JP3034657U - 電気コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】プリント基板の実装密度を更に高めると共に、
プリント基板上に強固に保持する電気コネクタ 【解決手段】電気絶縁材料から一体構造にモールド成形
されたハウジング部１２と取付け部１４とを備え、この
取付け部は、プリント基板１８表面上に載置されるブロ
ック部２２と、このブロック部から突出してプリント基
板の貫通孔３０に挿通されるポスト部２４と、このポス
ト部の先端部に形成されたねじ部２８とを有し、このね
じ部２８上にナット４０を締付けることにより、プリン
ト基板上に固定される電気コネクタ１０。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、プリント基板上に、例えばハードディスク装置である電子装置を電 気的および機械的に接続するための電気コネクタに関する。

【０００２】

【従来の技術】

例えばノート型あるいはパームトップ型パソコン等のように電子機器の小形化 および高密度化に伴い、プリント基板上に実装される電気コネクタ自体も小形化 が要請されている。

【０００３】 図３は、本願出願人がこのような電子機器用として先に開発した電気コネクタ ２の概略を示す。ハウジング部２ａ内に収容された各端子３は、テイル部をプリ ント基板４の平面に対して垂直に延設させている。これらのテイル部は、プリン ト基板４に形成されたスルーホール５内に挿入され、プリント基板４の裏面側か らこのスルーホール５に半田付けされ、これらのスルーホール５を通じて所要の 電気回路に電気的に接続されと共に、このプリント基板４に機械的に固定する。 また、ハウジング部２ａの長手方向両端部から側方に突出する取付け部２ｂおよ びプリント基板４にそれぞれ形成された貫通孔を通して固定ねじ６が挿通され、 この固定ねじ６に締付けられるナット８により、電気コネクタ２がプリント基板 ４に固定される。この取付け部２ｂは、ハウジング部２ａよりもプリント基板４ からの高さが低い薄肉構造に形成されており、プリント基板４に固定ねじ６で取 付けたときに、この固定ねじ６のヘッド部がハウジング部２ａよりも突出せず、 各種の電子部品および装置を実装したプリント基板４の全体を厚さを薄くする。 更に、取付け部２ｂがプリント基板４上に占める面積は極めて僅かであり、プリ ント基板４の実装密度を高めることができる。取付け部２ｂから突出する突起２ ｃは、プリント基板４の対応する挿通孔内に挿通されて位置決めを行う。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】 しかし、この電気コネクタの場合は、プリント基板の裏面側に端子のテイル部 が突出するため、この部分に電子部品あるいは装置を実装することはできない。 プリント基板の裏面側でハウジング部に対応する部分に電子部品等を実装するこ とは、ハウジング部側に配置されるプリント基板の半田付け用パッド部に端子の テイル部を半田付けする表面実装とすることで可能であるが、しかし、この場合 には、端子のテイル部が半田付け用パッド部から分離するのを防止するために、 取付け部の構造をより強固にする必要がある。

【０００５】 本考案は、上述の問題を解決するためになされたもので、プリント基板の実装 密度を更に高めることができると共に、プリント基板上に強固に保持することの できる電気コネクタを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案によると、電気絶縁材料からモールド成形され、それぞれがプリント基 板上の電気回路に接続される多数の端子を収容したハウジング部と、このハウジ ング部と一体構造にモールド成形された取付け部とを備え、この取付け部は、プ リント基板表面上に載置されるブロック部と、このブロック部から突出してプリ ント基板の貫通孔に挿通されるポスト部と、このポスト部の先端部に形成された ねじ部とを有し、このねじ部上にナットを締付けることにより、プリント基板上 に固定される電気コネクタが提供される。

【０００７】 この電気コネクタによれば、取付け部がハウジング部と一体構造にモールド成 形されることで、この取付け部とハウジング部との強固な一体性が確保される。 そして、プリント基板に取付ける際には、プリント基板に形成した貫通孔に、取 付け部のポスト部を挿通し、先端部のねじ部をプリント基板の裏面側から突出さ せ、このねじ部にナットを締付ける。別個の固定用ねじ部材を必要としないため 、このような別個のねじ部材を挿通するための貫通孔を取付け部に設ける必要が なく、取付け部を小さくかつ強固に形成することができる。

【０００８】 更に、上記取付け部のポスト部が、プリント基板の厚さにほぼ等しい滑らかな 周面を持つ円筒状部と、先端部に形成されたねじ部とを有し、このねじ部上にナ ットを締付けることにより、プリント基板上に固定される場合には、取付け部を 小さくかつ強固に形成できることに加え、更に、ポスト部の円筒状部が、プリン ト基板に対する位置決め手段として作用し、更に、ナットの締付け過ぎを防止す る。

