JP2942597B2 - 吸放湿性スプリット繊維の製造法 - Google Patents

吸放湿性スプリット繊維の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、すぐれた吸湿性および放湿性を有する吸放
湿性スプリット繊維の製造する方法に関するものであ
る。
従来の技術 環境湿度に応じて吸放湿(吸湿および放湿)する性質
を有するスプリット繊維は、衣料、衛生用品、農園芸用
資材、内装材、脱水剤、シール材などの用途への応用が
期待される。
特開昭63−219618号公報には、少なくとも3meq./gの
カルボキシル基を有しその5〜75%がアルカリ金属塩ま
たはアミン塩となっているポリカルボン酸(A)、重合
度500〜3000のポリビニルアルコール(B)および該
(A)に対し0.1〜5重量%の多価アルコール(C)を
必須成分として、ノズル直前またはノズル部で(A)と
(B)とを微視的に不完全に混合して乾式法により紡糸
し、熱処理することにより吸水性繊維を製造する方法が
示されている。
特開平1−103643号公報には、カルボキシル基含有重
合体の塩(I)、ポリビニルアルコール(II)、多価ア
ルコール(III)および多価エポキシ化合物(IV)の4
成分からなる混合物を成形加熱処理して得られるフィル
ム状または繊維状の吸水性組成物が示されている。
なお吸放湿の目的ではないが、特開昭57−125240号公
報には、水溶性ポリビニルアルコールとポリアクリル酸
との均一混合物からなる水溶性フィルムが示されてお
り、この水溶性フィルムは、乾燥洗剤およびその類似水
溶性商品の包装用途に役立つとしている。
そのほか本出願人は、特願平1−328919号、特願平2
−80354号として、本発明に関連する出願を行ってい
る。
発明が解決しようとする課題 上記の特開昭63−219618号公報に記載の方法において
は、円滑に延伸できかつ所望の吸水性および伸度を得る
ために、(A)および(B)を不完全混合した紡糸原液
を紡糸するという方法を採用している。しかしながらこ
のような特殊な方法は、工業的見地からは望ましいもの
とは言い難い。またこの公報の発明においては、得られ
たフィラメントを割繊することについては考えられてい
ない。
特願平1−103643号公報に記載のフィルム状または繊
維状の吸水性組成物は、カルボキシル基含有重合体の塩
(I)をベースに、ポリビニルアルコール(II)により
強靭性を確保し、多価アルコール(III)により柔軟性
を確保し、多価エポキシ化合物(IV)により架橋を行っ
て吸水倍率のコントロールを行うようにしたものであ
る。しかしながら、このフィルム状または繊維状の吸水
性組成物は、吸放湿性、機械的強度、耐水性および寸法
安定性の全ての性質をバランス良く備えるようにするこ
とが難しく、その適用用途が制限されることがある。加
えて、微量の多価エポキシ化合物(IV)を添加し、熱処
理により架橋を図ろうとするものであるため、一定した
架橋度のものを安定製造することが難しいという問題点
もある。またこの公報の発明においては、得られたフィ
ルムまたは繊維を割繊することについては考えられてい
ない。
特開昭57−125240号公報に記載の水溶性フィルムは、
その目的が洗剤包装用などの用途に適した水溶性フィル
ムを提供することにあるので、吸放湿性成形物としては
適していない。
本発明は、このような背景の下に、工業的な生産性を
有し、かつすぐれた吸放湿性、機械的強度、耐水性、寸
法安定性を兼ね備えた吸放湿性延伸成形物を得ることの
できる方法を提供することを目的になされたものであ
る。
課題を解決するための手段 本発明の吸放湿性スプリット繊維の製造法は、 ポリビニルアルコール系樹脂(A)と、ポリアクリル
酸またはアクリル酸ナトリウムの共重合割合が5モル%
未満のアクリル酸−アクリル酸ナトリウム共重合体から
なるポリアクリル酸系高分子(B)とを重量比で90:10
〜20:80の割合で含む混合水溶液を成形用原液として用
い、成形物に成形する工程1、 該成形物を延伸する工程2、 得られた延伸成形物を割繊する工程4 を、工程1→工程2→工程4の順序で実施することを特
徴とするものである。
この場合、上記の工程2と工程4との間、または上記
