JP3098782U - フレキシブルプリント基板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(I) 端子部T1を設けた第1接続部1と、
(II) 折目線BLに沿って二つ折りできる、端子部T2〜T4を設けた第2接続部と、
(III) 上記接続部2を折目線BLに沿って二つ折りした際に互いに重なるように略線対称の平面形状とし、なおかつ二つ折りした際にそれぞれ外側となる面にのみ導体配線41、42を形成してある一対の可とう配線部材31、32とを、1枚のベースフィルムにて一体に形成したことを特徴とするフレキシブルプリント基板FPである。
【選択図】 図1
Description
【考案の属する技術分野】
本考案は、新規な構造を有する接続用のフレキシブルプリント基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば折りたたみ式の携帯電話やPDA、ノート型パソコンなどにおいて、折りたたみのための関節部より上側の部分に配置した、液晶表示素子などを実装したメイン基板と、下側の部分に配置した、主制御回路などを実装したメイン基板とを、上記関節部を介しての折りたたみ可能な状態を維持しつつ電気的に接続するために、導体配線を備えた可とう配線部を有するフレキシブルプリント基板が使用されている。
【0003】
また近時、とくに折りたたみ式の携帯電話やPDAなどにおいては、そのさらなる小型化にともない、多層プリント基板のビルドアップ技術(例えば谷川聡、山崎博司、藤井弘文、日東技報第39巻第1号、第47〜50頁、2001年1月、日東電工株式会社発行)を利用して、上記可とう配線部と、少なくとも一方のリジッドなメイン基板とを一体に形成した、いわゆるフレックス−リジッド基板が開発され、実用化されている。
【0004】
しかしフレックス−リジッド基板は製造工程が複雑で生産性が低い上、メイン基板と可とう配線部のいずれか一方にでも不良が生じれば製品の全体が不良となることから製造の歩留まりも悪く、携帯電話などのコストアップの原因となっている。
そこで、他の用途の場合と同様に携帯電話などの小型の機器類においても、可とう配線部を、メイン基板と独立したフレキシブルプリント基板として製造して、それをメイン基板と接続して使用することが検討されている。これにより、不良のないフレキシブルプリント基板とメイン基板とを組み合わせることができるため、製造の歩留まりを向上することが期待される。
【0005】
フレキシブルプリント基板としては、例えば可とう配線部を、
・ 一枚のベースフィルムにて形成するとともに、その両面に導体配線を形成した、いわゆる両面板の構成としたものや、あるいは
・ 多層プリント基板の構成としたもの、
などが一般的に用いられる。
可とう配線部の両端にはそれぞれ、導体配線を、対応する各々のメイン基板上の回路と接続するための、複数の端子を配列した端子部を有する一対の接続部が設けられる。
【0006】
しかし、上記従来の構造を有する可とう配線部を備えたフレキシブルプリント基板はいずれも、屈曲時に、導体配線に加わる歪み応力が大きいため可とう配線部の耐屈曲性に限界がある。そして、可とう配線部を繰り返し屈曲させた際に導体配線が断線するに至る屈曲回数を現状よりもさらに延長して、その耐屈曲性を現在のレベル以上に改善するのが難しいという問題がある。
特開2002−16323号公報には、例えば図6(a)に示すように、それぞれ端子部T91、T92を備えた一対の接続部91、92間を、一枚のベースフィルムの片面にのみ導体配線94aを形成した、片面板の構造を有する可とう配線部材93aにて接続するとともに、当該可とう配線部材93aに対して、一方の接続部91の近傍から分岐して、他方の接続部92の近傍で再び合流するように、同様に一枚のベースフィルムの片面にのみ導体配線94bを形成した片面板の構造を有する可とう配線部材93bを接続した平面形状を有するフレキシブルプリント基板9が開示されている。
【0007】
