JP3038049B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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- B60C—VEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Tires In General (AREA)
- Ropes Or Cables (AREA)
- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ベルトコード内へのゴ
ムの浸透性を高めつつ低荷重域でのコードの伸びを低減
でき、ベルト耐久性及び操縦安定性等を大巾に向上しう
る空気入りタイヤに関する。
ムの浸透性を高めつつ低荷重域でのコードの伸びを低減
でき、ベルト耐久性及び操縦安定性等を大巾に向上しう
る空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】近年道路網の整備化、車両の高性能化に
伴いトレッド部を強靭なベルト層で補強したラジアルタ
イヤが多用されており、又このようなタイヤのベルトコ
ードには、タイヤの軽量化、コストの低減等を計るため
に、例えば特開昭60−189604号公報に開示され
るごとく、3本のスチール素線を相互に密着して撚り合
わせたクローズドタイプの1×3構造のものが一般に採
用されている。
伴いトレッド部を強靭なベルト層で補強したラジアルタ
イヤが多用されており、又このようなタイヤのベルトコ
ードには、タイヤの軽量化、コストの低減等を計るため
に、例えば特開昭60−189604号公報に開示され
るごとく、3本のスチール素線を相互に密着して撚り合
わせたクローズドタイプの1×3構造のものが一般に採
用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
な従来の1×3構造のベルトコードでは、各スチール素
線が互いに密にかつ長手方向に連続して接触するため、
図5aに示すように、コードA内にトッピングゴムBが
十分に浸透しない空所Hが形成されやすい。又この空所
Hは、その残存空気がタイヤ発熱によって膨張し局部的
な歪を増大させる他ゴムの劣化を促進させ、さらにはタ
イヤが切開損傷を受けた際、該損傷部から侵入する水分
等が前記空所H内で拡散しコードの腐食損傷を誘発させ
るなどタイヤ耐久性を著しく低下させる。一方、このよ
うなゴムの浸透性を高めコート内での空所の形成を防止
するために、例えば特開昭55−90692号公報に開
示されかつ図5bに略示するように、コード径をやや大
きめに撚り合わせることにより各スチール素線Fの間に
間隙を形成したいわゆるオープンコードも提案されてい
る。また、特開昭63−42985号公報には、1×3
構造において、各素線間の中心間距離の比を特定したオ
ープンコードを開示している。しかしこのオープンコー
ドでは、各スチール素線Fがゆるめに撚り合わされてい
るため容易に縮径変形し、特に低荷重域(0〜5kg)で
の伸び率を過大としている。その結果、このようなオー
プンコードをベルトコードとして使用した場合には、加
硫成形時及び内圧充填時、該ベルトコードが不均一に伸
長しタイヤのユニフォミティーを損ねる他、ベルト剛性
を減じ操縦安定性、転がり抵抗等を大巾に低下するとい
う新たな問題が発生する。
な従来の1×3構造のベルトコードでは、各スチール素
線が互いに密にかつ長手方向に連続して接触するため、
図5aに示すように、コードA内にトッピングゴムBが
十分に浸透しない空所Hが形成されやすい。又この空所
Hは、その残存空気がタイヤ発熱によって膨張し局部的
な歪を増大させる他ゴムの劣化を促進させ、さらにはタ
イヤが切開損傷を受けた際、該損傷部から侵入する水分
等が前記空所H内で拡散しコードの腐食損傷を誘発させ
るなどタイヤ耐久性を著しく低下させる。一方、このよ
うなゴムの浸透性を高めコート内での空所の形成を防止
