JP3045673U - 園芸鉢収容ケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 横滑させないための手段によって安全性が害
されることがなく、しかも、全重量の軽量化と低コスト
化を実現した園芸鉢収容ケースを提供する。 【解決手段】 上枠と側枠と底枠とからなるポケット体
を、上枠の隣接辺にてマトリクス状に連接し、前記ポケ
ット体の上枠の隅角部の上縁に凹欠部を設ける一方、前
記底枠の下面に上枠の連接辺の上縁に嵌入できる凹溝を
設け、ケースを各ポケット体の中心が半ピッチ分ズラせ
て重ねたときに係合して横滑りさせないための手段を安
全性が確保できるように構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、野菜等の苗を栽培する園芸鉢をまとめて収容、搬送するのに好適な 園芸鉢収容ケースに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般にこの種の園芸鉢収容ケースとして代表的なものに実公平４−２７３１４ 号公報、特開平７−３１２８８号公報がある。これらは上枠と側枠と底枠とから なるポケット体を、上枠の隣接辺にてマトリクス状に連接してなる点は共通して いる。

【０００３】 しかして、前者はポケット体の上枠の上面に突起を設ける一方、底枠を前記突 起に嵌合できる大きさの網目とし、園芸鉢収容ケースを各ポケット体の中心を半 ピッチ分ズラせて重ねたときに突起と網目とが互いに係合して横滑りしないよう に構成している点に大きな特徴を有している。

【０００４】 一方、後者はポケット体の上枠の隣接辺に凹欠部を設け、隣接するポケット体 にそれぞれ装填されている２個の園芸鉢の上部が同時に手指で摘み上げられるよ うにし、詰め替え作業を楽に、しかも迅速に行えるように構成している点に特徴 を有している。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前者の横滑りさせないための手段である突起は先細り状になっ ているため、成形時にバリが生じたりすると尖ってしまい、取り扱い者の指先な ど身体の一部を傷付ける虞れが有り得た。

【０００６】 また、後者（前者も同じことが言える）は、マトリクス状に連接したポケット 体の上枠の隅角部が集中する十字及びＴ字域が中実になっていたため、その分、 全重量が嵩んだばかりでなく、原材料（プラスチック材料）費が嵩むという問題 があった。

【０００７】 本考案は、上記の問題を解消するためのもので、横滑させないための手段によ って安全性が害されることをなくした園芸鉢収容ケースを提供することを目的と している。また、他の目的は全重量の軽量化と低コスト化を実現した園芸鉢収容 ケースを提供することにある。

【０００８】

【問題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案は、上枠と側枠と底枠とからなるポケット体 を、上枠の隣接辺にてマトリクス状に連接してなる園芸鉢収容ケースにおいて、 前記ポケット体の上枠の隅角部の上縁に凹欠部を設ける一方、前記底枠の下面に 上枠の連接辺の上縁に嵌入できる凹溝を設け、ケースを各ポケット体の中心が半 ピッチ分ズラせて重ねたときに係合して横滑りさせないための手段を安全性が確 保できるように構成した。

【０００９】 また、請求項２に記載の考案は、前記上枠の隅角部が集中する十字状域を空胴 に形成したことを特徴とし、この十字状域に充填される樹脂量を削減し、却って 強度を増強できるように構成した。

【００１０】

【考案の実施の形態】

次に、本考案の実施の形態を図面に基づいて説明する。図１は一部を省略した ケース全体の斜視図、図２はポケット体の拡大斜視図、図３はポケット体を４個 連接した状態を示す拡大底面図、図４は図３Ｃ−Ｃ矢視方向の断面図である。

【００１１】 １はプラスチック材料を用いて成形された本願ケースであって、軟質の園芸鉢 ２を収容するポケット体３がマトリクス状（タテ６個、ヨコ４個）に連接されて いる。該ポケット体３は上枠４と側枠５と底枠６とからなる。

【００１２】 前記上枠４は四隅角部４ａが円弧状の方形を呈し、該上枠４の辺上縁４ｂにて 隣接するポケット体３、３が連結している。また、前記底枠６は円形の外枠６ａ と該外枠６ａの対向内縁間に短絡状に渡した内枠６ｂとからなる。該外枠６ａと 内枠６ｂは真円と楕円の組み合わせの如き意匠（模様）になっているが、要は、 前記園芸鉢２の底面を確実に受け得るとともに、該園芸鉢２の苗に散布した水を 溜めないような透かし模様になっているならば図示の形状に限らない。

