JP4208488B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は画像形成装置に関し、詳しくは印字ヘッドを用いて紙などの記録媒体に画像を記録する記録装置であり、プリンタ、複写機、ファクシミリなどの情報出力手段として用いられる。
【0002】
【従来の技術】
紙やOHPシートなどの記録媒体の搬送方向に垂直に往復運動する記録ヘッドを搭載した稼動部を有するシリアルタイプの記録装置は各種の記録方式による記録ヘッドを搭載した形で提案されている。
【0003】
このシリアルプリンタで使われている記録ヘッドには、ワイヤードット式、感熱方式、熱転写式、インクジェット方式によるものなどがある。
【0004】
シリアルプリンタの中でインクジェット式は記録用紙に直接インクを噴射するものでランニングコストがやすく、記録時の騒音が小さい。また、インクジェット方式では、記録ヘッドは記録媒体に対して一定の間隔を隔てて設けられるもので常に非接触状態であり記録ヘッドから噴射されたインクは記録ヘッドと被記録媒体との空間を飛んで、その後記録媒体に到達して所望の記録が行われるためキャリアの摺動負荷が小さく高速化の実現に有利である。
【0005】
シリアルプリンタでは図6に示すように縦罫線を印刷する場合、記録ヘッドが正確にキャリアに位置決めされずに、インク吐出口が記録媒体の搬送方向に正しく配列されずに傾いて配列された場合、印刷された各行ごとの罫線が傾き罫線ずれを引き起こす問題がある。またこのようなヘッドを複数並列に配置し、各ヘッドで異なる色のインク吐出を行うことでカラー印刷を行う記録装置においては、わずかな偏差も色むらやなどの原因となり画像に大きな悪影響を与えてしまう。
従来、このようなシリアルプリンタではキャリアに対するヘッドの取り付け精度を高めるのはもちろん特開平7−40551に示されるように記録媒体の搬送方向に配列されたインク吐出口を複数のブロックに分割し、前記ブロックごとの駆動間隔を傾きの大きさに応じて可変して吐出するなどの電気的な補正手段を持ったものがあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近年のPCの高速化によりカラー画像を容易に扱うことが可能となり、画像記録においても、大容量のデータを処理することが望まれている。
【0007】
さらには記録画像の高精細化、処理の高速化によって、益々大容量を高速に処理する必要がある。
【0008】
シリアルインクジェットプリンタにおける記録動作の高速化はインク吐出周波数の高速化及び記録ノズル数を増やすことによって実現することが可能である。
ここで、記録ノズルの追加によって高速化を実現しようとする場合について説明する。
【0009】
記録動作の高速化のために増やされた複数のノズルはそれまでのノズルに対して記録媒体の搬送方向に延長して配置する。
【0010】
つまり、印字ヘッドが記録媒体に対して垂直方向に移動しながらインクを吐出して記録動作を行う際の1スキャンにおける記録幅を増やすことで高速化を実現しようとするものである。したがってこの場合、記録ヘッドは記録媒体搬送方向に延長された形で構成される。
【0011】
仮に、機構的な精度の限界値を正規の位置からθの傾きと仮定すると、偏差θで取り付けた場合の印字位置ずれは記録ヘッドが長くなるほど大きくなってしまうといった問題がある。
【0012】
さらには、記録画像がより高精細化した場合には、記録画素の大きさと絶対偏差との相対関係からより高精度にインク滴を記録媒体に着弾させることが求められる。
【0013】
以上のように記録ヘッドと被記録媒体との位置関係を高精度に保つことが高品位な画像形成には必要である。
【0014】
しかしながら、より高速を求めるために長尺化する印字ヘッドと、記録画像の高画質化のために高精細化に対応した高精度の機構を用意するためには大きなコストを必要とするといった問題がある。
【0015】
本案ではこのようなヘッドの傾きを電気的に補正する方法を提案する。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のインクジェット記録装置は、複数の吐出口を有し該複数の吐出口を吐出口の配列方向に複数のグループに分けた記録ヘッドを用い、該記録ヘッドから被記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、記録ヘッドの吐出口に対応したデータを保持する第1のメモリと、前記第1のメモリから読み出された後に間引き処理がなされたデータを保持するために記録ヘッドの走査方向に対する吐出口配列の所定の傾きに基づく複数カラム分の領域を備え、前記領域のうち1カラム分の領域を書込み用の書込領域として準備し、前記複数カラムを構成する各カラム位置の領域を各グループに対応するように区分されている第2のメモリと、前記所定の傾きに対する補正情報を入力する入力部と、前記第2のメモリについて、前記傾きと前記補正情報とに基づいたカラム範囲より各グループに対応する領域の選択を行う選択手段と、記録ヘッドの駆動タイミングに同期して、前記選択手段にて選択された領域のデータを読み出して前記記録ヘッドへ転送する転送手段と、記録ヘッドの駆動周期毎に、前記カラム範囲のカラム位置と前記書込領域のカラム位置とを変更する制御と複数カラム分の領域をリング状に使用する制御とを行う制御手段とを備える。
