JP3088419B1 - 縦型加熱炉用円筒状ヒータ - Google Patents

縦型加熱炉用円筒状ヒータ

Info

Publication number
JP3088419B1
JP3088419B1 JP11177029A JP17702999A JP3088419B1 JP 3088419 B1 JP3088419 B1 JP 3088419B1 JP 11177029 A JP11177029 A JP 11177029A JP 17702999 A JP17702999 A JP 17702999A JP 3088419 B1 JP3088419 B1 JP 3088419B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heater
cylindrical
members
heating
heating furnace
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP11177029A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001006857A (ja
Inventor
文夫 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sukegawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Sukegawa Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sukegawa Electric Co Ltd filed Critical Sukegawa Electric Co Ltd
Priority to JP11177029A priority Critical patent/JP3088419B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3088419B1 publication Critical patent/JP3088419B1/ja
Publication of JP2001006857A publication Critical patent/JP2001006857A/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

【要約】 【課題】 加熱物28をその周囲から効率よく加熱する
ことができ、そのため昇温時間を短くすることができ、
これにより1サイクルの処理時間を短縮できると共に、
併せて消費電力の低減が可能な円筒状ヒータ。 【解決手段】 ヒータ部材31と同じ数の導体製の接続
ブロック32を互いに絶縁した状態で円状に配列し、ヒ
ータ部材31の一対の上端部を隣接する接続ブロック3
2に固定する。これにより、複数のヒータ部材31を円
周方向に間隔を置いて円筒状に配列すると共に、隣接す
るヒータ部材31の上端部を前記接続ブロック32を介
して電気的に接続する。これにより、複数のヒータ部材
31が閉じたサークル状に直列に接続される。離れた3
つの接続ブロック32に電極36を設け、三相電源から
円筒状ヒータ12に電力を供給する

