JP3071603B2

JP3071603B2 - 洗濯機

Info

Publication number: JP3071603B2
Application number: JP5087330A
Authority: JP
Inventors: 充洋松本
Original assignee: Sharp Corp
Current assignee: Sharp Corp
Priority date: 1993-04-14
Filing date: 1993-04-14
Publication date: 2000-07-31
Anticipated expiration: 2015-07-31
Also published as: JPH06296793A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、洗濯兼脱水槽内に洗濯
水を貯留したとき、水槽と洗濯兼脱水槽との間に中間水
が貯留しない全自動洗濯機等の洗濯機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の洗濯機は、特開平４−５１９９３
号公報に開示されているように、図５の如く、洗濯機本
体１内に吊棒２で水槽３を吊支し、水槽３内に側壁に複
数の小孔を有する洗濯兼脱水槽４を回転自在に配し、該
洗濯兼脱水槽４内に撹拌翼５を回転自在に配して、水槽
３の底部にモータ６を取り付け、このモータ６により駆
動伝達部７を介して洗濯兼脱水槽４および撹拌翼５を回
転駆動する。

【０００３】また、水槽３の底部に排水口１０を形成
し、この排水口１０に連通する排水管１１の先端を分岐
して一方を排水弁１２を介して排水ホース１３に連結
し、他方を循環ポンプ１４を介して循環ホース１５によ
り構成される循環流路に連結する。循環ホース１５は、
水槽３の上方で上面板１６内で下方に開口し、この開口
より循環水をフィルタケース１７を介して洗濯兼脱水槽
４内に吐出する。

【０００４】そして、汚れ程度の軽い衣類やデリケート
な衣類を洗濯するとき、撹拌翼５の回転による布傷みを
防止するために、撹拌翼５を回転させずに循環ポンプ１
４を駆動して洗濯水を循環させて洗濯物へ浸透通過させ
たり、これに併用して洗濯兼脱水槽４の一方向への低速
回転による遠心力によって洗濯水の浸透通過をより促進
させていた。

【０００５】一方、実開平４−２８８８７号公報に開示
されている洗濯機は、排水弁１２と循環ポンプ１４との
間に貯水タンクを設け、循環ポンプ１４の流入口を貯水
タンクの底よりも上方に位置させている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】従来の洗濯機におい
て、洗浄力を高めるためには、循環する洗濯水をヒータ
により温水化する方法がある。この場合、貯水タンク内
にヒータを配することが考えられるが、洗濯兼脱水槽４
が底部の排水口および側壁の小孔により水槽３と連通し
ており、水槽３と洗濯兼脱水槽４との間の洗濯水（以
下、中間水という）が存在するため、洗濯兼脱水槽４内
の洗濯水だけでなく中間水も加熱する必要があり、多量
の電力と多大な時間を要していた。

【０００７】また、従来のように洗濯水を循環させる洗
浄方法では、機械力（撹拌力）が弱く、洗濯物の大きさ
あるいは布量によっては洗濯水の洗濯物への浸透通過が
十分に行われずに洗いムラが生じ、所定の洗浄性能を得
ることはできない。

【０００８】また、洗濯兼脱水槽４の低速回転による遠
心力によって洗濯兼脱水槽４の側壁に張り付いた洗濯物
に循環水を注水する場合でも、洗濯物の布量や形状によ
っては洗濯水を均一に浸透通過させることができず、洗
いムラが生じる。さらに、洗濯水が落下して洗濯物に当
たるため、洗濯水の飛びはねが多く、洗濯機の据付床面
を濡らすことがある。

【０００９】本発明は上記に鑑み、洗濯水を節約でき、
洗浄力を向上できる洗濯機の提供を目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明による課題解決手
段は、洗濯兼脱水槽２３内の洗濯水を洗濯兼脱水槽２３
の回転による遠心力により上部開口２３ａから水槽２２
内に排水する洗濯機において、洗濯兼脱水槽２３内の洗
濯水を底部から排水する第一排水路２５と、水槽２２内
の洗濯水を排水する第二排水路２６と、第一および第二
排水路２５，２６に連通し排水された洗濯水を再び洗濯
兼脱水槽２３内に導く循環流路２７と、該循環流路２７
に配され洗濯水を循環させる循環手段５３とを備え、前
記循環流路２７内あるいは排水路２５，２６内に洗濯水
を加熱する加熱部５０が設けられたものである。

【００１１】そして、洗濯水の排水経路を第一排水路２
５から排水する第一排水状態と第二排水路２６から排水
する第二排水状態との間で切換える排水切換手段４１が
設けられたものである。また、第一排水路２５と第二排
水路２６とを開閉する開閉手段（排水弁４５）が設けら
れたものである。