【0017】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。本実施例のインクジェット記録装置は図3に示すとおり各色の記録を受け持つ4個のインクジェット記録ヘッド、Bk(ブラック)ヘッド2−1、Y(イエロー)ヘッド2−2、M(マゼンタ)ヘッド2−3、C(シアン)ヘッド2−4、およびそれぞれに一体型のインクタンク1−1〜1−4、光学的ホームポジションセンサ(以下HPセンサ)8が装着されたキャリッジ3が、キャリッジ駆動モータ5の駆動力を伝達する駆動ベルト4の一部に連結されて、走査方向に対して平行に配置されたガイドシャフト6に対して移動可能に取付けられており、前記キャリッジ駆動モータ5の駆動力により、前記インクジェット記録ヘッド2−1〜2−4の吐出面に対向して配置されたプラテン7に、不図示の媒体給送装置から給送される記録紙の全幅にわたって往復運動して該記録紙への記録を行う構成となっている。
【0018】
前述のインクジェット記録ヘッド2−1〜2−4は、記録紙の記録面に対向する吐出面に、インクの吐出を行う細いパイプ状の複数のヘッドノズル口が並設されており、さらに一体化されたインクタンク1−1〜1−4から供給されるインクに吐出エネルギーを与えるヒータがノズル口近傍に設けられている。
【0019】
記録ヘッド2−1〜2−4のノズル口はそれぞれキャリッジ3の走査方向に対して垂直方向に配列されるように構成され、さらに4個の記録ヘッドはキャリッジ走査方向に並んで配置されている。
【0020】
また、HPセンサ14は、初期動作においてキャリッジ3がガイドシャフト6上を移動した際に、基準位置検出用突起物12を検出することにより記録動作の走査方向の基準位置(キャリッジホームポジション)を決定する為に用いられる。
【0021】
上述したインクジェット記録装置は、外部のホスト機器などから入力された画像情報、制御コマンドなどのデータを、後述する不図示の印字制御部で受け取り、受け取ったデータに従って各色の画像データに展開した後インクジェット記録ヘッドへデータを転送すると共にキャリッジ3を走査させ、必要なタイミングでインク吐出を行う一連の記録動作を制御する。
【0022】
印字制御部とキャリッジ3はフレキシブルケーブル13によって接続され各種信号及び吐出に必要な電力の供給を受ける。
【0023】
次に本実施例のインクジェット記録装置の印字制御部について、図2を参照して説明する。
【0024】
図2に示す印字制御部30は、CPU31と、記憶部であるROM32,RAM33−1,RAM33−2と、外部装置であるホスト機器41に対するインターフェース回路34と前記キャリッジ駆動モータ5及びLFモータ10を駆動するモータ制御回路35と、CPU31の動作を補って各種制御を行う論理回路よりなるゲートアレイ36より構成される。前記インターフェース記録ヘッド2の吐出タイミング制御及び駆動を行うヘッド制御ブロック37及びRAM33−2は前述のゲートアレイ36中に構成される。
【0025】
前記キャリッジ駆動モータ5にはステッピングモータが使用されている。CPU31はキャリッジ3を移動させる為にモータ制御回路35にキャリッジ駆動モータ5の動作信号を送出しながら、同時にキャリッジ上に搭載された位置エンコーダ15からの信号により走査方向基準位置からの動作信号数を管理することによって現在キャリッジ3がどの位置にいるかについても把握しキャリッジ3が印字領域に近づくと必要なデータ処理を開始する。さらにキャリッジ3が移動し、搭載された記録ヘッド2−1〜2−4がインク吐出を行うべき位置に到達した時にはヘッド制御ブロック37がインク吐出を行うよう制御する。
【0026】
CPU31は、ROM32に予め格納されているプログラム、あるいは、ホスト機器41からインターフェース回路34を介して入力される制御コマンドに従ってインクジェット記録装置の動作全般の制御を行う。
【0027】
ROM32には、前記CPU31が動作するためのプログラムやヘッド制御に必要な各種テーブルデータ等が格納されている。
【0028】
操作パネル51は記録装置の各種ユーザー設定、たとえばオンライン/オフラインの設定や棟を行うためのキースイッチ及び電源オン状態、オンライン状態を示すLEDからなっている。
【0029】
