JP3053457B2 - アイソタクチックポリプロピレンの立体規則性の低下方法 - Google Patents

アイソタクチックポリプロピレンの立体規則性の低下方法

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JP3053457B2 JP3130983A JP13098391A JP3053457B2 JP 3053457 B2 JP3053457 B2 JP 3053457B2 JP 3130983 A JP3130983 A JP 3130983A JP 13098391 A JP13098391 A JP 13098391A JP 3053457 B2 JP3053457 B2 JP 3053457B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明はアイソタクチック構造の
ポリプロピレンの立体規則性の低下方法に関する。詳し
くは特定の立体規則性の乱れをポリマー鎖中に導入する
方法に関する。 【0002】 【従来の技術】アイソタクチックポリプロピレンは安価
でしかも物性のバランスが比較的良好であり種々の用途
に利用されている。剛性などの点では立体規則性が高い
ものが利用され、融点が低いなどの特徴が必要な分野で
は共重合体が利用されている。融点などの低下のために
は立体規則性を下げることでも対応可能であるが、分子
量等の他のパラメーターを変えずに立体規則性だけを低
下させる有用な方法は知られていない。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】重合反応で立体規則性
の低下を実現するには、重合温度を上げたり、立体規則
性の低い触媒を使用する方法などがあるが、規則的な乱
れをポリマー鎖中に導入することは極めて困難である。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題を
解決して実質的にアイソタクチック構造のポリプロピレ
ンのポリマー鎖中に特定の乱れを導入する方法について
鋭意探索し本発明を完成した。 【0005】即ち本発明は、重量平均分子量と数平均分
子量の比が4以下の実質的にアイソタクチック構造であ
るポリプロピレンに酸素の不存在下に100 ℃以下の温度
で放射線を照射し、ついで水素供与性の化合物で処理す
ることでラセミトリアッドを形成することを特徴とする
アイソタクチックポリプロピレンの立体規則性の低下方
法である。 【0006】本発明において実質的にアイソタクチック
構造のポリプロピレンとは、アイソタクチック構造のプ
ロピレンの単独重合体のみならず、プロピレンと他のオ
レフィンとの共重合体をも含み、特にアイソタクチック
ペンタッド分率が0.8 を越える様な高度にアイソタクチ
ック構造のものに適用すれば、規則的な立体的な乱れを
導入することができ好ましい。 【0007】アイソタクチックポリプロピレンを製造す
るに用いる触媒としては、三塩化チタンと有機アルミニ
ウムからなる触媒、四塩化チタンを塩化マグネシウムに
担持したものと有機アルミニウムからなる触媒あるいは
これらに電子供与性の化合物を組み合わせたものがよく
知られており、それらの方法で得られたものが市場で入
手可能であり利用できるが、分子量などの他のパラメー
ターをほとんど変えずにラセミトリアッドをポリマー鎖
に導入するという点では、メタロセン化合物とアルミノ
キサンなどの組み合わせによって得られるものが分子量
分布が狭く好ましく利用できる。 【0008】メタロセン化合物としては、具体的には炭
素、珪素、ゲルマニウム、錫などによって結合した2つ
のシクロペンタジエニル基、またはその誘導体を配位子
とするジルコニウム、ハフニウム、チタンの化合物であ
り、具体的には、インデニル基、アルキル置換シクロペ
ンタジエニル基などを配位子とするものが上げられる。 【0009】より具体的には1,2−エチレンビスイン
デニルジルコニウムジクロリド、1,2−エチレンビス
インデニルハフニウムジクロリド、ジメチルシリルビス
(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ジメチルシリルビス(2,4−ジメチル
シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、ジメチ
ルシリルビス(2,4,5−トリメチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリルビス
(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)ハフ
ニウムジクロリドなどが好ましく利用される。 【0010】またアルミノキサンとしては、トリアルキ
ルアルミニウムと水との反応で合成される重合度5以上
のものが利用される。 【0011】上記遷移金属化合物に対するアルミノキサ
ンの使用割合としては10〜1000000モル倍、通常50〜500
0モル倍である。 【0012】また重合条件については特に制限はなく不
活性媒体を用いる溶媒重合法、或いは実質的に不活性媒
体の存在しない塊状重合法、気相重合法も利用できる。
重合温度としては−100 〜200 ℃、重合圧力としては常
圧〜100 kg/cm2 で行うのが一般的である。好ましくは
−100 〜100 ℃、常圧〜50kg/cm2 である。 【0013】好ましい分子量としては、135 ℃テトラリ
ン溶液で測定した極限粘度として0.1 〜10.0程度である
のが一般的であり、ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィーで測定した分子量分布が4以下、好ましくは3以
下の分子量分布の狭い重合体に適用することで分子量の
低下を起こさずタクティシティーを低下させることがで
