JP3056420B2 - 熱転写記録媒体 - Google Patents

熱転写記録媒体

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JP3056420B2 JP8195527A JP19552796A JP3056420B2 JP 3056420 B2 JP3056420 B2 JP 3056420B2 JP 8195527 A JP8195527 A JP 8195527A JP 19552796 A JP19552796 A JP 19552796A JP 3056420 B2 JP3056420 B2 JP 3056420B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はサーマルヘッドプリ
ンタなどの熱源で、支持体上の熱転写インク層を被転写
媒体に転写し、画像を形成するための熱転写記録媒体に
関するものであり、特にプラスチックフィルムなどの被
転写媒体上に良好に転写することができ、転写された画
像が機械的な耐擦性などにも優れ、かつ、複数の色の熱
転写インク層を重ねて印刷したときにも、熱転写インク
層の光透過性が良好で、きれいな層状構成をなし得るた
めに、色再現性に優れている感熱転写記録媒体に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】サーマルヘッドを用いた熱転写記録方式
は、ラベルプリンター、発券機、ワードプロッセッサー
等さまざまな用途に使用されるようになってきている。
これらの用途拡大にともない印字物を使用する環境が、
従来使用されていた環境よりも過酷な環境で使用される
ようになってきている。
【0003】また、印字物がより過酷な環境下で使用さ
れることにともない、被転写媒体も従来の紙などから、
より環境依存性のないプラスチックフィルムなどへの使
用が拡大されている。被転写媒体が特殊なものになる
と、従来のワックスを中心とする熱転写インク組成のリ
ボンでは、良好な転写ができなかったり、転写はするも
のの印字物が簡単な擦過でとれてしまい、必要なだけの
機械的な耐擦性を満足していないなどの問題点が生じて
いた。
【0004】特に高級感を求める印刷物、ポスター、看
板等の分野では、転写物の色の再現性や色ムラなどに厳
しい制約があり、従来の熱転写リボンではこれらの要求
に対して満足するものはなかった。
【0005】また、従来の熱転写リボンでは、同一被転
写媒体上に転写を繰り返して熱転写インク層を重ねて色
を表現しようとする場合において、熱転写インクの軟化
点や溶融時の粘度が低いなどのために、2度以上の重ね
印字をする際に、重ね印字の際のサーマルヘッドの熱量
のために、先に印字された転写インク層の組成物が溶け
てしまい、インク混ざりによる色ムラや、インクはじき
が発生し、さらにひどくなると、転写できないものがで
てくるなどの不具合を生じていた。
【0006】この対策として、複数回転写するインクを
全て被転写媒体である紙に浸み込ませて、インクの混ざ
った状態を作り、色表現を行ったり、1度目2度目3度
目と転写の重ねに応じてプリンタ側の転写エネルギーを
下げ、転写性を良好な状態に保つなど、細かな機械的、
電気的制御を必要としていた。また、転写の重ね回数、
順番に応じて、転写するインク層の軟化温度を変え、転
写性と色再現性を両立させようと試みたものもある。
【0007】しかし、これらの対策にいたっても、被転
写媒体が紙のような素材で構成される場合では良好であ
るが、プラスティック基材などのような熱転写インクの
転写時の吸収性が少ない素材には、良好な効果が出ない
などの欠点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】サーマルヘッドを用い
た熱転写印字による印字物を使用する環境が、上述のよ
うに、従来使用されていた環境よりも過酷な環境で使用
されるようになってきている。例えば、過酷な室温下で
の使用や、印字物を機械的に擦過するような環境下での
使用などである。
【0009】それにともない、上述のように被転写媒体
に耐久性のある特殊なものを使用するようにもなってお
り、プラスチックフィルムなどへの良好な転写や、印字
されたものが必要なだけの耐久性を持つ印字物を得るこ