の工程4の後に、得られた延伸成形物中のポリアクリル
酸系高分子(B)中に含有されている遊離のカルボキシ
ル基を中和度30モル%以上にまで中和する工程3を設
け、これらの工程を、工程1→工程2→工程3→工程4
の順序、または、工程1→工程2→工程4→工程3の順
序で実施することが特に望ましい。
以下、本発明を詳細に説明する。
〈工程1(成形工程)〉 ポリビニルアルコール系樹脂(A)としては、水溶性
または水潤滑性を有する限りにおいて、種々の重合度
(たとえば300以上)およびケン化度(たとえば70〜100
モル%)のポリビニルアルコールが用いられる。この場
合、本発明の目的には重合度は高い方が望ましく、重合
度が3100以上、特に3500以上、なかんずく4000以上のも
のが好適である。
ポリビニルアルコールのほか、酢酸ビニルと共重合可
能なモノマー(α−オレフィン、エチレン性不飽和カル
ボン酸・塩・アルキルエステル・無水物・ニトリル・ア
ミド、エチレン性不飽和スルホン酸、ビニルエーテル、
酢酸ビニル以外のビニルエステル、塩化ビニルなど)で
共重合変性された「共重合変性」ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルアルコールや共重合変性ポリビニルアル
コールをアシル化、ウレタン化などした「後変性」ポリ
ビニルアルコールも用いることができる。
ポリアクリル酸系高分子(B)としては、ポリアクリ
ル酸、またはアクリル酸ナトリウムの共重合割合が5モ
ル%未満(殊に3モル%未満)のアクリル酸−アクリル
酸ナトリウム共重合体が用いられる。
ポリビニルアルコール系樹脂(A)とポリアクリル酸
系高分子(B)との配合割合は、重量比で90:10〜20:80
に設定され、殊に80:20〜30:70の範囲から選択すること
が望ましい。前者(A)の過多、後者(B)の過少は吸
放湿性の不足を招き、前者(A)の過少、後者(B)の
過多は機械的強度、寸法安定性の不足を招く。
ポリビニルアルコール系樹脂(A)およびポリアクリ
ル酸系高分子(B)を上記の割合で含む混合水溶液を成
形用原液として用いることにより、シート(フィルムを
含む)状や線状の成形物が製造される。
成形法としては、通常、押出法または流延法が採用さ
れる。すなわち、上記(A)および(B)のポリマー成
分の混合水溶液に、必要に応じ溶剤、可塑剤(多価アル
コール等)、架橋剤(多価エポキシ化合物、ジアルデヒ
ド、メチロールメラミン等)、ゲル化剤(ホウ酸、ホウ
酸、金属塩等)、フィラー、着色剤、安定剤、機能性薬
剤等を配合した後、ダイまたはノズルから空気中にまた
は凝固浴中に吐出させるか、基材上に流延し、必要に応
じて乾燥する。典型的には、(A)の水溶液と(B)の
水溶液とを混合し、さらに必要に応じて他の添加剤を配
合し、ダイまたはノズルから吐出させるか、基材上に流
延した後、乾燥する。
〈工程2(延伸工程)〉 そして本発明においては、得られた成形物を延伸に供
する。この場合、自然吸湿率程度の水分が残っていても
差し支えない。
延伸倍率は、成形物がシート状である場合は少なくと
も一軸方向(つまり、一軸方向や二軸方向、さらには多
軸方向)に面積倍率で2倍以上(殊に3倍以上、さらに
は4倍以上)に、成形物が線状である場合は一軸方向に
2倍以上(殊に3倍以上)にそれぞれ設定する。延伸倍
率が小さいときは、機械的強度、耐水性、寸法安定性が
不足し、所期の目的を達成することができない。
上記の延伸操作に際しての延伸温度は、100〜300℃程
度、殊に140〜250℃が適当である。延伸操作の前に、延
伸操作を損なわない程度に熱処理を行うこともでき、延
伸操作の後に熱固定を行うこともできる。
延伸成形物の熱水溶解率は30重量%以下、さらには20
重量%以下、なかんずく10重量%以下であることが望ま
しい。
〈工程4(割繊工程)〉 工程4は、上記で得られた延伸成形物を割繊する工程
である。
延伸成形物の割繊は、摩擦機を用いる方法、ヤスリを
用いる方法、叩解機を用いる方法、圧縮空気を用いる方
法をはじめ、種々の方法によりなされる。
〈工程3(中和工程)〉 工程3は、上記のようにして得られた延伸成形物中の
ポリアクリル酸系高分子(B)中に含有されている遊離
のカルボキシル機を中和する工程である。
