JP3087919U - 電子時計の補正回路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子時計の時間計数の誤差を簡単に補正で
き、時間表示の精度を向上させた電子時計の補正回路を
提供する。 【解決手段】 電子時計に設けられた電気回路部におい
て、標準時間の振動数より水晶振動子の振動数を少し早
めた発振周波数を設定する（Ｓ１）。この発振周波数に
よって、標準時間と比べると、ある時間帯の経過におい
て電子時計の時計計数が何秒か早くなる。外部装置の周
波数測定器によって、電子時計の発振周波数の測定検出
を可能にセット（Ｓ２）。外部装置で正確な電子時計の
発振周波数の周波数測定を行い（Ｓ３）、標準時間の発
振周波数と測定によって検出の発振周波数との誤差を求
める（Ｓ４）。検出した誤差から電子時計の補正回路部
への設定指示を作成して送信する（Ｓ５）。補正回路部
において、設定指示に基づく時間計数補正を周期的に行
い（Ｓ６）、正確な時間表示をすることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、アナログの針式表示またはデジタルの文字式表示により時計表示を 行う電子時計に用いられ、水晶振動子の振動数により時間計数する電気回路の出 力信号の補正を行う電子時計の補正回路に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の電子時計に用いられる水晶振動子の振動数に基づき時間計数を行う電気 回路、いわゆるクォーツムーブメントは、３２７６８Ｈｚの水晶（石英）を使用 して製造される。この水晶振動子の利点は、電力の消耗が少なく安定した振動数 を得られること、また部品コストが低くく多量に生産することができることから 広く用いられている。

【０００３】 図４は従来の電子時計の概略構成を示すブロック図であり、電子時計１の電気 回路部２の水晶発振器２ａにより発振した発振周波数に基づき制御部２ｂで制御 された出力信号によって、ステッピングモータ５ａが駆動されて時間表示部５ｂ の針式表示によって時間表示を行う。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、水晶振動子を用いる電気回路においては、使用される回路素子 の水晶，発振キャパシタンスおよび回路内部のキャパシタンス等の精度の影響を 受け、また、製造されるクォーツムーブメントのサイズ、消費電力およびコスト の制限から時間計数の精度は±２０秒／月になっている。このため、前述のクォ ーツムーブメントを用いる電子時計においても同様の精度となる。

【０００５】 また、クォーツムーブメントの時間計数を補正し、正確な時間計数をするため に、電気回路の調整を行うことは、電気回路の水晶発振器からの発振周波数を受 ける制御用のコントロールＩＣによる再調整を必要としており、条件によっては コントロールＩＣの交換をしなければならないという課題があった。

【０００６】 本考案の目的は、電子時計に用いられるクォーツムーブメントにおいて、時間 計数の誤差を簡単に補正でき、時間表示の精度を向上させた電子時計の補正回路 を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案の電子時計の補正回路は、アナログ針式またはデジタル文字式により時 計表示する電子時計であって、標準時間の振動数より早くした水晶振動子の振動 数により時間計数する電気回路と、電気回路の出力信号を補正処理する補正手段 と、補正手段の出力信号に基づく時間表示を、アナログの針式表示により時間表 示する針部、および針部を駆動する駆動部からなる、または、デジタルの文字式 表示により時間表示する文字表示部、および文字表示部に表示文字の信号を出力 する表示信号発生部からなる表示手段と、外部装置からの補正手段が行う補正処 理の設定指示を受信する通信手段とを備え、通信手段を介して外部装置から指示 された設定に基づき、補正手段が任意に設定された一定時間間隔で電気回路から 表示手段への出力信号を一時中断することにより、前記目的を実現する。

【０００８】 また、前記通信手段が受信する設定指示を、外部装置によって電気回路の振動 数を検出し標準時間の振動数との比較により求めた補正値に基づいて作成したこ とにより、前記目的を実現させる。

【０００９】 そして、前記構成によって、電子時計の時間表示、時間計数を行う電気回路は 従来の構成部材を利用でき、さらに、水晶振動子の振動数を標準時間の振動数よ り早めて時間計数を行う電気回路の出力信号を補正手段により一時中断するだけ で、時間計数における誤差の補正をより簡単に行うことができ、電子時計の精度 を保つことができる。

【００１０】

【考案の実施の形態】 以下、本考案の実施の形態を図面を参照して説明する。

【００１１】 図１は本考案の実施の形態を説明するための電子時計の概略構成を示すブロッ ク図である。図１において、１は電子時計、２は水晶振動子を用いた水晶発振器 ２ａおよび制御部２ｂからなり時間計数を行う電気回路部、３は電気回路部２か らの出力信号を外部装置１１からの設定指示に基づき補正する補正回路部、４は 、外部装置１１への発振周波数を送信、また電子時計１への設定指示を受信する 通信部、５は、補正回路部３により補正された出力信号に基づいて、ステッピン グモータ５ａにより駆動されアナログの針式時間表示をする時間表示部５ｂから なる表示部、６はバッテリー等を用いる電源部、１３は外部装置１１の制御を行 う制御部、１２は電子時計１の発振周波数を測定する周波数測定部、１４は電子 時計１の通信部４と信号授受を行う通信部、１５は電子時計１への設定指示とな る標準時間と周波数測定部１２で検出した発振周波数との演算誤差を求める演算 処理部である。

