JP3044381B2 - 物品の洗浄方法およびその装置 - Google Patents

物品の洗浄方法およびその装置

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、液状可燃物を洗浄剤として使用することを
特徴とする物品の洗浄方法およびその方法に使用する装
置に関するものである。
[従来技術とその課題] 従来、物品の洗浄液として、トリクレン(トリクロロ
エチレン)、パークレン(テトラクロロエチレン)、四
塩化炭素およびフロン(クロロフルオロカーボン)など
のハロゲン化炭化水素が広く使用されている。これらの
ハロゲン化炭化水素は、洗浄力があり、かつ不燃性であ
るので、火災を起こす危険性がなく、安全に使用できる
という長所を有している。
しかるに、トリクレン、パークレン、四塩化炭素など
は、身体への毒性が強く、安全性の点で問題があり、ま
た、通商産業省の「化審法(化学物質の審査及び製造等
の規制に関する法律)」の特定化学物質に昨年から指定
されている。一方、フロンは成層圏中のオゾン層を破壊
し、環境へ悪影響を与えるとの理由により近年使用が規
制されるようになったが、これに代わり、身体への毒性
がなく、かつ火気に対し安全に使用できる洗浄剤は未だ
提案されていない。
一方、イソパラフィン系炭化水素およびナフテン系炭
化水素を代表とする液状炭化水素は、安価であり、比較
的良好な洗浄力を有し、生体への安全性も高く、オゾン
層破壊の懸念もないなどの長所を有するので、フロンの
代替品として好ましい洗浄剤である。しかしながら、本
質的に可燃性であるという欠点がある。また、これらの
液状炭化水素の他にアルコールなどの含酸素化合物も同
様である。
このような火災による危険性を避けるために、洗浄室
などの洗浄域内の酸素濃度を、洗浄剤の爆発下限界より
も低い値にすることが考えられるが、そのための手段と
しては、窒素などの不燃性ガスを導入するのが通例であ
る。しかし、洗浄域内の酸素濃度を低下させるために
は、通常かなり大量の不燃性ガスを必要とする。しか
も、窒素ガスなどの不燃性ガスを大量に入手することは
現実には容易ではなく、また、簡便な窒素ガス発生装置
による場合も、必ずしも低廉かつ大量に入手できるもの
ではない。
一方、各種の可燃物の焼却炉やボイラー等の燃焼機関
から排出される燃焼廃ガスは、近年の厳しい公害規制に
服しているために、重金属その他の異物を含まない極め
て清浄なものであり、しかも省エネルギーの目的からい
わゆる低酸素運転が行なわれている。すなわち、過剰空
気を導入することなく燃焼させていることが多い。この
ことは、燃焼時の廃ガス中の残存酸素濃度が極めて低い
ことを意味している。
[発明が解決しようとする課題] 本発明者らは、上記のような事情に鑑み、従来可燃性
で火災の危険があるために顧みられなかった炭化水素類
や含酸素化合物などの可燃性溶剤および前記燃焼廃ガス
を有効に利用し、火災の危険性がなく、人体にも安全に
洗浄を行なえるようにすることを目的として鋭意研究を
行ない、本発明を完成したものである。
[課題を解決するための手段] すなわち、本発明は、可燃物質を燃焼して得られる燃
焼廃ガスあるいは不活性ガスを洗浄系内へ導入すること
により、洗浄域雰囲気中の酸素濃度を洗浄剤の爆発下限
界(限界酸素濃度ともいう)よりも低い値に維持しなが
ら、液状可燃物を洗浄剤として使用して洗浄することを
特徴とする物品の洗浄方法に関するものである。
更に、本発明は、洗浄域内雰囲気中の酸素濃度を検出
するための酸素検出器が設置され、洗浄域内雰囲気中の