中和は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナ
トリウム、エタノールアミンなどを濃度0.01〜1N程度の
水溶液とした中和剤に、上記延伸成形物を接触させるこ
とにより達成できる。中和時の温度条件は、室温ないし
80℃程度とすることが多い。中和に際しては、延伸成形
物を緊張状態に保っておくことが好ましい。中和処理後
に熱処理を行うこともできる。
この中和操作により、延伸成形物中の高分子(B)中
に含有されているカルボキシル基が高中和度(殊に30モ
ル%以上)にまで中和されるようにする。中和度が不足
すると、吸湿性の点で不利に作用する。
本工程3は、必須工程ではないが、吸水性の向上のた
めにはぜひ設けたい工程である。
〈架橋工程〉 本発明においては、上記で得た延伸成形物を架橋処理
に供することができる。架橋処理は、上記の中和工程3
の前または後あるいは中和工程3と同時に、あるいは割
繊工程4の前または後に、延伸成形物を浸漬、噴霧等に
より架橋剤溶液と接触させ、さらに必要に応じて熱処理
することにより行うことができる。このような架橋処理
により、目的物の引張強度等の機械的物性が一段と向上
し、より実用性の高い目的物が得られる。
ここで架橋剤としては、ポリビニルアルコールやポリ
アクリル酸の架橋剤として知られているものがいずれも
使用でき、たとえば、多価エポキシ化合物、ジアルデヒ
ド、多価イソシアネート、メチロールメラミン、メチロ
ール尿素、金属塩、金属キレートなどが用いられる。
また、架橋剤を特に用いなくても、電子線、紫外線等
の活性エネルギー線を照射することによっても、架橋処
理が可能である。
〈工程操作〉 上記各工程は、工程1→工程2→工程4、工程1→工
程2→工程3→工程4、または、工程1→工程2→工程
4→工程3の順序で実施される。
先にも述べたように工程3は必須工程ではないが、こ
の工程3を設ける方が好ましい。工程3を設ける場合、
工程3と工程4の順序は任意であるが、成形物の厚さが
比較的厚いときや太さが比較的太いときは、工程4の後
に工程3を実施する方が有利である。
〈用途〉 本発明の方法により得られる吸放湿性スプリット繊維
は、それ単独であるいは他の材料と組み合わせて、繊維
製品(ヤーン、線状物、織布、不織布、編物等)、衛生
用品、農園芸用資材、内装材(壁材等)、脱水・脱湿
材、保水・保湿材、土木用資材、空調用資材、熱交換器
用エレメント、蒸散板をはじめとする種々の用途に好適
に用いることができる。
作用および発明の効果 本発明の方法は、ポリビニルアルコール系樹脂(A)
およびポリアクリル酸系高分子(B)よりなる組成物か
ら成形物を成形し、ついで該成形物を延伸し、さらに延
伸成形物を割繊するか、その割繊の前または後に、高分
子(B)中に含有されている遊離のカルボキシル基を中
和するものである。
本発明によれば、成形用原液中のポリマー濃度を相当
程度高くした場合、あるいはポリビニルアルコール系樹
脂(A)として高重合度のものを用いた場合でも、成形
用原液の安定性が良好であり、しかも円滑な成形を行う
ことができる。
成形物は(A),(B)2種のポリマーのブレンド物
からなりかつポリアクリル酸系高分子(B)が結晶性ポ
リマーではないため、延伸工程を経た延伸成形物には結
晶化度の高い領域と低い領域とが形成されている。その
ため割繊工程における円滑な割繊が可能となり、太さの
細いスプリット繊維を容易に得ることができる。
そして、延伸および割繊の各工程を設けており、好ま
しくはさらに中和工程を設けているので、本発明の方法
により得られた吸放湿性スプリット繊維は、すぐれた吸
放湿性(吸湿性および方湿性)を有しながら、耐水性お
よび寸法安定性を兼ね備えている。
実 施 例 実施例1 ポリビニルアルコール系樹脂(A)の一例として、重
合度4000、ケン化度99.9モル%のポリビニルアルコール
を用い、これを水に溶解して濃度5重量%のポリビニル
アルコール水溶液を調製した。
またポリアクリル酸系高分子(B)の一例として、重
合度5000のポリアクリル酸を用い、これを水に溶解して
濃度5重量%のポリアクリル酸水溶液を調製した。
上記の濃度5重量%のポリビニルアルコール水溶液70
重量部および上記の濃度5重量%のポリアクリル酸水溶
液30重量部を混合して均一溶液となし、基材としての厚
