JP2001328406A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
空気入りラジアルタイヤInfo
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- JP2001328406A JP2001328406A JP2000152031A JP2000152031A JP2001328406A JP 2001328406 A JP2001328406 A JP 2001328406A JP 2000152031 A JP2000152031 A JP 2000152031A JP 2000152031 A JP2000152031 A JP 2000152031A JP 2001328406 A JP2001328406 A JP 2001328406A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ベルトの端部セパレーションやコード折れを
抑止しながら、タイヤの軽量化と転がり抵抗の低減を達
成できる空気入りラジアルタイヤを提供する。 【解決手段】ベルト層を3枚のベルトプライ３、４、５
で構成して、その総厚みを２．２ｍｍ以下とし、その内
少なくとも1枚のベルトプライは金属コードがベルトプ
ライ幅方向に並べられて被覆ゴム中に埋設されてなるよ
うにする。金属コードの直径は、０．１６ｍｍ以上で
０．５６ｍｍ以下であることが好ましい。
抑止しながら、タイヤの軽量化と転がり抵抗の低減を達
成できる空気入りラジアルタイヤを提供する。 【解決手段】ベルト層を3枚のベルトプライ３、４、５
で構成して、その総厚みを２．２ｍｍ以下とし、その内
少なくとも1枚のベルトプライは金属コードがベルトプ
ライ幅方向に並べられて被覆ゴム中に埋設されてなるよ
うにする。金属コードの直径は、０．１６ｍｍ以上で
０．５６ｍｍ以下であることが好ましい。
Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明はタイヤの諸性能を損
なうことなしに軽量化を達成した空気入りラジアルタイ
ヤに関するものであり、特に乗用車用ラジアルタイヤと
して好適な空気入りラジアルタイヤに関するものであ
る。
なうことなしに軽量化を達成した空気入りラジアルタイ
ヤに関するものであり、特に乗用車用ラジアルタイヤと
して好適な空気入りラジアルタイヤに関するものであ
る。
【０００２】
【従来の技術】近年、自動車の燃費を向上させるため
に、タイヤを軽量化する要求は益々高まっている。軽量
化の有力な手段として、タイヤの補強ベルト用のスチー
ルコードが見直されるようになり、その構造や構成につ
き新しい技術が公開されている。例えば、特開平１１−
９１３１１には、金属単線を予め螺旋形に型付して減衰
の大きいベルトコードを用いる技術が開示され、タイヤ
の軽量化を図ると共に乗り心地の低下を防止できると記
載されている。また、特開平１０−２９２２７５では、
数本の金属モノフィラメントを撚らずに幅方向に引き揃
えた束としてゴム中に埋設させた補強ベルトが提案さ
れ、転がり抵抗と乗り心地が改善されベルト端部セパレ
ーションも抑止されると記載されている。
に、タイヤを軽量化する要求は益々高まっている。軽量
化の有力な手段として、タイヤの補強ベルト用のスチー
ルコードが見直されるようになり、その構造や構成につ
き新しい技術が公開されている。例えば、特開平１１−
９１３１１には、金属単線を予め螺旋形に型付して減衰
の大きいベルトコードを用いる技術が開示され、タイヤ
の軽量化を図ると共に乗り心地の低下を防止できると記
載されている。また、特開平１０−２９２２７５では、
