JP3066043B2 - 吸放湿性延伸成形物の製造法 - Google Patents

吸放湿性延伸成形物の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、すぐれた吸湿性および放湿性を有すると共
に、機械的強度、耐水性および寸法安定性をも兼ね備え
た吸放湿性延伸成形物を製造する方法に関するものであ
る。
従来の技術 環境湿度に応じて吸放湿(吸湿および放湿)する性質
を有する線状またはシート状の成形物は、衣料、衛生用
品、農園芸用資材、内装材、包装材料、脱水剤、シール
材などの用途への応用が期待される。
特開昭63−219618号公報には、少なくとも3meq./gの
カルボキシル基を有しその5〜75%がアルカリ金属塩ま
たはアミン塩となっているポリカルボン酸(A)、重合
度500〜3000のポリビニルアルコール(B)および該
(A)に対し0.1〜5重量%の多価アルコール(C)を
必須成分とし、ノズル直前またはノズル部で(A)と
(B)とを微視的に不完全に混合して乾式法により紡糸
し、熱処理することにより吸水性繊維を製造する方法が
示されている。
特開平1−103643号公報には、カルボキシル基含有重
合体の塩(I)、ポリビニルアルコール(II)、多価ア
ルコール(III)および多価エポキシ化合物(IV)の4
成分からなる混合物を成形加熱処理して得られるフィル
ム状または繊維状の吸水性組成物が示されている。
なお吸放湿の目的ではないが、特開昭57−125240号公
報には、水溶性ポリビニルアルコールとポリアクリル酸
との均一混合物からなる水溶性フィルムが示されてお
り、この水溶性フィルムは、乾燥洗剤およびその類似水
溶性商品の包装用途に役立つとしている。
そのほか本出願人は、特願平1−328919号、特願平2
−80354号として、本発明に関連する出願を行ってい
る。
発明が解決しようとする課題 上記の特開昭63−219618号公報に記載の方法において
は、円滑に延伸できかつ所望の吸水性および伸度を得る
ために、(A)および(B)を不完全混合した紡糸原液
を紡糸するという方法を採用している。しかしながらこ
のような特殊な方法は、工業的見地からは望ましいもの
とは言い難い。
特開平1−103643号公報に記載のフィルム状または繊
維状の吸水性組成物は、カルボキシル基含有重合体の塩
(I)をベースに、ポリビニルアルコール(II)により
強靭性を確保し、多価アルコール(III)により柔軟性
を確保し、多価エポキシ化合物(IV)により架橋を行っ
て吸水倍率のコントロールを行うようにしたものであ
る。しかしながらこのフィルム状または繊維状の吸水性
組成物は、吸放湿性、機械的強度、耐水性および寸法安
定性の全ての性質をバランス良く備えるようにすること
が難しく、その適用用途が制限されることがある。
特開昭57−125240号公報に記載の水溶性フィルムは、
その目的が洗剤包装用などの用途に適した水溶性フィル
ムを提供することにあるので、吸放湿性成形物としては
適していない。
本発明は、このような背景の下に、工業的な生産性を
有し、かつすぐれた吸放湿性、機械的強度、耐水性、寸
法安定性を兼ね備えた吸放湿性延伸成形物を得ることの
できる方法を提供することを目的になされたものであ
る。
なお本明細書において「シート」とは、フィルムを含
む概念である。
課題を解決するための手段 本発明の吸放湿性延伸成形物の製造法は、 ポリビニルアルコール系樹脂(A)および分子内に遊
離のカルボキシル基を含有する高分子(B)を重量比で
90:10〜20:80の割合で含みかつさらに前記樹脂(A)の
ゲル化剤(C)を含む混合水溶液を成形用原液として用
い、成形物に成形する工程、 該成形物を、それが線状である場合は少なくとも一軸
方向に2倍以上に、それがシート状である場合は少なく
