JP3081518B2 - ロボットの剛性同定方法及びその装置 - Google Patents

ロボットの剛性同定方法及びその装置

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JP3081518B2 JP07285745A JP28574595A JP3081518B2 JP 3081518 B2 JP3081518 B2 JP 3081518B2 JP 07285745 A JP07285745 A JP 07285745A JP 28574595 A JP28574595 A JP 28574595A JP 3081518 B2 JP3081518 B2 JP 3081518B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,ロボットの剛性同
定方法及びその装置に係り,例えばロボットのリンクシ
ステムにおける低剛性部の剛性を同定する方法及びその
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】これまで,ロボットの剛性(バネ定数)
を同定する方法は,種々開発されているが,いずれも動
力伝達系に存在する減速機等の剛性不足を取り上げてい
る。例えば特開平03−117580号公報に開示され
た技術(以下,従来技術1という)は,図26に示され
るような回転関節を有するロボットに関するものであ
る。ここでは,ロボットの入力トルクからモータ角速度
までの伝達関数G(s)の各係数b0 〜b2 ,a0 〜a
3 をまず同定する。
【数1】 そして,同定された各係数からモータの慣性MM ,粘性
係数DM ,駆動部(負荷側)の慣性MA ,粘性係数
A ,関節のバネ定数KG ,バネ要素の粘性係数D G
次式を用いて逆算する。
【数2】
【0003】また,伝達関数G(s)の同定において
は,離散系のARMA(Amto Regressive Moving Averr
age)モデルD(z-1)/C(z-1)により同定を行った
後,得られた離散系モデルD(z-1)/C(z-1)を連
続時間系のモデルにインパルス応答近似し,伝達関数G
(s)を得ている。ここでは,伝達関数の形でシステム
を扱っているため,線形を仮定しているが,一般にロボ
ットは非線形性を有しており,線形では記述できない。
このため,加速センサをロボットに装着し,アーム部
(負荷側)の関節角加速度を計測し,2リンクロボット
の場合,伝達関数を次のように2入力1出力表現してい
る。
【0004】上記目的を達成するために請求項1に係る
発明は,少なくともロボットに取り付けられたセンサか
らの出力データに基づいて,上記ロボットの剛性を同定
する方法であって,上記ロボットの特性を表す各パラメ
ータを,剛性パラメータ又は剛性を内部に含むパラメー
タと,それ以外の非剛性パラメータとに分離した上で,
外界センサ及び/又は内界センサからの出力データに対
して周波数解析を施し,別途同定した非剛性パラメータ
と上記周波数解析結果とに基づいて剛性パラメータを
定するロボットの剛性同定方法において,上記非剛性パ
ラメータを同定するに際し,該同定に用いるロボットの
動作指令データから,ロボットを剛体として動作する剛
性モードでの固有振動数以上の高周波成分を除去した後
の該動作指令データをロボットに入力してなることを特
徴とするロボットの剛性同定方法として構成されてい
る。また,請求項2に係る発明は,少なくともロボット
に取り付けられたセンサからの出力データに基づいて,
上記ロボットの剛性を同定する方法であって,上記ロボ
ットの特性を表す各パラメータを,剛性パラメータ又は
剛性を内部に含むパラメータと,それ以外の非剛性パラ
メータとに分離した上で,ロボットの弾性変形部から外
界センサの位置までのヤコビ行列又はその逆行列に相当
する行列を演算し,別途同定した非剛性パラメータに基
づいて上記弾性変形部にかかるモーメントを演算し,上
記外界センサの出力データとモーメントと行列とに基づ
いて剛性パラメータを同定するロボットの剛性同定方法
において,上記非剛性パラメータを同定するに際し,該
同定に用いるロボットの動作指令データから,ロボット
を剛体として動作する剛性モードでの固有振動数以上の
高周波成分を除去した後の該動作指令データをロボット
に入力してなることを特徴とするロボットの剛性同定方
法である。
【0005】そして,各軸の単独の伝達関数G
1 (s),G2 (s)の離散系モデルを同定し,連続時
間系に近似して得られた係数から物理パラメータを決定
している。また,周,前田共著「垂直多関節型ロボット
マニピュレータの関節剛性測定」(日本ロボット学会,
Vol.13,No.3,pp.390/396(19
95))に開示された技術(以下,従来技術2という)
では,ロボットの手先にレーザ変位計と6軸力センサと
を装着し,手先部に外力を加える。そして力センサによ
って外力Fを,変位計によって手先位置の変位ΔXを計
測する。すると,外力によって各関節に加わるトルクτ
と,そのときに発生する各関節の変形ΔΘに対して,次
のような関係が成立する。 τ=J(Θ)T F ΔΘ=J(Θ)-1ΔX 但し,J(Θ)は関節角Θから手先位置Xへのヤコビ行
列である。各関節のバネ定数kを対角要素に持つ関節剛
性行列K=diag(k)は次式によって最小二乗法な
どから推定することができる。 ΔΘ=K-1τ J(Θ)-1ΔX =K-1J(Θ)T F ここでは,関節剛性とサーボ剛性とを同時に測定する同
時同定と,関節剛性のみを同定する独立同定の2手法に
ついて記述している。いま問題としているのは関節剛性
であり,同時同定を行った場合には,関節剛性とサーボ
剛性とを1つのバネ要素として記述したバネ定数からサ
ーボ剛性による変形を差引き,関節剛性を求める必要が
ある。また独立同定の場合,図27に示すように,モー
タ軸をロックし,治具等を用いて姿勢を固定した状態で
関節剛性を同定している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記したような従来の
ロボットの剛性同定方法では,次のような問題点があっ
た。 (1)従来技術1では,伝達関数の各係数を同定し,得
られた係数を含む非線形方程式から物理パラメータを算
出している。しかし,この非線形方程式は物理パラメー
タの積や除算を含んだものであり,伝達関数の係数の微
妙な変化によって算出される物理パラメータの値が大き
く変化する。このため,物理的にありえない値(負の値
等)になることがある。従って,同定された伝達関数の
応答特性は実機と一致しているかもしれないが,その係
数から得られる物理パラメータは実機と大きくかけ離れ
ることがあり,その物理パラメータを用いて制御するこ
とは困難である。即ち,ここでは剛性を同定しているわ
けではなく,伝達関数の係数を同定しているにすぎな
い。
【0007】さらに,ここでは,1リンクマニピュレー
タについては同定可能であるが,次の理由により,2リ
ンク以上のマニピュレータについては同定が困難である
と考えられる。複数リンクマニピュレータでは,関節角
θやその微分値によって動特性が変化するため,線形な
伝達関数は存在せず,姿勢や動作によって伝達関数も変
化してしまう。即ち,ここでは伝達関数が変化しないと
いう前提の下にして伝達関数の同定を行っているが,伝
達関数そのものがロボットの場合には変化するため,正
確に伝達関数を同定することができない。いくらか正確
に伝達関数を同定するためには,パラメータ同定時に姿
勢や動作を限定するしかないが,この場合,固定信号も
限定されるため,同定された伝達関数の信頼性も低くな
る。さらに,姿勢や動作を限定するために,全領域での
モデルを得るためには,各姿勢や動作毎に伝達関数をそ
れぞれ同定する必要があり,それらから得られる物理パ
ラメータも姿勢や動作に応じて変化するという不合理な
状態が発生することが考えられるからである。
【0008】(2)従来技術2では,手先に外力を加
え,その際に生じる弾性変形と外力とを計測し,関節の
剛性を同定している。しかし,主軸(垂直多関節ロボッ
トでは1〜3軸)に比べて手首軸軸(同4〜6軸)の剛
性は低く,手先に加えた外力によって大きく変化する。
従って,主軸と手首軸との両方の剛性を同時に計測する
場合,主軸の弾性変形が小さくなり,主軸の剛性を正確
に同定できない。このために,1つの軸の弾性変形が顕
著に現れるように,外力を加える姿勢及び外力を加える
方向を決定し,同時同定ではサーボ状態で姿勢を固定
し,独立同定では治具によって姿勢と他の軸とを固定し
ている。しかし,同時同定では関節剛性とサーボ剛性と
が合わさった剛性しか得られず,サーボ剛性は摩擦等の
影響によって大きくずれるため,同定された剛性からサ
ーボ剛性を差し引いて関節剛性を正確に得ることは困難
である。即ち,ここでは独立同定しか関節剛性を同定で
きず,この場合,図27で示されるような大がかりな治
具が必要となり,簡便に関節剛性を同定することができ
ない。さらに,ここではロボットの外部(手先位置)か
ら外力を加えているが,このときにはロボットが停止し
ているため,摩擦の影響が大きくなっている。従って,
産業用ロボット等では外力が弾性変形部に伝わらず,求
められる剛性はロボット動作時の剛性とは必ずしも一致
しない。本発明は,上記事情に鑑みてなされたものであ
り,その目的とするところは同定精度の高いロボットの
剛性同定方法及びその装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に第1の発明は,少なくともロボットに取り付けられた