またこのフレキシブルプリント基板9においては、分岐した可とう配線部材93bの途中の部分を、可とう配線部材93aに対して、図中に一点鎖線で示す折目線BLを軸として線対称の平面形状に形成してある。
そして可とう配線部材93bを折目線BLに沿って折り畳んで、図6(b)に示すように可とう配線部材93aと重ね合わせた状態で、携帯電話の関節部などに組み込んで使用することが示されている。
【0008】
上記のフレキシブルプリント基板9によれば、二つの可とう配線部材93a、93bはともに片面板の構造を有する上、単に重ね合わせてあるだけで、互いに自由動可能な状態にあるため、繰り返し屈曲時に導体配線94a、94bに加わる歪み応力を低減して、当該二つの可とう配線部材93a、93bにて構成される可とう配線部93の耐屈曲性を、従来に比べて向上することが可能となる。
【0009】
【考案が解決しようとする課題】
しかし上記の考案では、構成を簡略化するために、可とう配線部材93a、93bだけでなく、接続部91、92をも含むフレキシブルプリント基板9の全体を片面板の構成とし、なおかつ上記のように可とう配線部材93bのみを、折目線BLに沿って折り畳んで可とう配線部材93aと重ね合わせることしか考慮していない。
【0010】
このため接続部91、92における端子部T91、T92の形成位置が、可とう配線部材93a、93bを形成した側の面に限られるので、メイン基板との接続のパターンが限られてしまうという問題がある。
また上記のフレキシブルプリント基板9においては、前記図6(b)に示したように導体配線94a、94bを、両可とう配線部材93a、93bの、可とう配線部材93bを折り畳んで可とう配線部材93aに重ね合わせた際にそれぞれ内側となる面に形成してある。
【0011】
このため、当該フレキシブルプリント基板9を図のように折り畳んで、両可とう配線部材93a、93bの、導体配線94a、94bを形成した凹凸のある面同士が互いに接触した状態で、例えば前記特開2002−16323号公報の図4に見るように、携帯電話の関節部の、軸の周囲を一周するように巻き付けて携帯電話の開閉を繰り返すと、導体配線同士が引っかかって比較的早期に断線するおそれがある。
このため、片面板の構成とした2枚の可とう配線部材を重ねて可とう配線部を構成することの効果である、前述した、可とう配線部の耐屈曲性を向上する効果を、十二分に生かしきることができないという問題もある。
【0012】
また特開2002−16323号公報には、フレキシブルプリント基板9の全体を両面板の構成とすることも記載されている。
この場合には、両接続部91、92の表裏両面にそれぞれ端子部を設けることができるので、片面板の場合よりも、メイン基板との接続のパターンを増やすことができる。
しかし両可とう配線部材93a、93bも、ともに両面板の構成となることから、屈曲時に導体配線に加わる応力が片面板と比べて著しく増加する上、当該両可とう配線部材は、導体配線を形成した凹凸のある面同士が必ず接触することにもなる。このため、可とう配線部の耐屈曲性を向上する効果が殆ど得られない場合がある。
【0013】
本考案の目的は、可とう配線部の耐屈曲性がこれまでよりもさらに良好である上、接続部の、端子の配置に関する設計の自由度も高い、新規なフレキシブルプリント基板を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段および考案の効果】
請求項1記載の考案は、二つの回路部材間を接続する導体配線を備えた可とう配線部を含むフレキシブルプリント基板であって、
(I) 可とう配線部の導体配線を一方の回路部材上の回路等と接続するための、複数の端子を配列した端子部を有する第1接続部と、
(II) 折目線に沿って二つ折り可能に形成してあるとともに、可とう配線部の導体配線を他方の回路部材上の回路等と接続するための、複数の端子を配列した端子部を有する第2接続部と、
(III) 上記第2接続部を折目線に沿って二つ折りした際に互いに重なるように、第2接続部の、折目線をはさんで対称位置に、折目線を軸として互いに線対称の平面形状に形成してあるとともに、第2接続部を二つ折りして互いに重ね合わせた際に外側となる面にのみ導体配線を形成してある、可とう配線部を構成する一対の可とう配線部材とを、