とも一軸方向に面積倍率で2倍以上に延伸する工程、 ついで、得られた延伸成形物中の高分子(B)中に含
有されている遊離のカルボキシル基を中和する工程、 からなることを特徴とするものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
成形工程 ポリビニルアルコール系樹脂(A)としては、水溶性
または水膨潤性を有する限りにおいて、種々の重合度
(たとえば300以上)およびケン化度(たとえば70〜100
モル%)のポリビニルアルコールが用いられる。この場
合、本発明の目的には重合度は高い方が望ましく、重合
度が3100以上、特に3500以上、なかんずく4000以上のも
のが好適である。
ポリビニルアルコールのほか、酢酸ビニルと共重合可
能なモノマー(α−オレフィン、エチレン性不飽和カル
ボン酸・塩・アルキルエステル・無水物・ニトリル・ア
ミド、エチレン性不飽和スルホン酸、ビニルエーテル、
酢酸ビニル以外のビニルエステル、塩化ビニルなど)で
共重合変性された「共重合変性」ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルアルコールや共重合変性ポリビニルアル
コールをアシル化、ウレタン化などした「後変性」ポリ
ビニルアルコールも用いることができる。
分子内に遊離のカルボキシル基含有する高分子(B)
としては、エチレン性不飽和モノカルボン酸(アクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸等)、エチレン性不飽和
ジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸、イタコン酸
等)またはその無水物や部分アルキルエステルなどのエ
チレン性不飽和カルボン酸から選ばれた少なくとも1種
のモノマーの重合体、あるいは上記モノマーと他の共重
合可能なモノマー(エチレン性不飽和カルボン酸エステ
ル、α−オレフィン、スチレン系モノマー、ビニルエス
テル、(メタ)アクリルニトリル、ビニルエーテル、塩
化ビニル等)との共重合体があげられる。
上記高分子(B)の分子内のカルボキシル基は、その
全部が遊離のカルボキシル基である方が(A)と(B)
との相溶性の点で好ましいが、5モル%未満、殊に3モ
ル%未満程度であれば、部分中和されていて塩型になっ
ていても差支えない。なお塩とは、アルカリ金属塩、ア
ルカリ土類金属塩、アミン塩、アンモニウム塩などの水
溶性塩をいう。
上記中、特に好ましいものは、ポリアクリル酸である
か、アクリル酸ナトリウムの共重合割合が5モル%未満
(殊に3モル%未満)のアクリル酸−アクリル酸ナトリ
ウム共重合体である。
ポリビニルアルコール系樹脂(A)と分子内に遊離の
カルボキシル基を含有する高分子(B)との配合割合
は、重量比で90:10〜20:80、殊に80:20〜30:70の範囲か
ら選択することが望ましい。前者(A)の過多、後者
(B)の過少は吸放湿性の不足を招き、前者(A)の過
少、後者(B)の過多は機械的強度、寸法安定性の不足
を招く。
ゲル化剤(C)としては、上記ポリビニルアルコール
系樹脂(A)をゲル化させる能力のある物質が用いられ
る。代表的なものとしては、ホウ酸、ホウ砂、金属塩、
アンモニウム塩があげられ、特にホウ酸が重要である。
上記のうち金属塩としては、鉄、コバルト、ニッケ
ル、マンガン、クロム、バナジウム、スズ、ジルコニウ
ム、チタン、アルミニウム、亜鉛、カドミウム、マグネ
シウム、カルシウム、スロンチウム、バリウム、銅、リ
チウム、ナトリウム、カリウムなどの金属の無機酸塩ま
たは有機酸塩(塩化物、臭化物、硝酸塩、硫酸塩、亜硫
酸塩、酸性硫酸塩、チオ硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩、酢
酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、グルコン
酸塩等)のうち水溶性を有するものが用いられ、硫酸ア
ルミニウムカリウムの如き複塩であってもよい。
ゲル化剤(C)の配合割合は、ポリビニルアルコール
系樹脂(A)に対し0.01〜30重量%、殊に0.1〜10重量
%とすることが望ましい。ゲル化剤(C)の過少は配合
効果が不足し、ゲル化剤(C)の過多は成形性を損な
う。
ポリビニルアルコール系樹脂(A)、分子内に遊離の
カルボキシル基を含有する高分子(B)およびゲル化剤
(C)を上記の割合で含む混合水溶液を成形用原液とし
て用いることにより、繊維状、シート状、その他の形状
の成形物が製造される。
成形方としては、通常押出法または流延法が採用され
る。すなわち、上記(A)および(B)のポリマー成分
の混合水溶液に、必要に応じ溶剤、可塑剤(多価アルコ
ール等)、架橋剤(多価エポキシ化合物、ジアルデヒ
ド、メチロールメラミン等)、フィラー、着色剤、安定
剤、機能性薬剤等を配合した後、ダイまたはノズルから
空気中にまたは凝固浴中に吐出させるか、基材上に流延
し、必要に応じて乾燥する。典型的には、(A)の水溶
液、(B)の水溶液、および(C)を混合し、さらに必
要に応じて他の添加剤を配合し、ダイまたはノズルから
吐出させるか、基材上に流延した後、乾燥する。
延伸工程 そして本発明においては、得られた成形物を延伸に供
する。この場合、自然吸湿率程度の水分が残っていても
差支えない。
延伸倍率は、成形物が線状である場合は一軸方向に2
倍以上(殊に3倍以上)に、成形物がシート状(真空成
形や深絞り成形のためのシートを含む)である場合は少
なくとも一軸方向(つまり、一軸方向や二軸方向、さら
には多軸方向)に面積倍率で2倍以上(殊に3倍以上)
に設定する。延伸倍率が小さいときは、機械的強度、耐
水性、寸法安定性が不足し、所期の目的を達成すること
ができない。
上記の延伸操作に際しての延伸温度は、100〜300℃程
度、殊に140〜250℃が適当である。延伸操作の前に、延
伸操作を損なわない程度に熱処理を行うこともでき、延
伸操作の後に熱固定を行うこともできる。
延伸成形物の熱水溶解率は30重量%以下、さらには20
重量%以下、なかんずく10重量%以下であることが望ま
しい。
中和工程 本発明においては、上記のようにして得られた延伸成
形物中の高分子(B)中に含有されている遊離のカルボ
キシル基を中和する。
中和は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナ
トリウム、エタノールアミンなどを濃度0.01〜1N程度の
水溶液とした中和剤に、上記延伸成形物を接触させるこ
とにより達成できる。中和時の温度条件は、室温ないし
80℃程度とすることが多い。中和に際しては、延伸成形
物を緊張状態に保っておくことが好ましい。中和処理後
に熱処理を行うこともできる。
この中和操作により、延伸成形物中の高分子(B)中
に含有されているカルボキシル基が高中和度(殊に30モ
ル%以上)にまで中和されるようにする。中和度が不足
すると、吸湿速度等の特性が損われる。
架橋工程 本発明においては、上記で得た延伸成形物を架橋処理
に供することが望ましい。架橋処理は、上記の中和工程
の前または後あるいは中和と同時に、延伸成形物を浸
漬、噴霧等により架橋剤溶液と接触させ、さらに必要に
応じて熱処理することにより行うことができる。このよ
うな架橋処理により、目的物の引張強度等の機械的物性
が一段と向上し、より実用性の高い目的物が得られる。
ここで架橋剤としては、ポリビニルアルコールやポリ
アクリル酸の架橋剤として知られているものがいずれも
使用でき、たとえば、多価エポキシ化合物、ジアルデヒ
ド、多価イソシアネート、メチロールメラミン、メチロ
