JP3096490U - ノズルの傾き補正機能を有するプリンタシステム - Google Patents

ノズルの傾き補正機能を有するプリンタシステム

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JP3096490U JP2003001353U JP2003001353U JP3096490U JP 3096490 U JP3096490 U JP 3096490U JP 2003001353 U JP2003001353 U JP 2003001353U JP 2003001353 U JP2003001353 U JP 2003001353U JP 3096490 U JP3096490 U JP 3096490U
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリンタシステムにおいて、ノズルの傾きに
よる印刷境界部でのステッチングの発生及び画像の歪み
を防止できる。 【解決手段】 アライメントチャート60は、各々印刷
ヘッド23の1回の移動で印刷される第1の画像61と
第2の画像62とを有する。第1の画像61は、傾きが
各々異なる複数のラインから成る第1のライン画像61
aを有し、第2の画像62は、第1のライン画像61a
と同一の第2のライン画像62aを有する。ノズル配列
方向の傾きに応じて、第1のライン画像61aと第2の
ライン画像62a内の何れかのラインが、紙送り方向に
平行な同一線上に真っ直ぐに繋がる状態に最も近い状態
に印刷される。その真っ直ぐに繋がる状態に最も近いラ
インの基準ライン61a−7に対する傾きが、ノズルの
配列方向の傾き補正値とされ、以降、印刷データはこの
傾き補正値に基づいて補正される。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、インク滴を吐出するノズルが複数配列された印刷ヘッドにより用紙 に印刷を行うプリンタシステムに係り、ノズルの傾き補正機能を有するプリンタ システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、コンピュータ等の端末装置からプリンタに印刷データを入力し、プ リンタがその印刷データに基づいて用紙に印刷を行うプリンタシステムがある。 プリンタは、ノズルが複数配列された印刷ヘッドを備えており、この印刷ヘッド を用紙に対して移動させながら各ノズルからインク滴を吐出することにより、印 刷ヘッドの1回の移動でノズルの配列長さに対応する印刷幅の印刷を行う。また 、プリンタは、印刷ヘッドの1回の移動による印刷幅の印刷が終わる毎に、用紙 を印刷ヘッドの移動方向と垂直な方向に印刷幅単位で移動させ、印刷ヘッドの移 動による印刷幅の印刷を繰り返すことにより、用紙全体に印刷を行う。印刷ヘッ ドの移動、インク滴の吐出、及び紙送りは、端末装置から入力される印刷データ に基づいて制御されるようになっている。一方、端末装置は、プリンタによる印 刷動作を可能とするためのプリンタドライバがインストールされ、プリンタにて 印刷するためにユーザにより用意されたデータから印刷データを作成し、その印 刷データをプリンタに入力するようになっている。
【0003】 また、記録媒体と相対的に移動するキャリッジ上に複数のノズルを有するイン クジェットヘッドを搭載したインクジェット記録装置に関し、電源の小型化を図 る目的で、全ノズルを数個ずつのノズル群に分割し、ノズル群内の各ノズルは同 時に駆動し、各ノズル群を所定の時間ずつ遅延させて順次駆動する方式のものに おいて、印字境界部での印字ズレを低減するために、各ノズル群の最適な駆動順 次を設定するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】 また、千鳥状に配列された複数のノズルを持ったヘッドを有するインクジェッ トプリンタに関し、同一主走査において、千鳥状に配列された複数ノズルのうち 1番端のノズルから出力されたラインと2番目のノズルから出力されたラインと で構成する第1の画像パターンと、2番目のノズルから出力されたラインと3番 目のノズルから出力されたラインとで構成する第2の画像パターンとを印刷する ことにより、ヘッドの傾きを第1の画像パターンと第2の画像パターンとの濃度 差として判断できるようにした評価チャートが知られている(例えば、特許文献 2参照)。
【0005】 また、主走査を往復で双方向に行いつつ印刷媒体上に画像を印刷する双方向印 刷装置に関し、往路と復路における主走査方向のノズルの位置ズレを軽減するた めに、複数のノズルの中央近辺にある代表ノズル列を用いて位置ズレ検査用パタ ーンを印刷し、この検査用パターンを基に決定された補正値によって、双方向印 刷時の主走査方向に沿った記録位置のズレを補正するようにしたものが知られて いる(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】 特開平7−214764号公報
【特許文献2】 特開2002−103576号公報
【特許文献3】 特開2001−18375号公報
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、近年、印刷の高速化のために、印刷ヘッドに配列するノズル数を増 やす傾向にある。これは、印刷ヘッドに配列するノズル数を増やすと、その分、 印刷ヘッドの1回の移動で印刷できる印刷幅が大きくなり、その結果、印刷ヘッ ドの移動回数が少なくなって印刷が高速化されるためである。しかしながら、配 列されるノズル数が増え1回の印刷幅が大きくなると、ノズルの配列方向が用紙 面と平行な面内で傾いていた場合、両端のノズルの本来あるべき位置からの位置 ズレの差が大きくなってしまう。このため、印刷境界部で画像が位置ズレを起こ すステッチングの発生等により印刷品位に無視できない影響が出てくる。また、 従来のプリンタシステムにおいては、ノズルの傾きに起因する印刷幅内での印刷 画像自体の歪みに対する補正については、何等対策が講じられていなかった。な お、上述した特許文献1乃至特許文献3に開示の内容を適用したとしても、上記 の課題を解決することはできない。
