JP3070548B2 - ノンリニア編集装置 - Google Patents

ノンリニア編集装置

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JP3070548B2
JP3070548B2 JP9295415A JP29541597A JP3070548B2 JP 3070548 B2 JP3070548 B2 JP 3070548B2 JP 9295415 A JP9295415 A JP 9295415A JP 29541597 A JP29541597 A JP 29541597A JP 3070548 B2 JP3070548 B2 JP 3070548B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はノンリニア編集装置
に関し、特にディスク記録媒体を使用するノンリニア編
集装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ノンリニア編集とは、予め編集し
て一本化したビデオソフトではなく、細切れのビデオカ
ットとして動画カットが記録媒体上に散在している状況
で、これら細切れのビデオカットをランダムに再生して
切れ目なくつなげることを示しており、VTR(Vid
eo Tape Recorder)では実現できない
ビデオディスクの特徴的な機能とされている。
【0003】当初、このノンリニア編集に使われるビデ
オディスクは、図16に示すように、各トラック(トラ
ック番号Track1〜Track9,……)に均一に
ビデオフレーム(Frame1〜Frame5,……)
が記録されるフォーマットで、ディスクの回転方式をC
AV(Constant Angular Veloc
ity:角速度一定)で行う装置に限られている。
【0004】このようなディスクフォーマットを基本と
する装置では、2つの再生用光へッドを交互に使って別
々のトラックに待機させ、所望のビデオカットが記録さ
れているトラックを順次再生し、2系統の再生回路で夫
々再生された再生信号を切替えることでノンリニア編集
再生を実現可能としている。
【0005】しかしながら、近年装置の小型化やディス
ク媒体の記録密度向上の傾向が高まり、大量のデータを
扱うビデオディスクは、図17に示すように、ディスク
内周とディスク外周とでディスク周同期が異なるように
し、異なる容量の各トラック(トラック番号Track
1〜Track9,……,Track101〜Trac
k103,……)にビデオフレーム(Frame1,F
rame2,……,Frame101〜Frame10
3,……)が記録されるフォーマットで、つまり記録密
度一定のフォーマットで、ディスクの回転方式をCLV
(Constant Linear Velocit
y:線速度一定)で行う装置が用いられている。このよ
うな記録方式をCLV記録方式と呼んでいる。
【0006】一般に、CLV記録されたビデオディスク
においては、ディスクのトラック1周に記録されるデー
タは、そのトラックが位置する半径に比例して多くな
る。図17に示す例では、内周で1フレームのデータを
格納するには約2トラック必要であるのに対して、外周
ではほぼ1トラックで1フレームのデータが格納されて
いる。
【0007】CLV記録されたビデオディスクを再生す
るに当たっては、再生データが最終的に出力するデータ
レートに等しくなるようにディスク回転数を可変する。
従って、再生ヘッドが位置するトラックによってディス
ク回転数が決定する。このため、再生用ヘッドは1つに
限定される。このようなCLV記録方式のビデオディス
ク装置としては、レーザディスクやCD−I(Comp
act Disk−Interactive)、及びD
VD(Digital Video Disk)等が一
般的である。
【0008】近年になって、これらのCLV記録ディス
ク装置でノンリニア編集を行う技術が考案されている。
このノンリニア編集を実現する手段としては、例えば特
開平6−267246号公報に開示された技術がある。
この方式では、図12に示すように、1つの再生用光学
へッド(Opt.head)2と再生回路とによって構
成されている。
【0009】ここで、再生回路はアンプ(amp)3
と、イコライザ及び復調回路(EQL)(以下、イコラ
イザ回路とする)4と、ECC(Error Corr
ecting Code)回路5と、FIFO(Fir
st−In First−Out)21と、コーディッ
ク(復調)[CODEC(Decoder)]回路(以
下、コーディック回路とする)8と、フレームタイミン
グ制御回路(Frametiming Control
ler)9と、FIFO制御回路(FIFOContr
oller)22と、MPU(Micro Proce
ssingUnit)11と、光ヘッド駆動サーボ回路
(Servo)12とから構成されている。
【0010】再生用光学ヘッド2によってディスク(D
isk)1から再生された夫々の再生信号がイコライザ
回路4で波形等化され、ECC回路5でエラー訂正が施
される。訂正後のデータは通常の再生ではコーディック
回路8によって伸張され、ビデオ信号となって出力され
る。コーディック回路8にはFIFO21から読出され
るデータが入力され、FIFO21にはECC回路5の
出力データが入力される。
【0011】上記のノンリニア編集装置ではディスク1
の回転速度を、必要とするデータレートが得られる速度
よりも一定比率早く回転させ、再生データレートを上げ
ている。出力するデータレートは動画像であるから一定
しているので、余剰になったデータをFIFO21等の
バッファメモリに吸収させ、バッファメモリが溢れそう
になると再生を一時中断してバッファメモリに余裕がで
きるのを待つようにしている。
【0012】上述したバッファメモリの働きによって、
一定時間、信号を再生しなくても出力ビデオ信号を出力
させることができ、その余裕時間を使って離れたトラッ
クを行き来することができるので、複数のビデオカット
を継ぎ目なく連続して再生することができる。別のビデ
オカットに移動する際の回転待ち時間やシーク時間がバ
ッファメモリに溜まったデータが排出されるまでに間に
合えば、上記の処理動作を永遠に繰返すことが可能にな
る。
【0013】図15は上記のFIFO21を使用したノ
ンリニア編集装置のFIFOバッファ内データ蓄積量の
変化を示している。図15では、全ての再生カットの長
さを一定とし、前のビデオカット(例えば、ビデオカッ
トA〜ビデオカットC)の終了点から次のビデオカット