センサからの出力データに基づいて,上記ロボットの剛
性を同定する方法であって,上記ロボットの特性を表す
各パラメータを,剛性パラメータ又は剛性を内部に含む
パラメータと,それ以外の非剛性パラメータとに分離し
た上で,個別に同定するロボットの剛性同定方法におい
て,外界センサ及び/又は内界センサからの出力データ
に対して周波数解析を施し,別途用意された非剛性パラ
メータと上記周波数解析結果とに基づいて剛性パラメー
タを同定することを特徴とするロボットの剛性同定方法
として構成されている。第2の発明は,少なくともロボ
ットに取り付けられたセンサからの出力データに基づい
て,上記ロボットの剛性を同定する方法であって,上記
ロボットの特性を表す各パラメータを,剛性パラメータ
又は剛性を内部に含むパラメータと,それ以外の非剛性
パラメータとに分離した上で,個別に同定するロボット
の剛性同定方法において,ロボットの弾性変形部から外
界センサの位置までのヤコビ行列又はその逆行列に相当
する行列を演算し,別途用意された非剛性パラメータに
基づいて上記弾性変形部にかかるモーメントを演算し,
上記外界センサの出力データとモーメントと行列とに基
づいて剛性パラメータを同定することを特徴とするロボ
ットの剛性同定方法である。
【0010】また,請求項3に係る発明は,少なくとも
ロボットに取り付けられたセンサからの出力データに基
づいて,上記ロボットの剛性を同定する方法であって,
上記ロボットの特性を表す各パラメータを,剛性パラメ
ータ又は剛性を内部に含むパラメータと,それ以外の非
剛性パラメータとに分離した上で,外界センサ及び/又
は内界センサからの出力データに対して周波数解析を施
し,別途同定した非剛性パラメータと上記周波数解析結
果とに基づいて剛性パラメータを同定するロボットの剛
性同定方法において,上記非剛性パラメータを同定する
に際し,該同定に用いるロボットの動作指令データ及び
上記センサからの出力データから,ロボットを剛体とし
て動作する剛性モードでの固有振動数以上の高周波成分
をそれぞれ除去した後の該動作指令データ及び出力デー
タに基づいて上記非剛性パラメータの同定を行うロボッ
トの剛性同定方法である。 また,請求項4に係る発明
は,少なくともロボットに取り付けられたセンサからの
出力データに基づいて,上記ロボットの剛性を同定する
方法であって,上記ロボットの特性を表す各パラメータ
を,剛性パラメータ又は剛性を内部に含むパラメータ
と,それ以外の非剛性パラメータとに分離した上で,ロ
ボットの弾性変形部から外界センサの位置までのヤコビ
行列又はその逆行列に相当する行列を演算し,別途同定
した非剛性パラメータに基づいて上記弾性変形部にかか
るモーメントを演算し,上記外界センサの出力データと
モーメントと行列とに基づいて剛性パラメータを同定す
るロボットの剛性同定方法において,上記非剛性パラメ
ータを同定するに際し,該同定に用いるロボットの動作
指令データ及び上記センサからの出力データから,ロボ
ットを剛体として動作する剛性モードでの固有振動数以
上の高周波成分をそれぞれ除去した後の該動作指令デー
タ及び出力データに基づいて上記非剛性パラメータの同
定を行うロボットの剛性同定方法である。
【0011】また,請求項5に係る発明は,少なくとも
ロボットに取り付けられたセンサからの出力データに基
づいて,上記ロボットの剛性を同定する方法であって,
上記ロボットの特性を表す各パラメータを,剛性パラメ
ータ又は剛性を内部に含むパラメータと,それ以外の非
剛性パラメータとに分離した上で,外界センサ及び/又
は内界センサからの出力データに対して周波数解析を施
し,別途同定した非剛性パラメータと上記周波数解析結
果とに基づいて剛性パラメータを同定するロボットの剛
性同定方法において,上記非剛性パラメータを同定する
に際し,該同定に用いるロボットの動作指令データ及び
上記センサからの出力データを,それぞれロボットを剛
体として動作する剛性モードでの固有振動数成分のみと
なした後の該動作指令データ及び出力データに基づいて
上記非剛性パラメータの同定を行うことを特徴とするロ
ボットの剛性同定方法である。 また,請求項6に係る発
明は,少なくともロボットに取り付けられたセンサから
の出力データに基づいて,上記ロボットの剛性を同定す
る方法であって,上記ロボットの特性を表す各パラメー
タを,剛性パラメータ又は剛性を内部に含むパラメータ
と,それ以外の非剛性パラメータとに分離した上で,ロ
ボットの弾性変形部から外界センサの位置までのヤコビ
行列又はその逆行列に相当する行列を演算し,別途同定
した非剛性パラメータに基づいて上記弾性変形部にかか
るモーメントを演算し,上記外界センサの出力データと
モーメントと行列とに基づいて剛性パラメータを同定す
るロボットの剛性同定方法において,上記非剛性パラメ
ータを同定するに際し,該同定に用いるロボットの動作
指令データ及び上記センサからの出力データを,それぞ
れロボットを剛体として動作する剛性モードでの固有振
動数成分のみとなした後の該動作指令データ及び出力デ
ータに基づいて上記非剛性パラメータの同定を行うこと
を特徴とするロボットの剛性同定方法である。さらに,
請求項7に係る発明は,上記請求項1〜6のいずれかに
記載のロボットの剛性同定方法において,上記剛性パラ
メータの同定に際して,ロボットの可動部の可動方向へ
の弾性変形のみならず,可動部の可動方向以外の所定方
向と,支持部の所定方向への弾性方向をも考慮したモデ
ルを用いることをその要旨とす る。
【0012】また,請求項8に係る発明は,少なくとも
ロボットに取り付けられたセンサからの出力データに基
づいて,上記ロボットの剛性を同定する装置であって,
上記ロボットの特性を表す各パラメータを,剛性パラメ
ータ又は剛性を内部に含むパラメータと,それ以外の非
剛性パラメータとに分離した上で,それぞれを個別に同
定する第1の剛性パラメータ同定手段と第1の非剛性パ
ラメータ同定手段とを具備し,上記第1の剛性パラメー
タ同定手段が,外界センサ及び/又は内界センサからの
出力データに対して周波数解析を施す周波数解析手段を
含み,上記第1の非剛性パラメータ同定手段が別途同定
した非剛性パラメータと上記周波数解析結果とに基づい
て剛性パラメータを同定してなるロボットの剛性同定装
置において,上記第1の非剛性パラメータ同定手段が,
上記非剛性パラメータの同定に用いるロボットの動作指
令データから,ロボットを剛体として動作する剛性モー
ドでの固有振動数以上の高周波成分を除去した後の該動
作指令データをロボットに入力するものであることを特
徴とするロボットの剛性同定装置。
【0013】また,請求項9に係る発明は,少なくとも
ロボットに取り付けられたセンサからの出力データに基
づいて,上記ロボットの剛性を同定する装置であって,
上記ロボットの特性を表す各パラメータを,剛性パラメ
ータ又は剛性を内部に含むパラメータと,それ以外の非
剛性パラメータとに分離した上で,それぞれを個別に同
定する第2の剛性パラメータ同定手段と第2の非剛性パ
ラメータ同定手段とを具備し,上記第2の剛性パラメー
タ同定手段が,ロボットの弾性変形部から外界センサの
位置までのヤコビ行列又はその逆行列に相当する行列を
演算する行列演算手段と,別途上記第2の非剛性パラメ
ータ同定手段により同定された非剛性パラメータに基づ
いて上記弾性変形部にかかるモーメントを演算するモー
メント演算手段とを含み,上記外界センサの出力データ
とモーメントと行列とに基づいて剛性パラメータを同定
してなるロボットの剛性同定装置において,上記第2の
非剛性パラメータ同定手段が,上記非剛性パラメータの
同定に用いるロボットの動作指令データから,ロボット
を剛体として動作する剛性モードでの固有振動数以上の
高周波成分を除去した後の該動作指令データをロボット
に入力するものであることを特徴とするロボットの剛性
同定装置である。また,請求項10に係る発明は,少な
くともロボットに取り付けられたセンサからの出力デー
タに基づいて,上記ロボットの剛性を同定する装置であ
って,上記ロボットの特性を表す各パラメータを,剛性
パラメータ又は剛性を内部に含むパラメータと,それ以
外の非剛性パラメータとに分離した上で,それぞれを個
別に同定する第3の剛性パラメータ同定手段と第3の非
剛性パラメータ同定手段とを具備し,上記第3の剛性パ
ラメータ同定手段が,外界センサ及び/又は内界センサ
からの出力データに対して周波数解析を施す周波数解析
手段を含み,上記第3の非剛性パラメータ同定手段が別
途同定した非剛性パラメータと上記周波数解析結果とに
基づいて剛性パラメータを同定してなるロボットの剛性
同定装置において,上記第3の非剛性パラメータ同定手
段が,上記非剛性パラメータの同定に用いるロボットの
動作指令データ及び上記センサからの出力データから,
ロボットを剛体として動作する剛性モードでの固有振動
数以上の高周波成分をそれぞれ除去した後の該動作指令
データ及び出力データに基づいて上記非剛性パラメータ
の同定を行うものであることを特徴とするロボットの剛
性同定装置である。 また,請求項11に係る発明は,少
なくともロボットに取り付けられたセンサからの出力デ
ータに基づいて,上記ロボットの剛性を同定する装置で
あって,上記ロボットの特性を表す各パラメータを,剛
性パラメータ又は剛性を内部に含むパラメータと,それ
以外の非剛性パラメータとに分離した上で,それぞれを
個別に同定する第4の剛性パラメータ同定手段と第4の
非剛性パラメータ同定手段とを具備し,上記第4の剛性