酸素濃度が洗浄剤に含まれる可燃物の爆発下限界よりも
低い値に維持されてなる、可燃物を含む洗浄剤により物
品を洗浄する洗浄域を有することを特徴とする物品の洗
浄装置に関するものである。また、その装置には、炭化
水素および/または含酸素化合物を燃焼する燃焼炉から
の燃焼廃ガスの導入路を前記洗浄域に接続することがで
きる。
以下に本発明の洗浄方法およびその装置を図示の略示
工程図に基づいて詳細に説明する。
<被洗浄物> 本発明により洗浄される物品については、特に制限は
ないが、好ましくは金属あるいはプラスチックス製の機
械部品または製品である。また、その形状、寸法なども
特に限定されない。
<洗浄剤> 本発明の洗浄方法の工程の一例を第1図に簡単に示
す。
本発明の方法に使用する洗浄剤1に含まれる可燃物は
空気中の酸素と結合し燃焼する化合物、すなわち、爆発
下限界が空気中の酸素濃度よりも低いものであって、例
えば、従来引火の危険性が有るとされている液状炭化水
素あるいはアルコール等の液状含酸素化合物などの液状
可燃物である。
液状炭化水素としては、洗浄力や臭気および身体への
安全性などの観点から、液状ナフテン系炭化水素および
イソパラフィン系炭化水素などを使用することができ、
沸点が70〜280℃の範囲にあるものが好ましい。灯油、
軽油、ナフサなどの石油留分系炭化水素あるいはベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの芳香族系炭化水素は、そ
れらに含まれる芳香族化合物に由来する臭気および人体
に対する安全性などの観点から避けることが好ましい。
勿論、これらの欠点をカバーする方法で使用できるなら
ばこれらの芳香族化合物を含むものでもよい。液状ナフ
テン系炭化水素としては、商品名:ナフテゾールL、
M、H(日本石油化学(株)製)として市販されている
もの、あるいはリモネンなどのテルペン類が使用でき
る。また、液状イソパラフィン系炭化水素としては、商
品名:日石アイソゾール200、300、400(日本石油化学
(株)製)などの市販品が使用できる。
また、含酸素化合物としては、一価、二価あるいは多
価アルコール類、エーテル類、ケトン類、エステル類が
あるが、アルコール類が取扱い易いので好ましい。好適
なアルコールは沸点が60〜280℃の範囲にあるものであ
り、これらの代表例としてはイソプロピルアルコールな
どが挙げられる。
何れの場合も、沸点が過度に低いものは、揮発性が高
く、かつ引火点が低いので、酸素濃度を調節しても火災
の危険性があり好ましくない。また、高沸点のものは、
洗浄後の乾燥に時間を要するのでやはり好ましくない。
上記液状炭化水素や含酸素化合物などは混合して用い
ることもできる。
被洗浄物2が切削や研磨により加工された金属製機械
部品などの場合には、微細な金属粉に汚染されており、
それらを除去するために洗浄剤に界面活性剤を加えると
効果的である。また、その他の場合にも、必要に応じて
洗浄性能を向上させるために洗浄剤に界面活性剤を加え
ることができる。界面活性剤としては、カチオン系、ア
ニオン系、ノニオン系および両性系の何れのものでも使
用できる。界面活性剤の使用量は、洗浄剤に対して0.00
01〜10重量%、好ましくは0.001〜1重量%の範囲であ
る。
<洗浄工程> 洗浄域としての洗浄室3の内部は外気と遮断されてい
るが、いわゆる気密構造にする必要はなく、急激な外気
の出入を防止できる程度であればよい。すなわち、外気
を吸い込んで室内雰囲気の酸素濃度が上昇することがな
いように、常圧ないしやや加圧状態に保たれていればよ
