JP5324798B2 - 汚染物質を含む処理残渣の処理方法、それに用いる容器 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば汚染土壌を処理した汚染物質を含む土壌処理液等の処理残渣を効率的に処理することができる汚染物質を含む処理残渣の処理方法、それに用いる容器、汚染土壌又は廃液の処理方法及び処理残渣の水熱酸化分解方法に関する。
近年では、生活排水、工場、事業所等からの排液などの浸漬による土壌汚染、また、工場跡地等の土壌汚染により本来自然に分解不可能な化学物質で汚染された土壌、地下水が増加し、その結果、生態系や社会生活基盤としての土壌環境に深刻な影響を与えている。そのため、このような汚染された土壌や地下水を浄化処理する各種の方法が提案されている。しかし、土壌中に残留する廃油、PCB、ダイオキシン類等に関しては有効な処理方法がなく、焼却や封じ込めなどの対策が行われているのが現状である。
従来から一般的に行われている焼却処理は、油、PCB、ダイオキシン等の各種有害物質に汚染された土壌をロータリキルン等の焼却設備により高温度雰囲気下で焼却処理し、汚染土壌に含まれている各種の有害物質を焼却して分解し、浄化土壌として環境に戻すものである。また、この焼却設備にて各種の有害物質が分解されて排出されるガスは無害化され、燃焼ガスと共に排ガスとして大気に放出される。
しかし、このような大規模な焼却設備に関しては、膨大な汚染土壌を処理するのにエネルギコストが大きく、また、処理後の土壌の変質等により廃棄物の取り扱いとなる可能性を含んでおり、再利用するのが困難となる恐れがある。一方、前述した汚染土壌の封じ込め処理は、本質的には汚染土壌の浄化対策とは言えず、単に自然界からの遮断と言う消極的な処理方法である。そのため、油、PCB、ダイオキシン等の各種有害物質に汚染された土壌を適正に浄化して自然界に戻すための経済的に有利な土壌の処理方法が望まれている。
そこで、汚染土壌の浄化方法として、金属触媒や助剤を土壌に添加して直接浄化と有機溶剤による洗浄手段が種々提案されている(特許文献1、2)。特に溶剤洗浄は、水溶性有機溶媒を用いることによって残留性有機汚染物質と無機物質(重金属など)の同時浄化が可能である(特許文献2)。
ここで、図8に土壌処理の一例を示す。
図8に示すように、従来の土壌処理システム200は、汚染土壌201を汚染土壌浄化装置202で処理溶剤203により汚染物質を抽出処理し処理土壌205とすると共に、その抽出溶剤204を精製装置206で精製処理し、精製した回収溶剤207は、再度汚染土壌浄化装置202で処理溶剤203として用いるようにしている。
そして、汚染物質が残留する土壌処理液208を高温・高圧の亜臨界状態において水熱酸化分解装置209で水熱酸化分解して、無害化するようにしている。前記水熱酸化分解装置209としては、加熱・加圧された反応器内においてアルカリ剤(例えば炭酸ナトリウム(Na2 CO3 ))の存在下、汚染物(例えばPCB)を酸化分解反応により塩化ナトリウム(NaCl)、二酸化炭素(CO2)等に分解させて無害化処理する装置を例示することができる。
特開2007−209825号公報 特開2003−220381号公報
しかしながら、その洗浄液や抽出残渣等を有機物と無機物を同時に無害化するに際して、図9に示す汚染土壌の処理残渣の赤外分光分析のスペクトル図のように、汚染土壌洗浄の処理残渣は、土壌由来のスラッジ成分、多環芳香族炭化水素、重質化したタール成分を多く含有しており、その粘性も高くなるので、固化し易く、この結果ハンドリング操作が非常に難しい、という問題がある。
例えば、土壌処理液を分析すると水分が30重量%、灰分が10重量%、密度が1以下、無機元素成分としては、例えばCa、S、Si、Cl、Na、Mg、Fe、K等が含有されている。