【0008】 本考案は、上記課題を解決するためになされたものであり、ノズルの傾きによ る印刷境界部でのステッチングの発生を防止できると共に、ノズルの傾きによる 印刷幅内での印刷画像自体の歪みを防止できるノズルの傾き補正機能を有するプ リンタシステムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の考案は、用紙上の印画位置を示した印刷 データに基づいて用紙に印刷を行うプリンタと、このプリンタによる印刷動作を 可能とするためのソフトウェアであるプリンタドライバにより動作する端末装置 とを備え、プリンタは、用紙に対して所定の方向に移動しながら、この移動方向 と略垂直な方向に配列された複数のノズルからインク滴を吐出することにより、 ノズルの配列長さに対応する印刷幅単位で所定の方向に沿って用紙に印刷を行う 印刷ヘッドと、印刷ヘッドを所定の方向へ移動させるヘッド送り手段と、印刷ヘ ッドによる印刷幅の印刷が終わる毎に、用紙を印刷ヘッドの移動方向と垂直な方 向に印刷幅単位で移動させる用紙送り手段と、印刷ヘッドの各ノズルからのイン クの吐出を制御するヘッド駆動手段と、印刷データに基づいてヘッド駆動手段、 ヘッド送り手段、及び用紙送り手段を制御し、用紙に対する印刷動作を制御する 印刷制御手段とを有し、端末装置は、プリンタにて印刷するためにユーザにより 用意されたデータから印刷データを作成し、その印刷データをプリンタに入力す る印刷データ作成手段と、ノズルの配列方向の紙送り方向に対する傾き判断用の アライメントチャートを印刷するためのアライメントチャート用の印刷データを プリンタへ入力するチャート出力手段とを有するプリンタシステムにおいて、ア ライメントチャートは、印刷ヘッドの所定の方向への1回の移動により印刷幅内 に印刷される第1の画像と、この第1の画像の紙送り方向の上流側に隣接して印 刷ヘッドの所定の方向への1回の移動により印刷幅内に印刷される第2の画像と を有し、第1の画像は、紙送り方向と垂直な方向に配列された傾きが各々異なる 複数のラインから成る第1のライン画像と、このライン画像の各ラインを識別す るための識別番号とを有し、ライン画像は、ノズルの配列方向と平行に印刷され るラインを含み、各ラインの一端側が印刷幅内における紙送り方向の最上流点に 位置し、識別番号は、各ラインの他端側より下流側に位置するものであり、第2 の画像は、第1のライン画像と同一の第2のライン画像と、この第2のライン画 像の各ラインを識別するための識別番号とを有し、第2のライン画像は、各ライ ンの一端側が印刷幅内における紙送り方向の最下流点に位置し、識別番号は、各 ラインの他端側より上流側に位置するものであり、端末装置は、チャート出力手 段からのアライメントチャート用の印刷データによりプリンタにてアライメント チャートを印刷させ、この印刷されたアライメントチャートに関し、第1のライ ン画像及び第2のライン画像とが真っ直ぐに繋がっている状態に最も近い状態に 印刷されているラインに対応する識別番号をキー操作部から入力する旨の案内指 示を画像表示部に画面表示し、キー操作部から入力された識別番号に対応するラ インの傾きをノズルの傾き補正値としてメモリに記憶する傾き補正値設定手段と 、印刷データ作成手段により作成する印刷データを、傾き補正値設定手段により 記憶された傾き補正値に基づいて補正する補正手段とを備えたものである。
【0010】 この構成においては、アライメントチャートにより印刷される第1のライン画 像及び第2のライン画像は、傾きが各々異なる複数のラインを有しており、それ らのラインの中に、ノズルの配列方向と平行に印刷されるライン(基準ライン) を含んでいる。
【0011】 従って、アライメントチャートは、ノズルの配列方向が紙送り方向に対して傾 いていない場合には、第1の画像内の基準ラインと第2の画像内の基準ラインと が、紙送り方向に平行な同一線上に繋がるように印刷される。一方、ノズルの配 列方向が紙送り方向に対して傾いている場合には、第1の画像内の基準ラインと 第2の画像内の基準ラインとは、その傾きに応じて各々傾くため同一線上に繋が らない。そして、この場合、第1及び第2のライン画像内の何れかのラインが、 ノズルの配列方向の傾きに応じて、紙送り方向に平行な同一線上に繋がる状態に 最も近い状態に印刷される。これにより、アライメントチャートを参照して、紙 送り方向に平行な同一線上に繋がる状態に最も近い状態に印刷されているライン を目視判断することにより、ノズルの配列方向の傾き角を容易に判断できる。
【0012】 しかも、第1のライン画像は、各ラインの一端側が印刷幅内における紙送り方 向の最上流点に位置し、第2のライン画像は、各ラインの一端側が印刷幅内にお ける紙送り方向の最下流点に位置している。従って、第1のライン画像と第2の ライン画像とは隙間なく隣接するため、紙送り方向に平行な同一線上に繋がる状 態に印刷されるラインは、1本の連続したラインとなる。これにより、紙送り方 向に平行な同一線上に繋がる状態に最も近い状態に印刷されているラインの目視 判断が容易になる。
【0013】 また、傾き補正値の設定においては、傾き補正値を設定するための案内指示が 画像表示部に画面表示され、また、アライメントチャートにラインに対応して印 刷されている識別番号をキー操作部から入力すれば、その識別番号に対応するラ インの傾き(基準ラインに対する傾き)がノズルの配列方向の傾き補正値として 設定される。これにより、画面表示される案内指示に従って、紙送り方向に平行 な同一線上に繋がる状態に最も近い状態に印刷されているラインに対応して印刷 されている識別番号をキー操作部から入力するだけで、傾き補正値の設定ができ る。そして、以降、印刷データはこの傾き補正値に基づいて補正され、この補正 された印刷データにより用紙への印刷が行われる。これにより、印刷される画像 は、ノズルの配列方向の傾きによる歪みが補正されたものとなる。