数本の金属モノフィラメントを撚らずに幅方向に引き揃
えた束としてゴム中に埋設させた補強ベルトが提案さ
れ、転がり抵抗と乗り心地が改善されベルト端部セパレ
ーションも抑止されると記載されている。
【０００３】しかしながら、上記の従来技術には以下に
述べる問題点が有ることが判明した。すなわち、特開平
１１−９１３１１の螺旋形に型付されたベルトコードで
は、金属線の径が太いので、走行中に繰り返し曲げ変形
が加わった際に金属線とゴムとの界面に大きな歪が発生
し、悪路走行時に大きな曲げ歪が加わった際に、金属線
が折れ易いという欠点がある。この問題を解決する手段
として、金属素線の径を小さくすることが考えられる
が、その際ベルト強度を確保するために金属線の打ち込
み本数を増すことになり、金属線と金属線の間隔が狭く
なり被覆ゴムと金属線表面で剥離が発生し易くなる。同
時に、ベルト層の曲げ剛性が低下することになり、操縦
性の悪化と耐久性の低下を招く。また、特開平１０−２
９２２７５の幅方向に引き揃えた金属線束からなる補強
ベルトにおいては、ベルト端部のセパレーションは改善
されているが、やはりベルトの曲げ剛性の不足の問題は
依然として残されているおり、その改良が必要である。
更に、特開平１１−２９１７１０には撚りを加えてない
金属線を引き揃えたストランドを用いるベルトプライに
つき記載があるが、従来の撚りコード構造とほぼ同じこ
とであり軽量化の効果はあまり期待できない。
述べる問題点が有ることが判明した。すなわち、特開平
１１−９１３１１の螺旋形に型付されたベルトコードで
は、金属線の径が太いので、走行中に繰り返し曲げ変形
が加わった際に金属線とゴムとの界面に大きな歪が発生
し、悪路走行時に大きな曲げ歪が加わった際に、金属線
が折れ易いという欠点がある。この問題を解決する手段
として、金属素線の径を小さくすることが考えられる
が、その際ベルト強度を確保するために金属線の打ち込
み本数を増すことになり、金属線と金属線の間隔が狭く
なり被覆ゴムと金属線表面で剥離が発生し易くなる。同
時に、ベルト層の曲げ剛性が低下することになり、操縦
性の悪化と耐久性の低下を招く。また、特開平１０−２
９２２７５の幅方向に引き揃えた金属線束からなる補強
ベルトにおいては、ベルト端部のセパレーションは改善
されているが、やはりベルトの曲げ剛性の不足の問題は
依然として残されているおり、その改良が必要である。
更に、特開平１１−２９１７１０には撚りを加えてない
金属線を引き揃えたストランドを用いるベルトプライに
つき記載があるが、従来の撚りコード構造とほぼ同じこ
とであり軽量化の効果はあまり期待できない。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】そこで我々は、更なる
タイヤの軽量化ニーズに対応する為には、金属線コード
をからなる３枚のベルトプライから構成される補強用ベ
ルトを使用して、かつ同時に上述した金属線の折れ、ベ
ルト端部での剥離、転がり抵抗の悪化や耐久性の低下等
のタイヤ諸性能の不具合を解決することを課題とした。
タイヤの軽量化ニーズに対応する為には、金属線コード
をからなる３枚のベルトプライから構成される補強用ベ
ルトを使用して、かつ同時に上述した金属線の折れ、ベ
ルト端部での剥離、転がり抵抗の悪化や耐久性の低下等
のタイヤ諸性能の不具合を解決することを課題とした。
【０００５】本発明の目的は、上記のような従来技術の
不具合を解消して、ベルト耐久性に優れる軽量な空気入
りラジアルタイヤを提供することである。
不具合を解消して、ベルト耐久性に優れる軽量な空気入
