JP3121611B2 - 神経成長因子を真核生物細胞において発現させるための遺伝子ベクター - Google Patents

神経成長因子を真核生物細胞において発現させるための遺伝子ベクター

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、形質転換細胞から神経成長因子(β−NG
F)と呼ばれるポリペプチドを得るための方法、より正
確には適当な真核生物セルラインに挿入可能な遺伝子構
築物を使用する組換えDNA技術によって、生物学的に活
性なヒト成熟型(β−サブユニット)を得るための方法
に関する。
A.神経成長因子(NGF) 神経成長因子(NGF)はマウス肉腫で初めて発見され
[レビ−モンタルシニ(Levi−Montalcini,R)らのJ.Ex
p.Zool.116:321,1951]、次いで雄性マウス唾液顎下腺
[バロン(Varon,S.)らのBiochemistry 6:2202,196
7]、およびヘビ毒液[アンジェレッチ(Angeletti,R.
H.)のProc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.65:668,1970]から
精製されて均質にされた。NGFが比較的豊富な他の供給
源として、モルモットの前立腺[ハーパー(Harper,G.
P.)らのNature 279:160,1979]およびヒト胎盤[ゴー
ルドステイン(Goldstein,L.D.)らのNeurochem.Res.3:
175,1978、およびワーカー(Walker,P.)らのLife Scie
nce 26:195,1980,フィディア特許47745A88]などが指摘
されている。他の組織、例えば哺乳動物の中枢神経系に
少量のNGFが見いだされている[バロン(Varon,S.)のD
iscussions in Neuroscience,II巻,3号,1985およびヘフ
チ(Hefti,F.)らのNeuroscience 14:55,1985]。これ
らNGFの供給源と見掛け上の作用部位との生理学的な関
係は明らかとは言えないが、NGFと応答する細胞由来の
神経支配が必要である種々の上皮組織からNGFは分泌さ
れていると一般に考えられている。
通常、マウス唾液顎下腺から入手されたNGFが、NGFを
インビトロおよびインビボで試験するために使用され
る。NGFのインビトロにおける生物学的活性の範囲は、
一次神経細胞およびクローン化セルラインの両者におい
て決定された。インビトロでNGFと応答する一次神経細
胞には、脊髄神経節根由来の胎児の知覚性ニューロン
(胎児日数8−12)、交感神経節由来の自律神経系ノル
アドレナリン作働性胎児ニューロン、発育期にある隔膜
およびクロム親和性副腎細胞由来のコリン作働性胎児ニ
ューロンがある。知覚および自律神経系ニューロンはそ
の生存および発育がNGFによって左右されるが、コリン
作働性ニューロンは、生存するためばかりでなく、その
分化、すなわち神経伝達物質と連結する表現型特性の発
現のためにもNGFを必要としないようである。発育の初
期にあるクロム親和性副腎細胞(神経冠から誘導)にNG
Fを加えると、神経の表現型が発現される。インビトロ
においてNGFと応答するセルラインの中には、文献に記
載されているように、神経冠の腫瘍から誘導されるクロ
ム親和性副腎細胞、いわゆるクロム親和性細胞腫細胞
(PC12)およびヒト神経芽細胞腫細胞がある。β−NGF
で処置すれば、それらの細胞はその挙動を変え、強烈な
増殖期から細胞***状態に移行する。
マウス唾液顎下腺から入手された神経成長因子は、化
学的および免疫化学的プロフィルによっても良好に特性
化される。ネズミ腺由来のNGFは、Zn+原子と配位結合し
ている3つのサブユニット(α、β、γ)から構成され
た7S型のタンパク質複合体(分子量約140,000ダルト
ン)のように作用する。
この7S分子の生物学的活性について最も興味深い部分
は、それぞれ分子量13,250の118アミノ酸から形成され
ている2つのポリペプチド鎖から構築されている。その
鎖すなわちモノマー各々は、2つのシステイン残基間の
共有結合を形成する3つのスルフィド架橋を有してお
り、それはそのタンパク質の三次構造に強い安定性を付
与している。弱い結合によってそれぞれ結合されたNGF
の2つのモノマーは分子量26,500のダイマーを形成して
いる。その生物学的活性はいわゆる2.5Sまたは通常はβ
−サブユニットと呼ばれるダイマーと関連していること
が示されている。これがモノマーにも存在しているか否
かは知られていない。
遺伝子工学の手法により、このNGFのβ−サブユニッ
ト(β−NGF)をコードしている遺伝子を同定すること
ができた[スコット(Scott,J.)らのNature 302:538,1
983、ウルリッチ(Ullrich,A.)らのNature 303:821,19
83、欧州特許公開第0 121 338号]。この分子をコード
しているヒト遺伝子は染色体Iの短い腕に配置されてお
り、その生物学的に活性な分子に当たる分子量26,500の
分子よりも大きな分子の合成をコードしている。したが
って、その遺伝子は初期には、より大きなNGF前駆体ま
たはプロ−NGFの合成を指令している。さらに、NGFのβ
−サブユニットをコードしている遺伝子は、トリからヒ
トに及ぶ様々な種において高度に保存されていることが
証明されている[メイアー(Meier,R.)らのEMBO J.5:1
489,1986]。
ネズミ、ヒト、ウシおよびニワトリのβ−NGFのヌク
レオチド配列を解明することにより、これら分子の保存
部位および非保存部位と、それらの生物学的活性および
抗原性に対する関係との比較が可能になった。β−NGF
の発生期における全体としての保存性は驚くほどに高
い。雄性マウスの唾液顎下腺から精製した成熟型のNGF
における118個のアミノ酸のうち、ウシβ−NGFにおいて
は16個、ニワトリβ−NGFにおいては19個およびヒトβ
−NGFにおいては11個しか異なっておらず、ウシおよび
ヒトのβ−NGF間では6個のアミノ酸が異なるのみであ
る。すべてのシステイン残基がすべての種において正確
に保存されている。β−NGFの3つのS−S架橋を還元
すれば、その生物学的活性が完全に喪失される。アミノ
酸配列における全体としての高いレベルの保存性と免疫
化学的形態の交叉反応性の低さとは一見矛盾している
が、それは種間のアミノ酸の変動が特異的な「集団(ク
ラスター)」の中に配置されていることに由来してい
る。ハイドロパシー・トレーシング(hydropathic trac
ings)により、これらの変動が、強力な抗原決定基と考
えられる親水性部位の殆どすべてに存在していることを
証明することができる。これまでに試験されたすべての
種のNGF分子では、ただ一つの親水性領域しか厳密には
保存されていないことが認められた。
B.組換えDNA法 組換えDNA法により、目的のタンパク質を大量に発現
させることのできる一連のベクターを構築することが可
能である。この手法によれば、分子生物学者は目的タン
パク質を産生することのできる雑種分子を作成するよう
DNA配列を組み合わせることができる。この方法は、制
限酵素による切断、このようにして得られたフラグメン
トのリガーゼによる連結などの種々の反応、組み立てよ
うとするオリゴヌクレオチドの化学的合成、および当業
界における種々の研究所における入手可能な他の方法な
どを利用するものである[マニアチス(Maniatis,T.)