するために、例えば特開昭55−90692号公報に開
示されかつ図5bに略示するように、コード径をやや大
きめに撚り合わせることにより各スチール素線Fの間に
間隙を形成したいわゆるオープンコードも提案されてい
る。また、特開昭63−42985号公報には、1×3
構造において、各素線間の中心間距離の比を特定したオ
ープンコードを開示している。しかしこのオープンコー
ドでは、各スチール素線Fがゆるめに撚り合わされてい
るため容易に縮径変形し、特に低荷重域(0〜5kg)で
の伸び率を過大としている。その結果、このようなオー
プンコードをベルトコードとして使用した場合には、加
硫成形時及び内圧充填時、該ベルトコードが不均一に伸
長しタイヤのユニフォミティーを損ねる他、ベルト剛性
を減じ操縦安定性、転がり抵抗等を大巾に低下するとい
う新たな問題が発生する。
【0004】本発明は、3本のスチール素線のうちの1
〜2本に、型づけ素線を用いることを基本として、ゴム
浸透性を高めつつコードの伸びを低減でき前記問題点を
解決しうる空気入りタイヤの提供を目的としている。
〜2本に、型づけ素線を用いることを基本として、ゴム
浸透性を高めつつコードの伸びを低減でき前記問題点を
解決しうる空気入りタイヤの提供を目的としている。
【0005】前記目的を達成するために、本発明の空気
入りタイヤは、カーカスの半径方向外側かつトレッド部
内方に、タイヤ赤道に対して角度θで傾斜するベルトコ
ードをトッピングゴムで被覆してなるベルト層を設ける
とともに、前記ベルトコードは、3本のスチール素線を
撚り合わせてコード断面を円形として形成されしかも3
本の内の1本又は2本のスチール素線は撚り合わせ前に
おいて該スチール素線の長手中心線からはずれる湾曲部
を有する波線状又は螺旋状の型づけ素線を用いることに
よって隣り合う非型づけ素線と接触、非接触をくり返す
とともに、前記非接触の部分の型づけ素線と非型づけ素
線との間隙Tは該素線の直径dの0.6倍以下であり、
かつ前記トッピングゴムは、複素弾性率E* が45〜1
50kgf/cm2 であり、しかも前記ベルト層は次式 K=M/sin θ …… (ただしMはベルト層の巾5cm当たりのベルトコード打
込み本数、θはタイヤ赤道に対するベルトコードの傾斜
角度)で示す座屈抵抗係数Kを80より大かつ180よ
り小とし、しかも前記ベルトコードの、5kg荷重時の伸
びが0.173%以下、かつ湾曲部の形成ピッチはコー
ドの撚り合わせピッチより小としたことを特徴とする空
気入りタイヤである。
入りタイヤは、カーカスの半径方向外側かつトレッド部
内方に、タイヤ赤道に対して角度θで傾斜するベルトコ
ードをトッピングゴムで被覆してなるベルト層を設ける
とともに、前記ベルトコードは、3本のスチール素線を
撚り合わせてコード断面を円形として形成されしかも3
本の内の1本又は2本のスチール素線は撚り合わせ前に
おいて該スチール素線の長手中心線からはずれる湾曲部
を有する波線状又は螺旋状の型づけ素線を用いることに
よって隣り合う非型づけ素線と接触、非接触をくり返す
とともに、前記非接触の部分の型づけ素線と非型づけ素
線との間隙Tは該素線の直径dの0.6倍以下であり、
かつ前記トッピングゴムは、複素弾性率E* が45〜1
50kgf/cm2 であり、しかも前記ベルト層は次式 K=M/sin θ …… (ただしMはベルト層の巾5cm当たりのベルトコード打
込み本数、θはタイヤ赤道に対するベルトコードの傾斜
角度)で示す座屈抵抗係数Kを80より大かつ180よ
り小とし、しかも前記ベルトコードの、5kg荷重時の伸
びが0.173%以下、かつ湾曲部の形成ピッチはコー
ドの撚り合わせピッチより小としたことを特徴とする空
気入りタイヤである。
【0006】
【作用】ベルトコードを構成する3本のスチール素線の
内、1本又は2本に型づけ素線を用いている。型づけ素
線は、波線状、螺旋状をなすことによりその長手中心線
からはずれる湾曲部を有し、従って型づけ素線は、他の
ストレートな非型づけ素線と撚り合わすことによって、