1枚のベースフィルムにて一体に形成したことを特徴とするフレキシブルプリント基板である。
【0015】
請求項1の構成では、上記のように一対の可とう配線部材の、第2接続部を二つ折りして互いに重ね合わせた際にそれぞれ外側となる面にのみ導体配線を形成してある。
このため、両可とう配線部材を互いに重ね合わせた状態において、導体配線同士が引っかかって断線するのを防止できるだけでなく、両可とう配線部材の、導体配線を形成していない平滑なベースフィルムの表面同士を接触させることによって、屈曲時の、両可とう配線部材間の滑り性を向上することもできる。
【0016】
したがって請求項1の構成によれば、片面板の構成とした2枚の可とう配線部材にて可とう配線部を形成することの効果である、当該可とう配線部の耐屈曲性を向上する効果をこれまで以上に十二分に発揮させることができ、可とう配線部の耐屈曲性をさらに向上することが可能となる。
また請求項1の構成では、上記のように一対の可とう配線部材を互いに重ね合わせるために、第2接続部を、折目線に沿って二つ折り可能な二つの領域にて形成してある。
【0017】
このため第2接続部の、折目線の両側に位置する二つの領域の片面または両面の、任意の位置に、対応する回路部材(メイン基板)上の回路と接続するためや、あるいは配線の同通テストをするためなどの、複数の端子を配列した端子部を形成するとともに、かかる端子部を、二つの領域のいずれかの面の任意の位置に形成した接続配線を介して、前記のように一対の可とう配線部材の、二つ折りした際に互いに外側となる面にのみ形成した導体配線と接続することなどができる。
【0018】
また第1接続部は、その片面または両面の任意の位置に端子部を形成するとともに、かかる端子部を、いずれかの面の任意の位置に形成した接続配線を介して、同様に一対の可とう配線部材の、二つ折りした際に互いに外側となる面にのみ形成した導体配線と接続することなどもできる。
したがって請求項1の構成によれば、端子部を、両接続部のどの面に形成するか、その面内のどの位置に形成するか、接続用やテスト用にいくつ形成するかなどの、端子部の設計の自由度を、従来に比べて飛躍的に向上することも可能である。
【0019】
【考案の実施の形態】
図1は、本考案のフレキシブルプリント基板の、実施の形態の一例の、一方の面を示す正面図である。また図2は、上記例のフレキシブルプリント基板の、図1と反対側の面を示す背面図である。
これらの図に見るようにこの例のフレキシブルプリント基板FPは、
(i) 第1接続部1と、
(ii) 折目線BLに沿って二つ折り可能に形成してある略矩形状の第2接続部2と、
(iii) 第2接続部2の、折目線BLをはさんで対称位置に形成してある、互いに重ね合わされて可とう配線部3となる一対の可とう配線部材31、32とを、1枚のベースフィルムにて一体に形成するとともに、両可とう配線部材31、32の、第2接続部2を折目線BLに沿って二つ折りした際に外側となる面(図1に示した側の面)にのみ、それぞれ導体配線41、42を形成したものである。
【0020】
なお図では、導体配線41、42や以下に述べる各接続配線等をいずれも一枚の平板状に略記してあるが、実際にはこれらの配線は、端子部を構成する個々の端子と例えば1対1で対応する複数の微細配線の集合体である。また図では、フレキシブルプリント基板FPの表裏両面をつなぐビアホール部を、上記配線と同様に一枚の平板状に略記してあるが、実際にはビアホール部は、上記微細配線と例えば1対1で対応する微小なビアホールの集合体である。
【0021】
第1接続部1は略矩形状に形成してあり、そのうち図1側の面には、複数の端子を平行に配列した2列の端子列T1a、T1bからなる端子部T1を設けてある。
また同じ面には、当該第1接続部とつながれた右側の可とう配線部材31上の導体配線41の各微細配線を、端子部T1の、一方の端子列T1aの各端子とつなぐ接続配線51を形成してある。