ール尿素などが用いられる。
また、架橋剤を特に用いなくても、電子線、紫外線等
の活性エネルギー線を照射することによっても、架橋処
理が可能である。
用途 本発明の方法により得られる吸放湿性延伸成形物は、
それ単独であるいは他の材料と組み合わせて繊維製品
(モノまたはマルチフィラメント、ヤーン、線状物、織
布、不織布、編物等)、衛生用品、農園芸用資材、内装
材(壁紙等)、包装材(生鮮食品またはファーストフー
ド包装用の露結防止シート等)、脱水・脱湿材、シール
材、土木用資材(コンクリート養生シート等)をはじめ
とする種々の用途に好適に用いることができる。
作用および発明の効果 本発明の方法は、ポリビニルアルコール系樹脂
(A)、分子内に遊離のカルボキシル基を含有する高分
子(B)、およびゲル化剤(C)よりなる組成物から成
形した成形物を、まず延伸し、ついで高分子(B)中に
含有されている遊離のカルボキシル基を中和するもので
ある。
ゲル化剤(C)を併用しないときは、ポリビニルアル
コール系樹脂(A)のOH基と高分子(B)のCOOH基とが
成形時や延伸時に反応してエステル結合を生ずる。エス
テル結合の生成は耐水性および寸法安定性に必要である
が、吸湿率の上限に制約が加わることとなる。しかるに
ゲル化剤(C)の併用は、ポリビニルアルコール系樹脂
(A)のOH基がゲル化剤(C)によりブロックされるた
め、COOH基が必要以上にまでエステル化されることが防
がれ、より高い吸放湿性を得るのに貢献する。
上記の方法により得られた吸放湿性延伸成形物は、す
ぐれた吸放湿性(吸湿性および放湿性)を有しながら、
機械的強度、耐水性および寸法安定性を兼ね備えてい
る。
さらに架橋工程を付加すれば、目的物の機械的強度が
一段と向上するので、さらに実用的価値の高い吸放湿性
延伸成形物を得ることができる。
そして本発明によれば、成形用原液中のポリマー濃度
を相当程度高くした場合、あるいはポリビニルアルコー
ル系樹脂(A)として高重合度のものを用いた場合で
も、成形用原液の安定性が良好であり、しかも円滑な成
形を行うことができる。
実 施 例 〈成形用原液の安定性、成形性〉 実施例1〜3 濃度15重量%または濃度25重量%に調整した重合度35
00のポリビニルアルコール(A)水溶液、濃度15重量
%、濃度20重量%または濃度25重量%に調整した重合度
5000のポリアクリル酸(B)水溶液、およびポリビニル
アルコール(A)に対し2重量%のホウ酸を、下記の第
1表に示した組み合わせおよび比率で混合し、成形用原
液を得た。
比較例1〜2 濃度15重量%または濃度25重量%に調整した重合度35
00のポリビニルアルコール(A)水溶液と、ポリアクリ
ル酸(B)としてポリアクリル酸を0.1Nの水酸化ナトリ
ウム水溶液で約90モル%中和したアクリル酸−アクリル
酸ナトリウム共重合体を濃度15重量%または濃度25重量
%にした水溶液とを、下記の第1表に示した組み合わせ
および比率で混合し、成形用原液を得た。
上記成形用原液を雰囲気温度20℃および60℃にそれぞ
れ12時間および48時間放置し、成形用原液の安定性を調
べた。
条件および結果を第1表に示す。第1表中の符号の意
味は次の通りである。
○:分離せず、△:分離の傾向あり、 ×:分離する また、上記成形用原液をノズルからアセトン中に吐出
してから自然乾燥し、巻取機に巻き取った。
実施例1〜3においては、曳糸性が良好である上、糸
切れを生ずることなく巻き取りが可能であった。
これに対し比較例1においては、曳糸性が劣るため円
滑な紡糸ができず、しばしば糸切れを生じた。凝固浴を
メタノールとしたとき、硫酸ナトリウム水溶液としたと
き、あるいは空気中に吐出したときも、同様に成形性が
劣っていた。
比較例2においては、成形自体を行うことができなか
った。