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、縦に長い単体加熱
物または縦に積層された複数の複合加熱物を、その周囲
から加熱する縦型加熱炉に使用するのに好適な円筒形の
ヒータに関し、例えば、半導体ウエハを縦に積層した状
態で熱CVD処理を行うため、それら半導体ウエハを周
囲から均一に加熱することを目的とした縦型加熱炉用円
筒状ヒータに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造プロセスにおけるキーテクノ
ロジーは、高精度な熱コントロールである。大型集積回
路(超LSI)のますますの微細化と高速化、さらには
低コスト化が要求されるに伴って、超LSIの製造プロ
セスで形成される薄膜は、さらに薄く、高品位が要求さ
れようになっている。
【0003】半導体製造装置の中でも最も古くから主要
装置として使われてきているバッチ式熱拡散装置(縦型
拡散装置)においても、次のような特性条件が求められ
ている。 (オ)処理温度は800〜1100℃と高温、(カ)面
内温度分布が±3℃以下、(キ)処理温度が高いので重
金属汚染が一切ないこと、(ク)昇温降温速度100℃
/min以上が望めること、(ケ)エコロジーの観点か
ら省電力型でなければならないこと、
【0004】多数枚(100枚以上)の半導体ウエハを
一度に処理する拡散装置は、プロセス技術の発達の初期
段階においては、多数の半導体ウエハをボート上に縦向
きに並べる横型から発達した。しかし、半導体ウエハの
大口径化と、クリンルーム内に占める床面積を最小にす
るために途中から縦型拡散装置が多用されるようになっ
た。この縦型拡散装置は、ラック状のボートに半導体ウ
エハを5〜6mm間隔に積層し、その周囲からウエハを
加熱し、そこに反応ガスを導入し、熱CVDの手段で処
理するものである。
【0005】この縦型拡散装置は、アウターチューブと
称される石英または金属シリコンを含浸させた炭化ケイ
素焼結体の反応管の中に、ガス流路を形成するためもイ
ンナーチューブと称される周面に小さな穴を多数開けた
石英または炭化ケイ素焼結体のパイプを配置し、このイ
ンナーチューブの中にボートが配置される構造になって
いる。反応性ガスはアウターチューブとインナーチュー
ブの間の隙間を流れ、半導体ウエハ上にドーパンドが拡
散し、或いは熱−化学反応によって薄膜が形成される。
アウターチューブの外側は、一般に大気圧となってお
り、所定の温度を得るため、アウターチューブを囲むよ
うに配置された断熱材の内側に発熱線を配線した電気炉
が構成されている。
【0006】このような電気炉においては、ヒータが酸
素を含む大気中に置かれるので、耐酸化性の高い金属製
のが選ばれている。現在最も高温に耐えるヒータはドイ
ツのカンタル社製の発熱線である。この発熱線は、Cr
が22%、Alが5.5%、残部がFeの合金発熱線で
あり、その最高発熱温度は約1300℃である。炉全体
に必要とされる電力は、60〜80kWの大電力である
ため、線径4〜5mmのカンタル社製の発熱線を10〜
30mmのコイル状とし、これをファインセラミック製
の断熱材の内側に埋め込み、その一部を断熱材から露出
させて、1ブロック分のヒータとしている。
【0007】
【発明が解決しようとしている課題】前記の縦型拡散装
置において、アウターチューブを1000℃以上の温度
に加熱するためには、発熱線を1300℃近くまで発熱
させる必要があり、高温でヒータが断線しやすい。また
円筒形の炉壁に対して発熱線は線状であるため、円筒面
内の温度分布が一様になりなりにくい。さらには、ヒー
タの温度上限が1300℃に制限されるため、アウター
チューブの昇温速度は5〜10℃/minが限界とな
る。そのため、常温から処理可能な温度である1000
℃以上の温度に加熱するまでに時間がかかってしまい、
1処理サイクルの時間が長くなる。
【0008】本発明は、このような従来の縦型拡散装置
に使用されるヒータの課題に鑑み、加熱物をその周囲か
ら効率よく加熱することができ、そのため昇温時間を短
くすることができ、これにより1サイクルの処理時間を
短縮できると共に、併せて消費電力の低減が可能な縦型
加熱炉用円筒状ヒータを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明では、前記の目的
を達成するため、加熱物28を囲むように真空空間3を
形成し、この真空空間3内に円筒状ヒータ12を設け
る。円筒状ヒータ12は、U字状に連なった板状のグラ
ファイトからなる長尺板状のヒータ部材31とグラファ
イトからなる接続ブロック32とを使用した円筒状ヒー
タ12と、その端面側に配置した円板状ヒータ13とに
より構成する。接続ブロック32を円周状に互いに絶縁
した状態で配列し、複数のヒータ部材31の一対の上端
を隣接する接続ブロック32に固定する。これにより、
複数のヒータ部材31を円筒形に配置すると共に、複数
のヒータ部材31を閉じたサークル状に直列接続する。
さらに、ヒータブロック32の3点で三相電源を接続
し、ヒータ部材31に電力を供給するものである。
【0010】本発明による縦型加熱炉内で加熱物28を
加熱するヒータは、長尺板状のU字形に連なった複数の
ヒータ部材31が円周方向に間隔を置いて、前記加熱物
28の周囲を囲むように円筒状に配列されると共に、隣
接するヒータ部材31の端部が互いに接続されることに
より、それら複数のヒータ部材31が閉じたサークル状
に直列に接続されている円筒状ヒータ12と、隣接する
前記ヒータ部材31が接続されているそれらの端部側に
あって、前記加熱物28に対向するよう配置された円板
