JP3062162U - 浴槽用尻載せ具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 浴槽内の底面に敷設することにより、入浴時
に、尻等が冷く感じることに起因する不快感、及び、尻
等から体温が奪われることに起因する不快感の発生を抑
制することができる浴槽用尻載せ具を提供する。 【解決手段】 浴槽内の底面に沿って弾性的に撓み変形
可能で、かつ、上下方向に貫通する複数の流路孔１を形
成してある尻載せ本体２に、尻載せ本体２と浴槽内の底
面との対向面間に水が流動可能な間隙を現出する脚部４
を形成するとともに、尻載せ本体２に、浴槽内の底面に
対する滑止め手段５を取付けてある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、入浴時に、浴槽内の底面に敷設して用いられる浴槽用尻載せ具に関 する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、一般的な浴槽では、その浴槽内の底面に尻等を置いた状態で入浴してい る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、一般に、浴槽内の底面は、湯との熱の授受によって次第に加熱され るものの、給湯型の浴槽の場合、給湯初期には、湯との接触時間が短いため、給 湯温度よりもかなり低くなっていることがあり、その結果、浴槽内の底面と接触 した際、尻等が冷たく感じるため、その不快感が感じなくなるまで、例えば、お 尻を底面から浮かせたり、移動させたりするなど回避対策を頻繁に採る必要があ る。 また、浴槽内の底面が湯で最大限に加温されていても、尻等を置いた状態では 、その尻等と接触する部位は湯との接触が絶たれ、かつ、外部への放熱によって 次第に温度が低下するため、その接触状態にある尻等から体温が奪われることに なり、その結果、上述の場合と同様に、お尻を底面から浮かせ足り、移動させた りするなど回避対策を頻繁に採る煩わしさがある。

【０００４】 本考案は、上述の実情に鑑みて為されたものであって、その主たる課題は、浴 槽内の底面に敷設することにより、入浴時に、尻等が冷く感じることに起因する 不快感、及び、尻等から体温が奪われることに起因する不快感の発生を抑制する ことができる浴槽用尻載せ具を提供する点にある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 本考案の請求項１による浴槽用尻載せ具の特徴構成は、浴槽内の底面に敷設し て用いられる合成樹脂製の尻載せ具であって、浴槽内の底面に沿って弾性的に撓 み変形可能で、かつ、上下方向に貫通する複数の流路孔を形成してある尻載せ本 体に、該尻載せ本体と浴槽内の底面との対向面間に水が流動可能な間隙を現出す る脚部を形成するとともに、前記尻載せ本体に、浴槽内の底面に対する滑止め手 段を設けてある点にある。 上記特徴構成によれば、浴槽内の底面に尻載せ具を敷設することにより、尻等 が浴槽内の底面に直接接触することを回避することができることはもとより、浴 槽内の湯は、尻載せ本体と浴槽内の底面との対向面間に現出された間隙及び流路 孔を流動し、かつ、尻載せ本体は、脚部及び吸盤を介して浴槽内の底面と接触す るから、例えば、尻載せ本体の下面側全面が浴槽内の底面に接触する場合に比し て、尻載せ本体の熱が浴槽内の底面に奪われ難く、従って、尻載せ本体に接触す る尻等から体温が奪われることを抑制することができる。 更に、浴槽内の底面が、排水口への排水勾配を備えた曲面に形成されていても 、尻載せ本体に尻等を載せると、体重で尻載せ本体が浴槽内の底面に沿う姿勢に 弾性的に撓み変形するから、尻載せ本体を脚部を介して浴槽内の底面に安定的に 敷設することができ、また、浴槽内の底面に対して尻載せ本体がずれ動くことを 滑止め手段にて抑制することができる。 それ故に、尻載せ具を浴槽内の底面に敷設することにより、入浴時に、尻等が 冷く感じることに起因する不快感、及び、尻等から体温が奪われることに起因す る不快感の発生を抑制することができる。 更に、浴槽内の底面の多様な曲面形状にも汎用性が高く、しかも、浴槽内の底 面に対する尻載せ本体のずれ動きを抑制できるから、尻載せ本体の安定感不足に 起因して感じる不快感の発生も抑制することができる。