【0022】
また第1接続部1と、左側の可とう配線部材32との接続部には、可とう配線部材32上の導体配線42のうちおよそ半分の微細配線を、第1接続部1の同じ側の面を経由して、端子部T1の、他方の端子列T1bのうちおよそ半分の端子とつなぐ接続配線52aと、導体配線42の残り半分の微細配線を反対側の面につなぐビアホール部52bと、端子列T1bの残り半分の端子を反対側の面につなぐビアホール部52dとを形成してある。また第1接続部1の反対側の面には、図2に示すように、上記ビアホール部52b、52d間をつなぐ接続配線52cを形成してある。
【0023】
そして上記各部、すなわち接続配線52aと、ビアホール部52b、接続配線52c、およびビアホール部52dとを経由することで、導体配線42の各微細配線を、端子部T1の、他方の端子列T1bの各端子とつないである。
接続部2は、折目線BLを境として図1において右側の領域21と、左側の領域22とを、当該折目線BLを軸とする線対称の平面形状に形成してあり、そのうち左側の領域22の、図1側の面に、複数の端子を直線状に配列した2列の端子列T2a、T2bからなる端子部T2を設けてある。また右側の領域21の同じ側の面には、導通テストなどに利用する複数の端子からなる端子部T3、T4を形成してある。
【0024】
領域22の、端子部T2を設けた側の面には、当該領域22とつながれた左側の可とう配線部材32上の導体配線42の各微細配線を、端子部T2の、一方の端子列T2bの各端子とつなぐ接続配線62aを形成してある。
また端子列T2bの各端子は、ビアホール部62b(図2に示す)を経由して領域22の反対側の面に接続してある。
一方、領域21には、端子部T4の各端子を、その反対側の面に接続するためのビアホール部62c(図2に示す)を設けてある。
【0025】
そして領域21、22の図2側の面には、上記ビアホール部62b、62c間をつなぐ接続配線62dを形成してあり、これらの各部、つまりビアホール部62c、接続配線62d、およびビアホール部62bを経由することで、端子部T4の各端子を、端子部T2のうち端子列T2bの各端子、ならびにそれにつながる導体配線42の各微細配線とつないである。
領域21の図1側の面には、当該領域21とつながれた右側の可とう配線部材31上の導体配線41の各微細配線を、端子部T3の各端子とつなぐ接続配線61aを形成してある。
【0026】
また端子部T3の各端子は、領域21、22の、図1側の面に形成した接続配線61bを経由して、端子部T2の、端子列T2aの各端子と接続してある。
そして、端子部T2のうち端子列T2aの各端子を、端子部T3の各端子、ならびにそれにつながる導体配線41の各微細配線とつないである。
一対の可とう配線部31、32のうち図2において左側の可とう配線部31は、第1接続部1の下辺から、第2接続部2に向けて折目線BLと平行に延設した、一定幅を有する直線部31aと、第2接続部2のうち左側の領域21の上辺から、第1接続部1に向けて折目線BLと平行に延設した、同じ一定幅を有する直線部31bとを、両直線部31a、31bの幅よりも大きく、幅方向に互いにずらして配置するとともに、両直線部31a、31b間を、略S字状の接続部31cでつないだ平面形状に形成してある。
【0027】
また右側の可とう配線部32は、上記可とう配線部31と、前述したように、折目線BLをはさんで対称位置に、当該折目線BLを軸として線対称の平面形状となるように形成してある。
すなわち可とう配線部32は、第1接続部1の右側辺より右側へ突出させた位置から、第2接続部2に向けて折目線BLと平行に延設した、直線部31aと同じ一定幅を有する直線部32aと、第2接続部2のうち右側の領域22の上辺から、第1接続部1に向けて折目線BLと平行に延設した、直線部31bと同じ一定幅を有する直線部32bとを、直線部31a、31bと逆方向に、同寸法だけずらして配置するとともに、両直線部32a、32b間を、略S字状の接続部32cでつないだ平面形状に形成してある。
【0028】
