重合触媒を含有
する有機溶媒中に導入して重合し、重合体を濾別したの
ち、無水酢酸中、酢酸ナトリウムの存在下で加熱して末
端をアセチル化して製造する。
また、ポリオキシメチレン共重合体は、例えば、実質
的に無水のトリオキサンあるいはテトラオキサンのよう
なホルムアルデヒドの環状オリゴマと共重合成分として
少なくとも一種の環状エーテルとをシクロヘキサンやベ
ンゼンのような有機溶媒中に溶解、あるいは懸濁したの
ち、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラートのようなルイ
ス酸触媒を添加して重合し、不安定末端を分解除去して
製造する。あるいは、溶媒を全く使用せずにセルフクリ
ーニング型攪拌機の中へトリオキサンと共重合成分/触
媒の予備混合物を導入して塊状重合する。所望によりこ
の重合体から洗浄によって触媒を除去し、あるいは、ヒ
ンダードアミン化合物等により触媒失活し、更に不安定
末端を分解除去して製造する。
共重合成分としての環状エーテルとして好ましい化合
物として、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,
3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキセパ
ン、1,3,6−トリオキソカン、エピクロルヒドリン、フ
ェニルグリシジルエーテルなどが挙げられるが、特に、
エチレンオキシド、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキセ
パンが好ましい。共重合量はオキシメチレン単位に対し
て、通常、0.1〜10モル%、特に好ましくは0.2〜6.0モ
ル%の範囲であり、0.1モル%以下では得られた組成物
の熱安定性が低く、また、10モル%以上では機械的強度
や成形性が悪くなるので好ましくない。
同様に、重合触媒の添加量はトリオキサン100重量部
に対して0.001〜0.1重量部の範囲が好ましく、特に好ま
しくは0.005〜0.05重量部の範囲である。
また、塊状重合反応温度は60〜120℃の範囲が好まし
く、特に60〜90℃の範囲が好ましい。
本発明で使用するヒンダードフェノール系酸化防止剤
は分子量400以上のものであり、具体的には、トリエチ
レングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,
6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペン
タエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,
N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシヒドロシンナマミド)、2−t−ブチル−6
−(3′−t−ブチル−5′−メチル−2′−ヒドロキ
シベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、3,9
−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ
−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−
ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,
5]ウンデカンなどがあげられる。この中でトリエチレ
ングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が特に
好ましい。分子量が400より小さいとブリード現象が著
しく、樹脂組成物の外観を損なう上、耐熱安定性が低下
するので使用に耐えない。
また、添加量はポリオキシメチレン樹脂100重量部に
対して通常、0.001〜5.0重量部、好ましくは0.01〜3.0
重量部である。0.001重量部より少ないとポリオキシメ
チレン樹脂組成物の耐熱安定性が十分でなく、また、5.
0重量部より多いとブリード現象がみられるので好まし
くない。
本発明で使用する水酸基を有する飽和脂肪酸の金属塩
とは、分子中に一つ以上の水酸基を有する飽和脂肪酸の
金属塩を意味する。飽和脂肪酸の炭素数は離型性の点か
ら4以上、相溶性の点から26以下の範囲にあることが好
ましい。具体的には、2−ヒドロキシ吉草酸、10−ヒド
ロキシデカン酸、サビン酸、2−ヒドロキシテトラデカ
ン酸、イプノール酸、2−ヒドロキシヘキサデカン酸、
ヤラピノール酸、16−ヒドロキシヘキサデカン酸、2−
ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン
酸、18−ヒドロキシステアリン酸、フェロン酸、セレブ
ロン酸、アリューリット酸、9,10−ジヒドロキシステア
