JP3072036U - シロップ入りホットケーキ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 手などを汚すことなく、手軽に食することが
でき、かつホットケーキ生地とシロップの２つの味を楽
しむことのできるホットケーキを提供する。 【解決手段】 シロップを耐熱性のゲル化剤でゼリー化
し、チップ状に成形してなるチップ状シロップ２をホッ
トケーキ生地３の中に含有させて、常法によりホットケ
ーキ１を製造する。このホットケーキ１は、所望により
冷凍又は冷蔵してもよい。また、チップ状シロップは、
その糖度がＢｘ５０〜９０であり、その平均粒径が２〜
５ｍｍであり、糖液に、メープルシロップ、メープルフ
レーバー、カラメル、ハチミツ、及びハチミツフレーバ
ーから選ばれた少なくとも１種を添加したシロップを含
有することが好ましい。更に、ホットケーキ生地１００
質量部に対して、チップ状シロップを５〜１５質量部含
有していることが好ましい。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、手などを汚すことなく手軽に食することができ、ホットケーキ生地 とシロップの２つの味を楽しむことのできるシロップ入りホットケーキに関する 。

【０００２】

【従来の技術】

ホットケーキは、子供のおやつなどとしてよく食されており、従来、家庭でホ ットケーキを作るときは、市販されているホットケーキミックスに卵や牛乳等を 加えた生地をフライパンなどで焼成して作られている。ホットケーキは、そのま ま食しても味や風味に乏しいため、通常、バターやマーガリンを塗り、シロップ やジャムなどをかけて食されている。

【０００３】 また、上記のようにホットケーキをホットケーキミックスから作ると手間がか かるため、その手間を省き、電子レンジなどで温めるだけで手軽に食することが できるように、出来合いのホットケーキにバターやシロップなどを別添した製品 も市販されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記のような出来合いのホットケーキであっても、やはり従来のよう に別添の容器のバターやシロップなどをかけて食べなければならないので手間が かかり、また、特に小さな子供は容器からシロップをこぼしたりして手や服を汚 すことが多かった。さらに、バターやシロップを別添すると、その分製造コスト がかかってしまうという問題があった。

【０００５】 上記のような問題を解決するために、出来合いのホットケーキに、はじめから バターやシロップをかけておくことも考えられるが、この場合、ホットケーキ生 地にバターやシロップがしみ込んでしまい、ホットケーキらしい食感が失われて しまう。また、ホットケーキ自体がベトついて包装しにくい上、包装容器にバタ ーやシロップが付いてしまい、見た目も美しくない。。

【０００６】 また、焼成前のホットケーキ生地にバターやシロップを混ぜ込んで焼成した場 合、全体にシロップの味が分散してしまい、生地本来の風味を楽しむことができ ない。

【０００７】 したがって、本考案の目的は、手などを汚すことなく、手軽に食することがで き、かつホットケーキ生地とシロップの２つの味を楽しむことのできるホットケ ーキを提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案の第１は、シロップを耐熱性のゲル化剤でゼ リー化し、チップ状に成形してなるチップ状シロップを含有することを特徴とす るシロップ入りホットケーキを提供するものである。

【０００９】 本考案の第２は、前記第１の考案において、冷凍又は冷蔵されているシロップ 入りホットケーキを提供するものである。

【００１０】 本考案の第３は、前記第１又は第２の考案において、前記チップ状シロップの 糖度がＢｘ５０〜９０であるシロップ入りホットケーキを提供するものである。

【００１１】 本考案の第４は、前記１〜３の考案のいずれかにおいて、前記チップ状シロッ プの平均粒径が、２〜５ｍｍであるシロップ入りホットケーキを提供するもので ある。

【００１２】 本考案の第５は、前記１〜４の考案のいずれかにおいて、前記チップ状シロッ プが、糖液に、メープルシロップ、メープルフレーバー、カラメル、ハチミツ、 及びハチミツフレーバーから選ばれた少なくとも１種を添加したシロップを含有 するものであるシロップ入りホットケーキを提供するものである。

【００１３】 本考案の第６は、前記１〜５の考案のいずれかにおいて、ホットケーキ生地１ ００質量部に対して、前記チップ状シロップを５〜１５質量部含有しているシロ ップ入りホットケーキを提供するものである。

【００１４】 本考案の第７は、前記１〜６の考案のいずれかにおいて、小麦粉と、膨張剤と 、油脂と、卵原料と、乳原料とを含有する生地に、前記チップ状シロップを混合 して得られたシロップ入りホットケーキを提供するものである。