【００１２】 図２は本実施の形態である電子時計の補正動作を示すフローチャートであり、 図２に基づき図１を参照しながら説明する。

【００１３】 まず、電子時計１に設けられた電気回路部２の水晶発振器２ａにおいて、標準 時間の振動数より水晶振動子の振動数を少し早めた発振周波数を出力するように 設定する（Ｓ１）。この発振周波数によって、標準時間と比べると、ある時間帯 の経過において電子時計の時計計数が何秒か早くなる。

【００１４】 外部装置１１の周波数測定器１２によって、電子時計１の発振周波数を測定検 出するために、外部装置１１と電子時計１の通信部１４，４により信号授受を可 能なようにセットする（Ｓ２）。この外部装置１１の周波数測定器１２は高精度 な機能を有し、どのように不正確であるかを見出すために正確な電子時計１の発 振周波数の周波数測定を行って（Ｓ３）、標準時間の発振周波数と周波数測定器 １２によって検出した電子時計１の発振周波数との誤差を求める（Ｓ４）。

【００１５】 電子時計１から発振周波数を出力させるため、例えば、外部装置１１からの設 定指示により、電気回路部２の水晶発振器２ａの発振周波数を通信部４を介して 出力するように補正回路部３の一部を経て出力するようにしても良い。

【００１６】 検出した発振周波数の誤差から電子時計１の補正回路部３への時間計数を補正 する設定指示を作成し通信部１４，４を介して送信する（Ｓ５）。この設定指示 として、例えば、周波数測定部１２において、測定された発振周波数から電子時 計１の電気回路部２の時間計数の誤差が＋６０秒／月（３０日）であると測定し た場合、補正回路部３を介して電気回路部２からのステッピングモータ５ａを駆 動する出力信号を１２時間毎に１秒間中断する。これにより、毎月（３０日間） ＋６０秒の誤差を補正することができる。このように、補正回路部３において、 設定指示に基づく電子時計１の時間計数の補正を周期的に行うことにより（Ｓ６ ）、正確な時間表示をすることができる。

【００１７】 またさらに、前述の例において、補正回路部３における出力信号の一時中断を ７．２分毎に０．０１秒中断するように設定しても良く、この場合には回路構成 が複雑となるが、より正確な時間表示をすることができる。

【００１８】 また、前述の実施の形態における表示部５に、図１にはアナログの針式表示を 行うステッピングモータ５ａ、針式表示の時間表示部５ｂの例として説明したが 、ステッピングモータを図３に示すような表示信号発生部５ｃとして、例えば、 「００：００〜２４：００」といった時間表示部５ｄにおいてデジタルの文字表 示をするように構成しても良く、さらに電子時計１と外部装置１１間の通信部４ ，１４の信号授受として、赤外線等を用いて通信を行う方法がある。

【００１９】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、電子時計の電気回路部による時間計数 を少し早めた設定として、時間計数の標準時間との誤差を求めて誤差補正を、電 気回路部から補正回路部を介して表示部への出力信号を一時中断することにより 、簡単に補正ができ、電子時計の時間表示の精度を保つことができ実用的な効果 大である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施の形態を説明するための電子時計
の概略構成を示すブロック図

【図２】本考案の本実施の形態である電子時計の補正動
作を示すフローチャート

【図３】本考案の実施の形態における他の表示部を備え
た電子時計の概略構成を示すブロック図

【図４】従来の電子時計の概略構成を示すブロック図

【符号の説明】

１ 電子時計 ２ 電気回路部 ２ａ 水晶発振器 ２ｂ 制御部 ３ 補正回路部 ４，１４ 通信部 ５ 表示部 ５ａ ステッピングモータ ５ｂ 時間表示部（針） ６ 電源部 １１ 外部装置 １２ 周波数測定部 １３ 制御部 １５ 演算処理部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 アナログ針式またはデジタル文字式によ
   り時計表示する電子時計であって、標準時間の振動数よ
   り早くした水晶振動子の振動数により時間計数する電気
   回路と、前記電気回路の出力信号を補正処理する補正手
   段と、前記補正手段の出力信号に基づく時間表示を、ア
   ナログの針式表示により時間表示する針部、および針部
   を駆動する駆動部からなる、または、デジタルの文字式
   表示により時間表示する文字表示部、および文字表示部
   に表示文字の信号を出力する表示信号発生部からなる表
   示手段と、外部装置からの前記補正手段が行う補正処理
   の設定指示を受信する通信手段とを備え、 前記通信手段を介して前記外部装置から指示された設定
   に基づき、前記補正手段が任意に設定された一定時間間
   隔で前記電気回路から前記表示手段への出力信号を一時
   中断することを特徴とする電子時計の補正回路。
2. 【請求項２】 アナログ針式またはデジタル文字式によ
   り時計表示する電子時計であって、標準時間の振動数よ
   り早くした水晶振動子の振動数により時間計数する電気
   回路と、前記電気回路の出力信号を補正処理する補正手
   段と、前記補正手段の出力信号に基づく時間表示を、ア
   ナログの針式表示により時間表示する針部、および針部
   を駆動する駆動部からなる、または、デジタルの文字式
   表示により時間表示する文字表示部、および文字表示部
   に表示文字の信号を出力する表示信号発生部からなる表
   示手段と、外部装置によって電気回路の振動数を検出し
   標準時間の振動数との比較により求めた補正値に基づい
   て作成した前記補正手段が行う補正処理の設定指示を受
   信する通信手段とを備え、 前記通信手段を介して前記外部装置から指示された設定
   に基づき、前記補正手段が任意に設定された一定時間間
   隔で前記電気回路から前記表示手段への出力信号を一時
   中断することを特徴とする電子時計の補正回路。