この結果、貯蔵タンクや配管内が固化によって閉塞するような場合があり、汚染土壌洗浄液を直接分解装置(例えば水熱酸化分解装置)へ連続して供給することが困難となり、連続して無害化処理することが実現できない、という問題がある。
そこで、土壌処理液を予熱することにより、液化することが有効であるが、粘性が高いため、加熱温度も高くまた操作が煩雑で、予熱設備およびそれに付随するユーティリティも規模が大きくなるため、コスト高となる、という問題がある。
また、土壌処理のみならず、残留汚染物質を含有廃液(廃水、廃油等)処理、水熱酸化分解装置の反応塔内のタール成分やスラッジ成分を含むような処理残渣の効率的な処理方法の確立が切望されている。
本発明は、前記問題に鑑み、例えば汚染土壌を処理した汚染物質を含む土壌処理液等の処理残渣を効率的に処理することができる汚染物質を含む処理残渣の処理方法、それに用いる容器、汚染土壌又は廃液の処理方法及び処理残渣の水熱酸化分解方法を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、有害汚染物を処理した汚染物質を含む処理残渣を容器内に貯蔵し、その後、容器内にジクロロベンゼン及びパークロロエチレンを添加し、汚染物質の一部を溶解させた溶解混合液を水熱酸化分解装置に供給して、汚染物質を含む溶解混合液を水熱酸化分解することを特徴とする汚染物質を含む処理残渣の処理方法にある。
の発明は、第1の発明において、容器が水熱酸化分解装置までの貯蔵容器と搬送容器と溶解容器とを兼用してなり、溶解工程において、ジクロロベンゼンとパークロロエチレンとの混合液を噴霧しつつ汚染物質を含む処理残渣を溶解させることを特徴とする汚染物質を含む処理残渣の処理方法にある。
の発明は、第1の発明において、溶解工程において、ガス撹拌させることを特徴とする汚染物質を含む処理残渣の処理方法にある。
の発明は、第乃至のいずれか一つの発明において、処理残渣の粘度が高い場合、ジクロロベンゼンを先に投入して、汚染物質を含む処理残渣を溶解させ、次いでパークロロエチレンを投入し、その比重差により液・液撹拌しつつ混合液に処理残渣を溶解させることを特徴とする汚染物質を含む処理残渣の処理方法にある。
の発明は、第1乃至のいずれか一つの発明において、容器底部側からジメチルスルホキシドを供給し、溶解液に含有する汚染物質を抽出することを特徴とする汚染物質を含む処理残渣の処理方法にある。
の発明は、第1乃至のいずれか一つの発明において、処理残渣に含有する汚染物質が残留性有機汚染物質、廃油であることを特徴とする汚染物質を含む処理残渣の処理方法にある。
の発明は、第1乃至のいずれか一つの発明において、処理残渣が汚染土壌又は汚染廃液の処理液、水熱酸化分解反応処理残渣のいずれかであることを特徴とする汚染物質を含む処理残渣の処理方法にある。
の発明は、第1乃至のいずれか一つの発明において、前記水熱酸化分解装置が、加熱・加圧された反応器内においてアルカリ剤の存在下、汚染物質を酸化分解反応により無害化処理するものであることを特徴とする汚染物質を含む処理残渣の処理方法にある。
の発明は、第1乃至のいずれか一つ発明の汚染物質を含む処理残渣の処理方法で用いられ、汚染物を処理した処理残渣を貯蔵する容器と、容器の上方から、前記容器内に処理残渣を溶解する溶解液を供給する供給ラインと、容器内に供給された溶解液と土壌処理液を撹拌する撹拌手段と、容器内のガスを循環するガス循環ラインと、処理残渣溶解後の溶解混合液を抜出す液抜出しラインとを具備することを特徴とする汚染物質を含む処理残渣の処理容器にある。
10の発明は、第9の発明において、前記溶解液がジクロロベンゼン及びパークロロエチレンとの混合液であることを特徴とする汚染物質を含む処理残渣の処理容器にある。