らのMolecular Cloning:A Laboratory Manual、コール
ド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー、コールド・
スプリング・ラボラトリー、ニューヨーク、1982]。高
いレベルの発現を得るため、組み立てようとするDNA要
素には実質的な情報が存在していなければならない。例
えば、複製起点、抗生物質に対する選択性、発現プロモ
ーター、目的遺伝子の転写のアクチベーター、および該
材料の研究者に知られている他の特性である。これらの
要素を適当な方法で組合わせてプラスミドを得るに当た
り、目的遺伝子を転写および翻訳の調節配列について天
然の状態で挿入すれば、得られたプラスミドは発現によ
って規定される。このようにして、プラスミドすなわち
発現ベクターは、宿主細胞においてタンパク質を発現す
ることができる。次いで、ある精製法によって、タンパ
ク質を得ればよい。例えば成長因子などの多くの遺伝子
の発現を天然で制御している要素(プロモーター)は、
上記の発現ではそれ程強くなく、知られていないことが
多い天然の適切な条件下においてのみ活性化される。こ
の目的では、活性が知られているプロモーター、例えば
一連のパポバウイルス、または他の既知のプロモーター
遺伝子配列を使用する。したがって、高いレベルの発現
のために使用される要素は、種々の遺伝子部分を結合さ
せてハイブリッドを形成することを目的として構成され
た、種々の起源(真核生物、細菌、ウイルスなど)のDN
Aの組合わせ物である。遺伝子の転写および翻訳活性
は、調節配列およびコード化配列の間の適切な距離に左
右される。
この導入を行う際の、調節配列を適当に操作するため
の最良の方法の1つは、導入した遺伝子を天然遺伝子に
おけるのと同一の位置に配置させることである。使用さ
れる1つの系は、調節配列がコード化配列の幾つかのア
ミノ酸をも含有しているものである。この導入遺伝子を
伴う結合物(ユニオン)は融合タンパク質を導く。しか
し、融合部分を除去すれば、より高い生物学的価値を得
ることができる。この融合タンパク質の手法を使用しな
い場合における、調節配列に近接して位置する遺伝子を
得るための通常の手法は、それらのクローニングを行え
る適当な制限部位の存在に左右される。適合性部位が近
くに存在せずに、別の部位にある場合、所望の制限部位
を含有するオリゴヌクレオチドまたはリンカーを合成し
てそれを有するセグメントの結合物を調製すればよい。
リンカーを使用することのできる制限部位が近くに存在
しない場合は、Bal 31またはS1を使用してDNAを欠失さ
せる手法を使用する。この場合は正確に欠失させること
ができないので、常に種々のクローンの配列決定を行っ
ていずれが最適であるかを確認する必要がある。これら
の系は分子生物学者にとっては非常に限定されたもので
あり、結局、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)などの、新し
く出現した手法としての役割を持つ代替の手段を開拓す
る必要がある[サイキ(Saiki)らのScience 239:487,1
988、およびシャーフ(Scharf,S.J.)のScience 233:10
76,1986]。
この手法によれば、遺伝子セグメントを106にまで増
幅させることができる。その原理は、対合することので
きる2つのオリゴヌクレオチドであって、その各々が増
幅させようとするDNA鎖の1つであるものの使用に基づ
いている。調査した遺伝子配列に対する2つのオリゴヌ
クレオチドの距離により、産生され得る分子の大きさが
決定される。これら2つのオリゴヌクレオチドは、以後
のクローニングが行える制限部位がそれらの配列の内側
に存在するように構築する。この制限部位は天然に存在
しているものか、または最少数の塩基を変性して特別に
構築する。部位−特異的突然変異として定義することの
できるこの方法によれば、分子生物学者は理論的に決定
した位置に制限部位を作成することができる。他方、他
の遺伝子セグメントに適合する部位を作成すれば、クロ
ーニングが容易になるが、特に、照準を定めた種々の遺
伝子セグメントが結合する可能性をも招来させることに
なる。この手法は、直接突然変異に基づくクローニング
として定義することができる。実際には、組換えDNA法
によれば、直接突然変異によって完全なヘテロローガス
なポリペプチドを発現させることができ、あるいは類似
のポリペプチドのアミノ酸配列部分と融合したヘテロロ
ーガスなポリペプチドを発現させることができる。一般
には、この方法によって得られる産物は生物学的に活性
でない[英国特許出願公開第2007676A号、ベンゼン(We
nzel)、American Scientist 68,664,1980]。
神経成長因子のβ−サブユニットのヒト遺伝子を単離
できることは、重要な可能性をもたらすものである。こ
の希少価値あるタンパク質を十分量生産することは、組
換えDNA技術を使用することによって可能である。実際
に、神経成長タンパク質は、種々の神経障害性疾患を処
置するために臨床的に使用できるものとして許容され得
るものである。この意味から、NGFのβ−サブユニット
を組換えDNA技術によって入手することに関連した文献
が存在する[欧州特許公開第0121388号、ブルース(Bru
ce,G.)らのNeurobiology of Aging 10:89,1989、フー
(Hu,G.)らのNucleic Acid Research 70:57,1988、エ
ドワード(Edwards,R.H.)のMol.Cell.Biol.8:2456,198
8、エンフォース(Emfors,P.)のProc.Natl.Acad.Sci.8
6:4756,1989]。生産するに当たっては、微生物細胞に
おいては廉価に発現させることができない場合にのみ、
細菌ではなく哺乳動物細胞を選択する。E.coli(大腸
菌)などの細菌セルラインで特定のタンパク質を産生さ
せるほうが、実際上非常に経済的であるが、一般にこの
宿主/ベクター系はタンパク質を形作るアミノ酸の線状
配列しか正確に再製できず、そして細菌中に一種の不溶
性の固まりとして提供するものである。インターフェロ
ンまたは幾つかの動物成長タンパク質などの特定の小分
子の場合はインビトロにおいて分子を正確に折り畳むこ
とができ、そのような場合など、大腸菌は、特定の産物
が経済的に有利な態様でこの材料から調製できると仮定
すれば、選択に当たっての系となるであろう。これらの