【００１２】すなわち、洗濯兼脱水槽２３内の洗濯水を
第一排水路２５から排水して加熱部５０で加熱しながら
循環させ、洗濯兼脱水槽２３の回転により洗濯水を第二
排水路２６から排水し洗濯兼脱水槽２３の回転停止後に
洗濯兼脱水槽２３内に戻す洗浄工程を行うものである。

【００１３】

【作用】上記課題解決手段において、洗濯運転を開始す
ると、洗濯兼脱水槽２３内の洗濯物が浸かる程度まで給
水し、撹拌翼２４を回転させるとともに、洗濯兼脱水槽
２３内の洗濯水を第一排水路２５から排水する。そし
て、循環手段５３の駆動により、洗濯水は循環流路２７
に流れていく。第一排水路２５あるいは循環流路２７を
通過するとき、加熱部５０により加熱され、温水となっ
て再び洗濯兼脱水槽２３内に戻される。

【００１４】所定時間経過して洗濯水が洗濯物になじむ
と、排水切換手段４１により第一排水路２５が遮断さ
れ、洗濯兼脱水槽２３が高速回転する。このときの遠心
力により、洗濯物が洗濯兼脱水槽２３の側壁に押し付け
られ、洗濯兼脱水槽２３内の洗濯水が側壁に沿って上昇
しながら洗濯物に十分に浸透通過する。このため、洗濯
兼脱水槽２３内の洗濯水が少量であっても十分な洗浄力
が得られる。上昇した洗濯水は、開口２３ａから水槽２
２内に排水される。所定時間経過すると、洗濯兼脱水槽
２３の回転を停止させ、循環手段５３を駆動して貯留し
た洗濯水を洗濯兼脱水槽２３内に戻す。これらの動作を
繰り返し行い、洗濯物を洗浄する。

【００１５】

【実施例】本発明の一実施例の洗濯機は、図１の如く、
洗濯機本体２０内に吊棒２１により吊支された水槽２２
と、該水槽２２に回動可能に配され側壁上部に開口２３
ａを有する洗濯兼脱水槽２３と、該洗濯兼脱水槽２３の
底部に回動可能に配された撹拌翼２４と、前記洗濯兼脱
水槽２３内の洗濯水を底部から排水する第一排水路２５
と、前記水槽２２内の洗濯水を排水する第二排水路２６
と、第一および第二排水路２５，２６に連通し排水され
た洗濯水を再び前記洗濯兼脱水槽２３内に導く循環流路
２７とを備えている。

【００１６】前記水槽２２の内底部には、洗濯兼脱水槽
２３の高速回転による遠心力により、開口２３ａから水
槽２２内に排水される洗濯水を貯める凹部３０が形成さ
れ、この凹部３０の下部に第二排水路２６が形成されて
いる。

【００１７】また、水槽２２の外底部には、洗濯兼脱水
槽２３および撹拌翼２４を回動させる駆動モータ３１が
取り付けられている。この駆動モータ３１の駆動力は、
プーリ３２ａ，３２ｂ、Ｖベルト３３、駆動伝達を切換
える機構部３４等からなる周知の駆動伝達機構３５等を
介して洗濯兼脱水槽２３および撹拌翼２４に伝達され
る。

【００１８】前記洗濯兼脱水槽２３の側壁の開口２３ａ
より上部には、バランサ３６が内側に突出形成されてい
る。また、洗濯兼脱水槽２３の底部中央には、水抜孔２
３ｂが形成されている。この水抜孔２３ｂの孔壁から水
槽２２の内底部にかけて、水槽２２と洗濯兼脱水槽２３
の水密を保持するためのオイルシール３７がシール部３
７ａを介して配され、このオイルシール３７および水槽
２２の底部により第一排水路２５が形成されている。

【００１９】前記第一排水路２５の排水口２５ａと第二
排水路２６の排水口２６ａとは、互いに直交して近接さ
れている。そして、これら排水口２５ａ，２６ａは、排
水管４０に接続され、該排水管４０内には、洗濯水の排
水経路を排水口２６ａを遮断して第一排水路２５から排
水する第一排水状態Ａと排水口２５ａを遮断して第二排
水路２６から排水する第二排水状態Ｂとに切換える排水
切換手段４１が設けられている。

【００２０】該排水切換手段４１は、図２の如く、第一
排水路２５と第二排水路２６との交点に形成された軸受
部４２に軸４３周りに回転可能に配された切換片４４
と、該切換片４４を切換回転させる図示しないモータ等
の駆動部とからなる。

【００２１】また、排水管４０には循環流路２７が連通
され、この連通部よりも下流側に排水弁４５を介して排
水ホース４６が接続されている。

【００２２】前記循環流路２７は、加熱部（ヒータ）５
０およびサーミスタ５１が内装され排水管４０からの排
水を一時的に貯える貯湯槽５２と、洗濯水を循環させる
循環手段（循環ポンプ）５３を介して貯湯槽５２に接続
された循環ホース５４と、該循環ホース５４に接続され
洗濯機本体２０の上面板５５内に配された吐出管５６と
からなる。

【００２３】また、洗濯機には、駆動モータ３１および
機構部３４、ヒータ５０、切換片４４の駆動部、循環ポ
ンプ５３等を駆動制御して、洗い、すすぎ、脱水の各洗
濯運転を実行する制御部が設けられている。この制御部
は、洗い運転時に撹拌翼２４を回転させて洗濯兼脱水槽
２３内の洗濯水を第一排水路２５から排水してヒータ５
０で所定の水温になるまで加熱しながら循環させる第一
洗浄工程を実行する機能と、洗い運転時に洗濯兼脱水槽
２３の高速回転により洗濯水を開口２３ａから排水して
水槽２２の凹部３０および第二排水路２６を介して貯湯
槽５２内に貯留し洗濯兼脱水槽２３の回転停止後に貯留
した洗濯水を洗濯兼脱水槽２３内に戻す第二洗浄工程を
実行する機能と、第一洗浄工程および第二洗浄工程を交
互に実行する機能とを有している。なお、図１中、５７
は開閉蓋、Ｓは洗濯物である。

【００２４】上記構成において、洗い運転を開始する
と、洗濯兼脱水槽２３内の洗濯物が浸かる程度の所定水
位まで給水し、洗濯物に洗濯水をなじませる程度に撹拌
翼２４を回転させるとともに、循環ポンプ５３を駆動す
る。このとき、切換片４４を第二排水路２６の排水口２
６ａを遮断する位置（図２の二点鎖線で示す位置）にし
て第一排水状態Ａとし、排水弁４５を閉状態とする。

【００２５】洗濯兼脱水槽２３内の洗濯水は、水抜孔２
３ｂから第一排水路２５を通って、排水口２５ａから排
水管４０を介して貯湯槽５２に貯留される。ここで、貯
留した洗濯水は、ヒータ５０により所定の温度に加熱さ
れる。なお、貯湯槽５２内においては、サーミスタ５１
により洗濯水の温度検知がなされ、この検知結果に基づ
いて制御部がヒータ５０による洗濯水の温度調節を行っ
ている。

【００２６】加熱された洗濯水は、循環ポンプ５３によ
って循環ホース５４を通って吐出管５６から洗濯兼脱水
槽２３内に吐出され循環する。この撹拌翼２４の回転お
よび洗濯水の循環による洗濯物の洗浄を行って所定時間
経過すると、切換片４４を第一排水路２５の排水口２５
ａを遮断する位置（図２の実線で示す位置）にして第二
排水状態Ｂに切換える。

【００２７】洗濯兼脱水槽２３が高速回転し、このとき
の遠心力により洗濯物が洗濯兼脱水槽２３の側壁に押し
付けられ、洗濯兼脱水槽２３内の洗濯水が側壁に沿って
上昇しながら洗濯物に十分に浸透通過する。このため、
洗濯物に洗濯水をなじませる程度の弱い撹拌力（機械
力）で、しかも洗濯物が浸かる程度の少量の洗濯水で
も、十分な洗浄力が得られる。

【００２８】上昇した洗濯水は、開口２３ａから水槽２
２内に排水され、水槽２２の凹部３０および第二排水路
２６を介して貯湯槽５２に貯留される。

【００２９】所定時間経過後、洗濯兼脱水槽２３の回転
を停止させ、循環ポンプ５３を駆動して貯留した洗濯水
を洗濯兼脱水槽２３内に戻す。洗濯兼脱水槽２３内の水
位が所定の水位に達すると、切換片４４を第二排水路２
６の排水口２６ａを遮断する位置にして第一排水状態Ａ
に切換える。

【００３０】そして、再び撹拌翼２４を回転させて、洗
濯兼脱水槽２３内の洗濯水を循環させる。これら動作を
繰り返し行い、洗濯物を洗浄する。

【００３１】洗い運転が終了すると、切換片４４を第二
排水路２６の排水口２６ａを遮断する位置にして第一排
水状態Ａとして、排水弁４５を開状態とし、洗濯兼脱水
槽２３内の洗濯水を外部に排水した後、すすぎおよび脱
水を行う。

【００３２】このように、貯湯槽５２内にヒータ５０を
配して、洗濯兼脱水槽２３内の洗濯水だけを加熱して循
環させるため、従来のように水槽２２と洗濯兼脱水槽２
３との間の中間水までも加熱する場合に比べて、短時間
でしかも少ない電力で洗濯水の温水化が行え、洗浄力が
向上する。

【００３３】また、洗い運転時に、撹拌翼２４の回転お
よび洗濯水の循環により洗濯水を洗濯物になじませ、洗
濯兼脱水槽２３の高速回転による遠心力により洗濯物を
洗濯兼脱水槽２３の側壁に押し付けて洗濯水を十分に浸
透通過させるため、洗濯物を浸す程度の少量の洗濯水で
高い洗浄力が得られ、節水および洗浄力の向上が図れ
る。

【００３４】さらに、洗濯兼脱水槽２３の高速回転時に
は、洗濯兼脱水槽２３から排水された洗濯水を循環させ
ないため、従来のように洗濯兼脱水槽２３の回転時に循
環した洗濯水が洗濯物等に当たって飛びはねることがな
く、洗濯機の据付床面をぬらすことがない。

【００３５】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ものではなく、本発明の範囲内で上記実施例に多くの修
正および変更を加え得ることは勿論である。

【００３６】例えば、第一洗浄工程において、撹拌翼２
４を回転させずに循環する洗濯水だけで洗濯物をなじま
せてもよい。また、第二洗浄工程において、貯湯槽５２
に貯留している洗濯水を加熱してもよい。

【００３７】また、図３に示すように第一排水路２５内
および第二排水路２６内にそれぞれヒータ５０ａ，５０
ｂを配設してもよい。また、どちらか一方の排水路内に
のみ設けてもよい。

【００３８】加熱部として、本実施例のような棒状のも
のに限らず、図４に示すように面状ヒータ６０を断熱材
を介して排水路４０の内面に沿って巻き付けたものでも
よい。

【００３９】

【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明に
よると、循環流路あるいは排水路内に加熱部を配して、
洗濯兼脱水槽内の洗濯水だけを加熱して循環させるた
め、従来のように水槽と洗濯兼脱水槽との間の中間水ま
でも加熱するときと比べて、短時間でしかも少ない電力
で洗濯水の温水化が行え、洗浄力が向上する。

【００４０】また、第一洗浄工程および第二洗浄工程に
より、洗濯水を洗濯物に十分に浸透通過させるため、少
量の洗濯水で高い洗浄力が得られ、節水および洗浄力の
向上が図れる。

【００４１】さらに、洗濯兼脱水槽の高速回転時には、
洗濯兼脱水槽から排水された洗濯水を循環させないた
め、従来のように洗濯兼脱水槽の回転時に循環した洗濯
水が洗濯物等に当たって飛びはねることがなく、洗濯機
の据付床面をぬらすことがないといった優れた効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の洗濯機の縦断面図

【図２】排水切換手段の断面図

【図３】ヒータの配置を変えた他の実施例の排水路の断
面図

【図４】ヒータおよびその配置を変えた他の実施例の排
水路の断面図

【図５】従来の洗濯機の縦断面図

【符号の説明】

２０洗濯機本体２２水槽２３洗濯兼脱水槽２３ａ開口２４撹拌翼２５第一排水路２６第二排水路２７循環流路４１排水切換手段５０加熱部５３循環手段

フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) D06F 39/08 331 D06F 39/08 321 D06F 39/08 341

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】洗濯機本体に内装された水槽と、該水槽
に回動可能に配された洗濯兼脱水槽と、該洗濯兼脱水槽
の底部に回動可能に配された撹拌翼とを備え、前記洗濯
兼脱水槽内の洗濯水を洗濯兼脱水槽の回転による遠心力
により上部開口から前記水槽内に排水する洗濯機におい
て、前記洗濯兼脱水槽内の洗濯水を底部から排水する第
一排水路と、前記水槽内の洗濯水を排水する第二排水路
と、第一および第二排水路に連通し排水された洗濯水を
再び前記洗濯兼脱水槽内に導く循環流路と、該循環流路
に配され洗濯水を循環させる循環手段と、前記循環流路
内あるいは排水路内に洗濯水を加熱する加熱部とを備
え、洗濯水の排水経路を前記第一排水路から排水する第
一排水状態と前記第二排水路から排水する第二排水状態
との間で切換える排水切換手段が設けられたことを特徴
とする洗濯機。
【請求項２】請求項１記載の洗濯機において、洗濯兼
脱水槽内の洗濯水を第一排水路から排水して加熱部で加
熱しながら循環させる第一洗浄工程と、洗濯兼脱水槽の
回転により洗濯水を第二排水路から排水し洗濯兼脱水槽
の回転停止後に洗濯兼脱水槽内に戻す第二洗浄工程とを
備えたことを特徴とする洗濯機。
【請求項３】請求項１または２記載の洗濯機におい
て、洗濯兼脱水槽内の洗濯水を底部から排水する第一排
水路と水槽内の洗濯水を排水する第二排水路とを開閉す
る開閉手段が設けられたことを特徴とする洗濯機。