と、さらに、同一被転写媒体上に、転写を繰り返して熱
転写インク層を重ねて色を表現する場合において、イン
ク混ざりによる色ムラや、インクはじきが出てしまった
り、インクを重ねたことによる定着性の弱さなどに課題
が生じていた。
【0010】つまり、耐久性のあるプラスチックフィル
ムなどの被転写媒体にも良好な熱転写が行え、さらに印
字されたものが十分な機械的耐擦性を持つ印字物を得な
がら、かつ、同一被転写媒体上に、転写を繰り返して熱
転写インク層を重ねて色を表現する場合において、イン
ク混ざりによる色ムラや、インクはじきが出ないような
印字を得ること、インクを重ねた場合でも十分な耐擦性
をもつことの全てを満たすものを得ることに大きな課題
が生じており、その課題を達成するためには、熱転写記
録媒体、いわゆるインクリボンの熱転写インク層成分に
大きな解決の鍵があると考えた。従来から転写インク成
分の組成の研究は行われているが、本発明に要求される
水準に達するような提案は未だなされていない。本発明
の目的は、まさにこの解決手段を提案することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、支持体上に少なくとも着色剤と熱可塑性
樹脂からなる熱転写インク層を設けた熱転写記録媒体に
おいて、上記熱可塑性樹脂が特定の粘弾性特性を持つも
のを用いることによって、本発明を完成した。すなわ
ち、本発明は、 「1.支持体上に少なくとも着色剤と熱可塑性樹脂から
なる熱転写インク層を設けた熱転写記録媒体において、
上記熱可塑性樹脂が、100〜150℃の温度範囲全域
軟化状態にあり、かつ、100〜150℃の温度範囲
全域における線形粘弾性領域での周波数1Hzの粘弾性
測定で、下記(イ)(ロ)の挙動を示すことを特徴とす
複数の色の熱転写インク層を重ねて印刷し、多色の印
字を行う熱転写記録媒体。 (イ)tanδが1.7以上 (ロ)複素動的粘性率が10〜20000Pa・S 2.着色剤が少なくとも顔料からなり、該顔料が、有機
顔料からなる第1項に記載の熱転写記録媒体。 3.着色剤が少なくとも無機顔料からなり、該無機顔料
の屈折率Npとビヒクルの屈折率Nrとの比が、 Np/Nr=1.12〜1.00 の範囲にあることを特徴とする第1項に記載の熱転写記
録媒体。」である。
【0012】上記構成によれば、上記熱転写記録媒体を
用いて、サーマルプリンタなどを用いて、プラスチック
基材等の被転写媒体上に複数の色を重ねて熱転写する際
に、転写インク層が各々きれいな層状構成をなすため、
良好な重ね印字を行うことができ、かつ、印字後の画像
も強い機械的擦過などによっても、脱落、損傷すること
が無く、良好な印字状態を保つことができるものであ
る。
【0013】本発明の熱可塑性樹脂は、100〜150
℃の温度範囲には軟化状態にあり、かつ、100〜15
0℃の温度範囲における線形粘弾性領域での周波数1H
zの粘弾性測定で、tanδが1.7以上で、かつ、複
素動的粘性率が10〜20000Pa・Sの挙動を示す
物性を持つものである。
【0014】そのため、上記熱可塑性樹脂を用いた本発
明の熱転写記録媒体では、熱転写インク層を重ねて転写
する際には、インク組成物は全てきれいな層状の構成と
なり、被転写媒体として同一のプラスチック基材を用
い、転写を繰り返して熱転写インク層を重ねて色を表現
する場合においても、インク混ざりによる色ムラや、イ
ンクはじきが出ないような印字を得ることができるもの
である。
【0015】本発明の熱転写記録媒体は、100〜15
0℃の温度範囲全域において、軟化状態にある熱可塑性
樹脂を含む必要がある。この温度範囲の一部分または全
域において、軟化状態をとらない、つまり加熱時に低温
度側で固体状態を維持しているような軟化点の高いもの
は、転写時のプリンタから与えられる熱エネルギーでは
十分に熱転写できるほど軟化せず転写不足が生じ、転写
時のエネルギー量が不足するため、印字物と被印字媒体
との密着性が悪くなり、軽い機械的擦過で印字が脱落し
てしまう。
【0016】また、100〜150℃の温度範囲におけ
る線形粘弾性領域での周波数1Hzの粘弾性測定で、t
anδが1.7以上、複素動的粘性率が10〜2000
0Pa・Sの熱可塑性樹脂を含む熱転写インク組成物で
あることが重要である。