【0014】 請求項2の考案は、用紙上の印画位置を示した印刷データに基づいて用紙に印 刷を行うプリンタと、このプリンタによる印刷動作を可能とするためのソフトウ ェアであるプリンタドライバにより動作する端末装置とを備え、プリンタは、用 紙に対して所定の方向に移動しながら、この移動方向と略垂直な方向に配列され た複数のノズルからインク滴を吐出することにより、ノズルの配列長さに対応す る印刷幅単位で所定の方向に沿って用紙に印刷を行う印刷ヘッドと、印刷ヘッド を所定の方向へ移動させるヘッド送り手段と、印刷ヘッドによる印刷幅の印刷が 終わる毎に、用紙を印刷ヘッドの移動方向と垂直な方向に印刷幅単位で移動させ る用紙送り手段と、印刷ヘッドの各ノズルからのインクの吐出を制御するヘッド 駆動手段と、印刷データに基づいてヘッド駆動手段、ヘッド送り手段、及び用紙 送り手段を制御し、用紙に対する印刷動作を制御する印刷制御手段とを有し、端 末装置は、プリンタにて印刷するためにユーザにより用意されたデータから印刷 データを作成し、その印刷データをプリンタに入力する印刷データ作成手段と、 ノズルの配列方向の紙送り方向に対する傾き判断用のアライメントチャートを印 刷するためのアライメントチャート用の印刷データをプリンタへ入力するチャー ト出力手段とを有するプリンタシステムにおいて、アライメントチャートは、印 刷ヘッドの所定の方向への1回の移動により印刷幅内に印刷される第1の画像と 、この第1の画像の紙送り方向の上流側に印刷ヘッドの所定の方向への1回の移 動により印刷幅内に印刷される第2の画像とを有し、第1の画像は、紙送り方向 と垂直な方向に配列された傾きが各々異なる複数のラインから成る第1のライン 画像を有し、このライン画像は、ノズルの配列方向と平行に印刷されるラインを 含むものであり、第2の画像は、第1のライン画像と同一の第2のライン画像を 有するものであり、端末装置は、チャート出力手段からのアライメントチャート 用の印刷データによりプリンタにてアライメントチャートを印刷させ、この印刷 されたアライメントチャートに関し、第1のライン画像及び第2のライン画像と が真っ直ぐに繋がる状態に最も近い状態に印刷されているラインの傾きをノズル の傾き補正値としてメモリに記憶する傾き補正値設定手段と、印刷データ作成手 段により作成する印刷データを、傾き補正値設定手段により記憶された傾き補正 値に基づいて補正する補正手段とを備えたものである。
【0015】 この構成においては、アライメントチャートにより印刷される第1のライン画 像及び第2のライン画像は、傾きが各々異なる複数のラインを有しており、それ らのラインの中に、ノズルの配列方向と平行に印刷されるライン(基準ライン) を含んでいる。
【0016】 従って、アライメントチャートは、ノズルの配列方向が紙送り方向に対して傾 いていない場合には、第1の画像内の基準ラインと第2の画像内の基準ラインと が、紙送り方向に平行な同一線上に繋がるように印刷される。一方、ノズルの配 列方向が紙送り方向に対して傾いている場合には、第1の画像内の基準ラインと 第2の画像内の基準ラインとは、その傾きに応じて各々傾くため同一線上に繋が らない。そして、この場合、第1及び第2のライン画像内の何れかのラインが、 ノズルの配列方向の傾きに応じて、紙送り方向に平行な同一線上に繋がる状態に 最も近い状態に印刷される。これにより、アライメントチャートを参照して、紙 送り方向に平行な同一線上に繋がる状態に最も近い状態に印刷されているライン を目視判断することにより、ノズルの配列方向の傾き角を容易に判断できる。
【0017】 そして、この紙送り方向に平行な同一線上に繋がる状態に最も近い状態に印刷 されたラインの傾き(基準ラインに対する傾き)がノズルの配列方向の傾き補正 値とされ、以降、印刷データはこの傾き補正値に基づいて補正され、この補正さ れた印刷データにより用紙への印刷が行われる。これにより、印刷される画像は 、ノズルの配列方向の傾きによる歪みが補正されたものとなる。
【0018】 請求項3の考案は、請求項2に記載のノズルの傾き補正機能を有するプリンタ システムにおいて、アライメントチャートは、第1のライン画像の各ラインの一 端側が印刷幅内における紙送り方向の最上流点に位置するものであり、第2のラ イン画像の各ラインの一端側が印刷幅内における紙送り方向の最下流点に位置す るものである。
【0019】 この構成においては、第1のライン画像と第2のライン画像とは隙間なく隣接 するため、第1のライン画像と第2のライン画像とで紙送り方向に平行な同一線 上に繋がる状態に印刷されるラインは、1本の連続したラインとなる。これによ り、紙送り方向に平行な同一線上に繋がる状態に最も近い状態に印刷されている ラインの目視判断が容易になる。
【0020】
【考案の実施の形態】
以下、本考案を具体化した実施形態について図面を参照して説明する。図1に おいて、プリンタシステム1は、用紙Sに印刷を行うプリンタ2と、このプリン タによる印刷動作を制御するためのコンピュータ等の端末装置3とを備えており 、プリンタ2と端末装置3とは、通信ケーブル4により接続されている。端末装 置3は、印刷データを含んだ印刷要求信号を通信ケーブル4を介してプリンタ2 に送信し、プリンタ2は、通信ケーブル4を介して受信した印刷要求信号に含ま れる印刷データに基づいて用紙Sに印刷を行う。端末装置3から送信される印刷 データは、用紙S上の印画位置を示したデータになっている。
【0021】 まず、上記プリンタ2について説明する。図2及び図3において、プリンタ2 は、通信部21と、バッファメモリ22と、印刷ヘッド23と、ヘッド駆動回路 24と、ヘッド送りモータ25と、ヘッド送りモータ駆動回路26と、紙送りモ ータ27と、紙送りモータ駆動回路28と、CPU29とを備えている。ヘッド 送りモータ25及びヘッド送りモータ駆動回路26がヘッド送り手段を構成し、 紙送りモータ27及び紙送りモータ28が用紙送り手段を構成している。また、 ヘッド駆動回路24がヘッド駆動手段を構成し、CPU29が印刷制御手段を構 成している。
【0022】 通信部21は、通信ケーブル4を介してプリンタ3から印刷要求信号を受信す るものであり、バッファメモリ22は、通信部21で受信した印刷要求信号に含 まれる印刷データを一時的に保存するものである。
【0023】 印刷ヘッド23は、所定のピッチで千鳥状に配列された複数のノズル2a−1 ,2a−2,・・・,2a−nと、これと平行に同じピッチで千鳥状に配列され た複数のノズル2b−1,2b−2,・・・,2b−nを有している。この印刷 ヘッド23は、インクが充填された不図示のインクカートリッジが一体的に設け られており、インクカートリッジに充填されているインクをノズル2a−1〜2 a−n,2b−1〜2b−nからインク滴として吐出する。
【0024】 ヘッド駆動回路24は、CPU29による制御のもと、印刷ヘッド23の各ノ ズル2a−1〜2a−n,2b−1〜2b−nからのインク滴の吐出タイミング を制御する。ヘッド送りモータ25は、(不図示のヘッド送り機構を介して)印 刷ヘッド23を所定の主走査方向に移動させるものであり、ヘッド送りモータ駆 動回路26は、CPU29による制御のもと、ヘッド送りモータ25を駆動する 。紙送りモータ27は、(不図示の紙送り機構を介して)用紙Sを印刷ヘッド2 3の移動方向(主走査方向)と垂直な副走査方向に紙送りするものであり、紙送 りモータ駆動回路28は、CPU29による制御のもと、紙送りモータ27を駆 動する。
