JP3023605U - 栽培容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃品を利用した、かつ、草花等の成育に適し
た栽培容器を提供することにある。 【解決手段】 空となった透明のペットボトル１の中間
高さ位置で切断された上半部２と、上半部２が上下逆に
反転されて挿入される下半部３と、を備えている。ま
た、反転した上半部２の漏斗状底壁部４に複数の小孔５
…を設けている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、廃品を利用した、かつ、草花等を長期にわたって枯らすことなく栽 培することができる栽培容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、図６に示すように、草花ａ等は植木鉢ｂに植込まれ、この植木鉢ｂ は水受け皿ｃに載置されて草花ａ等を栽培していた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、草花ａ等に水を掛けた場合、植木鉢ｂの底壁ｄに設けられた孔 部ｅから水が排出され、この水は（水受け皿ｃから溢れなければ）水受け皿ｃに 溜められたままなので外部からの空気が孔部ｅから供給され難い。このため、草 花ａ等の毛根が息ができなくなり草花ａ等が枯れ易かった。

【０００４】 そこで、本考案は上述の欠点を解決すると共に、廃品を利用した、かつ、草花 等が枯れ難い栽培容器を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る栽培容器は、空となった透明のペットボトルの中間高さ位置で切 断された上半部と、該上半部が上下逆に反転されて挿入される下半部と、を備え 、反転した上半部の漏斗状底壁部に複数の小孔を設けたものである。

【０００６】 また、反転した上半部の下端開口部に元のキャップ部材を取付けたものである 。また、下半部の底壁の中央位置から突隆した突隆部に反転した上半部に付設の キャップ部材が当接すると共に、反転した上半部の漏斗状底壁部と下半部の底壁 及び周壁下部との間に環状空室部が形成されたものである。

【０００７】 そして、空となった透明のペットボトルの中間高さ位置にあるくびれ溝の下方 位置で切断され上下逆に反転した上半部を下半部に挿入して重ねた状態に於て、 上記反転した上半部の一部が下半部の開口部から突出したものである。

【０００８】 さらに、透明の下受け部と、該下受け部に挿入して支持され草花等が植込まれ る透明の植込み部と、を備え、植込み部の複数の小孔が形成された漏斗状底壁部 と下受け部の底壁及び周壁下部との間に環状空室部を形成すると共に、上記植込 み部を下受け部に挿入して重ねた状態に於て植込み部の一部が下受け部の開口部 から突出したものである。

【０００９】

【考案の実施の形態】

以下、図面に基づき本考案を詳説する。 図１は、本考案に係る栽培容器を示し、この栽培容器は、ハーブ類・観葉植物 類・野菜類・草花類を栽培するものであり、空となった透明のペットボトル１の 中間高さ位置で切断された上半部２と、上半部２が上下逆に反転されて挿入され る下半部３と、を備えている。

【００１０】 また、反転した上半部２の漏斗状底壁部４に複数の小孔５…が設けられている 。そして、反転した上半部２の下端開口部６に元のキャップ部材７が（下端開口 部６から取外されずに）そのまま取付けられている。

【００１１】 さらに、下半部３の底壁８の中央位置から突隆した突隆部９に反転した上半部 ２に付設のキャップ部材７が当接すると共に、反転した上半部２の漏斗状底壁部 ４と下半部３の底壁８及び周壁下部10との間に環状空室部11が形成されている。

【００１２】 また、空となった透明のペットボトル１の中間高さ位置にあるくびれ溝12（図 ３参照）の下方位置で切断され上下逆に反転した上半部２を下半部３に挿入して 重ねた状態に於て、この反転した上半部２の一部が下半部３の開口部13から突出 している。つまり、反転した上半部２の下端にあるくびれ溝12が開口部13より上 方位置にある。

【００１３】 次に、この栽培容器の使用方法について説明する。 図２に示す如く、先ず、上半部２の開口部25から上半部２に土14を入れて、こ の土14に草花15等を植込む。そして、下半部３内に適量の水16を入れて、下半部 ３の開口部13に上述の状態の上半部２を差し込む。