い。被洗浄物2の送入および次工程への送出は、適宜の
構造のシャッター4を経て行なう。
洗浄室3内には、適宜の数の洗浄槽、例えば3槽の洗
浄槽を設ける。すなわち、第一洗浄槽5、第二洗浄槽6
および仕上洗浄槽7である。洗浄処理開始時には、これ
らの洗浄槽に新しい洗浄剤1を供給する。また、洗浄室
3内には、後述の燃焼廃ガス8を導入することによっ
て、洗浄室3内の酸素濃度を洗浄剤の爆発下限界よりも
低い濃度に保つ。導入するガスの量および圧力などは、
洗浄室3の容積、洗浄槽の数などに応じて適宜に定める
ことができる。また前記の燃焼廃ガスの他に、適宜の不
活性ガス発生装置あるいは供給源から供給される窒素ガ
スや炭酸ガスなどの不活性ガスを併用してもよい。更
に、洗浄室3内の酸素濃度は適宜の酸素濃度検知器9に
より測定し、洗浄室3内が洗浄剤の爆発下限界の濃度以
下になるように調整する。
洗浄室3内の雰囲気中の酸素濃度が、爆発下限界濃度
よりも高くなったときは、燃焼廃ガス8あるいは不活性
ガスを系内に導入することによって酸素濃度を下げる。
爆発下限界の酸素濃度は、洗浄剤としての可燃物蒸気
の種類、温度、圧力その他の条件により変動するので、
予め実験その他の手段により確認しておくことが必要で
ある。適宜の文献値を利用することもできる。例えば、
可燃性ガスである水素、一酸化炭素、アセチレン等の爆
発下限界の酸素濃度(限界酸素濃度)は約5%である
が、その他の殆どの可燃性液状炭化水素の爆発下限界の
酸素濃度は約11〜12容量%付近である。含酸素化合物で
は更に高い限界酸素濃度となる。
本発明の方法を実施する場合の設定値としての酸素濃
度は、安全性を見込んで、実際の爆発下限界の酸素濃度
よりもある程度低めの値、例えば、1割から2割程度低
い値に設定することが好ましい。洗浄室3内の酸素濃度
をそのような値よりも低く維持することによって、不慮
の爆発事故を防止することができる。
洗浄室3内に導入された燃焼廃ガスは、本来大気中に
廃棄されるものであるから、洗浄後はそのままあるいは
必要に応じて洗浄剤蒸気を回収除去した後に大気中に放
出すればよい。
洗浄操作において、洗浄剤1と被洗浄物2との接触効
率を向上させるために、洗浄剤1中に被洗浄物2を単に
浸漬するのみではなく、被洗浄物2を上下動させたり、
あるいは洗浄剤1を攪拌器によって攪拌したり、または
超音波発生装置10によって超音波振動を与えたり、ポン
プ循環あるいはフラッシングなど任意の方法を採用する
ことができる。
洗浄槽は1槽式でもよいが、必要に応じて2槽式ある
いは図示のように3槽式とし、被洗浄物2と洗浄剤1と
を接触、例えば向流接触させ、最初の汚染を最後の仕上
洗浄槽7にできるだけ持ち込まないようにして、洗浄を
効率的に行なうことができる。仕上洗浄槽7としては、
攪拌の他、上部から洗浄剤1をシャワー方式で供給する
か、または上下あるいは120度の3方向からスプレーや
ジェット噴射によって洗浄剤1を供給する。
また、イオン系物質の汚れや水溶性の汚れなどが多い
場合あるいは非金属物品を洗浄する場合には、界面活性
剤を添加した洗浄剤で洗浄した後、水で洗浄することも
可能である。
被洗浄物2はバッチ式にして順次移動させるか、ある
いは適宜のコンベアーによって連続的に移動させればよ
い。
<乾燥工程> 前記洗浄工程で被洗浄物2を洗浄した後、洗浄後の物
品に付着した洗浄剤1を乾燥し除去する。通常は、洗浄
剤1の引火点よりも低い温度の温風または熱風によって
乾燥する。勿論、乾燥工程の域内雰囲気における酸素濃
度が、前記洗浄工程と同様に爆発下限界よりも低く維持