状ヒータ13とを有するものである。このような円筒状
ヒータ12を真空空間に配置する場合、ヒータ部材31
としてグラファイトからなるものを使用できる。
【0011】このような円筒状ヒータ12のような円筒
状面発熱ヒータでは、円周方向の温度のばらつきが±
0.3℃以下という均熱性が得られる。そして、面発熱
で高電気抵抗を有するヒータ部材31を得るには、極め
て薄いヒータ部材31としなければならない。この点に
ついて、ヒータ部材31を上から下に吊り下げるように
して円筒状に配置することにより、ごく薄いヒータ部材
31でも容易に円筒形に配置することができる。
【0012】より具体的な円筒状ヒータの構造として
は、ヒータ部材31と同じ数の導体製の接続ブロック3
2を互いに絶縁した状態で円状に配列し、ヒータ部材3
1の一対の上端部を隣接する接続ブロック32に固定す
る。これにより、複数のヒータ部材31を円周方向に間
隔を置いて円筒状に配列すると共に、隣接するヒータ部
材31の上端部を前記接続ブロック32を介して電気的
に接続する。円筒状ヒータを真空空間に配置する場合、
ヒータ部材31と同様に、接続ブロック32としてグラ
ファイトからなるものを使用することができる。
【0013】このような構造を採用することにより、グ
ラファイトヒータの成形体からなる板状のヒータ部材3
1を円筒形に容易に配列することができると共に、それ
らを閉じたサークル状に接続することができる。そし
て、このヒータ部材31を接続する離れた3つの接続ブ
ロック32に電極36を設けることにより、トライアン
グル状の三相結線ヒータを構成することができ、安価な
商用三相電源から円筒状ヒータ12に電力を供給するこ
とが可能となる。
【0014】このような円筒状ヒータ12の構造におい
ては、前記ヒータ部材31、31のそれらが接続された
側の端部と反対側の端部側の一部をトリミングすること
により、部分的な電気抵抗を調整することができる。す
なわち、ヒータ部材31、31のトリミングされた部分
では、トリミングされていない部分より電気の流れに対
して直交する断面の面積が小さくなるため、電気抵抗が
大きくなり、発熱量が増大する。他方、これらのヒータ
部材31、31のそれらが接続された端部側に円板状ヒ
ータ13を配置し、加熱物28に対向させることによ
り、ヒータ部材31、31のトリミングされた反対側の
端部側でも、温度分布の調整が可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照しながら、本発
明の実施の形態について、具体的且つ詳細に説明する。
まず、図1により、本発明による円筒状ヒータが使用さ
れる縦型加熱炉について説明する。図1では、ラック状
のボート27に円板形の半導体ウエハである加熱物28
を装填し、この加熱物28を上下に間隔をあけて並べて
保持した状態で熱CVD処理する縦型加熱炉の全体を示
している。
【0016】前記のボート27は、円盤状の耐熱部材か
らなるベース板1に取り付けたエレベータ23に取り付
けられ、ベース板1の上方で上下動される。べース板1
からは円筒形のインナーチューブ8が立設され、このイ
ンナーチューブ8が前記ボート27に搭載された加熱物
28をその周囲から囲む。このインナーチューブ8は、
石英または金属シリコンを含浸させた炭化ケイ素焼結体
等の化学的、熱的に安定した材料で形成されている。こ
のインナーチューブ8の周壁には多数の通孔が開設さ
れ、インナーチューブ8の上端は開口している。
【0017】ベース板1は、その上面外周部分がリング
状の耐熱部材からなる継手2に気密に接合されており、
この継手2には、円筒形の真空容器4の下部周壁5の下
端部が気密に接合されている。すなわち、真空容器4の
下部周壁5の下端部が前記継手2を介して気密に取り付
けた前記ベース板1によって閉じられている。
【0018】真空容器4は、下部周壁5と上部周壁6と
を有し、これら円筒形の下部周壁5と上部周壁6とがフ
ランジ継手7を介して気密に接合され、全体として円筒
形の周壁が構成されている。さらに、真空容器4は、円
板状の蓋体16を有し、この蓋体16が前記上部周壁6
の上端を気密に閉じる。下部周壁5と上部周壁6、その
下端を閉じるベース板1及び上端を閉じる蓋体16によ
り、真空容器4は気密な圧力容器として構成されてい
る。
【0019】真空容器4の外面には、冷却パイプ20が
取り付けられ、この冷却パイプ20に流通する水、その
他の冷却液により、真空容器4が冷却されるようになっ
ている。真空容器4の下部周壁5には、真空バルブ22
を介して真空ポンプ21が接続されている。また、真空
容器4の蓋体16には、ガス導入口18が接続され、こ
のガス導入口18はマスフローコントローラ19を介し
てガス供給源(図示せず)に接続されている。
【0020】真空容器4の内面、具体的には真空容器4
の下部周壁5、上部周壁6及び蓋体16の内側にグラフ
ァイト製等の断熱材10が挿入されている。この断熱材
10は、真空容器4の内側に赤外線を反射する反射部材
に代えることができ、また断熱材10の内面に反射面を
形成してもよい。
【0021】真空容器4の下部周壁5の下端に内側に張
り出したフランジを有し、このフランジと前記継手2の
内側に張り出したフランジとの間に、アウターチューブ
9の下端部から外側に張り出したフランジが気密に挟持
され、これによってアウターチューブ9が真空容器4の
内部に立設されている。また、ベース板1と継手2は水
路(図示せず)を有し、その流水によって冷却される。
このアウターチューブ9は、インナーチューブ8と同様
に石英または金属シリコンを含浸させた炭化ケイ素焼結