【００１５】 本考案の第１によれば、シロップを耐熱性のゲル化剤でゼリー化し、チップ状 シロップとし、これをホットケーキの中に含有させたことにより、食べるときに シロップをかける必要がなく、手や服などを汚すことがない。また、電子レンジ などで温めるだけで食べることができ、さらに、その際にシロップがホットケー キ生地にしみ込んだりすることがないので、ホットケーキ生地とシロップの２つ の味を楽しむことができるホットケーキを提供することができる。

【００１６】 本考案の第２によれば、冷凍又は冷蔵品とすることにより、電子レンジやオー ブンなどで加熱するだけで簡単に食べられる保存性に優れたシロップ入りホット ケーキを提供することができる。

【００１７】 本考案の第３によれば、チップ状シロップの糖度をＢｘ５０〜９０とすること により、ホットケーキ生地とチップ状シロップとの間に適度な甘味の差が生じ、 口の中でメリハリのある新鮮な食味を有するシロップ入りホットケーキを提供す ることができる。

【００１８】 本考案の第４によれば、チップ状シロップの平均粒径を２〜５ｍｍとすること により、ホットケーキ生地とシロップの２つの味をより一層楽しむことのできる シロップ入りホットケーキを提供することができる。

【００１９】 本考案の第５によれば、チップ状シロップとして、糖液に、メープルシロップ 、メープルフレーバー、カラメル、ハチミツ、及びハチミツフレーバーから選ば れた少なくとも１種を添加したシロップを含有するものを用いることにより、ホ ットケーキ生地の味と非常にマッチした味のチップ状シロップを含有するシロッ プ入りホットケーキを提供することができる。

【００２０】 本考案の第６によれば、ホットケーキ生地１００質量部に対して、前記チップ 状シロップを５〜１５質量部含有させることにより、食べたときにホットケーキ 生地の味と該チップ状シロップの味のバランスのよいシロップ入りホットケーキ を提供することができる。

【００２１】 本考案の第７によれば、小麦粉と、膨張剤と、油脂と、卵原料と、乳原料とを 含有する生地に、前記チップ状シロップを混合することにより、焼成しても該チ ップ状シロップが溶解してホットケーキ生地にしみ込むことがなく、チップ状シ ロップが均一に分散したシロップ入りホットケーキを提供することができる。

【００２２】

【考案の実施の形態】

本考案のホットケーキは、ホットケーキ生地を加熱プレート等で平板状に焼成 したもの以外に、マドレーヌ型、大判焼型及びそれに類する菓子用の焼型等で種 々の形状に焼成したものも含む。

【００２３】 本考案のホットケーキ生地の原料は、従来のホットケーキと同様である。すな わち、小麦粉を主成分とし、これに、膨張剤、油脂、卵原料、乳原料、糖類等を 適宜添加し、必要に応じて適量の水を加えて混合した生地（バッター）を用いる ことができる。

【００２４】 本考案で用いられるチップ状シロップとは、シロップをゲル化剤でゲル化し、 このゲルの塊を適当な手段で破砕、粉砕、切断などしてチップ状に成形したもの 、又は最初からチップ状になるようにゲル化したものをいう。

【００２５】 本考案においては、シロップとして、メープルシロップ、又は砂糖、水飴等を 含有する糖液に、メープルシロップ、メープルフレーバー、カラメル、ハチミツ 、及びハチミツフレーバーから選ばれた少なくとも１種を添加したシロップが風 味の点から好ましく用いられる。特に、糖液に、メープルシロップ、メープルフ レーバー、カラメル、ハチミツ、及びハチミツフレーバーから選ばれた少なくと も１種を添加したシロップが好ましい。

【００２６】 また、ゲル化剤としては、ペクチン（ＬＭペクチン等）、ジェランガム、グル コマンナン、アルギン酸などが挙げられる。

【００２７】 さらに、このチップ状シロップは、ホットケーキを１６０〜２００℃で焼成す る時に、生地中で溶解しない耐熱性を有することが好ましい。

【００２８】 上記のようなゲル化剤を用いて耐熱性を有するゲルを形成する方法としては、 例えばＬＭペクチンを用いた場合、カルシウムイオンでゲル化させればよく、ジ ェランガム、グルコマンナン又はアルギン酸を用いた場合は、２価又は１価のア ルカリ金属塩等を添加してゲル化させればよい。

【００２９】 本考案においては、上記チップ状シロップの糖度がＢｘ５０〜９０であること が好ましく、Ｂｘ６０〜８０であることがより好ましい。糖度がＢｘ５０未満で あるとチップ状シロップとホットケーキ生地との甘味の差にメリハリがなく、糖 度がＢｘ９０超であるとチップ状シロップが固くなり、飴状の食感となるため好 ましくない。