11の発明は、第10の発明において、容器の底部側からジメチルスルホキシドを供給する供給ラインを具備することを特徴とする汚染物質を含む処理残渣の処理容器にある。
12の発明は、第1乃至のいずれか一つの発明の汚染物質を含む汚染物質を含む処理残渣の処理方法で用いられ、汚染物を処理した処理残渣を貯蔵する容器と、容器の内部の土壌処理液を真空加熱する真空加熱手段と、真空加熱により発生したガス中の汚染物質を除去するオイルスクラバと、オイルスクラバで処理された汚染物質を含む廃棄スクラバ液を水熱酸化分解装置に排出する廃棄スクラバ液抜出しラインとを具備することを特徴とする汚染物質を含む処理残渣の処理容器にある。
13の発明は、汚染土壌又は廃液中の汚染物質を溶媒で除去する汚染土壌又は廃液処理工程と、前記汚染土壌又は廃液処理工程で得られた汚染物質を含有する処理残渣を第1乃至のいずれか一つの発明の汚染物質を含む処理残渣の処理方法で処理する処理残渣の処理工程とを含むことを特徴とする汚染土壌又は廃液の処理方法にある。
14の発明は、汚染土壌又は廃液中の汚染物質を溶媒で除去する汚染土壌又は廃液処理工程と、前記汚染土壌又は廃液処理工程で得られた汚染物質を含有する処理残渣を第1乃至のいずれか一つ発明の汚染物質を含む処理残渣の処理方法で処理する処理残渣の処理工程とを含むことを特徴とする処理残渣の水熱酸化分解方法にある。
本発明によれば、土壌処理液や、残留汚染物質を含有廃液(廃水、廃油等)処理、水熱酸化分解装置の反応塔内のタール成分やスラッジ成分を含むような処理残渣を溶解処理することで効率的な処理を行うことができる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
本発明による実施例に係るについて、図面を参照して説明する。
図1は、本実施例に係る土壌処理液の処理方法で用いる処理残渣の処理容器の概略図である。
以下、本実施例においては、処理残渣として土壌処理液を用いて説明する。
図1に示すように、本実施例に係る処理残渣の処理容器である溶解装置10は、汚染土壌を処理した土壌処理液11を貯蔵する容器12と、容器12の上方から、前記容器内に土壌処理液11を溶解する溶解液13を供給する供給ライン14と、容器12内に供給された溶解液13と土壌処理液11を撹拌する撹拌棒15aと撹拌翼15bとからなる撹拌手段15と、容器12内のガスを循環するガス循環ライン21と接続するガスライン16−1、16−2と、土壌処理液11の溶解後の溶解混合液を抜出す液抜出しライン21などと接続する排出ライン17とを具備するものである。なお、図中、符号22は粘度計、23はレベル計、24は界面計、33はフィルタ、A1〜A4は各種ラインと接続する連結部、及びV1〜V4はバルブを図示する。
ここで、土壌処理液11の溶解液としては、ジクロロベンゼン単独又はジクロロベンゼンにパークロロエチレンを添加して混合液を用いることが好ましい。
特に、その混合比率は1:1〜1:10とするのが好ましい。
また、ジクロロベンゼンの比重は1.31であるのに対し、パークロロエチレンの比重は1.62と重たいので、例えば土壌処理液のタール成分等が多く、固化しているような場合には、先ず、ジクロロベンゼンを投入して、汚染物質を含む土壌処理液を溶解させ、次いでパークロロエチレンを投入し、その比重差により液・液撹拌しつつ混合するようにするのが好ましい。
図1は従来技術で説明したような汚染土壌浄化装置で土壌を浄化処理した土壌処理液を貯蔵する貯蔵容器と、水熱酸化分解装置まで搬送する搬送容器と、水熱酸化分解装置に液状で供給する際に溶解処理する溶解容器とを兼用している。
図2は溶解液を用いて土壌処理液を溶解処理する説明図である。