されていれば、ヒーター12を経て可燃物の引火点よりも
高温の温風または熱風を送り乾燥することができる。そ
の場合、乾燥器11を乾燥室13内に設け、洗浄室3と同様
に、燃焼廃ガス8または不活性ガスを導入して、乾燥室
13内の酸素濃度を洗浄剤1の爆発下限界以下に調節す
る。そのため乾燥室13にも適宜の酸素濃度検知器9を設
けることが望ましい。
被洗浄物2が洗浄剤1である程度濡れていても、洗浄
剤2の種類によっては、大気中に放置することにより自
然乾燥させることもできる。また、後続の加工その他の
工程に支障がないときは特に乾燥工程を設ける必要はな
い。例えば、金属物品の洗浄後、防錆処理を行なう場合
などには、寧ろ炭化水素系の洗浄剤が金属表面に付着し
ている方が好ましいこともあり、場合によっては、防錆
処理が不要になる場合もあり経済的である。
上記の洗浄工程および乾燥工程では酸素濃度検知器9
による厳重な監視を行ない、酸素濃度が上昇した場合に
は、燃焼廃ガスあるいは不活性ガスを自動的に補給でき
るようにすることが好ましい。また、系内に温度計を設
置し、装置の温度が洗浄剤の引火点以下になっているこ
とを監視し、装置内の温度が上昇した場合には、低温の
燃焼廃ガスあるいは不活性ガスを導入することが好まし
い。
<洗浄剤回収工程> 被洗浄物2を洗浄した後には、洗浄剤1をそのまま廃
棄することもできるが、例えば蒸留塔14など適宜の回収
処理装置によって廃洗浄剤1aを処理して回収洗浄剤1bを
回収し、洗浄工程に循環して再利用することが望まし
い。その場合、廃洗浄剤1a中に、異物、金属粉あるいは
水分などが含まれている場合には、ストレーナー、トラ
ップなど適宜の分離器15によって、それらを予め除去す
ることが好ましい。
<燃焼廃ガス発生工程> 洗浄工程の酸素濃度を低下させるための燃焼廃ガス8
の供給源としては、各種のプラスチックや紙、木材など
の産業廃棄物を焼却する焼却炉や、重油、軽油などの石
油留分を燃料とするボイラーなどの燃焼炉から得られる
排ガスを用いることができるが、本発明において、好ま
しくは、廃洗浄剤1aあるいは廃洗浄剤1aから洗浄剤1bを
回収した残液1cを燃焼炉16で燃焼させ、そこから排出さ
れた燃焼廃ガス8を使用する。
一般の燃焼炉には、公害防止の対策上、粉塵、SOX、N
OXおよび重金属などを除去する装置を通常設けるので、
極めて清浄な燃焼廃ガスが排出される。しかも、省エネ
ルギーなどの点から、燃焼に必要な理論空気量よりも過
大な量の空気量を供給せずに、低酸素運転により燃焼炉
が操作されるために、廃ガス中の残留酸素量は非常に少
なく、実際にその濃度は数容量%程度である。従って、
これらの燃焼廃ガスを利用して、すなわち、単に充分な
量の上記廃ガスを導入することにより洗浄剤の爆発下限
界よりも遥かに低い酸素濃度にすることができる。
因に、炭化水素を燃焼させた場合に得られる燃焼廃ガ
ス8の組成の一例を示す。
窒 素 74.8容量% 二酸化炭素 11.2容量% 水 分 9.4容量% 酸 素 4.6容量% 上記のように、燃焼炉16から排出される燃焼廃ガス8
は清浄であり、しかも、通常の液状可燃物の限界酸素濃
度よりも酸素濃度が充分に低いので、洗浄工程内の雰囲
気ガスとして使用するために適したものである。但し水
蒸気を含んでおり、また高温であるから、燃焼炉16から
排出された燃焼廃ガス8を洗浄室3や乾燥室13内に導入
する前に、冷却器17、フィルター18および水分除去器19
などによって適宜に処理することが好ましい。
上記の燃焼廃ガス8を洗浄室3および乾燥室13内へ導