可とう配線部3は、第2接続部2を折目線BLに沿って二つ折りして、一対の可とう配線部材31、32を互いに重ね合わせることによって、図3(a)(b)に示すように、一定幅を有する直線部3a(直線部31a、32aの重なった部分)と、同じ一定幅を有する直線部3b(直線部31b、32bの重なった部分)とを、略S字状の接続部3c(接続部31c、32cの重なった部分)でつないだ平面形状に形成される。
【0029】
かかる平面形状を有する可とう配線部3によれば、例えば図4に示すように両直線部3a、3bを、接続部3cをはさむことによって幅方向にずらして互いに支障しない状態としながら、折りたたみ式の携帯電話などの、関節部の軸AX(同図中に一点鎖線で示す)の周囲を一周するように巻き付けることができる。
このため、関節部の上下に配置した二つのメイン基板を、上記軸AXを中心とした回動による、関節部を介しての折りたたみが可能な状態を維持しつつ、導体配線41、42によって電気的に接続することができる。
【0030】
上記各部からなるこの例のフレキシブルプリント基板FPにおいては、以上で説明したように一対の可とう配線部材31、32の、いずれも重ね合わせた際に外側となる同じ側の面にのみ導体配線41、42を形成してある。
このため、フレキシブルプリント基板FPを二つ折りした状態では、可とう配線部材31、32の、ともに平滑なベースフィルムの表面同士が接触することになり、両可とう配線部材31、32間の滑り性を向上することができる。
【0031】
したがって、ともに片面板の構成とした2枚の可とう配線部材31、32にて可とう配線部3を形成することの効果である、当該可とう配線部3の耐屈曲性を向上する効果をこれまで以上に十二分に発揮させることができ、可とう配線部3の耐屈曲性をさらに向上することが可能となる。
また、第2接続部2を折目線BLに沿って二つ折り可能に形成してあるため、導体配線41、42の形成面を、上記のように可とう配線部材31、32の、重ね合わせた際に外側となる同じ側の面に限定しているにも拘らず、端子部T2〜T4を、両接続部1、2の任意の位置に形成して、各接続配線61a〜やビアホール部62b〜などによって導体配線41、42と接続することができる。
【0032】
したがって端子部T1〜T4の設計の自由度を、従来に比べて飛躍的に向上することも可能である。
フレキシブルプリント基板FPのもとになるベースフィルムとしては、柔軟な樹脂のフィルムを使用する。とくに寸法安定性、耐熱性、耐久性、柔軟性等を考慮してポリイミドフィルムが好ましい。
また端子部T1〜T4や導体配線41、42、接続配線51〜は、前記のように銅箔等の金属薄膜にて形成する。形成方法としては、サブトラクティブ法やアディティブ法などの、従来公知の種々の方法を採用することができる。
【0033】
またビアホール部52b〜も、従来公知の種々の方法によって形成することができる。
また上記導体配線41、42、接続配線51〜、およびビアホール部52b〜の各表面には、フレキシブルプリント基板FPを二つ折りにし、さらに携帯電話の関節部の、軸の周囲を一周するように巻き付けて使用する際などに短絡等を生じるのを防止するために、図示していないが、樹脂フィルムなどからなるカバーレイを積層するのが好ましい。
【0034】
また第1接続部1の、端子部T1を形成した図1に示す側の面には、当該図1に二点鎖線で示し、なおかつ図3(a)および図4に実線で示すように、端子部T1を露出させる窓70a以外の全面を被覆して絶縁と第1接続部1の補強を兼ねる、樹脂フィルムなどからなるカバーレイ70をさらに積層するのが好ましい。また第2接続部2の、端子部T2〜T4を形成した図1に示す側の面には、これも図1に二点鎖線で示し、なおかつ図3(a)(b)および図4に実線で示すように、端子部T2〜T4の各端子以外の全面を被覆して絶縁するための、樹脂フィルムなどからなるカバーレイ71、72をさらに積層するのが好ましい。
【0035】
さらに第2接続部2となる左右の領域21、22の間には、図2に二点鎖線で示すように、当該第2接続部2の補強のために、やはり樹脂フィルムなどからなる補強板8を積層するのが好ましい。