リン酸、9,12−ジヒドロキシステアリン酸、9,11,12−
トリヒドロキシステアリン酸等の金属塩が挙げられる。
この中で12−ヒドロキシステアリン酸の金属塩が特に好
ましい。これらの脂肪酸の金属塩は分子中に一つ以上の
水酸基を有することにより、ポリオキシメチレン樹脂と
の相溶性が増し析出が抑えられる。また、分子中に不飽
和結合を有するものは熱安定性が悪いために好ましくな
い。例えば、リシノール酸は分子中に1個の不飽和結合
を有するため熱安定性が低く好ましくないが、12−ヒド
ロキシステアリン酸の原料であり、微量含まれる分には
影響を与えない。
本発明で使用する金属塩の種類としてはリチウム、ナ
トリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カ
ルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、カドミウ
ム、鉛等の金属塩が挙げられる。この中でカルシウム、
マグネシウム、アルミニウムが好ましい。
本発明で使用する水酸基を有する飽和脂肪酸の金属塩
の添加量はポリオキシメチレン樹脂100重量部に対して
通常、0.001〜5.0重量部、好ましくは0.01〜3.0重量
部、特に好ましくは0.05〜2.0重量部である。0.001重量
部より少ないと添加効果はなく、5.0重量部より多いと
樹脂の着色が激しく、また、成形品の機械物性が低下す
るので好ましくない。
本発明で使用するポリアミド6/66/610/12四元共重合
体とは、ジカルボン酸とジアミンとの塩、ω−アミノカ
ルボン酸あるいはラクタムの共重合によって得られる共
重合体であって、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリア
ミド610、ポリアミド12からなる構成単位を有するコポ
リアミドを意味する。このコポリアミドの組成は種々の
割合が可能であり、本発明においてはいかなる割合であ
ってもかまわないが、ポリオキシメチレン樹脂との相溶
性と分散性の点からこのコポリアミドは融点が通常、50
〜200℃、特に好ましくは80〜170℃の範囲にある組成で
ある。また、ポリオキシメチレン樹脂に対する添加量
は、ポリオキシメチレン樹脂100重量部に対して通常、
0.001〜5.0重量部、好ましくは0.01〜3.0重量部であ
る。0.001重量部より少ないと添加効果がみられず、ま
た、5.0重量部より多いとポリオキシメチレン樹脂の色
調が低下し、剛性も低下するので好ましくない。
また、本発明の樹脂組成物には他の熱安定剤を添加・
配合すると熱安定性がより一層向上する場合がある。そ
のような化合物としては、ウレタン化合物、ピリジン誘
導体、ピロリドン誘導体、尿素誘導体、トリアジン誘導
体、ヒドラジン誘導体、アミジン化合物が挙げられ、具
体的には、メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナ
ミン、N−メチロールメラミン、N,N′−ジメチロール
メラミン、N,N′,N″−トリメチロールメラミン、ジシ
アンジアミド等が好ましい。これらの熱安定剤の添加量
はポリオキシメチレン樹脂100重量部に対して通常、0.0
01〜5.0重量部、好ましくは0.01〜3.0重量部である。0.
001重量部より少ないと添加効果が現われず、また、5.0
重量部より多いとブリード現象がみられるので好ましく
ない。
本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物の製造方法と
しては、通常公知の方法が採用できる。例えば、ポリオ
キシメチレン樹脂の重合ないしは安定化工程で本発明で
使用する安定剤を添加する方法、ポリオキシメチレン樹
脂、本発明で使用する安定剤をペレット状、粉状、また
は粒状で混合し、このまま溶融加工してもよいが、バン
バリーミキサー、ロール、押出機等により溶融混合する
方法も採用できる。特に1軸ないしは2軸の押出機を使
用して、150〜250℃の温度で溶融混合する方法が好まし
い。
また、本発明の組成物には本発明の効果を損なわない
範囲で炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、酸化チ
タン、酸化珪素、マイカ粉末、ガラスビーズのような充
填剤、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、アラミ
ド繊維、チタン酸カリ繊維のような補強剤、着色剤(顔
料、染料)、核剤、可塑剤、エチレンビスステアロアミ
ド、ポリエチレンワックスのような離型剤、カーボンブ
ラックのような導電剤、チオエーテル系化合物、ホスフ
ァイト系化合物のような酸化防止剤、ヒンダードアミン
化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール
系化合物のような光安定剤、粘着剤、滑剤、耐加水分解
改良剤、接着助剤などの添加剤を任意に含有させること
ができる。
以下実施例を挙げて説明するが、本発明は、これらに
限定されるものではない。
[実施例] 以下実施例によって本発明を説明する。なお、実施例
中の%及び部はすべて重量基準である。
また、実施例及び比較例中に示される成形品のMI値、
機械物性、成形品のホルムアルデヒド付着量、連続成形
時におけるモールドデポジットの発生状況、および、電
気接点汚染防止性は次のようにして測定、あるいは、観
察した。
・成形:5オンスの射出能力を有する射出成形機を用い
て、シリンダ温度190℃、金型温度65℃、成形サイクル5
0秒に設定して、ASTM1号ダンベル試験片とアイゾット衝
撃試験片を射出成形した。
・MI値:80℃の熱風オーブン中で3時間乾燥したペレッ
トを用い、ASTM D−1238法に従って、温度190℃、荷
重2160グラムで測定した。
・機械物性:上記射出成形で得られたASTM1号ダンベル
試験片を用い、ASTM D−638法に準じて引張強度を、
またアイゾット衝撃試験片を用い、ASTM D−256法に
準じて衝撃強度を測定した。
・成形品のホルムアルデヒド付着量:成形直後のASTM1
号ダンベル試験片一本を100mlの純水に浸し、一昼夜室
温で放置した。この溶液についてクロモトロープ酸によ
る比色法でホルムアルデヒド量を定量し、成形品重量に
対する濃度(ppm)として表わした。
・連続成形時におけるモールドデポジットの発生状況:
前述の成形条件で50,000ショットの連続成形を行い、モ
ールドデポジットの発生状況を目視により観察し、次の
ように評価した。全くなし:◎、ほとんどなし:○、少
し発生している:△、錆とともにかなり発生している:
×。
・電気接点汚染防止性:24mmφの試験管にポリオキシメ
チレン樹脂ペレット10グラムをいれ、その上に10mm×8m
m×0.5mmの銅板をのせ、バーナーで試験管を封じる。こ
れを熱風オーブン中で85℃、1000時間加熱した後、封を
開け、銅板を取り出す。銅板の表面の接触抵抗値を測定
することにより、接点汚染性を調べた。
実施例および比較例では、下記の方法で製造したポリ
オキシメチレン樹脂(POM−1)、または、市販のポリ
オキシメチレン単独重合体(デュポン社製デルリンII50
0NC10)(POM−2)、市販のポリオキシメチレン共重合
体(ポリプラスチックス社製ジュラコンM90−44)(POM
−3)を使用した。
・ポリオキシメチレン樹脂(POM−1)の製造2軸の押
出機型重合機(100mmφ、シリンダー長(L)/シリン
ダー径(D)=10.2)にトリオキサン(22.5kg/h),1,3
−ジオキソラン(700g/h),またトリオキサンに対して
100ppmの三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(2.5%
ベンゼン溶液)、500ppmのメチラールをそれぞれ供給
し、連続重合を行なった。重合は外部ジャケット温度を
60℃にコントロールし、回転数は100rpmで行った。分子
量調節剤としてのメチラールは、トリオキサン中に溶解
した。又、1,3−ジオキソランと触媒溶液は、ニーダー
へ供給する直前に予備混合されるように予備混合ゾーン
を設けた。重合体は白色微粉末として22.3kg/hで得られ
た。
この様にして得られた微粉末5kgに対して、13.5gの
“サノール"LS765〔チバガイギー社製、ビス(1,2,2,6,
6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート〕を2
0mlのベンゼンに溶解した溶液を添加し、ヘンシェルミ
キサー中で10分間攪拌して触媒失活を行った。得られた
ポリマの融点は165℃であった。
・ポリアミドの組成 使用したポリアミド6/66/610/12四元共重合体の組成
は表1に示すとおりである。
PA−1、PA−2、PA−3のそれぞれの融点は115、10
0、140℃であった。
実施例1〜9 ポリオキシメチレン樹脂P−1〜3に対して表2に示
す割合で、“イルガノックス"245〔チバガイギー社製、
(トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチ
ル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート]〕、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、ポ
リアミド四元共重合体PA−1を添加し、池貝鉄工所製ベ
ント付2軸45mmφ押出機を用いて220〜230℃/10mm tor
rで溶融押出混練した。得られた組成物はストランドと
して押出され、カッタによってペレタイズされた。この
ペレットを熱風循環オーブン中、80℃で5時間乾燥した