パラメータ同定手段が,ロボットの弾性変形部から外界
センサの位置までのヤコビ行列又はその逆行列に相当す
る行列を演算する行列演算手段と,別途上記第4の非剛
性パラメータ同定手段により同定された非剛性パラメー
タに基づいて上記弾性変形部にかかるモーメントを演算
するモーメント演算手段とを含み,上記外界センサの出
力データとモーメントと行列とに基づいて剛性パラメー
タを同定してなるロボットの剛性同定装置において,上
記第4の非剛性パラメータ同定手段が,上記非剛性パラ
メータの同定に用いるロボットの動作指令データ及び上
記センサからの出力データから,ロボットを剛体として
動作する剛性モードでの固有振動数以上の高周波成分を
それぞれ除去した後の該動作指令データ及び出力データ
に基づいて上記非剛性パラメータの同定を行うものであ
ることを特徴とするロボットの剛性同定装置である。
た,請求項12に係る発明は,少なくともロボットに取
り付けられたセンサからの出力データに基づいて,上記
ロボットの剛性を同定する装置であって,上記ロボット
の特性を表す各パラメータを,剛性パラメータ又は剛性
を内部に含むパラメータと,それ以外の非剛性パラメー
タとに分離した上で,それぞれを個別に同定する第5の
剛性パラメータ同定手段と第5の非剛性パラメータ同定
手段とを具備し,上記第5の剛性パラメータ同定手段
が,外界センサ及び/又は内界センサからの出力データ
に対して周波数解析を施す周波数解析手段を含み,上記
第5の非剛性パラメータ同定手段が別途同定した非剛性
パラメータと上記周波数解析結果とに基づいて剛性パラ
メータを同定してなるロボットの剛性同定装置におい
て,上記第5の非剛性パラメータ同定手段が,上記非剛
性パラメータの同定に用いるロボットの動作指令データ
及び上記センサからの出力データを,それぞれロボット
を剛体として動作する剛性モードでの固有振動数成分の
みとなした後の 該動作指令データ及び出力データに基づ
いて上記非剛性パラメータの同定を行うことものである
ことを特徴とするロボットの剛性同定装置である。
た,請求項13に係る発明は,少なくともロボットに取
り付けられたセンサからの出力データに基づいて,上記
ロボットの剛性を同定する装置であって,上記ロボット
の特性を表す各パラメータを,剛性パラメータ又は剛性
を内部に含むパラメータと,それ以外の非剛性パラメー
タとに分離した上で,それぞれを個別に同定する第6の
剛性パラメータ同定手段と第6の非剛性パラメータ同定
手段とを具備し,上記第6の剛性パラメータ同定手段
が,ロボットの弾性変形部から外界センサの位置までの
ヤコビ行列又はその逆行列に相当する行列を演算する行
列演算手段と,別途上記第6の非剛性パラメータ同定手
段により同定された非剛性パラメータに基づいて上記弾
性変形部にかかるモーメントを演算するモーメント演算
手段とを含み,上記外界センサの出力データとモーメン
トと行列とに基づいて剛性パラメータを同定してなるロ
ボットの剛性同定装置において,上記第6の非剛性パラ
メータ同定手段が,上記非剛性パラメータの同定に用い
るロボットの動作指令データ及び上記センサからの出力
データを,それぞれロボットを剛体として動作する剛性
モードでの固有振動数成分のみとなした後の該動作指令
データ及び出力データに基づいて上記非剛性パラメータ
の同定を行うものであることを特徴とするロボットの剛
性同定装置である。 また,請求項14に係る発明は,
上記請求項8〜13のいずれかに記載のロボットの剛性
同定装置において,上記剛性パラメータの同定に際し
て,ロボットの可動部の可動方向への弾性変形のみなら
ず,可動部の可動方向以外の所定方向と,支持部の所定
方向への弾性方向をも考慮したモデルを用いることをそ
の要旨とする。 尚,上記請求項1,3,5に係るロボッ
トの剛性同定方法は,「少なくともロボットに取り付け
られたセンサからの出力データに基づいて,上記ロボッ
トの剛性を同定する方法であって,上記ロボットの特性
を表す各パラメータを,剛性パラメータ又は剛性を内部
に含むパラメータと,それ以外の非剛性パラメータとに
分離した上で,外界センサ及び/又は内界センサからの
出力データに対して周波数解析を施し,別途同定した非
剛性パラメータと上記周波数解析結果とに基づいて剛性
パラメータを同定する」という剛性同定にかかわる基本
的な構成を共通に しており,以下請求項1,3,5に係
るロボットの剛性同定方法の上記基本的な構成を「剛性
同定にかかわる第1の基本構成」という。 また,上記請
求項2,4,6に係るロボットの剛性同定方法は,「少
なくともロボットに取り付けられたセンサからの出力デ
ータに基づいて,上記ロボットの剛性を同定する方法で
あって,上記ロボットの特性を表す各パラメータを,剛
性パラメータ又は剛性を内部に含むパラメータと,それ
以外の非剛性パラメータとに分離した上で,ロボットの
弾性変形部から外界センサの位置までのヤコビ行列又は
その逆行列に相当する行列を演算し,別途同定した非剛
性パラメータに基づいて上記弾性変形部にかかるモーメ
ントを演算し,上記外界センサの出力データとモーメン
トと行列とに基づいて剛性パラメータを同定する」とい
う剛性同定にかかわる基本的な構成を共通にしており,
以下請求項2,4,6に係るロボットの剛性同定方法の
上記基本的な構成を「剛性同定にかかわる第2の基本構
成」という。 また,請求項8,10,12に係るロボッ
トの剛性同定装置は,「少なくともロボットに取り付け
られたセンサからの出力データに基づいて,上記ロボッ
トの剛性を同定する装置であって,上記ロボットの特性
を表す各パラメータを,剛性パラメータ又は剛性を内部
に含むパラメータと,それ以外の非剛性パラメータとに
分離した上で,それぞれを個別に同定する(第1,第
3,第5の)剛性パラメータ同定手段と(第1,第3,
第5の)非剛性パラメータ同定手段とを具備し,上記剛
性パラメータ同定手段が,外界センサ及び/又は内界セ
ンサからの出力データに対して周波数解析を施す周波数
解析手段を含み,上記非剛性パラメータ同定手段が別途
同定した非剛性パラメータと上記周波数解析結果とに基
づいて剛性パラメータを同定する」という剛性同定にか
かわる基本的な構成を共通にしており,以下請求項8,
10,12に係るロボットの剛性同定装置の上記基本的
な構成を「剛性同定にかかわる第3の基本構成」とい
う。 また,請求項9,11,13に係るロボットの剛性
同定装置は,「少なくともロボットに取り付けられたセ
ンサからの出力データに基づいて,上記ロボットの剛性
を同定する装置であって,上記ロボットの特性を表す各
パラメータを,剛性パラメータ又は剛性を内部に含むパ
ラメータと,それ以外の非剛性パラメータと に分離した
上で,それぞれを個別に同定する(第2,第4,第6
の)剛性パラメータ同定手段と(第2,第4,第6)の
非剛性パラメータ同定手段とを具備し,上記剛性パラメ
ータ同定手段が,ロボットの弾性変形部から外界センサ
の位置までのヤコビ行列又はその逆行列に相当する行列
を演算する行列演算手段と,別途上記非剛性パラメータ
同定手段により同定された非剛性パラメータに基づいて
上記弾性変形部にかかるモーメントを演算するモーメン
ト演算手段とを含み,上記外界センサの出力データとモ
ーメントと行列とに基づいて剛性パラメータを同定す
る」という剛性同定にかかわる基本的な構成を共通にし
ており,以下請求項9,11,13に係るロボットの剛
性同定装置の上記基本的な構成を「剛性同定にかかわる
第4の基本構成」という。
【0014】
【発明の実施の形態】及び
【実施例】以下添付図面を参照して,本発明の実施の形
態及び実施例につき説明し,本発明の理解に供する。
尚,以下の実施の形態及び実施例は,本発明を具体化し
た一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格の
ものではない。ここに,図1は上記剛性同定にかかわる
第1の基本構成を適用可能な第1の装置A1の概略構成
を示す模式図,図2,図3は上記装置A1の動作例を示
す説明図,図4は上記剛性同定かかわる第1の基本構成
を適用可能な第2の装置A2の概略構成を示す模式図,
図5〜図7は上記剛性同定にかかわる第1の基本構成
ともに用いられる,本発明の非剛性パラメータ同定にか
かわる方法を適用可能な第3〜第5の装置A3〜A5の
概略構成を示す模式図,図8は上記剛性同定にかかわる
第2の基本構成を適用可能な第6の装置A6の概略構成
を示す模式図,図9〜図23は厳密モデル又は簡略化モ
デルM1〜M10等を示す説明図,図24は上記剛性同
定にかかわる第1の基本構成の変形例に係る第7の装置
A7の概略構成を示す模式図,図25は上記剛性同定に
かかわる第2の基本構成の変形例に係る第8の装置A8
の概略構成を示す模式図である。
【0015】〔請求項1,3,5,8,10,12に係
発明〕請求項1,3,5に係るロボットの剛性同定方法は,上
記剛性同定にかかわる第1の基本構成をそれぞれ備えて
おり,上記請求項1,3,5に係るロボットの剛性同定
方法がそれぞれ適用可能な上記請求項8,10,12に
係るロボットの剛性同定装置は,図1に示す如く,上記
剛性同定にかかわる第3の基本構成を備える。以下で
は,請求項8,10,12に係るロボットの剛性同定装
置の実施例は,上記請求項1,3,5に係るロボットの
剛性同定方法 の実施例に含めて説明する。
【0016】まず,上記剛性同定にかかわる第1の基本
構成の実施例(及び上記剛性同定にかかわる第3の基本
構成の実施例,以下同様)についてその基本原理を中心
に説明を加える。尚,ここでは,6軸垂直多関節ロボッ
