JP2629685B2 - 車両用トラクシヨン制御装置 - Google Patents

車両用トラクシヨン制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は車両の左右駆動輪の発進,加速時の駆動力過
多による加速スリップを防止して加速性能,安全性を向
上させる車両用トラクション制御装置に関する。
〔従来の技術〕 従来この種の装置として、例えば特開昭57−22948号
公報,特開昭58−16948号公報に示されるものが知られ
ている。前者に示されるものでは、モータにより駆動さ
れる多段ポンプが補助圧力導管に圧力を供給し、3ポー
ト2位置方向制御弁はブレーキ圧に応じて動作し、非制
動時に戻し導管に圧力を供給する。弁が車輪の加速スリ
ップに応じて動作すると弁を通じて左右車輪のブレーキ
シリンダへ圧力が供給され、スリップしている駆動輪に
制動力を加えている。
後者に示されるものでは、電子評価回路が設けられ、
車輪センサよりの信号に基づいて駆動後輪等が制御され
る。また回路には信号処理手段が設けられ、後輪のスリ
ップ値に特性的な信号と車両速度に比例した信号が出力
される。このスリップ値を、駆動輪のスリップが許容さ
れる最高のしきい値と比較器で比較させ、制動力の印加
を制御し、駆動輪の駆動トルクの低減を図っている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、この従来のものでは、左右駆動輪のス
リップ状態が異なる場合、例えば左右の路面が不均一な
またぎ路で発進,加速する場合、それぞれの駆動輪を独
立に制御すると、その左右駆動輪を連結する駆動軸に介
在する差動装置の作用により、左右駆動輪への制動力の
増加,減少を左右で交互に繰返し、それぞれの車輪速度
の変動が大きくなってしまい、その変動がステアリング
ホイールに伝わり、その操作フィーリングの低下,加速
性能の低下を招いてしまうという問題がある。
本発明は上記の問題に鑑み、左右駆動輪の不均一な路
面状態での駆動力過多による加速スリップを抑える際
に、駆動力の移動に伴う左右駆動輪間における制動力の
増加、減少の交互制御の繰り返しを抑制できる車両用ト
ラクション制御装置を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
第1図の概要説明図に示すように、それぞれブレーキ
系c,dを有する左右駆動輪a,bに設けた輪速度検出手段と
しての各車輪速度センサe,fよりも車輪速度信号に基づ
いて、発進加速時の左右駆動輪の加速スリップ状態を検
出する加速スリップ検出手段gを有する。そしてこの加
速スリップ検出手段からの検出信号によりスリップ状態
が所定状態に達した駆動輪を検知し、この駆動輪に対応
するブレーキ系に対して第1の付与手段hが制御信号を
与え、この駆動輪に制動力を加える。また、第2の付与
手段iは、調整手段により左右駆動輪の一方の駆動輪に
対して制動力が加えられる際に、加速スリップ状態が所
定状態に達していない他方の駆動輪に対して同時に制動
力を加えるようにしている。
〔作用〕
上記構成によれば、左右の路面状態が不均一なまたぎ
路等においての駆動輪スリップ時に、一方の駆動輪が第
1の付与手段によって制動力が加えられるべき加速スリ
ップ状態に達した際に、第1の付与手段によって制動力
が加えられなくてもよい程度の加速スリップ状態の他方
の駆動輪に対しても、第2の付与手段によって同時に制
動力が加えられる。これによって、加速スリップ状態が
所定状態に達している一方の駆動輪に対してのみ制動力
を付与した際に発生する駆動力の移動を抑制することが
でき、左右駆動輪におけるスリップ状態の交互移動を防
止できる。このため、左右駆動輪の作動装置の作用によ
る制動力の増加、減少の交互制御の繰り返しの発生を抑
制できる。
また、特許請求の範囲2に記載のように、低摩擦路側
の一方の駆動輪への制動力が高摩擦路側の他方の駆動輪
への制動力に比べて所定圧高くなるように調整すれば、