体等の化学的、熱的に安定した材料で形成されている。
【0022】アウターチューブ9は上端を閉じた円筒形
を呈し、その下端部のフランジは、真空容器4の下部周
壁5と継手2との間に気密に挟持されているため、この
アウターチューブ9は、前記インナーチューブ8の周囲
を気密に囲み、その内側に気密な空間を形成している。
また、このアウターチューブ9の外側は、真空容器4と
共に気密な空間3を形成しており、前記真空ポンプ21
を稼働してこの空間3からガス分子を排除することによ
り、アウターチューブ9と真空容器4との間に真空空間
3を形成することができる。この真空空間3は、アウタ
ーチューブ9の周囲と上面を囲んでいる。
【0023】この真空空間3の断熱材10の内側には、
前記のアウターチューブ9を囲んでヒータ12、13が
配置されている。アウターチューブ9の周囲には、円筒
状ヒータ12が配置され、この円筒状ヒータ12は、ア
ウターチューブ9の周囲を円筒状に囲んでいる。後述す
るように、この円筒状ヒータ12の3本の端子26を絶
縁した状態で真空容器4の外に取り出し、電源に接続す
る。
【0024】また、アウターチューブ9の上端面には、
円板状ヒータ13が対向している。この円板状ヒータ1
3の端子56を絶縁状態で真空容器4の外に取り出し、
電源に接続する。前記ベース板1には、インナーチュー
ブ8とアウターチューブ9との間の空間に反応ガスを導
入する反応ガス導入口24と、インナーチューブ8の内
側の空間から反応ガスを排出する反応ガス排出口25と
が設けられている。
【0025】このような構造を有する縦型加熱炉では、
真空空間3に配置された円筒状ヒータ12と円板状ヒー
タ13とでアウターチューブ9をその周囲から加熱し、
加熱物28を加熱処理するとき、アウターチューブ9の
周囲が真空断熱層となる真空空間3で囲まれているの
で、高い断熱性が得られる。これにより、円筒状ヒータ
12と円板状ヒータ13によるアウターチューブ9の加
熱を効率よく行うことができ、アウターチューブ9内の
昇温速度を速く、且つ加熱物の円周方向の温度の均熱性
を保って加熱することが可能となる。
【0026】また、ヒータ12、13が真空空間3に配
置されているので、ヒータ12、13の高温下での酸化
によるヒータ12、13の早期の断線等が起こりにくく
なる。むしろ、酸化を考慮せずに任意のヒータ12、1
3を選択することができ、前述のようなグラファイトか
らなるヒータ12、13を使用することができる。
【0027】さらに、加熱物28の加熱処理が終わり、
ヒータ12、13の発熱を停止したとき、前記ガス導入
口18から真空空間3にガスを導入することにより、ア
ウターチューブ9内をその周囲から強制冷却することも
できる。これにより、加熱処理後のアウターチューブ9
内の降温速度を早くすることができ、アウターチューブ
9内を短時間で常温に戻すことができる。
【0028】冷却ガスは真空ポンプ21で排気しなが
ら、常に冷えた冷却ガスを導入する。真空空間3内の温
度が高いときは、冷却ガスとして窒素ガスやアルゴンガ
ス等の不活性ガスを使用する。そして、真空空間3内の
温度が或る程度下がったときに、冷却ガスとして空気を
使用するようにすれば、真空容器4の酸化やヒータ1
2、13の焼失等が起こらない。
【0029】図2に、アウターチューブ9の周囲を囲む
本発明による円筒状ヒータ12の例を示す。この円筒状
ヒータ12は、長尺な板状のヒータ部材31、このヒー
タ部材31の上端を接続するための接続ブロック32、
この接続ブロック32を放射状に固定するための固定リ
ング33及び一部の接続ブロック32に取り付けられる
棒状の端子36とを有する。図示の例では、ヒータ部材
31と接続ブロック32とが12個ずつ使用され、端子
36が3本使用されている。ヒータ部材31と接続ブロ
ック32の数は、ヒータ12の全体としての径の大きさ
等に応じて任意に設定できる。
【0030】固定リング33は、Al23、BN、Si
34等の耐熱性絶縁セラミックからなるリング状のもの
である。グラファイトやセラミック等で作られたネジ3
5により、固定リング33の外周側に12個の接続ブロ
ック32を等角度間隔で放射状に固定するもので、その
ためのネジ孔を有している。
【0031】接続ブロック32は、後述するヒータ部材
31と同材質のグラファイトからなるもので、図3に示
すように、個々の接続ブロック32は、平面形状が5角
形を呈している。その幅は、円を12等分した幅よりや
や狭い。この接続ブロック32の基端側の上面は一段低
くなっており、そこにはネジ孔40が設けられている。
さらに、先端面は、対象な2つの面が150゜の角度で
交差しておりそれら2つの先端面には、ネジ孔39が設
けられている。
【0032】接続ブロック32の少なくとも3個には、
その基端側より一段高くなった先端側の上面に、電極3
6の下端を固定するためのネジ孔38が設けられてい
る。また、図2に示すように、接続ブロック32の少な
くとも3個には、前記のネジ孔38に代えて、電極36
より径の大きな通孔46が設けられている。
【0033】図2及び図3に示すように、ヒータ部材3
1は、上端から下端近くまで中央にスリット42を設け
た長尺なグラファイト板からなっている。すなわち、こ
のヒータ部材31は、上端から下端近くまでスリット4
2を入れ、事実上U字形に連なった長尺板状のグラファ
イト板である。その上端には、ネジを通す通孔41が設
けられている。
【0034】図2に示すように、接続ブロック32は、
固定リング33の外周側に等角度間隔で配列され、この
状態で接続ブロック32の上面が一段低くなった基端側
が固定リング33のネジ孔に通したグラファイト製のネ