【０００９】 また、複数の端子を互いに離隔させて収容し、プリント基板表面上の半田付け 用パッド部に半田付けされる各端子のテイル部を一側から列状に突出させ、かつ 、各端子のコンタクト部が露出する挿入口を他側に開口させた絶縁材製のハウジ ング部と、このテイル部の列に沿う長手方向の両端部で、このハウジング部に一 体成形された一対の取付け部とを備え、各取付け部は、プリント基板表面上に載 置されるブロック部と、このブロック部から突出するポスト部と、このポスト部 の先端部に形成されて基板に固定するための固定部とを有する電気コネクタが提 供される。この電気コネクタの場合には、各端子のテイル部が、ハウジング部と 同じ側でプリント基板表面上の半田付け用パッド部に半田付けされ、挿入口がプ リント基板表面とほぼ平行な方向に開口する。挿入口を介してこの電気コネクタ に作用する力は、小さくかつ強固な取付け部を介してプリント基板に伝達され、 端子のテイル部に大きな力が作用するのが防止される。

【００１０】 このハウジング部に一体成形された一対の取付け部が、テイル部の列に沿う長 手方向の両端部で、ハウジング部の前記一側に近接して配置される場合には、各 端子のテイル部に、プリント基板表面から離隔させる方向の力が作用するのを効 率的に防止する。

【００１１】 更に、本考案によると、複数の端子を互いに離隔させて収容し、プリント基板 表面上の半田付け用パッド部に半田付けされる各端子のテイル部を一側から列状 に突出させ、かつ、各端子のコンタクト部が露出する挿入口を他側に開口させて 、電気絶縁材料からモールド成形されたハウジング部と、このテイル部の列に沿 う長手方向の両端部で、ハウジング部の前記一側に近接して配置され、このハウ ジング部と一体構造にモールド成形された一対の取付け部とを備え、この取付け 部は、プリント基板表面上に載置されるブロック部と、このブロック部から突出 してプリント基板の貫通孔に挿通されるポスト部とを有し、このポスト部が、プ リント基板の厚さにほぼ等しい滑らかな周面を持つ円筒状部と、先端部に形成さ れたねじ部とを有し、このねじ部上にナットを締付けることにより、プリント基 板上に固定される電気コネクタが提供される。 以下、本考案の好ましい実施の形態について添付図面を参照しつつ詳細に説明 する。

【００１２】

【実施の形態】

図１および図２は、本考案の好ましい実施の形態による電気コネクタ１０を示 す。この電気コネクタ１０は、絶縁材料から一体構造にモールド成形されたハウ ジング部１２と取付け部１４とを有する。このハウジング部１２内には、多数の 端子１６が互いに絶縁された状態に収容され、取付け部１４によりプリント基板 １８に取付けられる。このハウジング部および取付け部を形成する絶縁材料は適 宜のものを用いることができるが、所要の耐熱性、絶縁性および強度を得るため には、ＰＰＳ（ポニフェニリンサルファイド）樹脂が好ましい。この電気コネク タ１０は、例えばパームトップ型と通称される携帯型コンピュータ等の小型電子 機器の通称マザーボードと称されるプリント基板１８に実装され、ハードディス ク装置等の図示しない電子装置を、このプリント基板１８上に機械的に装着する と共に、このプリント基板１８上に形成された電気回路と電気的に接続するため に用いることができる。

【００１３】 図２の（Ａ）から（Ｄ）に、それぞれ電気コネクタ１０の平面、正面、底面お よび側面を概略的に示すように、この電気コネクタ１０は、ハウジング部１２の 一側から端子１６のテイル部１６ａを突出させ、他側には、プリント基板１８に 装着する電子装置のピン端子を案内かつ受入れる挿入口２０を開口させた略直方 体状の構造を有する。上下２段に配列された各挿入口２０内には、各端子１６の コンタクト部（図示しない）が露出しており、これらの挿入口２０内に挿入され たピン端子と接触し、電気的に接続される。一方、テイル部１６ａは図２の（Ａ ）および（Ｃ）に明瞭に示すように、ハウジング部１２の一側から列状に突出し て配置され、図１に示すようにプリント基板１８上に列状に配置された半田付け 用パッド１８ａに半田付けされ、プリント基板１８上の電気回路とこれらのパッ ド１８ａを通じて電気的に接続される。

【００１４】 電気コネクタ１０をプリント基板１８上に取付ける取付け部１４は、ハウジン グ部１２の長手方向の両端部に対を成して配置されており、この一対の取付け部 １４のそれぞれは、ハウジング部１２と一体のブロック部２２と、このブロック 部２２からプリント基板１８の方向に突出するポスト部２４とから形成されてい る。