【0017】ここで、線形粘弾性領域とは、レオメータ
ーの振動法による粘弾性測定において、例えばサイン波
の力を試料に与えた場合に、その測定時に与えるトル
ク、周波数、測定ジェオメトリーのギャップ等の条件設
定を適正にし、検出される位相のずれが安定な連続した
サイン波として得られる領域のことをいう。また、ここ
で得られる複素動的粘性率の値は、一般的な回転測定法
で得られる粘度の値と比較的近い値を示す。
【0018】本発明において、測定に与える周波数は1
Hzを代表として用いている。この理由は、実際の熱転
写時の挙動に近似した領域を想定した場合の適正な周波
数が1Hzを含むと考えられることによる。
【0019】粘弾性測定におけるtanδは損失弾性率
の値を貯蔵弾性率の値で割ったもので、tanδが大き
くなれば、その試料の物性は粘性成分が大きいと云うこ
とになり、tanδが小さくなれば、弾性成分が大きい
と云うことになる。
【0020】本発明では、tanδが1.7以上、つま
り比較的大きな粘性応答を示す熱可塑性樹脂を含むイン
ク組成物であることが必須である。加熱軟化時にtan
δが1.7以上の物性を示す熱可塑性樹脂を含むインク
組成物は、プラスチックフィルムなどの従来転写しにく
いとされていた被転写媒体上や、多少転写エネルギー不
足である時にも、良好な転写性を得られ、何よりも同一
被転写媒体上に、転写を繰り返して熱転写インク層を重
ねて色を表現する場合においても、転写インク層が各々
きれいな層状構成をなし、インクはじきなどが出ること
なく、重ね印字物の耐擦性も良好な印字を得ることがで
きる。
【0021】逆にtanδが1.7を下回ると、弾性応
答が強くなりすぎてしまうため、転写時に良好な転写を
するために十分な流動性を得ることができないため、転
写不良が起きる傾向が増大する。また、転写できたとし
ても、良好に転写できる被転写媒体や、印字エネルギー
の幅に制限が出たりするため問題が生ずる。tanδ
は、3以上であればさらに好ましい。
【0022】また、本発明に使用する熱可塑性樹脂は、
さらに100℃〜150℃の温度範囲での粘弾性測定で
複素動的粘性率が10〜20000Pa・Sであること
が求められる。この範囲内にあると、被転写媒体上に直
接転写する際にも転写インク層がきれいな層状構成をな
し、良好な転写性が得られるばかりでなく、転写を繰り
返して熱転写インク層を重ねて色を表現する場合におい
ても、やはり、各々きれいな層状構成をなし得るため、
重ね印字の際のサーマルヘッドの熱量のために、先に印
字された転写インク層の組成物が溶けてしまうことによ
る、インク混ざりの色ムラや、インクはじきが発生する
ことがなく、重ねて印字されたものの耐擦性も良好な多
色印字を行うことができる。複素動的粘性率は、20〜
5000Pa・Sであればさらに好ましい。
【0023】逆にこの範囲より下回ると、加熱溶融時の
流動性が大きくなりすぎて、転写時にかかる転写力によ
って、転写後の熱転写インク層が、きれいな層状構成を
なし得ないため、色彩の濃淡や、色ムラが生ずることと
なり好ましくない。さらに、熱転写インク層を重ねて色
を表現する場合においても、転写すべき箇所に存在する
インク層がきれいな層状構成を形成していないため、凹
凸などを生じており、その上には良好な熱転写は行い難
い。また、重ね印字の際のサーマルヘッドの熱量のため
に、先に印字された転写インク層の組成物が流動してし
まい、インク混ざりによる色ムラや、インクはじきが発
生してしまったり、重ね印字後の耐擦性も弱くなる傾向
になり好ましくない。
【0024】この範囲より上回ると、加熱溶融時の熱転
写に必要なだけのインク組成物の流動性が得られなくな
り、転写不良が起きる傾向が増大する。また、転写でき
たとしても、良好に転写できる被転写媒体や、大きな印
字エネルギーが必要になるなどの制限が出たりするため
問題が生ずる傾向になり好ましくない。
【0025】本発明では、熱転写インク組成物を上記の
ような物性の熱可塑性樹脂を用いて構成するが、熱可塑
性樹脂の性能に影響を与えない範囲で他の樹脂や各種添
加剤などを添加することもできる。また、性能の良い熱
転写インク層を構成するためには、その他の成分も考慮
する必要がある。
【0026】本発明の熱転写インク層は少なくとも着色
剤と熱可塑性樹脂とからなる。着色剤としては、顔料が