【0025】 CPU29は、通信部21で受信した印刷要求信号に含まれる印刷データをバ ッファメモリ22に保存し、その印刷データに基づいてヘッド駆動回路24、ヘ ッド送りモータ駆動回路26、及び紙送りモータ駆動回路28を制御して、用紙 Sに対する印刷処理を実行する。
【0026】 上記印刷ヘッド23は、インクカートリッジに充填されているインクがなくな ったときに交換できるようにヘッド送り機構に着脱自在とされており、ノズル2 a−1〜2a−n,2b−1〜2b−nの配列方向Lと紙送り方向(副走査方向 )とが平行になるようにヘッド送り機構に装着される。
【0027】 用紙Sへの印刷処理は以下のように行われる。まず、CPU29による制御の もと、ヘッド送りモータ駆動回路26及びヘッド送りモータ25により印刷ヘッ ド23を主走査方向に移動させながら、ヘッド駆動回路24により各ノズル2a −1〜2a−n,2b−1〜2b−nからインク滴の吐出タイミングを制御する 。これにより、ノズル2a−1〜2a−n,2b−1〜2b−nの配列長さに対 応する印刷幅dの画像が用紙Sに印刷される。そして、CPU29による制御の もと、この印刷幅dの印刷が終わる毎に、紙送りモータ駆動回路28及び紙送り モータ27により用紙Sを副走査方向に印刷幅d単位で移動させて、印刷ヘッド 23を主走査方向に移動させながらの印刷幅dの印刷を繰り返す。これにより、 用紙S全体への印刷が行われる。このとき、CPU29は、印刷データの示す用 紙S上の印画位置にインク滴が吐出されるように、ヘッド駆動回路24、ヘッド 送りモータ駆動回路26、及び紙送りモータ駆動回路28を制御する。これによ り、印刷データの示す画像内容が用紙Sに印刷される。
【0028】 次に、プリンタ2の動作について、図4のフローチャートを参照して説明する 。CPU29は、まず、通信部21にて端末装置3から印刷要求信号を受信した か否かを判断する(#1)。印刷要求信号を受信すれば(#1でYES)、その 印刷要求信号に含まれる印刷データをバッファメモリ22に保存する(#2)。 次に、バッファメモリ22に保存した印刷データを解析する(#3)する。そし て、印刷データの示す用紙S上の印画位置にインク滴が吐出されるようにヘッド 駆動回路24、ヘッド送りモータ駆動回路26、及び紙送りモータ駆動回路28 を制御して、印刷処理を実行(#4)し、用紙Sへの印刷が完了する(#5)。
【0029】 次に、端末装置3について説明する。端末装置3は、印刷データを含んだ印刷 要求信号を通信ケーブル4を介してプリンタ2に送信し、これにより、印刷デー タによる画像をプリンタ2にて用紙Sに印刷させるものである。上記プリンタ2 は、例えば印刷ヘッド23を交換したときに、図5に示すように、ノズル2a− 1〜2a−n,2b−1〜2b−nの配列方向Lが紙送り方向(副走査方向)に 対して傾く虞がある。端末装置3は、プリンタ2のノズル配列方向Lが傾いてい る場合に、印刷する画像に歪みを生じないように、ノズル配列方向Lの傾き角θ に応じてプリンタ2へ送信する印刷データを補正する機能を有している。
【0030】 端末装置3の構成を図6に示す。端末装置3は、キー操作部31と、画像信号 入力部32と、画像表示部33と、通信部34と、ROM35と、ハードディス ク36と、RAM37と、CPU38とを備えている。この端末装置3は、プリ ンタ2による印刷動作を可能とするためのソフトウェアであるプリンタドライバ 39がインストールされハードディスク36に格納されている。CPU38及び プリンタドライバ39が印刷データ作成手段、チャート出力手段、傾き補正値設 定手段、及び補正手段を構成している。
【0031】 キー操作部31は、端末装置3を操作するためのものであり、ユーザにより操 作される。このキー操作部31を操作することにより、プリンタ2への印刷指示 、印刷データをノズル配列方向Lの傾きに応じて補正するための傾き補正値の設 定等、端末装置3の各種動作が行われる。また、このキー操作部31の操作によ り、プリンタ2にて印刷するための文字、記号等から成る文書データを作成でき るようになっている。画像信号入力部32からは、端末装置3以外の他の装置で 作成した画像データを入力できる。
【0032】 画像表示部33は、各種画像を表示するものであり、端末装置3の各種動作に おけるメッセージ画像、キー操作部31から入力して作成した文書データによる 文書画像、画像信号入力部32から入力された画像データによる画像等を表示す る。通信部34は、印刷要求信号を通信ケーブル4を介してプリンタ3へ送信す るものである。ROM35は、CPU39の動作プログラムを格納している。
【0033】 ハードディスク36は、プリンタドライバ39を格納しており、また、CPU 38及びプリンタドライバ39による制御に従って、一部の領域に傾き補正値メ モリ39a及び傾き補正値テーブル39bが割当てられている。傾き補正値メモ リ39aは、印刷データをノズル配列方向Lの傾きに応じて補正するための傾き 補正値を記憶するものである。傾き補正値テーブル39bは、キー操作部31か らの入力された値を基に傾き補正値を決定するためのテーブルを格納している。
【0034】 RAM37は、CPU38及びプリンタドライバ39による制御に従って、一 部の領域に印刷データ作成領域39c及びバッファ領域39dが割当てられてい る。印刷データ作成領域39cは、プリンタ2にて印刷するためにユーザが用意 したデータ、すなわちキー操作部31から入力された文書データ及び画像信号入 力部32から入力された画像データを基に、印刷データを作成するための領域で ある。バッファ領域39dは、印刷データを一時的に保存する領域である。
【0035】 CPU38は、プリンタドライバ39に従って、ユーザが用意したデータによ る画像、すなわちキー操作部31から入力された文書データによる文書画像、及 び画像信号入力部32から入力された画像データによる画像等をプリンタ2にて 印刷させる印刷処理を行う。CPU38は、この印刷処理において、ユーザが用 意したデータから、用紙S上の印画すべき座標位置を示した印刷データを作成す る。例えばユーザの用意したデータが文書データの場合には、CPU38は、そ の文書を構成する文字コード、フォントデータ、書式データ等を基に、用紙S上 の印画すべき座標位置を示した印刷データを作成する。この印刷データの作成は 、印刷データ作成領域39cにて行われ、作成された印刷データは、バッファ領 域39dに一旦保存される。