系は、単一のジスルフィド結合を有するタンパク質と一
般に関連する場合、および良好に規定されたコンフォー
メーションを必要としない(診断性抗原またはワクチン
成分としての)用途を有するペプチドまたはタンパク質
に使用する場合には最も生産的なものである。
神経成長因子が属する治療用タンパク質においては、
活性であり、かつ使用できるために正しいコンフォーメ
ーションが要求され、さらに抗原性の応答が存在しない
ことが必要とされる。この調製方法には、組換えDNAか
ら入手されるタンパク質のためのグリコシル化、正しい
ジスルフィド結合の生成、および他の形質導入後修飾が
包含されよう。細菌セルラインであるE.coliはこの要件
を満たすことができず、哺乳動物真核性細胞および酵母
ではそれが可能である。バイオテクノロジーによって入
手したヒトβ−NGFを医薬活性物質として適用するに
は、これらの問題を考慮に入れるべきである。
NGFの活性は、二量体、すなわち118個のアミノ酸の2
つの類似したポリペプチドの組合わせ物に由来すること
が示されている。メルカプトエタノールにより還元した
場合、その生物学的活性は実際上ゼロに下降する。シス
テインを組合わせて3つのジスルフィド架橋を再生しよ
うという試みがあるが、これは、統計学的観点から、15
分の1の確率でしか天然物に相当する構造と同等である
正しい構造の分子が得られない。最終的に得られたE.co
liにおける分子は、構造の相同性およびその医薬活性物
質としてのヒトへの適用を保証できるものではない。実
際、均質になるまで精製した後でも、E.coliから産生さ
れたヒトNGFは、ネズミβ−NGFと特異的であるポリクロ
ーナル抗体による免疫ブロッティング法において、生物
学的に活性な二量体とは帰属されない一連のバンドが認
められている。さらに、この構造物および形態物の混合
物は、胎盤組織などの天然起源から精製した類似のヒト
型と比較して生物学的活性が10倍低いことが示されてい
る。
E.coliにおいて神経成長因子をクローニングして入手
するこの方法では、目的とするタンパク質を高い発現レ
ベルで産生したとしても、インビボに投与した場合に二
次効果を招来しかねない一連の不正確な分子、例えば天
然に存在するこの分子の生物学的活性を認識して阻害し
てしまうような抗体が産生される。それと同時に、E.co
liにおいてその成熟分子をクローニングすれば、除去で
きない開始メチオニンを提示し、それは分子の露出部分
に位置しているので、確実に免疫原性である。
他の方法は、真核生物細胞でプレプロNGFをクローニ
ングすることに関係しており、真核生物細胞に天然で存
在する特定のペプチダーゼによる攻撃を利用して成熟分
子を得るものである。具体的には、チャイニーズハムス
ター卵巣(CHO)を使用してクローニングを行う。頒布
されている文献から、すべてのゲノムがクローニングさ
れたヒトNGFは未だ配列決定されていないが、その遺伝
子は10kDa以上にも伸長していることが示されている
[ウルリッチ(Ullrich,A.)らのNature 303:821,198
3]。このように長い遺伝子は通常のクローニングが行
えないので、この全ゲノム配列とは別に行う。その方法
は、このタンパク質のコード化部分しか含有していない
cDNAの部分をクローニングするものである。現在、ヒト
NGFの完全なcDNAは単離されていないが(幾つかの配列
は、5′部分を欠いている)、他の起源(マウス、ウ
シ、ニワトリなど)のNGFメッセンジャーについて多く
の情報が知られており[メイアー(Meier,R.)らのEMBO
J.51489,1986、セルビー(Selby,H.J.)のJ of Neuron
Research 18:293,1987]、これらにより、興味深い推
論を導くことができる。マウスのNGF遺伝子は単一コピ
ーで存在し、異なる大きさ(dimension)の少なくとも
4つの異なるメッセンジャーを産生する[セルビー(Se
lby,M.J.)らのMol.Cell.Biol.7:3057,1987]。これら
の異なる大きさは、特に異なるAUG開始コドンに反映さ
れたものであり、成熟タンパク質における−187および1
21位が最も重要である。これらのメッセンジャーは種々
の組織においてそれに相当する種々の豊富さで存在して
いる。顎下腺においては、−187から始まるメッセンジ
ャーは、−121から始まるものと比較して10倍豊富であ
る。しかし、種々の証拠により、脳において発現される
NGFメッセンジャーが最も一定のパーセンテイジである
のはそれが正確に−121のAUGを使用しているからである
ことが示されている。
発明の要旨 本発明は、調節部位とヒトNGFのβ−サブユニットタ
ンパク質をコードしている部位との間が天然の距離だけ
離れている発現ベクターであるために、天然の配列に存
在するものとは異なる、ポリペプチドに融合した1つま
たはそれ以上のアミノ酸が存在していないヒト神経成長
因子のβ−サブユニット(hβ−NGF)の成熟型を培養
培地で得ることのできる、CHOなどの真核生物セルライ
ンで使用するための該発現ベクターによって、ヒトNGF
のβ−サブユニットを入手する方法に関するものであ
る。このようにして入手されたポリペプチドは、適当な
標的細胞で使用した場合、生物学的活性を示す。
本明細書に記載しているhβ−NGFは、神経機能を維
持し、その損失を予防するために、ならびに慢性型また
は急性型の病態、脳血管性、感染性、炎症性、圧迫性、
代謝異常性などの急性疾患の晩期における神経変性状態
および免疫系の調整(modulation)状態、を回復させる
ためにも、使用することができる。
本発明はさらに、インビボにおいて移植することがで
きるような、細胞トランスフェクションのために使用す
ることのできる遺伝子構築物を目的とするものである。
これら構築物の中には、局所レベルで、投与する食餌の
機能に応じてヒト成長因子の活性型を特異的に産生する
ことができるものがあり、したがって遺伝子を制御下に
置くことが可能である。
本発明はさらに、該ベクターを含有する形質転換セル
ライン、およびhβ−NGFを産生するその培養物を目的
とするものである。本発明はまた、神経栄養性因子のβ
−ユニットと、天然のガングリオシドまたはその誘導体
または半合成同族体またはそれらの塩との、1つまたは
それ以上の新規複合体を活性物質として含有する医薬調
製物を目的とするものである。
簡単な図面の説明 第1図は、ヒト起源の神経成長因子β−サブユニット
のポリペプチドにおけるハイドロパシシティー(hydrop