ジ35で固定される。このネジ35は、図3に示した接
続ブロック32の前記ネジ孔40に締め込まれる。この
状態では、接続ブロック32が円周方向に間隔を置いた
状態で固定リング33の外周に放射状に配列される。
【0035】なお、電極36を取り付けるためのネジ孔
38を有する接続ブロック32が3つおきに配置され
る。そしてこれらの接続ブロック32のネジ孔38に電
極36の下端のネジ37をねじ込み、電極36を固定す
る。また、通孔46を有する接続ブロック32も3つお
きに配置され、ネジ孔38を有する接続ブロック32と
通孔46を有する接続ブロック32との間に1つずつの
接続ブロック32が配置される。
【0036】接続ブロック32の先端面には、前記ヒー
タ部材31の上端を固定し、隣接するヒータ部材31を
接続ブロック32を介して順次接続する。すなわち、ヒ
ータ部材31のスリット42の両側の一対の上端を隣接
する接続ブロック32の先端面に当て、ヒータ部材31
の上端の通孔41(図3参照)にネジ34を通し、これ
を接続ブロック32の先端面のネジ孔39(図3参照)
にねじ込んで締め込む。このようにして、12本のヒー
タ部材31の一対の上端を隣接する接続ブロック32の
先端面にそれぞれ固定し、これらヒータ部材31を円筒
状に配列すると共に、これらヒータ部材31を接続ブロ
ック32を介して閉じたループ状に直列に接続する。
【0037】このようにして組み立てられたヒータ12
は、図1に示すようにして真空容器4とアウターチュー
ブ9との間に挿入され、真空空間3に配置される。電極
36は、真空容器4の蓋体26から絶縁部材を介して真
空容器4の外部に気密に引き出し、電源に接続する。互
いに離れた3つの接続部材32に前記の電極36を、を
設けることにより、閉じたループ状に接続されたヒータ
部材31の3カ所設けた電極36を介して電源を接続す
ることになる。これにより、トライアングル状の三相結
線ヒータを構成することができ、三相電源からヒータに
電力を供給することが可能となる。
【0038】図4は、前述のようなヒータ12に使用さ
れるヒータ部材31の例を示すものである。図4(a)
は、図1及び図2により前述したヒータ部材31であ
り、その断面形状は、上下両端を除いて全体に等しい。
この図4(a)のヒータ部材31を標準的なものとする
と、図4(b)〜(d)は、ヒータ部材31の下端をト
リミングし、その断面積を一部小さくしている。
【0039】図4(b)は、ヒータ部材31の下端側の
両側をトリミングして切欠43を設け、これによりヒー
タ部材31の下端側の断面積を一部小さくしている。図
4(c)は、ヒータ部材31の下端側の両側に孔44を
設け、これによりヒータ部材31の下端側の断面積を一
部小さくしている。さらに、図4(d)は、ヒータ部材
31の下端側を厚さ方向にトリミングして削除部45設
け、これによりヒータ部材31の下端側の断面積を一部
小さくしている。何れの場合も、ヒータ部材31の下端
側の断面積が一部小さくなることにより、単位面積当た
りの電流密度がその分だけ大きくなり、電気抵抗が増大
し、ヒータ部材31の下端部の発熱量を増大させること
ができる。
【0040】図5は、図1に示すような縦型加熱炉の試
験機を使用し、加熱試験を行った結果であり、加熱時に
おける円筒状ヒータ12の中心軸上の温度分布を測定し
た結果を示している。真空容器3はAl製とし、その高
さは1204mm、直径500mmとした。円筒状ヒー
タ12は、高さ1002mm、幅85.2mm、スリッ
ト幅8mm、厚さ5mmのグラファイト製長尺板状の1
2枚のヒータ部材31を、直径360mmの円筒形配列
とした。
【0041】加熱物28としては、高さ860mm、直
径266mmのSiC製のインナーチューブ8の中のボ
ート27に8インチのシリコンウエハを100枚装填し
た。ここでは、加熱物である半導体ウエハのボート上の
装填ピッチを6.35mmとし、温度測定位置をその半
導体ウエハの位置(ボートの段数)で表してある。1段
目が最上位である。真空空間3を1×10-46Paに減
圧した状態で、前記円筒状ヒータ12、円板状ヒータ1
3に電流380〜390A、電圧75V、電力50kW
の三相交流を流し、加熱試験を行っている。
【0042】所定の温度に位置すべき領域の最下段位置
(目標均熱最下段位置)を上から80段目までとし、ヒ
ータ12、13の加熱温度調整は、最上段(上面温調位
置)と、前記目標均熱最下段位置のほぼ中間位置(側面
温調位置=48段)との2点で行った。
【0043】白印が円筒状ヒータ12と円板状ヒータ1
3の双方に電力を供給して発熱させた結果であり、黒印
が側面(周面)の円筒状ヒータ12のみに電力を供給し
て発熱させた結果である。何れも、合計で毎時3kW、
4.2kW、5.4kW、6.5kWの電力を供給し、
加熱開始から10分以上経過し、温度が定常状態に達し
たときの測定結果を示す。
【0044】また図6は、円筒状ヒータ12のみに7k
Wの電力を供給し、加熱開始から10分以上経過し、温
度が定常状態に達したときの温度測定結果を示す。この
グラフは、図5に比べて縦軸の温度を拡大して示してあ
る。これら図5及び図6に示すように、段数100段ま
での温度分布を見ると、円筒状ヒータ12のみを発熱さ
せた場合、温度分布は、縦軸の温度分布をy、横軸のウ
エハ段数1〜100段をθとした場合θが約0〜180
゜の範囲の正弦曲線に近似する。また、円筒状ヒータ1
2と円板状ヒータ13の双方を発熱させ、両ヒーター1
2、13が共に900℃になるよう温度を調節した場合
は、温度分布は、縦軸の温度分布をy、横軸のウエハ段
数1〜100段をθとした場合、θが約0〜180゜の
範囲の余弦曲線に近似し、1段目がθ=0となる。