〈繊維状成形物の製造〉 実施例4 ポリビニルアルコール系樹脂(A)の一例としての重
合度4000、ケン化度99.9モル%のポリビニルアルコール
を水に溶解し、濃度12重量%のポリビニルアルコール水
溶液を調製した。
また高分子(B)の一例としての重合度5000のポリア
クリル酸を水に溶解し、濃度12重量%のポリアクリル酸
水溶液を調製した。
上記の濃度12重量%のポリビニルアルコール水溶液70
重量部、上記の濃度12重量%のポリアクリル酸水溶液30
重量部、およびゲル化剤(C)としてのホウ酸0.17重量
部(ポリビニルアルコールに対し2重量%)を混合して
均一溶液となし、該溶液をピストンとノズルを備えた容
器に供給してノズルから繊維状に吐出させ、ついで温度
20℃のアセトン浴中に導いて凝固させた後、自然乾燥し
た。得られた繊維状成形物の単糸の太さは69デニールで
あった。
次に上記の69デニールの繊維状成形物を、ロール式延
伸機を用いて、延伸温度180℃にて長さ方向に7倍に延
伸し、引き続いて延伸温度220℃にて長さ方向に3.1倍に
延伸した後、1分間熱固定した。
ついでこれを温度50℃の0.2N水酸化ナトリウム水溶液
中に導いて緊張下に走行させることにより中和を行った
後、水洗、乾燥し、220℃で緊張下で熱処理した。
これにより、太さ3.9デニールの繊維状の吸放湿性延
伸成形物が得られた。この延伸成形物における高分子
(B)中のカルボキシル基の中和度は約90モル%であっ
た。
実施例5 ゲル化剤(C)としてのホウ酸の配合量を0.43重量部
(ポリビニルアルコールに対し5重量%)としたほかは
実施例4を繰り返した。
実施例6 実施例4において、ポリビニルアルコール水溶液およ
びポリアクリル酸水溶液の濃度をいずれも30重量%に変
更しかつゲル化剤(C)としてのホウ酸をポリビニルア
ルコールに対し2重量%混合した均一溶液をノズルから
空気中に吐出した後、温度180℃で熱風乾燥し、以下実
施例4と同様の条件で延伸、中和、水洗、乾燥および熱
処理を行い、繊維状の延伸成形物を得た。
実施例7 実施例4で得た延伸、中和後の繊維状の吸放湿性延伸
成形物を、さらに温度50℃、濃度2重量%のメチロール
化メラミン水溶液(住友化学工業株式会社製スミマール
M−30W)中に導き、緊張下に走行させた後、220℃で熱
処理することにより架橋操作を行った。
実施例8 実施例4においてポリビニルアルコール水溶液とポリ
アクリル酸水溶液との割合を重量比で80:20に変更しか
つゲル化剤(C)としてのホウ酸をポリビニルアルコー
ルに対し2重量%混合したほかは、実施例4と同様の条
件で延伸、中和、水洗、乾燥および熱処理を行い、繊維
状の延伸成形物を得た。
実施例9〜11 ポリビニルアルコール系樹脂(A)として、重合度56
00(実施例9)、重合度4300(実施例10)、重合度1800
(実施例11)のポリビニルアルコールをそれぞれ用いた
ほかは実施例4と同様の条件で延伸、中和、水洗、乾燥
および熱処理を行い、繊維状の延伸成形物を得た。
比較例3 実施例4において中和工程を省略した繊維状延伸成形
物(3.9デニール)を用いた。なお原液調製時にゲル化
剤(C)の配合も省略した。
比較例4 実施例4の濃度12重量%のポリビニルアルコール水溶
液70重量部と、実施例4のポリアクリル酸を予め水酸化
ナトリウム水溶液で中和度50モル%まで部分中和し、つ
いで濃度12重量%に濃度調整したアクリル酸−アクリル
酸ナトリウム共重合体水溶液30重量部とを均一に混合
し、該溶液をピストンとノズルを備えた容器に供給して
ノズルから繊維状に吐出させ、ついで温度20℃のアセト
ン浴中に導いて凝固させた後、自然乾燥した。得られた
繊維状成形物の単糸の太さは3.9デニールであった。
比較例5 混合溶液をノズルから空気中に吐出したほかは比較例
4を繰り返し、単糸の太さ3.9デニールの繊維状成形物
を得た。