図2に示すように、水熱酸化分解装置の近傍の溶解設備(後述)内において、溶解液13を供給する溶解液供給ライン31と供給ライン14とを連結部A1で接続し、容器12内部に配設したフィルタ33を介して、溶解液13を噴霧液34として土壌処理液11に対して噴霧している。
また、ガス循環ライン21とガスライン16−1、16−2とを連結部A2、A3で接続し、撹拌用ガス35をブロア36により循環するようにしている。なお、撹拌用ガス35としては、単に容器内部のガスを循環させるようにしてもよいが、別途空気を供給したり、さらには水熱酸化分解装置内で発生するガス37を供給するようにしたりしてもよい。
これにより、土壌処理液11を溶解する工程において、ジクロロベンゼンとパークロロエチレンとの混合した溶解液13を噴霧しつつ汚染物質を含む土壌処理液11を溶解させて常温液化させることができる。
次に、溶解液13を用いた溶解の工程を詳述する。
ジクロロベンゼンとパークロロエチレンとの溶解液(混合割合1:1)13を、攪拌手段15を有する容器12内の上部より0.1mmフィルタ33を介して微粒化噴霧・供給する。
なお、タール等の含有濃度より粘度が異なるため、ジクロロベンゼンとパークロロエチレンを任意の割合で調整し、粘度計22、レベル計23及び界面計24で制御する。
溶解に際しては、撹拌手段15の攪拌翼15b及び攪拌用ガス35を用いて、強制的に液・液接触を行う。
液化した溶解混合液38は、例えば水熱酸化分解装置39で分解処理するPCB又は油と混合できるため、そのまま無害化処理装置である水熱酸化分解装置39へ送液ポンプ40を介して供給することができる。
これにより、汚染土壌を処理した処理残渣である土壌処理液11の粘性を低下させ、水熱酸化分解装置39で処理する際のハンドリングが容易となる。
図3−1及び3−2にジクロロベンゼン添加量と汚染土壌の土壌処理液との粘度との関係を示す。ここで、図3−1はずり速度上昇の場合であり、図3−2はずり速度降下の場合である。搬送可能な混合液の粘度は、ずり速度100(1/s)において、見かけ粘度が400cPであるので、粘度計22において常に400cP以下になるように溶解液を添加するようにすればよい。
このように、本実施例によれば、ジクロロベンゼン単独又はジクロロベンゼンとパークロロエチレンの混合液により、汚染土壌処理液11を液化することができる。
なお、これら以外の有機溶剤、例えばアセトン、トルエン、ヘキサン、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、脂肪族炭化水素系溶剤、灯油等は、汚染物質を処理したタール成分やスラッジ成分を含む処理残渣を常温液化処理することが困難であった。
このように、本発明によれば、土壌処理液等の処理残渣を常温でハンドリング可能な流体とすることができ、しかも、加熱等の熱エネルギーが不要で、また冷却も必要がないため、処理コストも抑えることができる。
更に、水熱酸化分解装置において、例えばPCB等の他の有害汚染物(液体)と同時又は別途に分解処理することができる。
また、前記溶解液に、添加剤を添加するようにしてもよい。
ここで、土壌処理液11の主溶剤がアセトンのように親水性が高い場合には、水中油滴(O/W)型による分散を行うため、HLB値の大きな非イオン性界面活性剤を用いることが好ましい。一例としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル(C1225(C24O)2OH、HLB値:15.3;脂肪族系界面活性剤)、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(HLB値:14.5;芳香族系界面活性剤)を用いるのがよい。