該非型づけ素線と接触、非接触をくり返す。そしてこの
型づけしていない1〜2本の素線が加硫中のゴムの流れ
で生ずるコードの伸びによる構造変化に対抗して安定性
を保つとともに、型づけ素線との間に形成する適度の間
隙によって均一なゴムの浸入を容易としている。すなわ
ち構造安定性を高めつつ、ゴムの浸透性を向上でき、ベ
ルト耐久性を高めうる。又ベルトコードは、前記接触の
部分を有ししかも少なくとも非型づけ素線を含んでいる
ため、加硫後にあっては、低荷重域におけるコードの伸
び率を従来の密着撚り(クロースドタイプ)のコードと
ほぼ同程度まで低減でき、ユニフォミティを高めかつ操
縦安定性及び転がり抵抗等を大巾に向上しうる。
内、1本又は2本に型づけ素線を用いている。型づけ素
線は、波線状、螺旋状をなすことによりその長手中心線
からはずれる湾曲部を有し、従って型づけ素線は、他の
ストレートな非型づけ素線と撚り合わすことによって、
該非型づけ素線と接触、非接触をくり返す。そしてこの
型づけしていない1〜2本の素線が加硫中のゴムの流れ
で生ずるコードの伸びによる構造変化に対抗して安定性
を保つとともに、型づけ素線との間に形成する適度の間
隙によって均一なゴムの浸入を容易としている。すなわ
ち構造安定性を高めつつ、ゴムの浸透性を向上でき、ベ
ルト耐久性を高めうる。又ベルトコードは、前記接触の
部分を有ししかも少なくとも非型づけ素線を含んでいる
ため、加硫後にあっては、低荷重域におけるコードの伸
び率を従来の密着撚り(クロースドタイプ)のコードと
ほぼ同程度まで低減でき、ユニフォミティを高めかつ操
縦安定性及び転がり抵抗等を大巾に向上しうる。
【0007】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面に基づき説明す
る。図において空気入りタイヤ1は、トレッド部2と、
該トレッド部2の両端からタイヤ半径方向内方にのびる
サイドウォール部3と、各サイドウォール部3のタイヤ
半径方向内端に位置しかつビードコア4が通るビード部
5とを具える。
る。図において空気入りタイヤ1は、トレッド部2と、
該トレッド部2の両端からタイヤ半径方向内方にのびる
サイドウォール部3と、各サイドウォール部3のタイヤ
半径方向内端に位置しかつビードコア4が通るビード部
5とを具える。
【0008】又ビード部5、5間には、トレッド部2か
らサイドウォール部3をへてビード部5に至る本体部両
端がビードコア4の廻りで折返されるカーカス6が架け
渡されるとともに、該カーカス6の半径方向外側かつト
レッド部2内方には、強靭なベルト層9が巻装される。
らサイドウォール部3をへてビード部5に至る本体部両
端がビードコア4の廻りで折返されるカーカス6が架け
渡されるとともに、該カーカス6の半径方向外側かつト
レッド部2内方には、強靭なベルト層9が巻装される。
【0009】カーカス6は、カーカスコードをタイヤ赤
道に対して75〜90度の角度で配列した少なくとも1
枚以上のカーカスプライ6Aからなり、該カーカス6の
本体部6aとその両端の折返し部6bとの間には、前記
ビードコア4からタイヤ半径方向外方に向かって先細状
にのびる硬質のビードエーペックスゴム8が設けられ、
ビード部5からサイドウォール部3に至り補強するとと
もにタイヤ横剛性を高めている。なおカーカス6は、本
例ではナイロン繊維コードからなる例えば1枚のカーカ
スプライ6Aから形成されるが、カーカスコードとして
は他にポリエステル、レーヨン、芳香族ポリアミド等の
有機繊維コードが好適に使用でき、又要求するタイヤ性
能に応じてスチール等の金属コードも採用しうる。
道に対して75〜90度の角度で配列した少なくとも1
枚以上のカーカスプライ6Aからなり、該カーカス6の
本体部6aとその両端の折返し部6bとの間には、前記
ビードコア4からタイヤ半径方向外方に向かって先細状
にのびる硬質のビードエーペックスゴム8が設けられ、
ビード部5からサイドウォール部3に至り補強するとと
もにタイヤ横剛性を高めている。なおカーカス6は、本