【００１３】 前記側枠５は上枠４の辺下縁と、底枠６の外枠６ａの外縁とを連絡するための ものであって、その形状は特に問わないが、本実施例では高い強度が得られるよ うに変形逆Ｖ字状になっている。

【００１４】 前記上枠４の隅角部４ａの上縁には凹欠部７が設けられている。該凹欠部７は これを設けることにより上枠４の辺上縁４ｂを相対的に***させるためである。 即ち、上枠４の辺上縁４ｂを積極的に***させた場合より本願ケース１の取り扱 い者に対して優しい形状（安全性保持上）となるからである。

【００１５】 前記底枠６の下面、特に、外枠６ａの下面には十文字状に凹溝８が形成されて いる。該凹溝８はその溝部分以外の部位８′の肉厚を増加させることにより相対 的に溝となるようにしている。これも本願ケース１の取り扱い者に対する安全性 保持のためである。該凹溝８の深さは１ｍｍ〜２ｍｍ程度で充分である。

【００１６】 前記凹溝８の溝幅Ａは、上枠４の辺上縁４ｂの厚みＡ′に嵌合できるように決 定されている。即ち、本願ケース１を上下に重ねる場合において、ケース１の一 方を長さ方向又は幅方向にポケット体３の中心を半ピッチ分ズラしたときに凹溝 ８と上枠４の辺上縁４ｂが合致できるようになっている。

【００１７】 また、前記上枠４の円弧状の隅角部４ａが集中する十字状域９は図２に示す如 く、空胴に形成されている。これは本願ケース１の全重量の軽量化と原料費の節 約のために有効であるとともに、上枠４の隅角部４ａは残った梁状の骨枠の組合 わせにより、却って強度を高めているため、強度的には全く問題ない。

【００１８】 なお、前記上枠４の隅角部４ａのうち、本願ケース１の隅角部が重なるＴ字状 域１０及びＬ字状域１１は面積も小さいことから必ずしも空洞にしなくてもよい が、空胴に構成してもよい。

【００１９】

【考案の効果】

以上の如く、本考案は、上枠と側枠と底枠とからなるポケット体を、上枠の隣 接辺にてマトリクス状に連接してなる園芸鉢収容ケースにおいて、前記ポケット 体の上枠の隅角部の上縁に凹欠部を設ける一方、前記底枠の下面に上枠の連接辺 の上縁に嵌入できる凹溝を設けたことを特徴としているから、ケースを各ポケッ ト体の中心が半ピッチ分ズラせて重ねたときに係合して横滑りさせないための手 段が、底枠の下面に設けた凹溝と、上枠の辺上縁とで構成され、従って、たとえ 成形時にバリが生じたとしても尖ってしまうことがなく、ケースの取り扱い者に 対して安全性を害することがないという優れた効果を奏するものである。

【００２０】 また、請求項２に記載の考案は、前記上枠の隅角部が集中する十字状域を空胴 に形成したことを特徴としているから、全重量の軽量化と低コスト化が実現でき るという優れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】一部を省略した本願ケース全体の斜視図であ
る。

【図２】ポケット体の拡大斜視図である。

【図３】ポケット体を４個連接した状態を示す拡大底面
図である。

【図４】図３Ｃ−Ｃ矢視方向の断面図である。

【符号の説明】

１ 本願ケース ２ 園芸鉢 ３ ポケット体 ４ 上枠 ４ａ 四隅角部 ４ｂ 辺上縁 ５ 側枠 ６ 底枠 ６ａ 外枠 ６ｂ 内枠 ７ 凹欠部 ８ 凹溝 ９ 十字状域 １０ Ｔ字状域 １１ Ｌ字状域

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上枠と側枠と底枠とからなるポケット体
   を、上枠の隣接辺にてマトリクス状に連接してなる園芸
   鉢収容ケースにおいて、前記ポケット体の上枠の隅角部
   の上縁に凹欠部を設ける一方、前記底枠の下面に上枠の
   連接辺の上縁に嵌入できる凹溝を設けたことを特徴とす
   る園芸鉢収容ケース。
2. 【請求項２】 前記上枠の隅角部が集中する十字状域を
   空胴に形成したことを特徴とする請求項１に記載の園芸
   鉢収容ケース。