また、土壌処理液11の主溶剤がトルエンのように親油性が高い場合には、油中水滴(S/O)型による分散を行うため、HLB値の小さな非イオン性界面活性剤を用いることができる。一例としては、新油型モノステアリン酸グリセリン(CH2OCOR(CHOH)(CH2OH)、HLB値2.8)、新油型モノオレイン酸グリセリン(CH2OCOR(CHOH)(CHOH)、HLB値2.8)を用いるのがよい。
さらに、土壌処理液11の組成が判断できない場合には、両性界面活性剤を用いるのが好ましい。例えばラウリルベタイン(R1R23−N+(CH2)nCOO-)を用いるのが好ましい。
なお、添加剤を添加する割合は、前述したのと同様に粘度計による見かけ粘度が400cP以下を指標に適正化を行うのが好ましい。
図4に水熱酸化分解装置を用いた汚染土壌の処理工程を説明する。
図4に示すように、汚染土壌の処理工程は、汚染土壌101中の汚染物質を溶媒で除去する汚染土壌処理工程(S11)と、土壌処理液を図1に示す溶解装置10の容器内に投入して貯留・保管・搬送する工程(S12)と、前記溶解装置10内に保管された土壌処理液11を図2に示すように溶解液13を供給して溶解装置10で処理する土壌処理液溶解工程(S13)と、溶解混合液38を水熱酸化分解装置39で分解処理する水熱酸化分解工程(S14)とからなり、土壌処理液を無害化処理させることができる。
次に、図5に土壌処置設備と水熱酸化分解設備とを統合した有害物質処理システムの一例を示す。
有害物質処理システムは、土壌処理設備100と、溶解処理設備110と水熱酸化分解装置120とから構成されている。
先ず、土壌処理設備100は、汚染土壌101を処理溶剤102で処理して処理土壌103に無害化する土壌処置装置104を備えており、土壌処理装置104で処理された土壌処理液11を容器12に投入して、貯蔵又は搬送する。次いで、溶解処理設備110において、図2のような溶解処理を行い、常温で液体の溶解混合液38として、水熱酸化分解装置120で水熱酸化分解するようにしている。
本実施例における水熱酸化分解装置120の概略構成は、前記溶解混合液38、別途分別されたPCB等の被処理物121、油122、水酸化ナトリウム(NaOH)123、純水124及び酸素(O2 )を高圧酸素供給設備125より投入する筒形状の一次反応塔126と、二次反応塔127と、冷却器128および反応器の減圧弁129を備えている。また、減圧弁129の下流には、排水(H2O、NaCl)130と排気ガス(CO2 )131とに分離する気液分離装置132が配置されている。なお、上記二次反応塔127は必要に応じて省略することもできる。
上記装置において、加圧ポンプ135a〜135dによる加圧により一次反応塔126内は、例えば26MPaまで昇圧される。また、熱交換器136は、純水123を300℃程度に予熱する。また、一次反応塔126内には酸素が噴出しており、内部の反応熱により350℃〜400℃まで(好適には370℃まで)昇温する。この段階までに、一次反応塔126の内部では酸化分解反応を起こし、被処理物121に含まれたPCB等の有害物質はCO2およびH2Oに分解されている。つぎに、冷却器128では、二次反応塔127からの流体を100℃程度までに冷却すると共に後段の減圧弁129にて大気圧まで減圧する。そして、気液分離装置132によりCO2および水蒸気と処理液とが分離され、CO2および水蒸気は、活性炭層137を通過して煙突138を介して環境中に排出される。また廃水130は一時的に放出タンク139に保管され、その後放出されている。
このように、図1に示す溶解装置10は土壌処理液11の貯蔵と保管と搬送と溶解の工程に一台で全て賄うことができ、容器の取り回しを容易とすると共に、容器から容器に移動するような二次汚染も防止することができる。
