JP3064659B2 - 積層型セラミック素子の製造方法 - Google Patents

積層型セラミック素子の製造方法

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JP3064659B2
JP3064659B2 JP4097616A JP9761692A JP3064659B2 JP 3064659 B2 JP3064659 B2 JP 3064659B2 JP 4097616 A JP4097616 A JP 4097616A JP 9761692 A JP9761692 A JP 9761692A JP 3064659 B2 JP3064659 B2 JP 3064659B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子機器や電気機器で
発生するノイズ、パルス、静電気などの異常高電圧から
IC、LSIなどの半導体素子および電子回路を保護す
る積層型セラミック素子の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器や電気機器は小型化、多
機能化を実現するためにIC、LSIなどの半導体素子
が広く用いられ、それに伴って電子機器や電気機器のノ
イズ、パルス、静電気などの異常高電圧に対する耐力は
低下している。そこでこれら電子機器や電気機器のノイ
ズ、パルス、静電気などの異常高電圧に対する耐力を確
保するためにフィルムコンデンサ、電解コンデンサ、半
導体セラミックコンデンサ、積層セラミックコンデンサ
などが用いられているが、これらは電圧の比較的低いノ
イズや高周波ノイズの吸収、抑制には優れた特性を示す
ものの高い電圧のパルスや静電気に対しては効果を示さ
ず、半導体素子の誤動作や破壊を引き起こすことがあ
る。
【0003】また高い電圧のパルスや静電気を吸収、抑
制するためにはSiC、ZnO系バリスタが用いられて
いるが、電圧の比較的低いノイズや高周波ノイズの吸
収、抑制には効果を示さず半導体素子の誤動作を引き起
こすことがある。これら両者の欠点を補完するものとし
て、特開昭57−27001号公報、特開昭57−35
303号公報に示されているように、コンデンサ特性と
バリスタ特性とを併せ持つSrTiO3系セラミック素
子が開発され使用されている。
【0004】一方電子部品の分野においては、機器の小
型化に対応して軽薄短小化、高性能化がますます進み面
実装可能なチップ部品の開発が必要不可欠になってきて
いる。これらに対応して特開昭54−53248号公
報、特開昭54−53250号公報、特開昭59−21
5701号公報、特開昭63−219115号公報など
に示された積層型の例があるが、これらの方法はプロセ
ス的に複雑であったり、得られた特性が目的を達成する
のに不十分であったりして未だに実用化の段階に達して
いない。
【0005】そこで、実用化可能なコンデンサ特性とバ
リスタ特性とを併せ持つ積層型のセラミック素子とし
て、粒界絶縁型半導体セラミックコンデンサおよびその
製造方法を特開平3−1516号公報に提案した。その
内容は次の通りである。
【0006】この粒界絶縁型半導体セラミックコンデン
サは、Sr(1-x)BaxとTiのモル比が0.95≦Sr
(1-x)Bax/Ti<1.00となるように過剰のTiを
含有したSr(1-x)BaxTiO3(ただし、0<x≦
0.3)に、Nb25、Ta2 5、V25、W25、D
23、Nd23、Y23、La23、CeO2の内の
少なくとも一種類以上を0.05〜2.0mol%と、
MnとSiをそれぞれMnO2とSiO2に換算して合計
量で0.2〜5.0mol%と、NaAlO2を0.0
5〜4.0mol%含ませた組成物からなるものであ
る。
【0007】その製造方法は、まず、この組成物の混合
粉末を出発原料とし、その混合粉末を粉砕、混合、乾燥
した後、空気中または窒素雰囲気中で仮焼する。仮焼
後、再度粉砕した粉末を有機バインダーとともに溶媒中
に分散させて生シートにし、その後この生シートの上
に、内部電極ペーストを交互に対向する端縁に至るよう
に印刷(ただし、最上層および再下層の生シートには印
刷せず)する。
【0008】次に、この内部電極ペーストの印刷された
生シートを積層、加圧、圧着して成形体を得、その後こ
の成形体を空気中で仮焼する。そして、仮焼後、還元ま
たは窒素雰囲気中で焼成し、さらに空気中で再酸化した
後、内部電極を露出させた両端に外部電極ペーストを塗
布し焼き付けて製造するというものであった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
積層型セラミック素子においては、前記従来例で示した
ように様々な材料組成、製造方法が開発されてきたが、
いずれの場合もプロセス的に複雑であったり得られた特
性が目的を達成するのに不十分であったりして実用化の
レベルに達していないという問題点を有していた。ま
た、特開平3−1516号公報で示した新しい積層型セ
ラミック素子は、空気中の水分の吸着などにより電気特
性の経時変化が起こって耐湿性が不十分であるといった
問題点を有していた。