のち、MI測定、成形を行い、成形品に付着しているホル
ムアルデヒド量、機械物性を測定した。また、10,000シ
ョットの連続成形を行ったのちの金型表面のモールドデ
ポジットの発生状況を観察した。これらの結果を表4に
まとめた。
実施例10〜12 実施例1の組成に対して更にメラミン、ジシアンジア
ミド、ベンゾグアナミンを表2に示した割合で添加し、
実施例1と同様にして組成物を得た。また実施例1と同
様の測定を行い、その結果を表4にまとめた。
実施例13 “イルガノックス"245の代わりに“スミライザー"GA
−80〔3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−
ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキ
シ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキ
サスピロ[5,5]ウンデカン〕を表2で示した割合で使
用する以外は実施例1と同様にして組成物を得た。また
実施例1と同様の測定を行い、その結果を表4にまとめ
た。
実施例14〜16 12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムの代わりに12
−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム、12−ヒドロキ
システアリン酸アルミニウム、9,12−ジヒドロキシステ
アリン酸カルシウムを表2で示した割合で使用する以外
は実施例1と同様にして組成物を得た。また実施例1と
同様の測定を行い、その結果を表4にまとめた。
実施例17、18 ポリアミド四元共重合体PA−1の代わりにPA−2、PA
−3を表2で示した割合で使用する以外は実施例1と同
様にして組成物を得た。また実施例1と同様の測定を行
い、その結果を表4にまとめた。
比較例1〜3 表3に示すように“イルガノックス"245を使用しない
こと以外は実施例1、4、5と同様にして組成物を得
た。また実施例1、4、5と同様の測定を行い、その結
果を表5にまとめた。
比較例4〜6 表3に示すように12−ヒドロキシステアリン酸カルシ
ウムを使用しないこと以外は実施例1、4、5と同様に
して組成物を得た。また実施例1、4、5と同様の測定
を行い、その結果を表5にまとめた。
比較例7〜9 表3に示すようにポリアミド四元共重合体を使用しな
いこと以外は実施例1、4、5と同様にして組成物を得
た。また実施例1、4、5と同様の測定を行い、その結
果を表5にまとめた。
比較例10、11 12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムの代わりにス
テアリン酸カルシウム、リシノール酸カルシウムを表3
に示す割合で使用すること以外は実施例1と同様にして
組成物を得た。また実施例1と同様の測定を行い、その
結果を表5にまとめた。
比較例12〜14 ポリアミド四元共重合体の代わりにポリアミド6/66/6
10三元共重合体(“エルバミド"8063(デュポン社
製))、ポリアミド66、ポリアミド12を表3に示す割合
で使用すること以外は実施例1と同様にして組成物を得
た。また実施例1と同様の測定を行い、その結果を表5
にまとめた。
表4、5に示した結果から本発明のポリオキシメチレ
ン樹脂組成物は、成形時のホルムアルデヒド臭がきわめ
て少なく、かつ金型への析出物がきわめて少なく、更に
電気接点汚染防止性に優れた特性を有していることがわ
かる。
[発明の効果] 本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物は、成形時の
ホルムアルデヒド臭がきわめて少なく、かつ金型への析
出物もきわめて少なく、更に電気接点汚染防止性にも優
れている。従って、作業環境がきわめて良好である上
に、金型メンテナンスも楽になるため、成形品の長期連
続生産が可能となる。また、電気接点汚染防止性が良好
なことから、電気・電子分野、自動車分野などの機械機
構部品として広範囲に使用することができる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 59/00 - 59/04 C08L 77/00 - 77/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオキシメチレン樹脂に対して、次の
    (A)〜(C)の化合物を含有してなるポリオキシメチ
    レン樹脂組成物。 (A)分子量400以上のヒンダードフェノール系酸化防
    止剤。 (B)水酸基を有する飽和脂肪酸の金属塩。 (C)ポリアミド6/66/610/12四元共重合体。
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