トを対象とした例を示すが,主としてアーム部(関節で
言えば主軸である1〜3軸)の剛性の同定について述べ
ることとし,手首部(関節で言えば手首軸である4〜6
軸)については次の理由により説明を割愛する。即ち,
手首軸では弾性変形や慣性の変形よりも摩擦の影響が強
く,剛性を同定しても制御等で使用することはほとんど
ないため,剛性を同定する必要があまりないためであ
る。但し,手首軸の剛性同定も主軸の剛性の同定方法と
同様に同定可能であり,ここで注意しなければならない
ことは摩擦の影響を十分考慮することだけである。摩擦
の影響を取り除く1つの方法としては,同定時に手首軸
に入力される同定信号に,比較的高い周波数からなるデ
ィザー信号を重畳させ,同定計算時にディザー信号成分
を同定データから取り除き同定を行えば,摩擦の影響を
キャンセルすることができる。
【0017】図1は6軸垂直多関節パラレルリンクロボ
ットに適用した場合を示す。ここでは,ロボット1を任
意の姿勢に固定し,ハンマリングによって振動を発生さ
せ,手先に配置した加速度センサ2によってその振動を
とらえる。この加速度センサ2によってとらえた振動信
号を周波数解析部3(周波数解析手段に相当)に導い
て,ここでFFT等の周波数解析を施し,その解析結果
と別途求められてメモリ4に記憶されている剛性パラメ
ータ又は剛性を内部に含むパラメータ以外のパラメータ
(非剛性パラメータ)を用いて剛性パラメータを同定部
5(第1,第3,又は第5の剛性パラメータ同定手段に
相当)にて同定する。今,非剛性パラメータとしてロボ
ットのアーム部の慣性パラメータや粘性パラメータが与
えられているものとする。そのとき,ある姿勢での関節
角度θが与えられれば,アーム部の慣性パラメータから
アーム部の慣性行列JA (θ)が算出される。例えば,
手首軸を無視し,3リンクパラレルリンクマニピュレー
タとすれば,慣性行列JA (θ)は次式で与えられる。
【0018】
【数4】 ただし,関節角ベクトルはθ=〔θ1 θ2 θ3 T であ
り,J2 ,J3 ,J23はアーム部の慣性パラメータの一
部であり,JA1(θ)もアーム慣性パラメータとθとか
ら算出可能な値である。
【0019】以上の準備のもと,加速度センサのデータ
を周波数解析すれば,固有振動数等のデータを得ること
ができる。いま,図1においてX−Z平面上の振動に着
目すれば,W2 ,W3 方向の固有振動数ω2 ,ω3 がそ
れぞれ第2リンク,第3リンクの固有振動数と一致し,
ω2 ≧ω3 ならば次式が成り立つ。
【数5】 ただし,K2 ,K3 は第2,第3関節の各バネ定数であ
る。
【0020】
【数6】 によって第2,第3関節の各バネ定数K2 ,K3 が決定
される。またω2 ≦ω 3 ならば上記(3)式において平
方根の+−が反転するだけである。一方,Y軸方向の固
有振動数ω1 に注目すれば,同様に第1関節のバネ定数
1 が次式により与えられる。
【数7】
【0021】即ち,第1関節のバネ定数を求める場合に
は,バネ定数K1 は慣性パラメータJ1 と固有振動数ω
1 との積で表される簡便な式で与えられる。従って,慣
性パラメータが既知であれば,周波数解析を行った結
果,従来技術1に比べて容易にバネ定数を求めることが
可能である。また,第2,第3関節の各バネ定数K2
3 については,平方根等を含む式で表されているが,
これは第2リンクと第3リンクとの干渉によるためであ
り,従来技術1の2リンクマニピュレータに対する場合
と同様である。従来技術1では干渉を外乱として別途伝
達関数で近似し,この外乱の伝達関数を同定しているに
も拘わらずその情報を用いていない。即ち,伝達関数の
形で扱っているため,外乱情報を取り出すことができ
ず,外乱以外の伝達関数のみから物理パラメータを導出
している。これに対し,上記剛性同定にかかわる第1の
基本構成の実施例では,従来技術1で外乱として表され
ている干渉や姿勢の変化などの有用な情報をも取り入
れ,より正確な値を同定するためにバネ定数の式が少し
複雑になっている。ただし,この複雑さも,従来技術1
での非線形方程式から物理パラメータを求めることより
は数段簡便である。
【0022】以上のように,ある姿勢においてハンマリ
ングを行い,X,Y,Z方向の加速度の周波数解析を行
うだけで,各関節のバネ定数を求めることができるが,
さらに同定されたバネ定数の精度を上げるためには,様
々な姿勢1,2,…においてハンマリングを行い,次式
に基づき最小自乗法等によって各バネ定数を求めればよ
い。
【数8】 上記(5)式では各バネ定数単体の式のみで最小自乗法
などを行うように記述しているが,さらに各バネ定数単
体の式だけではなく,例えば次のような関係を同時に用
いてもよい。
【0023】
【数9】 ここでは,加速度センサを手先部に配置したが,任意の
箇所に配置してもよく,またハンマリングによって殴打
する箇所についてもどこでもよい。また従来技術2で
は,大がかりな治具を必要とするか,もしくは特定の姿
勢を保持し,手先部に特定の方向に外力を加える必要が
あった。これに対し,上記剛性同定にかかわる第1の基
本構成の実施例では,治具等は全く必要なく,また任意
の姿勢で任意の箇所に任意の方向にハンマリングを行う
ことが可能である。従って,特定の姿勢しか行わないこ
とによる情報の欠落や手先部に外力を加えることによる
手首(4〜6軸)の柔軟性による主軸(1〜3軸)の剛
性同定誤差の増大等を防ぐことができる。
【0024】また,上記剛性同定にかかわる第1の基本
構成の実施例では,外界センサとして加速度センサを用
いたが,要は周波数解析によって固有振動数等が特定で
きればよい。従って,外界センサとしては加速度センサ
に限らず,例えば各速度センサやジャイロあるいは変位
センサ等の位置センサをも用いることができる。さらに
は,上記剛性同定にかかわる第1の基本構成の実施例
は,周波数解析によってえられる固有振動数からバネ定
数を同定したが,固有振動数だけでなく,任意の周波数
におけるゲインや位相情報からも同様にバネ定数とそれ
らゲイン,位相の関係が導出可能であり,それら関係に
基づき,同様にバネ定数を同定可能である。ただし,今
回示した固有振動数を用いる方法の方が,ゲインや位相
から同定するよりも精度よくバネ定数を導出できる。
【0025】ところで,上記では,任意の姿勢を前提と
した同定方法を記述したが,図2に示すように,ロボッ
ト1の第3リンクの重心位置が第2リンクと直交する姿
勢では,干渉項がなくなる。従って,J23cos(θ3
−θ2 )が0となり,第2,第3関節のバネ定数同定時
に使用した平方根等を含む式がさらに簡略化されて次の
ようになる。
【数10】 このように容易にバネ定数を求めることができる。ただ
し,干渉項がなくなるのはパラレルリンクマニピュレー
タの場合だけであり,シリアルリンクマニピュレータで
は干渉項は小さくなるもののなくならない。従って,正
確には先に示した(3)式で第2,第3関節のバネ定数
が表される。また,ここでは姿勢が限定されるため,他
の姿勢における情報が得られず,同定されたバネ定数の
精度が劣化することも考えられる。
【0026】上記図1,図2では,ハンマリングによっ
て振動を励起し,その振動を解析することによって,バ
ネ定数を同定した。しかし,ハンマリングや手先部に外
力を加えるだけでは,ロボット動作時に弾性変形を起こ
している減速機等の箇所に力が加わらない。このため,
それら動作時の弾性変形箇所の剛性を測定できない場合
がある。そこで,図3に示すように,ロボット1を点線
の位置から実線の位置に移動して急速に減速させ,その
時の振動を測定する。こうすれば,実際にロボット動作
時に弾性変形する箇所が変形し,求めるべき剛性が同定
できる。あるいは,図4に示すように,ロボット1を任
意に動作させ,ロボットが剛体リンクである場合に手先
が移動するであろう位置あるいは速度あるいは加速度
を,各関節のモータからの出力を順変換部6で順変換す
ることによって導出する。そして,外界センサ2の出力
との差を求めることにより,弾性変形によって生じる外
界センサ成分のみを抽出する。抽出されたデータを周波
数解析部3によって周波数解析を施し,上記と同様の処
理を行えば,実際にロボット動作時に弾性変形する箇所
のバネ定数を同定できる。
【0027】以上のように,上記剛性同定にかかわる第
1の基本構成の実施例では,周波数解析によって固有振
動数等がよく一致する剛性パラメータが得られる。ま
た,非剛性パラメータを別途求めることによって従来技
術1におけるような線形化による問題が発生せず,複数
リンクマニピュレータに対しても容易に適用可能であ
る。さらに,内界センサで計測不能なロボットの関節角
度あるいは角加速度あるいは角加速度等に相当するデー
タを外界センサから得ることによって,より正確に剛性
パラメータを同定可能である。引き続いて,上記剛性同
定にかかわる第1の基本構成とともに用いるものであっ
て,請求項1,3,5に係る発明の特徴点となる非剛性
パラメータの同定にかかわる構成(求項8,10,12
に係る発明の特徴点となる非剛性パラメータの同定にか
かわる構成,以下同様)について説明する。上記請求項
1に係るロボットの剛性同定方法が適用可能な上記請求
項8に係るロボットの剛性同定装置における非剛性パラ
メータの同定にかかわる構成を図5に示す。通常,同定
信号(同定データを得るために制御対象に入力する信
号)としては,従来技術1でも述べられているように,
M系列信号や白色雑音等の低周波から高周波まで広い帯
域を含んだ信号が用いられる。しかし,非剛性パラメー
タを同定する際には,通常,同定モデルは剛体モデルで