【0010】本発明は前記従来の問題点を解決するもの
で、実用化が可能な比較的容易な製造方法で、電気特性
の安定な耐湿性に優れた積層型セラミック素子およびそ
の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の積層型セラミック素子の製造方法は、セラミ
ックスを主成分としその平均粒子径が互いに異なる2種
類の生シートを準備する工程と、前記平均粒子径が小さ
い生シートを複数枚積層する工程と、その上に前記平均
粒子径が大きい生シートと内部電極層とを交互に複数層
積層する工程と、その上に前記平均粒子径が小さい生シ
ートを複数枚積層した後加圧、圧着して成形体を作製す
る工程と、その成形体を還元性雰囲気中で焼成した後再
酸化する工程と、外部電極を形成する工程とを備えたも
のである。
【0012】
【0013】
【作用】この方法によると、積層型セラミック素子の最
上層と最下層のセラミック層が内部のセラミック層より
緻密になるため、積層型セラミック素子表面の気孔率が
小さくなって空気中の水分などをセラミック層内部に吸
着または吸収することが少なくなるため、セラミック層
の見かけの表面抵抗の劣化を抑制することができ、耐湿
性を著しく改善することができる。
【0014】
【0015】
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0017】(実施例1)図1は本発明の第1の実施例
における積層型セラミック素子の断面図である。図1に
おいて、1はチタン酸ストロンチウムを主成分とするセ
ラミック層、1a,1bはこのセラミック層1のそれぞ
れ最下層および最上層である。ただし、最下層1aおよ
び最上層1bの成分は内部のセラミック層1の成分より
もガラス成分を多く含んでいる。2はPdからなる内部
電極層でセラミック層1と交互に配置され、かつその一
端が交互にセラミック層1の異なる端縁まで引き出され
ている。3は内部電極層2の端縁と導通するように両端
部に形成された外部電極で、内側がAg、中間がNi、
外側が半田の3層構造となっている。
【0018】このように構成された積層型セラミック素
子の製造方法について以下に説明する。図2はその製造
工程における生シートの積層状態を示す分解斜視図で、
4は次に説明する生シートA、4a,4bは生シート
B、5は内部電極層である。
【0019】まず、第1成分としてSrCO3、CaC
3、TiO2を(Sr0.98Ca0.020.995TiO3の組
成比になるようにして99.2モル%、第2成分として
Nb 25を0.3モル%、第3成分としてMnCO3
0.2モル%、Cr23を0.1モル%、第4成分とし
てSiO2を0.2モル%秤量し、ボールミルなどによ
り40時間混合、粉砕し、乾燥した後空気中で900℃
で2時間仮焼し、再びボールミルなどにより50時間混
合、粉砕し平均粒径が1.0μm以下になるようにす
る。こうして得られた粉末にブチラール系樹脂などの有
機バインダーと有機溶剤を混合してスラリー状とし、ド
クター・ブレード法などのシート成形法により厚さ50
μm程度の生シートを得、所定の大きさに切断して生シ
ートA4とする。
【0020】次に、第1成分としてSrCO3、CaC
3、TiO2を(Sr0.98Ca0.020.995TiO3の組
成比になるようにして98.1モル%、第2成分として
Nb 25を0.3モル%、第3成分としてMnCO3
0.2モル%、Cr23を0.1モル%、第4成分とし
てSiO2を0.4モル%、第5成分としてNa2SiO
3を0.9モル%秤量し、ボールミルなどにより40時
間混合、粉砕し、乾燥した後空気中で900℃で2時間
仮焼し、再びボールミルなどにより50時間混合、粉砕
して平均粒径が1.0μm以下になるようにする。こう
して得られた粉末にブチラール系樹脂などの有機バイン
ダーと有機溶剤を混合してスラリー状とし、ドクター・
ブレード法などのシート成形法により厚さ50μm程度
の生シートを得、所定の大きさに切断して生シートB4
a,4bとする。
【0021】次に、最下層1aとなる生シートB4aを
所定の枚数積層し、その上に生シートA4を積層した後
Pdなどからなる内部電極層5をスクリーン印刷などに
より形成し、さらに生シートA4の積層と内部電極層5
の印刷とを交互に繰り返して所定枚数積層する。その
際、内部電極層5は交互に対向して相異なる端縁に至る
ように印刷する。そして、最上層1bとなる生シートB
4bを所定枚数積層し、加熱しながら加圧、圧着し、所
定の形状に切断する。
【0022】次に、空気中で800℃で4時間脱脂仮焼
し、たとえばN2:H2=9:1の還元性雰囲気中で12
50℃で4時間焼成した後、空気中で950℃で2時間
再酸化する。その後、内部電極層2を交互に異なる端縁
に露出させた両端面にAgなどからなる外部電極ペース
トを塗布し、空気中で800℃で10分間焼成する。次
に、このAg電極上にたとえば電解法でNiメッキし、
さらに半田メッキをして外部電極3を形成する。
【0023】このようにして得られた積層型セラミック
素子の試料について、電気特性の測定および湿中信頼性
試験を行った。ただし測定した電気特性は、試料に0.