屋外暴露などの紫外線が照射される環境下での印字物の
使用の際に耐光性がよく、熱転写インク層自体の機械的
強度も良好なため好ましい。使用する顔料としては、カ
ーボンブラック、群青、クロム黄、カドミウム黄、ハン
ザイエロー、ジスアゾイエロー、パーマネントレッド、
アリザリンレーキ、キナクリドンレッド、ベンズイミダ
ゾロンレッド、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアア
ニンブルー、フタロシアニングリーン、ジオキサジンバ
イオレットなどの顔料の1種または2種以上が利用でき
る。
【0027】また、本発明の熱転写記録媒体は、転写さ
れる熱転写インク層の光透過性が各々良好であると、転
写物の重なりの部分で、非常に色表現性が優れた印刷物
を得ることができる。
【0028】顔料は有機顔料であれば、それ自体の光透
過性が良いために、転写を繰り返して熱転写インク層を
重ねて色を表現する場合においても、各々の層の色調を
正確に表現し、重なった部分においては、各インク層の
色調が均一にかつ正確な減法混色法による混色が得ら
れ、多彩な有彩色を表現することができる。
【0029】また、顔料が無機顔料の場合は、光透過性
が悪い顔料もあり、そのような顔料を用いた場合は、良
好な重ね多色印字を行うことが容易でなくなる。顔料に
無機顔料を使用する場合は、無機顔料の屈折率Npとビ
ヒクルの屈折率Nrとの比が Np/Nr=1.12〜1.00 の範囲にある顔料とビヒクルの組合せを用いると良好な
多色印字を行うことができる。
【0030】両者の屈折率の差がこの範囲より大きい
と、光の透過性が悪くなる、つまり熱転写インク層の隠
蔽性が大きくなりすぎるために、転写を繰り返して熱転
写インク層を重ねて色を表現する場合において、重なっ
た部分の外側のインク層が先に転写されたインク層の色
調を隠蔽してしまい、先に転写されたインク層の色表現
が正確にできなくなるため、正確な減法混色法による混
色が得らなくなり、所望の多色を表現することができな
くなるので好ましくない。
【0031】本発明の熱転写記録媒体を用い、重ねて印
字を行う場合は、用いる複数の熱転写インク層の各成分
は、各層において異種の成分を用いることも可能である
し、同種の成分で構成することも可能である。熱感度制
御の点や、塗工の面で、同種の成分で各層のインクを構
成した方が好ましい。
【0032】本発明で使用する熱可塑性樹脂としては、
塩化ビニル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコ
ール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン
ーメタクリル酸−アクリル酸コポリマー、エチレン−酢
酸ビニルコポリマー、エチレン−エチルアクリレートコ
ポリマー、ポリスチレン−ポリイソプレンコポリマー等
が挙げられる。
【0033】また、添加するワックスとしてはパラフィ
ンワックス、キャンデリラワックス、マイクロクリスタ
リンワックス、ポリエチレンワックス、ミツロウ、カル
ナバワックス、ゲイロウ、モクロウ、ヌカロウ、モンタ
ンワックス、オゾケライト、セレシン、エステルワック
ス、フィッシャートロプスワックスなどの天然または合
成ワックス、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、フロメン酸、ベヘニン酸、ラウリン酸、マルガリン
酸等の高級脂肪酸ワックス、ステアリンアミド、オレイ
ンアミド等のアミドワックスなどが挙げられる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の熱転写記録媒体
を具体的に説明する。
【0035】熱転写記録媒体の支持体としては、従来公
知の各種プラスチックフィルムが使用可能であるが、本
発明の熱転写記録媒体には、裏面に耐熱滑性層を設けた
2.5〜6.0μm程度のポリエステルフィルムが使用
できる。
【0036】本発明の熱転写記録媒体は、支持体上に、
上記熱転写インク層を設けることにより構成されるが、
インク層の製造手段としては、特に規定はなく、水系ま
たは油系などの溶媒中に分散、溶解させ、塗布液を調製
し、グラビアコーター、ワイヤーバーコーター、エアー