(ビデオカットB〜ビデオカットD)の開始点へのヘッ
ドシーク時間を最悪値で一定とした場合の例を示してい
る。
【0014】図15に示すように、FIFOバッファへ
のデータ入力とデータ出力との均衡が取れた状態での各
ビデオカットの長さを最短カット長とする。一般的に、
FIFOバッファを用いたノンリニア編集システムで
は、最短カット長より短いビデオカットを挟んでのカッ
ト割りを連続再生することができない。各ビデオカット
の長さが最短カット長より短ければ、FIFOバッファ
では読み書きの追い越し追い越されが発生し、出力デー
タが欠落してしまう可能性がある。
【0015】最短カット長は短いほどよく、ビデオデー
タ単位の最小値である1フレームに近いほど自由な編集
動作が可能である。最短カット長を決定する要素はヘッ
ドシーク速度及び再生のデータレートである。ヘッドシ
ーク速度が速ければ、シーク中にFIFOから一方的に
データが排出される時間を短縮することができ、再生デ
ータレートが出力データに対して大きいほど、早くFI
FOにデータを蓄積することが可能になる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のノンリ
ニア編集システムでは、ディスクの回転速度を、必要と
するデータレートが得られる速度よりも一定比率早く回
転させて再生データレートを上げており、余剰になった
データをFIFO等のバッファメモリに吸収させ、バッ
ファメモリが溢れそうになると再生を一時中断してバッ
ファメモリに余裕ができるのを待つようにしている。
【0017】しかしながら、記録されている画像データ
の圧縮率が低いシステムでは、再生データレートが標準
ディスク回転速度でも大きいため、さらにディスク回転
速度を増加して再生データレートを大きくすることが難
しい。例えば、DVDでは約10Mbpsのデータレー
トが標準回転速度のデータレートであるから、この2倍
や4倍の回転速度のシステムを実現するのが十分可能で
ある。
【0018】これに対し、高画質をねらった低圧縮率の
ディスク装置で、50Mbps程度のデータレートを考
えると2倍速再生でも難しいといえる。このようなあま
り倍速率の高くないディスクドライブでは最短カット長
は大きくなり、場合によっては最短カット長が数百フレ
ームということもある。
【0019】上記のような場合で、さらにアクセスの遅
いディスクドライブを使用した場合の回避方法として
は、特開平7−212705号公報に開示された方式が
ある。この方式ではバッファメモリの代用としてデータ
転送レートの早いハードディスクドライブを2次的ディ
スク装置として使用している。
【0020】ハードディスクを使用することで、最短カ
ット長に満たないビデオカットを先行して貯えることが
できるので、回転待ち時間やシーク時間が長いディスク
システムには有効である。しかしながら、装置の大型化
が問題となる。
【0021】一方、近年、大容量のダイナミックRAM
が安価に入手できるようになったため、従来のFIFO
バッファのサイズを大きくし、データの再生を先行させ
てバッファ内に十分データが蓄積された後、データのF
IFO出力を開始する先読み方式で問題を緩和する方法
も考えられる。この場合、最短カット長未満のビデオカ
ットが連続再生中に存在しても一時的にFIFOバッフ
ァ内データ量が減少するだけで済み、その後に最短カッ
ト長を大きく上回るビデオカットが存在すればFIFO
バッファ内データ量を元に戻すことができる。
【0022】しかしながら、粗シーク精度が悪い場合
や、ディスクの汚れによって位置データが一時的に読め
なかったような時、ヘッドシークが大きく延長される場
合があり、事前に予定していたFIFOバッファの容量
を超えて蓄積データが減少してしまうことも考えられ
る。
【0023】実際のノンリニア編集実行時に発生したシ
ークが、予想したシーク時間を大きく上回ることが連続
した場合、FIFOバッファ容量が不足し、図14に示
すように、ビデオカットCとビデオカットDとの間にデ
ータ欠落区間が発生してしまう。これは、図13に示す
ように、ノンリニア編集を行った場合に考えられる。
【0024】図13に示すように、ディスク上にビデオ
カットA,B,C,Dというビデオクリップがあり、こ
れらを図12に示すようなノンリニア編集装置で再生す
る場合、ビデオカットAからビデオカットDを次々と再
生してFIFO21に収める。一方、FIFO21から
標準のデータレートでデータを出力する。
【0025】しかしながら、ビデオカットBからビデオ
カットC、ビデオカットCからビデオカットDは距離的
に離れており、シークに最大時間がかかる上、ヘッドシ
ークを失敗する確率が一番高い。さらに、ビデオカット
Cのカット長は最短カット長以下である。仮に、ビデオ
カットCにシークするためにFIFO21内の蓄積デー
タを全て吐き出して出力が中断してしまってはノンリニ
ア再生とはいえない。
【0026】このため、予め予想シーク時間を算出し、
このノンリニア編集プログラムが演奏可能であるかどう
かを判断する必要が生じるが、上述したようにシーク時
間は一意的に決定するには誤差が大きく、またビデオカ
ットCを再生するために前後に大きな距離のシークが2
度発生するので、全ての安全条件を考えると、シーク速
度は常に最悪条件を考えなければならず、ビデオカット
Cのような短くて前のビデオカットから離れているビデ
オカットが沢山あると、FIFOバッファの必要メモリ
容量は膨大なものになってしまう。
【0027】さらに、再生開始から画像出力までを遅延
して初期にFIFOバッファに蓄積されるデータを増や
そうとする処理も考えられるが、膨大なFIFOバッフ
ァにデータが満たされるまで待たなければいけないた
め、操作が鈍重になる。
【0028】さらにまた、どの程度の容量のメモリを搭
載すれば、どのようなノンリニア編集が可能であるかと
いうような諸元がはっきりしないため、操作性に不完全
な印象を与えるという問題がある。
【0029】そこで、本発明の目的は上記の問題点を解
消し、圧縮率が低い画像データを記録する再生データレ
ートの高いCLV記録方式のビデオディスクの場合にシ
ーク速度が遅くとも、1つ1つのビデオクリップの最低
限の長さに対する制限値を小さくすることができ、安価
かつ確実に実現することができるノンリニア編集装置を
提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】本発明によるノンリニア
編集装置は、ビデオ信号及び音声信号が連続するトラッ
クに線速度一定で記録されたディスク記録媒体と、前記