1mAの電流が流れたときの試料の両端に生ずる電圧V
0.1mA、周波数1kHzにおける試料の静電容量Cおよび
tanδである。また、湿中信頼性試験は、温度85
℃、湿度85RH%、課電率90%、放置時間500時
間の条件で行い、この試験前後の電圧V0.1mAおよび静
電容量Cの変化を比較した。なお、課電率とは試料に印
加する電圧を前記電圧V0.1mAで除した値のことであ
る。
【0024】その測定結果を(表1)に示す。ただし
(表1)におけるΔV0.1mAは試験前の電圧V0.1mA値に
対する試験前後の電圧V0.1mA値の差の割合を百分率で
表したもの、ΔCは試験前の静電容量C値に対する試験
前後の静電容量C値の差の割合を百分率で表したもので
ある。
【0025】なお、(表1)には従来との比較のため、
特開平3−1516号公報に記載された製造方法と同様
の方法で作製したものの電気特性および湿中信頼性試験
結果を従来例として併せて示す。
【0026】
【表1】
【0027】(表1)から明らかなように、最下層1a
および最上層1bをSiO2やNa2SiO3のガラス成
分の多い生シートB4a,4bを用いて形成することに
より、緻密な層が形成されるために水分が吸着され難く
なり、湿中信頼性試験を施してもほとんど電気特性が変
化しない極めて耐湿性に優れた積層型セラミック素子が
実現できる。
【0028】(実施例2)図3は本発明の第2の実施例
における積層型セラミック素子の斜視図である。図3に
おいて、6は図1に示す外部電極3と同様の外部電極、
7は最上層および最下層の表面を覆うセラミック被覆層
である。このような積層型セラミック素子の製造方法に
ついて以下に説明する。
【0029】まず、最下層の形成用に実施例1で用いた
生シートAを所定の枚数積層する。次に、その上にPd
などからなる内部電極層をスクリーン印刷により形成
し、さらに生シートAと内部電極層とを交互に所定枚数
積層する。その際、内部電極層は交互に対向して相異な
る端縁に至るように印刷する。そして、最上層の形成用
として生シートAを所定枚数積層し、加熱しながら加
圧、圧着して所定の形状に切断する。
【0030】次に、この切断後の成形体を空気中で80
0℃で4時間脱脂仮焼し、たとえばN2:H2=9:1の
還元性雰囲気中で1250℃で4時間焼成した後、空気
中で950℃で2時間再酸化して焼結体を得る。その
後、内部電極層を交互に異なる端縁に露出させた焼結体
の両端部にAgなどからなる外部電極ペーストを塗布
し、空気中で800℃で10分間焼成する。
【0031】次に、第1成分としてSrCO3、CaC
3、TiO2を(Sr0.98Ca0.020.995TiO3の組
成比になるようにして96.0モル%、第2成分として
Nb 25を0.3モル%、第3成分としてMnCO3
0.2モル%、Cr23を0.1モル%、第4成分とし
てSiO2を1.4モル%、第5成分としてNa2SiO
3を2.0モル%秤量し、ボールミルなどにより40時
間混合、粉砕し、乾燥した後空気中で900℃で2時間
仮焼し、再びボールミルなどにより90時間混合、粉砕
し平均粒径が1.0μm以下になるようして塗布剤Dを
作製する。そして焼結体の最上層と最下層との表面に塗
布剤Dをたとえばスクリーン印刷などの方法によりAg
電極部分にはつかないように塗布し、空気中で800℃
で10分間焼成する。さらにAg電極上にたとえば電解
法でNiメッキさらに半田メッキを施して外部電極6を
形成する。
【0032】このようにして得られた積層型セラミック
素子の実施例1と同様の電気特性測定および湿中信頼性
試験の結果を(表2)に示す。
【0033】
【表2】
【0034】(表2)に示したように、本実施例によれ
ばガラス成分を多く含む塗布剤Dを還元焼成後の焼結体
の最上層および最下層の表面に塗布した後焼成してセラ
ミック被覆層7を形成することにより、(表1)に示す
従来例と比べてtanδが著しく改善され、また湿中信
頼性試験による電気特性の変化も極めて小さい。
【0035】また、最上層および最下層の表面にセラミ
ック被覆層7が形成されることにより空気中の水分など
がセラミック層内部に吸着および吸収することを抑制す
るとともに、側面部分および外部電極部分には塗布剤D
を塗布しない構成にすることにより、内部のセラミック
層部分の脱バインダー時に発生するガス成分を外部に抜
け易くし、デラミネーション、ピンホール、膨れ、亀裂
および未分解成分の残存などをなくすことに有効であ
り、積層型セラミック素子の構造欠陥をなくし電気特性
を安定化することができる。
【0036】(実施例3)最下層の形成用に実施例1で
用いた生シートAを所定の枚数積層し、その上にPdな
どからなる内部電極層をスクリーン印刷などにより形成
し、生シートAと内部電極層を交互に所定枚数積層す
る。その際、内部電極層は交互に対向して相異なる端縁
に至るように印刷する。そして、最上層の形成用に生シ
ートAを所定枚数積層し、加熱しながら加圧、圧着し、
所定の形状に切断する。
【0037】次に、空気中で800℃で4時間脱脂仮焼
焼し、たとえばN2:H2=9:1の還元性雰囲気中で1
250℃で4時間焼成した後、空気中で950℃で2時
間再酸化して焼結体を得る。その後、内部電極層を交互
に異なる端縁に露出させた両端面にAgなどからなる外
部電極ペーストを塗布し、空気中で800℃で10分間
焼成する。
【0038】次に、第1成分としてSrCO3、CaC
3、TiO2を(Sr0.98Ca0.020.995TiO3の組
成比になるようにして95.0モル%、第2成分として