上記カバーレイ70〜72や補強板8のもとになる樹脂フィルムとしては、それぞれ前記と同じ理由で、ポリイミドフィルムが好ましい。
またカバーレイや補強板となる樹脂フィルムを積層、接着したりするためには接着剤を用いる。かかる接着剤としては、各層の前記特性を損なわないために、硬化性樹脂系の接着剤が好ましく、とくにエポキシ樹脂系の接着剤が好ましい。
【0036】
【実施例】
実施例1
ベースフィルムとしての、厚み25μmのポリイミドフィルムの両面に直接に、厚み12μmの銅箔を積層した両面板を用いて、サブトラクティブ法によって銅箔をパターン形成して、上記ベースフィルムの両面に、図1、2に示す平面形状を有する端子部T1〜T4、導体配線41、42、接続配線51〜T1〜T3、導体配線51、52を形成するとともに、常法によってビアホール部52b〜を形成した。
【0037】
次に上記ベースフィルムの、導体配線41、42、接続配線51〜、およびビアホール部52b〜の各表面に、厚み12.5μmのポリイミドフィルムを、厚み20μmのエポキシ樹脂系の接着剤層を介して積層、接着してカバーレイを形成し、また第1および第2接続部1、2の図1側の表面に、厚み12.5μmのポリイミドフィルムを、厚み20μmのエポキシ樹脂系の接着剤層を介して積層、接着してカバーレイ70〜72を形成するとともに、第2接続部2のうち領域22の、図2側の表面に、厚み12.5μmのポリイミドフィルムを、厚み20μmのエポキシ樹脂系の接着剤層を介して積層、接着して補強板8を形成したのち打ち抜き加工して、図1、2に示す平面形状を有するフレキシブルプリント基板FPを製造した。
【0038】
比較例1
ベースフィルムとしての、厚み25μmのポリイミドフィルムの両面に直接に、厚み12μmの銅箔を積層した両面板を用いて、サブトラクティブ法によって銅箔をパターン形成して、上記ベースフィルムの一方の面には導体配線41と同じ寸法、形状の導体配線を、また他方の面には導体配線42と同じ寸法、形状の導体配線を、それぞれの形成位置がベースフィルムの表裏で一致するように位置合わせしながら形成した。
【0039】
次に上記ベースフィルムの両面に、それぞれ厚み12.5μmのポリイミドフィルムを、厚み20μmのエポキシ樹脂系の接着剤層を介して積層、接着して導体配線41、42を被覆するカバーレイを形成したのち、図1の、折目線BLより右側と同形状に打ち抜き加工して、可とう配線部が両面板の構造を有する比較例1のフレキシブルプリント基板を製造した。
耐屈曲性試験
上記実施例1で製造したフレキシブルプリント基板FPは、可とう配線部材31、32の、導体配線41、42を形成した面が互いに外側になるように折目線BLに沿って二つ折りし、次いで可とう配線部3を、図4および図5(a)に示すように軸AXの周囲を一周するように巻き付けた状態で、第2接続部2を試験機の一方のクランプで保持するとともに、第1接続部1を他方のクランプで保持した。
【0040】
また比較例1で製造したフレキシブルプリント基板は、同様に可とう配線部を、軸AXの周囲を一周するように巻き付けた状態で、一方の接続部を試験機の一方のクランプで保持するとともに、他方の接続部を他方のクランプで保持した。そして一方のクランプを固定した状態で、他方のクランプを、軸AXを中心として、図5(a)に示す「開」状態と、図5(b)に示す「閉」状態との間で180°の回転角度で連続的に往復回転させることによって、フレキシブルプリント基板FPの可とう配線部3を繰り返し屈曲させて、導体配線が断線するに至った屈曲回数を計数した。
【0041】
結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
表より、本考案の構成を有する実施例1のフレキシブルプリント配線板は、従来の、可とう配線部が両面板の構成を有する比較例1のものに比べて、導体配線が破断するに至る屈曲回数を2倍近くに増加させて、耐屈曲性を著しく改善できることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案のフレキシブルプリント基板の、実施の形態の一例における、一方の面を示す正面図である。