参考例1 ゲル化剤(C)の配合のみを省略したほかは実施例4
を繰り返した。
〈特性評価〉 実施例4〜11、比較例3〜5および参考例1で得られ
た繊維状の成形物から、1560d/400fのマルチフィラメン
ト糸を作製し、吸放湿性(吸湿速度、放湿速度、平衡吸
湿率)、機械的強度(引張強度)、耐水性(熱水不溶解
率)、寸法安定性を下記の方法により測定すると共に、
実用性の観点から○、△、×の3段階で評価した。ただ
し引張強度および寸法安定性は、単糸についての測定値
である。
吸湿速度は、株式会社ナガノ科学機械製作所製の卓上
型恒温恒湿器を用いて、絶乾状態のサンプルを40℃、90
%のRH絶乾状態から高湿条件にもたらし、初期10分間の
吸湿率の平均変化度(%/min)を吸湿速度、24時間後の
値を平衡吸湿率とした。
吸放湿性は、低湿条件(40℃、40%RH)と高湿条件
(40℃、90%RH)につき、株式会社ナガノ科学機械製作
所製の卓上型恒温恒湿器を用いて24時間の経時的な吸放
湿率の増減を測定し、初期10分間の吸湿率の平均変化度
(%/min)を吸放湿速度、24時間後の値を平衡吸湿率と
した。
引張強度は、試料を20℃、65%RHに48時間以上保った
後、引張試験機を用いて測定した。20℃の水中に1時間
浸漬した後についても、同様に引張強度の測定を行っ
た。
熱水不溶解率は、試料を絶乾重量で1.0±0.1g精秤し
(a)、20℃、65%RHに48時間以上保ってから、温度98
℃の水500mlを入れたビーカーに投入して50rpmの条件で
60分間撹拌した後、取り出し、絶乾後の重量(b)を測
定し、次式により算出した。
熱水不溶解率(%)=100b/a 寸法安定性については、試料繊維を20℃、65%RHに48
時間以上保った後、100mmの長さに裁断し、ついでこれ
を温度20℃の水500mlを入れたビーカーに投入して50rpm
の条件で60分間撹拌した後、取り出して表面に付着した
水分をろ紙で除去し、長さ変化(%)を求めた。
結果を第2表に示す。
〈シート状成形物の製造〉 実施例12 ポリビニルアルコール系樹脂(A)の一例としての重
合度3500、ケン化度99.7モル%のポリビニルアルコール
を水に溶解し、濃度5重量%のポリビニルアルコール水
溶液を調製した。
また高分子(B)の一例としての重合度5000のポリア
クリル酸を水に溶解し、濃度5重量%のポリアクリル酸
水溶液を調製した。
上記の濃度5重量%のポリビニルアルコール水溶液70
重量部、上記の濃度5重量%のポリアクリル酸水溶液30
重量部、およびゲル化剤(C)としてのホウ酸をポリビ
ニルアルコールに対し3重量%宛混合して均一溶液とな
し、基材としての厚さ120μmのポリエステルシートに
流延してから熱風乾燥し、厚さ50μmのシート状成形物
を得た。
次にこのシート状成形物を、テンター式延伸機を用い
て、延伸温度180℃にて縦横方向に各2.12倍(面積倍率
で4.5倍)に延伸し、温度240℃で10秒間熱固定を行っ
た。
得られたシート状延伸成形物を温度50℃、0.2Nの水酸
化ナトリウム水溶液中に緊張下に20秒間浸漬させること
により中和を行った後、水洗、乾燥し、続いて温度240
℃で10秒間熱固定した。
これにより、シート状の吸放湿性延伸成形物が得られ
た。該延伸成形物における高分子(B)中のカルボキシ
ル基の中和度は約75モル%であった。
実施例13 実施例12で得た延伸、中和後のシート状の吸放湿性延
伸成形物を、さらに温度50℃、濃度2重量%のメチロー
ル化メラミン水溶液(実施例6で用いたもの)中に緊張
下に浸漬し、ついで240℃で10秒間熱処理して架橋操作
を行った。
実施例14 ゲル化剤(C)として、ホウ酸に代えて酢酸第二銅を
ポリビニルアルコールに対し2重量%宛混合したほかは
実施例12を繰り返した。
実施例15 ゲル化剤(C)として、ホウ酸に代えて酢酸第一ニッ