ナイフコーターなどの塗工方法で所要の塗工厚に塗工し
熱転写記録媒体を得ることができる。
【0037】支持体上に、熱転写インク層を設けるにあ
たっては、支持体全面に単一色の熱転写インクを塗工
し、モノカラーのリボンを構成しても良く、一つの支持
体上に複数の色の転写インク層をブロック状に順次設け
ても良い。
【0038】本発明の熱転写記録記録媒体を複数用いて
複数の色の重ね印字を行う際には、下記のような操作で
印字を行う。支持体全面に単一色の熱転写インクを塗工
したモノカラーのリボンを使用した場合には、一つのサ
ーマルヘッドで印字する際には、第1のリボンで印字を
行い、その後リボンを掛け替え、一度印字された被転写
媒体を引き戻し、第2のリボンで印字を行う操作をす
る。3色以上の印字の際には順に同様な操作をし、多色
の熱転写記録を行うことができる。
【0039】一つの支持体上に複数の色の転写インク層
をブロック状に順次設けたリボンを使用すると、専用の
プリンタを必要とするが、リボンを掛け替える必要がな
く、簡略に多色印字を行うことができる。
【0040】本発明の熱転写インク層には、さらに印字
耐擦性、リボン走行性、リボン保存性などの諸性能を向
上させるため、本発明の基本性能を低下させない範囲に
おいて、添加剤を配合しても良い。配合量は、添加剤の
種類によって変わるが、熱転写インク全体に対し20重
量%以下が好ましい。
【0041】熱転写インク層の塗工厚は1.0〜3.0
μm程度が重ね印字を含めた良好な色表現のためには好
ましい。
【0042】本発明の熱転写記録媒体は、支持体上に熱
転写インク層を設けることが必須であるが、支持体上と
熱転写インク層の間に離型層などの機能層を設けるなど
のその他の層を設けても良い。
【0043】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明は以下の実施例によって限定されるものでは
ない。なお、以下実施例及び比較例中の「部」は、特に
ことわらない限り全て重量による。
【0044】実施例1 厚さ4.5μmのポリエステルフィルムの片面に耐熱滑
性層を形成して支持体とし、支持体の耐熱滑性層の逆面
に、以下の構成の熱転写インク層成分をトルエン・メチ
ルエチルケトン(5・5比)の溶媒下で固形分30%に
なるように調製し、グラビアコーターにて塗工厚2.0
μmとなるように塗工、乾燥させ、黒色の熱転写インク
層を作製した。 (熱転写インク層成分) ポリエステル樹脂(注1) 75部 カーボンブラック 20部 分散剤 5部 (注1)ガラス転移点55℃、分子量5000 100〜150℃の粘弾性測定における測定値 tanδ=3.00〜57.0 複素動的粘性率=95〜13400Pa・S
【0045】実施例2 実施例1と同様にそれぞれ以下に記載の構成の熱転写イ
ンク層成分を支持体上に形成してシアン色の熱転写イン
ク層を作製し、熱転写記録媒体を得た。 (熱転写インク層成分) ポリエステル樹脂(注1) 60部 ポリエチレンワックス(注2) 15部 フタロシアニンブルー(有機顔料) 20部 分散剤 5部 (注2)融点110℃の酸化ポリエチレンワックス
【0046】実施例3 実施例1と同様にそれぞれ以下に記載の構成の熱転写イ
ンク層成分を支持体上に形成してマゼンタ色の熱転写イ
ンク層を作製し、熱転写記録媒体を得た。 (熱転写インク層成分) 塩ビ/酢ビ/ヒドロキシアクリレート樹脂(注3) 60部 ポリエチレンワックス(注2) 15部 キナクリドンレッド(有機顔料) 8部 ベンズイミダゾロンレッド(有機顔料) 12部 分散剤 5部 (注3)ガラス転移点53℃、分子量5500 100〜150℃の粘弾性測定における測定値 tanδ=3.2〜19.0 複素動的粘性率=37〜3800Pa・S
【0047】実施例4 実施例1と同様にそれぞれ以下に記載の構成の熱転写イ
ンク層成分を支持体上に形成してイエロー色の熱転写イ
ンク層を作製し、熱転写記録媒体を得た。 (熱転写インク層成分) ポリエステル樹脂(注1) 60部 ポリエチレンワックス(注2) 15部 ジスアゾイエロー(有機顔料) 20部 分散剤 5部
【0048】実施例5 実施例1と同様にそれぞれ以下に記載の構成の熱転写イ
ンク層成分を支持体上に形成して青色の熱転写インク層