Nb 25を0.3モル%、第3成分としてMnCO3
0.2モル%、Cr23を0.1モル%、第4成分とし
てSiO2を1.6モル%、第5成分としてNa2SiO
3を2.8モル%秤量し、ボールミルなどにより40時
間混合、粉砕し、乾燥した後空気中で900℃で2時間
仮焼し、再びボールミルなどにより90時間混合、粉砕
し平均粒径が1.0μm以下になるようして塗布剤Eを
作製する。
【0039】次に、焼結体のAg電極部分にたとえば有
機樹脂などからなるレジストを塗布し、150℃で5分
間乾燥し、塗布剤E中に焼結体全体を浸漬した後150
℃で10分間乾燥し、たとえばトルエンなどの有機溶剤
中に浸漬してAg電極部分のレジストを除去する。そし
て空気中で800℃で10分間焼成する。次にAg電極
上にたとえば電解法でNiメッキさらに半田メッキを施
す。
【0040】このようにして得られた積層型セラミック
素子の実施例1と同様の電気特性測定および湿中信頼性
試験の結果を(表3)に示す。
【0041】
【表3】
【0042】(表3)に示したように、本実施例によれ
ばガラス成分を多く含む塗布剤Eを還元焼成後の焼結体
の内部電極層が露出した端面を除いた表面に塗布した後
焼成してセラミック被覆層を形成することにより、(表
1)に示す従来例と比べてtanδが著しく改善され、
また湿中信頼性試験による電気特性の変化も極めて小さ
い。
【0043】(実施例4)最下層の形成用に実施例1で
用いた生シートAを所定の枚数積層し、その上にPdな
どからなる内部電極層をスクリーン印刷などにより形成
し、生シートAと内部電極層を交互に所定枚数積層す
る。その際、内部電極層は交互に対向して相異なる端縁
に至るように印刷する。そして、最上層の形成用に生シ
ートAを所定枚数積層し、加熱しながら加圧、圧着して
成形体とし、所定の形状に切断する。
【0044】次に、第1成分としてSrCO3、CaC
3、TiO2を(Sr0.98Ca0.020.995TiO3の組
成比になるようにして98.5モル%、第2成分として
Nb 25を0.3モル%、第3成分としてMnCO3
0.2モル%、Cr23を0.1モル%、第4成分とし
てSiO2を0.4モル%、第5成分としてNa2SiO
3を0.5モル%秤量し、ボールミルなどにより40時
間混合、粉砕し、乾燥した後空気中で900℃で2時間
仮焼し、再びボールミルなどにより90時間混合、粉砕
し平均粒子径が1.0μm以下になるようし、塗布剤F
とする。
【0045】次に、成形体の最上層と最下層の表面に塗
布剤Fをたとえばスクリーン印刷などの方法により内部
電極層が露出した部分にはつかないように塗布、乾燥
し、次に空気中で800℃で4時間脱脂仮焼し、たとえ
ばN2:H2=9:1の還元性雰囲気中で1250℃で4
時間焼成した後、空気中で950℃で2時間再酸化す
る。その後、内部電極層を交互に異なる端縁に露出させ
た両端面にAgなどからなる外部電極ペーストを塗布
し、空気中で800℃で10分間焼成する。次に、Ag
電極上にたとえば電解法でNiメッキさらに半田メッキ
を施す。
【0046】このようにして得られた積層型セラミック
素子の実施例1と同様の電気特性測定および湿中信頼性
試験の結果を(表4)に示す。
【0047】
【表4】
【0048】(表4)に示したように、本実施例によれ
ばガラス成分を多く含む塗布剤Fを積層後の成形体の最
上層および最下層の表面に塗布した後、焼成してセラミ
ック被覆層を形成することにより、(表1)に示す従来
例と比べて湿中信頼性試験による電気特性の変化が極め
て小さく、耐湿性を著しく改善することができる。
【0049】(実施例5)最下層の形成用に実施例1で
用いた生シートAを所定の枚数積層し、その上にPdな
どからなる内部電極層をスクリーン印刷などにより形成
し、生シートAと内部電極層を交互に所定枚数積層す
る。その際、内部電極層は交互に対向して相異なる端縁
に至るように印刷する。そして、最上層の形成用に生シ
ートAを所定枚数積層し、加熱しながら加圧、圧着して
成形体とし、所定の形状に切断する。
【0050】次に、第1成分としてSrCO3、CaC
3、TiO2を(Sr0.98Ca0.020.995TiO3の組
成比になるようにして98.0モル%、第2成分として
Nb 25を0.3モル%、第3成分としてMnCO3
0.2モル%、Cr23を0.1モル%、第4成分とし
てSiO2を0.6モル%、第5成分としてNa2SiO
3を0.8モル%秤量し、ボールミルなどにより40時
間混合、粉砕し、乾燥した後空気中で900℃で2時間
仮焼し、再びボールミルなどにより90時間混合、粉砕
し平均粒子径が1.0μm以下になるようにして、塗布
剤Gとする。
【0051】次に、成形体の内部電極層が露出した部分
にたとえば有機樹脂などからなるレジストを塗布し、1
50℃で5分間乾燥し、塗布剤G中に成形体全体を浸漬
した後150℃で10分間乾燥し、たとえばトルエンな
どの有機溶剤中に浸漬しレジストを除去する。
【0052】次に、空気中で800℃で4時間脱脂仮焼
し、たとえばN2:H2=9:1の還元性雰囲気中で12
50℃で4時間焼成した後、空気中で950℃で2時間
再酸化する。その後、内部電極層を交互に異なる端縁に
露出させた両端面にAgなどからなる外部電極ペースト
を塗布し、空気中で800℃で10分間焼成する。そし
てAg電極上にたとえば電解法でNiメッキさらに半田
メッキを施す。
【0053】このようにして得られた積層型セラミック
素子の実施例1と同様の電気特性および湿中信頼性試験