記述され,マニピュレータが剛体として動作する必要が
ある。このため,高周波を含む同定信号を入力した場合
には固有振動が励起され,ロボット1が剛体モデルで記
述できない動きをするため,精度よく非剛性パラメータ
を同定できない。そこで,図5の同定信号生成部7によ
り,例えば次式で表される同定信号uを生成し,角周波
数ωn を固有振動数よりも十分小さくとる。
【0028】
【数11】 但し,An は振幅,φn は位相ずれである。このとき得
られたデータに基づき同定部8により非剛性パラメータ
を同定し,メモリ9に記憶する。そして,この同定結果
は上記ロボットの剛性同定に供される。あるいは,図6
に示すように,同定信号生成部7からの出力を,フィル
タ10によってフィルタリング等することにより,固有
振動を励起する高周波を除去した上で,各モータに指令
すればよい(尚,装置A3,又は装置A4における同定
信号生成部7と同定部8とが,第1の非剛性同定手段に
相当する)。これにより実機ロボット等においても簡便
に上述の同定信号uを得ることができる。例えば,ロボ
ット1の各関節のモータのドライバがアナログ入力であ
る場合,モータドライバの入力端子の前にアナログフィ
ルタを挿入するだけでよい。しかし,最近デジタル入力
のモータドライバも普及しつつあり,アナログフィルタ
によってドライバ入力をフィルタリングできない場合が
ある。また,ロボットの動作上の制限やロボットコント
ローラの制限等によりフィルタリングされた同定信号や
同定動作そのものが実施できない場合もある。これらの
場合には,通常通りロボットを動作させたデータや高周
波成分を含むロボットへの指令によって,ロボットが動
作されたデータから,同定を行う必要がある。図7に示
すのは,高周波を含むロボットの入出力データ(同定デ
ータ)をそれぞれフィルタ10によってフィルタリング
等することにより,高周波を除去するものであり,上記
請求項3に係るロボットの剛性同定方法が適用可能な上
記請求項10に係るロボットの剛性同定装置の非剛性パ
ラメータの同定にかかわる構成である。装置A5におけ
る同定部8,フィルタ10が第3の非剛性パラメータ同
定手段に相当する。この場合,フィルタリングされた同
定信号を入力した場合と同様の効果を容易に実現するこ
とができる。この手続を以下の数式で示す。まず3リン
クマニピュレータにおいて,第1リンクを固定した場合
の第2リンクの運動方程式は以下の通りである。
【0029】
【数12】 この運動方程式に基づき,様々な姿勢において得られる
データを用いて行列表現で記述すれば次のようになる。
【数13】 通常の同定方法では,この行列表現に基づき最小自乗法
などによって慣性パラメータJ2 ,J23を同定する。し
かし,ここでは上記(10)式の両辺をフィルタリング
する。すなわち,上記(10)式の慣性パラメータ
2 ,J23以外の行列,ベクトル要素をそれぞれフィル
タリングし,次式で得られる行列表現によって最小自乗
法などを用いてパラメータを同定すればよい。
【0030】
【数14】 ここで,図7における前処理部11は,ロボット1の非
線形性を補償するためのものであり,上記フィルタリン
グ前の各行列,ベクトルの非線形な各要素を算出してい
る。上記では,ロボットを剛体として動作する剛体モー
ドでの慣性の同定について主に記述した。上述の非剛体
パラメータの同定方法は,上記剛体モードでの慣性の同
定に特に有効ではあるが,同様にパラメータとして粘性
や重力パラメータを組み込めば,それらのパラメータに
ついても精度よく同定可能である。
【0031】ところで,上記剛性同定にかかわる第1の
基本構成の実施例では,剛体モードでの慣性ではなく,
負荷側(アーム部)の慣性が必要である。この負荷側の
慣性を得るためには,剛体モードの慣性から減速機入力
側の慣性を差し引けばよい。減速機入力側の慣性として
は,モータのロータ慣性や減速機のインプットギアなど
があるが,それらの値はカタログ等から容易に得ること
ができる。また,そのカタログ値の精度は,通常は非常
に高いものである。従って,カタログから入力側慣性を
算出してもなんら差し支えがなく,容易に精度のよい値
を得ることができる。さらに,上記ではフィルタリング
等によって固有振動を励起しないようにしたが,逆に固
有振動を励起させて固有振動時のデータから負荷側の慣
性パラメータを得ることができる。この時の構成は図7
に示される通りであるが,上記と違うのは,フィルタリ
ング特性等である(尚,請求項5に係るロボットの剛性
同定方法,及び請求項12に係るロボットの剛性同定方
法に相当し,図7においてフィルタリング特性等が異な
らされたフィルタ10,及び同定部8が第5の非剛性パ
ラメータ同定手段に相当する)。どのようにして負荷側
慣性や摩擦を得るかといえば,固有振動時にはモータは
ほとんど動かず,負荷(アーム)だけが振動している状
態となる。この時,ロボットの運動方程式からモータに
関する状態を削除することができるため,運動方程式は
次のようになる。
【0032】
【数15】 上記(12)式は先ほどの(9)式と同様に,3リンク
マニピュレータにおいて,第1リンクを固定した場合の
第2リンクの運動方程式である。添字Aはアーム部の状
態を表し,JA2等はアーム部の慣性パラメータである。
上記(12)式で表された運動方程式に基づき,先ほど
の(9)式の場合と同様にパラメータ同定が可能であ
る。但し,ここでは固有振動を励起するように入力を選
択あるいはフィルタリングすることが必要である。ま
た,摩擦パラメータを上記(12)式で表された運動方
程式に加えれば,アーム部の摩擦パラメータも同定可能
である。これによって,アーム部の慣性や摩擦などを直
接同定可能であるが,この方法では摩擦の影響が大き
く,精度よく負荷側の慣性を同定するためには摩擦の同
定に注意を払う必要がある。例えば固有振動時の摩擦力
と慣性力の大きさが同じになる等の条件を先の同定時に
制約条件として加え,同定精度の確保等を図る必要があ
る。従って,カタログ値等から入力側の慣性が算出可能
であれば,やはり精度よく慣性の同定を行うためには,
先述したように固有振動を励起させない非剛性パラメー
タの同定方法を用いることが賢明である。
【0033】上記剛性同定にかかわる第1の基本構成
は,周波数解析に基づく同定方法であるため,固有振動
数がよく一致するモデルが得られる。しかし,弾性変形
量の補償などを行う場合,固有振動数ではなく,変形量
の大きさそのものが実機とモデルとで一致する必要があ
る。このため,周波数領域ではなく,変形量の領域でパ
ラメータ同定を行ったほうが変形量の大きさがよく一致
するモデルが得られる。剛性同定にかかわる第2(及び
第4)の基本構成は,かかる点に着目したものであり,
以下説明する。 〔請求項2,4,6,9,11,13に係る発明〕請求項2,4,6に係るロボットの剛性同定方法は,上
記剛性同定にかかわる第2の基本構成をそれぞれ備えて
おり,上記請求項2,4,6に係るロボットの剛性同定
方法がそれぞれ適用可能な上記請求項9,11,13に
係るロボットの剛性同定装置は,図8に示す如く,上記
剛性同定にかかわる第4の基本構成を備える。以下で
は,請求項9,11,13に係るロボットの剛性同定装
置の実施例は,上記請求項2,4,6に係るロボットの
剛性同定方法 の実施例に含めて説明する。図8に示す如
く,上記剛性同定にかかわる第2の基本構成(及び第4
の基本構成,以下同様)は,ロボット1の弾性変形部か
ら外界センサ2の位置までのヤコビ行列又はその逆行列
に相当する行列Jθ,Jεを演算し,別途同定した非剛
性パラメータに基づいて上記弾性変形部にかかるモーメ
ントMを演算し,外界センサ2の出力とモーメントMと
行列Jθ,Jεとに基づいて剛性パラメータを同定す
。非剛性パラメータの同定にかかわる構成は,上記剛
性同定にかかわる第1の基本構成に対して述べた方法
を用い即ち,上記剛性同定にかかわる第2(及び第
4)の基本構成と,上記装置A3〜A5とを組み合わせ
た場合,装置A3又は装置A4における同定信号生成部
7と同定部8とが第2の非剛性パラメータ同定手段に相
当し,装置A5における同定部8とフィルタ10とが第
4の非剛性パラメータ同定手段に相当し,装置A5にお
いてフィルタ10のフィルタリング特性等を異ならせた
場合のフィルタ10と同定部8とが第6の非剛性パラメ
ータ同定手段に相当する。
【0034】以下,上記剛性同定にかかわる第2の基本
構成についてその基本原理を中心に説明を加える。上記
剛性同定にかかわる第2の基本構成では,図8に示すよ
うに,内界センサで計測不可能な変形量の情報を外界セ
ンサ2で計測し,演算部12(行列演算手段及びモーメ
ント演算手段に相当)にてモータ回転角度θMから算出
されたモーメントMやヤコビ行列Jθ,Jε等を用いる
ことによって変形量を得るものである。そして,同定部
5(第2,第4,又は第6の剛性パラメータ同定手段に
相当)にて変形量の領域でパラメータ同定を行うことに
よって変形量がよく一致するモデルが得られる。
し,関節部のみに弾性変形を許す従来モデルでは,ロボ
ット実機の挙動を十分に記述できず,このことは同定精
度の劣化につながる。そこで,より厳密なモデルに基づ
くことによって,同定精度の向上,モデル精度の向上が
実現可能となる。また,周波数解析によって同定を行う
場合には,従来モデルでは固有振動モードは1つしか現
れないが,本厳密モデルでは,複数のモードを扱うこと
が可能であり,さらに各軸の干渉による固有振動のズレ
を扱うことも可能である。従って,非常に高精度なモデ
ルを得ることが可能である。