【0036】 また、CPU38は、印刷処理において、プリンタドライバ39に従って、バ ッファ領域39dに一旦保存された印刷データをノズル配列方向Lの傾きに応じ て補正する。この補正は、傾き補正値メモリ39aに記憶設定されている傾き補 正値に基づいて、印刷データ作成領域39cにて行われる。
【0037】 また、CPU38は、プリンタドライバ39に従って、上記傾き補正値の設定 処理を行う。CPU38は、この傾き補正値の設定処理において、まず、ノズル 配列方向Lの紙送り方向に対する傾き角θを目視判断可能にしたアライメントチ ャートをプリンタ2にて用紙Sに印刷させる。このアライメントチャートの印刷 は、アライメントチャート用の印刷データをプリンタ2へ送信することにより行 われる。そして、CPU38は、印刷されたアライメントチャートを基にユーザ によりノズル配列方向の傾き角θを目視判断させ、その傾き角θに応じてキー操 作部31から入力された値を基に、傾き補正値テーブル39bを参照して傾き補 正値を傾き補正値メモリ39aに記憶する。また、CPU38は、この傾き補正 値の設定処理において、これら一連の操作、動作を案内する設定画面を画像表示 部33に表示する。
【0038】 ここで、上記アライメントチャートについて図7を参照して説明する。アライ メントチャート60は、用紙Sに印刷される第1の画像61と第2の画像62と から構成されている。アライメントチャート60は、プリンタ2のノズル配列方 向Lが紙送り方向(副走査方向)に対して傾いておらず、ノズル配列方向Lが紙 送り方向と平行になっている状態(図3参照)で印刷した場合のものである。
【0039】 第1の画像61は、印刷ヘッド23の主走査方向への1回の移動により印刷さ れる画像であり、第2の画像62は、第1の画像61の紙送り方向の上流側に隣 接して、印刷ヘッド23の主走査方向への1回の移動により印刷される画像であ る。従って、これら第1の画像61及び第2の画像62は、各々印刷ヘッド23 のノズルの配列長さに対応する印刷幅dで印刷される。
【0040】 第1の画像61は、主走査方向に配列された傾きが各々異なる複数のライン( 図7に示す例では13本のライン)から成る第1のライン画像61aと、このラ イン画像61aの各ラインを識別するための識別番号画像61b(図7に示す例 では「1」〜「13」)とを有している。第1のライン画像61aは、ノズル配 列方向Lと平行に印刷されるライン(基準ライン)を含んでいる。図7に示す例 では、各ラインは、配列順に例えば0.1°ずつ傾きが異なっており、識別番号 画像61bの「7」に対応する左から7番目のライン61a−7が基準ラインと なっている。
【0041】 なお、基準ライン61a−7に対する各ラインの傾き角を識別番号画像61b の示す数値に対応づけたテーブルが、上述の傾き補正値テーブル39bに格納さ れている。
【0042】 また、第1のライン画像61aは、各ラインの一端側が印刷幅d内における紙 送り方向の最上流点Pに位置するように印刷され、識別番号画像61bは、第1 のライン画像61aの他端側よりも下流側に印刷される。
【0043】 第2の画像62は、主走査方向に配列された傾きが各々異なる複数のライン( 図7に示す例では13本のライン)から成る第2のライン画像62aと、このラ イン画像62aの各ラインを識別するための識別番号画像62b(図7に示す例 では「1」〜「13」)とを有している。
【0044】 第2のライン画像62aは、第1のライン画像61aと同一の画像である。す なわち、第2のライン画像62aにおいても、各ラインは、配列順に例えば0. 1°ずつ傾きが異なっており、識別番号画像62bの「7」に対応する左から7 番目のライン62a−7がノズル配列方向Lと平行に印刷される基準ラインとな っている。
【0045】 第2の画像62では、第2のライン画像62aの各ラインの一端側が印刷幅d 内における紙送り方向の最下流点Qに位置するように印刷され、識別番号画像6 2bが第2のライン画像62aの他端側よりも上流側に印刷される。
【0046】 このようなアライメントチャート60は、アライメントチャート用の印刷デー タを端末装置3からプリンタ2へ送信することにより、プリンタ2にて印刷され る。アライメントチャート用の印刷データは、アライメントチャート60の画像 パターンに対応する用紙S上の印画位置(インク滴の滴下位置)を示したデータ であり、プリンタ2は、このアライメントチャート用の印刷データを基に、印刷 ヘッド23の移動、用紙Sの紙送り、ノズル2a−1〜2a−n,2b−1〜2 b−nからのインク滴の滴下タイミングを制御して、用紙Sにアライメントチャ ート60を印刷する。
【0047】 このようなアライメントチャート60によれば、ノズル配列方向Lが紙送り方 向(副走査方向)に対して傾いていない場合(図3参照)、すなわちノズル配列 方向Lが紙送り方向と平行になっている場合には、第1の画像61の基準ライン 61a−7と第2の画像62の基準ライン62a−7は、各々紙送り方向に平行 に印刷される。その結果、基準ライン61a−7と基準ライン62a−7とは、 紙送り方向に平行な同一線上に真っ直ぐ繋がって1本のラインとして印刷される (図7参照)。
【0048】 一方、ノズル配列方向Lが紙送り方向に対して角度θだけ傾いている場合(図 5参照)には、アライメントチャート60は、例えば図8に示す状態に印刷され る。すなわち、第1のライン画像61aの各ライン及び第2のライン画像62a の各ラインは、ノズル配列方向Lが紙送り方向に対して角度θだけ傾いているた めに、その傾き角θだけ紙送り方向に対して傾いて印刷される。
【0049】 この結果、第1のライン画像61aの基準ライン61a−7と第2のライン画 像62aの基準ライン62a−7とは、同一線上に真っ直ぐに繋がって印刷され ない。そして、ノズル配列方向Lの傾き角θに応じて、第1のライン画像61a の何れかのラインと第2のライン画像62bの何れかのラインとが、紙送り方向 に平行な同一線上に真っ直ぐに繋がる状態に最も近い状態に印刷される。
