JP3076746U - 園芸用トレー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 数種類の植物を観賞用として見栄え良く奇麗
に寄せ並べられ、しかもその配列や取り合わせを必要に
応じて容易かつ迅速に変更できる園芸用トレーを提供す
る。 【構成】 植木鉢を填め込むための複数のポケット６
と、それらの上端が接続する天板３とをプラスチックで
一体成形する。天板３は円盤状とし、これには各ポケッ
ト６に対応してそれらの内部に通じる開口部５を形成す
る。ポケット６は植木鉢の底面を支持するべく開口部５
に対向するリング状の底枠１０をもち、その底枠１０と
開口部５との周縁が複数条の支持脚９にて結ばれる。そ
して、その各ポケット６に植木鉢Ｐを填め込んで数種類
の植物を寄せ並べて観賞することができ、そのアレンジ
も植木鉢Ｐを個別に抜き差しするだけで容易に行える。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、数種類の植物を寄せ並べて観賞するのに適した園芸用トレーに係わ り、特にそれら植物の配列、取り合わせを所望に応じて容易に変更できるように した園芸用トレーに関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、植物の栽培用として円錐形の植木鉢が広く利用されているが、中でも 図７に示すようなプラスチック製の軟質な植木鉢Ｐ（育苗ポット）の需要が近年 において殊に顕著である。又、そのほか、底の浅い偏平な容器にして比較的小さ な草花や観葉植物を寄せ植えできるようにしたものがある。

【０００３】 図８はその使用例を示した概略図である。同図において、Ｔは植物栽培用の容 器（トレー）であり、その中には例えば水耕栽培用にして水又は養液ほか、植物 の根を保持することなどを目的としてハイドロボールと呼ばれる多孔質その他の 培養基材Ｂが収容される。そして、これによれば多数の植物を寄せ植えして群生 させることができ、室内用にしてインテリア効果が上がる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

然し乍ら、その種の植栽用トレーは、植物を実際に植え込んでみないことには 配列や取り合わせの善し悪しを判断することができないのでアレンジ作業が容易 でなく、その配列が気に入らない場合には作業を最初からやり直さなければなら ず、これを繰り返しているうちに植物を傷めてしまうという欠点があった。

【０００５】 又、一つの植物が根腐れしたしたときには、その病原菌が培養基材や養液を媒 介して他の植物に伝染し易く、これに起因して培養基材や養液を交換する際には 全ての植物を一旦抜き取らねばならぬという煩わしさがあった。

【０００６】 そこで、植木鉢に一つずつ個別に植え込んだ植物を以上のようなトレー上に並 べて栽培する場合もある。そして、これによれば植木鉢を個別に移動させるだけ で好適な配列を容易に選定することことができ、しかも一つの植物が根腐れした 場合もそれだけ直ぐさま交換して他の植物へ被害が及ぶことを防止することがで きる。然し、多数の植物を植木鉢のまま寄せ並べただけでは見栄えが悪く、イン テリア用にして美観を損ない、しかも設置場所を変える場合などに際して各植木 鉢の位置がずれたり、それらが転倒してしまう虞れがある。

【０００７】 本考案は以上のような事情に鑑みて成されたものであり、その目的とする処は 数種類の植物を観賞用として見栄え良く奇麗に寄せ並べられ、しかもその配列や 取り合わせを必要に応じて容易かつ迅速に変更できるようにすることにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記目的を達成するため、プラスチックから一体成形される園芸用ト レーであって、その上面を成す円盤状の天板と、植木鉢を個別に填め込むための 複数のポケットとを有し、前記天板には各ポケットの内部に通じる開口部が形成 され、それら開口部の周縁より前記ポケットがそれぞれ天板の下方に突出されて 成ることを特徴とする園芸用トレーを提供する。

【０００９】 又、本考案はより好適な態様として、プラスチックから一体成形される園芸用 トレーであって、その上面を成す円盤状の天板と、植木鉢を個別に填め込むため の複数のポケットとを有し、前記天板には各ポケットの内部に通じる円形の開口 部が形成されると共に、その開口部は天板の中心と該天板の周方向に沿って等間 隔に形成され、それら開口部の周縁より前記ポケットがそれぞれ天板の下方に突 出されて成ることを特徴とする園芸用トレーを提供する。

【００１０】 特に、上記のような本考案に係る園芸用トレーにおいて、各ポケットは植木鉢 の底面を支持するべく開口部に対向して設けられるリング状の底枠と、この底枠 と開口部との周縁を結ぶ複数条の支持脚とにより構成される。更に、天板の周縁 に沿って、その下方に突出する円形の突条が形成され、天板にはポケットに填め 込まれた植木鉢の上端縁を摘まみ得るよう開口部の部位に通じる切欠きが形成さ れる。