ディスク媒体に記録された信号を再生するドライブ装置
と、前記ドライブ装置で再生された信号を処理する再生
回路と、前記再生回路で処理されたデータを一時保存す
る一時保存回路と、前記再生回路の出力と前記一時保存
回路の出力とを切換えて出力する切換え回路と、前記デ
ィスク記録媒体を予め設定された標準回転速度よりも高
速に回転させる手段と、前記一時保存回路内に設けられ
かつリングバッファとして用いる領域と、前記リングバ
ッファとして用いる領域からの出力と前記一時保存回路
内の他の領域からの出力とを切換えて出力する手段と、
前記一時保存回路の領域を前記ディスク記録媒体の再生
内容に応じて前記リングバッファとして用いる領域とそ
の他の領域とに切り分ける手段とを備え 前記切り分け
る手段は、前記一時保存回路の領域を全て一時保存用に
用いる場合と、前記一時保存回路の領域を全て前記リン
グバッファとして用いる場合と、前記一時保存回路の領
域を前記リングバッファとその他の領域とに夫々用いる
場合とに切り分けるよう構成している。
【0031】すなわち、本発明のノンリニア編集装置
は、ビデオ信号及び音声信号が連続するトラックにCL
V(線速度一定)記録されたディスク記録媒体で、ノン
リニア編集再生を行うのに先立って、各ビデオカットの
終了部を、最長のシークが発生した場合に欠落するデー
タ量分だけ先読みし、一時保存用RAM(Random
Access Memory)に予め貯えておく。
【0032】その後、ノンリニア編集再生を開始し、一
時保存用RAMに保存していない部分のデータを再生
し、1つのビデオカットの再生を終了した後、次のビデ
オカットにヘッドをシークし、シーク中の出力データに
は一時保存用RAMに貯えたビデオカットの終了部を出
力する。この操作によって、標準回転つまり1倍速のC
LV再生においてもノンリニア編集が可能となる。
【0033】また、本発明のノンリニア編集装置は、R
AMの内部領域を二分し、一方をリングバッファとして
使用し、もう一方を一時保存用バッファとして使用する
ことによって、従来技術のFIFOバッファによるノン
リニア編集方法を基本とし、FIFOバッファ方式では
連結不可能となるビデオカットについては一時保存用バ
ッファに全て先読みし、後の再生時に連結することでノ
ンリニア編集のカット割りの自由度が向上する。
【0034】さらに、本発明のノンリニア編集装置は、
事前にカット割りから、RAMの内部領域区分を一時保
存用バッファのみ、リングバッファのみ、一時保存用バ
ッファとリングバッファとの混在という制御モードのう
ちの1つに決定し、RAMの容量を可能な限り有効に使
用することで、ノンリニア編集のカット割りの自由度が
向上する。
【0035】さらにまた、本発明のノンリニア編集装置
は、上記のノンリニア編集装置においてディスクの回転
速度を最内周トラックを再生した時のデータレートが最
終ビデオ信号出力のデータレートを若干上回るような値
に設定して一定回転とする。CLVディスクのマルチレ
ート再生を行い、ノンリニア編集における重要パラメー
タであるシーク時間を短縮するとともに、RAMの働き
により内外周で発生する再生データレートの較差を原因
とする最短カット長の制約値のばらつきを小さいほうに
合わせて均一化する。
【0036】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例について図
面を参照して説明する。図1は本発明の一実施例の構成
を示すブロック図であり、図2は本発明の一実施例でノ
ンリニア編集を行う場合の再生トラック制御を示す図で
ある。
【0037】図1において、本発明の一実施例によるノ
ンリニア編集装置はディスク1と、再生用光学へッド
(Opt.head)2と、アンプ(amp)3と、イ
コライザ及び復調回路(EQL)(以下、イコライザ回
路とする)4と、ECC(Error Correct
ing Code)回路5と、一時保存用RAM(Ra
ndom Access Memory)(Stack
Buffer領域)6と、切替えスイッチ(SW)7
と、コーディック(復調)[CODEC(Decode
r)]回路(以下、コーディック回路とする)8と、フ
レームタイミング制御回路(Frame timing
Controller)9と、RAM制御回路(RA
M Controller)10と、MPU(Micr
o Processing Unit)11と、光ヘッ
ド駆動サーボ回路(Servo)12とから構成されて
いる。
【0038】図1に示すディスク1には、図17で示し
たように線速度一定で画像及び音声データが記録されて
いる。図17では簡略化のため各フレームのデータ長が
一定となっているが、データ圧縮の方式によってはMP
EG(Moving Picture coding
Experts Group)等のフレーム毎にデータ
数が異なる場合もある。ディスクの回転数は図1に示す
装置構成の場合、CLVの標準回転速度を基本とする
が、回転数を一定にすることが可能である。
【0039】この回転数は特に厳密な設定を必要としな
いが、最低限、データレートが一番低くなる最内周のデ
ータを再生した時に再生データレートが最終的に出力す
るデータレートを若干上回るように設定する。ディスク
回転数を一定にすることで、ヘッドシーク時にCLVな
ら回転数を変更しなければならないところを、変更する
必要を生じないため、シーク速度が向上する。
【0040】図1に示す装置構成では基本的に可変デー
タレートに対応することができないため、そのままでは
ディスク回転数を一定することはできないが、ECC回
路5から切替えスイッチ(SW)7に入力されるデータ
ラインに時間軸補正用のFIFOメモリ等を挿入するこ
とで実現可能である。この時、必要とされるFIFOメ
モリは小規模なものでよく、図12に示すFIFO21
のように大容量のメモリは必要ない。
【0041】ここで、図1に示す装置構成やディスク回
転速度の設定方法によって様々なデータレートでデータ
が再生され、このデータレートに対応する処理クロック
を生成しなければ、これらの方式が実現されないが、処
理クロック生成方法としては例えば特開平07−065
512号公報に開示されているような技術を使用する。
【0042】図1に示す回路構成では、再生用光学ヘッ
ド2によってディスク1から再生された夫々の再生信号
がイコライザ回路4で波形等化され、ECC回路5でエ
ラー訂正が施される。訂正後のデータは通常の再生では
コーディック回路8によって伸張され、ビデオ信号とな
って出力される。
【0043】コーディック回路8には切替えスイッチ7
の選択によって、ECC回路5からの直接再生データと