を作製し、熱転写記録媒体を得た。 (熱転写インク層成分) 塩ビ/酢ビ/ヒドロキシアクリレート樹脂(注3) 65部 ポリエチレンワックス(注2) 10部 群青(注4) 20部 分散剤 5部 (注4)無機顔料、屈折率(Np)=1.56 ビヒクルの屈折率(Nr)=1.53 Np/Nr=1.02
【0049】実施例6 実施例1と同様にそれぞれ以下に記載の構成の熱転写イ
ンク層成分を支持体上に形成して紫色の熱転写インク層
を作製し、熱転写記録媒体を得た。 (熱転写インク層成分) 塩ビ/酢ビ/ヒドロキシアクリレート樹脂(注3) 55部 ポリエチレンワックス(注2) 10部 ジオキサジンバイオレット(有機顔料) 20部 体質顔料(注5) 10部 分散剤 5部 (注5)炭酸カルシウム粉末(無機顔料)、屈折率(Np)=1.60 ビヒクルの屈折率(Nr)=1.53 Np/Nr=1.05
【0050】比較例1 実施例1と同様にそれぞれ以下に記載の構成の熱転写イ
ンク層成分を支持体上に形成して黒色の熱転写インク層
を作製し、熱転写記録媒体を得た。 塩ビ/酢ビ/ビニルアルコール共重合体(注6) 60部 ポリエチレンワックス(注2) 15部 カーボンブラック 20部 分散剤 5部 (注6)ガラス転移点70℃、分子量20000 100〜150℃の粘弾性測定における測定値 tanδ=0.26〜1.4 複素動的粘性率=3180〜21800Pa・S
【0051】比較例2 実施例1と同様にそれぞれ以下に記載の構成の熱転写イ
ンク層成分を支持体上に形成して青色の熱転写インク層
を作製し、熱転写記録媒体を得た。 塩ビ/酢ビ/ヒドロキシアクリレート共重合体(注7) 60部 ポリエチレンワックス(注2) 15部 フタロシアニンブルー(有機顔料) 20部 分散剤 5部 (注7)ガラス転移点70℃、分子量20000 100〜150℃の粘弾性測定における測定値 tanδ=0.53〜8.1 複素動的粘性率=430〜36500Pa・S
【0052】比較例3 実施例1と同様にそれぞれ以下に記載の構成の熱転写イ
ンク層成分を支持体上に形成して黒色の熱転写インク層
を作製し、熱転写記録媒体を得た。 テルペン樹脂(注8) 50部 エチレン/酢ビ共重合体(注9) 15部 ポリエチレンワックス(注2) 10部 カーボンブラック 20部 分散剤 5部 (注8)ガラス転移点28℃、分子量630 100〜150℃の粘弾性測定における測定値 tanδ=11.4〜57.2 複素動的粘性率=0.8〜20Pa・S (注9)ガラス転移点−31℃、分子量14000 100〜150℃の粘弾性測定における測定値 tanδ=3.1〜6.8 複素動的粘性率=50〜210Pa・S
【0053】実施例7 上記、実施例2、3、4に記載のシアン、マゼンタ、イ
エローの熱転写インクを、各々実施例と同様な支持体上
にグラビアコーターを用いて、ブロック状に順次塗り分
けて、3色の熱転写記録媒体を得た。
【0054】以上のように調製した熱転写記録媒体を熱
転写プリンターに装着し、白色ポリエステルラベル、塩
ビラベル、ユポラベル、ピーチコートラベル、銀ネーマ
ラベルらの被転写媒体を用い、8dot/mm、0.2
〜0.4mj/dot、2inch/minの印字条件
にて各熱転写記録媒体によるランダムな重ね印字を含め
た印字を行い、印字物を得た。印字結果を表1に示す。
【0055】また、実施例2の熱転写記録媒体を熱転写
プリンターに装着し、白色ポリエステルラベルに8do
t/mm、0.2〜0.4mj/dot、2inch/
minの印字条件にて印字を行った後に、実施例3の熱
転写記録媒体に掛け替え、実施例3の熱転写インクを同
一ラベル上に重ねて印字し、多色の印字物を得た。
【0056】実施例2および、実施例3、実施例4の熱
転写記録媒体を3つの印字ヘッドを持つマルチヘッド熱
転写プリンターに各々装着し、白色ポリエステルラベル
に8dot/mm、0.2〜0.4mj/dot、2i
nch/minの印字条件にて同一ラベル上にそれぞれ
のインク層を重ねて印字を行い、多色の印字物を得た。
【0057】さらに、実施例7の熱転写記録媒体を多色
印字用の熱転写プリンターに装着し、白色ポリエステル
ラベルに8dot/mm、0.2〜0.4mj/do
t、2inch/minの印字条件にてシアン色のブロ
ックのインク層を転写した後、ラベルを巻き戻し、マゼ
ンタ色のブロックのインク層をシアン色の転写物と一部