インターフェース回路34は、ホスト機器41からインクジェット記録装置への制御コマンドや制御データの入出力の際のインターフェース部である。
【0030】
RAM33−1は、前記CPU31の演算時等のワークエリアあるいは、ホスト機器41からインターフェース回路34を介して入力された記録データ及び制御コードの一時格納エリアや記録データをヘッドのノズルに対応させたビットデータに展開した画像データを格納するプリントバッファもRAM33−1上に構成される。
【0031】
本実施例の画像記録装置は複数の印字モードを持ち、必要があればホスト機器から送られた画像データに対して各種の加工を行うこともある。たとえば、インクの消費量を抑えた印刷を行いたい場合には、画像データを一定の割合で間引いて印刷することも可能である。
【0032】
このようにRAM33−2はG.A36の内部に構成され、前述のプリントバッファに展開された画像データに対して、上述のようにたとえば間引き処理を施したデータを格納する。RAM33−2に格納されたデータは記録ヘッド2−1〜2−4のにそのまま送られ直接ヒートを司るデータとなる。本実施例ではRAM33−2は21個の独立したSRAMにより形成されている。
【0033】
さらに図2によってインクジェット記録ヘッド2の吐出回路及び吐出制御を詳細に説明する。本実施例では前述のように4個のヘッドを搭載するものであるが、各々の動作原理は同一であるため、Bkヘッド2−1について説明を行う。
【0034】
ヘッド制御ブロック37内のデータ転送回路37−1はRAM33−2からそれぞれのヘッドに応じて対応するデータを読み出すためにアドレス管理を行い、読み出したデータをヘッドに対して吐出データとして送出するためにデータ信号37−8、クロック信号37−9、ラッチ信号37−10を送出する。それぞれの信号はBkヘッド2−1に接続されている。
【0035】
データ信号37−13はBkヘッド2−1上に構成されたシフトレジスタ2−101にクロック信号37−15に同期して順次納められ構成されるノズルのうちどのノズルについて吐出を行うかを選択する目的で使用される。ノズル数分のデータの送出が終わるとラッチ信号37−14が送出されシフトレジスタ2−101に納められたデータはレジスタ2−102に移りデータのセットは終了する。
【0036】
データのセットが終了するとキャリッジ3の位置に合わせてヒートタイミングコントローラ37−2から3本のブロック選択信号37−11とヒート信号37−12が送出される。本実施例においては同一ヒートブロックのノズルは20本おきに配置されている。5本のブロック選択信号37−16によって選択されたブロックはBkヘッド2−1上に構成されるデコーダ2−103によって該当ブロックのAND回路2−104の入力をアクティブにする。
【0037】
上記手順に従ってデータセット及びブロック選択がなされたノズルに対して、ヒート信号37−12が入力されるとAND回路2−104の出力条件がそろい、各ノズルのヒータ抵抗2−106に接続されたドライブトランジスタ2−105が動作し、ヒート電流が流れる。ヒート信号37−12は温度制御などの為に、実際のヒート時間をコントロールする目的で使用されている。
【0038】
ヘッド制御ブロック37では上述のデータセットとヒート動作は並列に処理される。つまりある周期のヒート中に次の周期のヒートデータセットを行うことで並列処理を実現している。
【0039】
以上説明した動作の連続によって、所望の位置にインク滴を吐出し一連の記録動作が実現される。
【0040】
図4−1は記録ヘッドのノズル構成を表す図面である。
【0041】
本実施例の記録ヘッドは直線上に600dpiのピッチで配置された640のノズルを持っている。該記録ヘッドはキャリアに搭載され被記録媒体の搬送方向と垂直方向に移動しながらインク滴を吐出する。その際、インク供給及び吐出に必要なエネルギーを供給する電力の分散供給を考慮して全てのノズルから同時にインク滴を吐出するのではなく、640のノズルを32のヒートブロックに分割して順に吐出動作を行う。
【0042】
図4−2に記録ヘッドの被記録媒体に対する位置関係を示す。記録ヘッドはキャリアの移動方向に対して、図のように傾けて搭載される。
【0043】
これは直線上に配置されたノズルからキャリアを走査しながらインク吐出を行った際に着弾が直線になるように、キャリアの走査速度と、ノズルピッチ、吐出タイミングの関係から印字結果が直線になる関係に設定されている。
【0044】
この関係が崩れると問題点としてあげた、罫線ずれなどの印字不良の原因となる。
【0045】
記録ヘッドは一般に各ノズルのインク供給に必要な時間、吐出に必要なヒート時間から決まる一定の周期で動され一つの周期ですべてのノズルが駆動される。この周期の繰り返しによって連続的に記録動作を行う。図4−3は1周期の記録動作におけるインク滴の着弾位置を示す図面である。記録ヘッドは1周期に20のカラムにわたって記録を行う。上記記録動作は640のノズルにより行われるため、1カラムあたり32のノズルで記録される。