一時保存用RAM6から読出されるデータとのうちのい
ずれかが入力される。一時保存用RAM6に入力される
データはECC回路5の出力データである。
【0044】一時保存用RAM6にデータを書込むのは
ノンリニア編集再生を実行するに先立って、各ビデオカ
ットの末尾の一部分を先読みした時点である。データの
先読みにおけるトラック制御、RAM制御回路10に対
する書込み時期の制御は全てMPU11が行う。
【0045】図2はデータの一部先読みによるノンリニ
ア編集を行った例である。図13は同様のノンリニア編
集を従来のFIFOバッファによる回路で実施した例で
ある。この例では連続して再生を行うビデオカットA,
B,C,Dを次々とシークして再生し、再生したビデオ
カットA,B,C,Dを順次FIFO21に書込んでい
る。FIFO21に書込んだビデオカットA,B,C,
Dの読出し時点で、全てのデータが連続して出力され
る。この方式を行うにはFIFO21に入力するデータ
レートを、出力するデータレートに対して十分に大きく
することが条件である。
【0046】一方、図2では前処理として、一つのビデ
オカットをA,A′のように分割し、A′部分を先読み
して一時保存用RAM6に貯えておく。同様に、他のビ
デオカットのB′,C,D′も先読みする。ここで、ビ
デオカットCはカット自体が短いため、全てのデータが
先読みされた状態である。A′,B′,D′のデータサ
イズはディスクドライブのシーク時間に依存し、最悪シ
ーク時間中に、出力されるデータの総量をこれに当て
る。
【0047】図2の場合、ビデオカットCのカット長は
最悪シーク時間中に、出力されるデータの総量を下回っ
ている。図1に示すノンリニア編集装置を図2に示す方
法で制御する方式であれば、ディスク回転が標準、つま
り1倍速であってもノンリニア編集が可能である。この
時のノンリニア編集プログラムに対する制限は最短カッ
ト長ではなく、総カット数である。
【0048】つまり、「最悪シーク時間中の出力データ
量」×「総カット数」が一時保存用RAM6の容量以下
であれば、このプログラムは実行可能となる。最悪シー
ク時間はディスクドライブによって固有の数値であるの
で、事前にプログラムの実行の可否の判定を下すことは
容易である。また、図2に示すビデオカットCのような
短いビデオカットでは図13の方式に比べて時間のロス
が少ないために有利である。
【0049】図3は本発明の他の実施例の構成を示すブ
ロック図であり、図4は本発明の他の実施例でノンリニ
ア編集を行う場合の再生トラック制御を示す図である。
また、図5は本発明の他の実施例のバッファメモリに対
する書込み・読出し制御を示す図である。
【0050】図3において、本発明の他の実施例による
ノンリニア編集装置はディスク1と、再生用光学へッド
2と、アンプ3と、イコライザ及び復調回路4と、EC
C回路5と、RAM(Stack Buffer領域及
びLing Buffer領域)13と、コーディック
回路8と、フレームタイミング制御回路9と、RAM制
御回路14と、MPU11と、光ヘッド駆動サーボ回路
12とから構成されている。
【0051】図3に示すディスク1には、図17で示し
たように線速度一定で画像及び音声データが記録されて
いる。図17では簡略化のため各フレームのデータ長が
一定となっているが、データ圧縮の方式によっては、M
PEG等フレーム毎にデータ数が異なる場合もある。デ
ィスクの回転数は図3に示す装置構成の場合、CLVの
標準回転速度から一定比率高速な回転速度を基本とする
が、回転数を一定にすることが可能である。
【0052】この回転数は特に厳密な設定を必要としな
いが、最低限、データレートが一番低くなる最内周のデ
ータを再生した時再生データレートが最終的に出力する
データレートを若干上回るように設定する。ディスク回
転数を一定にすることで、ヘッドシーク時にCLVなら
回転数を変更しなければならないところを、変更する必
要を生じないため、シーク速度が向上する。
【0053】図3に示す回路構成では、再生用光学ヘッ
ド2から再生された夫々の再生信号がイコライザ回路4
で波形等化され、ECC回路5でエラー訂正が施され
る。訂正後のデータは一旦RAM13に収められる。R
AM13は内部の領域をリングバッファ及びスタックバ
ッファ(一時保存用バッファ)の2つに分割して使用す
ることが可能であり、リングバッファのみを使用すれば
従来例のようなFIFOバッファによるノンリニア編集
が実現できる。
【0054】また、従来例のFIFOバッファによる回
路では実行不可能な最短カット長より短いビデオカット
はスタックバッファ(一時保存用バッファ)に先読み
し、RAM13からの出力時にリングバッファの出力と
スタックバッファの出力とを適時切替えることで、ノン
リニア編集プログラムの自由度をさらに高めることが可
能である。RAM13から読出されたデータはコーディ
ック回路8で伸張処理され、ビデオ信号として出力され
る。
【0055】図4はデータの一部先読みによるノンリニ
ア編集を行った例を示している。この場合、リングバッ
ファを使用するので、FIFOバッファを使った従来例
の方式と同様に、再生されるデータレートは出力データ
レートを上回っていなければならない。
【0056】図4では前処理として、最短カット長より
短いビデオカットCを先読みしてRAM13に貯えてお
く。ビデオカットCを除くビデオカットA,B,Dはリ
ングバッファのみによる働きで、RAM13からの読出
し時における無欠落の結合が可能である。
【0057】図4に示すようなノンリニア編集を行った
場合、RAM13内の2つのバッファ領域内のデータ量
は図5に示すように変化する。つまり、前処理において
先読みされたビデオカットCはRAM13内のスタック
バッファ内に格納される。ノンリニア編集の再生が開始
されるとビデオカットA,B,Dが次々と再生され、R
AM13内のリングバッファ内に順番に格納されてい
き、同時にビデオカットAから順次読出されていく。
【0058】RAM13からビデオカットBを全て読出
した後、RAM13からの読出しデータはスタックバッ
ファ領域に切替わり、ビデオカットCが読出される。ビ
デオカットCが読出されると、RAM13からの読出し
データは再びリングバッファ領域に切替わり、続いてビ
デオカットDが読出される。
【0059】図6は本発明の他の実施例によるノンリニ
ア編集カット割りテーブルを示す図である。図におい
て、ノンリニア編集カット割りテーブルには「カット番
号」(1〜9)と、「開始点」(00h00m10s0
0f,00h00m05s00f,00h00m01s