ケルをポリビニルアルコールに対し2重量%宛混合した
ほかは実施例12を繰り返した。
比較例6 実施例12における中和前のシート状延伸成形物を用い
た。なお原液調製時にゲル化剤(C)の配合も省略し
た。
比較例7 実施例12の濃度5重量%のポリビニルアルコール水溶
液70重量部と、実施例12のポリアクリル酸を予め水酸化
ナトリウム水溶液で中和度50モル%まで中和し、ついで
濃度5重量%に濃度調整したアクリル酸−アクリル酸ナ
トリウム共重合体水溶液30重量部とを均一混合し、該溶
液を基材としての厚さ120μmのポリエステルシートに
流延してから熱風乾燥し、厚さ50μmのシート状成形物
を得た。
〈特性評価〉 このようにして得た実施例12〜15および比較例6〜7
のシート状の成形物につき、前記と同様にして、吸放湿
性(吸湿速度、放湿速度、平衡吸湿率)、機械的強度
(引張強度)、耐水性(熱水不溶解率)、寸法安定性に
ついて測定すると共に、実用性等の観点から同様に○、
△、×の3段階で評価した。
ただし、寸法安定性については、試料シートを20℃、
65%RHに48時間以上保った後、50mm×50mmの大きさに裁
断し、ついでこれを温度20℃の水500mlを入れたビーカ
ーに投入して50rpmの条件で60分間撹拌した後、取り出
して表面に付着した水分をろ紙で除去し、面積変化
(%)を求めた。
結果を第3表に示す。
第1表〜第3表の結果から、実施例の製造法によりポ
リビニルアルコールの重合度が高く、かつ成形用原液の
濃度が高濃度の場合でも、安定性にすぐれた成形用原液
が得られ、かつ得られる吸放湿性延伸成形物は、吸放湿
性、機械的強度、耐水性および寸法安定性をバランスよ
く備えていることがわかる。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリビニルアルコール系樹脂(A)および
    分子内に遊離のカルボキシル基を含有する高分子(B)
    を重量比で90:10〜20:80の割合で含みかつさらに前記樹
    脂(A)のゲル化剤(C)を含む混合水溶液を成形用原
    液として用い、成形物に成形する工程、 該成形物を、それが線状である場合は少なくとも一軸方
    向に2倍以上に、それがシート状である場合は少なくと
    も一軸方向に面積倍率で2倍以上に延伸する工程、 ついで、得られた延伸成形物中の高分子(B)中に含有
    されている遊離のカルボキシル基を中和する工程、 からなることを特徴とする吸放湿性延伸成形物の製造
    法。
  2. 【請求項2】延伸成形物中の高分子(B)中に含有され
    ている遊離のカルボキシル基を中和度30モル%以上にま
    で中和することを特徴とする請求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】ポリビニルアルコール系樹脂(A)が、重
    合度3100以上のポリビニルアルコール系樹脂である請求
    項1記載の製造法。
  4. 【請求項4】分子内に遊離のカルボキシル基を含有する
    高分子(B)が、ポリアクリル酸であるか、アクリル酸
    ナトリウムの共重合割合が5モル%未満のアクリル酸−
    アクリル酸ナトリウム共重合体である請求項1記載の製
    造法。
  5. 【請求項5】ゲル化剤(C)がホウ酸、ホウ酸塩、金属
    塩またはアンモニウム塩である請求項1記載の製造法。
  6. 【請求項6】請求項1の中和する工程の前または後ある
    いは中和と同時に、吸放湿性延伸成形物を架橋剤溶液と
    接触させて架橋処理する工程を設けることを特徴とする
    吸放湿性延伸成形物の製造法。
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