本実施例では、土壌処理液を処理残渣として例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば残留汚染物質(PCB、ダイオキシン類等)を含有廃液(廃水、廃油等)処理、水熱酸化分解装置の反応塔内のタール成分やスラッジ成分を含むような処理残渣を溶解処理することで効率的な処理を行うことができる。
図6は、本実施例に係る土壌処理液の処理方法で用いる溶解装置の概略図である。
以下、本実施例においては、処理残渣として土壌処理液を用いて説明する。
本実施例に係る溶解装置は、実施例1の装置において、容器12の下部側に、ジメチルスルホキシドの供給ライン41を設けたものである。そして、容器12の底部側からジメチルスルホキシドを供給して、溶解液に含有する汚染物質を抽出するようにしている。
このように、容器12の下部よりジメチルスルホキシドを投入し、ジクロロベンゼンと液・液接触による抽出を行う。この抽出後、二層に分離された容器下部にある混合液は、汚染物質が抽出除去されているので、外部の廃棄ラインへ送り、その後、ジメチルスルホキシド抽出液42を水熱酸化分解装置39設備へ供給して、水熱酸化分解するようにしている。
図7は、本実施例に係る土壌処理液の処理方法で用いる処理残渣の処理容器の概略図である。
以下、本実施例においては、処理残渣として土壌処理液を用いて説明する。
本実施例に係る処理残渣の処理容器である真空加熱装置50は、外部にヒータ51を備え、真空ポンプ53により真空排気して真空加熱により土壌処理液11をガス化させ、発生したガス中の汚染物質(PCB)を除去するオイルスクラバ装置52と、オイルスクラバ装置52で処理された汚染物質(PCB)を含む廃棄スクラバ液56を水熱酸化分解装置39に排出する廃棄スクラバ液抜出しライン57とを具備するものである。
真空加熱処理の条件は、加熱温度が150〜250℃、圧力が10Pa〜1KPaにて真空加熱を行い、気化した汚染物をオイルスクラバ52内でスクラバ液54を用いて捕集する。スクラバ液54は循環ポンプ55により循環利用し、廃棄する際には、廃棄スクラバ液56として、そのまま水熱酸化分解装置39へ供給する。
加熱後のスラッジは、図2に示すような手順により常温液化し、廃棄物としてそのまま外部へ排出する。
以上のように、本発明によれば、土壌処理のみならず、残留汚染物質を含有廃液(廃水、廃油等)処理、水熱酸化分解装置の反応塔内のタール成分やスラッジ成分を含むような処理残渣の効率的な処理方法に適用できる。
実施例1に係る土壌処理液の処理方法で用いる処理残渣の処理容器の概略図である。 その溶解工程の概略図である。 ジクロロベンゼン添加量と見かけ粘度との関係図(ずり速度上昇)である。 ジクロロベンゼン添加量と見かけ粘度との関係図(ずり速度降下)である。 汚染土壌の処理工程のフローチャートである。 汚染土壌処理と水熱酸化分解処理とを組み合わせた有害物質処理システムの概略図である。 実施例2に係る土壌処理液の処理方法で用いる溶解装置の概略図である。 実施例3に係る土壌処理液の処理方法で用いる処理残渣の処理容器の概略図である。 従来の土壌処理の概略図である。 汚染土壌の処理残渣の赤外分光分析のスペクトル図である。
10 溶解装置
11 土壌処理液
12 容器
13 溶解液
14 供給ライン
15 撹拌手段
22 粘度計

Claims (14)

  1. 有害汚染物を処理した汚染物質を含む処理残渣を容器内に貯蔵し、
    その後、容器内にジクロロベンゼン及びパークロロエチレンを添加し、
    汚染物質の一部を溶解させた溶解混合液を水熱酸化分解装置に供給して、汚染物質を含む溶解混合液を水熱酸化分解することを特徴とする汚染物質を含む処理残渣の処理方法。
  2. 請求項1において、
    容器が水熱酸化分解装置までの貯蔵容器と搬送容器と溶解容器とを兼用してなり、