【0050】 このとき、基準ライン61a−7(又は62a−7)はノズル配列方向Lと平 行に印刷されているため、基準ライン61a−7(又は62a−7)と紙送り方 向との成す角度は、ノズル配列方向Lの紙送り方向に対する傾き角θに等しい。 従って、紙送り方向に平行な同一線上に真っ直ぐに繋がる状態に最も近いライン と基準ライン61a−7(又は62a−7)との成す角度、すなわち、紙送り方 向に平行な同一線上に真っ直ぐに繋がる状態に最も近いラインの基準ライン61 a−7(又は62a−7)に対する傾き角が、ノズル配列方向Lの傾き角θに略 等しくなっている。
【0051】 図8に示す例では、第1のライン画像61における識別番号画像61bの「3 」に対応する左から3番目のライン61a−3と、第2のライン画像62aにお ける識別番号画像62bの「3」に対応する左から3番目のライン62a−3と が、紙送り方向に平行な同一線上に真っ直ぐに繋がる状態に最も近い状態に印刷 されている。従って、この場合には、ライン61a−3の基準ライン61a−7 に対する傾き角がノズル配列方向Lの紙送り方向に対する傾き角θと略等しくな っている。そして、その傾き角θは、各ラインが配列順に0.1°ずつ異なって いるため、略0.4°である。
【0052】 このように、アライメントチャート60は、ノズル配列方向Lの紙送り方向に 対する傾き角θが、紙送り方向に平行な同一線上に真っ直ぐに繋がる状態に最も 近いラインの基準ライン61a−7(又は62a−7)に対する傾き角として印 刷される。従って、印刷されたアライメントチャート60の中で、紙送り方向に 真っ直ぐに繋がる状態に最も近いラインを目視判断することにより、ノズル配列 方向Lの紙送り方向に対する傾き角θを容易に判断できる。
【0053】 次に、端末装置3の傾き補正値の設定処理について、図9のフローチャート及 び図10(a)(b)の画面表示例を参照して説明する。傾き補正値の設定処理 は、キー操作部31の操作により、プリンタドライバ39のユーティリティ機能 を動作させることにより開始される。傾き補正値の設定処理では、まず、CPU 38は、傾き補正値の設定画面を画像表示部33に表示し(#11)、図10( a)に示すように、設定画面71にアライメントチャート60の印刷を指示する 旨の案内画像71aを表示する(#12)。図10(a)に示す例では、設定画 面71には、“「P」をキー入力してください。アライメントチャートを印刷し ます”というメッセージから成る案内画像71aが表示されている。ユーザは、 この案内画像71aを見て、アライメントチャートの印刷操作を行う。
【0054】 次に、CPU38は、アライメントチャートの印刷操作(すなわちキー操作部 31から「P」のキー入力)が行われると(#13でYES)、アライメントチ ャート印刷用の印刷データを作成し、その印刷データを含んだ印刷要求信号を通 信部34から送信する(#14)。これにより、プリンタ2にて、用紙Sにアラ イメントチャート60が印刷される。
【0055】 そして、CPU38は、図10(b)に示すように、アライメントチャート6 0の中で上下に真っ直ぐに繋がっているラインの識別番号を入力する旨の案内画 像71b、71cを表示し(#15)、識別番号の入力待ち受け状態になる(# 16)。図10(a)に示す例では、設定画面71には、“アライメントチャー トの中で、上下に真っ直ぐに繋がっている線の番号をキー入力してください”と いうメッセージから成る案内画像71bと、“例:以下の場合は、「2」を入力 してください”というメッセージ及び識別番号の選択例を示す画像から成る案内 画像71cとが表示されている。
【0056】 ユーザは、この案内画像71b、71cを見て、印刷されたアライメントチャ ート60の中で上下に真っ直ぐに繋がっているラインを目視判断し、そのライン に対応する識別番号画像61b(又は62b)の数値「1」〜「13」の何れか をキー操作部31から入力する。上述の図7に示した例(ノズル配列方向Lが傾 いていない場合)では、識別番号画像61b(又は62b)の数値「7」を入力 する。また、上述の図8に示した例では、識別番号画像61b(又は62b)の 数値「3」を入力する。
【0057】 CPU38は、識別番号(識別番号画像61b(又は62b)の数値)が入力 されると(#17でYES)、傾き補正値テーブル39bを参照し、入力された 識別番号に対応するラインの基準ライン61a−7(又は62a−7)に対する 傾き角、すなわちノズル配列方向Lの紙送り方向に対する傾き角θを傾き補正値 として傾き補正値メモリ39aに記憶し(#18)、傾き補正値の設定を完了す る(#19)。
【0058】 次に、端末装置3の印刷処理について、図11のフローチャートを参照して説 明する。印刷処理は、キー操作部31により印刷を指示することにより開始され る。印刷処理では、まず、CPU38は、ユーザが用意したデータ、すなわちキ ー操作部31から入力された文書データ、及び画像信号入力部32から入力され た画像データ等を基に、用紙S上の印画すべき座標位置を示した印刷データを印 刷データ作成領域39cにて作成し、バッファ領域39dに一旦保存する(#2 1)。
【0059】 次に、CPU38は、バッファ領域39dに保存している印刷データを、傾き 補正値メモリ39aに記憶されている傾き補正値により補正する(#22)。傾 き補正値メモリ39aには、ノズル配列方向Lの紙送り方向に対する傾き角θが 傾き補正値として記憶されている。傾き補正値による印刷データの補正は、この 傾き補正値であるノズル配列方向Lの傾き角θに基づいて、ノズル配列方向Lの 傾きに起因する印刷画像の歪みを打ち消すように印刷データの示す印画すべき座 標位置(インク滴の吐出位置)を補正することで行われる。印刷データをこのよ うに補正することで、プリンタ2で用紙Sに印刷される画像は、歪みのない画像 となる。
【0060】 そして、CPU38は、補正した印刷データを含んだ印刷要求信号を通信部3 4から送信する(#23)。これにより、プリンタ2にて、用紙Sに印刷データ に基づく画像が印刷される。その後、CPU38は、印刷処理を終了する(#2 4)。
【0061】 このような構成のプリンタシステム1によれば、プリンタ2から用紙Sに印刷 されたアライメントチャート60を参照して、紙送り方向に平行な同一線上に真 っ直ぐに繋がる状態に最も近い状態に印刷されているラインを目視判断すること により、ノズル配列方向Lの紙送り方向に対する傾きθを容易に判断できる。ま た、アライメントチャート60に印刷されている識別番号画像61b(又は62 b)の数値をキー操作部31から入力するだけで、ノズル配列方向Lの傾き補正 値が設定できる。