【0035】3軸の垂直多関節ロボットを例にとり以下
の説明を行う。従来技術1,2では,いずれも回転関節
部にのみバネ要素k1 θ〜k3 θが存在し,さらにその
バネ要素も回転関節の回転軸方向の弾性変形ε1 θ〜ε
3 θのみを許し,他の方向の曲げ変形や伸張方向の弾性
変形を全く許さないモデルに基づいていた。ここでは,
図9に示すように,それら回転関節部等の可動部の弾性
変形に加え,それら可動部を支持する支持部の弾性変形
をも考慮する。さらに,その弾性変形も任意方向の弾性
変形を許すモデルM1を採用することによって,より高
精度なモデリングが可能となる。但し,図9において,
iR,iS は第i関節によって駆動される側及びそれを支
持する側のバネを表し,リンクに固定されたX,Y,Z
方向の弾性変形をεiRX,Y,Z,iSX,Y,Z ,バネ定数をk
iRX,Y,Z,iSX, Y,Z ,曲げモーメントをM
iRX,Y,Z,iSX,Y,Z とする。
【0036】また,慣性及び粘性パラメータは上述した
非剛性パラメータの同定方法等によって既に同定されて
いるものとし,ここでは,バネ定数K=diag(1/
iR *,iS* )(添字*は記号の省略を示す)の同定につ
いて述べる。先ず,ロボットの手先位置x及びモータの
回転角θM =〔θM1θM2θM3T を計測し,弾性変形に
よって生じた手先の変位eを次式によって算出する。 e=x−L(θM )(L(θM ):θM からxへの順変換) …(13) 次に,モーメントM(MiR*,iS* を要素とする縦ベクト
ル)を,既に同定された慣性・粘性・重力パラメータや
幾何学的な条件から得られる慣性パラメータから算出す
る。すると,次式により最小自乗法を用いてバネ定数K
を得ることができる。但し,εはεiR*,iS* を要素とす
る縦ベクトル,Jεはεからeへのヤコビ行列とする。
【数16】
【0037】以上によりパラメータ同定を行うことがで
きる。また,上記の手法は従来の関節部にのみ弾性変形
を許さないモデルに対しても適用可能である。また,図
10は第4関節近傍の弾性変形をも含めたモデルM2で
あるが,全く同様に同定可能である。尚,図9や図10
の厳密モデルや後記する簡略モデルは,上記剛性パラメ
ータの同定に際して,ロボットの可動部の可動方向への
弾性変形のみならず,可動部の可動方向以外の所定方向
と,支持部の所定方向への弾性方向をも考慮したモデル
を用いることが,請求項7,又は請求項14に係る発明
の実施例である。図10のモデルM2と従来モデルとの
双方に基づきパラメータ同定を行った結果を図11に示
す。図11では,弾性変形によって生じた手先位置の変
位において,本第2の実施例方法によるパラメータ同定
で得られたモデルM2(本モデル)及び従来モデルによ
るロボットの手先位置変位量の理論値と実測値とを示し
たものである。従来モデルでは,関節回転方向のみの弾
性変形しか扱かっていないため,弾性変形を記述する上
で無理がある。従って,理論値が若干ばらついている
が,概ね実測値とは一致している。さらに,本モデルに
基づきパラメータ同定を行った場合には,モデルの理論
値と実測値とが非常によく一致しており,精度よく剛性
パラメータやそれ以外のパラメータが同定されているこ
とがわかる。
【0038】しかし,図9,図10のいわゆる厳密な弾
性変形モデルM1,M2は冗長な弾性変形を有してお
り,図12〜図20に示すようにさらに簡略化されたモ
デルM3〜M10に対しても本方法は有効である。ここ
に,図12は,各弾性変形のうち,一体性を有する複数
の弾性変形をある1つのバネ要素で表したモデルM3で
ある。更に,図13は,上記ある1つのバネ要素の弾性
変形の中心を,図14に示すように該バネ要素で表した
複数の弾性変形の各中心を含む領域内に設けたモデルM
4である。更に,図15〜図18は,上記複数の弾性変
形を表したある1つのバネ要素が複数存在し,それが近
い値のときは,所定方向への弾性変形のバネ係数を同一
と仮定することにより,複数のバネ要素をさらに集約化
したモデルM5〜M8である。更に,図19,図20
は,各弾性変形方向に応じた成分に分離し,同一の変形
方向の成分のうち,所定の剛性値成分よりも高い成分を
低い成分に含めたモデルM9,M10である。
【0039】例えば,図20のモデルM10に従って,
本方法によってパラメータ同定を行った結果を図21に
示す(図中のΔ印参照)。簡略化しない場合に比べて
(図中の○印参照),簡略化を行った場合には若干のば
らつきがあるが,従来モデル(図中の■印参照)よりも
よく変形量の実値と一致している。これらの違いはモデ
ルによる違いであり,本方法のパラメータ同定によって
得られたモデルは厳密モデルや簡略化モデル,さらには
従来モデルに対しても有用であり,よく実値とモデルと
が一致していることがわかる。図22に従来モデルに基
づき,ヤコビ行列などを用いずに関節角を計測し,関節
角とモータ回転角とから剛性を同定した場合(図中の×
印)と,本方法によってパラメータ同定した場合(図中
の■印)と,本方法によってさらに厳密モデルに従って
パラメータ同定した場合(図中の○印)とを示す。同図
から,本方法に基づき同定したモデル(図中の○と■
印)はいずれも実値とよく一致し,特に厳密モデルに基
づいた場合(図中の○印)はさらに精度が良い。これに
対して,従来モデルに基づきヤコビ行列等を用いない従
来技術(図中の×印)の場合には,全く手先位置の弾性
変形による変位を表すことができていない。さらに,参
考までに,図20のモデルM10に基づき,本方法によ
ってパラメータ同定されたモデルを用いた弾性変形量の
補償結果を図23に示す。本方法によって得られたモデ
ルに基づき補償を実施した結果,図23(b)のように
弾性変形が補償され,振幅が一定に保たれているのに対
し,なにも補償しない場合には図23(a)のように弾
性変形によって高周波になるほど振幅が大きくなってし
まっている。以上より,本方法によるパラメータ同定に
よって,精度良く剛性パラメータ等が同定されているこ
とがわかる。
【0040】ところで,弾性変形量は一般には微小であ
るため,外界センサによって位置情報を計測して同定に
用いる場合,高い計測精度が要求される。しかし,一般
に高い計測精度を持つセンサは計測範囲が小さい。従っ
て,ロボットを計測範囲内で微小運動を行わせることに
よって高い計測精度を確保し,同定精度の向上を図るこ
とが可能である。例えば,外界センサによって高精度に
計測された手先位置の微小運動をΔx,微小運動によっ
て生じる弾性変形量,手先位置変位,モーメント,モー
タ角度をそれぞれΔε,Δe,ΔM,ΔθM とすれば,
先程の(13),(14)式は,
【数17】
【数18】 となり,高精度にパラメータ同定可能となる。また各姿
勢で同様のことを行わせれば,姿勢による変化も吸収す
ることが可能である。
【0041】ここでいう姿勢の変化の吸収とは,従来技
術1のように,姿勢毎にモデルを持つのではなく,姿勢
変化などの非線形性を考慮したモデルに基づき同定する
ことである。従って,本微小運動を行わせる方法によれ
ば,厳密に姿勢の変化などの非線形性を吸収することが
できる。この方法は上記剛性同定にかかわる第1,第2
の基本構成のいずれにも適用可能であることは勿論であ
る。例えば,図24は,上記剛性同定にかかわる第1の
基本構成に適用した場合であり,図25は上記剛性同定
にかかわる第2の基本構成に適用した場合である。図2
5では演算部12にてモーメントMや各ヤコビ行列J
θ,Jε等をモータの回転角度θMから算出している
が,モータの回転角度ではなく,関節角や関節角指令
値,さらには手先位置xから逆算した関節角を用いても
よい。尚,この点については前記装置A6についても同
様である。
【0042】さらに,上記厳密モデル或いは簡略化モデ
ルは上記剛性同定にかかわる第1の基本構成にも適用可
能である。例えば,図20に示された簡略化モデルM1
0に対しては次のようになる。即ち,ε″2SY ,ε″
2RY 方向の剛性は,それぞれ先に示したバネ定数K2
3 を同定する際に使用した(3)式等のκ2 ,κ3
式において,慣性パラメータJ2 ,J3 ,J23を上記図
20の弾性変形廻りの慣性パラメータに変更するだけで
求まる。また,弾性変形中心回りの慣性パラメータは,
先程の慣性パラメータJ2 ,J3 ,J23や重力パラメー
タや各アームの重量及び弾性変形中心の位置等の既知情
報から算出可能である。また,上記剛性同定にかかわる
第1の基本構成では,Y軸方向の固有振動に着目するこ
とによって簡単な式である(4)式に基づきバネ定数K
1 を同定していたが,図20のモデルM10ではY軸方
向に着目してもε″2SX ,ε″2SZ 方向の弾性変形が干
渉しあうため,前述したように簡便な式のそれぞれの構
成を同定することはできない。しかし,前記バネ定数K
2 ,K3 が干渉していた場合と同様に,ε″2SX ,ε″
2SZ 方向の剛性はκ2 ,κ3 と同様の式で表され,同定
可能である。
【0043】さらに,ε″2SX ,ε″2SZ 方向の剛性の
同定を簡便に行うためには,お互いの干渉を除去する必
要があるが,一番容易な方法は振動計測を行う外界セン
サの位置を弾性変形中心からX軸方向あるいはZ軸方向
等に設置し,同定する方法である。この場合,それぞれ
個別に剛性を同定できるが,姿勢が限定されるため,同
定精度の劣化を招く可能性がある。以上のように,いず
れの場合も精度の良い剛性の同定を行うことができる。
その結果,得られたパラメータに基づいて,精度の良い
ロボット制御を行うことができる。尚,上記ではロボッ