    溶解工程において、ジクロロベンゼンとパークロロエチレンとの混合液を噴霧しつつ汚染物質を含む処理残渣を溶解させることを特徴とする汚染物質を含む処理残渣の処理方法。
  3. 請求項において、
    溶解工程において、ガス撹拌させることを特徴とする汚染物質を含む処理残渣の処理方法。
  4. 請求項乃至のいずれか一つにおいて、
    処理残渣の粘度が高い場合、ジクロロベンゼンを先に投入して、汚染物質を含む処理残渣を溶解させ、次いでパークロロエチレンを投入し、その比重差により液・液撹拌しつつ混合液に処理残渣を溶解させることを特徴とする汚染物質を含む処理残渣の処理方法。
  5. 請求項1乃至のいずれか一つにおいて、
    容器底部側からジメチルスルホキシドを供給し、溶解液に含有する汚染物質を抽出することを特徴とする汚染物質を含む処理残渣の処理方法。
  6. 請求項1乃至のいずれか一つにおいて、
    処理残渣に含有する汚染物質が残留性有機汚染物質、廃油であることを特徴とする汚染物質を含む処理残渣の処理方法。
  7. 請求項1乃至のいずれか一つにおいて、
    処理残渣が汚染土壌又は汚染廃液の処理液、水熱酸化分解反応処理残渣のいずれかであることを特徴とする汚染物質を含む処理残渣の処理方法。
  8. 請求項1乃至のいずれか一つにおいて、
    前記水熱酸化分解装置が、加熱・加圧された反応器内においてアルカリ剤の存在下、汚染物質を酸化分解反応により無害化処理するものであることを特徴とする汚染物質を含む処理残渣の処理方法。
  9. 請求項1乃至のいずれか一つの汚染物質を含む処理残渣の処理方法で用いられ、
    汚染物を処理した処理残渣を貯蔵する容器と、
    容器の上方から、前記容器内に処理残渣を溶解する溶解液を供給する供給ラインと、
    容器内に供給された溶解液と土壌処理液を撹拌する撹拌手段と、
    容器内のガスを循環するガス循環ラインと、
    処理残渣溶解後の溶解混合液を抜出す液抜出しラインとを具備することを特徴とする汚染物質を含む処理残渣の処理容器。
  10. 請求項において、
    前記溶解液がジクロロベンゼン及びパークロロエチレンとの混合液であることを特徴とする汚染物質を含む処理残渣の処理容器。
  11. 請求項10において、
    容器の底部側からジメチルスルホキシドを供給する供給ラインを具備することを特徴とする汚染物質を含む処理残渣の処理容器。
  12. 請求項1乃至のいずれか一つの汚染物質を含む処理残渣の処理方法で用いられ、
    汚染物を処理した処理残渣を貯蔵する容器と、
    容器の内部の土壌処理液を真空加熱する真空加熱手段と、
    真空加熱により発生したガス中の汚染物質を除去するオイルスクラバと、
    オイルスクラバで処理された汚染物質を含む廃棄スクラバ液を水熱酸化分解装置に排出する廃棄スクラバ液抜出しラインとを具備することを特徴とする汚染物質を含む処理残渣の処理容器。
  13. 汚染土壌又は廃液中の汚染物質を溶媒で除去する汚染土壌又は廃液処理工程と、
    前記汚染土壌又は廃液処理工程で得られた汚染物質を含有する処理残渣を請求項1乃至のいずれか一つの汚染物質を含む処理残渣の処理方法で処理する処理残渣の処理工程とを含むことを特徴とする汚染土壌又は廃液の処理方法。
  14. 汚染土壌又は廃液中の汚染物質を溶媒で除去する汚染土壌又は廃液処理工程と、
    前記汚染土壌又は廃液処理工程で得られた汚染物質を含有する処理残渣を請求項1乃至のいずれか一つの汚染物質を含む処理残渣の処理方法で処理する処理残渣の処理工程とを含むことを特徴とする処理残渣の水熱酸化分解方法。
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