JP4973143B2 - テトラフルオロテレフタル酸ジフルオライドの製造法 - Google Patents
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で示されるアルコール化合物(以下、アルコール(1)と略記する。)とを反応させることにより、式(2)
で示されるテトラフルオロテレフタル酸ジエステル化合物(以下、テトラフルオロテレフタル酸ジエステル(2)と略記する。)を製造することができる。以下、かかるエステル化反応について説明する。
例えば、反応混合物に蒸留処理を施してアルコール(1)や有機溶媒を留去し、得られた蒸留残渣と水とを混合することにより、テトラフルオロテレフタル酸ジエステル(2)を結晶として析出させることができる。かかる結晶をろ過処理により分取すれば、テトラフルオロテレフタル酸ジエステル(2)を単離することができる。
例えば、反応混合物と水とを、必要により水との相溶性が低い有機溶媒の存在下に混合し、分液処理を施すことにより、テトラフルオロテレフタル酸ジエステル(2)を有機層として取り出すこともできる。かかる有機層を蒸留処理すれば、テトラフルオロテレフタル酸ジエステル(2)を単離することができる。ここで、水との相溶性が低い有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル等のエーテル溶媒;酢酸エチル等のエステル溶媒;などが挙げられ、その使用量は特に限定されない。
還流冷却管を付した50mlフラスコに、フッ化カリウム(スプレイドライ品)2.3g、スルホラン8.5gを仕込み、得られた混合物の水分量を測定した。測定結果に基づき、該混合物に所定量の水を加え、水分量が31mgの混合物を調製した。調製した混合物とテトラクロロテレフタル酸ジクロライド1.7gとを混合し、155℃に昇温し、同温度で4時間保温・攪拌後、170℃に昇温し、同温度で3時間保温・攪拌した。反応後、一部の反応液をサンプリングし、ガスクロマトグラフ質量分析装置を用いた分析により、主生成物として、テトラフルオロテレフタル酸ジフルオライドが得られ、原料が消失していることを確認した。反応液を室温まで冷却し、メタノール10gを加えて1時間攪拌した。析出した結晶を、ろ過後、結晶をメタノール5mlで洗浄し、ろ液を洗液とを合一し、濃縮操作によりメタノールを留去した。濃縮残渣に水を20g加えると、結晶が析出した。ろ過操作により1.4gのウエットケーキを得た。このウエットケーキをガスクロマトグラフィー内部標準法により分析したところ、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジメチルの含量は66.4%であった。収率:70%
還流冷却管を付した50mlフラスコに、実施例1で用いたものと同じフッ化カリウム2.3g、スルホラン17gを仕込み、得られた混合物の水分量を測定した。測定結果に基づき、該混合物に所定量の水を加え、水分量が32mgの混合物を調製した。調製した混合物とテトラクロロテレフタル酸ジクロライド1.7gとを混合し、155℃に昇温し、同温度で4時間保温・攪拌した。反応後、室温まで冷却し、メタノールを5g加えて1時間攪拌した。酢酸エチルを10g加え、ガスクロマトグラフィー内部標準法により分析して収率を求めた。
2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジメチルの収率:50%
2,3,5−トリフルオロ−6−クロロテレフタル酸ジメチルの収率:9%
ジフルオロ、ジクロロテレフタル酸ジメチルの収率(3異性体合計):10%
2,3,5,6−テトラクロロテレフタル酸ジメチルの収率:0%
還流冷却管を付した50mlフラスコに、実施例1で用いたものと同じフッ化カリウム2.3g、スルホラン8.5gを仕込み、得られた混合物の水分量を測定した。測定結果に基づき、該混合物に所定量の水を加え、水分量が42mgの混合物を調製した。調製した混合物とテトラクロロテレフタル酸ジクロライド1.7gとを混合し、145℃に昇温し、同温度で3時間保温・攪拌した。反応後、室温まで冷却し、トルエン20gと炭酸カリウム1.4gを加え、同温度で攪拌しながらメタノール5gを加えて1時間攪拌した。酢酸エチルを10g加え、ガスクロマトグラフィー内部標準法により分析して収率を求めた。
2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジメチルの収率:52%
2,3,5−トリフルオロ−6−クロロテレフタル酸ジメチルの収率:10%
ジフルオロ、ジクロロテレフタル酸ジメチルの収率(3異性体合計):4%
2,3,5,6−テトラクロロテレフタル酸ジメチルの収率:0%
還流冷却管を付した50mlフラスコに、フッ化カリウム(粉末品)2.3g、スルホラン8.5gを仕込み、得られた混合物の水分量を測定した。測定結果に基づき、該混合物に所定量の水を加え、水分量が30mgの混合物を調製した。該混合物とテトラクロロテレフタル酸ジクロライド1.7gとを混合し、145℃に昇温し、同温度で5時間保温・攪拌した。反応後、室温まで冷却し、メタノールを5g加えて1時間攪拌した。酢酸エチルを10g加え、ガスクロマトグラフィー内部標準法により分析して収率を求めた。
2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジメチルの収率:68%