例ではナイロン繊維コードからなる例えば1枚のカーカ
スプライ6Aから形成されるが、カーカスコードとして
は他にポリエステル、レーヨン、芳香族ポリアミド等の
有機繊維コードが好適に使用でき、又要求するタイヤ性
能に応じてスチール等の金属コードも採用しうる。
【0010】又ベルト層9は、本例では、カーカス6に
重置する内のベルトプライ9Aとその外側に配される外
のベルトプライ9Bとの2層構造をなし、トレッド部2
のほぼ全巾をタガ効果を有して補強する。又各トレッド
ベルトプライ9A、9Bはベルトコード10をタイヤ赤
道に対して0〜35度の角度θで互いに平行に配列した
コード配列体をトッピングゴム11によって被覆したシ
ート状をなし、前記トッピングゴム11は加硫によって
トレッドゴム等と融合しタイヤゴムを構成する。なお内
のベルトプライ9Aのベルトコード10は外のベルトプ
ライ9Bのベルトコード10と互いに交差する向きに配
される。
重置する内のベルトプライ9Aとその外側に配される外
のベルトプライ9Bとの2層構造をなし、トレッド部2
のほぼ全巾をタガ効果を有して補強する。又各トレッド
ベルトプライ9A、9Bはベルトコード10をタイヤ赤
道に対して0〜35度の角度θで互いに平行に配列した
コード配列体をトッピングゴム11によって被覆したシ
ート状をなし、前記トッピングゴム11は加硫によって
トレッドゴム等と融合しタイヤゴムを構成する。なお内
のベルトプライ9Aのベルトコード10は外のベルトプ
ライ9Bのベルトコード10と互いに交差する向きに配
される。
【0011】そして本発明においては、前記ベルトコー
ド10は、図2に示すように、3本のスチール素線12
の撚り合わせ体によって形成しており、しかも図3
(a)に一点鎖線で示すようにベルトコード10は、素
線12A、12B、12Cの外接円がなすコード断面を
円形として形成されている。またベルトコード10は、
前記3本の内、1本又は2本のスチール素線12には、
型づけ素線12Aが用いられかつ、残りのスチール素線
12には非型づけ素線12Bが用いられる。なお本例で
はベルトコード10は、1本の型づけ素線12Aと2本
の非型づけ素線12Bとで構成している。
ド10は、図2に示すように、3本のスチール素線12
の撚り合わせ体によって形成しており、しかも図3
(a)に一点鎖線で示すようにベルトコード10は、素
線12A、12B、12Cの外接円がなすコード断面を
円形として形成されている。またベルトコード10は、
前記3本の内、1本又は2本のスチール素線12には、
型づけ素線12Aが用いられかつ、残りのスチール素線
12には非型づけ素線12Bが用いられる。なお本例で
はベルトコード10は、1本の型づけ素線12Aと2本
の非型づけ素線12Bとで構成している。
【0012】ここで前記非型づけ素線12Bは、図4b
に示すように、撚り合わせ前において、その長手中心線
Lに沿ってのびる従来の直線状のスチール素線である。
又前記型づけ素線12Aは、図4aに示すように、例え
ば波付け加工を予め施すことにより前記長手中心線Lか
らはずれる波線状の湾曲線13を小ピッチで形成した曲
線状の素線であって、このような湾曲部13を設けるこ
とにより、該型づけ素線12Aと非型づけ素線12Bと
は接触、非接触をくり返して撚り合わされる。従ってベ
ルトコード10は、図3aに示すように、該非接触の部
分Pにおいて、トッピングゴムが浸透可能な間隙Tを型
づけ素線12Aと非型づけ素線12Bとの間に形成で
き、ゴム浸透性を高めベルト耐久性を向上しうる。なお
型づけ素線12Aとしては、螺旋状に型づけしたものを
採用してもよく、かかる場合、螺旋部分によって長手中
心線Lからはずれる湾曲部13を形成する。特に型づけ
素線12Aの湾曲部13を、長手方向線Lに対してほぼ
対称をなす螺旋状に形成した場合には、ベルトコードに
長手方向に規則的な同型の周期を付与しうる(図3
b)。
に示すように、撚り合わせ前において、その長手中心線
Lに沿ってのびる従来の直線状のスチール素線である。