りラジアルタイヤを提供することである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題を解
決すべく成されたもので、金属線コードの構造とベルト
プライ内の配列およびベルト層の構成につき鋭意研究し
た結果、本発明を完成するに至った。
決すべく成されたもので、金属線コードの構造とベルト
プライ内の配列およびベルト層の構成につき鋭意研究し
た結果、本発明を完成するに至った。
【０００７】即ち本発明の空気入りラジアルタイヤは、
一対のビードコア間に亙ってトロイド状をなして跨る少
なくとも１枚のラジアルカーカスプライからなるカーカ
ス層と、前記カーカス層のクラウン領域のタイヤ径方向
外側に配設されて接地部を形成するトレッド層と、前記
トレッド層と前記カーカス層のクラウン領域との間に配
置されて補強部を形成するベルトプライからなるベルト
層と、を備えた空気入りラジアルタイヤにおいて、前記
ベルト層は３枚のベルトプライで構成され、その総厚み
が２．２ｍｍ以下であり、その内少なくとも１枚のベル
トプライは金属コードがベルトプライ幅方向に並べられ
て被覆ゴム中に埋設されていることを特徴とする。
一対のビードコア間に亙ってトロイド状をなして跨る少
なくとも１枚のラジアルカーカスプライからなるカーカ
ス層と、前記カーカス層のクラウン領域のタイヤ径方向
外側に配設されて接地部を形成するトレッド層と、前記
トレッド層と前記カーカス層のクラウン領域との間に配
置されて補強部を形成するベルトプライからなるベルト
層と、を備えた空気入りラジアルタイヤにおいて、前記
ベルト層は３枚のベルトプライで構成され、その総厚み
が２．２ｍｍ以下であり、その内少なくとも１枚のベル
トプライは金属コードがベルトプライ幅方向に並べられ
て被覆ゴム中に埋設されていることを特徴とする。
【０００８】ここで、金属コードの直径が０．１６ｍｍ
以上で０．５６ｍｍ以下であること、径方向内側のベル
トプライの内少なくとも１枚のベルトプライの金属コー
ドがタイヤ赤道面となす角度が４５°以上であり、それ
以外のベルトプライの金属コードがタイヤ赤道面となす
角度が１５〜３５°であること、そして、径方向外側の
ベルトプライの内少なくとも１枚のベルトプライの金属
コードがタイヤ赤道面となす角度が４５°以上であり、
それ以外のベルトプライの金属コードがタイヤ赤道面と
なす角度が１５〜３５°であることが、実施に当たり有
利である。
以上で０．５６ｍｍ以下であること、径方向内側のベル
トプライの内少なくとも１枚のベルトプライの金属コー
ドがタイヤ赤道面となす角度が４５°以上であり、それ
以外のベルトプライの金属コードがタイヤ赤道面となす
角度が１５〜３５°であること、そして、径方向外側の
ベルトプライの内少なくとも１枚のベルトプライの金属
コードがタイヤ赤道面となす角度が４５°以上であり、
それ以外のベルトプライの金属コードがタイヤ赤道面と
なす角度が１５〜３５°であることが、実施に当たり有
利である。
【０００９】また、径方向内側のベルトプライの内少な
くとも１枚のベルトプライが、金属モノフィラメントが
ベルトプライ幅方向に並べられて被覆ゴム中に埋設され
ていること、そして、径方向最外側のベルトプライの金
属コードが、予め螺旋状あるいは波状に型付けされてい
ること、が好ましい。
くとも１枚のベルトプライが、金属モノフィラメントが
ベルトプライ幅方向に並べられて被覆ゴム中に埋設され
ていること、そして、径方向最外側のベルトプライの金
属コードが、予め螺旋状あるいは波状に型付けされてい
ること、が好ましい。
【００１０】さらに、ベルト層が、金属コードがベルト
プライ幅方向に並べられてゴム中に埋設されている3枚
のベルトプライで構成されており、該ベルト層の径方向