athicity)のプロフィルである。
第2図は、pMSGphNGF発現ベクターの構築を模式図的
に示すものである。
第3図は、pMSGphNGF発現ベクターの模式図である。
第4図は、pSV40MTphNGF発現ベクターの構築を模式図
的に示すものである。
第5図は、pSV40MTphNGF発現ベクターの模式図であ
る。
第6図は、pSV40phNGF発現ベクターの構築を模式図的
に示すものである。
第7図は、pSV40phNGF発現ベクターの模式図である。
第8図は、pSV40hNGF発現ベクターの構築を模式図的
に示すものである。
発明の詳しい説明 上記の証拠から、−121のメチオニンから正確に開始
して本発明のヒトβ−NGFをクローンした。このハイド
ロパシシティープロフィルの分析により、−121および
−104間のアミノ酸が先導ペプチドとして機能している
ことが示され、このことはこのタンパク質が分泌される
得ることを示している。このプロフィルはホップ(Hop
p)らのProc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.78:3824,1981に記
載されている方法にしたがった、ヒト起源の神経成長因
子のサブユニットのポリペプチドにおけるハイドロパシ
シティープロフィルであり、それは第1図に示してい
る。−121/−104として示される位置は、先導ペプチド
を表しており、+1/+118として示される位置はヒト起
源の神経成長因子β−サブユニットのポリペプチドのア
ミノ酸配列を表している[ウルリッチ(Ullrich)らのN
ature 303:821,1983]。成熟タンパク質を得るための特
定のペプチダーゼであって、生物学的に活性なペプチド
に相当する+1から+118のアミノ酸配列を得ることが
できるペプチダーゼが存在する。NGFを正常に合成する
細胞に含有されているこのペプチダーゼは、AT−20細胞
にも含有することが示された。実際、これらの細胞にネ
ズミ起源のワクシニアウイルスプレプロNGFを含有する
ベクターを導入することにより、それら細胞は成熟NGF
を分泌することができるようになり、変性および還元の
条件下でのゲルにおいて14kDaの分子を生産することが
できる[エドワードス(Edwards,R.H.)のMol.Cell.Bio
l.8:2456,1988]。
本発明者らは、既述の神経成長因子のβ−サブユニッ
トを得るに当たっての前述の経験の機能に関し、画期的
な方法において、真核生物細胞で使用することのできる
1つまたはそれ以上のベクターの構築物を比較した。PC
R法を使用すれば、種々の発現ベクターと適合し得るよ
うに作成された部位を有するプレプロNGFがクローニン
グされ、それらの制限部位は調節配列およびコード化配
列間の距離が可能な限り天然の距離を保持するよう配置
されており、β−NGFサブユニットの発現に関する文献
に既に記載されている遺伝子構築物とは全く異なる状況
であった。ブリティッシュ・テクノロジー[British Te
chnologry Ltd.,オックスフォード,英国]から入手さ
れる、制限部位が以後に突然変異を行えるように作成さ
れている修飾された成熟ヒトNGF(hβ−NGF)配列とプ
レプロNGFの部分とを結合させた。本発明の目的として
は、これらの制限部位の存在は限定的に解すべきでな
く、さらに遺伝子の起源も限定的に考えるべきでない。
この仮定から始めて、本発明者らは次に、SV40(サル
ウイルス40)、MTTV(マウス乳癌ウイルス)、hMT II a
(ヒトメタロチオネインII a)などの種々のプロモータ
ーの制御下に、プレプロhβ−NGFをクローンした。次
いで、プラスミドに導入したこれらの遺伝子配列をCHO
細胞にトランスフェクトし、得られた細胞をまさに培養
培地に生物学的な活性型のh−NGFを産生できることを
証明した。このプレプロNGFは本分子の組み立てには必
須であることが立証されており、それによりβ−サブユ
ニットのみを発現させることができ、そしてその遺伝子
構築物全体は正しいと考えられることが示されている。
A.使用した一般的方法 製造元の取り扱い説明書にしたがって、DNAの鎖を制
限酵素で攻撃する。一般には、プラスミド1μgを溶液
20μ中、酵素1単位で切断する。温度およびインキュ
ベート時間は使用する酵素に応じて変動するが、一般に
は37℃、1時間である。インキュベートした後、プラス
ミドおよび遺伝子セグメントを、40mMトリス/塩酸、20
mM酢酸ナトリウム、1mM EDTA中、アガロースゲルLMPア
ガロース[BRL、米国]で精製し、次いでジェネクリー
TM(GENECLEANTM)キット[BIO 101 Inc.、ラ・ジョ
ラ、カリフォルニア、米国]を使用してアガロースから
溶出させる。5′末端におけるコピー反応を行うため、
ポリメラーゼ(クレノー)10単位を使用してDNAを15℃
で15分間処置する。リガーゼとしては、13℃、12時間の
反応物20μgにおいて、DNA0.5μg当たり1単位の濃度
でT4リガーゼを使用する。
プラスミド中に正しい配列であることを確認する分析
を行うため、HB101細胞を形質転換し、50μg/mlアンピ
シリン抗生物質を含有するLB(Luria Bertani)培地に
おけるアガロース平板中で形質転換体を選択する。得ら
れたHB101に含有されるプラスミドを、100μg/mlアンピ
シリンのLB中で増殖させ、キアゲン(Quiagen)[DIAGE
N GmbH、デュッセルドルフ、西ドイツ]キットを使用し
て精製し、少量調製物または大量調製物とする。キアゲ
ン法によって細菌細胞から発現ベクターを調製する。
以下のようにして臨月期のヒト胎盤からPCR反応用のD
NAを調製する。0.4cm3片の絨毛膜をハサミで切り出し、
50mMトリス/塩酸pH7.8、100mM EDTA、100mM NaCl、1
%SDS700μ中に懸濁する。次いで、これにプロテイナ
ーゼ(K 100μg/ml)35μを加え、55℃で一晩イン
キュベートする。次いで、溶液20μを13μg/ml RNAア
ーゼAに加え、さらに2時間インキュベートする。フェ
ノールを使用して2つの抽出物を調製し、クロロホルム
を使用して2つの抽出物を調製する。次いで、1容量の
イソプロパノールを添加し、DNAをガラス毛細管上に析
出させる。この時点で、70%および100%エタノールに
通過させ、乾燥する。得られたDNAを試験管内でゆっく
りと撹拌させながら、緩衝液(10mMトリス/塩酸pH7.