【００３０】 また、上記チップ状シロップの平均粒径が２〜５ｍｍであることが好ましい。 平均粒径が２ｍｍ未満であると食べたときに全体にシロップの味が分散してしま い、生地本来の風味を楽しむことができず、平均粒径が５ｍｍを超えるとチップ 状シロップの食感が顕著になるため好ましくない。

【００３１】 図１には、本考案の一実施例であるシロップ入りホットケーキの一部切欠き断 面図が示されている。このシロップ入りホットケーキ１は、ホットケーキ生地３ の中にチップ状シロップ２が分散して存在しているものである。

【００３２】 本考案のシロップ入りホットケーキは、例えば以下のようにして製造すること ができる。常法にしたがって、上記のような各原料を混合してホットケーキ生地 を作り、これに、好ましくはホットケーキ生地１００質量部に対して、上記チッ プ状シロップを５〜１５質量部加え、混合して、１６０〜２００℃で上下面に適 度な焼き色がつくまで焼成する。

【００３３】 なお、ホットケーキ生地１００質量部に対するチップ状シロップの添加量が５ 質量部未満であるとシロップの風味が薄くなりすぎるため好ましくなく、１５質 量部を超えるとホットケーキ生地の風味が減少し、甘くなりすぎるため好ましく ない。

【００３４】

【実施例】

小麦粉４０ｇ、膨張剤（ベーキングパウダー）１．５ｇ、粉末油脂２ｇ、全卵 １０ｇ、粉乳１ｇ、砂糖１０ｇを、牛乳４０ｍｌに混合してホットケーキ生地を 得た。

【００３５】 一方、砂糖５０ｇ、水飴５０ｇ、ペクチン２ｇ、香料０．３ｇ、クエン酸０． ３ｇ、クエン酸Ｎａ０．２５ｇ、カラメル粉末０．２ｇ、リン酸三Ｃａ０．１ｇ を、水２５ｍｌに混合し、加熱溶解した後、糖度Ｂｘ７５のゼリー液とし、冷却 後カットして、平均粒径３ｍｍのチップ状シロップを製造した。

【００３６】 上記ホットケーキ生地９５ｇに対して、上記チップ状シロップ５ｇを混合し、 加熱プレートで焼成して、シロップ入りホットケーキを製造した。

【００３７】 このホットケーキを−２０℃で冷凍し、１０日間保存した後、冷凍庫から取り 出して、電子レンジで加熱調理して食したところ、ホットケーキの風味とシロッ プの風味を同時に味わうことができ、たいへん美味であった。また、ゼリーチッ プが溶けることなくホットケーキ生地中に含有されており、ホットケーキ生地の 本来の食感が損なわれることはなかった。

【００３８】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、ホットケーキにチップ状シロップを含 有させることにより、手などを汚すことなく、手軽に食することができ、かつホ ットケーキ生地とシロップの２つの味を楽しむことのできるホットケーキを提供 することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるシロップ入りホットケーキの一実
施形態を示す一部切欠き断面図である。

【符号の説明】

１ シロップ入りホットケーキ ２ チップ状シロップ ３ ホットケーキ生地

Claims (7)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シロップを耐熱性のゲル化剤でゼリー化
   し、チップ状に成形してなるチップ状シロップを含有す
   ることを特徴とするシロップ入りホットケーキ。
2. 【請求項２】 冷凍又は冷蔵されている請求項１に記載
   のシロップ入りホットケーキ。
3. 【請求項３】 前記チップ状シロップの糖度が、Ｂｘ５
   ０〜９０である請求項１又は２に記載のシロップ入りホ
   ットケーキ。
4. 【請求項４】 前記チップ状シロップの平均粒径が、２
   〜５ｍｍである請求項１〜３のいずれか一つに記載のシ
   ロップ入りホットケーキ。
5. 【請求項５】 前記チップ状シロップが、糖液に、メー
   プルシロップ、メープルフレーバー、カラメル、ハチミ
   ツ、及びハチミツフレーバーから選ばれた少なくとも１
   種を添加したシロップを含有するものである請求項１〜
   ４のいずれか一つに記載のシロップ入りホットケーキ。
6. 【請求項６】 ホットケーキ生地１００質量部に対し
   て、前記チップ状シロップを５〜１５質量部含有してい
   る請求項１〜５のいずれか一つに記載のシロップ入りホ
   ットケーキ。
7. 【請求項７】 小麦粉と、膨張剤と、油脂と、卵原料
   と、乳原料とを含有する生地に、前記チップ状シロップ
   を混合して得られたものである請求項１〜６のいずれか
   一つに記載のシロップ入りホットケーキ。