又前記型づけ素線12Aは、図4aに示すように、例え
ば波付け加工を予め施すことにより前記長手中心線Lか
らはずれる波線状の湾曲線13を小ピッチで形成した曲
線状の素線であって、このような湾曲部13を設けるこ
とにより、該型づけ素線12Aと非型づけ素線12Bと
は接触、非接触をくり返して撚り合わされる。従ってベ
ルトコード10は、図3aに示すように、該非接触の部
分Pにおいて、トッピングゴムが浸透可能な間隙Tを型
づけ素線12Aと非型づけ素線12Bとの間に形成で
き、ゴム浸透性を高めベルト耐久性を向上しうる。なお
型づけ素線12Aとしては、螺旋状に型づけしたものを
採用してもよく、かかる場合、螺旋部分によって長手中
心線Lからはずれる湾曲部13を形成する。特に型づけ
素線12Aの湾曲部13を、長手方向線Lに対してほぼ
対称をなす螺旋状に形成した場合には、ベルトコードに
長手方向に規則的な同型の周期を付与しうる(図3
b)。
【0013】他方、ベルトコード10は、荷重時、接触
の部分Qにおいて、素線12A、12B間に接触圧が作
用するため、該ベルトコード10の縮径変形が抑制さ
れ、しかも非型づけ素線12Bが少なくとも1本存在す
るため、特に低荷重域(0〜5kg)でのコードの伸び率
を大巾に低減しうる。又本例ではタイヤの軽量化を計り
つつ必要なベルト強度を得るために、スチール素線12
の直径dを0.20〜0.35mmより好ましくは0.2
5〜0.28mmとしている。しかも前記非接触の部分P
での前記間隙Tを該直径dの0.6倍以下としており、
このことにより5kg荷重時のコードの伸びを0.17%
以下に低減し、ユニフォミティー、操縦安定性等のタイ
ヤ走行特性を向上しうる。なお前記伸びを安定化させか
つコード径の増大を抑制するためには、本例のごとく、
型づけ素線12Aを1本とすることが望ましい。又前記
湾曲部13の形成ピッチはコードの撚り合わせピッチよ
り小である。
の部分Qにおいて、素線12A、12B間に接触圧が作
用するため、該ベルトコード10の縮径変形が抑制さ
れ、しかも非型づけ素線12Bが少なくとも1本存在す
るため、特に低荷重域(0〜5kg)でのコードの伸び率
を大巾に低減しうる。又本例ではタイヤの軽量化を計り
つつ必要なベルト強度を得るために、スチール素線12
の直径dを0.20〜0.35mmより好ましくは0.2
5〜0.28mmとしている。しかも前記非接触の部分P
での前記間隙Tを該直径dの0.6倍以下としており、
このことにより5kg荷重時のコードの伸びを0.17%
以下に低減し、ユニフォミティー、操縦安定性等のタイ
ヤ走行特性を向上しうる。なお前記伸びを安定化させか
つコード径の増大を抑制するためには、本例のごとく、
型づけ素線12Aを1本とすることが望ましい。又前記
湾曲部13の形成ピッチはコードの撚り合わせピッチよ
り小である。
【0014】又前記トッピングゴム11として、複素弾
性率E* が45〜150kgf/cm2のゴム組成体が用い
られるとともに、ベルト層9の座屈抵抗係数Kは80よ
り大かつ180より小に設定される。
性率E* が45〜150kgf/cm2のゴム組成体が用い
られるとともに、ベルト層9の座屈抵抗係数Kは80よ
り大かつ180より小に設定される。
【0015】ここで前記複素弾性率E* は、株式会社岩
元製作所製の粘弾性スペクトロメータを使用し、温度7
0°C、初期歪10%、周波数10Hz、振幅2%の条件
下で4mm(幅)×30mm(長さ)×2mm(厚さ)の試料
片を測定したときの値である。又前記座屈抵抗係数K
は、ベルト巾5cm当たりベルトコード10の打込本数M
をsin θで除した値であって、該θは、ベルトコード1
0のタイヤ赤道に対するコード角度である。前記複素弾
性率E* が45kgf/cm2 未満の時、ベルト剛性が不十
分となり、操縦安定性を損ねるとともに急旋回時の耐コ
ード切れ性を低下し、又150kgf/cm2 より大の時、
コード内へのゴム浸透性を悪化する。
元製作所製の粘弾性スペクトロメータを使用し、温度7