【0062】 また、傾き補正値を設定するための案内画像が画像表示部33に表示されるた め、その案内に従うことで、容易に傾き補正値の設定ができる。また、印刷デー タは、ノズル配列方向Lの傾きに起因する印刷画像の歪みを打ち消すように補正 されるため、プリンタ2で用紙Sに印刷される画像は、歪みのない画像となる。
【0063】 なお、本考案は、上記実施形態の構成に限られず、種々の変形が可能である。 例えば、上記実施形態において、第1の画像61及び第2の画像62は、ノズル 配列方向Lに対する上側半分又は下側半分のノズルにより印刷してもよい。第1 のライン画像61aは、必ずしも各ラインの一端側が印刷幅d内における紙送り 方向の最上流点Pに位置する必要はなく、第2のライン画像62aは、必ずしも 各ラインの一端側が印刷幅d内における紙送り方向の最下流点Qに位置する必要 はない。識別番号画像61b及び62bは、必ずしも印刷する必要はなく、また 、第1の画像61内又は第2の画像62内の何れか一方にだけ印刷してもよい。
【0064】
【考案の効果】
以上説明したように請求項1の考案によれば、アライメントチャートにより印 刷された第1の画像と第2の画像の各々は、傾きの異なる複数のラインから成る 同一のライン画像を有しているため、印刷されたアライメントチャートの中で紙 送り方向に真っ直ぐに繋がる状態に最も近いラインを目視判断することにより、 ノズルの配列方向の傾き角を容易に判断できる。しかも、第1のライン画像の一 端側が紙送り方向の最上流点に位置し、第2のライン画像の一端側が紙送り方向 の最下流点に位置しているため、真っ直ぐに繋がる状態に最も近いラインの目視 判断が容易になり、ノズルの配列方向の傾き角を一層容易に判断できる。また、 この傾き角を傾き補正値として設定することにより、印刷データはこの傾き補正 値で補正され、これにより、印刷幅内での印刷画像自体の歪みを補正できると共 に印刷境界部でのステッチングの発生を防止でき、印刷品位が向上する。また、 傾き補正値を設定するための案内指示が画像表示部に表示され、アライメントチ ャートのラインに対応して印刷さている識別番号をキー操作部から入力すること により傾き補正値が設定されるため、容易に傾き補正値の設定を行うことができ 、利便性が向上する。
【0065】 請求項2の考案によれば、アライメントチャートにより印刷された第1の画像 と第2の画像の各々は、傾きの異なる複数のラインから成る同一のライン画像を 有しているため、印刷されたアライメントチャートの中で紙送り方向に真っ直ぐ に繋がる状態に最も近いラインを目視判断することにより、ノズルの配列方向の 傾き角を容易に判断できる。また、この傾き角を傾き補正値として設定すること により、印刷データはこの傾き補正値で補正され、これにより、印刷幅内での印 刷画像自体の歪みを補正できると共に印刷境界部でのステッチングの発生を防止 でき、印刷品位が向上する。
【0066】 請求項3の考案によれば、第1のライン画像の一端側が紙送り方向の最上流点 に位置し、第2のライン画像の一端側が紙送り方向の最下流点に位置しているた め、真っ直ぐに繋がる状態に最も近いラインの目視判断が容易になり、ノズルの 配列方向の傾き角を一層容易に判断できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案の一実施形態によるプリンタシステム
の構成を示すシステム構成図。
【図2】 同プリンタシステムのプリンタの構成を示す
電気的ブロック構成図。
【図3】 同プリンタの印刷ヘッドの構成を示すノズル
配列方向が傾いていない場合のノズル側から見た平面
図。
【図4】 同プリンタの動作を示すフローチャート。
【図5】 同プリンタの印刷ヘッドの構成を示すノズル
配列方向が傾いている場合のノズル側から見た平面図。
【図6】 同プリンタシステムの端末装置の構成を示す
電気的ブロック構成図。
【図7】 同プリンタシステムのプリンタのノズル配列
方向が傾いていない場合のアライメントチャートの印刷
例を示す図。
【図8】 同プリンタシステムのプリンタのノズル配列
方向が傾いている場合のアライメントチャートの印刷例
を示す図。
【図9】 同プリンタシステムの端末装置の傾き補正値
の設定処理の動作を示すフローチャート。
【図10】 (a)(b)はそれぞれ同端末装置の傾き
補正値の設定画面における案内画像の表示例を示す図。
【図11】 同端末装置の印刷処理の動作を示すフロー
チャート。
【符号の説明】
1 プリンタシステム 2 プリンタ 2a−1,2a−2,2a−n,2b−1,2b−2,
2b−n ノズル 3 端末装置 4 通信ケーブル 23 印刷ヘッド 24 ヘッド駆動回路 25 ヘッド送りモータ 26 ヘッド送りモータ駆動回路 27 紙送りモータ 28 紙送りモータ駆動回路 29 CPU 31 キー操作部 33 画像表示部 38 CPU 39 プリンタドライバ 39a 傾き補正値メモリ 39b 傾き補正値テーブル 60 アライメントチャート 61 第1の画像 61a 第1のライン画像 61b 識別番号画像 62 第2の画像 62a 第2のライン画像 62b 識別番号画像 d 印刷幅 L ノズル配列方向 P 最上流点 Q 最下流点 S 用紙

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 用紙上の印画位置を示した印刷データに
    基づいて用紙に印刷を行うプリンタと、このプリンタに
    よる印刷動作を可能とするためのソフトウェアであるプ
    リンタドライバにより動作する端末装置とを備え、 前記プリンタは、 前記用紙に対して所定の方向に移動しながら、この移動
    方向と略垂直な方向に配列された複数のノズルからイン
    ク滴を吐出することにより、前記ノズルの配列長さに対
    応する印刷幅単位で前記所定の方向に沿って前記用紙に
    印刷を行う印刷ヘッドと、 前記印刷ヘッドを前記所定の方向へ移動させるヘッド送
    り手段と、 前記印刷ヘッドによる前記印刷幅の印刷が終わる毎に、
    前記用紙を前記印刷ヘッドの移動方向と垂直な方向に前
    記印刷幅単位で移動させる用紙送り手段と、 前記印刷ヘッドの各ノズルからのインクの吐出を制御す
    るヘッド駆動手段と、 前記印刷データに基づいて前記ヘッド駆動手段、ヘッド