【0046】
前述のように被記録媒体搬送方向からある角度傾けて装着されたヘッド上に直線上に配置されたノズルによって吐出されたインクが順次着弾し傾きのない印字結果を得ている。
【0047】
図4−4は1カラム、32ドット分を印字する様子を説明した図面である。本実施例の記録ヘッドは、図4−4に示すグループを20もちそれぞれは位置的に連続して配置される事で、640ノズルを構成する。
【0048】
カラムは1200dpiピッチ、吐出周波数は10kHzであるから32ヒートブロックを1周期100μsの時間で吐出動作を行う。このときキャリアの移動速度は8.33inch/secである。ヒートブロック1から順にヒートブロック32までタイムチャートに示すように順次駆動される。
【0049】
その結果、順次吐出されたインク滴は、図4−3に示すように各カラム毎に傾かずに着弾する。
【0050】
次に、本実施例の目的であるヘッドの傾きに対する電気的な補正方法についてさらに詳細に説明する。
【0051】
図1は前述のRAM33−2に構成された印字バッファの構成を実際の印字結果位置に照らし合わせて表したイメージ図である。図中左端にかかれた00hから13h及び上端にかかれた00hから14hの値は印字バッファのメモリ−アドレスを表す。それぞれの四角はメモリーのアクセス単位を示し、本実施例においては32ビットである。
【0052】
各領域とアドレスとの関係を一番上の左端の領域を1400h、一番下の右端の領域を0013hと表現するものとする。
【0053】
縦方向に20個、横方向に21個並んでいることから640ドットのデータが21カラムにわたって格納されていることを示している。説明のため図面に示したのは1色分の領域であるが、先に説明したように各色の記録ヘッドに対して同様の制御を行うために、実際には同様の領域を各色分すなわち4面の記憶領域を備える。
【0054】
図中の0100hから1413hにかかる斜線1−1は本実施例における記録ヘッドの傾きの正規位置をメモリー領域に対応させて示している。記録ヘッドはその傾きから1周期で20カラムにかかるデータを吐出する。
【0055】
そこで、ヘッド制御ブロック37はRAM33−2上のプリントバッファアドレス管理を行い、記録ヘッドに対して上端のノズルから順に01000h,02011,0302h,0403h…1312h,1413hとグレーに色を付けた部分のメモリー内容を転送する。これらのデータが先に説明した手順で駆動され図4−3の印字結果を得る。
【0056】
右端のメモリー領域0000hから縦に1列0013h迄はデータの書き込み用に準備したエリアである。
【0057】
上記のようにヘッドへのデータ転送のために20のエリアにまたがって読み出しを行っている間に、このエリアに対して書き込みを行う。データの読み出しは1周期毎に斜線1−aが平行移動して接する領域から順次行われる。
【0058】
上端の32ビットのデータを例にすると図1で0100hをアクセスした次の周期では0000hからデータを読み出す。その次の周期では1400hからデータを読み出す。
【0059】
このように全ての領域にわたって書き込み用の領域を挟んでリング状にメモリー領域を使用する。
【0060】
さて、同じく図1に示す斜線1−2は、ヘッドが正規位置からオフセットを持って取り付けられてしまった場合の例を示す。ここでは上端を基準にした場合に下端が4カラム分ずれていることを示している。
【0061】
補正値の設定はテスト印字の結果等からユーザにより操作パネル51より行われCPU31は設定された補正値をヘッド制御ブロック37にセットすることで読み出しアドレス管理内容が変更される。
【0062】
この場合ヘッドに転送するデータは、斜線1−2に接する領域から行うようアドレス管理を変更する。
【0063】
その結果、0100h,0201h,0302h,迄は正規のアドレスと同等であるが、その次には0303hのデータを読み出す。以下図に薄いグレーで色を付けた内容を読み出した上、ヘッドに転送する。
【0064】
(実施例2)
実施例の1では記録ヘッドにおける複数のノズルは直線上に配置されていた。そのため、複数のノズルを順次駆動した場合に該操作速度による偏差を吸収するために、記録ヘッド自体を機構的に傾けて搭載する必要がある。その結果、本案における傾き補正方法を実施しようとした場合、RAM33−2に構成する印字バッファを正規の状態においてもヘッドの傾きにかかるカラム分準備する必要があるという欠点があった。
【0065】
実施例の2では記録ヘッドの吐出口の配列を走査速度に応じて構成した点で実施例1と異なる。
【0066】
図7は実施例2における記録ヘッドの吐出口配列を説明する図面である。
【0067】
