JP3053713B2 - 2−(フルフリルチオ)酢酸の製造方法 - Google Patents

2−(フルフリルチオ)酢酸の製造方法

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JP3053713B2 JP5155630A JP15563093A JP3053713B2 JP 3053713 B2 JP3053713 B2 JP 3053713B2 JP 5155630 A JP5155630 A JP 5155630A JP 15563093 A JP15563093 A JP 15563093A JP 3053713 B2 JP3053713 B2 JP 3053713B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、次式(II)
【0002】
【化3】
【0003】で表わされる2−(フルフリルチオ)酢酸
の製造方法に関するものである。上記の式(II)で表わ
される2−(フルフリルチオ)酢酸は、医薬品、農薬あ
るいは各種機能材料などの製造中間体として有用な化合
物である。
【0004】
【従来技術およびその問題点】前記の式(II)で表わさ
れる2−(フルフリルチオ)酢酸は、医薬品、特に抗消
化性潰瘍剤を製造するための中間体として知られている
[特開昭62−153268号公報]。
【0005】従来、前記の式(II)で表わされる2−
(フルフリルチオ)酢酸は、フルフリルメルカプタンと
クロロ酢酸をアルコール−水混合溶媒中で水酸化ナトリ
ウムなどの塩基を用いて縮合させるか[Dokl.ch
em.(Engl.Transl.),142,(19
62),38]、前記の一般式(I)で表わされる2−
(フルフリルチオ)酢酸エステルをアルコール−水混合
溶媒中で水酸化カリウムなどの塩基を用いて加水分解す
ることにより製造されていた[特開昭62−15326
8号公報]。
【0006】しかしながら、従来のいずれの製造方法に
おいても、反応溶媒としてアルコールを使用することか
ら、反応終了後、アルコールを留去して水と混和しない
有機溶媒と置換した後、後処理を行なわなければなら
ず、さらに、前者のフルフリルメルカプタンとクロロ酢
酸の反応においては、多量のタール状化合物が副生し、
その精製のために蒸留などを行なわなければならないな
ど操作が非常に煩雑であり、また、そのために工程数が
多くなるなど工業的製造方法としては問題の多い方法で
ある。
【0007】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、かかる
従来の製造方法の問題点に鑑み、鋭意検討を行なった結
果、反応溶媒として水と混和しない溶媒を使用してもア
ルカリ金属水酸化物の水溶液により2−(フルフリルチ
オ)酢酸エステルを容易に加水分解することができ、目
的の2−(フルフリルチオ)酢酸を高純度で製造するこ
とが可能であり、また、それにより反応終了後の後処理
操作を非常に簡略化できることを見出し、本発明に到達
した。
【0008】すなわち、本発明は、一般式(I)
【0009】
【化4】
【0010】(式中、Rはアルキル基を示す。)で表わ
される2−(フルフリルチオ)酢酸エステルを水と混和
しない溶媒中でアルカリ金属水酸化物の水溶液により加
水分解することを特徴とする次式(II)
【0011】
【化5】
【0012】で表わされる2−(フルフリルチオ)酢酸
の製造方法である。本発明の原料である前記の一般式
(I)で表わされる2−(フルフリルチオ)酢酸エステ
ルは、例えば、フルフリルメルカプタンとクロロ酢酸メ
チルとをアセトニトリルなどの水と混和する非プロトン
性有機溶媒中で塩基を用いて縮合することにより製造す
ることができる。本発明者らは、この製造方法について
鋭意検討を行なった結果、水と混和しない溶媒中でも塩
基およびクラウンエーテル類やポリエチレングリコール
類などの相間移動触媒を添加することにより容易に前記
の一般式(I)で表わされる2−(フルフリルチオ)酢
酸エステルを製造することができることを既に見出して
いる。この本発明の原料である2−(フルフリルチオ)
酢酸エステルとしては、例えば、2−(フルフリルチ
オ)酢酸メチル、2−(フルフリルチオ)酢酸エチル、
2−(フルフリルチオ)酢酸プロピルなどを挙げること
ができるが、加水分解の容易性を考慮に入れると2−
(フルフリルチオ)酢酸メチル、2−(フルフリルチ