内側１枚目ベルトプライと２枚目ベルトプライの金属コ
ード間のゲージＧ12及び径方向内側２枚目ベルトプライ
と３枚目ベルトプライの金属コード間のゲージＧ23と
が、共に径方向内側１枚目ベルトプライ内の金属コード
から内方のゴムゲージＧ 1と径方向外側１枚目ベルトプ
ライ内の金属コードから外方のゴムゲージＧ3の内小さ
い方の値と同等以上であること、が有利である。
プライ幅方向に並べられてゴム中に埋設されている3枚
のベルトプライで構成されており、該ベルト層の径方向
内側１枚目ベルトプライと２枚目ベルトプライの金属コ
ード間のゲージＧ12及び径方向内側２枚目ベルトプライ
と３枚目ベルトプライの金属コード間のゲージＧ23と
が、共に径方向内側１枚目ベルトプライ内の金属コード
から内方のゴムゲージＧ 1と径方向外側１枚目ベルトプ
ライ内の金属コードから外方のゴムゲージＧ3の内小さ
い方の値と同等以上であること、が有利である。
【００１１】
【発明の実施の形態】本発明の一つの実施形態に係わる
空気入りラジアルタイヤについて、図１と図２を参照し
て具体的に説明する。
空気入りラジアルタイヤについて、図１と図２を参照し
て具体的に説明する。
【００１２】本発明の空気入りラジアルタイヤは、一対
のビードコア１間に亙ってトロイド状をなして跨る少な
くとも１枚のラジアルカーカスプライからなるカーカス
層２と、前記カーカス層のクラウン領域のタイヤ径方向
外側に配設されて接地部を形成するトレッド層と、前記
トレッド層と前記カーカス層のクラウン領域との間に配
置されて補強部を形成するベルトプライからなるベルト
層と、を備えた空気入りラジアルタイヤにおいて、前記
ベルト層は3枚のベルトプライ（３、４、５）で構成さ
れ、その総厚みが２．２ｍｍ以下であり、その内少なく
とも１枚のベルトプライは金属コードがベルトプライ幅
方向に並べられて被覆ゴム中に埋設されていることを特
徴とする。
のビードコア１間に亙ってトロイド状をなして跨る少な
くとも１枚のラジアルカーカスプライからなるカーカス
層２と、前記カーカス層のクラウン領域のタイヤ径方向
外側に配設されて接地部を形成するトレッド層と、前記
トレッド層と前記カーカス層のクラウン領域との間に配
置されて補強部を形成するベルトプライからなるベルト
層と、を備えた空気入りラジアルタイヤにおいて、前記
ベルト層は3枚のベルトプライ（３、４、５）で構成さ
れ、その総厚みが２．２ｍｍ以下であり、その内少なく
とも１枚のベルトプライは金属コードがベルトプライ幅
方向に並べられて被覆ゴム中に埋設されていることを特
徴とする。
【００１３】本発明のベルト層は３枚のベルトプライで
構成されているので、１枚当たりのコード打ち込み本数
を少なくしても、高いベルト曲げ剛性を確保することが
でき、また細い径の金属フィラメントを撚り合わせたコ
ードを使用する場合でも、コード同士の間隔を広く確保
することができる。従って、細径の金属フィラメントを
タイヤ補強用ベルトに適用でき、タイヤ走行時の繰り返
し曲げ変形を受ける際の金属フィラメントの表面歪を低
減でき、大変形が印加されても金属線の折れが発生しが
たい。
構成されているので、１枚当たりのコード打ち込み本数
を少なくしても、高いベルト曲げ剛性を確保することが
でき、また細い径の金属フィラメントを撚り合わせたコ
ードを使用する場合でも、コード同士の間隔を広く確保
することができる。従って、細径の金属フィラメントを
タイヤ補強用ベルトに適用でき、タイヤ走行時の繰り返
し曲げ変形を受ける際の金属フィラメントの表面歪を低
減でき、大変形が印加されても金属線の折れが発生しが
たい。
【００１４】本発明のベルト層の総厚みは２．２ｍｍ以
下であるので、タイヤ重量が軽くなり、燃費の良いタイ