【０００６】 本考案の請求項２による浴槽用尻載せ具の特徴構成は、前記尻載せ本体の外周 縁及び各流路孔の周縁の各々には、下方に向かって突出する環状の補強リブが一 体形成されている点にある。 上記特徴構成によれば、尻載せ本体の上面の平滑性を確保しながらも、尻載せ 本体の強度を高めることができるとともに、尻載せ本体の外周縁及び各流路孔の 周縁のうち、尻載せ本体の上面側角部を曲面状に大きく面取り加工し易く、尻等 が接触したときの接触感を良好にすることができる。

【０００７】 本考案の請求項３による浴槽用尻載せ具の特徴構成は、前記脚部を構成する複 数の脚板の一部が、流路孔を横断する状態で環状補強リブに一体形成されている 点にある。 上記特徴構成によれば、流路孔の開口面積を大きく確保しながらも、尻載せ本 体の強度を高めることができる。

【０００８】 本考案の請求項４による浴槽用尻載せ具の特徴構成は、前記滑止め手段が浴槽 内の底面に吸着可能な吸盤から構成されている点にある。 上記特徴構成によれば、尻載せ本体を吸盤にて浴槽内の底面に吸着固定するこ とができるから、浴槽内の底面からの尻載せ本体の浮き上がりも防止することが できる。 それ故に、浴槽内の底面に対する尻載せ本体の安定感を更に高めることができ 、尻載せ本体の安定感不足に起因して感じる不快感の発生を更に抑制することが できる。

【０００９】 本考案の請求項５による浴槽用尻載せ具の特徴構成は、前記吸盤の一部が尻載 せ本体の外周縁から横外方に突出する状態で設けられている点にある。 上記特徴構成によれば、浴槽内の底面に吸着する吸盤のうち、尻載せ本体の外 周縁から横外方に突出する吸盤の一部に爪等を引っかけて持上げることにより、 浴槽内の底面と吸盤との吸着状態を簡単に解除することができる。

【００１０】

【考案の実施の形態】

〔第１実施形態〕 図１〜図５は、浴槽Ｂ内の底面Ｂ１に敷設して用いられる本考案の合成樹脂製 の浴槽用尻載せ具Ａの一実施形態を示し、浴槽Ｂ内の底面Ｂ１に沿って弾性的に 撓み変形可能で、かつ、上下方向に貫通する複数の流路孔１を形成してある平面 視でほぼ隅丸長方形状の尻載せ本体２に、該尻載せ本体２と浴槽Ｂ内の底面Ｂ１ との対向面間に水(湯)Ｗが流動可能な間隙３を現出する脚部４を形成するととも に、尻載せ本体２の下面（裏面）側に、浴槽Ｂ内の底面Ｂ１に対する滑止め手段 の一例としての、浴槽Ｂ内の底面Ｂ１に吸着可能な合成ゴム製の吸盤５を一対取 付けて構成されている。

【００１１】 図１、図２に示すように、前記尻載せ本体２の外周縁には、下方に向かって突 出する環状の補強リブ６が一体形成されているとともに、尻載せ本体２の下面に は、前記環状補強リブ６から離間する状態で、下方に向かって突出する２条から なる十字状の補強リブ７が一体形成されていて、尻載せ本体２の下面は、この十 字状補強リブ７によって縦横方向にほぼ均等に４分割されている。 尚、以下の説明では、前記尻載せ本体２の外周縁に一体形成された環状の補強 リブ６を第１環状補強リブと称する。

【００１２】 図１に示すように、前記十字状補強リブ７によって４分割された尻載せ本体２ の各領域Ｓには、その領域Ｓ毎に、尻載せ本体２の外周縁の内側脇から十字状補 強リブ７に亘って、その領域Ｓを通る尻載せ本体２の対角線にほぼ沿い、かつ、 上下方向に貫通する平行な複数 （当該実施形態では９つ）の長孔が形成されて いて、これら尻載せ本体２の各領域Ｓに形成された複数の長孔をもって前記複数 の流路孔１が構成されている。

【００１３】 前記各流路孔１の周縁には、前記十字状補強リブ７の一部を兼用する状態で、 下方に向かって突出する環状の補強リブ８が一体形成されている。 尚、以下の説明では、前記各流路孔１の周縁に一体形成された環状の補強リブ ８を第２環状補強リブと称する。