    送り手段、及び用紙送り手段を制御し、前記用紙に対す
    る印刷動作を制御する印刷制御手段とを有し、 前記端末装置は、 前記プリンタにて印刷するためにユーザにより用意され
    たデータから前記印刷データを作成し、その印刷データ
    を前記プリンタに入力する印刷データ作成手段と、 前記ノズルの配列方向の前記紙送り方向に対する傾き判
    断用のアライメントチャートを印刷するためのアライメ
    ントチャート用の印刷データを前記プリンタへ入力する
    チャート出力手段とを有するプリンタシステムにおい
    て、 前記アライメントチャートは、 前記印刷ヘッドの前記所定の方向への1回の移動により
    前記印刷幅内に印刷される第1の画像と、この第1の画
    像の前記紙送り方向の上流側に隣接して前記印刷ヘッド
    の前記所定の方向への1回の移動により前記印刷幅内に
    印刷される第2の画像とを有し、 前記第1の画像は、前記紙送り方向と垂直な方向に配列
    された傾きが各々異なる複数のラインから成る第1のラ
    イン画像と、このライン画像の各ラインを識別するため
    の識別番号とを有し、前記ライン画像は、前記ノズルの
    配列方向と平行に印刷されるラインを含み、前記各ライ
    ンの一端側が前記印刷幅内における前記紙送り方向の最
    上流点に位置し、前記識別番号は、前記各ラインの他端
    側より下流側に位置するものであり、 前記第2の画像は、前記第1のライン画像と同一の第2
    のライン画像と、この第2のライン画像の各ラインを識
    別するための識別番号とを有し、前記第2のライン画像
    は、各ラインの一端側が前記印刷幅内における前記紙送
    り方向の最下流点に位置し、前記識別番号は、前記各ラ
    インの他端側より上流側に位置するものであり、 前記端末装置は、 前記チャート出力手段からの前記アライメントチャート
    用の印刷データにより前記プリンタにて前記アライメン
    トチャートを印刷させ、この印刷されたアライメントチ
    ャートに関し、前記第1のライン画像及び第2のライン
    画像とが真っ直ぐに繋がっている状態に最も近い状態に
    印刷されているラインに対応する前記識別番号をキー操
    作部から入力する旨の案内指示を画像表示部に画面表示
    し、前記キー操作部から入力された識別番号に対応する
    ラインの傾きを前記ノズルの傾き補正値としてメモリに
    記憶する傾き補正値設定手段と、 前記印刷データ作成手段により作成する印刷データを、
    前記傾き補正値設定手段により記憶された傾き補正値に
    基づいて補正する補正手段とを備えたことを特徴とする
    ノズルの傾き補正機能を有するプリンタシステム。
  2. 【請求項2】 用紙上の印画位置を示した印刷データに
    基づいて用紙に印刷を行うプリンタと、このプリンタに
    よる印刷動作を可能とするためのソフトウェアであるプ
    リンタドライバにより動作する端末装置とを備え、 前記プリンタは、 前記用紙に対して所定の方向に移動しながら、この移動
    方向と略垂直な方向に配列された複数のノズルからイン
    ク滴を吐出することにより、前記ノズルの配列長さに対
    応する印刷幅単位で前記所定の方向に沿って前記用紙に
    印刷を行う印刷ヘッドと、 前記印刷ヘッドを前記所定の方向へ移動させるヘッド送
    り手段と、 前記印刷ヘッドによる前記印刷幅の印刷が終わる毎に、
    前記用紙を前記印刷ヘッドの移動方向と垂直な方向に前
    記印刷幅単位で移動させる用紙送り手段と、 前記印刷ヘッドの各ノズルからのインクの吐出を制御す
    るヘッド駆動手段と、 前記印刷データに基づいて前記ヘッド駆動手段、ヘッド
    送り手段、及び用紙送り手段を制御し、前記用紙に対す
    る印刷動作を制御する印刷制御手段とを有し、 前記端末装置は、 前記プリンタにて印刷するためにユーザにより用意され
    たデータから前記印刷データを作成し、その印刷データ
    を前記プリンタに入力する印刷データ作成手段と、 前記ノズルの配列方向の前記紙送り方向に対する傾き判
    断用のアライメントチャートを印刷するためのアライメ
    ントチャート用の印刷データを前記プリンタへ入力する
    チャート出力手段とを有するプリンタシステムにおい
    て、 前記アライメントチャートは、 前記印刷ヘッドの前記所定の方向への1回の移動により
    前記印刷幅内に印刷される第1の画像と、この第1の画
    像の前記紙送り方向の上流側に前記印刷ヘッドの前記所
    定の方向への1回の移動により前記印刷幅内に印刷され
    る第2の画像とを有し、 前記第1の画像は、前記紙送り方向と垂直な方向に配列
    された傾きが各々異なる複数のラインから成る第1のラ
    イン画像を有し、このライン画像は、前記ノズルの配列
    方向と平行に印刷されるラインを含むものであり、 前記第2の画像は、前記第1のライン画像と同一の第2
    のライン画像を有するものであり、 前記端末装置は、 前記チャート出力手段からの前記アライメントチャート
    用の印刷データにより前記プリンタにて前記アライメン
    トチャートを印刷させ、この印刷されたアライメントチ
    ャートに関し、前記第1のライン画像及び第2のライン
    画像とが真っ直ぐに繋がる状態に最も近い状態に印刷さ
    れているラインの傾きを前記ノズルの傾き補正値として
    メモリに記憶する傾き補正値設定手段と、 前記印刷データ作成手段により作成する印刷データを、
    前記傾き補正値設定手段により記憶された傾き補正値に
    基づいて補正する補正手段とを備えたことを特徴とする
    ノズルの傾き補正機能を有するプリンタシステム。
  3. 【請求項3】 前記アライメントチャートは、前記第1
    のライン画像の各ラインの一端側が前記印刷幅内におけ
    る前記紙送り方向の最上流点に位置するものであり、前
    記第2のライン画像の各ラインの一端側が前記印刷幅内
    における前記紙送り方向の最下流点に位置するものであ
    ることを特徴とする請求項2に記載のノズルの傾き補正
    機能を有するプリンタシステム。
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