ヤとすることが出来る。
下であるので、タイヤ重量が軽くなり、燃費の良いタイ
ヤとすることが出来る。
【００１５】本発明のベルト層の少なくとも1枚のベル
トプライは、金属コードなかでも典型的にはスチールコ
ードがベルトプライ幅方向に並べられて被覆ゴム中に埋
設されているが、この金属コードの好ましい直径は０．
１６ｍｍ以上で０．５６ｍｍ以下である。直径が０．１
６ｍｍ未満では、３枚のベルトプライで構成されるベル
ト層であっても、ベルト層の周方向剛性が不足して好ま
しくない。直径が０．５６ｍｍを越えると、曲げ変形時
の金属コードの表面歪が大となり金属線の折れが発生し
易くなり耐久性が低下する。
トプライは、金属コードなかでも典型的にはスチールコ
ードがベルトプライ幅方向に並べられて被覆ゴム中に埋
設されているが、この金属コードの好ましい直径は０．
１６ｍｍ以上で０．５６ｍｍ以下である。直径が０．１
６ｍｍ未満では、３枚のベルトプライで構成されるベル
ト層であっても、ベルト層の周方向剛性が不足して好ま
しくない。直径が０．５６ｍｍを越えると、曲げ変形時
の金属コードの表面歪が大となり金属線の折れが発生し
易くなり耐久性が低下する。
【００１６】乗用車用のタイヤで、従来仕様のベルトプ
ライを３枚用いてベルト層を構成するのは、タイヤ重量
を増して好ましくないが、本発明では細径の金属コード
を使用することによりこの問題を解決している。
ライを３枚用いてベルト層を構成するのは、タイヤ重量
を増して好ましくないが、本発明では細径の金属コード
を使用することによりこの問題を解決している。
【００１７】ベルト層を構成する3枚のベルトプライが
全て、金属コードがベルトプライ幅方向に並べられて被
覆ゴム中に埋設されてなる場合は、本発明の最も好まし
い適用例である。この場合、このベルト層の径方向内側
１枚目ベルトプライ(１Ｂプライ)と２枚目ベルトプライ
（２Ｂプライ）の金属コード間のゲージＧ12及び径方向
内側２枚目ベルトプライ（２Ｂプライ）と３枚目ベルト
プライ（３Ｂプライ）の金属コード間のゲージＧ23と
が、共に径方向内側１枚目ベルトプライ（１Ｂプライ）
内の金属コードから内方のゴムゲージＧ1と径方向外側
１枚目ベルトプライ（３Ｂプライ）内の金属コードから
外方のゴムゲージＧ3の内小さい方の値と同等以上であ
ることが、実施の際有利である。Ｇ12及びＧ23とが、共
にＧ1とＧ3の内小さい方の値未満では、ベルト層内のプ
ライ間のせん断歪が増すためにベルト端部剥離に至り易
く、かつベルト剛性の確保も困難になるので好ましくな
い。ただし、Ｇ12及びＧ23とが、共にＧ1とＧ3の内大き
い方の値の１．５倍以内であるのが、軽量化の達成に好
ましい。
全て、金属コードがベルトプライ幅方向に並べられて被
覆ゴム中に埋設されてなる場合は、本発明の最も好まし
い適用例である。この場合、このベルト層の径方向内側
１枚目ベルトプライ(１Ｂプライ)と２枚目ベルトプライ
（２Ｂプライ）の金属コード間のゲージＧ12及び径方向
内側２枚目ベルトプライ（２Ｂプライ）と３枚目ベルト
プライ（３Ｂプライ）の金属コード間のゲージＧ23と
が、共に径方向内側１枚目ベルトプライ（１Ｂプライ）
内の金属コードから内方のゴムゲージＧ1と径方向外側
１枚目ベルトプライ（３Ｂプライ）内の金属コードから
外方のゴムゲージＧ3の内小さい方の値と同等以上であ
ることが、実施の際有利である。Ｇ12及びＧ23とが、共
にＧ1とＧ3の内小さい方の値未満では、ベルト層内のプ
ライ間のせん断歪が増すためにベルト端部剥離に至り易
く、かつベルト剛性の確保も困難になるので好ましくな
い。ただし、Ｇ12及びＧ23とが、共にＧ1とＧ3の内大き
い方の値の１．５倍以内であるのが、軽量化の達成に好