【0045】この結果例えば、図4に示すようなトリミ
ング手段により、ヒータ部材31の電流の流れと垂直な
断面Aを温度分布に対応した正弦曲線や余弦曲線とする
ことにより、加熱物を加熱するエリアの温度分布を一定
にすることができることになる。
【0046】図7は図4(d)に示すように、5mm板
厚のグラファイト製のヒータ部材31の先端部を2mm
までトリミングしたものを使用した円筒状ヒータ12
と、図4(a)に示すようなトリミングしていないヒー
タ部材31を使用した円筒状ヒータ12とについて、加
熱温度分布を比較したグラフである。
【0047】トリミングされたヒータ部材31は、上か
らウエハの80枚目に対応する位置まで5mmの厚さで
あり、80枚以降に対応するヒータ部材31の厚さは2
mmまで薄くしてある。トリミングされていない均一な
5mmの厚さのヒータ部材31を使用した場合、余弦曲
線のθ=0がウエハの1枚目であるのに対して、5mm
−2mmにトリミングしたヒータ部材31の場合、その
余弦曲線のθ=0は、ウエハの70枚目までシフトした
曲線になっている。すなわち約70枚目までは均一加熱
が達成されたことになる。
【0048】このときトリミングされたヒータ部材31
でも、トリミングされていないヒータ部材31でも、9
00℃を維持するために必要な電力は上面の円板状ヒー
タ13が2kW、周囲の円筒状ヒータ12が5kWでそ
のトータル7kWは同じである。すなわち、トリミング
された部分の電気抵抗が上がり、ここの部分の発熱量が
増すために、余弦曲線がシフトしていることを意味して
いる。従って、トリミング比を5:2以上に増すことに
よって、またその位置を右側にシフトし、余弦曲線のθ
=0の位置を80枚以上に延ばせることになる。
【0049】また図7に示した加熱平衡状態において、
同一ウエハ内の12点の温度計測点の温度のバラツキ
は、ウエハの7段目から67段目のすべてにおいて±
0.3℃に治まっており、本発明の効異が発揮されてい
ることがわかる。これはとりもなおさず、板状のグラフ
ァイト製のヒータ部材31が円筒状に複数配置された円
筒状面発熱体の中心軸上に加熱物が配置された効果であ
る。
【0050】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明による縦型加
熱炉用円筒状ヒータでは、加熱効率のより板状のヒータ
部材31を円筒形に配列して円筒形のヒータを構成して
いるので、短時間でアウターチューブを高温に加熱でき
る。これにより、1サイクルの処理時間を短縮できると
共に、消費電力の低減が可能な縦型加熱炉を容易に構成
できる。
【0051】さらに、互いに絶縁した状態でヒータ部材
31と同じ数の導体製の接続ブロック32を円状に配列
し、隣接するヒータ部材31の一対の上端部を前記の接
続ブロック32に固定することにより、板状のヒータ部
材31を円筒形に容易に配列することができると共に、
接続ブロック32を介して、ヒータ部材31を閉じたサ
ークル状に接続することができる。
【0052】また、このヒータ部材31を接続する離れ
た3つの接続ブロック32に電極36を設けることによ
り、三相電源からヒータ12に電力を供給することが可
能となる。さらに、本発明による円筒状ヒータでは、前
記ヒータ部材31、31のそれらが接続された側の端部
と反対側の端部側の一部をトリミングすることにより、
部分的な電気抵抗を調整することができ、その中心軸方
向に所望の温度分布を容易に形成できる円筒状ヒータを
得ることが可能となる。また、これらのヒータ部材3
1、31の他方の端部側に円板状ヒータ13を配置する
ことにより、ヒータ部材31、31のトリミングされた
反対側の端部側でも、温度分布の調整が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による縦型加熱炉の例を示す概略縦断側
面図である。
【図2】同縦型加熱炉に使用される円筒形ヒータの一例
を示す斜視図である。
【図3】同円筒形ヒータの一部の構成部材を示す分解斜
視図である。
【図4】同円筒形ヒータに使用される板状のヒータ部材
の各例を示す斜視図である。
【図5】前記縦型加熱炉の例により加熱試験を行った結
果として半導体ウエハの装填位置と温度分布との関係を
示すグラフである。
【図6】前記縦型加熱炉の例により加熱試験を行った結
果として半導体ウエハの装填位置と温度分布との関係を
示すグラフである。
【図7】本発明による縦型加熱装置において、トリミン
グされたヒータ部材を使用した円筒状ヒータとトリミン
グされてないヒータ部材を使用した円筒状ヒータとの加
熱比較試験を行った結果として半導体ウエハの装填位置
と温度分布との関係を示すグラフである。
【符号の説明】12 円筒状ヒータ 13 円板状ヒータ 28 加熱物 31 ヒータ部材 12 円筒状ヒータ 32 接続ブロック 36 電極
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−166195(JP,A) 特開 昭58−89790(JP,A) 特開 昭48−33440(JP,A) 特開 平6−96844(JP,A) 特開 平7−106261(JP,A) 特開 平7−161725(JP,A) 特開 平11−102915(JP,A) 実開 昭52−115944(JP,U) 実開 昭56−106398(JP,U) 実開 昭62−198497(JP,U) 特公 昭49−37062(JP,B1) 実公 昭46−15576(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05B 3/64