の結果を(表5)に示す。
【0054】
【表5】
【0055】(表5)に示したように、本実施例によれ
ばガラス成分を多く含む塗布剤Gを積層後の成形体の内
部電極層が露出した端面を除いた表面に塗布した後、焼
成してセラミック被覆層を形成することにより、(表
1)に示す従来例と比べて湿中信頼性試験による電気特
性の変化が極めて小さく、耐湿性を著しく改善すること
ができる。
【0056】(実施例6)まず、実施例1で用いた生シ
ートAを準備する。次に、生シートAと同様の組成を平
均粒子径が0.5μm以下になるように粉砕し、ブチラ
ール系樹脂などの有機バインダーと有機溶剤を混合して
スラリー状とし、ドクター・ブレード法などのシート成
形法により厚さ50μm程度の生シートを作製し、所定
の大きさに切断して生シートCとする。
【0057】次に、生シートCを所定の枚数積層して最
下層用とし、その上に生シートAを積層し、Pdなどか
らなる内部電極層をスクリーン印刷などにより形成し、
生シートAと内部電極層を交互に所定枚数積層する。そ
の際、内部電極層は交互に対向して相異なる端縁に至る
ように印刷する。そして、生シートCを所定枚数積層し
て最上層用に形成し、加熱しながら加圧、圧着し、所定
の形状に切断する。
【0058】次に、空気中で800℃で4時間脱脂仮焼
し、たとえばN2:H2=9:1の還元雰囲気中で125
0℃で4時間焼成した後、空気中950℃で2時間再酸
化する。その後、内部電極層を交互に異なる端縁に露出
させた両端面にAgなどからなる外部電極ペーストを塗
布し、空気中で800℃で10分間焼成する。次に、A
g電極上にたとえば電解法でNiメッキさらに半田メッ
キを施す。
【0059】このようにして得られた積層型セラミック
素子の実施例1と同様の電気特性測定および湿中信頼性
試験の結果を(表6)に示す。
【0060】
【表6】
【0061】(表6)に示したように、本実施例によれ
ば平均粒子径が小さい粉体を用いて最上層および最下層
を形成したことにより、(表1)に示す従来例よりもt
anδ値が著しく改善され、湿中信頼性試験による電機
特性の変化も極めて小さくなる。
【0062】なお、本実施例では最上層および最下層全
体を平均粒子径の小さい生シートCで構成したが、最上
層および最下層の一部分にのみ平均粒子径の小さい生シ
ートCを用いても同様の効果が得られることを確認し
た。
【0063】(実施例7)実施例1で示した生シートA
をあらかじめ100(kg/cm2)で加圧しておき、所定
の枚数積層して最下層用に形成する。その上にPdなど
からなる内部電極層をスクリーン印刷などにより形成
し、あらかじめ加圧していない生シートAと内部電極層
とを交互に所定枚数積層する。その際、内部電極層は交
互に対向して相異なる端縁に至るように印刷する。そし
て、最上層用に生シートAを所定枚数積層し、加熱しな
がら60(kg/cm2)の圧力で加圧、圧着し、所定の形
状に切断する。
【0064】次に、空気中で800℃で4時間脱脂仮焼
し、たとえばN2:H2=9:1の還元性雰囲気中で12
50℃で4時間焼成した後、空気中で950℃で2時間
再酸化する。その後、内部電極層を交互に異なる端縁に
露出させた両端面にAgなどからなる外部電極ペースト
を塗布し、空気中で800℃で10分焼成する。次に、
Ag電極上にたとえば電解法でNiメッキさらに半田メ
ッキを施す。
【0065】このようにして得られた積層型セラミック
素子の実施例1と同様の電気特性測定および湿中信頼性
試験の結果を(表7)に示す。
【0066】
【表7】
【0067】(表7)に示したように、本実施例によれ
ばあらかじめ高い圧力で加圧した生シートを用いて最上
層および最下層を形成することにより、(表1)に示す
従来例よりも耐湿性を著しく改善することができる。
【0068】なお、本実施例で示したあらかじめ加圧す
る圧力は、積層終了後に本加圧する圧力よりも大きく加
圧後に生シートが剥離しない範囲であればいくらであっ
ても同様の効果があることを確認した。
【0069】(実施例8)まず、図4の生シートの積層
状態を示す分解斜視図に示すように、実施例1で示した
生シートA4を所定の枚数積層した後実施例1で用いた
生シートB4aを積層し、さらに生シートA4を所定の
枚数積層して最下層用とする。その上に生シートA4を
積層し、Pdなどからなる内部電極層5をスクリーン印
刷などにより形成し、生シートA4と内部電極層5とを
交互に所定枚数積層する。その際、内部電極層5は交互
に対向して相異なる端縁に至るように印刷する。そし
て、最上層用に生シートA4を所定枚数積層した後生シ
ートB4bを積層し、さらに生シートA4を所定の枚数
積層する。そして、加熱しながら加圧、圧着し、所定の
形状に切断する。
【0070】次に、空気中で800℃で4時間脱脂仮焼
し、たとえばN2:H2=9:1の還元性雰囲気中で12
50℃で4時間焼成した後、空気中で950℃で2時間
再酸化する。その後、内部電極層5を交互に異なる端縁
に露出させた両端面にAgなどからなる外部電極ペース
トを塗布し、空気中で800℃で10分間焼成する。そ
して、Ag電極上にたとえば電解法でNiメッキさらに
半田メッキを施す。
【0071】このようにして得られた積層型セラミック
素子の実施例1と同様の電気特性測定および湿中信頼性
試験の結果を(表8)に示す。
【0072】
【表8】
【0073】(表8)に示したように、本実施例によれ
ばガラス成分を多く含む生シートB4a,4bで最上層
および最下層の一部分を形成することにより、(表1)