ましい。
【００１８】
【実施例】以下、図面と表を参照して、本発明の実施例
を説明する。本実施例は、図１に示した構造のサイズ１
７５／７０Ｒ１４のラジアルタイヤに、表１の１Ｂプラ
イ〜３Ｂプライの欄に示すコード構造、コード径、コー
ド強力、コードの赤道面となす角度、コードの打ち込み
本数の仕様のベルトプライ１Ｂ〜３Ｂを、１Ｂプライか
ら順に径方向内側から外側に貼り合わせてベルト層を作
製した。ここでコード角度に付記されているＲとＬは、
夫々コードがタイヤ赤道と成す角が、右側角度か左側角
度かを表している。
を説明する。本実施例は、図１に示した構造のサイズ１
７５／７０Ｒ１４のラジアルタイヤに、表１の１Ｂプラ
イ〜３Ｂプライの欄に示すコード構造、コード径、コー
ド強力、コードの赤道面となす角度、コードの打ち込み
本数の仕様のベルトプライ１Ｂ〜３Ｂを、１Ｂプライか
ら順に径方向内側から外側に貼り合わせてベルト層を作
製した。ここでコード角度に付記されているＲとＬは、
夫々コードがタイヤ赤道と成す角が、右側角度か左側角
度かを表している。
【００１９】実施例１のベルト層は、３枚の１5撚りの
径０．４１ｍｍのプライで構成されるが、径方向内側１
プライのコード角度は５２°（いわゆるロウアングル）
である。実施例２のベルト層は、線径の細い金属フィラ
メントを使用して、内側２枚のプライは(１＋６)撚りの
コードを、外側３Ｐプライが（１×５）撚りのコード角
度５２°（ロウアングル）コードである。実施例３は、
１Ｂと２Ｂのプライには金属モノフィラメントが使わ
れ、外側３Ｂプライが撚りコードである。実施例４は、
１Ｂと２Ｂのプライには金属モノフィラメントが使わ
れ、外側３Ｂプライが撚りコードで螺線状に型付けされ
ており、このコードは実質的にタイヤ周方向に配列され
ている。比較例のベルト層は、いずれも２枚だけのベル
トプライからなり、比較例１は（１×３）撚りコード
を、比較例２は金属モノフィラメントが使用されてい
る。
径０．４１ｍｍのプライで構成されるが、径方向内側１
プライのコード角度は５２°（いわゆるロウアングル）
である。実施例２のベルト層は、線径の細い金属フィラ
メントを使用して、内側２枚のプライは(１＋６)撚りの
コードを、外側３Ｐプライが（１×５）撚りのコード角
度５２°（ロウアングル）コードである。実施例３は、
１Ｂと２Ｂのプライには金属モノフィラメントが使わ
れ、外側３Ｂプライが撚りコードである。実施例４は、
１Ｂと２Ｂのプライには金属モノフィラメントが使わ
れ、外側３Ｂプライが撚りコードで螺線状に型付けされ
ており、このコードは実質的にタイヤ周方向に配列され
ている。比較例のベルト層は、いずれも２枚だけのベル
トプライからなり、比較例１は（１×３）撚りコード
を、比較例２は金属モノフィラメントが使用されてい
る。
【００２０】
【表１】
【００２１】上述の６種のベルト層を使用して、表に示
す打ち込み本数とコード角度にて作製された補強ベルト
層を適用して試験タイヤ6種を試作した。各試作タイヤ
のベルト層の厚さと重量及びベルト折れ性で評価したタ
イヤの耐久性の評価結果を図１の下段に示す。ベルト重
量と耐久性は、比較例１の性能を１００とした相対評価
指数で示した。ベルト重量の指数は低いほど、耐久性の
指数は高いほど優れていることを意味する。本発明の3
枚のベルトプライで構成されベルト層で、その総厚みが
２．２ｍｍ以下であり、内少なくとも１枚のベルトプラ
イは金属コードがベルトプライ幅方向に並べられてゴム
中に埋設されている空気入りラジアルタイヤは、従来の
比較例１のタイヤに較べて、ベルト重量が１０〜１５％
軽くなっているにも拘わらず、ベルト折れの発生し難