【００１５】 ブロック部２２は、テイル部１６ａが突出する側すなわちハウジング部１２の 上記一側、および、プリント基板１８側の双方で、ハウジング部１２よりも突出 させるのが好ましい。この場合には、端子１６のテイル部１６ａの列をこれらの ブロック部２２間に配置すると共に、電気コネクタ１０をプリント基板１８に装 着したときに、プリント基板１８の表面部とこれに対向するハウジング部１２と の間に間隙を形成することができる。

【００１６】 ブロック部２２から突出するポスト部２４は、プリント基板１８の厚さとほぼ 等しい軸方向長さの滑らかな周面を持つ円筒状部２６と、この先端部に形成され たねじ部２８とで形成されている。この円筒状部２６は、プリント基板１８の貫 通孔３０の径とほぼ等しく形成することができ、この場合には、従来の電気コネ クタにおける位置決め用突起およびその挿通孔を省略することができる。

【００１７】 なお、ポスト部２４、ねじ部２８に代え、このポスト部２４をプリント基板１ ８に固定する適宜の固定手段を設けてもよい。 この電気コネクタ１０をプリント基板１８に実装する場合は、取付け部１４の ポスト部２４をプリント基板１８の貫通孔３０内に挿入し、ブロック部２２をプ リント基板１８上に載置する。電気コネクタ１０の各テイル部１６ａは、プリン ト基板１８上の対応するパッド１８ａと整列しかつ互いに接触する。そして、プ リント基板１８の反対側から、ねじ部２８にナット４０を締め付け、プリント基 板１８に、電気コネクタ１０を固定する。円筒状部２６がプリント基板１８の厚 さとほぼ等しい軸方向長さを有するため、ナット４０の締め付け過ぎにより、プ リント基板１８あるいはこのポスト部２４が損傷することはない。更に、円筒状 部２６の径が貫通孔３０の径とほぼ等しく形成されるため、テイル部１６ａがパ ッド１８ａから変位することもない。

【００１８】 プリント基板１８に取付けられた後、リフロー半田付け等により、各テイル部 １６ａとパッド部１８ａとが一括して半田付けされ、電気コネクタ１０の実装が 完了する。

【００１９】 このようにプリント基板１８に表面実装された電気コネクタ１０は、挿入口２ ０がプリント基板１８の表面と平行な方向に向けて側方に開口するため、プリン ト基板１８から大きく突出することがない。そして、取付け部１４が、ハウジン グ部１２と一体のブロック２２と、このブロック２２から突出するポスト部２４ とからなり、このポスト部２４に形成したねじ部２８に締め付けるナット４０に よりプリント基板１８上に取付けるため、従来のような固定ねじを必要としない 。また、取付け部１４に別個の固定ねじを挿通するための開口を形成する必要が ないため、この取付け部１４を小さくかつ強固に形成することができる。更に、 プリント基板１８の裏面側にテイル部１６ａが突出しないため、この部分に他の 電気回路を形成し、あるいは、更に他の部品を実装することができる。

【００２０】 したがって、この電気コネクタ１０によれば、部品点数および組立て工程数を 低減することにより、組立て工程を簡略化できることに加え、小さくかつ強固な 取付け部により、プリント基板１８をより高密度化することができる。

【００２１】

【考案の効果】

以上明らかなように、本考案によれば、ハウジング部と一体構造にモールド成 形された取付け部が、プリント基板表面上に載置されるブロック部と、このブロ ック部から突出してプリント基板の貫通孔に挿通されるポスト部と、このポスト 部の先端部に形成されたねじ部とを有することにより、プリント基板の実装密度 を更に高めることができると共に、プリント基板上に強固に保持することができ る。

【００２２】 更に、取付け部のポスト部が、プリント基板の厚さにほぼ等しい滑らかな周面 を持つ円筒状部と、先端部に形成されたねじ部とを有する場合には、ナットの締 め過ぎによるプリント基板あるいはポスト部の損傷を防止することができる。

【００２３】 また、ハウジング部が複数の端子を互いに離隔させて収容し、プリント基板表 面上の半田付け用パッド部に半田付けされる各端子のテイル部を一側から列状に 突出させ、かつ、各端子のコンタクト部が露出する挿入口を他側に開口させる場 合には、プリント基板からの突出高さを低くかつ表面実装することができる。