に示す従来例と比べて耐湿性を著しく改善することがで
きる。
【0074】(実施例9)まず、実施例1で用いた生シ
ートAを所定の枚数積層した後実施例1で用いた生シー
トBを積層し、さらに生シートAを所定の枚数積層して
最下層用とする。その上に生シートAを積層し、Pdな
どからなる内部電極層をスクリーン印刷などにより形成
し、生シートAと内部電極層とを交互に所定枚数積層す
る。その際、内部電極層は交互に対向して相異なる端縁
に至るように印刷する。そして、最上層用に生シートA
を所定の枚数積層した後生シートBを積層し、さらに生
シートAを所定の枚数積層する。そして加熱しながら加
圧、圧着し、所定の形状に切断する。
【0075】次に、空気中で800℃で4時間脱脂仮焼
し、たとえばN2:H2=9:1の還元性雰囲気中で12
50℃で4時間焼成した後、空気中で950℃で2時間
再酸化する。その後、内部電極層を交互に異なる端縁に
露出させた両端面にAgなどからなる外部電極ペースト
を塗布し、空気中で800℃で10分間焼成する。
【0076】こうして得られた焼結体の最上層と最下層
との表面に実施例2で用いた塗布剤Dをたとえばスクリ
ーン印刷などの方法によりAg電極部分にはつかないよ
うに塗布し、空気中で800℃で10分間焼成する。次
にAg電極上にたとえば電解法でNiメッキさらに半田
メッキを施す。
【0077】このようにして得られた積層型セラミック
素子の実施例1と同様の電気特性測定および湿中信頼性
試験の結果を(表9)に示す。
【0078】
【表9】
【0079】(表9)に示したように、本実施例によれ
ばガラス成分を多く含む生シートBで最上層および最下
層の一部分を形成し、ガラス成分を多く含む塗布剤Dを
還元焼成後の焼結体の最上層および最下層の表面に塗布
した後焼成してセラミック被覆層を形成することによ
り、(表1)に示す従来例と比べてtanδ値および耐
湿性を著しく改善することができる。
【0080】(実施例10)まず、実施例9で示したの
と同様にしてAg電極を設けた焼結体を得る。こうして
得られた焼結体のAg電極部分にたとえば有機樹脂など
からなるレジストを塗布し、150℃で5分間乾燥し、
実施例3で用いた塗布剤E中に焼結体全体を浸漬した後
150℃で10分間乾燥し、たとえばトルエンなどの有
機溶剤中に浸漬しAg電極部分のレジストを除去する。
そして空気中で800℃で10分間焼成する。次にAg
電極上にたとえば電解法でNiメッキさらに半田メッキ
を施す。
【0081】このようにして得られた積層型セラミック
素子の実施例1と同様の電気特性測定および湿中信頼性
試験の結果を(表10)に示す。
【0082】
【表10】
【0083】(表10)に示したように、本実施例によ
ればガラス成分を多く含む生シートBで最上層および最
下層の一部分を形成し、ガラス成分を多く含む塗布剤E
を還元焼成後の焼結体の内部電極層が露出した端面を除
いた全表面に塗布した後焼成してセラミック被覆層を形
成することにより、tanδ値および耐湿性を著しく改
善することができる。
【0084】(実施例11)まず、実施例1で用いた生
シートAを所定の枚数積層した後実施例1で用いた生シ
ートBを積層し、さらに生シートAを所定の枚数積層し
て最下層用とする。その上に生シートAを積層し、Pd
などからなる内部電極層をスクリーン印刷などにより形
成し、生シートAと内部電極層とを交互に所定枚数積層
する。その際、内部電極層は交互に対向して相異なる端
縁に至るように印刷する。そして、最上層用に生シート
Aを所定の枚数積層した後生シートBを積層し、さらに
生シートAを所定の枚数積層する。そして加熱しながら
加圧、圧着し、所定の形状に切断する。
【0085】こうして得られた成形体の最上層と最下層
との表面に実施例2で示した塗布剤Dをたとえばスクリ
ーン印刷などの方法により内部電極層が露出した端面部
分にはつかないように塗布し、空気中で800℃で10
分間焼成する。
【0086】次に、空気中で800℃で4時間脱脂仮焼
し、たとえばN2:H2=9:1の還元性雰囲気中で12
50℃で4時間焼成した後、空気中で950℃で2時間
再酸化する。その後、内部電極層を交互に異なる端縁に
露出させた両端面にAgなどからなる外部電極ペースト
を塗布し、空気中で800℃で10分間焼成する。そし
てAg電極上にたとえば電解法でNiメッキさらに半田
メッキを施す。
【0087】このようにして得られた積層型セラミック
素子の実施例1と同様の電気特性測定および湿中信頼性
試験の結果を(表11)に示す。
【0088】
【表11】
【0089】(表11)に示したように、本実施例によ
ればガラス成分を多く含む生シートBで最上層および最
下層の一部分を形成し、ガラス成分を多く含む塗布剤D
を積層後の成形体の最上層および最下層の表面に塗布し
た後焼成してセラミック被覆層を形成することにより、
(表1)に示す従来例と比べて耐湿性を著しく改善する
ことができる。
【0090】(実施例12)まず、実施例11で示した
のと同様にして成形体を得る。こうして得られた成形体
の内部電極が露出した端面部分にたとえば有機樹脂など
からなるレジストを塗布し、150℃で5分間乾燥し、
実施例3で用いた塗布剤E中に成形体全体を浸漬した後
150℃で10分間乾燥し、たとえばトルエンなどの有
機溶剤中に浸漬し外部電極形成用の部分のレジストを除
去する。
【0091】次に、空気中で800℃で4時間脱脂仮焼
し、たとえばN2:H2=9:1の還元性雰囲気中で12
50℃で4時間焼成した後、空気中で950℃で2時間