【００１４】 次に、この草花15等に水16を少し掛ければ、この水16は複数の小孔５…から矢 印Ｂ方向の如く排出してゆく。

【００１５】 ある期間使用の後、下半部３の内部は次のように簡単に洗浄できる。即ち、上 半部２の一部が下半部３の開口部13から突出した所に手を当てて握り、上半部２ を下半部３から抜き出してから、下半部３の内面を洗浄すればよい。

【００１６】 また、図５に示すように、下半部３内の水位及び上半部２内の土14の湿り具合 が見えるため、草花15等の性質に合った水と湿度の与え方が適切に行える。即ち 、（仮想線で示された）の水位まで下半部３内に水16を入れれば、多湿を好む 草花15（例えばセリ、クレソン等）を育てることができる。また、（仮想線で示 された）の水位まで下半部３内に水を入れれば、湿度を好む草花15（例えば三 葉、シソ等）を育てることができる。そして、の水位まで下半部３内に水を入 れれば、普通の草花15（例えば、観葉植物）を育てることができる。さらに、（ 仮想線で示された）の水位まで下半部３内に水を入れれば、乾燥を好む草花15 を育てることができる。

【００１７】 また、図４に示す実施の他の形態に於ては、（ペットボトル１を用いないで） 独自に製作されて、透明の下受け部17と、下受け部17に挿入して支持され草花15 等が植込まれる透明の植込み部18と、を備えている。そして、植込み部18の漏斗 状底壁部19には複数の小孔20…が形成されている。

【００１８】 しかして、植込み部18を下受け部17に挿入して重ねた状態に於て、植込み部18 の漏斗状底壁部19と下受け部17の底壁21及び周壁下部22との間に環状空室部23が 形成され、また、植込み部18の一部が下受け部17の開口部24から突出している。 なお、図４に於て図示省略したが、植込み部18が下受け部17に適切な深さだけ 挿入されるための位置決め用外フランジ部を植込み部18の外周壁の一部に形成し たり、又は植込み部18の底壁から所定長さの支脚を突設するのが良い。植込み部 18の開口部26に（図示省略の）くびれ溝を設けるも好ましい。即ち、土14を入れ る植込み部18の補強のために好ましい。

【００１９】 次に、この栽培容器の使用方法について説明する。 図４に示す如く、先ず、植込み部18の開口部26から土14を入れて、この土14に 草花15等を植込む。そして、下受け部17内に適量の水16を入れて、下受け部17の 開口部24に上述の状態の植込み部18を差し込む。

【００２０】 次に、この草花15等に水16を少し掛ければ、この水16は複数の小孔20…から、 矢印Ｃ方向のように、排出してゆく。なお、洗浄は前述の実施の態様と同様であ る。

【００２１】

【考案の効果】

本考案は上述の如く構成されているので、次に記載の効果を奏する。

【００２２】 （請求項１によれば、）この栽培容器はペットボトル１から成っているので廃 品の利用となると共に、容易に製作できる。 また、この栽培容器は全体が透明なので草花15等の毛根の張り具合いが良く分 かり、草花15等の手入れに役立つ。そして、見た感じが清々しいので、この栽培 容器を載置するだけでその周辺の雰囲気が明るくなる。

【００２３】 そして、反転した上半部２を下半部３に挿入して重ね合わせた状態に於て、（ 草花15等に掛けられた）水16が反転した上半部２の漏斗状底壁部４に設けられた 複数の小孔５…から排出してゆくので、常に水16が草花15等の根に与えられた状 態にならず根腐りの防止をすることができる。つまり、草花15等を長期にわたっ て枯らすことなく栽培することが可能である。また、複数の小孔５…から酸素を 根に常に供給させることができる。 そして、上半部２と下半部３は別体なので、各々洗浄し易い。特に、下半部３ は（上半部２を一旦抜き出せば）その内面を簡単に洗浄できて、常に美しく保持 できる。また、水と湿度を好む植物と、そうでない植物とに応じて、水の量を加 減しやすく、かつ、その判断を行い易い（図５参照）。

【００２４】 （請求項２によれば、）キャップ部材７を取外さずにそのまま使用しているの で公害にならず廃品の利用となる。 また、上半部２の中に入れられた土14の外方への漏れを容易に、かつ、確実に 防ぐことができる。