図面から明らかなように、吐出口は20のグループに分かれ、それぞれ走査速度に応じて斜めに配列してある。
【0068】
よって、記録ヘッド自身は、被記録媒体搬送方向にオフセットをもうける必要がなく垂直に構成される。
【0069】
図8は実施例2の印字バッファである。実施例1と同様の各エリアは32bitである。
【0070】
正規にセットされた印字ヘッドに対しては0100hから0113h迄のデータを読み出した上転送する。斜線8−1は4カラム分のヘッド傾きを表す。補正方法については実施例1と同様に斜線の通過する経路の長いエリアよりデータを読み出すことで行う。
【0071】
斜線8−2は記録ヘッドの傾きが反対方向であった場合を示す。この場合も同様に斜線の接する経路の長いエリアのデータを読み出すことで補正が可能である。
【0072】
(実施例2特有の効果)
このように、正規位置の印字バッファに加えて補正に必要な領域を用意すれば、正規位置からプラスの角度偏差及びマイナスの角度偏差の双方の補正が可能となる。
【0073】
【発明の効果】
図5にヘッドの取り付け傾き偏差に対して上記補正を行った場合の記録結果と、行わない場合の記録結果を1カラムに着目して表したものである。
【0074】
ここで、図5は図1−bで説明したように下端で4カラム分の偏差が生じた場合について図示する。
【0075】
図5−1は補正を行わなかった場合でヘッドの傾き偏差がそのまま記録結果に反映されてしまい、縦方向640ノズル分の巾で横方向に4カラム分の偏差を生じている。本実施例において1カラムは1200dpiピッチであるから約80.7μmの偏差となる
それに対して、図5−2は補正を行った場合の記録結果である。
【0076】
記録ヘッドが物理的に傾いているから。当然印字結果にも何らかの影響は現れる。しかしその偏差は4箇所に分散されている。その結果、各々の部分での絶対偏差は20.16μmとなる。
【0077】
以上説明したように本実施例においては、機構的に発生するヘッド傾きを電気的に補正し、記録結果におけるインク滴の着弾位置の絶対偏差を小さく抑えることが可能となる。その結果、偏差は視覚的に問題ないレベルに抑制され、良好な記録結果を得ることが可能となる。
【0078】
よって、大掛かりな傾き補正機構を設けることなく、高精細に高速で記録動作を行うことのできる画像記録装置を安価に提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】印字バッファの構成を印字バッファとメモリー領域に照らし合わせた解説図。
【図2】本実施例の電気構成ブロック図。
【図3】本実施例の記録装置の全体構成図。
【図4】記録ヘッドと被記録媒体との関係及び1周期の記録結果示す図面。
【図5】本実施例の効果を示す図面。
【図6】従来例における罫線ずれを示す図面。
【図7】実施例2の記録ヘッドノズル配列。
【図8】実施例2の印字バッファ。
Claims (3)
- 複数の吐出口を有し該複数の吐出口を吐出口の配列方向に複数のグループに分けた記録ヘッドを用い、該記録ヘッドから被記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、
記録ヘッドの吐出口に対応したデータを保持する第1のメモリと、
前記第1のメモリから読み出された後に間引き処理がなされたデータを保持するために記録ヘッドの走査方向に対する吐出口配列の所定の傾きに基づく複数カラム分の領域を備え、前記領域のうち1カラム分の領域を書込み用の書込領域として準備し、前記複数カラムを構成する各カラム位置の領域を各グループに対応するように区分されている第2のメモリと、
前記所定の傾きに対する補正情報を入力する入力部と、
前記第2のメモリについて、前記傾きと前記補正情報とに基づいたカラム範囲より各グループに対応する領域の選択を行う選択手段と、
記録ヘッドの駆動タイミングに同期して、前記選択手段にて選択された領域のデータを読み出して前記記録ヘッドへ転送する転送手段と、
記録ヘッドの駆動周期毎に、前記カラム範囲のカラム位置と前記書込領域のカラム位置とを変更する制御と複数カラム分の領域をリング状に使用する制御とを行う制御手段とを備えることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記グループに含まれる吐出口は、記録ヘッドの駆動周期内にて順に駆動することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- 前記第2のメモリはSRAMであり、前記制御手段と前記第2のメモリはゲートアレイに設けられていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
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