再酸化する。その後、内部電極層を交互に異なる端縁に
露出させた両端面にAgなどからなる外部電極ペースト
を塗布し、空気中で800℃で10分間焼成する。次に
Ag電極上にたとえば電解法でNiメッキさらに半田メ
ッキを施す。
【0092】このようにして得られた積層型セラミック
素子の実施例1と同様の電気特性測定および湿中信頼性
試験の結果を(表12)に示す。
【0093】
【表12】
【0094】(表12)に示したように、本実施例によ
ればガラス成分を多く含む生シートBで最上層および最
下層の一部分を形成し、ガラス成分を多く含む塗布剤E
を積層後の成形体の内部電極層が露出した端面を除いた
全表面に塗布した後焼成してセラミック被覆層を形成す
ることにより、(表1)に示す従来例と比べてtanδ
値および耐湿性を著しく改善することができる。
【0095】(実施例13)まず、実施例1で用いた生
シートAを所定の枚数積層した後実施例1で用いた生シ
ートBを積層し、さらに生シートAを所定の枚数積層し
て最下層用とする。その上に生シートAを積層し、Pd
などからなる内部電極層をスクリーン印刷などにより形
成し、生シートAと内部電極層とを交互に所定枚数積層
する。その際、内部電極層は交互に対向して相異なる端
縁に至るように印刷する。そして、最上層用に生シート
Aを所定枚数積層した後生シートBを積層し、さらに生
シートAを所定の枚数積層する。そして加熱しながら加
圧、圧着し、所定の形状に切断する。
【0096】次に、空気中で800℃で4時間脱脂仮焼
し、たとえばN2:H2=9:1の還元性雰囲気中で12
50℃で4時間焼成した後、空気中で950℃で2時間
再酸化する。こうして得られた焼結体の側面に実施例2
で示した塗布剤Dをたとえばスクリーン印刷などの方法
により内部電極が露出した端面部分にはつかないように
塗布し、空気中で800℃で10分間焼成する。その
後、内部電極層を交互に異なる端縁に露出させた両端面
にAgなどからなる外部電極ペーストを塗布し、空気中
で800℃で10分間焼成する。そして、Ag電極上に
たとえば電解法でNiメッキさらに半田メッキを施す。
【0097】このようにして得られた積層型セラミック
素子の実施例1と同様の電気特性測定および湿中信頼性
試験の結果を(表13)に示す。
【0098】
【表13】
【0099】(表13)に示したように、本実施例によ
ればガラス成分を多く含む生シートBで最上層および最
下層の一部分を形成し、ガラス成分を多く含む塗布剤D
を還元焼成後の焼結体の側面に内部電極が露出した端面
部分にはつかないように塗布した後焼成してセラミック
被覆層を形成することにより、側面からの水分の吸着が
防止でき、(表1)に示す従来例と比べてtanδ値お
よび耐湿性を著しく改善することができる。
【0100】(実施例14)まず、実施例1で用いた生
シートAを所定の枚数積層した後実施例1で用いた生シ
ートBを積層し、さらに生シートAを所定の枚数積層し
て最下層用とする。その上に生シートAを積層し、Pd
などからなる内部電極層をスクリーン印刷などにより形
成し、生シートAと内部電極層を交互に所定枚数積層す
る。その際、内部電極層は交互に対向して相異なる端縁
に至るように印刷する。そして、その上に生シートAを
所定の枚数積層した後生シートBを積層し、さらに生シ
ートAを所定の枚数積層して最上層用とする。そして、
加熱しながら加圧、圧着し、所定の形状に切断する。
【0101】こうして得られた成形体の側面に実施例2
で用いた塗布剤Dをたとえばスクリーン印刷などの方法
により内部電極層が露出した端面部分にはつかないよう
に塗布する。次に空気中で800℃で4時間脱脂仮焼
し、たとえばN2:H2=9:1の還元性雰囲気中で12
50℃で4時間焼成した後、空気中で950℃で2時間
再酸化する。その後、内部電極層を交互に異なる端縁に
露出させた両端面にAgなどからなる外部電極ペースト
を塗布し、空気中で800℃で10分間焼成する。そし
て、Ag電極上にたとえば電解法でNiメッキさらに半
田メッキを施す。
【0102】このようにして得られた積層型セラミック
素子の実施例1と同様の電気特性測定および湿中信頼性
試験の結果を(表14)に示す。
【0103】
【表14】
【0104】(表14)に示したように、本実施例によ
ればガラス成分を多く含む生シートBで最上層および最
下層の一部分を形成し、ガラス成分を多く含む塗布剤D
を積層後の成形体の側面に内部電極層が露出した端面部
分にはつかないように塗布した後焼成してセラミック被
覆層を形成することにより、(表1)に示す従来例に比
べてtanδ値および耐湿性を著しく改善することがで
きる。
【0105】なお、実施例1〜実施例14ではセラミッ
ク粉体の組成については一部の組合せについてのみ示し
たが、SrTiO3またはそのSrの一部をCa、M
g,Baのうちの一種以上で置換した酸化物を主成分と
する組成でコンデンサ特性とバリスタ特性とを併せもつ
ものであればどのようなものであってもかまわない。ま
た、ガラス成分についても一部についてのみ示したが、
主成分よりも融点の低いものであればどのようなもので
あってもかまわない。さらに、外部電極上にメッキを施
す場合はそのメッキ液のpH値で侵されないだけの耐酸
性または耐アルカリ性を有するガラス成分を用いること
により電気特性が劣化しないことを確認した。また、内
部電極層および外部電極はPdやAgといった貴金属だ
けでなくCuやNiといった非金属および非金属の酸化
物やそれらの混合物であってもかまわない。