0°C、初期歪10%、周波数10Hz、振幅2%の条件
下で4mm(幅)×30mm(長さ)×2mm(厚さ)の試料
片を測定したときの値である。又前記座屈抵抗係数K
は、ベルト巾5cm当たりベルトコード10の打込本数M
をsin θで除した値であって、該θは、ベルトコード1
0のタイヤ赤道に対するコード角度である。前記複素弾
性率E* が45kgf/cm2 未満の時、ベルト剛性が不十
分となり、操縦安定性を損ねるとともに急旋回時の耐コ
ード切れ性を低下し、又150kgf/cm2 より大の時、
コード内へのゴム浸透性を悪化する。
【0016】又座屈抵抗係数Kが80以下では、急旋回
時の耐コード切れ性及び操縦安定性を低下し、逆に18
0より以上では、乗心地性を損ねる他タイヤ重量を増大
しさらにはコストの上昇を招く。
時の耐コード切れ性及び操縦安定性を低下し、逆に18
0より以上では、乗心地性を損ねる他タイヤ重量を増大
しさらにはコストの上昇を招く。
【0017】(具体例) 図1に示す構造をなしかつタイヤサイズが195/70
R14のタイヤを表1の仕様に基づき試作するととも
に、該タイヤの急旋回時の耐コード切れ性、操縦安定
性、乗心地性を夫々従来タイヤ、比較タイヤと比較し
た。
R14のタイヤを表1の仕様に基づき試作するととも
に、該タイヤの急旋回時の耐コード切れ性、操縦安定
性、乗心地性を夫々従来タイヤ、比較タイヤと比較し
た。
【0018】
【表1】
【0019】なお表1において、 コード内へのゴム
浸入度は、タイヤから任意に取り出した3本のベルトコ
ードの夫々に対して、1本のスチール素線をカッターに
よって分離し、残り2本のスチール素線を目視すること
によりゴム浸入の有無を判定する。該判定は、コードの
撚りピッチ毎に行い、スチール素線の内側面が少しでも
露出していればゴム浸入無しと判断。そして次式2)を算
出しこれらの4本の平均値としてゴム浸入度を表してい
る。
浸入度は、タイヤから任意に取り出した3本のベルトコ
ードの夫々に対して、1本のスチール素線をカッターに
よって分離し、残り2本のスチール素線を目視すること
によりゴム浸入の有無を判定する。該判定は、コードの
撚りピッチ毎に行い、スチール素線の内側面が少しでも
露出していればゴム浸入無しと判断。そして次式2)を算
出しこれらの4本の平均値としてゴム浸入度を表してい
る。
【0020】 (ゴム浸入有りのピッチ数/コード体中のピッチ総数)×100 ……
【0021】 コード耐腐食性は、タイヤ内側から外
のベルトプライに達する穴を8ケ所形成しかつタイヤ内
に塩水を注入した後、速度:60km/H、荷重;JIS
規格の1.2倍の条件下で3万km走行させ、その時の外
のベルトプライの腐食面積を、従来タイヤ2を100と
した指数で表示している。指数が小なほど優れている。
のベルトプライに達する穴を8ケ所形成しかつタイヤ内
に塩水を注入した後、速度:60km/H、荷重;JIS
規格の1.2倍の条件下で3万km走行させ、その時の外
のベルトプライの腐食面積を、従来タイヤ2を100と
した指数で表示している。指数が小なほど優れている。
【0022】 急旋回時の耐コード切れ性は、タイヤ
を車両(2000cc)に装着して、2実車走行し、急
旋回した時のコード切れ総長さを従来タイヤ2を100
とした指数で表示している。指数が大なほど優れてい
る。 操縦安定性及び乗心地性は、前記実車走行における
ドライバーのフィーリングによって5点評価した。3.
0を標準とし値が大なほど優れている。
を車両(2000cc)に装着して、2実車走行し、急
旋回した時のコード切れ総長さを従来タイヤ2を100
とした指数で表示している。指数が大なほど優れてい
る。 操縦安定性及び乗心地性は、前記実車走行における
ドライバーのフィーリングによって5点評価した。3.
0を標準とし値が大なほど優れている。
【0023】
【発明の効果】叙上のごとく本発明の空気入りタイヤ
は、3本のスチール素線を撚り合わせてなるベルトコー
ドにおいて、1本又は2本のスチール素線に型づけ素線