【００１４】 前記第１環状補強リブ６の下縁は、十字状補強リブ７の下縁及び第２環状補強 リブ８の下縁よりも下方に突出している。

【００１５】 図１に示すように、前記尻載せ本体２の下面側には、第１環状補強リブ６の下 縁よりも所定寸法下方に向かって突出する複数の舌片状の脚板９が一体形成され ていて、これら複数の脚板９から前記脚部４が構成されている。

【００１６】 図１に示すように、前記脚部４を構成する複数の脚板９の一部は、前記尻載せ 本体２の各領域Ｓ毎に、それの短辺方向のほぼ中央部に沿って直列状に配列され ているとともに、これら各脚板９ａは、図６、図７に示すように、その配列線上 に位置する流路孔１毎に、その流路孔１を横断する状態で第２環状補強リブ８に 一体形成されている。以下、これら各脚板９ａを第１脚板と称する。

【００１７】 また、前記脚部４を構成する残りの脚板９のうちの更に一部は、前記尻載せ本 体２の各領域Ｓ毎に、前記第１脚板９ａ列から所定間隔を隔てた状態で、それの 両脇の各々に直列状に配列されているとともに、これら各脚板９ｂは、図８、図 ９に示すように、その配列線上に位置する流路孔１毎に、その流路孔１の長手方 向に沿う姿勢で第２環状補強リブ８に一体形成されている。以下、これら各脚板 ９ｂを第２脚板と称する。

【００１８】 更にまた、図１に示すように、前記脚部４を構成する脚板９のうち、前記第１ 脚板９ａ及び第２脚板９ｂを除く脚板９ｃは、尻載せ本体２の下面に、第１環状 補強リブ６の内周面側に沿って所定間隔を隔てた状態で、尻載せ本体２と第１環 状補強リブ６に亘って一体形成されている。

【００１９】 図１、図３に示すように、前記各吸盤５は、尻載せ本体２のうち、十字状補強 リブ７の長辺部の両先端と第１環状補強リブ６との間の各々に上下方向に貫通す る状態で形成された係止孔（図示せず）に係合保持されていて、各吸盤５の一部 が、平面視で尻載せ本体２の外周縁から横外方に突出する状態で設けられている 。

【００２０】 尚、このように構成された浴槽用尻載せ具Ａは、両吸盤５を除いて、ポリエチ レンを原料樹脂として一体成形されている。

【００２１】 そして、図４に示すように、前記浴槽用尻載せ具Ａを、吸盤５側を浴槽Ｂ内の 底面Ｂ１に向けて載置して上方から押し付けると、両吸盤５が底面Ｂ１に吸着固 定されるとともに、脚部４を構成する複数の脚板９が底面Ｂ１に接当して、この 浴槽用尻載せ具Ａが浴槽Ｂ内の底面Ｂ１に吸着固定された状態で敷設される。 そして、上述の敷設状態では、第１環状補強リブ６の下縁と浴槽Ｂ内の底面Ｂ １との対向間及び流路孔１を通して、前記間隙３に対する浴槽Ｂ内の水（湯）Ｗ の出入が許容される。つまり、間隙３における浴槽Ｂ内の水(湯)Ｗの流動が可能 となる。 また、浴槽Ｂ内の底面Ｂ１から浴槽用尻載せ具Ａを取外す場合には、尻載せ本 体２の外周縁から横外方に突出する吸盤５の一部５ａに指の爪等を引っかけて、 この吸盤５の一部５ａを持上げ、浴槽Ｂ内の底面Ｂ１と吸盤５との吸着状態を解 除して、浴槽Ｂ内から浴槽用尻載せ具Ａを抜き取ればよい。

【００２２】 ところで、図示しないが、浴槽Ｂ内の底面Ｂ１が、排水口への排水勾配を備え た緩やかな曲面に形成されていても、尻載せ本体２は浴槽Ｂ内の底面Ｂ１に沿っ て弾性的に撓み変形可能であるから、入浴時に、尻載せ本体２に例えばお尻を載 せると、体重で尻載せ本体２が浴槽Ｂ内の底面Ｂ１に沿う姿勢に弾性的に撓み変 形し、それにより脚板９を、浴槽Ｂ内の底面Ｂ１から浮き上がることなく接当さ せることができる。