【0106】実施例8,9,10,11,12,13お
よび14に示した最上層および最下層の中間に積層する
生シートBの層数は1枚以上であればいくらであっても
かまわない。また、生シートBを積層する位置はその積
層方向の中点位置に限定されるものではなく、最上層お
よび最下層の中であればどこでもかまわない。
【0107】また、実施例1〜実施例14で示した積層
型セラミック素子の形状はいずれも5.70mm×5.0
0mm×2.00mmの直方体状で内部電極層の積層数は1
0層である。
【0108】
【発明の効果】以上本発明によると、積層型セラミック
素子の最上層と最下層のセラミック層が内部のセラミッ
ク層より緻密になるため、積層型セラミック素子表面の
気孔率が小さくなって空気中の水分などをセラミック層
内部に吸着または吸収することが少なくなるため、例え
湿中に長時間放置してもセラミック層の見かけの表面抵
抗の劣化を抑制することができ、電気特性の劣化が無い
極めて耐湿性に優れた積層型セラミック素子を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における積層型セラミッ
ク素子の断面図
【図2】同積層型セラミック素子の製造工程における生
シートの積層状態を示す分解斜視図
【図3】本発明の第2の実施例における積層型セラミッ
ク素子の斜視図
【図4】本発明の第8の実施例における積層型セラミッ
ク素子の製造工程における生シートの積層状態を示す分
解斜視図
【符号の説明】
1 セラミック層 1a 最下層 1b 最上層 2,5 内部電極層 3,6 外部電極 4 生シートA 4a,4b 生シートB 7 セラミック被覆層
フロントページの続き (72)発明者 若畑 康男 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−62022(JP,A) 特開 平3−246915(JP,A) 特開 平2−86110(JP,A) 特開 昭63−219115(JP,A) 特開 平3−1516(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 4/12

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックスを主成分としその平均粒子
    径が互いに異なる2種類の生シートを準備する工程と、
    前記平均粒子径が小さい生シートを複数枚積層する工程
    と、その上に前記平均粒子径が大きい生シートと内部電
    極層とを交互に複数層積層する工程と、その上に前記平
    均粒子径が小さい生シートを複数枚積層した後加圧、圧
    着して成形体を作製する工程と、その成形体を還元性雰
    囲気中で焼成した後再酸化する工程と、外部電極を形成
    する工程とを備えた積層型セラミック素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 セラミックスを主成分とし後工程の積層
    体作製工程で使用する圧力よりも大きい圧力で加圧され
    た生シートと無加圧の生シートの二種類を準備する工程
    と、前記加圧された生シートを複数枚積層する工程と、
    その上に前記無加圧の生シートと内部電極層とを交互に
    複数層積層する工程と、その上に前記加圧された生シー
    トを複数枚積層した後加圧、圧着して成形体を作製する
    工程と、その成形体を還元性雰囲気中で焼成した後再酸
    化する工程と、外部電極を形成する工程とを備えた積層
    型セラミック素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 セラミックスを主成分とする生シートを
    複数枚積層する工程と、その上に前記生シートと内部電
    極層とを交互に複数枚積層する工程と、その上に前記生
    シートを複数枚積層した後加圧、圧着して成形体を作製
    する工程と、その成形体を還元性雰囲気中で焼成した後
    再酸化する工程と、外部電極を形成する工程とを備え、
    前記再酸化後の焼結体表面の全部または一部に前記生シ
    ートの組成よりも多くのガラス成分を含有するセラミッ
    クスを主成分とする塗布剤を塗布した後酸化性雰囲気中
    または不活性雰囲気中で焼成する積層型セラミック素子
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 セラミックスを主成分とする生シートを
    複数枚積層する工程と、その上に前記生シートと内部電
    極層とを交互に複数枚積層する工程と、その上に前記生
    シートを複数枚積層した後加圧、圧着して成形体を作製
    する工程と、外部電極を形成する工程とを備え、前記成
    形体の表面の全部または一部に前記生シートの組成より
    も多くのガラス成分を含有するセラミックスを主成分と
    する塗布剤を塗布し、さらに還元性雰囲気中で焼成した
    後再酸化する積層型セラミック素 子の製造方法。
  5. 【請求項5】 生シートを複数枚積層する工程が、前記
    生シートの組成よりもガラス成分を多く含有する組成の
    生シートを前記生シートの中間に挟むように複数枚積層
    する工程からなる請求項4に記載の積層型セラミック素
    子の製造方法。
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