オ)酢酸エチルが好ましい。
【0013】本発明の生成物である前記の式(II)で表
わされる2−(フルフリルチオ)酢酸は、前記の一般式
(I)で表わされる2−(フルフリルチオ)酢酸エステ
ルを水と混和しない溶媒中でアルカリ金属水酸化物の水
溶液により加水分解することにより製造することができ
る。
【0014】本発明で使用されるアルカリ金属水酸化物
としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
などを挙げることができる。アルカリ金属水酸化物の使
用量は、原料の2−(フルフリルチオ)酢酸エステルに
対して1当量以上あればよく、通常は1当量〜2当量と
するのがよい。2当量より多く添加しても反応にさほど
変化はなく、また、後処理で中和酸性とする際に多量の
酸が必要となり、経済的に不利になるだけであるので好
ましくない。より好ましくは1当量〜1.5当量使用す
るのがよい。
【0015】また、アルカリ金属水酸化物は水溶液とし
て添加するが、その濃度には特に限定はなく、いかなる
濃度のものでも使用することができるが、濃度が低い場
合には、添加する水溶液の容量が大きくなって反応液全
体の容量が大きくなるため、好ましくない。好ましくは
4wt%〜飽和水溶液であるが、反応液全体の容量をで
きるだけ小さくするためには、より高濃度の水溶液を使
用するのがよい。
【0016】本発明で使用される反応溶媒は、水と混和
しない有機溶媒であり、例えば、ベンゼン、トルエン、
キシレンなどの芳香族炭化水素類、ヘキサン、シクロヘ
キサンなどの炭化水素類、ジエチルエーテル、ジブチル
エーテルなどのエーテル類、四塩化炭素、1,2−ジク
ロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類などを使用する
ことができる。これらの水と混和しない有機溶媒を使用
するため、反応液は二層系となるが、反応に影響はな
く、二層系でも容易に加水分解され、目的の2−(フル
フリルチオ)酢酸を得ることができる。
【0017】また、これらの水と混和しない有機溶媒が
存在すると、原料である2−(フルフリルチオ)酢酸エ
ステルは有機溶媒中に溶解し、生成物である2−(フル
フリルチオ)酢酸はアルカリ金属塩として水に溶解する
ことから、有機溶媒中の原料である2−(フルフリルチ
オ)酢酸エステルが消失したことをガスクロマトグラフ
ィーなどで分析することにより反応の終点を容易に知る
ことができる。また、生成物である2−(フルフリルチ
オ)酢酸がアルカリ金属塩として水層に溶解しているた
め、この水と混和しない不活性有機溶媒は中性不純物の
洗浄除去溶媒として用いることもできるので、本発明方
法は工業的に非常に有利な2−(フルフリルチオ)酢酸
の製造方法となる。
【0018】本発明における反応温度は、特に限定はな
いが、0℃〜100℃が好ましい。0℃より低い温度で
は反応速度が遅く、反応時間が非常に長くなるため、好
ましくない。また、100℃より高い温度では分解が激
しくなり、収率低下の原因となり、また、場合によって
は蒸留などによる精製が必要となり、後処理に負担がか
かるため、好ましくない。より効率よく反応を行なうに
は10℃〜50℃とするのが好ましい。
【0019】反応終了後の後処理は、反応溶媒に水と混
和しない有機溶媒を使用しているため、従来の方法のよ
うに反応溶媒として使用したアルコールを留去し、水と
混和しない有機溶媒と置換するなどの操作が不要であ
り、工程が短縮されるため、本発明方法は工業的に非常
に有利な前記の式(II)で表わされる2−(フルフリル
チオ)酢酸の製造方法である。
【0020】このようにして得られる前記の式(II)で
表わされる2−(フルフリルチオ)酢酸は、反応終了時
にはアルカリ金属塩となって水層に溶解しているため、
この水層のみを有機溶媒から分離、回収し、後処理で中
和酸性とすることにより油状物として析出させ、抽出す
ることにより定量的に純度よく回収することができる。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。参考例1 2−(フルフリルチオ)酢酸メチルの製造
【0022】
【化6】
【0023】フルフリルメルカプタン11.40g
(0.1mol)、クロロ酢酸メチル10.85g
(0.1mol)およびポリエチレングリコール−10
00(PEG−1000)0.11gをトルエン34.