入することによって、これらの系内の酸素濃度を洗浄剤
の爆発下限界よりも低い値に維持できないときなどに
は、別途に窒素ガスや炭素ガスなどの不活性ガスを追加
導入することもできる。
[発明の効果] 本発明の方法および装置によれば、従来、火災が懸念
された可燃性洗浄剤による洗浄操作を、火災の発生を心
配することなく安全に行なうことができる。また、無駄
に廃棄されていた燃焼廃ガスも有効に利用することがで
きる。
[実施例] 以下に実施例により本発明を更に詳細に説明する。
<実施例1> 洗浄剤としてイソパラフィン系炭化水素(商品名「日
石アイソゾール300」、日本石油化学(株)製)を使用
して、図示のような工程に従って被洗浄物をバッチ式で
移動させ、直径10mmの切削、研磨加工された金属ベアリ
ングボールの洗浄を行なった。
使用した日石アイソゾール300の性状は以下の通りで
ある。
密 度(15℃、g/cm3) 0.764 引火点(PM、℃) 55 限界酸素濃度(%) 11 初留点(℃) 173 50%点(℃) 181 乾 点(℃) 189 飽和炭化水素(vol%) 99.8以上 洗浄操作条件は以下の通りである。
洗浄室酸素濃度(%) 8〜9 洗浄槽内温度(℃) 40 洗浄室圧力(mmH2O) 1〜5 洗浄剤使用量(/被洗浄物kg) 3 洗 浄 時 間(min.、3槽合計) 9 燃焼廃ガス酸素濃度(%) 4.8 燃焼廃ガス供給量(N・m3/hr・洗浄室m3) 3 乾燥室温度(℃) 40 廃ガス導入口風速(m/秒) 5 乾 燥 時 間(分) 15 以上の洗浄処理の結果、金属粉や加工油等は完全に除
去され、また製品の乾燥も容易であり、清浄な洗浄品を
得ることができた。また、洗浄室内の雰囲気には引火性
は無かった。
<実施例2> 洗浄剤としてナフテン系炭化水素(商品名「ナフテゾ
ールM」、日本石油化学(株)製)を使用し、実施例1
と同様にして洗浄試験を行なった。
使用した日石ナフテゾールMの性状は以下の通りであ
る。
比 重(15/4℃) 0.815 引火点(PM、℃) 86 限界酸素濃度(%) 11 初留点(℃) 290.5 50%点(℃) 217.5 乾 点(℃) 235.5 ナフテン(%) 75以上 洗浄操作条件は以下の通りである。
洗浄室酸素濃度(%) 8〜9 洗浄槽内温度(℃) 60 洗浄室圧力(mmH2O) 1〜5 超 音 波(kHz) 28 洗浄剤使用量(/被洗浄物kg) 4 洗 浄 時 間(min.、3槽合計) 6 燃焼廃ガス酸素濃度(%) 5.2 燃焼廃ガス供給量(N・m3/hr・洗浄室m3) 3.5 乾燥室温度(℃) 60 廃ガス導入口風速(m/秒) 10 乾 燥 時 間(分) 15 以上の洗浄処理の結果、実施例1と同様に清浄な洗浄
品を得ることができた。また、洗浄室内の雰囲気には引
火性は無かった。
<実施例3> 水性の汚れおよびハンダフラックスなどが付着したプ
リント基板を、炭化水素洗浄剤「ナフテゾールMおよび
イソプロピルアルコールの1:1の混合溶剤を洗浄剤とし
て使用し、図示のような工程に従って洗浄を行なった。
混合溶剤の性状は以下の通りである。
密 度(15℃、g/cm3) 0.803 引火点(Tag、℃) 25以下 限界酸素濃度(%) 11 洗浄操作条件は以下の通りである。
洗浄室酸素濃度(%) 8〜9 洗浄槽内温度(℃) 35 洗浄室圧力(mmH2O) 1〜5 洗浄剤使用量(/被洗浄物kg) 20 洗 浄 時 間(min.、3槽合計) 6 燃焼廃ガス酸素濃度(%) 5.1 燃焼廃ガス供給量(N・m3/hr・洗浄室m3) 3 乾燥室温度(℃) 50 廃ガス導入口風速(m/秒) 5 乾 燥 時 間(分) 10 以上の洗浄処理の結果、水性の汚れやハンダフラック