00f,00h00m18s00f,00h00m02
s00f,00h00m04s00f,00h00m1
9s00f,00h00m17s00f)と、「終了
点」(00h00m11s09f,00h00m06s
29f,00h00m01s29f,00h00m18
s09f,00h00m03s19f,00h00m0
4s19f,00h00m19s09f,00h00m
17s07f)と、「カット長(Frame)」(4
0,60,30,10,50,20,10,8)と、
「バッファ属性」(リング,スタック)と、「格納エリ
ア」(1,2,3)とが格納されている。
【0060】図8は本発明の他の実施例による先読みビ
デオクリップ格納指定用タグテーブルを示す図である。
図において、先読みビデオクリップ格納指定用タグテー
ブルには「格納エリア番号」(1,2,3,4)と、
「開始アドレス」(000h,00Ah,014h)
と、「終了アドレス」(009h,013h,01B
h)と、「フレーム数」(10,8)とが格納されてい
る。
【0061】図7は本発明の他の実施例によるバッファ
メモリの領域区分決定プロセスを示すフローチャートで
あり、図9は本発明の他の実施例による前処理を示すフ
ローチャートであり、図10は本発明の他の実施例によ
るクリップ再生処理を示すフローチャートであり、図1
1は本発明の他の実施例によるCLV記録ディスクの一
定速度回転の再生を行った場合の前処理を示すフローチ
ャートである。
【0062】図7を用いてMPU11によるRAM13
の領域区分決定プロセスについて以下説明する。まず、
MPU11は全てのカット長が最短カット長か否かを判
定し(図7ステップS1)、全てのカット長が最短カッ
ト長であれば、RAM13の全ての領域をリングバッフ
ァのみに使用するよう設定し(図7ステップS4)、ノ
ンリニア編集を実行する(図7ステップS10)。
【0063】また、MPU11は全てのカット長が最短
カット長でなければ、「全カット数」×「最悪シーク時
間」がRAM13の容量以下か否かを判定し(図7ステ
ップS2)、「全カット数」×「最悪シーク時間」がR
AM13の容量以下であれば、RAM13の全ての領域
をスタックバッファのみに使用するよう設定し(図7ス
テップS5)、上記の前処理を実行した後に(図7ステ
ップS8)、ノンリニア編集を実行する(図7ステップ
S10)。
【0064】さらに、MPU11は「全カット数」×
「最悪シーク時間」がRAM13の容量以下でなけれ
ば、「最短カット長以下のカット数」×「最悪シーク時
間」がRAM13の容量の1/2以下か否かを判定し
(図7ステップS3)、「最短カット長以下のカット
数」×「最悪シーク時間」がRAM13の容量の1/2
以下であれば、RAM13の領域をリングバッファとス
タックバッファとを混在させて使用するよう設定し(図
7ステップS6)、上記の前処理を実行した後に(図7
ステップS9)、ノンリニア編集を実行する(図7ステ
ップS10)。
【0065】さらにまた、MPU11は「最短カット長
以下のカット数」×「最悪シーク時間」がRAM13の
容量の1/2以下でなければ、処理不能と判断し(図7
ステップS7)、領域区分決定プロセスを終了する。
【0066】次に、図9を用いてMPU11による前処
理について以下説明する。まず、MPU11は「カット
番号」にN=1を設定し、「ポインタ」にP=000h
を設定し、「エリア番号」にC=1を設定する(図9ス
テップS11)。
【0067】この後に、MPU11はカット番号Nのバ
ッファ属性がスタックかどうかを判定し(図9ステップ
S12)、カット番号Nのバッファ属性がスタックであ
れば、クリップ再生処理を実行する(図9ステップS1
3)。
【0068】MPU11はクリップ再生処理を実行した
後に、エリア番号Cをインクリメントし(C=C+1)
(図9ステップS14)、カット番号Nをインクリメン
トし(N=N+1)(図9ステップS15)、カット番
号Nのビデオカットが最終カットかを判定する(図9ス
テップS16)。MPU11はカット番号Nのビデオカ
ットが最終カットであれば前処理を終了し、カット番号
Nのビデオカットが最終カットでなければステップS1
2に戻って前処理を続行する。
【0069】また、図10を用いてMPU11によるク
リップ再生処理について以下説明する。まず、MPU1
1はタグテーブルのエリア番号CにポインタPをスター
トアドレス(START address)として登録
し(図10ステップS21)、再生を開始する(図10
ステップS22)。
【0070】MPU11は再生処理を開始した後に、1
フレーム再生が終了したかどうかを監視し(図10ステ
ップS23)、1フレーム再生が終了すると、ポインタ
Pをインクリメントする(P=P+1)(図10ステッ
プS24)。
【0071】MPU11はポインタPのインクリメント
によってカット内最終フレームとなったか否かを判定し
(図10ステップS25)、カット内最終フレームにな
っていなければステップS23に戻って再生処理を続行
する。
【0072】MPU11はカット内最終フレームになる
と、タグテーブルのエリア番号CにポインタPをエンド
アドレス(END address)として登録し(図
10ステップS26)、再生処理を終了する。
【0073】さらに、図11を用いてMPU11による
CLV記録ディスクの一定速度回転の再生を行った場合
の前処理について以下説明する。まず、MPU11は
「カット番号」にN=1を設定し(図11ステップS3
1)、ディスクドライブに固有の最悪シーク時間から、
最悪シークが発生した時にRAM13から出力されるデ
ータの総量を求め、値Kに代入する(図11ステップS
32)。
【0074】MPU11は最短カット長テーブルからカ
ット番号Nのビデオカットの最短カット長を読出して値
Mに代入し(図11ステップS33,S34)、カット
番号Nのカット長が値Mより大きいかどうかを判定する
(図11ステップS35)。
【0075】MPU11はカット番号Nのカット長が値
Mより大きければ、カット番号Nをインクリメントし
(N=N+1)(図11ステップS39)、カット番号
Nのビデオカットが最終カットかを判定する(図11ス
テップS40)。MPU11はカット番号Nのビデオカ
ットが最終カットであれば前処理を終了し、カット番号
Nが最終カットでなければステップS33に戻って前処
理を続行する。
【0076】一方、MPU11はカット番号Nのビデオ
カットのカット長が値Mより小さければ、カット番号N
のビデオカットのカット長が値Kより大きいかどうかを