を用いているため、コード内へのゴム浸透性を高めつつ
低荷重域での伸びを大巾に低減でき、ベルト耐久性を高
めるとともに操縦安定性等を向上しうる。
は、3本のスチール素線を撚り合わせてなるベルトコー
ドにおいて、1本又は2本のスチール素線に型づけ素線
を用いているため、コード内へのゴム浸透性を高めつつ
低荷重域での伸びを大巾に低減でき、ベルト耐久性を高
めるとともに操縦安定性等を向上しうる。
【図1】本発明の一実施例を示すタイヤの断面図であ
る。
る。
【図2】本発明で用いるベルトコードの一例を示す斜視
図である。
図である。
【図3】a非接触の部分におけるベルトコードの断面図
である。
である。
【図3】bベルトコードの一例を示す断面図である。
【図4】a型づけ素線の一例を示す平面図である。
【図4】b非型づけ素線の一例を示す平面図である。
【図5】a従来技術を説明するベルトコードの断面図で
ある。
ある。
【図5】b従来技術を説明するベルトコードの断面図で
ある。
ある。
2 トレッド部 6 カーカス 9 ベルト層 10 ベルトコード 11 トッピングゴム 12 スチール素線 13 湾曲部 12A 型づけ素線 12B 非型づけ素線 L 長手中心線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−50390(JP,A) 特開 平3−64585(JP,A) 特開 平2−307994(JP,A) 特開 平1−239181(JP,A) 特開 平1−141103(JP,A) 特開 昭58−206401(JP,A) 特開 昭58−39438(JP,A) 特開 昭61−71202(JP,A) 実開 平4−60589(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60C 9/00 - 9/18 D02G 3/48 D07B 1/06
Claims (2)
- 【請求項1】カーカスの半径方向外側かつトレッド部内
方に、タイヤ赤道に対して角度θで傾斜するベルトコー
ドをトッピングゴムで被覆してなるベルト層を設けると
ともに、 前記ベルトコードは、3本のスチール素線を撚り合わせ
てコード断面を円形として形成されしかも3本の内の1
本又は2本のスチール素線は撚り合わせ前において該ス
チール素線の長手中心線からはずれる湾曲部を有する波
線状又は螺旋状の型づけ素線を用いることによって隣り
合う非型づけ素線と接触、非接触をくり返すとともに、 前記非接触の部分の型づけ素線と非型づけ素線との間隙
Tは該素線の直径dの0.6倍以下であり、 かつ前記トッピングゴムは、複素弾性率E* が45〜1
50kgf/cm2 であり、 しかも前記ベルト層は次式 K=M/sin θ …… (ただしMはベルト層の巾5cm当たりのベルトコード打
込み本数、 θはタイヤ赤道に対するベルトコードの傾斜角度)で示
す座屈抵抗係数Kを80より大かつ180より小とし、 しかも前記ベルトコードの、5kg荷重時の伸びが0.1
73%以下、 かつ湾曲部の形成ピッチはコードの撚り合わせピッチよ
り小としたことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 【請求項2】前記スチール素線の直径dは、0.2〜
0.35mmであることを特徴とする請求項1記載の空気
入りタイヤ。
Priority Applications (3)
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DE1992603535 DE69203535T2 (de) | 1991-05-22 | 1992-05-20 | Luftreifen. |
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JPH05246206A JPH05246206A (ja) | 1993-09-24 |