【図2】上記例のフレキシブルプリント基板の、図1と反対側の面を示す背面図である。
【図3】上記例のフレキシブルプリント基板を折目線に沿って二つ折りした状態を示す図であって、同図(a)は正面図、同図(b)は背面図である。
【図4】二つ折りした上記例のフレキシブルプリント基板を、折りたたみ式の携帯電話などの、関節部の軸の周囲を一周するように巻き付けた状態を示す平面図である。
【図5】本考案の実施例、比較例で製造したフレキシブルプリント基板の耐屈曲性を評価すべく、当該フレキシブルプリント基板を、軸の周囲を一周するように巻き付けて繰り返し屈曲させている途中の状態を示す図であって、同図(a)は「開」状態を示す図、同図(b)は「閉」状態を示す図である。
【図6】同図(a)は、従来のフレキシブルプリント基板の一例を示す平面図、同図(b)は、上記フレキシブルプリント基板を、折目線に沿って二つ折りした状態を示す平面図である。
【符号の説明】
FP フレキシブルプリント基板
BL 折目線
1 第1接続部
2 第2接続部
21、22 領域
3 可とう配線部
31、32 可とう配線部材
41、42 導体配線
T1〜T4 端子部
Claims (1)
- 二つの回路部材間を接続する導体配線を備えた可とう配線部を含むフレキシブルプリント基板であって、
(I) 可とう配線部の導体配線を一方の回路部材上の回路等と接続するための、複数の端子を配列した端子部を有する第1接続部と、
(II) 折目線に沿って二つ折り可能に形成してあるとともに、可とう配線部の導体配線を他方の回路部材上の回路等と接続するための、複数の端子を配列した端子部を有する第2接続部と、
(III) 上記第2接続部を折目線に沿って二つ折りした際に互いに重なるように、第2接続部の、折目線をはさんで対称位置に、折目線を軸として互いに線対称の平面形状に形成してあるとともに、第2接続部を二つ折りして互いに重ね合わせた際に外側となる面にのみ導体配線を形成してある、可とう配線部を構成する一対の可とう配線部材とを、
1枚のベースフィルムにて一体に形成したことを特徴とするフレキシブルプリント基板。
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JP2003003737U JP3098782U (ja) | 2003-06-24 | 2003-06-24 | フレキシブルプリント基板 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008013070A1 (fr) * | 2006-07-25 | 2008-01-31 | Nec Corporation | Plaque de circuit imprimé flexible, dispositif électronique monté avec celle-ci, et procédé de pliage de plaque de circuit imprimé flexible |
JP2010263178A (ja) * | 2009-04-28 | 2010-11-18 | Itei Kofun Yugenkoshi | 巻束構造を有する信号伝送配線 |
JP2012033816A (ja) * | 2010-08-02 | 2012-02-16 | Itei Kofun Yugenkoshi | クラスター及び滑動領域を有するフレキシブルプリント基板バス |
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2003
- 2003-06-24 JP JP2003003737U patent/JP3098782U/ja not_active Expired - Lifetime
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