判定する(図11ステップS36)。
【0077】MPU11はカット番号Nのビデオカット
のカット長が値Kより大きければ、カット番号Nのビデ
オカットを分割して末尾部をスタックバッファに先読み
し(図11ステップS37)、カット番号Nをインクリ
メントし(N=N+1)(図11ステップS39)、カ
ット番号Nのビデオカットが最終カットかを判定する
(図11ステップS40)。
【0078】MPU11はカット番号Nのビデオカット
が最終カットであれば前処理を終了し、カット番号Nが
最終カットでなければステップS33に戻って前処理を
続行する。
【0079】また、MPU11はカット番号Nのビデオ
カットのカット長が値Kより小さければ、カット番号N
のビデオカットを全てスタックバッファに先読みし(図
11ステップS38)、カット番号Nをインクリメント
し(N=N+1)(図11ステップS39)、カット番
号Nのビデオカットが最終カットかを判定する(図11
ステップS40)。
【0080】MPU11はカット番号Nのビデオカット
が最終カットであれば前処理を終了し、カット番号Nが
最終カットでなければステップS33に戻って前処理を
続行する。
【0081】上述した前処理を実行するには、図9に示
すようなアルゴリズムで各ビデオカットのバッファ属性
を判断して先読みを実行する必要がある。この前処理
は、図3に示す装置構成ではMPU11で処理され、図
6に示すようなカット情報を入力情報として与える。
【0082】夫々のビデオカットは演奏順に並べられ、
カット番号が割当てられる。各ビデオカットの開始点、
終了点、カット長を時間でデータ化し、カット長から判
断したバッファ属性を入力する。バッファ属性がスタッ
クバッファ、つまり先読みして貯えるデータであれば、
順番に格納エリア番号を割当てて行く。格納エリアは、
図9に示すアルゴリズム中で判定されるもので、初期の
データとしてはカット長及びバッファ属性までが明らか
になっていればよい。
【0083】図9において、ステップS11からステッ
プS16のループで全てのカットのバッファ属性を判断
し、スタックバッファ属性のものはクリップ再生処理
(ステップS13)によってスタックバッファに読込む
処理を行う。
【0084】スタックバッファに取込むデータは図8に
示すような先読みビデオクリップ格納指定用タグテーブ
ルで格納アドレスを登録しておき、後にこのタグテーブ
ル情報に従ってクリップデータを読出す。ステップS1
4でカウントされる値Cはタグテーブル内の格納エリア
番号となる。
【0085】図10に示すクリップ再生処理では、タグ
テーブルの値Cでマッピングされる欄の開始アドレスに
アドレスポインタPの値を書込む(ステップS21)。
Pの初期値は000hで、この値は図3に示すRAM1
3内のスタックバッファ領域の開始点を指す。図8に示
す先読みビデオクリップ格納指定用タグテーブルのアド
レス表記は簡略化のため1フレーム=001hとなって
いるが、この値は夫々のシステムのデータ量によって違
ってくる。
【0086】次に、クリップ再生処理では取込むビデオ
クリップ再生を開始する(ステップS22)。再生が開
始されると、図3に示すMPU11がサーボ回路12に
シーク命令に続いて再生のトラッキングを指示する。M
PU11は再生を続行し、1フレーム単位でデータのR
AM書込みを確認し(ステップS23)、1フレーム毎
にポインタ値Pを増加する(ステップS24)。
【0087】MPU11はポインタ値Pの増加分からカ
ット内の規定のフレーム数を終了したと判断すると(ス
テップS25)、その時点でのポインタ値Pをクリップ
の終了点として図8に示す先読みビデオクリップ格納指
定用タグテーブルのC番目の終了アドレスとして登録す
る。
【0088】複数のビデオクリップが先読みビデオクリ
ップ格納指定用タグテーブルに登録され、スタックバッ
ファに収められる場合には、クリップ再生処理(図9の
スイップS13)がステップS11からステップS16
のループの中で何度も実行され、格納エリア番号は1,
2,3,4と増えて行く。ビデオクリップの格納先はポ
インタPによって決まるので連続的に並ぶように蓄積さ
れる。以上のような過程によって図7及び図9に示すよ
うな前処理が行われる。
【0089】図3に示す装置構成を図4に示す方法で制
御する方式であれば、ディスク回転が2倍速以下の低デ
ータレートのディスクドライブで、最短カット長が比較
的長いという制約を受ける場合であっても、最短カット
長以下の長さのカットを含むノンリニア編集が可能であ
るので、ノンリニア編集のカット割りの自由度が高い。
【0090】この時のノンリニア編集プログラムに対す
る制限は基本的には最短カット長であるが、最短カット
長以下のビデオカットの合計データ量がRAM13内の
スタックバッファとして定義された容量以下であれば、
そのプログラムは実行可能となる。スタックバッファの
RAM13内における占有領域はRAM13の容量から
リングバッファに最低限必要な分を差し引いた容量とす
る。
【0091】リングバッファに最低限必要なデータ容量
は、図15に示すような最短カット長の連続を維持でき
るだけを確保すればよく、倍速数をN、標準データレー
トをRs、最短カット長をTcとすれば、必要データ容
量Vは、 V=Rs×(N−1)×Tc となる。但し、Nは倍速率なのでN>1という条件下で
ある。
【0092】図3に示すノンリニア編集装置はRAM1
3を全てスタックバッファ領域として使用すれば、図1
に示すノンリニア編集装置と等価な働きをすることがで
き、またRAM13を全てリングバッファ領域として使
用すれば、図12に示す従来例のノンリニア編集装置と
等価な働きをすることができる。つまり、図7に示すよ
うな条件判断プロセスによって、図3に示すノンリニア
編集装置の形態を連続再生するビデオカットの状況によ
って最適化することが可能である。
【0093】上述したように、図3に示すRAM13の
領域区分を事前に最適化することで、さらにノンリニア
編集の自由度を高めることが可能である。また、上記の
図7に示す条件判断を持つ図3に示すノンリニア編集装
置は、CLV記録ディスクを一定回転速度で再生するデ
ィスクドライブにおいても有効である。
【0094】CLV記録されたディスクを一定回転速度
で回転させた時に得られるデータレートは、図18に示
すように、トラックの半径に比例し、ディスク内周では
低く、ディスク外周では高くなる。ディスクの回転速度
を最内周トラックを再生した時のデータレートが最終ビ
デオ信号出力のデータレートを若干上回るような値に設
定して一定回転とすると、最内周トラックでは標準回転