2gに溶解し、無水炭酸カリウム13.82gを添加
し、95℃で5時間攪拌した。
【0024】冷却後、吸引濾過をすることにより塩を除
去し、溶媒を留去することにより褐色油状物19.47
gを回収した。これを減圧下、蒸留することにより無色
油状物として2−(フルフリルチオ)酢酸メチルを得
た。
【0025】収量16.21g 収率87.2% b.p.138℃/17mmHg GLC Pu.99.32%参考例2 2−(フルフリルチオ)酢酸メチルの製造 フルフリルメルカプタン8.55g(0.075mo
l)、クロロ酢酸メチル8.14g(0.075mo
l)および18−クラウン−6−エーテル0.03gを
トルエン100mlに溶解し、無水炭酸カリウム10.
37gを添加し、95℃で7時間攪拌後、冷却した。こ
のときの有機物組成をガスクロマトグラフィーで分析し
たところ、2−(フルフリルチオ)酢酸メチルは96.
69%であった。
【0026】次に、水50mlを加えて塩を溶解した
後、分液してトルエン層を回収し、この回収トルエン層
をそのまま実施例2に供した。実施例1 2−(フルフリルチオ)酢酸の製造
【0027】
【化7】
【0028】2−(フルフリルチオ)酢酸メチル34.
0g(0.183mol)をトルエン17.0gに溶解
し、氷冷下、15%−NaOH水溶液58.7g(0.
220mol)を徐々に滴下し、室温で2時間攪拌し
た。このときのトルエン層をガスクロマトグラフィーで
分析し、2−(フルフリルチオ)酢酸メチルのピークが
消失したことを確認した。
【0029】次に、分液して水層を回収し、氷冷下、こ
の水層に10%−HCl水溶液133.4gを滴下し、
中和酸性とした。このとき、下層に油状物が析出し、こ
れを分液、回収後、さらに水層に塩化メチレン102g
を加えて抽出し、塩化メチレン層を回収した。回収油状
物と回収塩化メチレン層を合わせ、飽和食塩水で洗浄
後、乾燥し、溶媒を留去することにより淡黄色油状物の
2−(フルフリルチオ)酢酸を得た。
【0030】収量31.0g 収率95.8% GLC Pu.97.17%実施例2 2−(フルフリルチオ)酢酸の製造 参考例2で回収した2−(フルフリルチオ)酢酸メチル
を含むトルエン溶液に20%−KOH水溶液30gを加
え、室温で5時間攪拌した。このときのトルエン層をガ
スクロマトグラフィーで分析し、2−(フルフリルチ
オ)酢酸メチルのピークが消失したことを確認した。
【0031】次に、分液して水層を回収し、氷冷下、こ
の水層に10%−HCl水溶液125gを滴下し、中和
酸性とした後、析出した油状物を塩化メチレンで2回抽
出し、飽和食塩水で洗浄後、乾燥し、溶媒を留去するこ
とにより淡黄色油状物を回収した。さらに、減圧蒸留す
ることにより2−(フルフリルチオ)酢酸を得た。
【0032】収量9.75g 収率75.6% b.p.146〜147℃/3mmHg GLC Pu.99.36%
【0033】
【発明の効果】本発明の方法により、従来の2−(フル
フリルチオ)酢酸の製造方法においては非常に煩雑であ
った後処理操作を非常に簡略化でき、2−(フルフリル
チオ)酢酸を効率よく高純度で製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 章央 埼玉県川越市今福中台2805番地 セント ラル硝子株式会社 東京研究所内 (72)発明者 菊池 祥之 埼玉県川越市今福中台2805番地 セント ラル硝子株式会社 東京研究所内 審査官 内田 淳子 (56)参考文献 特開 昭62−153268(JP,A) 特開 昭62−175479(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 307/38 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 【化1】 (式中、Rはアルキル基を示す。)で表わされる2−
    (フルフリルチオ)酢酸エステルを水と混和しない溶媒
    中でアルカリ金属水酸化物の水溶液により加水分解する
    ことを特徴とする次式(II) 【化2】 で表わされる2−(フルフリルチオ)酢酸の製造方法。
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