4、1mM EDTA)中に溶解する。数時間後、溶解したDNAを
遺伝子増幅のために準備する。PCRを行うには通常、DNA
0.1μgで十分である。
製造元であるギブコ(GIBCO)の操作法にしたがっ
て、またはリン酸カルシウム法によって、CHO細胞(CCL
61)、およびデヒドロ葉酸還元酵素遺伝子が無い(DHFR
-)ことに基づく修飾CHOをリポソームでトランスフェク
トする。
A.2 リポソームのトランスフェクション 5%ウシ胎仔血清を含有するα−MEM中で増殖させた
細胞を、トランスフェクションする前日にトリプシン処
理して置換し、翌日には全面成長の70−80%に達してい
るようにする。トランスフェクトするプラスミドDNAを
濃度にして水50μ中、DNA10μgにまで希釈し、次い
でそれにリポフェクチンTM(LipofectinTM)(ギブコ)
50μを加え、全体をポリスチレン管に入れる。15分経
過後、得られた混合物を、オプチメン(OPTIMEN)培地
(ギブコ)で前もって洗浄した細胞に加える。このよう
にして得た細胞を8時間インキュベートし、次いでウシ
胎仔血清を含有する通常の培地を加え、継続して増殖さ
せる。
A.3 リン酸カルシウムを使用して安定な形質転換体を
得るためのトランスフェクト法 この方法のトランスフェクションのための緩衝液は、
2倍に濃縮したBBS(2×BBS)および0.25M CaCl2であ
る。2×BBSは以下のようにして調製する:50mM N,N−ビ
ス−2−(ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスル
ホン酸[カルビオケム(Calbiochem)]、280mM NaCl、
および1.5mM Na2HPO4を水に溶解し、そのpHを6.5とし、
次いでその全体を0.45μmで濾過し、同時に2.5M CaCl2
の溶液として10×CaCl2を調製する。
細胞を5×105細胞/10cm平板/増殖培地10mlで植え付
け、35℃で一晩インキュベートする。プラスミド20μg
を、0.25M CaCl20.5μおよび2×BBS 0.5mlと混合す
る。この混合物を環境温度で15分間インキュベートす
る。次いで、得られた混合物を培地に染み込ませ、その
すべてを3%二酸化炭素中、35℃で一晩インキュベート
した。本発明のベクターを有する安定な形質転換細胞を
得るため、hβ−NGFを発現するベクターであるpSV2Neo
ベクターを比率10:1で加えてコトランスフェクションを
行う。このトランスフェクションの2日後、得られた細
胞をトリプシン処理し、このトランスフェクションと比
較して10倍低い濃度で平板に植え付け、1mg/ml G418硫
酸ネオマイシン(ギブコ)を使用して安定な形質転換体
の選択を即座に開始する。次いで、サザーンブロットに
より、その遺伝子構築物の組込みに関して形質転換体を
分析する。
A.4 発現 発現させるため、15mM Hepesおよび10%ウシ胎仔血清
を含有するハムス(Han's)F 12/DME H−21に、すべて
の細胞の培地を維持させる。hβ−NGFを精製するた
め、その培地を3日毎に変更するに当たり、血清不含の
新鮮培地と置換する。
B.好ましい態様 B.1.発現ベクターの構築の説明 3つの異なるベクターを調製する:第1および第2の
ものは、調節要素、それぞれMMTV(マウス乳癌ウイル
ス)およびhMT II A(ヒトメタロチオネインII a)を化
学的に誘導することができる2つのベクターである。こ
の方法では、hβ−NGF遺伝子を制御下に発現させるこ
とができる。それとは対照的に、第3のベクターでは、
hβ−NGFをSV40(サルウイルス40)プロモーターの制
御下にクローンする。
B.2.pMSG発現ベクターにおけるクローニング pMSGベクターをファルマシア[アップサラ、スウェー
デン]から入手した。この会社の取り扱い説明書にした
がって、導入する遺伝子を、Nhe IおよびSal I制限部位
間の多重クローニング部位に挿入しなければならない。
この遺伝子はその最初のAUGによって翻訳される。この
場合、神経成長因子はMMTVLTR(マウス乳癌ウイルスの
長い末端反復)のプロモーターの制御下にある。このプ
ロモーターの活性は、糖質コルチコイド、例えばデキサ
メサゾンを投与することによって誘発させることができ
る。この転写では、SV40の小さなt−抗原によってスプ
ライシングが起こり、SV40の長いt−抗原によってポリ
アデニル化が起こる。このプラスミドはさらに、安定に
形質転換されたCHO KI細胞を選択するために使用され
るキサンチン・グアニン・ホスホリボシルトランスフェ
ラーゼ(xgpt)の細菌遺伝子をも含有している。
このプラスミドにおいてプレプロNGFをクローニング
できるようにPCR手法を利用するに当たり、調節配列と
プレプロNGFのコード化配列との間の距離が可能な限り
天然の距離を保持するよう、開始AUGの直前に制限部位
を作成する。2つのオリゴヌクレオチドを合成する:塩
基9122および9147間における第1のものは(ウルリッチ
のNature 303:821,1983)は、以下の配列を有するべき
である: 既述のようにして開始AUGの前の塩基を突然変異さ
せ、次いで以下の配列を有する合成オリゴを作成する: このオリゴヌクレオチドを(Xba I)と呼ぶ。9521およ
び9342間の塩基を含有する第2のオリゴヌクレオチド
(ウルリッチのNature 303:821,1983)は、PCRを行える
この配列と相補的であり、以下の配列を有する: このオリゴヌクレオチドは、プレプロNGFを成熟NGFに結
合することのできるEcoR I部位をその内側に含有してい
る。このオリゴヌクレオチドを(EcoR I)と呼ぶ。
オリゴヌクレオチド合成機を使用し、これら2つのオ
リゴヌクレオチドを、330B DNA合成機[アプライド・
バイオシステムズ(Applied Biosystems)、米国]の標
準的な手法にしたがって、ホスホルアミダイト法により
固相内に合成する。これらを、(a)55℃で12時間アン
モニア中で処理し、(b)減圧遠心機で乾燥し、(c)
2.5M酢酸アンモニウム中に再懸濁し、(d)3容量の冷
エタノール(−20℃)で沈澱させ、そして(e)80%冷
エタノールで再洗し、水に再懸濁する。2つのオリゴヌ
クレオチドの濃度を分光器によって分析する。パーキン
・エルマー・セツスのDNAサーマル・サイクラー・アン
プリフィケーター[Perkin Elmer Cetus DNA Termal Cy
cler Amplificator]によって増幅操作を行い、その増
幅のために関連したDNATMアンプリファイアー[パーキ
ン・エルマー−セツス]キットの試薬を使用する。手短
に説明すれば、200μMの各オリゴヌクレオチド、それ
ぞれ0.5μMのdATP、dTTP、dCTP、dGTPオリゴヌクレオ
チド、およびヒトDNA0.1μgを含有する混合物、および
0.5単位のTAQポリメラーゼを含有する全混合物中100μ
の反応緩衝液を使用し、そのすべてをパラフィン油で
被覆して蒸発を防ぐ。ヒトDNAの場合はその装置を35サ
イクルで操作して増幅反応を行う。両方の場合ともその
サイクルは以下のようである:94℃で1分、45℃で2
分、72℃で3分。300bpの増幅したフラグメントは、ジ
ュネクリーンTMキット[BIO 101 Inc.、ラ・ジョラ、
カリフォルニア、米国]を使用してアガロースを融解す
ることによって、低融解アガロース[ヌシーブ(NuSiev
e)]ゲル中で精製した。得られたDNAをXbaiおよびEcoR