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縦型加熱炉内で加熱物(28)を加熱す
    ヒータであって、長尺板状のU字形に連なった複数の
    ヒータ部材(31)が円周方向に間隔を置いて、前記加
    熱物(28)の周囲を囲むように円筒状に配列されると
    共に、隣接するヒータ部材(31)の端部が互いに接続
    されることにより、それら複数のヒータ部材(31)が
    閉じたサークル状に直列に接続されている円筒状ヒータ
    (12)と、隣接する前記ヒータ部材(31)が接続さ
    れているそれらの端部側にあって、前記加熱物(28)
    に対向するよう配置された円板状ヒータ(13)とを有
    することを特徴とする縦型加熱炉用円筒状ヒータ。
  2. 【請求項2】 前記ヒータ部材(31)はグラファイト
    からなることを特徴とする請求項1に記載の縦型加熱炉
    用円筒状ヒータ。
  3. 【請求項3】 前記長尺板状のU字形に連なったヒータ
    部材(31)が上から吊り下げられた状態で円周方向に
    並べて複数本配置されていることを特徴とする請求項1
    または2に記載の縦型加熱装置。
  4. 【請求項4】 ヒータ部材(31)と同じ数の導体製の
    接続ブロック(32)を互いに絶縁した状態で円状に配
    列し、ヒータ部材(31)の一対の上端部を隣接する接
    続ブロック(32)に固定することにより、複数のヒー
    タ部材(31)を円周方向に間隔を置いて円筒状に配列
    すると共に、隣接するヒータ部材(31)の上端部を前
    記接続ブロック(32)を介して電気的に接続したこと
    を特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の縦型加熱炉
    用円筒状ヒータ。
  5. 【請求項5】 前記接続ブロック(32)はグラファイ
    トからなることを特徴とする請求項4に記載の縦型加熱
    炉用円筒状ヒータ。
  6. 【請求項6】 互いに離れた3つ接続ブロック(32)
    が電極(36)を介して三相結線されていることを特徴
    とする請求項4または5に記載の縦型加熱炉用円筒状ヒ
    ータ。
  7. 【請求項7】 前記ヒータ部材(31)は、それらが接
    続された側の端部と反対側の端部側の一部をトリミング
    して部分的な電気抵抗が調整されていることを特徴とす
    る請求項1〜6の何れかに記載の縦型加熱炉用円筒状ヒ
    ータ。
JP11177029A 1999-06-23 1999-06-23 縦型加熱炉用円筒状ヒータ Expired - Fee Related JP3088419B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11177029A JP3088419B1 (ja) 1999-06-23 1999-06-23 縦型加熱炉用円筒状ヒータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11177029A JP3088419B1 (ja) 1999-06-23 1999-06-23 縦型加熱炉用円筒状ヒータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP3088419B1 true JP3088419B1 (ja) 2000-09-18
JP2001006857A JP2001006857A (ja) 2001-01-12