【００２５】 （請求項３によれば、）草花15等が植込まれた（全体的に質量の重い）上半部 ２でも、下半部３に強固に支持される。 また、このように上半部２の質量が重くてもこの上半部２のキャップ部材７が 下半部３の（剛性の大きい）突隆部９に当接するので、下半部３の底壁８に亀裂 や変形等を生じさせない。

【００２６】 そして、環状空室部11に（草花15等に掛けられた）水16を適量貯蔵することが でき、このため度々草花15等に給水しなくても良い。 しかして、反転した上半部２の漏斗状底壁部４に設けられた複数の小孔５…か ら環状空室部11中の酸素が草花15等の毛根に常に供給されるので、草花15等を枯 らすことなく長期にわたって栽培することができる。

【００２７】 （請求項４によれば、）上半部２の（開口部13側にある）くびれ溝12にて、こ の上半部２に土14を入れる際に外方へこの土14をこぼすことなく確実に上半部２ 中へ誘導することができる。さらに、このくびれ溝12が有ることによって、開口 部13の補強が行われる。 また、反転した上半部２を下半部３に挿入した際にこの上半部２の一部が下半 部３の開口部13より突出するので、この突出した所に手を当てれば容易に上半部 ２を下半部３より抜き出すことができる。

【００２８】 （請求項５によれば、）容器全体が透明なので、草花15等の毛根の張り具合い が良く分かり手入れに役立つ。 また、環状空室部23に水16を適量貯蔵することができる。透明なので、その草 花15等の種類に応じて最適の水位であるか否かを容易に判断できて、適切な水量 を維持できる。

【００２９】 植込み部18を下受け部17に挿入した際にこの植込み部18の一部が下受け部17の 開口部24より突出するので、この突出した所に両手をあてがえば簡単に植込み部 18を下受け部17より抜き出すことができる。また、下受け部17の内面の洗浄は（ 植込み部18を抜き出して）簡単に行うことができるので、外部から見て常に清々 しい印象を与え得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施の一形態を示す断面図である。

【図２】使用状態を示す断面図である。

【図３】ペットボトルを示す正面図である。

【図４】本考案の実施の他の形態を示す断面図である。

【図５】使用状態を示す断面図である。

【図６】従来例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ ペットボトル ２ 上半部 ３ 下半部 ４ 漏斗状底壁部 ５ 小孔 ６ 下端開口部 ７ キャップ部材 ８ 底壁 ９ 突隆部 10 周壁下部 11 環状空室部 12 くびれ溝 13 開口部 15 草花 17 下受け部 18 植込み部 19 漏斗状底壁部 20 小孔 21 底壁 22 周壁下部 23 環状空室部 24 開口部

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 空となった透明のペットボトル１の中間
   高さ位置で切断された上半部２と、該上半部２が上下逆
   に反転されて挿入される下半部３と、を備え、反転した
   上半部２の漏斗状底壁部４に複数の小孔５…を設けたこ
   とを特徴とする栽培容器。
2. 【請求項２】 反転した上半部２の下端開口部６に元の
   キャップ部材７を取付けた請求項１記載の栽培容器。
3. 【請求項３】 下半部３の底壁８の中央位置から突隆し
   た突隆部９に反転した上半部２に付設のキャップ部材７
   が当接すると共に、反転した上半部２の漏斗状底壁部４
   と下半部３の底壁８及び周壁下部10との間に環状空室部
   11が形成された請求項１又は２記載の栽培容器。
4. 【請求項４】 空となった透明のペットボトル１の中間
   高さ位置にあるくびれ溝12の下方位置で切断され上下逆
   に反転した上半部２を下半部３に挿入して重ねた状態に
   於て、上記反転した上半部２の一部が下半部３の開口部
   13から突出した請求項１記載の栽培容器。
5. 【請求項５】 透明の下受け部17と、該下受け部17に挿
   入して支持され草花15等が植込まれる透明の植込み部18
   と、を備え、植込み部18の複数の小孔20…が形成された
   漏斗状底壁部19と下受け部17の底壁21及び周壁下部22と
   の間に環状空室部23を形成すると共に、上記植込み部18
   を下受け部17に挿入して重ねた状態に於て植込み部18の
   一部が下受け部17の開口部24から突出したことを特徴と
   する栽培容器。