い、耐久寿命が約２５％程改善された優れたタイヤであ
ることが判った。
す打ち込み本数とコード角度にて作製された補強ベルト
層を適用して試験タイヤ6種を試作した。各試作タイヤ
のベルト層の厚さと重量及びベルト折れ性で評価したタ
イヤの耐久性の評価結果を図１の下段に示す。ベルト重
量と耐久性は、比較例１の性能を１００とした相対評価
指数で示した。ベルト重量の指数は低いほど、耐久性の
指数は高いほど優れていることを意味する。本発明の3
枚のベルトプライで構成されベルト層で、その総厚みが
２．２ｍｍ以下であり、内少なくとも１枚のベルトプラ
イは金属コードがベルトプライ幅方向に並べられてゴム
中に埋設されている空気入りラジアルタイヤは、従来の
比較例１のタイヤに較べて、ベルト重量が１０〜１５％
軽くなっているにも拘わらず、ベルト折れの発生し難
い、耐久寿命が約２５％程改善された優れたタイヤであ
ることが判った。
【００２２】なお、本実施例で行われたベルト折れを試
験する方法は次のようなものである。
験する方法は次のようなものである。
【００２３】＜ベルト折れ試験＞本試験は、供試タイヤ
を実車に装着して、一定で曲折するつづら折れ道路を時
速６０ｋｍで３万ｋｍ走行した後、試験タイヤを解剖し
てベルト層内の補強材（線材束またはコード）を採取し
て、折れた状態にある補強材の本数を調査し、その逆数
を従来タイヤを１００として指数表示した。指数が多い
ほど耐ベルト屈折性に優れていることを示す。
を実車に装着して、一定で曲折するつづら折れ道路を時
速６０ｋｍで３万ｋｍ走行した後、試験タイヤを解剖し
てベルト層内の補強材（線材束またはコード）を採取し
て、折れた状態にある補強材の本数を調査し、その逆数
を従来タイヤを１００として指数表示した。指数が多い
ほど耐ベルト屈折性に優れていることを示す。
【００２４】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に基く空気
入りラジアルタイヤによれば、軽量化に起因する諸々の
問題点すなわちベルト端部の耐セパレーション性、耐ベ
ルト折れ性等のタイヤ諸性能を改善した転がり抵抗の小
さい軽量空気入りラジアルタイヤであることが判った。
入りラジアルタイヤによれば、軽量化に起因する諸々の
問題点すなわちベルト端部の耐セパレーション性、耐ベ
ルト折れ性等のタイヤ諸性能を改善した転がり抵抗の小
さい軽量空気入りラジアルタイヤであることが判った。
【図１】 本発明による空気入りラジアルタイヤの左半
分の断面図である。
分の断面図である。
【図２】 本発明による３プライの（１×５）細径金属
線コード例である。
線コード例である。
１ ビードコア ２ カーカス層 ３ ベルト層１Ｂプライ ４ ベルト層２Ｂプライ ５ ベルト層３Ｂプライ Ｇ1 １Ｂプライの金属線コードから内側のゴム厚み
（ｍｍ） Ｇ12 １Ｂプライと２Ｂプライの金属コード間の間隔
(ｍｍ) Ｇ23 ２Ｂプライと３Ｂプライの金属コード間の間隔
(ｍｍ) Ｇ3 ３Ｂプライの金属線コードから外側のゴム厚み
（ｍｍ）
（ｍｍ） Ｇ12 １Ｂプライと２Ｂプライの金属コード間の間隔
(ｍｍ) Ｇ23 ２Ｂプライと３Ｂプライの金属コード間の間隔
(ｍｍ) Ｇ3 ３Ｂプライの金属線コードから外側のゴム厚み
（ｍｍ）
Claims (8)
- 【請求項１】 一対のビードコア間に亙ってトロイド状
をなして跨る少なくとも１枚のラジアルカーカスプライ
からなるカーカス層と、前記カーカス層のクラウン領域
のタイヤ径方向外側に配設されて接地部を形成するトレ
ッド層と、前記トレッド層と前記カーカス層のクラウン
領域との間に配置されて補強部を形成するベルトプライ
からなるベルト層と、を備えた空気入りラジアルタイヤ