スなどは完全に除去され、製品の乾燥も容易であり、洗
浄な洗浄品を得ることができた。また、洗浄室内の雰囲
気には引火性は無かった。
<実施例4> イオン性の汚れや微細な金属粒子の汚れが付着した研
磨による鏡面仕上げの金属部品(ピストンリング)を洗
浄した。洗浄剤としては炭化水素洗浄剤ナフテゾールM
に市販のアニオン系界面活性剤を0.5%添加して使用し
た。
洗浄操作条件は以下の通りである。
洗浄室酸素濃度(%) 8〜9 洗浄槽内温度(℃) 60 洗浄室圧力(mmH2O) 1〜5 洗浄剤使用量(/被洗浄物kg) 1 洗 浄 時 間(min.、3槽合計) 5 燃焼廃ガス酸素濃度(%) 5.2 燃焼廃ガス供給量(N・m3/hr・洗浄室m3) 4 乾燥室温度(℃) 60 廃ガス導入口風速(m/秒) 10 乾 燥 時 間(分) 15 以上の洗浄処理の結果、イオン性の汚れや微細な金属
粒子の汚れは完全に除去され、乾燥も容易であり、清浄
な洗浄品を得ることができた。また、洗浄室内の雰囲気
には引火性は無かった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の洗浄方法を説明するための工程図であ
る。 1……洗浄剤、1a……廃洗浄剤 1b……回収洗浄剤、1c……回収残液 2……被洗浄物、3……洗浄室 4……シャッター、5……第一洗浄槽 6……第二洗浄槽、7……仕上洗浄槽 8……燃焼廃ガス、9……酸素濃度検知器 10……超音波発生装置、11……乾燥器 12……ヒーター、13……乾燥室 14……蒸留塔、15……分離器 16……燃焼炉、17……冷却器 18……フィルター、19……水分除去器

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外気を吸引して洗浄域雰囲気中の酸素濃度
    が上昇することがないように洗浄域を常圧ないしやや加
    圧した状態に保ち、可燃物を含む洗浄剤を用い、かつ洗
    浄域の雰囲気中の酸素濃度を該洗浄剤の爆発下限界の酸
    素濃度よりも1割低い値よりも低く維持しながら洗浄す
    ることを特徴とする物品の洗浄方法。
  2. 【請求項2】炭化水素を含む洗浄剤を用い、かつ炭化水
    素の燃焼廃ガスの少なくとも一部を導入することによ
    り、洗浄域の雰囲気中の酸素濃度を該洗浄剤の爆発下限
    界の酸素濃度よりも低い値に維持しながら洗浄すること
    を特徴とする物品の洗浄方法。
  3. 【請求項3】洗浄域内雰囲気中の酸素濃度を検出するた
    めの酸素検出器が設置され、洗浄域が常圧ないしやや加
    圧した状態に保たれ、洗浄域内雰囲気中の酸素濃度が洗
    浄剤に含まれる可燃物の爆発下限界の酸素濃度よりも1
    割低い値よりも低く維持されてなる、可燃物を含む洗浄
    剤により物品を洗浄する洗浄域を有することを特徴とす
    る物品の洗浄装置。
  4. 【請求項4】洗浄域内雰囲気中の酸素濃度を検出するた
    めの酸素検出器が設置され、洗浄域内雰囲気中の酸素濃
    度が洗浄剤の爆発下限界の酸素濃度よりも低い値に維持
    され、炭化水素を燃焼する燃焼炉からの燃焼廃ガスの導
    入路が前記洗浄域に接続されてなる、炭化水素を含む洗
    浄剤により物品を洗浄する洗浄域を有することを特徴と
    する物品の洗浄装置。
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