【００２３】 〔第２実施形態〕 図１０は本考案の第２実施形態を示し、尻載せ本体２の下面（裏面）側のうち 、第１環状補強リブ６の内周面側に沿って所定間隔を隔てた状態で、尻載せ本体 ２と第１環状補強リブ６に亘って一体形成された前記脚板９ｃの先端部に、浴槽 Ｂ内の底面Ｂ１に対する滑止め手段の一例としての合成ゴム製のカバー体５がそ れぞれ取付けられている。 その他の構成は前記第１実施形態と同一であり、第１実施形態で記載した構成 部分と同一構成又は同一機能を有する構成部分には同一番号を付記してそれの説 明を省略する。

【００２４】 〔その他の実施形態〕 （１） 前記実施形態では流路孔１を長孔から構成したが、これに限定される ものではなく、例えば円孔等であってもよい。 （２） 前記複数の流路孔１の配列は、前記実施形態で説明した配列に限定さ れうものではなく適宜変更してもよい。 （３） 前記実施形態では脚部４を複数の脚板９から構成したが、これに限定 されるものではなく、例えば脚部４を複数の脚柱から構成してもよい。 （４） 前記第１実施形態において、前記滑止め手段５としての前記吸盤５の 取付け数は２つに限定されるものではなく、適宜変更してもよく、また、その配 設位置は適宜選択することができる。 （５） 前記第２実施形態において、前記滑止め手段５としてのカバー体５Ｂ の取付け箇所は前記脚板９ｃの先端部に限定されるものではなく、カバー体５Ｂ の取付け箇所は適宜変更することができ、例えば、前記脚部４を構成する脚板９ のうちの第１脚板９ａ及び第２脚板９ｂの先端部に設けて実施してもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の尻載せ具の第１実施形態を示す裏面図

【図２】（イ）は図１のＩ−Ｉ端面図、（ロ）は図１の
ＩI−ＩＩ端面図、（ハ）は図１のＩＩＩ− ＩＩＩ端面
図

【図３】本考案の尻載せ具の平面図

【図４】使用状態を示す一部切欠き断面図

【図５】（イ）、（ロ）は使用状態を示す一部切欠き拡
大断面図

【図６】第１脚板部分の拡大裏面図

【図７】図６のＩＶ−ＩＶ断面図

【図８】第２脚板部分の拡大裏面図

【図９】図８のＶ−Ｖ断面図

【図１０】第２実施形態を示す要部の断面図

【図１１】第２実施形態を示す要部の裏面図

【符号の説明】

Ａ 尻載せ具 Ｂ 浴槽 Ｂ１ 底面 １ 流路孔 ２ 尻載せ本体 ３ 間隙 ４ 脚部 ５ 滑止め手段（吸盤、カバー体） ６ 環状補強リブ ８ 環状補強リブ ９ 脚板

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 浴槽内の底面に敷設して用いられる合成
   樹脂製の尻載せ具であって、浴槽内の底面に沿って弾性
   的に撓み変形可能で、かつ、上下方向に貫通する複数の
   流路孔を形成してある尻載せ本体に、該尻載せ本体と浴
   槽内の底面との対向面間に水が流動可能な間隙を現出す
   る脚部を形成するとともに、前記尻載せ本体に、浴槽内
   の底面に対する滑止め手段を設けてある浴槽用尻載せ
   具。
2. 【請求項２】 前記尻載せ本体の外周縁及び各流路孔の
   周縁の各々には、下方に向かって突出する環状の補強リ
   ブが一体形成されている請求項１記載の浴槽用尻載せ
   具。
3. 【請求項３】 前記脚部を構成する複数の脚板の一部
   が、流路孔を横断する状態で環状補強リブに一体形成さ
   れている請求項項２記載の浴槽用尻載せ具。
4. 【請求項４】 前記滑止め手段が浴槽内の底面に吸着可
   能な吸盤から構成されている請求項１、２又は３記載の
   浴槽用尻載せ具。
5. 【請求項５】 前記吸盤の一部が尻載せ本体の外周縁か
   ら横外方に突出する状態で設けられている請求項４記載
   の浴槽用尻載せ具。