【００２４】 更に、ハウジング部に一体成形された一対の取付け部が、テイル部の列に沿う 長手方向の両端部で、ハウジング部の前記一側に近接して配置される場合には、 各端子のテイル部に、プリント基板表面から離隔させる方向の力が作用するのを 効率的に防止することにより、小さな構造の取付け部で極めて効果的にプリント 基板に電気コネクタを固定することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の好ましい実施の形態による電気コネク
タの概略的な斜視図

【図２】図１の電気コネクタをより詳細に説明する図で
あり、（Ａ）は平面図、（Ｂ）は（Ａ）のＢ−Ｂ線に沿
う正面図、（Ｃ）は（Ｂ）のＣ−Ｃ線に沿う底面図、
（Ｄ）は（Ｂ）のＤ−Ｄ線に沿う側面図

【図３】従来の電気コネクタの斜視図

【符号の説明】

１０…電気コネクタ、１２…ハウジング部、１４…取付
け部、１６…端子、１６ａ…テイル部、１８…プリント
基板、１８ａ…パッド部、２０…挿入口、２２…ブロッ
ク部、２４…ポスト部、２６…円筒状部、２８…ねじ
部、３０…貫通孔、４０…ナット。

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 電気絶縁材料からモールド成形され、そ
   れぞれがプリント基板上の電気回路に接続される多数の
   端子を収容したハウジング部と、 このハウジング部と一体構造にモールド成形された取付
   け部とを備え、 この取付け部は、プリント基板表面上に載置されるブロ
   ック部と、このブロック部から突出してプリント基板の
   貫通孔に挿通されるポスト部と、このポスト部の先端部
   に形成されたねじ部とを有し、 このねじ部上にナットを締付けることにより、プリント
   基板上に固定される電気コネクタ。
2. 【請求項２】 電気絶縁材料からモールド成形され、そ
   れぞれがプリント基板上の電気回路に接続される多数の
   端子を収容したハウジング部と、 このハウジング部と一体構造にモールド成形された取付
   け部とを備え、 この取付け部は、プリント基板の表面上に載置されるブ
   ロック部と、このブロック部から突出してプリント基板
   の貫通孔に挿通されるポスト部とを有し、このポスト部
   が、プリント基板の厚さにほぼ等しい滑らかな周面を持
   つ円筒状部と、先端部に形成されたねじ部とを有し、 このねじ部上にナットを締付けることにより、プリント
   基板上に固定される電気コネクタ。
3. 【請求項３】 複数の端子を互いに離隔させて収容し、
   プリント基板表面上の半田付け用パッド部に半田付けさ
   れる各端子のテイル部を一側から列状に突出させ、か
   つ、各端子のコンタクト部が露出する挿入口を他側に開
   口させた絶縁材製のハウジング部と、 このテイル部の列に沿う長手方向の両端部で、このハウ
   ジング部に一体成形された一対の取付け部とを備え、 各取付け部は、プリント基板表面上に載置されるブロッ
   ク部と、このブロック部から突出するポスト部と、この
   ポスト部の先端部に形成されて基板に固定するための固
   定手段とを有する電気コネクタ。
4. 【請求項４】 複数の端子を互いに離隔させて収容し、
   プリント基板表面上の半田付け用パッド部に半田付けさ
   れる各端子のテイル部を一側から列状に突出させ、か
   つ、各端子のコンタクト部が露出する挿入口を他側に開
   口させた絶縁材製のハウジング部と、 このテイル部の列に沿う長手方向の両端部で、ハウジン
   グ部の前記一側に近接して配置され、このハウジング部
   に一体成形された一対の取付け部とを備え、 各取付け部は、プリント基板表面上に載置されるブロッ
   ク部と、このブロック部から突出するポスト部と、この
   ポスト部の先端部に形成されて基板に固定するための固
   定部とを有する電気コネクタ。
5. 【請求項５】 複数の端子を互いに離隔させて収容し、
   プリント基板表面上の半田付け用パッド部に半田付けさ
   れる各端子のテイル部を一側から列状に突出させ、か
   つ、各端子のコンタクト部が露出する挿入口を他側に開
   口させて、電気絶縁材料からモールド成形されたハウジ
   ング部と、 このテイル部の列に沿う長手方向の両端部で、ハウジン
   グ部の前記一側に近接して配置され、このハウジング部
   と一体構造にモールド成形された一対の取付け部とを備
   え、 この取付け部は、プリント基板表面上に載置されるブロ
   ック部と、このブロック部から突出してプリント基板の
   貫通孔に挿通されるポスト部とを有し、このポスト部
   が、プリント基板の厚さにほぼ等しい滑らかな周面を持
   つ円筒状部と、先端部に形成されたねじ部とを有し、 このねじ部上にナットを締付けることにより、プリント
   基板上に固定される電気コネクタ。