トの剛性同定方法について述べたが,実使用に際して
は,ロボット以外のリンクシステムについても同様可能
である。
【0044】
【発明の効果】本発明に係るロボットの剛性同定方法及
びその装置は,上記したように構成されているため,精
度の良い剛性の同定を行うことができる。その結果,得
られたパラメータに基づいて精度の良いロボット制御を
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の剛性同定にかかわる第1の基本構成
及びその装置A1を説明するための模式図。
【図2】 上記装置A1の動作例を示す説明図。
【図3】 上記装置A1の動作例を示す説明図。
【図4】 本発明の剛性同定にかかわる第1の基本構成
の変形例,及びそれに適用可能な装置A2の概略構成を
示す模式図。
【図5】 非剛性パラメータの同定にかかわる構成,及
びそれに適用可能な装置A3の概略構成を説明するため
模式図。
【図6】 非剛性パラメータの同定にかかわる構成,及
びそれに適用可能な装置A4の概略構成を説明するため
模式図。
【図7】 非剛性パラメータの同定にかかわる構成,及
びそれに適用可能な装置A5の概略構成を説明するため
模式図。
【図8】 本発明の剛性同定にかかわる第2の基本構
成,及びその装置A6の概略構成を説明するための模式
図。
【図9】 厳密モデルM1を示す説明図。
【図10】 厳密モデルM2を示す説明図。
【図11】 手先位置変位量の実測値と理論値とを示す
説明図。
【図12】 簡略化モデルM3を示す説明図。
【図13】 簡略化モデルM4を示す説明図。
【図14】 簡略化モデルM4の作成方法を示す説明
図。
【図15】 簡略化モデルM5を示す説明図。
【図16】 簡略化モデルM6を示す説明図。
【図17】 簡略化モデルM7を示す説明図。
【図18】 簡略化モデルM8を示す説明図。
【図19】 簡略化モデルM9を示す説明図。
【図20】 簡略化モデルM10を示す説明図。
【図21】 変形量の実測値と理論値とを示す説明図。
【図22】 変形量の実測値と理論値とを示す説明図。
【図23】 手先位置振幅の振動応答を示す説明図。
【図24】 上記剛性同定にかかわる第1の基本構成に
係る装置A7の概略構成を示す模式図。
【図25】 上記剛性同定にかかわる第2の基本構成に
係わる装置A8の概略構成を示す模式図。
【図26】 従来のロボットの剛性同定方法を適用可能
な装置A0の概略構成を示す模式図及びその制御系のブ
ロック線図。
【図27】 従来のロボットの剛性同定方法を適用可能
な装置A0′の概略構成を示す模式図。
【符号の説明】
A1〜A8…ロボットの剛性同定装置 1…ロボット 2…センサ 3…周波数解析部(周波数解析手段に相当) 4…メモリ 5…同定部(第1,第2の剛性パラメータ同定手段に相
当) 6…順変換部 7…同定信号生成部 8…非剛性パラメータ同定部 9…メモリ 10…フィルタ 11…前処理部 12…演算部(行列,モーメント演算手段に相当)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−152429(JP,A) 特開 平6−99380(JP,A) 特開 平3−117580(JP,A) 特開 平7−168605(JP,A) 特開 平3−282718(JP,A) 特開 平2−224991(JP,A) 特開 昭64−71681(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B24J 13/08 G05B 11/36 G05B 13/02

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともロボットに取り付けられたセ
    ンサからの出力データに基づいて,上記ロボットの剛性
    を同定する方法であって,上記ロボットの特性を表す各
    パラメータを,剛性パラメータ又は剛性を内部に含むパ
    ラメータと,それ以外の非剛性パラメータとに分離した
    上で,外界センサ及び/又は内界センサからの出力デー
    タに対して周波数解析を施し,別途同定した非剛性パラ
    メータと上記周波数解析結果とに基づいて剛性パラメー
    タを同定するロボットの剛性同定方法において,上記非剛性パラメータを同定するに際し,該同定に用い
    るロボットの動作指令データから,ロボットを剛体とし
    て動作する剛性モードでの固有振動数以上の高周波成分
    を除去した後の該動作指令データをロボットに入力して
    なる ことを特徴とするロボットの剛性同定方法。
  2. 【請求項2】 少なくともロボットに取り付けられたセ
    ンサからの出力データに基づいて,上記ロボットの剛性
    を同定する方法であって,上記ロボットの特性を表す各
    パラメータを,剛性パラメータ又は剛性を内部に含むパ
    ラメータと,それ以外の非剛性パラメータとに分離した
    上で,ロボットの弾性変形部から外界センサの位置まで
    のヤコビ行列又はその逆行列に相当する行列を演算し,
    別途同定した非剛性パラメータに基づいて上記弾性変形
    部にかかるモーメントを演算し,上記外界センサの出力
    データとモーメントと行列とに基づいて剛性パラメータ
    同定するロボットの剛性同定方法において,上記非剛性パラメータを同定するに際し,該同定に用い
    るロボットの動作指令データから,ロボットを剛体とし
    て動作する剛性モードでの固有振動数以上の高周波成分
    を除去した後の該動作指令データをロボットに入力して
    なる ことを特徴とするロボットの剛性同定方法。
  3. 【請求項3】 少なくともロボットに取り付けられたセ
    ンサからの出力データに基づいて,上記ロボットの剛性
    を同定する方法であって,上記ロボットの特性を表す各
    パラメータを,剛性パラメータ又は剛性を内部に含むパ
    ラメータと,それ以外の非剛性パラメータとに分離した
    上で,外界センサ及び/又は内界センサからの出力デー
    タに対して周波数解析を施し,別途同定した非剛性パラ
    メータと 上記周波数解析結果とに基づいて剛性パラメー
    タを同定するロボットの剛性同定方法において, 上記非剛性パラメータを同定するに際し,該同定に用い
    るロボットの動作指令データ及び上記センサからの出力
    データから,ロボットを剛体として動作する剛性モード
    での固有振動数以上の高周波成分をそれぞれ除去した後
    の該動作指令データ及び出力データに基づいて上記非剛
    性パラメータの同定を行うロボットの剛性同定方法。
  4. 【請求項4】 少なくともロボットに取り付けられたセ
    ンサからの出力データに基づいて,上記ロボットの剛性
    を同定する方法であって,上記ロボットの特性を表す各
    パラメータを,剛性パラメータ又は剛性を内部に含むパ
    ラメータと,それ以外の非剛性パラメータとに分離した
    上で,ロボットの弾性変形部から外界センサの位置まで
    のヤコビ行列又はその逆行列に相当する行列を演算し,
    別途同定した非剛性パラメータに基づいて上記弾性変形
    部にかかるモーメントを演算し,上記外界センサの出力
    データとモーメントと行列とに基づいて剛性パラメータ
    を同定するロボットの剛性同定方法において, 上記非剛性パラメータを同定するに際し,該同定に用い
    るロボットの動作指令データ及び上記センサからの出力
    データから,ロボットを剛体として動作する剛性モード
    での固有振動数以上の高周波成分をそれぞれ除去した後
    の該動作指令データ及び出力データに基づいて上記非剛
    性パラメータの同定を行うロボットの剛性同定方法。
  5. 【請求項5】 少なくともロボットに取り付けられたセ
    ンサからの出力データに基づいて,上記ロボットの剛性
    を同定する方法であって,上記ロボットの特性を表す各
    パラメータを,剛性パラメータ又は剛性を内部に含むパ
    ラメータと,それ以外の非剛性パラメータとに分離した
    上で,外界センサ及び/又は内界センサからの出力デー
    タに対して周波数解析を施し,別途同定した非剛性パラ
    メータと上記周波数解析結果とに基づいて剛性パラメー
    タを同定するロボットの剛性同定方法において, 上記非剛性パラメータを同定するに際し,該同定に用い
    るロボットの動作指令データ及び上記センサからの出力
    データを,それぞれロボットを剛体として動作 する剛性
    モードでの固有振動数成分のみとなした後の該動作指令
    データ及び出力データに基づいて上記非剛性パラメータ
    の同定を行うことを特徴とするロボットの剛性同定方
    法。
  6. 【請求項6】 少なくともロボットに取り付けられたセ
    ンサからの出力データに基づいて,上記ロボットの剛性
    を同定する方法であって,上記ロボットの特性を表す各
    パラメータを,剛性パラメータ又は剛性を内部に含むパ
    ラメータと,それ以外の非剛性パラメータとに分離した
    上で,ロボットの弾性変形部から外界センサの位置まで
    のヤコビ行列又はその逆行列に相当する行列を演算し,
    別途同定した非剛性パラメータに基づいて上記弾性変形
    部にかかるモーメントを演算し,上記外界センサの出力
    データとモーメントと行列とに基づいて剛性パラメータ