【００１１】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の適用例を図面に基づいて詳細に説明する。先ず、図１は本考案 に係る園芸用トレーの使用態様を示す。図１において、１は植物栽培用の水や養 液を蓄えるための外容器、２は外容器の内部に填め込まれる懸子式の内容器とし て構成した本願に係る園芸用トレーであり、その上面は円盤状の天板３とされる と共に、天板３にはその周縁に沿って下方に突出する円形の突条４が形成され、 その突条４が外容器１の上端外周に嵌められている。

【００１２】 又、天板３には円形をした複数（本例において６つ）の開口部５が形成され、 それら開口部５から後述するポケットの内部に植木鉢Ｐが個別に填め込まれるよ うになっている。尚、植木鉢Ｐとして金属や陶磁器製のものを利用することもで きるが、本例では軟質なプラスチック製のものが用いられる。

【００１３】 図２は、以上のような本願園芸用トレーを示した平面図であり、図３には図２ におけるＸ−Ｘ線断面を示す。図２から明らかなように、開口部５は天板３の中 心と此れを囲むよう天板３の周方向に沿って５つが等間隔（７２度間隔）にして 形成される。そして、本例において総計６つの開口部５の形成位置において、植 木鉢を填め込むためのポケット６が天板３の下方（図２における紙面直角方向） に向けて突出されている。又、同図で明らかなように、天板３には各開口部５の 部位に通じる切欠き７が形成され、その形成位置においてポケット６に填め込ま れた植木鉢の上端縁を摘まんでその抜き差しを容易に行え得るようにしてある。

【００１４】 尚、図２において、８は材料の節減や意匠性を付与する事などを目的として天 板３に穿った抜き穴であり、これは適当な形状と大きさにして開口部５の相互間 に形成され、上記のような外容器１内への通気を促す働きもする。

【００１５】 次に、図３で明らかなように、ポケット６は開口部５の周縁より天板３の下方 に向けて延びる複数条の支持脚９と、その各支持脚９の下端が接続する底枠１０ とで構成される。底枠１０は植木鉢の底面を支持するべく開口部５に対向して設 けられ、その周縁と開口部５の周縁とが支持脚９によって結ばれる。特に、底枠 １０は開口部５より直径が小さいリング状であり、その内側は通水用の透孔１１ とされる。又、各支持脚９は底枠１０と開口部５との周縁を結ぶべく、下端が開 口部５の稍内側に向かって其の各々に植木鉢の外周面が密着するような逆円錐台 （テーパ状）の囲いを形成する。

【００１６】 本例において、支持脚９は図４に示すよう開口部５の周方向で５つが等間隔に 設けられる。そして、天板３には各ポケット６の２つの支持脚９，９の間で上記 のように開口部５に通じる切欠き７が形成される。特に、天板３の周縁側の開口 部５に通じる切欠き７は、図５に示すよう突条４の上部を貫通して外部に開放さ れる。

【００１７】 尚、上記のような園芸用トレーは、全体がポリプロピレンなどのプラスチック から一体成形される。因に、本例において、天板３の直径は２１０mm、開口部５ の直径は５８mm、ポケット６の底面の直径は５０mmであり、又その高さは５４mm とされている。

【００１８】 ここで、以上のように構成される園芸用トレー２の作用を説明する。先ず、好 適な使用態様として、図６に示すよう園芸用トレー２を所定の外容器１内に填め 込み、各ポケット６には草花などが植え付けられた植木鉢Ｐを填め込む。その各 植木鉢Ｐに植えられた植物の管理として、必要に応じて上部から水を与えるよう にしてもよいが、好ましくは外容器１の中に予め適量の水を蓄えておく。これに より、その貯水がポケット６の支持脚９やその底枠１０の透孔１１から植木鉢Ｐ の底面中心孔を通じてその内部に浸透するので、給水作業を少なくできる。尚、 植物が過剰水量により根腐れせぬよう外容器１にはオーバーフロー用の排水口ほ か、給水口を設けると良いが、それら排水口と給水口とを兼用するようにしても 良い。