において、 前記ベルト層は３枚のベルトプライで構成され、その総
厚みが２．２ｍｍ以下であり、その内少なくとも１枚の
ベルトプライは金属コードがベルトプライ幅方向に並べ
られて被覆ゴム中に埋設されていることを特徴とする空
気入りラジアルタイヤ。 - 【請求項２】 前記金属コードの直径が、０．１６ｍｍ
以上で０．５６ｍｍ以下である請求項１に記載の空気入
りラジアルタイヤ。 - 【請求項３】 径方向内側のベルトプライの内、少なく
とも１枚のベルトプライの金属コードがタイヤ赤道面と
なす角度が４５°以上であり、それ以外のベルトプライ
の金属コードがタイヤ赤道面となす角度が１５〜３５°
である請求項１に記載の空気入りラジアルタイヤ。 - 【請求項４】 径方向外側のベルトプライの内、少なく
とも１枚のベルトプライの金属コードがタイヤ赤道面と
なす角度が４５°以上であり、それ以外のベルトプライ
の金属コードがタイヤ赤道面となす角度が１５〜３５°
である請求項１に記載の空気入りラジアルタイヤ。 - 【請求項５】 径方向内側のベルトプライの内、少なく
とも１枚のベルトプライが、金属モノフィラメントがベ
ルトプライ幅方向に並べられてゴム中に埋設されている
請求項１に記載の空気入りラジアルタイヤ。 - 【請求項６】 径方向最外側のベルトプライの金属コー
ドが、予め螺旋状あるいは波状に型付けされている請求
項１に記載の空気入りラジアルタイヤ。 - 【請求項７】 径方向最外側のベルトプライの金属コー
ドが、予め螺旋状あるいは波状に型付けされており、そ
の中心線がタイヤ赤道面となす角度が実質的に０°であ
る請求項１に記載の空気入りラジアルタイヤ。 - 【請求項８】 前記ベルト層が、金属コードがベルトプ
ライ幅方向に並べられてゴム中に埋設されている3枚の
ベルトプライで構成されており、該ベルト層の径方向内
側１枚目ベルトプライと２枚目ベルトプライの金属コー
ド間のゲージＧ12及び径方向内側２枚目ベルトプライと
３枚目ベルトプライの金属コード間のゲージＧ23とが、
共に径方向内側１枚目ベルトプライ内の金属コードから
内方のゴムゲージＧ1と径方向外側１枚目ベルトプライ
内の金属コードから外方のゴムゲージＧ3の内小さい方
の値と同等以上である請求項１から７のいずれか１項に
記載の空気入りラジアルタイヤ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000152031A JP2001328406A (ja) | 2000-05-23 | 2000-05-23 | 空気入りラジアルタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000152031A JP2001328406A (ja) | 2000-05-23 | 2000-05-23 | 空気入りラジアルタイヤ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2001328406A true JP2001328406A (ja) | 2001-11-27 |
Family
ID=18657506
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000152031A Pending JP2001328406A (ja) | 2000-05-23 | 2000-05-23 | 空気入りラジアルタイヤ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2001328406A (ja) |
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