    を同定するロボットの剛性同定方法において, 上記非剛性パラメータを同定するに際し,該同定に用い
    るロボットの動作指令データ及び上記センサからの出力
    データを,それぞれロボットを剛体として動作する剛性
    モードでの固有振動数成分のみとなした後の該動作指令
    データ及び出力データに基づいて上記非剛性パラメータ
    の同定を行うことを特徴とするロボットの剛性同定方
    法。
  7. 【請求項7】 上記剛性パラメータの同定に際して,ロ
    ボットの可動部の可動方向への弾性変形のみならず,可
    動部の可動方向以外の所定方向と,支持部の所定方向へ
    の弾性方向をも考慮したモデルを用いる請求項1〜
    いずれかに記載のロボットの剛性同定方法。
  8. 【請求項8】 少なくともロボットに取り付けられたセ
    ンサからの出力データに基づいて,上記ロボットの剛性
    を同定する装置であって,上記ロボットの特性を表す各
    パラメータを,剛性パラメータ又は剛性を内部に含むパ
    ラメータと,それ以外の非剛性パラメータとに分離した
    上で,それぞれを個別に同定する第1の剛性パラメータ
    同定手段と第1の非剛性パラメータ同定手段とを具備
    し,上記第1の剛性パラメータ同定手段が,外界センサ
    及び/又は内界センサからの出力データに対して周波数
    解析を施す周波数解析手段を含み,上記第1の非剛性パ
    ラメータ同定手段が別途同定した非剛性パラメータと上
    記周波数解析結果とに基づいて剛性パラメータを同定し
    てなるロボットの剛性同定装置において,上記第1の非剛性パラメータ同定手段が,上記非剛性パ
    ラメータの同定に用いるロボットの動作指令データか
    ら,ロボットを剛体として動作する剛性モードでの固有
    振動数以上の高周波成分を除去した後の該動作指令デー
    タをロボットに入力するものであることを特徴とするロ
    ボットの剛性同定装置。
  9. 【請求項9】 少なくともロボットに取り付けられたセ
    ンサからの出力データに基づいて,上記ロボットの剛性
    を同定する装置であって,上記ロボットの特性を表す各
    パラメータを,剛性パラメータ又は剛性を内部に含むパ
    ラメータと,それ以外の非剛性パラメータとに分離した
    上で,それぞれを個別に同定する第2の剛性パラメータ
    同定手段と第2の非剛性パラメータ同定手段とを具備
    し,上記第2の剛性パラメータ同定手段が,ロボットの
    弾性変形部から外界センサの位置までのヤコビ行列又は
    その逆行列に相当する行列を演算する行列演算手段と,
    別途上記第2の非剛性パラメータ同定手段により同定さ
    れた非剛性パラメータに基づいて上記弾性変形部にかか
    るモーメントを演算するモーメント演算手段とを含み,
    上記外界センサの出力データとモーメントと行列とに基
    づいて剛性パラメータを同定してなるロボットの剛性同
    定装置において,上記第2の非剛性パラメータ同定手段が,上記非剛性パ
    ラメータの同定に用いるロボットの動作指令データか
    ら,ロボットを剛体として動作する剛性モードでの固有
    振動数以上の高周波成分を除去した後の該動作指令デー
    タをロボットに入力するものであることを特徴とするロ
    ボットの剛性同定装置。
  10. 【請求項10】 少なくともロボットに取り付けられた
    センサからの出力データに基づいて,上記ロボットの剛
    性を同定する装置であって,上記ロボットの特性を表す
    各パラメータを,剛性パラメータ又は剛性を内部に含む
    パラメータと,それ以外の非剛性パラメータとに分離し
    た上で,それぞれを個別に同定する第3の剛性パラメー
    タ同定手段と第3の非剛性パラメータ同定手段とを具備
    し,上記第3の剛性パラメータ同定手段が,外界センサ
    及び/又は内界センサからの出力データに対して周波数
    解析を施す周波数解析手段を含み,上記第3の非剛性パ
    ラメータ同定手段が別途同定した非剛性パラメータと上
    記周波数解析結果とに基づいて剛性パラメータを同定し
    てなるロボットの剛性同定装置において, 上記第3の非剛性パラメータ同定手段が,上記非剛性パ
    ラメータの同定に用い るロボットの動作指令データ及び
    上記センサからの出力データから,ロボットを剛体とし
    て動作する剛性モードでの固有振動数以上の高周波成分
    をそれぞれ除去した後の該動作指令データ及び出力デー
    タに基づいて上記非剛性パラメータの同定を行うもので
    あることを特徴とするロボットの剛性同定装置。
  11. 【請求項11】 少なくともロボットに取り付けられた
    センサからの出力データに基づいて,上記ロボットの剛
    性を同定する装置であって,上記ロボットの特性を表す
    各パラメータを,剛性パラメータ又は剛性を内部に含む
    パラメータと,それ以外の非剛性パラメータとに分離し
    た上で,それぞれを個別に同定する第4の剛性パラメー
    タ同定手段と第4の非剛性パラメータ同定手段とを具備
    し,上記第4の剛性パラメータ同定手段が,ロボットの
    弾性変形部から外界センサの位置までのヤコビ行列又は
    その逆行列に相当する行列を演算する行列演算手段と,
    別途上記第4の非剛性パラメータ同定手段により同定さ
    れた非剛性パラメータに基づいて上記弾性変形部にかか
    るモーメントを演算するモーメント演算手段とを含み,
    上記外界センサの出力データとモーメントと行列とに基
    づいて剛性パラメータを同定してなるロボットの剛性同
    定装置において, 上記第4の非剛性パラメータ同定手段が,上記非剛性パ
    ラメータの同定に用いるロボットの動作指令データ及び
    上記センサからの出力データから,ロボットを剛体とし
    て動作する剛性モードでの固有振動数以上の高周波成分
    をそれぞれ除去した後の該動作指令データ及び出力デー
    タに基づいて上記非剛性パラメータの同定を行うもので
    あることを特徴とするロボットの剛性同定装置。
  12. 【請求項12】 少なくともロボットに取り付けられた
    センサからの出力データに基づいて,上記ロボットの剛
    性を同定する装置であって,上記ロボットの特性を表す
    各パラメータを,剛性パラメータ又は剛性を内部に含む
    パラメータと,それ以外の非剛性パラメータとに分離し
    た上で,それぞれを個別に同定する第5の剛性パラメー
    タ同定手段と第5の非剛性パラメータ同定手段とを具備
    し,上記第5の剛性パラメータ同定手段が,外界センサ
    及び/又は内界センサからの出力データに対して周波数
    解析を施す周波数解析手段を含み,上記第5の非剛性パ
    ラメータ同定手段が別途同定した非剛性パラメータと上
    記周波数解析結果とに基づいて剛性パラメータを同定し
    てなるロボットの剛性同定装置において, 上記第5の非剛性パラメータ同定手段が,上記非剛性パ
    ラメータの同定に用いるロボットの動作指令データ及び
    上記センサからの出力データを,それぞれロボットを剛
    体として動作する剛性モードでの固有振動数成分のみと
    なした後の該動作指令データ及び出力データに基づいて
    上記非剛性パラメータの同定を行うことものであること
    を特徴とするロボットの剛性同定装置。
  13. 【請求項13】 少なくともロボットに取り付けられた
    センサからの出力データに基づいて,上記ロボットの剛
    性を同定する装置であって,上記ロボットの特性を表す
    各パラメータを,剛性パラメータ又は剛性を内部に含む
    パラメータと,それ以外の非剛性パラメータとに分離し
    た上で,それぞれを個別に同定する第6の剛性パラメー
    タ同定手段と第6の非剛性パラメータ同定手段とを具備
    し,上記第6の剛性パラメータ同定手段が,ロボットの
    弾性変形部から外界センサの位置までのヤコビ行列又は
    その逆行列に相当する行列を演算する行列演算手段と,
    別途上記第6の非剛性パラメータ同定手段により同定さ
    れた非剛性パラメータに基づいて上記弾性変形部にかか
    るモーメントを演算するモーメント演算手段とを含み,
    上記外界センサの出力データとモーメントと行列とに基
    づいて剛性パラメータを同定してなるロボットの剛性同
    定装置において, 上記第6の非剛性パラメータ同定手段が,上記非剛性パ
    ラメータの同定に用いるロボットの動作指令データ及び
    上記センサからの出力データを,それぞれロボットを剛
    体として動作する剛性モードでの固有振動数成分のみと
    なした後の該動作指令データ及び出力データに基づいて
    上記非剛性パラメータの同定を行うものであることを特
    徴とするロボットの剛性同定装置。
  14. 【請求項14】 上記剛性パラメータの同定に際して,
    ロボットの可動部の可動方向への弾性変形のみならず,
    可動部の可動方向以外の所定方向と,支持部の所定方向
    への弾性方向をも考慮したモデルを用いる請求項8〜1
    3のいずれかに記載のロボットの剛性同定装置。
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