I制限酵素で切断し、既述のように再精製する。このよ
うにして精製したフラグメントをpGEM4ベクター[プロ
メガ(Promega)]のXbaiおよびEcoR I部位にクローン
する。この得られたプラスミドをpGEM4Xba−NGFと呼
ぶ。
このプラスミド(pGEM4Xba−NGF)をHind III−EcoR
I部位で切断し、得られた300bpフラグメントを精製し、
pUC18BBG26ベクター[ブリティッシュ・バイオテクノロ
ジー,Ltd.(British Biotechnology Ltd.)、オックス
フォード、英国]のHind III−EcoR I部位にクローンす
る。pUC18BBG26はhβ−NGFを構成するカセットの遺伝
子を含有しており、すなわちその配列の内側には、天然
のものではないので、決定したドメインを置換すること
のできる制限部位、換言すれば突然変異を行うことので
きる制限部位が作成されている。この得られたベクター
をpUC18hNGFCと呼ぶ。このベクターをBamH Iで切断し、
クレノーポリメラーゼによって5′において伸長部をコ
ピーする。それをXba I部位で切断し、得られた760bpフ
ラグメントをアガロースゲルによって精製する。このフ
ラグメントをpMSG発現ベクターのNhe IおよびSma I部位
間にクローンする。pMSGphNGFと呼ぶこのベクターを入
手するための要約した図式を第2図に示し、そのベクタ
ーの模式図を第3図に示す。
B.3.メタロチオネインの制御下にあるNGFのクローニン
グ メタロチオネインII a(MT II a)はZn++またはCd++
または他の重金属イオンによって誘発させることがで
き、したがってその発現を制御できるので、このベクタ
ーを調製した。さらに、このプロモーターの発現を強化
するため、MT II aのプロモーターの5′末端にSV40エ
ンハンサーを付加し、同時にSV40の小さなt−抗原およ
びポリAをスプライシングおよびポリアデニル化に常に
使用する。最初に、以下のようにしてメタロチオネイン
のプロモーターをプレプロhβ−NGFに結合させる:プ
ラスミド(phMT II A)を制限酵素Hind IIIおよびBamH
Iで切断することによってメタロチオネインのプロモー
ターを単離し[カリン(Karin,H.)のNature 299:797,1
982]、プロモーターを含有する得られた841bpフラグメ
ントをpGEM4ベクター[プロメガ・マジソン(Promega M
adison)、WI、米国]のHind III−BamH I部位にクロー
ンする。このベクターをpGEM4hMT II aと呼ぶ。このプ
ロモーター部分は、幾つかの天然のコドンを伴って3′
側に伸びており、AUGメチオニンの最初のコドンを含有
し、その直後にBamH I制限部位が見いだされる。hMT II
aのプロモーターの最初のメチオニンを使用することに
よってプレプロhβ−NGFをこのプロモーターの制御下
にクローニングできるよう、遺伝子を相内に運ぶことが
できるようなBamH I制限部位を最初のAUGの直後に作成
した、塩基9133および9160[ウルリッチのNature 303:8
21,1983]間のオリゴヌクレオチドを構築する。配列: を有する合成オリゴヌクレオチドを、以下の配列のよう
に突然変異させる: このオリゴヌクレオチドをBamH Iと呼ぶ。変化させた塩
基はアミノ酸配列の変化をも包含しており、実際、Asp
からSerおよびProからMetと、それぞれ2番目および3
番目のアミノ酸変化を包含している。しかし、この変化
はハイドロパシシティーのプロフィルに対してたいした
影響はなく、その分子は正常に分泌される。
このオリゴヌクレオチドはEcoR Iオリゴヌクレオチド
と共に、上記のプレプロNGFの増幅に使用される。得ら
れた精製フラグメントをBamH IおよびEcoR I部位で切断
し、次いでpGEM4hMT II aベクターのBamH IおよびEcoR
I制限部位間にクローンする。そのベクターをpGhMTphNG
Fと呼ぶ。
SV40のエンハンサー(アクチベーター)を得るため、
以下のようにしてPMSGphNGFプラスミドから取り出す。P
MSGphNGFベクターをBamH Iで切断し、次いでクレノーポ
リメラーゼを使用して5′において伸長部をコピーす
る。次いで、それをHind IIIで切断し、得られた500bp
フラグメントをpGEM3のNae IおよびHind III制限部位間
にクローンする。得られたベクターをpGSV40と呼ぶ。
発現ベクターを得るため、上記の片を以下のようにフ
ラグメントのトリプル・ユニオンで結合する:pMSGphNGF
ベクターをEcoR IおよびBamH I制限酵素で切断し、得ら
れた1500bpフラグメントを精製する。pGhHTphNGFベクタ
ーをHind III−EcoR I酵素で切断し、1100bpフラグメン
トを精製する。これら2つのフラグメントを共に、pGSV
40ベクターのHind IIIおよびBamH I制限部位間にクロー
ンする。pSV40MTphNGFと呼ばれるこの発現ベクターを得
るための要約した図式を第4図に示し、このベクターの
模式図を第5図に示す。
このベクターpSV40MTphNGFを、pSV2Neoプラスミドと
共に二重トランスフェクションとしてCHO KI細胞に安
定に導入し、既述のように1mg/mlネオマイシンG418(ギ
ブコ、BRL)によって選択する。このプラスミドをphMT
プラスミドと共にコトランスフェクトし、高いコピー数
を含有するコロニーを選択する。この場合、CHO KI細
胞を50mN硫酸亜鉛に24時間暴露し、メタロチオネインの
合成を誘発させて、濃度2.5μMから始めて20μMまで
の濃度の塩化カドミウムを使用して選択する。hNGFの高
いコピー数を含有する細胞をこの分子の発現に使用す
る。
B.4.SV40のプロモーターエンハンサーの制御下NGFのク
ローニング pGEM4XbaNFプラスミドをHind IIIおよびEcoR I制限酵
素で切断し、得られた300bpフラグメントをpSV40MTphNG
FベクターのHind IIIおよびEcoR I制限部位間に置換す
る。pSV40phNGFと呼ばれるこのベクターを得るための要
約した図式を第6図に示し、そのベクターの模式図を第
7図に示す。
これは、調節配列がSV40プロモーター/エンハンサー
に帰属される標準的な構築ベクターである。このベクタ
ーをCHO KI細胞内にpSV2Neoプラスミドと共にコトラン
スフェクトし、神経成長因子のβ−ポリペプチドを産生
するクローンを分析する。
CHO KI dhfr細胞における選択 前述のベクターの遺伝子をCHO KI Dfhr-内で増幅さ
せるため、DHFR+の遺伝子をhNGFの遺伝子から上流にク
ローニングすることにより、そのベクターを実質的に修
飾する。DHFR+をコードしているpSV2dhfrベクターをHi
nd III部位で切断し、次いでポリメラーゼを使用して
5′において伸長部をコピーする。次いで、それをBamH
部位で切断し、得られた1800bpフラグメントを、pSV40h
NGFベクターにおけるXho I制限部位(上記のようにポリ
メラーゼにより平滑末端にした)、およびBamH Iにクロ
ーンする。このようにして、pSV40hNGF発現−選択プラ
スミドを作成する。このベクターの要約した図式を第8
図に示す。
このプラスミドを、ヌクレオチドを含有しておらず、
10%ウシ胎仔血清を含有するアルファMEM培地中のCHO
KI細胞に普通にトランスフェクトする。2日後、細胞を