高摩擦路側の駆動輪への制動力が小さくされるため、高
摩擦路側の駆動輪が発揮できる駆動力をある程度確保で
きる。
〔実施例〕
以下本発明を図に示す実施例について説明する。
第2図は本発明の一実施例を示し、簡単な構成でアン
チスキッド制御とトラクション制御を行う装置である。
この実施例は本発明をいわゆるFF(前輪駆動)車に適用
した例であり、ブレーキシステムの配管系は周知のよう
にX配管を有し、右前輪のホイルシリンダ4と左後輪の
ホイルシリンダ7に同一系統の管路からブレーキ油が供
給され、左前輪のホイルシリンダ5と右後輪のホイルシ
リンダ6に同一系統の管路からブレーキ油が供給される
ように構成されている。ブレーキペダル1は真空ブース
タ2を介してマスタシリンダ3に連結されており、ブレ
ーキペダル1を踏込むことによりマスタシリンダ3に発
生する油圧は、後述するように管路を通って右前輪,左
前輪,右後輪,左後輪の各ホイルシリンダ4,5,6,7に伝
達され、ブレーキ作用が行なわれる。真空ブースタ2は
従来公知のように、エンジンのインテークマニホールド
に発生する負圧が導かれ、ブレーキペダル1の踏込みに
応じてマスタシリンダ3のピストンに連結されたプッシ
ュロッドを付勢して運転者のブレーキペダルの踏込力を
軽減する。
マスタシリンダ3は互いに同じ圧力のブレーキ油を吐
出する2つの圧力室(図示せず)を有し、各圧力室には
それぞれ供給管20,30が接続される。供給管20は第1切
換弁101を介して、左前輪のホイルシリンダ5に連通す
るブレーキ管21と右後輪のホイルシリンダ6に連通する
ブレーキ管22とにそれぞれ接続される。第1切換弁101
は3ポート2位置弁であり、図示された第1位置におい
て供給管20を各枝管21,22に連結させ、図示とは異なる
第2位置において供給管20を各枝管21,22から遮断す
る。
供給管30も同様に第1切換弁102を介して、右前輪の
ホイルシリンダ4に連通するブレーキ管31と左後輪のホ
イルシリンダ7に連通するブレーキ管32とにそれぞれ接
続される。第1切換弁102は第1切換弁101と同様に3ポ
ート2位置弁であり、図示された第1位置において供給
管30を各枝管31,32に連通させ、図示とは異なる第2位
置において供給管30を各枝管31,32から遮断する。
後輪のホイルシリンダ6,7へ接続されるブレーキ管22,
32の途中には、従来公知のプロポーショニングバルブ10
3が設けられ、油圧が一定値以上になった場合、マスタ
シリンダ3の吐出圧よりも低い圧力のブレーキ油を後輪
のホイルシリンダ6,7に供給するようになっている。
以上の構成により通常のブレーキ作用が行なわれ、ブ
レーキペダル1の踏込みによりマスタシリンダ3に発生
した油圧は、供給管20およびブレーキ管21を介して左前
輪のホイルシリンダ5へ、供給管20およびブレーキ管22
を介して右後輪のホイルシリンダ6へ、供給管30および
ブレーキ管31を介して右前輪のホイルシリンダ4へ、供
給管30およびブレーキ管32を介して左後輪のホイルシリ
ンダ7へ、それぞれ伝達される。
次にアンチスキッド制御系について説明する。
ポンプ8,9は、モータ10により回転駆動され、それぞ
れリザーバ11に連通する油管50,60の枝管51,61からブレ
ーキ油を吸入し、その油を供給管70,80を介して各ホイ
ルシリンダ4,5,6,7に供給する。
供給管70の枝管71は、第2切換弁104を介してブレー
キ管31の枝管33に連通可能であり、枝管71の途中には絞
り91が設けられる。第2切換弁104は3ポート2位置弁
であり、一方の吐出ポートは上記枝管33に接続され、他
方の吐出ポートは油管50の枝管55に接続される。しかし
て第2切換弁104は、図示された第1位置において枝管7
1を枝管33に連通させ、図示とは異なる第2位置におい
て枝管33を枝管55に連通させる。したがって、第2切換
弁104が第1位置にある時、ポンプ8から吐出されたブ
レーキ油は供給管70から枝管33を通ってホイルシリンダ