Family

ID=16023911

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11177029A Expired - Fee Related JP3088419B1 (ja) 1999-06-23 1999-06-23 縦型加熱炉用円筒状ヒータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3088419B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108106413A (zh) * 2018-01-19 2018-06-01 苏州楚翰真空科技有限公司 一种立式高温烧结炉

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108106413A (zh) * 2018-01-19 2018-06-01 苏州楚翰真空科技有限公司 一种立式高温烧结炉

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001006857A (ja) 2001-01-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7311520B2 (en) Heat treatment apparatus
JP5183058B2 (ja) 急速温度勾配コントロールによる基板処理
JP2619862B2 (ja) プラズマ増強化学蒸着のためのプラズマ装置
CN1555424B (zh) 用于控制薄膜均匀性的工艺及由此制造的产品
TW584920B (en) Heat treatment device and heat treatment method
TW200845222A (en) Temperature measurement and control of wafer support in thermal processing chamber
US20110181313A1 (en) Evaluation device and evaluation method for substrate mounting apparatus and evaluation substrate used for the same
JP3206566B2 (ja) 熱処理装置及び熱処理方法
US7358200B2 (en) Gas-assisted rapid thermal processing
KR20100113494A (ko) 배치대 장치, 처리 장치 및 온도 제어 방법
JP3100376B1 (ja) 縦型加熱装置
JP2781616B2 (ja) 半導体ウエハの熱処理装置
JP3170573B2 (ja) 縦型加熱炉用円板状ヒータ
JP3088419B1 (ja) 縦型加熱炉用円筒状ヒータ
JP4671142B2 (ja) 半導体ウエハの処理装置、温度測定用プローブ及びその温度測定方法
JP2786571B2 (ja) 半導体ウエハー加熱装置
JP3263383B2 (ja) 縦型加熱装置
JP2953744B2 (ja) 熱処理装置
JP3131205B1 (ja) 縦型加熱装置
JP3330570B2 (ja) 模擬測温板及び縦型加熱炉用温度測定装置
JP4467730B2 (ja) 基板加熱装置
JPH04318923A (ja) 加熱装置
JP3112672B1 (ja) 縦型加熱装置
JPH08191049A (ja) 半導体製造装置
TWI278528B (en) Reduced maintenance chemical oxide removal (COR) processing system

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090714

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120714

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130714

Year of fee payment: 13

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees