JP3071121B2 - グリル装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ガステーブル等に組み
込まれるもので、特に、グリルケース内の例えば上部に
のみバーナ等の熱源を配置したグリル装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】グリルケース内の例えば上部にのみバー
ナ等の熱源を配置した所謂片面焼きのグリル装置では、
使用者の経験と勘により調理時間や火力を決めており、
生焼けであったり、焦げ過ぎて失敗する確率が非常に高
い。

【０００３】又、焦げ過ぎを防止するには度々グリル室
内を覗き込む等により焼け具合を監視する必要があり、
器具から離れられないという問題がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】その為に、お知らせタ
イマーや自動消火タイマーを装備したものもあるが、こ
の場合も、使用者が経験や勘により調理時間を設定する
ため、上記の問題解決には至っていない。

【０００５】そこで本発明は、比較的簡単な入力操作に
より被調理物の調理時間を自動的に設定して報知する事
を目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】グリルケース内の底部に
被調理物を載置するバットを着脱自在に収納すると共
に、グリルケース内の上部に熱源を配置したものにおい
て、グリルケース内の温度を検出する温度センサーと、
被調理物の種類と火力とを選択設定する調理物設定手段
と、被調理物の調理量を設定入力する調理量設定手段
と、これらの設定手段による入力と、温度センサーにて
検出するグリルケース内の初期温度に基づき予め設定し
た時間テーブルの中から調理時間を選択設定し、この調
理時間の経過後片面調理の終了を報知する制御手段とを
設けて成るものである。

【０００７】又本発明は、制御手段に温度センサーの出
力から被調理物の反転操作を検出する反転検出部を設け
ると共に、制御手段を、反転検出部により被調理物の反
転を検出すると、時間テーブルに反転操作後の調理時間
を設定し、この調理時間の経過後調理の終了を報知する
様に構成して成るものである。

【０００８】そして又本発明は、グリルケースの適所
に、バットを所定位置迄引き出すと当接して停止するス
トッパーを設けると共に、温度センサーを、バットの収
納時にはこのバットにより熱源の輻射熱が遮られ、かつ
バットが引き出されてストッパーに当たって停止したと
きには、熱源に直接加熱される位置に配設したものであ
る。

【０００９】更に本発明は、調理物設定手段を、予め設
定した複数位置に切り換え操作して熱源の熱量を複数段
階に調節する火力調節摘みにより構成して成るものであ
る。

【００１０】

【００１１】

【作用】バットに被調理物を載置してグリルケース内に
セットし、調理物設定手段と調理量設定手段により被調
理物の種類や調理量を設定入力した後熱源を作動して調
理を開始することで、制御回路により、温度センサーの
出力からグリルケース内の初期温度を検出すると共に、
各設定手段による設定に基づいて時間テーブルの中から
適切な調理時間を選択して設定し、この設定した時間が
経過すると片面調理の終了を報知することで、使用者が
常に被調理物の加熱状態を監視することなく、美味な調
理仕上がりを得る事が出来るものである。

【００１２】又、上記片面調理の終了を報知後、例えば
バットがストッパーに当って停止する迄引き出され、温
度センサーが熱源により直接加熱されて温度上昇を検出
することでこれを被調理物の反転動作と判断した後、時
間テーブルの中から反転後の適切な調理時間を選択して
設定し、この設定した時間が経過すると調理の終了を報
知することで、片面調理の終了後、グリルケースよりバ
ットを引き出して被調理物を反転して再度バットをグリ
ルケース内に押し込むことで、比較的簡単な操作によ
り、被調理物の両面を美味に加熱調理する事が出来るも
のである。

【００１３】

【００１４】

【実施例】本発明の実施例を先ず図１及び図２に基づき
説明すると、１は所謂片面焼きグリル付きのガステーブ
ル本体で、上面の左右にコンロ２，３を配設していると
共に、これらコンロ間の内部にグリル４を内蔵してい
る。

【００１５】５は上記ガステーブル本体１の前面に装着
した操作パネルで、上記コンロ２，３の前方に対応位置
して左右のスライド操作によりコンロに装着したコンロ
用バーナ６，７と、グリル４内の図３にて示すグリルケ
ース８内の上部に装着したグリルバーナ９の火力を調節
する火力調節摘み10，11，12を装着していると共に、こ
れら調節摘みの下方に位置してプッシュプッシュ操作に
より上記各バーナ６，７，９の点滅操作を行う点火摘み
13，14，15を配置している。

【００１６】尚上記火力調節摘み13，14，15は、周知の
各バーナ６，７，９へのガス通路に設けたガスバルブ
（図示せず）の操作により各バーナへ供給するガス量を
調節するものである。

【００１７】16は上記グリルケース８の底板17上に前後
方向に出し入れ自在に収納されたバットで、上面に魚等
の被調理物を載せる焼網18を着脱自在に収納していると
共に、前面には、上記グリルケース８の前面開口19を開
閉するグリル扉20を着脱自在に連結している。

【００１８】又上記底板17には、バット16を被調理物の
反転操作が行える所定位置迄引き出すと、その底面後部
に下方に向けて突設した突部21が当接して引き出し操作
を停止するストッパー22を突設していると共に、このス
トッパーの突設部分より少し後方で、図３中に鎖線にて
示す上記突部21がストッパー22に当接する位置で上記グ
リルバーナ９により直接加熱される位置に、サーミスタ
ー等の温度センサー23を配設している。

【００１９】一方上記操作パネル５には、図４にても示
す様に上記グリルバーナ９の火力を調節する火力調節摘
み12の切換位置の下方に位置して、グリルバーナ９の強
火力での設定をイメージする絵表示24aの下に、「生・
丸ごと」の文字と生の丸魚をイメージする絵を組合わせ
た表示25aと、同じく強火力の絵表示24bの下に、「干し
魚」の文字と干し魚をイメージする絵とを組合わせた表
示25bと、同じく弱火力をイメージする絵表示24cの下
に、「生・切り身」の文字と生の切り身をイメージする
絵とを組合わせた表示25cを設けていると共に、右端位
置に「ロック」の文字と鍵の絵とを組合わせた表示26を
設けている。

【００２０】更に、上記操作パネル５の火力調節摘み1
1，12と点火摘み14，15の間には、被調理物の量を選択
入力する複数の調理量入力キー27a〜27dと、調理再開キ
ー28とを配設している。

【００２１】図５において、29は上記コンロ用バーナ
６，７やグリルバーナ９へのガス供給を電気的に制御す
るマイコン等にて構成した制御回路で、入力に、上記各
バーナ６，７，９の燃焼部に配置した熱電対30の出力か
ら炎の有無を検出する炎検出回路31と、上記火力調節摘
み12の設定位置を検出する摘み位置検出回路32と、調理
量入力キー27a〜27dや、調理再開キー28、上記点火摘み
15の点火操作等を検出するスイッチ検出回路33と、上記
温度センサー23と、乾電池34等を一定電圧に保持した
り、この乾電池の電圧が所定電圧以下に低下するとリセ
ット等を行う電源回路35等を接続し、かつ出力にコンロ
用バーナ６，７やグリルバーナ９のガス通路に設けた電
磁弁36を開閉駆動する電磁弁駆動回路37や、上記各バー
ナ６，７，９の燃焼部に点火用の放電を行う点火器38を
駆動する点火器駆動回路39や、報知用のブザー40等を接
続している。

【００２２】又上記制御回路29は、上記温度センサー23
の出力から上記グリルケース８内の初期温度や、バット
16の引き出し操作を検出する温度検出回路41と、上記摘
み位置検出回路32と調理量入力キー27a〜27dの出力に応
じて、例えば下記の表１にて示す様な調理時間を予め設
定した時間テーブル42と、上記スイッチ検出回路33や温
度検出回路41の出力から、上記バット16の引き出しによ
る被調理物の反転操作を検出する反転検出部43を備えて
いる。

【００２３】

【表１】

【００２４】尚、上記表１にて示す調理時間は、各被調
理物の上段に記載した時間が、調理開始時にグリルケー
ス８内の温度が低い所謂コールドスタート時の時間で、
同じく下段がグリルケース８内の温度がある程度上昇し
ている所謂ホットスタート時と、反転後の裏面を加熱す
る時間である。

【００２５】而してグリル調理を行う場合には、グリル
ケース８よりバット16を引き出して焼網18の上に魚等の
被調理物を載せた後、バット16をグリルケース８内に押
し込む。

【００２６】次いでグリル調理を所謂半自動的に行う場
合には、火力調節摘み12を、表示25a〜25cを目安として
被調理物の種類に合わせて対応する任意の選択位置に切
換操作し、次いで調理量入力キー27a〜27dを選択操作し
て被調理物の量を入力した後、点火摘み15を押し込み操
作してグリルバーナ９を点火する。

【００２７】すると制御回路29は、上記調理量入力キー
27a〜27dの入力操作から自動調理と判断して、上記温度
センサー23の出力により検出したグリルケース８内の初
期温度や入力された被調理物の種類や量に基づいて時間
テーブル42より適切な調理時間を選択設定して計時を開
始し、この時間が経過するとブザー40等により片面調理
の終了を報知する。

【００２８】そこで使用者は、上記ブザー40等の報知に
より片面調理の終了を知ると、バット16をその突部21が
ストッパー22に当って停止する迄引き出し、この位置で
焼網18上の被調理物を反転した後再度バット16をグリル
ケース８内に押し込み、調理再開キー28を操作して調理
を再開する。

【００２９】すると制御回路29は、上記調理再開キー28
の操作により反転操作を検出し、時間テーブル42より反
転後の適切な調理時間を選択設定し、この時間が経過す
るとブザー40等により調理の終了を報知する。

【００３０】尚、上記調理再開キー28を設けない場合
や、このキー操作を忘れた場合等には、バット16の引き
出し前には、このバットによって温度センサー23の上面
が被覆され、グリルバーナ９の燃焼によって発生する輻
射熱が温度センサー23に対して遮られ、一方、バット16
を突部21がストッパー22に当たる迄引き出すと、温度セ
ンサー23がグリルバーナ９により直接加熱されて検出温
度が急速に温度上昇し、再びバット16を押し込むとグリ
ルバーナ９の輻射熱がバット16によって遮られて温度セ
ンサー23の検出温度が低下し、これによってバット16の
引き出し操作や押し込み操作を判断し、調理を再開する
ものである。

【００３１】又、上記調理の終了を報知時には、電磁弁
駆動回路37により電磁弁36を閉じてグリルバーナ９の燃
焼を停止する様に構成しても良いし、報知のみ行って使
用者が被調理物の加熱状態を確認した後、点火摘み15の
操作によりグリルバーナ９を消火する様に構成しても良
い。

【００３２】尚グリル調理を自動で行わない場合には、
上記火力調節摘み12を被調理物に適した位置に設定した
後、点火摘み15を操作してグリルバーナ９を点火して調
理を開始すれば良い。

【００３３】本発明の構成によって、グリル調理の所謂
片面焼きの調理時間を、グリルケース内の初期温度と、
被調理物の種類と量により予め設定した時間テーブルの
中から選択設定すると共に、調理物設定手段によって被
調理物の種類に応じて熱源の火力を選択設定する様に構
成したことで、従来使用者の経験や勘により設定してい
た調理時間を自動的に設定し、かつ被調理物の種類に適
した火力を設定することで、調理時の操作性を大幅に向
上する事が出来ると同時に、調理失敗を極力防止出来る
ものである。

【００３４】又本発明の構成により、グリルケース内の
初期温度を検出する温度センサーの出力を利用して被調
理物の反転操作を検出すると共に、反転操作を検出する
と時間テーブルに反転操作後の調理時間を設定し、この
調理時間の経過後調理の終了を報知する様に構成したこ
とで、比較的簡単な操作によって被調理物の両面を美味
に加熱調理する事が出来ると共に、被調理物の反転操作
検出用のスイッチ等を設ける必要がなく、部品点数の削
減によるコストダウンや、機械部品の誤動作による故障
発生の防止を計る事が出来るものである。

【００３５】更に本発明の構成により、グリルケース内
の初期温度を検出する温度センサーを、バットの収納時
にはバットによって熱源の輻射熱が遮られ、バットをグ
リルケースより所定位置迄引き出した時に熱源により直
接加熱される位置に配設し、上記温度センサーの出力に
よって被調理物の反転操作を検出する様に構成したこと
で、反転操作検出用のスイッチ等を設ける必要がなく、
部品点数の削減によるコストダウンを計る事が出来ると
共に、より確実に被調理物の反転操作を検出する事が出
来るものである。

【００３６】そして更に本発明は、従来から用いられて
いる、予め設定した複数位置に切り換え操作して熱源の
発熱量を複数段階に調節する火力調節摘みにより、被調
理物の種類を設定入力する様に構成したことで、被調理
物の種類を入力する入力操作を簡素化出来ると同時に、
熱源の種類とその加熱に適した火力とを合致させること
が出来、これにより美味な調理仕上げを得る事が出来る
ものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す正面図である。

【図２】同じく平面図である。

【図３】同じく側面縦断面図である。

【図４】同じく要部の正面拡大図である。

【図５】同じく制御回路のブロック図である。

【符号の説明】

８ グリルケース ９ グリルバーナ 12 火力調節摘み 22 ストッパー 23 温度センサー 28 調理再開キー 29 制御回路 32 摘み位置検出回路 33 スイッチ検出回路 42 時間テーブル 43 反転検出部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米村 強 鳥取県鳥取市南吉方３丁目201番地 鳥 取三洋電機株式会社内 (72)発明者 飼牛 明 鳥取県鳥取市南吉方３丁目201番地 鳥 取三洋電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平５−1822（ＪＰ，Ａ) 実開 平２−77504（ＪＰ，Ｕ) 実開 平３−111801（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) F24C 3/12 F24C 7/04 301 F24C 15/00 A47J 37/06 366

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 グリルケース内の底部に被調理物を載置
   するバットを着脱自在に収納すると共に、上記グリルケ
   ース内の上部に熱源を配置したものにおいて、上記グリ
   ルケース内の温度を検出する温度センサーと、上記被調
   理物の種類と火力とを選択設定する調理物設定手段と、
   被調理物の調理量を設定入力する調理量設定手段と、こ
   れらの設定手段による入力と、上記温度センサーにて検
   出するグリルケース内の初期温度に基づき、予め設定し
   た時間テーブルの中から調理時間を選択設定し、この調
   理時間の経過後片面調理の終了を報知する制御手段とを
   設けた事を特徴とするグリル装置。
2. 【請求項２】 上記制御手段に上記温度センサーの出力
   から被調理物の反転操作を検出する反転検出部を設ける
   と共に、上記制御手段を、上記反転検出部により被調理
   物の反転を検出すると、上記時間テーブルに反転操作後
   の調理時間を設定し、この調理時間の経過後調理の終了
   を報知する様に構成した事を特徴とする、上記請求項１
   に記載のグリル装置。
3. 【請求項３】 上記グリルケースの適所に、上記バット
   を所定位置迄引き出すと当接して停止するストッパーを
   設けると共に、上記温度センサーを、上記バットの収納
   時にはこのバットにより上記熱源の輻射熱が遮られ、か
   つ上記バットが引き出されて上記ストッパーに当たって
   停止したときには、上記熱源に直接加熱される位置に配
   設した事を特徴とする、上記請求項２に記載のグリル装
   置。
4. 【請求項４】 上記調理物設定手段を、予め設定した複
   数位置に切り換え操作して上記熱源の熱量を複数段階に
   調節する火力調節摘みにより構成した事を特徴とする、
   上記請求項１に記載のグリル装置。