4へ供給され、第2切換弁104が第2位置にある時、ホ
イルシリンダ4内のブレーキ油は枝管33から油管50を通
ってリザーバ11へ解放される。
同様に、供給管70の枝管72は第2切換弁105を介して
ブレーキ管32の枝管34に連通可能であり、枝管72には絞
り92が設けられる。第2切換弁105の一方の吐出ポート
は枝管34に接続され、他方の吐出ポートは油管50の枝管
52に接続される。しかして第2切換弁105は、図示され
た第1位置にある時枝管72を枝管34に連通させてポンプ
8から吐出されるブレーキ油をホイルシリンダ7に導
き、図示とは異なる第2位置にある時枝管34を枝管52に
連通させてホイルシリンダ7内のブレーキ油をリザーバ
11へ解放する。
供給管80は枝管81は第2切換弁106を介してブレーキ
管21の枝管27に連通可能であり、枝管81には絞り93が設
けられる。第2切換弁106の一方の吐出ポートは枝管27
に接続され、他方の吐出ポートは油管60の枝管62に接続
される。しかして第2切換弁106は、図示された第1位
置にある時枝管81を枝管27に連通させてポンプ9から吐
出されるブレーキ油をホイルシリンダ5に導き、図示と
は異なる第2位置にある時枝管27を枝管62に連通させて
ホイルシリンダ5内のブレーキ油をリザーバ11へ解放す
る。
また供給管80の枝管82についても全く同様に、第2切
換弁107を介して枝管28,63に接続され、第2の切換弁10
7は第1位置にある時ホイルシリンダ6にブレーキ油を
導き、第2位置にある時ホイルシリンダ6内のブレーキ
油をリザーバ11へ解放する。
前記供給管20,第1切換弁101、及び枝管21を結ぶ管路
には、第1切換弁101前後の圧力を検知する圧力検知手
段である圧力スイッチ41が配されている。この圧力スイ
ッチ41はマスタシリンダ3の圧力が及んでいる供給管20
内の圧力PMと、ホイルシリンダ5の圧力が及んでいる枝
管21内の圧力PWとを同時に検知しており、PWが所定値以
上PMより大きくなった場合に閉成し、ECU130に閉成信号
を送る。この信号を受けたECU130は、極めて短時間に前
記第1切換弁101を開弁させる。
また、前記供給管30,第1切換弁102、及び枝管31を結
ぶ管路にも、第1切換弁102前後の圧力を検知する圧力
スイッチ43が配されている。この圧力スイッチ43もマス
タシリンダ3の圧力が及んでいる供給管30内の圧力PM
と、ホイルシリンダ4の圧力が及んでいる枝管31内の圧
力PWとを同時に検知しており、PWが所定値以上PMより大
きくなった場合に閉成し、ECU130に閉成信号を送る。そ
して、この信号を受けたECU130は、極めて短時間に前記
第1切換弁102を開弁させる。
なおポンプ8,9の吸入側と吐出側は、それぞれリリー
フ管73,83により連結され、これらのリリーフ管73,83に
はそれぞれ制御弁111,112,リリーフ弁109,110が設けら
れる。制御弁111,112は図示された第1位置にある時リ
リーフ弁73,83を各々連結させ、図示とは異なる第2位
置にある時リリーフ弁73,83を遮断する。リリーフ弁10
9,110はそれぞれ導管14,15を介して供給管路30,20の圧
力が導かれ、この圧力に応じてリリーフ管73,83を連通
させて、ポンプ8,9の吐出圧力を制御する。すなわち、
前記制御弁111,112が第1位置にある場合においてポン
プ8,9の吐出圧力は供給管30,20内の圧力と実質的に等し
くなるようになっている。
アンチスキッド制御は、いずれかの車輪がロックして
いると判断された場合、換言すれば、車輪の減速度ある
いはスリップ率が大きすぎると判断された場合、行なわ
れる。車輪の減速度およびスリップ率はマイコンを備え
たエレクトリックコントロールユニット(ECU)130によ
り計算され、このため、各車輪の近傍には車輪速度セン
サ121,122,123,124が設けられる。ECU130は、アンチス
キッド制御を開始すると判断した時、第1切換弁101,10
2を第1位置から第2位置へ切換え、アンチスキッド制