を100%とした時の再生データレートが100%を若
干上回る値であるが、最外周トラックでは内周との半径
比が2倍程度ならば、200%を超える。トラックによ
って再生データレートが異なると、ノンリニア編集の能
力のパラメータである最短カット長が各トラックで異な
ることになる。
【0095】各トラックによる最短カット長は、図19
に示す曲線で示されるような1/(X+a)曲線とな
り、外周では比較的短いカット長であるのに対し、内周
に行くに従って急峻に最短カット長は大きくなる。つま
り、外周側トラックでは高いランダムアクセス性を持っ
ているので、従来例のFIFOバッファのみの回路によ
るノンリニア編集装置で十分満足のいく性能を持つにも
かかわらず、内周側ではデータレートが低いため、従来
例のFIFOバッファのみの回路によるノンリニア編集
装置では最短カット長が長すぎるため実用に耐えないこ
とになる。
【0096】本実施例ではトラックによって変化する最
短カット長を、図19または図20に示すように、いく
つかの領域に分割してテーブル化し、図11のプロセス
による前処理を行うことによって、各カットの位置する
トラックのデータレートに併せたRAMバッファの使い
方をすることで、擬似的にランダムアクセス性の弱いデ
ィスク内周側に位置するカットも外周側に位置するカッ
トと同様の最短カット長に近い値とすることができる。
【0097】図11に示すプロセスを具体的に説明する
と、ステップS32において、ディスクドライブに固有
の最悪シーク時間から、最悪シークが発生した時にバッ
ファから出力されるデータの総量を求め、値Kに代入す
る。ステップS33からステップS40のループをカッ
ト数分だけ繰返し、各カット個別に前処理を行う必要が
あるか、あるいはカットを分割する必要があるかを判定
し、夫々に対応した処理を行う。
【0098】ステップS33で図19または図20に従
った各カットの位置するトラックにおける領域の最短カ
ット長を値Mに代入する。カットが複数の領域にまたが
る時はより悪条件のほうを選択する。
【0099】ステップS35ではカット長が最短カット
長を超えているかどうか判断する。カット長が最短カッ
トを超えていれば、リングバッファ動作だけで前のカッ
トと繋ぎあわせることが可能であるので、前処理は必要
ない。
【0100】ステップS35についでステップS36
で、カット長が値Kを超えているかどうかが判定され
る。カット長が値Kを超えていれば、N番目のカットを
全スタックバッファに先読みするよりも、カットを2つ
に分割して、後半の1/2を値Kと同じか、値Kより少
し大きいサイズにし、その部分を先読みしてRAM13
内のスタックバッファに治めた方がRAM13の容量を
節約することができる。従って、その時はステップS3
7に進む。
【0101】ステップS36で偽と判定されると、カッ
ト番号Nのデータサイズは値Kよりも小さいのであるか
ら、カット内の全てのデータを前処理によってRAM1
3内のスタックバッファに先読みしてしまうステップS
38を行う。このように、各カットは夫々が位置する領
域によって異なるパラメータを与えられて処理される。
もちろん、RAM13の容量による性能の制約はある
が、ディスク外周側ではほぼ固定サイズのリングバッフ
ァのみでノンリニア編集が可能であるので、ディスク内
周側の特に再生データレートの低い部分のカットで多発
するRAM13内のスタックバッファによる先読み分だ
けの容量を確保すればよい。この場合、RAM13の容
量を増せば増すほどシステムの自由度は高まることにな
る。
【0102】近年は、RAM13のサイズが飛躍的に向
上しているため、100MByte程度のメモリであれ
ば小規模なシステムでも塔載することが可能である。上
述した50Mbpsのディスクドライブを例に取り、最
悪シーク時間を実現可能な値として500msecとす
ると、最悪シーク時に出力されるデータが3.125M
Byteとなり、この場合、32カット分の先読みが可
能となる。図20に示すように領域を区分し、データレ
ートの低い内周側で重点的にRAM13内のスタックバ
ッファが使われるように制御するならば、32カットと
いう制限値は十分な数といえる。
【0103】以上説明したように、本発明のノンリニア
編集装置は各カットの末尾を先読みし、事前に一時保存
用RAM6またはRAM13によるスタックバッファ領
域に格納しておく前処理を行うことで、標準のデータレ
ートでしか再生を行うことができないディスクドライブ
を用いてもノンリニア編集が可能となる。
【0104】また、本発明のノンリニア編集装置は各カ
ットの末尾を先読みし、事前にRAM13によるスタッ
クバッファ領域に格納しておく前処理を行う手段と、同
一のRAM13の中でリングバッファ領域を形成し、F
IFOバッファのように入出力データの間をバッファリ
ングしつつ、再生ビデオカット間を欠落なく繋げる手段
とを共有することによって、従来のノンリニア編集装置
の制約であった最短カット長を下回るビデオカットの繋
ぎあわせが可能となる。
【0105】また、本発明のノンリニア編集装置は装置
内のRAM13を細切れカットの先読みと連続再生時の
FIFOバッファリングのどちらか、または共用で使用
できるため、様々なディスクドライブ、カット割りに最
適の状態に最適化することができ、ノンリニア編集の自
由度を向上することが可能となる。
【0106】また、本発明のノンリニア編集装置はCL
V記録のディスクを一定速度で回転させることによっ
て、シーク時に発生する回転速度安定待ち時間をなく
し、シーク速度を向上させる一方、内外周の間に生まれ
たデータレートの差を原因とする最内周部の最短カット
長の肥大をRAM13内のスタックバッファによる先読
み手段で低減することが可能であり、十分に余裕のある
容量を確保すれば、ノンリニア編集性能の制約を余裕度
の大きい最外周側のトラックに合わせることが可能とな
る。
【0107】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ビ
デオ信号及び音声信号が連続するトラックに線速度一定
で記録されたディスク記録媒体に記録された信号をドラ
イブ装置で再生し、ドライブ装置で再生された信号を再
生回路で処理した後に一時保存回路に一時保存し、再生
回路の出力と一時保存回路の出力とを切換えて出力する
ことによって、圧縮率が低い画像データを記録する再生
データレートの高いCLV記録方式のビデオディスクの
場合にシーク速度が遅くとも、1つ1つのビデオクリッ
プの最低限の長さに対する制限値を小さくすることがで