さ120μmのポリエステルシートに流延してから熱風乾
燥し、厚さ40μmのシート状成形物を得た。
次にこのシート状成形物を、テンター式延伸機を用い
て、延伸温度180℃にて縦方向に10倍に延伸し、温度180
℃で1分間熱固定を行った。
得られたシート状延伸成形物を摩擦機に供給し、1分
間摩擦力を加えて割繊した。得られたスプリット繊維の
平均太さは21μmであった。
ついで、この割繊物を温度50℃、0.2Nの水酸化ナトリ
ウム水溶液中に緊張下に20秒間浸漬させることにより中
和を行った後、水洗、乾燥し、続いて温度200℃で10秒
間熱処理した。
これにより、目的とする吸放湿性スプリット繊維が得
られた。このスプリット繊維におけるポリアクリル酸系
高分子(B)中のカルボキシル基の中和度は約50モル%
であった。
実施例2 原液として、濃度5重量%のポリビニルアルコール水
溶液50重量部および濃度5重量%のポリアクリル酸水溶
液50重量部を混合して均一溶液となしたものを用いたほ
かは、実施例1を繰り返した。得られたスプリット繊維
の平均太さは15μmであった。またこのスプリット繊維
におけるポリアクリル酸系高分子(B)中のカルボキシ
ル基の中和度は約50モル%であった。
実施例3 実施例1で得たスプリット繊維を、さらに温度50℃、
濃度2重量%のメチロール化メラミン水溶液(住友化学
工業株式会社製スミマールM−30W)中に導き、緊張下
に走行させた後、220℃で熱処理することにより架橋操
作を行った。
実施例4〜6 ポリビニルアルコール系樹脂(A)として、重合度56
00(実施例4)、重合度3500(実施例5)、重合度1800
(実施例6)のポリビニルアルコールをそれぞれ用いた
ほかは実施例1を繰り返し、スプリット繊維を得た。
実施例7 ポリビニルアルコール系樹脂(A)の一例として、重
合度4000、ケン化度99.9モル%のポリビニルアルコール
を用い、これを水に溶解して濃度12重量%のポリビニル
アルコール水溶液を調製した。
またポリアクリル酸系高分子(B)の一例として、重
合度5000のポリアクリル酸を用い、これを水に溶解して
濃度12重量%のポリアクリル酸水溶液を調製した。
上記の濃度12重量%のポリビニルアルコール水溶液70
重量部と上記の濃度12重量%のポリアクリル酸水溶液30
重量部とを混合して均一溶液となし、該溶液をピストン
とノズルを備えた容器に供給してノズルからストランド
状に吐出させ、ついで温度20℃のアセトン浴中に導いて
凝固させた後、自然乾燥した。得られたストランドの太
さは115デニールであった。
次に上記のストランドを、ロール式延伸機を用いて、
延伸温度180℃にて長さ方向に6倍に延伸し、引き続い
て、延伸温度220℃にて長さ方向に2倍に延伸した後、
1分間熱固定した。
ついで、この延伸ストランドを温度50℃の0.2N水酸化
ナトリウム水溶液中に緊張下に走行させることにより中
和を行った後、水洗、乾燥し、続いて温度220℃で緊張
下で熱処理した。
中和後の延伸ストランドを摩擦機に供給し、1分間摩
擦力を加えて割繊した。得られたスプリット繊維の平均
太さは12μmであった。
これにより、目的とする吸放湿性スプリット繊維が得
られた。このスプリット繊維における高分子(B)中の
カルボキシル基の中和度は約50モル%であった。
比較例1 重合度4000、ケン化度99.9モル%のポリビニルアルコ
ールの厚さ40μmのフィルムを用い、実施例1と同様の
条件で延伸および割繊した。得られたスプリット繊維の
平均太さは32μmであった。
比較例2 実施例1の濃度5重量%ポリビニルアルコール水溶液
70重量部と、実施例1のポリアクリル酸を予め水酸化ナ
トリウム水溶液で中和度50モル%まで部分中和し、つい
で濃度5重量%に濃度調整したアクリル酸−アクリル酸
ナトリウム共重合体水溶液30重量部とを混合して均一溶
液となし、以下実施例1と同様の条件で成形、延伸およ
び熱固定を行い、延伸フィルムを得た。
〈特性評価〉 実施例1〜7および比較例1〜2で得られたスプリッ
ト繊維、フィルムまたは細断物につき(スプリット繊維
および細断物の場合には1560dのマルチフィラメント系
を作製し、サンプルとした)、吸放湿性、耐水性(熱水
不溶解率)、寸法安定性を下記の方法により測定した。