きる。 【0014】アイソタクチック構造の程度としてはプロ
ピレン単独重合体ではアイソタクチックペンタッド分率
として0.7以上、好ましくは0.8以上である。0.7 より
小さいものでは、元々の規則性の乱れが大きく規則的な
乱れを導入するという発明の効果が小さい。また他のオ
レフィンとの共重合体であっても側鎖が規則的に一方に
でている、広義のアイソ構造であるのが好ましく、上記
単独重合体で高度にアイソタクチック構造を与える条件
で共重合したものが好ましく利用される。 【0015】共重合に用いる他のオレフィンとしてはエ
チレンの他に炭素数4〜20程度のα- オレフィンが利用
できる。好ましくは、ブテン-1、ペンテン-1、ヘキセン
-1、オクテン-1、4-メチルペンテン-1などが例示され
る。プロピレンに対する重合の割合としては通常20wt%
以下、より好ましくは10wt% 以下の他のオレフィンが共
重合する条件で重合される。 【0016】本発明において放射線の照射は酸素の不存
在下、すなわち、真空あるいは、窒素、ヘリウム、アル
ゴンなどの不活性ガス雰囲気で照射され、照射の際の温
度としては、100 ℃以下であるのが好ましい。また放射
線の照射後に残っているラジカルは水素供与性の化合物
と接触することでラジカルが消滅することが必要であ
る。 【0017】本発明において、重要なのは、主鎖が切断
され難い比較的低温で放射線を照射し、しかも照射後ま
で残っているラジカルは、他のラジカルとカップリン
グ、あるいは不飽和基を持つ部分と反応して分子量が増
大しない様に水素供与性の化合物、例えば、ヒドロキシ
ル基、アミノ基、チオール基など水素供与性の基を有す
る化合物で処理して消滅させることである。 【0018】ここで接触処理の方法としては、照射した
ポリプロピレンを水素供与性の化合物の溶液の中に入れ
必要に応じ攪拌して処理するか、水素供与性の化合物の
蒸気に触れさせることで行われる。処理時間としてはポ
リプロピレンの形状にもよるが、通常数分〜数時間であ
る。 【0019】本発明において、放射線としてはγ線、電
子線、X線、加速イオンなどが例示できるが、特に透過
性の大きいγ線、X線が好ましく利用でき、電子線を用
いる場合にはポリプロピレンを薄くして照射することが
好ましい。照射の際の線量としては0.1 〜50Mrad、通常
1 〜10Mrad程度で充分である。 【0020】 【実施例】以下に実施例を示しさらに本発明を説明す
る。 【0021】実施例1 常法にしたがって合成したジメチルシリルビス(2,4
−ジメチルシクロペンタジエニル)をリチウム化し、四
塩化ジルコニウムと反応することで得たジメチルシリル
ビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド1mgをトルエン10mlに溶解し、メチル
アルミノキサン(東ソー・アクゾ製)670mg を加えて触
媒成分溶液とし、プロピレンを1.5kg 挿入した容積5 リ
ットルのオートクレーブに挿入した。ついで内温を15℃
に保ちながら2 時間重合した。重合終了後未反応のモノ
マーをパージし、内容物を取り出し、乾燥してポリプロ
ピレンを265g得た。 【0022】このポリプロピレンは、135 ℃テトラリン
溶液で測定した極限粘度(以下、ηと記す)は1.47dl/
13C-NMR で測定したアイソタクチックペンタッド分
率は0.975 であった。ウォーターズ(株)製のALC/GPC
MODEL150C を用い、カラムとして昭和電工(株)製ショ
ウデックスAD80MS(商品名)を用いて1,2,4-トリクロロ
ベンゼンを移動相として測定した重量平均分子量と数平
均分子量の比(MW/MN)は2.2 であった。 【0023】このポリプロピレンをガラス管に脱気封入
して20℃でγ線を2Mrad/hrで3Mrad照射し、次いで窒素
雰囲気でメタノールを加えて24時間接触処理した。処理
後のパウダーのηは1.36dl/gでありMW/MN は2.4 であ
った。また13C-NMR によればアイソタクチックペンタッ
ド分率は0.945 でありmmmr、mmrr、mrrm、が略2:2:
1で増加しており、その他の結合の増加がほとんど見ら
れず、rrダイアッドだけが増加しており、プロピレン単
位100 個あたり約0.6 個のrrダイアッドの増加に相当す
る。照射前のポリマーのDSC で測定した融点が161 ℃で
あったのに対し153 ℃と約8 ℃融点を低下させることが
できた。 【0024】実施例2 実施例1 で得たポリプロピレンを 200℃で溶融プレスし
て1mm のシートとした。このシートに電子線照射装置(
日新ハイボルテジ(株)製EPS-750)を用いて窒素気流
下で5Mrad照射した。照射後窒素下でメタノールで24時
間接触処理した。処理後のηは1.32dl/gであり、13C-
NMR によればアイソタクチックペンタッド分率は0.938
でありmmmr、mmrr、mrrm、が略2:2:1で増加してお
り、その他の結合の増加がほとんど見られず、rrダイア
ッドだけが増加していた。 【0025】 【発明の効果】本発明の方法はアイソタクチック構造の
ポリプロピレンのタクティシティーを規則的に低下する
ことができ、融点を低下させるなど工業的に極めて価値
がある。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1 】 重量平均分子量と数平均分子量の比が4
    以下の実質的にアイソタクチック構造であるポリプロピ
    レンに酸素の不存在下に100 ℃以下の温度で放射線を照
    射し、ついで水素供与性の化合物で処理することでラセ
    ミトリアッドを形成することを特徴とするアイソタクチ
    ックポリプロピレンの立体規則性の低下方法。
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