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JP2719862B2 (ja) * | 1991-12-27 | 1998-02-25 | トクセン工業株式会社 | ゴム製品補強用スチールコード |
JP3179915B2 (ja) * | 1992-12-25 | 2001-06-25 | 住友ゴム工業株式会社 | 空気入りタイヤ |
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KR101496019B1 (ko) * | 2013-08-07 | 2015-02-25 | 한국타이어 주식회사 | 타이어 보강용 고무 압연물 구조 및 그를 포함하는 차량용 타이어 |
KR101522467B1 (ko) * | 2013-11-12 | 2015-05-21 | 금호타이어 주식회사 | 공기입 래디얼 타이어용 스틸코드 및 이를 이용한 공기입 래디얼 타이어 |
JP2021102405A (ja) * | 2019-12-25 | 2021-07-15 | 住友ゴム工業株式会社 | タイヤ及びベルト層 |
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JPS62170594A (ja) * | 1986-01-17 | 1987-07-27 | 東京製綱株式会社 | ゴム補強用スチ−ルコ−ド |
US4836262A (en) * | 1986-08-08 | 1989-06-06 | Bridgestone Corporation | Metal cords and pneumatic tires using the same |
EP0317636B1 (en) * | 1987-06-08 | 1997-08-06 | Bridgestone Corporation | Heavy-load radial tire |
KR0145520B1 (ko) * | 1989-03-08 | 1998-08-01 | 이에이리 아끼라 | 공기 주입 레이디얼 타이어 |
BR9007652A (pt) * | 1989-09-18 | 1992-07-07 | Bekaert Sa Nv | Estrutura de cabo aberto |
EP0433962B1 (en) * | 1989-12-20 | 1998-05-06 | Tokusen Kogyo Company Limited | Steel cord for reinforcement of rubber products |
DE69110771T2 (de) * | 1990-06-16 | 1996-03-21 | Tokusen Kogyo Kk | Stahlkabel zur Verstärkung von elastomeren Erzeugnissen. |
-
1991
- 1991-05-22 JP JP3148004A patent/JP3038049B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1992
- 1992-05-20 DE DE1992603535 patent/DE69203535T2/de not_active Expired - Fee Related
- 1992-05-20 EP EP19920304586 patent/EP0515178B1/en not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
EP0515178B1 (en) | 1995-07-19 |
JPH05246206A (ja) | 1993-09-24 |
DE69203535D1 (de) | 1995-08-24 |
DE69203535T2 (de) | 1996-01-11 |
EP0515178A1 (en) | 1992-11-25 |
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