【００１９】 ここで、草花が枯れてしまった場合には、その植木鉢のみポケット６から抜き 取って別のものと直ぐさま交換することができる。又、各植木鉢をポケット６の 間で相互に移し替えることにより其の配列を変え、以て全体のイメージチェンジ を図ることも容易に行える。一方、花屋などにおいて、好みの植物を数種類選び 、それらを植木鉢ごとポケット６に填め込んでその配列や取り合わせを検討し、 気に入ったアレンジメントができたらこれをセットで購入したり、ギフトとして 贈り先にトラック等にて輸送したりすることができる。

【００２０】 尚、輸送時において植木鉢はポケット６に填め込まれるので転倒したりがたつ いたりすることがなく、しかも園芸用トレー２を上記のような外容器１に填め込 んだ状態で輸送すれば植物が輸送中に枯れたり萎れたりすることもない。

【００２１】 以上、本考案の好適な一例を説明したが、本願に係る園芸用トレーは上記のよ うな構成に限定されるものでなく、例えばポケット６の数は６つに限らず２〜２ ０程度にすることができる。又、これに対応する開口部５の形状を円形のほか四 角形その他の多角形状にしてもよい。更に、ポケット６の構成として支持脚９の 数を３〜１０程度にしたり、これに代えてポケット６の周囲を隙間のないテーパ 状の壁としてもよい。又、使用態様として上記のような外容器１を用いず、園芸 用トレー２を単体で用いることもできる。

【００２２】

【考案の効果】

以上の説明で明らかなように、本考案によれば天板により連結される複数のポ ケットを有し、その各ポケットに植木鉢を個別に填め込んで数種類の植物を寄せ 並べられるようにしていることから、インテリア用にして装飾効果が大きく、数 種類の植物をアレンジするのも容易であり、しかも設置場所を変える場合にも植 木鉢が転倒したりがたついたりする事がなく、更に天板が円盤状であるから美的 であるばかりでなく、角がないから安全性も高い。

【００２３】 又、本願園芸用トレイを填め込み得るような外容器を用いてポケットに填め込 まれた植木鉢に底面灌水することができ、特に天板の周縁に突条を形成している から本願園芸用トレーを外容器に填め込んだ場合に安定性が良く、しかも園芸用 トレーを外容器から分離するだけで外容器に蓄えられた水を容易に交換すること ができる。

【００２４】 更に、ポケットに填め込まれた植木鉢の上端縁を摘まみ得るよう、天板に開口 部へ通じる切欠きを形成していることから、植木鉢の抜き差しを容易に行うこと ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願に係る園芸用トレーの使用態様を示した斜
視図

【図２】同トレーを示した平面図

【図３】図２におけるＸ−Ｘ線断面図

【図４】同トレーにおいて植木鉢を填め込むポケットを
示した平面図

【図５】同トレーを部分的に破断して示した側面図

【図６】同トレーの使用態様を示した断面図

【図７】植木鉢を示した斜視図

【図８】従来の植物栽培用容器の使用形態を示した断面
図

【符号の説明】

１ 外容器 ２ 園芸用トレー ３ 天板 ４ 突条 ５ 開口部 ６ ポケット ７ 切欠き ８ 抜き穴 ９ 支持脚 １０ 底枠 １１ 透孔

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 プラスチックから一体成形される園芸用
   トレーであって、その上面を成す円盤状の天板と、植木
   鉢を個別に填め込むための複数のポケットとを有し、前
   記天板には各ポケットの内部に通じる開口部が形成さ
   れ、それら開口部の周縁より前記ポケットがそれぞれ天
   板の下方に突出されて成ることを特徴とする園芸用トレ
   ー。
2. 【請求項２】 プラスチックから一体成形される園芸用
   トレーであって、その上面を成す円盤状の天板と、植木
   鉢を個別に填め込むための複数のポケットとを有し、前
   記天板には各ポケットの内部に通じる円形の開口部が形
   成されると共に、その開口部は天板の中心と該天板の周
   方向に沿って等間隔に形成され、それら開口部の周縁よ
   り前記ポケットがそれぞれ天板の下方に突出されて成る
   ことを特徴とする園芸用トレー。
3. 【請求項３】 各ポケットは植木鉢の底面を支持するべ
   く開口部に対向して設けられるリング状の底枠と、この
   底枠と開口部との周縁を結ぶ複数条の支持脚とにより構
   成される請求項１、又は２記載の園芸用トレー。
4. 【請求項４】 天板の周縁に沿って、その下方に突出す
   る円形の突条が形成される請求項１、又は２記載の園芸
   用トレー。
5. 【請求項５】 天板にはポケットに填め込まれた植木鉢
   の上端縁を摘まみ得るよう開口部の部位に通じる切欠き
   が形成される請求項１、又は２記載の園芸用トレー。