御時、第2切換弁104,105,106,107を車輪の減速度およ
びスリップ率に応じてデューティ制御で切換える。なお
後輪の第2切換弁105,107は常に同位置に切換えられ
る。
次に、車両を急発進させた場合に生じる左右駆動輪の
加速スリップ防止制御について述べる。
前記車輪速度センサ121,122,123,124により駆動輪速
度と従動輪速度を同時に検知し、駆動輪速度が縦動輪速
度より所定値以上大きくなると駆動輪がスリップしてい
るものとECU130が判断し、まず第1切換弁101,102を第
2位置に切換え、供給管20,30を遮断する。それととも
に、圧力スイッチ41,43による戻し制御機能を禁止す
る。そして、モータ10を回転させてポンプ8,9を駆動さ
せ、同時に制御弁111,112を第2位置に切換えてリリー
フ管73,83を遮断する。これど同時に、第2切換弁105,1
07を作動させて、従動輪へ制動力が印加されるのを防
ぐ。よって、ポンプ8,9はマスタシリンダ3の圧力より
も高い圧力の圧油を供給管70,80に送り出すことができ
る。そして、駆動輪のスリップ状態に応じて第2切換弁
104,106をデューティ制御し、ポンプ8,9からの圧油を駆
動輪である左右前輪のホイルシリンダ4,5に供給し、ス
リップを抑える。尚、本実施例では駆動輪が左右前輪で
あったが、後輪駆動の場合には第2切換弁105,107を切
換えて左右後輪のスリップを抑えることになる。
そして左右の駆動輪でスリップ状態が異なる場合に
は、駆動輪速度と従動輪速度とのスリップ率の大きさに
より、低摩擦路面側のホイルシリンダに加わる圧力と高
摩擦路面側のホイルシリンダに加わる圧力との差を、初
期には零に、低摩擦路面側の車輪のスリップが小さくな
るにつれ、ある一定の差をもつように両ホイルシリンダ
の油圧を設定する。そして、この設定値になるように第
2切換弁104,106をデューティ制御し、ホイルシリンダ
4,5の油圧を減圧または増圧することにより制御油圧を
制御する。
このような制御を行うことにより、低摩擦路面の駆動
力より高摩擦路面の駆動力が大きくなり車両の発進、加
速がよくなる。
次にデューティ制御について説明する。デューティ制
御による油圧は第3図に示され、ここで、第3図におけ
る特性線Aは実際のホイルシリンダの制動油圧値を示
し、特性線Bはコンピュータ内部の計算上の制動油圧値
を示す。同図において、一定時間T(例えば、32msec)
におけるデューティ制御で、油圧を増圧する時間d0,d1,
…を可変制御することにより行っている。したがって、
時間d1,d2,…を長く設定すれば増圧側へ、短く設定すれ
ば、減圧側に可変制御できることになる。
この制御において、増圧は、油圧ポンプの特性により
ほぼ一定の勾配を示し、一方減圧はしぼりやオイル粘性
によって決められ、指数関数的な減圧特性を示す。
同図から分かるように、初期値として油圧ポンプの最
大油圧値に設定されているコンピュータ内部の制御油圧
値PX0と、実際の制御油圧値PX0′との誤差が徐々に少な
くなり、コンピュータ内部の制動油圧が実際の制動油圧
値とほぼ同じ値に収束することになるから、制動油圧値
を検出することが可能になる。これは次の理由による。
すなわち、仮に、油圧特性がともに、直線的で同一の割
合で減少すると、両者の差圧は一定であり、両者の誤差
は狭められず、コンピュータ内の油圧値は実際の制動油
圧値に接近しないが、指数関数の特性から、油圧値が大
きくなるにしたがって油圧値の減少率が大きくなるか
ら、コンピュータ内部の計算上の油圧が大きい値に設定
されていても、指数関数的に減少し、両者の油圧値は短
時間のうちに互いに接近することになるからである。上
記油圧装置により左右のホイルシリンダの油圧が制御さ
れるのである。
左右の路面摩擦が異なる場合、差動装置により車輪が
交互にスリップを起こし走行が不安定になるのを防ぐた
め、スリップを起こしていない車輪での駆動トルクの変
動を少なくすべくそのスリップしていない車輪側にも、