トリプシン処理し、前述の濃度の1/10にし、MTM(メト
トレキサート)10μMから500μMまでを使用して増幅
を行う。最高濃度でも生存している細胞を、hNGFの発現
に使用する。
生物学的活性の測定 既述の3つのベクターのうちの1つを挿入した後、そ
れらを安定化した後のCHOセルライン培養培地中におけ
る生物学的活性を測定するためのインビトロ試験を、ク
ロム親和性細胞腫胎児細胞PC−12において行う[グリー
ン(Greene L.A.)らのRev.Neurosci.3:353,1982]。非
形質転換CHOセルラインが増殖している培養培地を使用
するか、または培養培地中に存在するhβ−NGFの活性
をネズミ起源もしくはウシ起源のNGFに特異的なポリク
ローナル抗体により阻害することによって、この反応の
特異性を確認する。既述の個々のベクターによって形質
転換されて安定化されている3つのセルラインは、ヒト
NGFのβ−サブユニットをその生物学的な活性型で産生
する。
医薬組成物 本発明のhβ−NGFは、医薬的に有用な組成物を製造
するための既知の方法によって製剤化することができ
る。既述した組換えDNAによって得られたヒトNGF分子
(β−サブユニット)を含有する、ガングリオシドおよ
びリン脂質をも含有することある医薬組成物の製剤化方
法は、患者に投与することのできる医薬的に許容され得
る組成物を調製するための既知の方法を包含し、それに
より、医薬的に許容され得るビヒクルと共に混合物中に
混合し得るhNGF分子の有効量を調整することができる。
適当なビヒクル、および他のタンパク質を含有するその
製剤は、例えば「レミングトンの医薬科学」[Remingto
n's Pharmaceutical Sciences,マック・パブリッシング
・カンパニー,イーストン,Pa.,米国,1985]に記載され
ている。これらのビヒクルには、注射用の「沈渣製剤
(deposit formulation)」が包含される。
これらのことに基づいて、本発明の医薬製剤には、適
切なpHに緩衝化するために、および生理学的液と等張性
にするために加えられる、1つまたはそれ以上の医薬的
に許容され得るビヒクルまたは希釈剤を共に含有する神
経成長因子の溶液剤、またはその凍結乾燥粉末剤が包含
されるが、これらは総括的なものではない。凍結乾燥剤
を調製する場合は、例えばマンニトールまたはクリシニ
ン(glycinin)などの支持賦形剤を使用すればよく、ま
た所望のpHを有する適切な等張性緩衝化溶液を得るため
には、所望の容量の適当な緩衝化溶液を調製する。所望
の容量の等張性溶液中にある、組換えDNAによって得ら
れた神経成長因子の分子の医薬組成物のための製薬的溶
液として、上記と同様の溶液を使用することができ、そ
れには毎度所望のpH、例えば中性pHの等張性医薬調製物
を得るために適当な濃度のリン酸塩またはクエン酸塩を
含有する生理学的緩衝化溶液を使用すること、が包含さ
れるが、それに限定されない。
本発明の医薬製剤としてはさらに、水溶性の自動乳化
性のグリコゼラチン型またはその他のものなどの凍結乾
燥した賦形剤を含有する直腸投与用の坐剤が挙げられる
が、それに限定されない。この調製物では、組換えDNA
によって得られた神経成長因子を全賦形剤の重量に対し
て0.01%から1/1%の含量で存在させればよい。この坐
剤には、適量のアセチルサリチル酸塩を含有させること
ができるが、それに限定されない。
上記医薬調製物は経口、経直腸、腸管外、局所、吸入
用、脳内に適用することを目的とすることができる。し
たがって、それは固形または半固形型であり、例えば糖
衣錠、錠剤、ゼラチン様ふた(gelatinous opercul
a)、カプセル剤、坐剤、ゼラチン軟カプセルなどであ
る。腸管外または脳内適用のためには、筋注、皮下投与
用の剤形、または静脈内もしくは脳内注入もしくは注射
に適切な剤形を選択する。したがって、それには、活性
物質の溶液剤、および活性物質の凍結乾燥粉末剤であっ
て、それらの用途に適切な、かつ生理学的液に適合する
浸透性を有する1つまたはそれ以上の医薬的に許容され
得る賦形剤または希釈剤が組み合わされたものを挙げる
ことができる。局所投与用には、通常使用するものとし
てクリームまたは軟膏の剤形の調製物が考えられ、吸入
用には鼻腔スプレーなどのスプレー剤の調製物が考えら
れる。
本発明の調製物は、ヒトまたは動物に投与することが
できる。溶液剤、スプレー剤、軟膏およびクリームでは
活性成分を0.01%から10%含有し、固形剤の調製物では
活性成分を5%から50%含有するものが好ましい。投与
すべき剤形は、適応症、所望の効果、および選択した投
与方法によって変動する。
本発明はさらに、神経成長因子NGFのβ−サブユニッ
トとガングリオシドまたはその誘導体との新規複合体に
おける既述の適応症に対する用途に関する。ヒトに対す
る注射(皮下または筋注または脳内)の毎日の投与量
は、体重1kg当たり活性物質0.05mgから5mgと種々変動す
る。
これまで本発明を説明してきたが、本明細書に記載し
た方法が種々の態様で改変できることは明らかである。
このような改変は、本発明の思想および範囲から逸脱す
るものと解してはならず、当業者にとって自明と考えら
れるすべての改変は、本発明の特許請求の範囲内に包含
されるものある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、ヒト起源の神経成長因子β−サブユニットハ
イドロパシシティーのプロフィルを示すグラフであり、
第2図は、pMSGphNGF発現ベクターの構築法を示す模式
図であり、第3図は、pMSGphRNGF発現ベクターの模式図
であり、第4図は、pSV40MTphNGF発現ベクターの構築法
を示す模式図であり、第5図は、pSV40MTphNGF発現ベク
ターの模式図であり、第6図は、pSV40phNGF発現ベクタ
ーの構築法を示す模式図であり、第7図は、pSV40phNGF
発現ベクターの模式図であり、そして第8図は、pSV40h
NGF発現ベクターの構築法を示す模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アレサンドロ・ネグロ イタリア国パドヴァ、ヴィア・ウマゴ5 番 (56)参考文献 特開 昭60−84299(JP,A) 特開 平4−128300(JP,A) 特開 平2−291270(JP,A) Neurobiol.Aging,V ol.10,No.1(1989.Jan.− Feb.)p.89−94 Bio/Technology,Vo l.5,No.7(1987)p.720−725 Gene,Vol.51,No.2−3 (1987)p.197−204 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/12 C12N 5/10 C12P 21/02 C07K 14/48 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)配列 及び を有するプライマーを用いてヒトゲノムDNAのポリメラ
    ーゼ連鎖反応増幅により得られる約300塩基対のヒトゲ
    ノムDNAの断片; (b)ヒトβ−NGFの部分をコードしている、該300塩基
    対断片(a)の3′末端に直接融合している460塩基対
    のEcoR I−BamH I断片; よりなる、−121位から+118位までのヒトプレプロβ−
    NGFをコードする約760塩基対のDNAの断片を含む複製可