吸放湿性は、株式会社ナガノ科学機械製作所製の卓上
型恒温恒湿器を用いて、絶乾状態のサンプルを40℃、90
%RHの高湿条件にもたらし、24時間後の値を平衡吸湿率
とし、吸湿性を判断した。また吸湿性の測定に用いたサ
ンプルを今度は40℃、40%RHの低湿条件にもたらし、24
時間後の値を平衡吸湿率とし、放湿性を判断した。
熱水不溶解率は、試料を絶乾重量で1.0±0.1g精秤し
(a)、20℃、65%RHに48時間以上保ってから、温度98
℃の水500mlを入れたビーカーに投入して50rpmの条件で
60分間撹拌した後、取り出し、絶乾後の重量(b)を測
定し、次式により算出した。
熱水不溶解率(%)=100b/a 寸法安定性については、試料繊維(またはフィルム)
を20℃、65%RHに48時間以上保った後、100mmの長さ
(または50mm×50mmの大きさ)に裁断し、ついでこれを
温度20℃の水500mlを入れたビーカーに投入して50rpmの
条件で60分間撹拌した後、取り出して表面に付着した水
分をろ紙で除去し、長さ変化(%)(または面積変化
(%))を求めた。
結果を第1表に示す。
第1表の結果から、実施例においては、ポリビニルア
ルコールの重合度が高かったり、成形用原液の濃度が高
濃度である場合でも、安定性にすぐれた成形用原液が得
られ、かつ得られるスプリット繊維は、吸放湿性、耐水
性および寸法安定性をバランスよく備えていることがわ
かる。
実施例8 実施例1において、中和工程のみを省略した。
この場合は、熱水不溶解率および寸法安定性について
は実施例1と同等であり、吸湿性については実施例1に
比し5割程度のデータ、放湿性については実施例1に比
し7割程度のデータが得られた。しかしながら、この実
施例8で得られたスプリット繊維も、実用上充分に適す
る用途を有する。
実施例9 実施例2において、中和工程のみを省略した。
この場合は、熱水不溶解率および寸法安定性について
は実施例2と同等であり、吸湿性については実施例2に
比し5割程度のデータ、放湿性については実施例2に比
し7割程度のデータが得られた。しかしながら、この実
施例9で得られたスプリット繊維も、実用上充分に適す
る用途を有する。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D01F 6/14 - 6/16 D01F 6/34 - 6/36 D01D 5/42

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリビニルアルコール系樹脂(A)と、ポ
    リアクリル酸またはアクリル酸ナトリウムの共重合割合
    が5モル%未満のアクリル酸−アクリル酸ナトリウム共
    重合体からなるポリアクリル酸系高分子(B)とを重量
    比で90:10〜20:80の割合で含む混合水溶液を成形用原液
    として用い、成形物に成形する工程1、 該成形物を延伸する工程2、 得られた延伸成形物を割繊する工程4 を、工程1→工程2→工程4の順序で実施することを特
    徴とする吸放湿性スプリット繊維の製造法。
  2. 【請求項2】請求項1の工程2と工程4との間に、得ら
    れた延伸成形物中のポリアクリル酸系高分子(B)中に
    含有されている遊離のカルボキシル基を中和度30モル%
    以上にまで中和する工程3を設け、これらの工程を、工
    程1→工程2→工程3→工程4の順序で実施することを
    特徴とする請求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】請求項1の工程4の後に、得られた延伸成
    形物中のポリアクリル酸系高分子(B)中に含有されて
    いる遊離のカルボキシル基を中和度30モル%以上にまで
    中和する工程3を設け、これらの工程を、工程1→工程
    2→工程4→工程3の順序で実施することを特徴とする
    請求項1記載の製造法。
  4. 【請求項4】ポリビニルアルコール系樹脂(A)が、重
    合度3100以上のポリビニルアルコール系樹脂である請求
    項1記載の製造法。
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