重ねて転写し、さらに同様にラベルを巻き戻した後、イ
エロー色のブロックのインク層をそれぞれ転写済のイン
ク層部分と一部重なるように転写し、同一ラベル上に多
色の印字物を得た。
【0058】
【表1】 ここで第1回目の印字である一次転写性、重ね印字にお
ける転写性・色の表現性、印字物の耐擦性は以下のよう
な試験方法によって評価を行った。 一次転写性:熱転写プリンターで未印字の被転写媒体上
に印字を行った後にその印字物を50倍の顕微鏡で拡大
し、視覚にて印字パターンに忠実に転写しているかどう
かを見た。 重ね印字における転写性:熱転写プリンターで既に熱転
写されている被転写媒体の熱転写インク上に印字を行っ
た後に、その印字物を50倍の顕微鏡で拡大し、視覚に
て印字パターンに忠実に転写しているかどうかを見た。 重ね印字における色の表現性:熱転写プリンターで既に
熱転写されている被転写媒体の熱転写インク上に印字を
行った後に、その印字物が、減法混色法による所望の色
表現をしているかどうか、色ムラなどはないかを見た。 印字物の耐擦性:熱転写プリンターで印字を行った後
に、その印字物を200gの荷重をかけた1cm角のフ
ェルト/φ2mmのスチールボールで100往復擦過し
たときの印字物の状態を観察した。
【0059】表1から明らかなように、実施例1〜7に
示した本発明の熱転写記録媒体で印字された印字物は、
いずれも一次転写性に優れ、かつ重ね印字における転写
性、色の再現性も良く、印字物の耐擦性も優れた熱転写
記録媒体である。
【0060】これに対し、比較例1および2の熱転写記
録媒体による印字物は、加熱時、弾性応答が強すぎるた
めに転写性は悪かった。また、転写できた部分の耐擦性
は比較的良好であった。
【0061】比較例3の熱転写記録媒体については、一
次転写性は優れていたが、重ね印字における転写性につ
いては、これらのインク層上に再印字を行おうとする
と、これらのインク層が溶融してしまい、インク混ざり
による色ムラや、インクはじきによる転写不良が見られ
た。また、印字物の耐擦性も劣るものであった。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の熱転写記
録媒体は、支持体上に少なくとも着色剤と熱可塑性樹脂
からなる熱転写インク層を設けた熱転写記録媒体におい
て、上記熱可塑性樹脂が特定の粘弾性特性を持つものを
用いることによって、熱転写しにくい表面上状態を持つ
被印字媒体などにも、良好な印字ができ、複数の色を重
ねて熱転写する際にも、転写インク層が各々きれいな層
状構成をなすため、良好な重ね印字を行うことができ、
かつ、印字後の画像も強い機械的擦過などによっても、
脱落、損傷することが無く、良好な印字状態を保つこと
ができる優れた効果を奏するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/38 - 5/40

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも着色剤と熱可塑性
    樹脂からなる熱転写インク層を設けた熱転写記録媒体に
    おいて、上記熱可塑性樹脂が、100〜150℃の温度
    範囲全域で軟化状態にあり、かつ、100〜150℃の
    温度範囲全域における線形粘弾性領域での周波数1Hz
    の粘弾性測定で、下記(イ)(ロ)の挙動を示すことを
    特徴とする複数の色の熱転写インク層を重ねて印刷し、
    多色の印字を行う熱転写記録媒体。 (イ)tanδが1.7以上 (ロ)複素動的粘性率が10〜20000Pa・S
  2. 【請求項2】 着色剤が少なくとも顔料からなり、該顔
    料が、有機顔料からなる請求項1に記載の熱転写記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 着色剤が少なくとも無機顔料からなり、
    該無機顔料の屈折率Npとビヒクルの屈折率Nrとの比
    が、 Np/Nr=1.12〜1.00 の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の熱転写
    記録媒体。
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