スリップを起こしている車輪に関係づけて制動力を加え
る。すなわち、第4図(a),(b),(c)に示すよ
うに、どちらか一方の車輪にスリップが発生し、制動圧
が開始されると、同時にスリップ発生していない側の車
輪にも制動圧を印加開始し、その後、過制動にならない
よう、また、高摩擦路面側の駆動力を有効に使い加速性
を良くするようにその制動圧を先にスリップした車輪側
に対して低くなるように差を設ける。いわゆる低摩擦路
面側の油圧値をとり込み、高摩擦路面側の油圧値との間
に油圧差を制御し、加速性の良い安定した発進,加速を
可能とするものである。
次に上記した制御を実行する第5図のフローチャート
を説明する。
このフローチャートは一定周期、例えば32msecごとに
行なわれる。以下1周期分の処理動作を順に説明する。
まず、ステップ100にて、各車輪速度センサ5〜9か
らの車輪速度VWを読込み、この車輪速度VWに基いて特に
従動輪の速度に対する駆動輪の速度の差が所定レベルに
達することを判定して左右駆動輪の少なくとも一方の加
速スリップを検出し、目標油圧を演算する。
次に、ステップ120にて左右駆動輪の速度差が所定レ
ベルに達したことを検出し、左右駆動輪のそれぞれの路
面が不均一になっていることを検知する。
次にステップ130にて左前輪と右前輪のホイルシリン
ダに加えられるべき目標油圧の設定差を次の(1)式で
演算する。
ΔK=Ka−kb・|WP高μ−WP低μ| …(1) その後に、ステップ140にて、高μ路側の目標油圧と
低μ路側の目標油圧から設定差を引いたものとの比較を
行なう。このステップで、目標油圧が設定差をとったも
のよりも大ききと判定されたときには、ステップ170に
進み、それぞれの目標油圧をそのまま設定する。一方、
小さいと判定されたとき、つまり、左右輪の路面のμが
異なるため、演算によって得られた目標油圧が設定差を
とったものよりも小さくなったときには、ステップ150
にて高μ側の目標油圧として、低μ路側の目標油圧から
設定差をとった演算値を次の(2)式で設定する。
P高μ=最大値・(P低μ−ΔK,P高μ) …(2) 上記ステップ150′,160または170で設定された目標油
圧はステップ190以下にてデューティ制御される。
すなわち、ステップ190にて、現在の推定油圧値Pxか
らPMAX,PMINを求める。PMAXはデューティ100%、つま
り、増圧指令部分のみからなる指令信号を第2切換弁10
4,106に出力した場合に周期終了時点で到達すると予想
される推定油圧値であり、PMINはデューティ比0%、つ
まり減圧指令部分のみからなる指令信号を第2切換弁10
4,106に出力した場合に、周期終了時点で到達すると予
想される推定油圧値である。
つぎに、ステップ200にて、目標油圧値PyとPMAX,PMIN
を大小比較する。
Py≦PMINの場合には、ステップ210にてデューティ比
Dを0%、つまり、減圧指令部分のみからなる指令信号
を作成するためのデューティ比Dに設定し、PMINをPx、
つまり次回の現在油圧値とする(ステップ220)。
一方、Py≧PMAXの場合には、ステップ230にてデュー
ティDを100%、つまり増圧指令成分のみからなる指令
信号を作成するためのデューティ比に設定し、PMAXをPx
とする(ステップ240)。
また、PMIN<Py<PMAXの場合には、ステップ250にて
デューティ比DをPxとPyとの関係を表す第6図のマップ
(必要に応じて補間演算を追加する。)から求め、ステ
ップ260にて設定したPyをPxとする。
なお、ここで、マップの代わりの演算式は次の式で表
される。
Py=(Px+0,344d)*0.5e −0.0021(32−2) …(3) (eは自然対数) この式において、dは1周期32msecにおける増圧時間
を表すパラメータである。
上記ステップ230,240,260にて設定されたデューティ
比Dに基づく励磁電流パルスを第2切換弁104,106に出
力する(ステップ270)。
本処理を繰り返すことにより、トラクション制御が行