き、安価かつ確実に実現することができるという効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】本発明の一実施例でノンリニア編集を行う場合
の再生トラック制御を示す図である。
【図3】本発明の他の実施例の構成を示すブロック図で
ある。
【図4】本発明の他の実施例でノンリニア編集を行う場
合の再生トラック制御を示す図である。
【図5】本発明の他の実施例のバッファメモリに対する
書込み・読出し制御を示す図である。
【図6】本発明の他の実施例によるノンリニア編集カッ
ト割りテーブルを示す図である。
【図7】本発明の他の実施例によるバッファメモリの領
域区分決定プロセスを示すフローチャートである。
【図8】本発明の他の実施例による先読みビデオクリッ
プ格納指定用タグテーブルを示す図である。
【図9】本発明の他の実施例による前処理を示すフロー
チャートである。
【図10】本発明の他の実施例によるクリップ再生処理
を示すフローチャートである。
【図11】本発明の他の実施例によるCLV記録ディス
クの一定速度回転の再生を行った場合の前処理を示すフ
ローチャートである。
【図12】従来例の構成を示すブロック図である。
【図13】従来例によるノンリニア編集装置におけるバ
ッファメモリの書込み・読出しを説明した図である。
【図14】従来例によるノンリニア編集装置におけるバ
ッファメモリのデータ量変化を説明した図である。
【図15】従来例によるノンリニア編集装置におけるバ
ッファメモリのデータ量変化を説明した図である。
【図16】CAV記録ディスクのトラック構成の一例を
説明した図である。
【図17】CLV記録ディスクのトラック構成の一例を
説明した図である。
【図18】CLV記録ディスクを一定回転速度で回転し
た場合の再生データレートの変化の例を説明した図であ
る。
【図19】CLV記録ディスクを一定回転速度で回転し
た場合の最短カット長の変化の例を説明した図である。
【図20】CLV記録ディスクを一定回転速度で回転し
た場合の最短カット長の変化の例を説明した図である。
【符号の説明】
1 ディスク 2 再生用光学へッド 3 アンプ 4 イコライザ及び復調回路 5 ECC回路 6 一時保存用RAM 7 切替えスイッチ 8 コーディック(復調)回路 9 フレームタイミング制御回路 10,14 RAM制御回路 11 MPU 12 光ヘッド駆動サーボ回路 13 RAM
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 5/91 - 5/956 G11B 27/034 H04N 5/907

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビデオ信号及び音声信号が連続するトラ
    ックに線速度一定で記録されたディスク記録媒体と、前
    記ディスク媒体に記録された信号を再生するドライブ装
    置と、前記ドライブ装置で再生された信号を処理する再
    生回路と、前記再生回路で処理されたデータを一時保存
    する一時保存回路と、前記再生回路の出力と前記一時保
    存回路の出力とを切換えて出力する切換え回路と、前記
    ディスク記録媒体を予め設定された標準回転速度よりも
    高速に回転させる手段と、前記一時保存回路内に設けら
    れかつリングバッファとして用いる領域と、前記リング
    バッファとして用いる領域からの出力と前記一時保存回
    路内の他の領域からの出力とを切換えて出力する手段
    と、前記一時保存回路の領域を前記ディスク記録媒体の
    再生内容に応じて前記リングバッファとして用いる領域
    とその他の領域とに切り分ける手段とを有し、 前記切り分ける手段は、前記一時保存回路の領域を全て
    一時保存用に用いる場合と、前記一時保存回路の領域を
    全て前記リングバッファとして用いる場合と、前記一時
    保存回路の領域を前記リングバッファとその他の領域と
    に夫々用いる場合とに切り分けるよう構成した ことを特
    徴とするノンリニア編集装置。
  2. 【請求項2】 ビデオ信号及び音声信号が連続するトラ
    ックに線速度一定で記録されたディスク記録媒体と、前
    記ディスク媒体に記録された信号を再生するドライブ装
    置と、前記ドライブ装置で再生された信号を処理する再
    生回路と、前記再生回路で処理されたデータを一時保存
    する一時保存回路と、前記再生回路の出力と前記一時保
    存回路の出力とを切換えて出力する切換え回路とを有
    し、前記ディスク記録媒体の回転速度を、最内周トラッ
    クを再生した時のデータレートが最終ビデオ信号出力の
    データレートを若干上回るような値に設定し、一定速度
    回転とするようにしたことを特徴とするノンリニア編集
    装置。
  3. 【請求項3】 前記ディスク記録媒体を予め設定された
    標準回転速度よりも高速に回転させる手段と、前記一時
    保存回路内に設けられかつリングバッファとして用いる
    領域と、前記リングバッファとして用いる領域からの出
    力と前記一時保存回路内の他の領域からの出力とを切換
    えて出力する手段とを含むことを特徴とする請求項2記
    載のノンリニア編集装置。
  4. 【請求項4】 前記一時保存回路の領域を前記ディスク
    記録媒体の再生内容に応じて前記リングバッファとして
    用いる領域とその他の領域とに切り分ける手段を含むこ
    とを特徴とする請求項3記載のノンリニア編集装置。
  5. 【請求項5】 前記切り分ける手段は、前記一時保存回
    路の領域を全て一時保存用に用いる場合と、前記一時保
    存回路の領域を全て前記リングバッファとして用いる場
    合と、前記一時保存回路の領域を前記リングバッファと
    その他の領域とに夫々用いる場合とに切り分けるよう構
    成したことを特徴とする請求項4記載のノンリニア編集
    装置。
  6. 【請求項6】 前記ディスク記録媒体に対する最長のシ
    ークが発生した場合に欠落するビデオカットの終了部と
    前記ディスク記録媒体における最短カット長に満たない
    ビデオカットとのうちの少なくとも一方を先読みして前
    記一時保存回路に一時保存するよう制御する手段を含む
    ことを特徴とする請求項から請求項5のいずれか記載
    のノンリニア編集装置。
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