2,3,5−トリフルオロ−6−クロロテレフタル酸ジメチルの収率:16%
ジフルオロ、ジクロロテレフタル酸ジメチルの収率(3異性体合計):3%
2,3,5,6−テトラクロロテレフタル酸ジメチルの収率:0%
還流冷却管を付した50mlフラスコに、実施例1で用いたものと同じフッ化カリウム480mg、スルホラン1.7gおよびトルエン10gを仕込み、得られた混合物を、内温130℃に加熱し、該混合物中の水分をトルエンとの共沸混合物として除去した。その後、内温140℃でトルエンの留出が見られなくなるまで保温した。得られた混合物を内温100℃まで冷却し、その水分量を測定したところ、0.2mgであった(水分濃度:117ppm)。該混合物とテトラクロロテレフタル酸ジクロライド340mgとを混合し、155℃に昇温し、同温度で4時間保温・攪拌後、170℃に昇温し、同温度で3時間保温・攪拌した。反応後、室温まで冷却し、メタノールを5g加えて1時間攪拌した。酢酸エチルを10g加え、ガスクロマトグラフィー内部標準法により分析して収率を求めた。
2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジメチルの収率:26%
2,3,5−トリフルオロ−6−クロロテレフタル酸ジメチルの収率:12%
ジフルオロ、ジクロロテレフタル酸ジメチルの収率(3異性体合計):11%
2,3,5,6−テトラクロロテレフタル酸ジメチルの収率:7%
還流冷却管を付した50mlフラスコに、実施例1で用いたものと同じフッ化カリウム2.3g、スルホラン8.5gを仕込み、得られた混合物の水分量を測定した。測定結果に基づき、該混合物に所定量の水を加え、水分量が61mgの混合物を調製した。調製した混合物とテトラクロロテレフタル酸ジクロライド1.7gとを混合し、155℃に昇温し、同温度6時間保温・攪拌後した。反応後、室温まで冷却し、メタノールを10g加えて1時間攪拌した。酢酸エチルを30g加え、ガスクロマトグラフィー内部標準法により分析して収率を求めた。
2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジメチルの収率:38%
2,3,5−トリフルオロ−6−クロロテレフタル酸ジメチルの収率:3%
ジフルオロ、ジクロロテレフタル酸ジメチルの収率(3異性体合計):5%
2,3,5,6−テトラクロロテレフタル酸ジメチルの収率:0%
還流冷却管を付した50mlフラスコに、実施例1で用いたものと同じフッ化カリウム2.3g、スルホラン8.5gおよびトルエン15gを仕込み、得られた混合物を、内温130℃に加熱し、該混合物中の水分をトルエンとの共沸混合物として除去した。その後、内温140℃でトルエンの留出が見られなくなるまで保温した。得られた混合物を内温100℃まで冷却し、得られた混合物の水分量を測定した。測定結果に基づき、該混合物に所定量の水を加え、水分量が20mgの混合物を調製した。調製した混合物とテトラクロロテレフタル酸ジクロライド1.7gとを混合し、155℃に昇温し、同温度で4時間保温・攪拌後、170℃に昇温し、同温度で3時間保温・攪拌した。反応後、一部の反応液をサンプリングし、ガスクロマトグラフ質量分析装置を用いた分析により、主生成物として、テトラフルオロテレフタル酸ジフルオライドが得られ、原料が消失していることを確認した。反応液を室温まで冷却し、メタノール10gを加えて1時間攪拌した。反応後、室温まで冷却し、トルエン20gと炭酸カリウム1.4gを加え、同温度で攪拌しながらメタノール5gを加えて1時間攪拌した。酢酸エチルを10g加え、ガスクロマトグラフィー内部標準法により分析して収率を求めた。
2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジメチルの収率:17%
2,3,5−トリフルオロ−6−クロロテレフタル酸ジメチルの収率:29%
ジフルオロ、ジクロロテレフタル酸ジメチルの収率(3異性体合計):41%
Claims (7)
- スルホラン中、テトラクロロテレフタル酸ジクロライドとフッ化カリウムとの反応を、テトラクロロテレフタル酸ジクロライドに対して0.3〜0.6モル倍の水の存在下に実施することを特徴とするテトラフルオロテレフタル酸ジフルオライドの製造法。
- スルホラン、フッ化カリウムおよび水の混合物と、テトラクロロテレフタル酸ジクロライドとを反応させる請求項1に記載の製造法。
- スルホランの使用量が、テトラクロロテレフタル酸ジクロライドに対して1〜20重量倍である請求項1または2に記載の製造法。
- テトラフルオロテレフタル酸ジフルオライドと式(1)で示されるアルコール化合物との反応を、塩基の存在下に実施する請求項4に記載の製造法。
- 塩基が、含窒素芳香族化合物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ土類金属炭酸塩およびアルカリ土類金属炭酸水素塩からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項5に記載の製造法。
- テトラフルオロテレフタル酸ジフルオライドと式(1)で示されるアルコール化合物との反応を、不活性ガスを吹き込みながら実施する請求項4に記載の製造法。
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