    能な発現ベクターであって、 該760塩基対断片は、プラスミドpMSGのNhe I及びSma I
    部位の間に挿入されている複製可能な発現ベクター。
  2. 【請求項2】(a)配列 及び を有するプライマーを用いてヒトゲノムDNAのポリメラ
    ーゼ連鎖反応増幅により得られる約300塩基対のヒトゲ
    ノムDNAの断片; (b)ヒトβ−NGFの部分をコードしており、該300塩基
    対断片(a)の3′末端に直接融合している460塩基対
    のEcoR I−BamH I断片; (c)SV40エンハンサー要素を含む500塩基対のBamH I
    −Hind III断片; (d)ヒトメタロチオネインII a遺伝子のプロモーター
    を含む841塩基対のHind III−BamH I断片; よりなる、−121位から+118位のヒトプレプロβ−NGF
    をコードする約760塩基対のDNAの断片を含む複製可能な
    発現ベクターであって、 該SV40エンハンサー(c)は、ヒトメタロチオネインII
    aのプロモーター(e)の5′末端に機能的に結合して
    おり、該プロモーターの3′末端は、pGEM3のNae I及び
    BamH Iの間のヒトプレプロβ−NGFをコードする約760塩
    基対のDNAの断片の5′末端に機能的に結合している、
    複製可能な発現ベクター。
  3. 【請求項3】(a)配列 及び を有するプライマーを用いてヒトゲノムDNAのポリメラ
    ーゼ連鎖反応増幅により得られる約300塩基対のヒトゲ
    ノムDNAの断片; (b)ヒトβ−NGFの部分をコードしており、該300塩基
    対断片(a)の3′末端に直接融合している460塩基対
    のEcoR I−BamH I断片; (c)SV40エンハンサー要素を含む500塩基対のBamH I
    −Hind III断片; (d)ヒトメタロチオネインII aのプロモーター及びイ
    ニシエイターメチオニンを含む841塩基対のHind III−B
    amH I断片; よりなる、−121位から+118位までのヒトプレプロβ−
    NGFをコードする約760塩基対のDNAの断片を含む複製可
    能な発現ベクターであって、 SV40エンハンサー(c)は、ヒトメタロチオネインII a
    のプロモーター(d)の5′末端に機能的に結合してお
    り、該プロモーターの3′末端は、pGEM3のNae I及びBa
    mH I部位の間のヒトプレプロβ−NGFをコードする約760
    塩基対のDNAの断片の5′末端に機能的に結合している
    複製可能な発現ベクター。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の発現ベク
    ターで形質転換された組換え宿主細胞。
  5. 【請求項5】該細胞が哺乳動物細胞である請求項4に記
    載の細胞。
  6. 【請求項6】哺乳動物細胞がCHO細胞である請求項5に
    記載の細胞。
  7. 【請求項7】(a)細胞 を有するXba Iオリゴヌクレオチド、及び配列 を有するEcoR Iオリゴヌクレオチドを調製し、 (b)プライマーとして該Xba I及びEcoR Iオリゴヌク
    レオチド、テンプレートとしヒトゲノムDNAを用いてポ
    リメラーゼ連鎖反応により300塩基対のDNA断片を増幅
    し; (c)pGEM4ベクターのXba I及びEcoR I部位に該300塩
    基対のDNA断片をクローニングして、pGEM4Xba−NGFプラ
    スミドを製造し; (d)pGEM4Xba−NGFプラスミドをHind III及びEcoR I
    で切断して、第1の300塩基対の断片を製造し; (e)該第1の300塩基対の断片をpUC18BBG26プラスミ
    ドのHind III−EcoR I部位にクローニングして、pUC18h
    NGFcを製造し; (f)該pUC18hNGFcをBamH I及びXbalで切断して、760
    塩基対断片を製造し; (g)該760塩基対断片をpMSGベクターのNhe I及びSma
    I部位にクローニングして、pMSGphNGFプラスミドを製造
    し; (h)phMT II aをHind III及びBamH Iで切断すること
    によってメタロチオネインII a(MT II a)プロモータ
    ーを含有する断片を単離し; (i)該MT II aプロモーターを含有する断片をpGEMベ
    クターのHind III及びBamH I部位にクローニングして、
    pGEM4hMT II aベクターを製造し; (j)プレプロNGF DNA配列をBamH I及びEcoR Iで切断
    し、得られた断片をpEM4hMT II aのBamH I及びEcoR I制
    限部位の間にクローニングして、pGhMTphNGFを製造し; (k)pMSGphNGFをBamH Iで切断し、クレノウポリメラ
    ーゼで5′エクステンションをコピーし、Hind IIIで切
    断し、生じた500塩基対断片をpGEM3のNae I及びHind II
    I部位の間にクローニングして、PGSV40を製造し; (l)pGhMTphNGFをHind III及びEcoR Iで切断して第1
    の断片を製造し、pMSGphNGFをEcoR I及びBamH Iで切断
    して第2の断片を製造し、該第1及び第2の断片をpGSV
    40のHind III及びBamH I部位の間にクローニングしてpS
    V40MTphNGFを製造する; ことを含む、ヒトβ−NGFをコードする発現ベクターの
    製造方法。
  8. 【請求項8】(i)哺乳動物細胞を請求項1〜3のいず
    れかに記載のプラスミドで形質転換し、 (ii)該形質転換をした細胞を培養し;そして (iii)該培養において産性したヒトβ−NGFを回収す
    る、 ことを含むヒトβ−NGFの製造方法。
  9. 【請求項9】哺乳動物細胞がCHO細胞である請求項8に
    記載の方法。
  10. 【請求項10】プラスミドがpSV40MTphNGFの構造を有す
    る組換えDNAプラスミドであり、該ベクターは、 (a)配列 及び を有するプライマーを用いてヒトゲノムDNAのポリメラ
    ーゼ連鎖反応増幅により得られる約300塩基対のヒトゲ
    ノムDNAの断片; (b)ヒトβ−NGFの部分をコードしており、該300塩基
    対の断片(a)の3′末端に直接融合している460塩基
    対のEcoR I−BamH I断片; (c)SV40エンハンサー要素を含む500塩基対のBamH I
    −Hind III断片; (d)ヒトメタロチオネインII a遺伝子のプロモーター
    およびイニシエーターメチオニンを含む841塩基対のHin
    d III−BamH I断片; よりなる、−121位から+118位までのヒトプレプロβ−
    NGFをコードする約760塩基対のDNAの断片を含み、 SV40エンハンサー(c)は、ヒトメタロチオネインII a
    のプロモーター(d)の5′末端に機能的に結合してお
    り、そのプロモーターの3′末端は、pGEM3のNae I及び
    BamH I部位の間のヒトプレプロβ−NGFをコードする760
    塩基対のDNA断片の5′末端に機能的に結合している、 請求項8又は9に記載の方法。
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