われるが、これをタイムチャートで表わすと第7図のよ
うになる。
同図において、ブレーキ圧が上昇を開始した時点
(T2)から同圧(T3)を経てから、左右輪独立に制動油
圧値が所定の油圧差を生じるようにデューティ制御され
ていることがわかる。
なお、前述の実施例では、前輪駆動の車両の適用した
ものを示したが、後輪駆動の車両にも同様に適用するこ
とができ、その後、駆動輪となる後輪の制動力制御にて
加速スリップ制御を行なうことができる。
また、車両のブレーキ系としてアンチスキッド制御お
よびトラクション制御に兼用するものを示したが、左右
駆動輪に対する制動力を制御信号により独立に調整する
ことができるものであれば、その他どのような形式のも
のでもよい。
また、スリップ検出手段として、駆動輪速度と従動輪
速度を比較するものを示したが、駆動輪速度とレーダー
等で求める車両の車体速度とを比較するもの、或いは駆
動輪の加速度と設定値とを比較するものなどでもよい。
さらに、制御手段として、ブレーキ系をデューティ制
御するものを示したが、左右駆動輪の制動力をそれぞれ
目標値に制御するものであれば、単純オン,オフ制御す
るもの、連続制御するものなどでもよい。
〔発明の効果〕
以上述べたように本発明によれば、左右駆動輪の不均
一な路面状態での駆動力過多による加速スリップを抑え
る際に、駆動力の移動に伴う左右駆動輪間における制動
力の増加、減少の交互制御の繰り返しを抑制できるとい
う優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の概要構成を示す説明図、第2図は本発
明の一実施例を示す全体構成図、第3図はその油圧特性
を示す特性図、第4図(a),(b),(c)はトラク
ション制御の作動を示す特性図、第5図は第2図中のEC
Uの演算処理を示すフローチャート、第6図は制御油圧
値に対する目標油圧値のデューティ比を示す特性図、第
7図はトラクション制御状態を示す波形図である。 a,b……左右駆動輪,c,d……ブレーキ系,e,f……車輪速
度センサ,g……加速スリップ検出手段,h……第1の付与
手段,i……第2の付与手段。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−164460(JP,A) 特開 昭60−143169(JP,A) 特開 昭61−1564(JP,A) 実開 昭61−6461(JP,U) 特公 昭46−15876(JP,B1)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の駆動軸の左右に配備された左右駆動
    輪へ付与される制動力を、それぞれの制御信号に応答し
    てそれぞれ独立に付与するブレーキ系と、 前記左右駆動輪の回転速度をそれぞれ検出する車輪速度
    検出手段と、 この車輪速度検出手段からの車輪速度信号に基づいて、
    発進、加速等に伴う前記左右駆動輪の加速スリップ状態
    を検出する加速スリップ検出手段と、 前記加速スリップ状態が所定状態に達した駆動輪に対応
    するブレーキ系が前記制御信号に応答してこの駆動輪に
    制動力を付与する第1の付与手段と、 前記付与手段により、前記左右駆動輪の一方の駆動輪に
    対して制動力が加えられる際に、加速スリップ状態が所
    定状態に達していない他方の駆動輪に対して同時に制動
    力を加える第2の付与手段と を備えることを特徴とする車両用トラクション制御装
    置。
  2. 【請求項2】前記第2の付与手段は、前記左右駆動輪へ
    同時に制動力を加えるとともに、低摩擦路側の前記一方
    の駆動輪への制動力が高摩擦路側の前記他方の駆動輪へ
    の制動力に比べて所定圧高くなるように調整することを
    特徴とする特許請求の範囲1に記載の車両用トラクショ
    ン制御装置。
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