JP3031824B2 - 窒素酸化物の吸着剤及びこの吸着剤を用いた窒素酸化物の除去方法 - Google Patents

窒素酸化物の吸着剤及びこの吸着剤を用いた窒素酸化物の除去方法

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JP3031824B2
JP3031824B2 JP6182573A JP18257394A JP3031824B2 JP 3031824 B2 JP3031824 B2 JP 3031824B2 JP 6182573 A JP6182573 A JP 6182573A JP 18257394 A JP18257394 A JP 18257394A JP 3031824 B2 JP3031824 B2 JP 3031824B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、窒素酸化物の吸着剤お
よびこの吸着剤を用いた窒素酸化物の除去方法に関す
る。更に詳しくは、本発明は、排ガス中に含まれる低濃
度の窒素酸化物(NOx:一酸化窒素及び二酸化窒
素)、特に二酸化窒素を除去するに好適な吸着剤および
この吸着剤を用いて排ガス中の低濃度の窒素酸化物、特
に二酸化窒素を効率よく吸着除去する方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ボイラなどの固定式窒素酸化物発生源か
らの窒素酸化物の除去方法に関しては、従来から、アン
モニアを還元剤に用いて窒素酸化物を選択的に還元して
無害な窒素と水とに変換する接触還元法が最も経済的な
方法として広く用いられている。
【0003】ところで、道路トンネル、シェルター付道
路、大深度地下空間、道路交差点などにおける換気ガス
もしくは大気、および家庭内で使用される燃焼機器から
排出されるガスなどに含まれる窒素酸化物の濃度は、5
ppm程度とボイラ排ガス中の窒素酸化物濃度に比べて
極めて低く、またガス温度は常温であり、しかもガス量
は莫大なものである。このため、例えば道路トンネルの
換気ガスに上記接触還元法によって窒素酸化物を効率よ
く除去するには、この換気ガスの温度を300℃以上に
することが必要であり、その結果、多大のエネルギーが
必要となり、上記接触還元法をそのまま適用することに
は経済的に問題がある。
【0004】このような事情から、上記のような道路ト
ンネルの換気ガスなど、窒素酸化物の濃度が低い、例え
ば約5ppm以下のガス(以下、これら窒素酸化物の濃
度が低い換気ガスまたは大気などを「排ガス」と総称す
る)から窒素酸化物を効率よく除去することが望まれて
いる。
【0005】この低濃度窒素酸化物の吸着除去剤とし
て、ゼオライトに塩化銅を担持させた吸着剤が特開平1
−299642号公報に開示されているが、本発明者ら
の検討によれば、この吸着剤は、排ガス中の水分によっ
て影響を受け易く、排ガスの湿度が高いと窒素酸化物吸
着能が著しく低下することが判明した。
【0006】さらに、トンネルの換気後のガスを処理す
る場合、トンネル内で処理する必要があるため、設置ス
ペースに制限があり装置自体をコンパクトにする必要が
ある。 以上の問題点を解決するために、より優れた性
能を有する窒素酸化物処理用の吸着剤が切望されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、排ガ
ス中に含有される低濃度の窒素酸化物の吸着能に優れた
吸着剤を提供することである。
【0008】本発明の他の目的は、排ガスの湿度による
影響を受けることなく、排ガス中の特に低濃度の二酸化
窒素の吸着能に優れた吸着剤を提供することである。
【0009】本発明の他の目的は、吸着剤を用いて排ガ
ス中の窒素酸化物、特に二酸化窒素を効率よく吸着除去
する方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意に研究を進めた結果、ジルコニアにル
テニウムを担持した窒素酸化物の吸着剤を見出し発明を
完成するに至ったのである。本発明は、以下の各発明に
よりなるものである。
【0011】第1の発明は、ジルコニウムとルテニウム
とを含有し、比表面積が10m 2 /g以上、かつ0.2
〜5μmの範囲の細孔容積が0.02cc/g以上であ
ことを特徴とする窒素酸化物吸着剤である。
【0012】第2の発明は、上記の吸着剤には、さらに
マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、鉛及び
セリウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属
の酸化物を加えてなる窒素酸化物吸着剤である。
【0013】
【0014】第3の発明は、上記第1又は第2の発明で
ある吸着剤に排ガスを接触させることにより、該排ガス
中に含まれる窒素酸化物を吸着させることを特徴とする
窒素酸化物の除去方法である。
【0015】第4の発明は、第3の発明において排ガス
中の一酸化窒素を予め二酸化窒素に酸化したのち、該排
ガス中の窒素酸化物を吸着し除去する除去方法である。
【0016】また、第4の発明において、排ガス中の一
酸化窒素を予め二酸化窒素に酸化するために、オゾンを
排ガス中に添加する除去方法である。
【0017】このオゾンの添加量は該窒素酸化物の濃度
に対し0.5〜5倍モルであることが好ましい。
【0018】
【作用】以下に本発明を詳細に説明する。本発明におい
て使用されるジルコニアは、通常ジルコニアであれば、
いずれのものであってもよいが、好ましくは該ジルコニ
アの比表面積は、10m2/g以上であることが好まし
く、さらに好ましくは、10〜400m2/gである。
なお、比表面積は通常行われている測定方法であればい
ずれでもよく、例えばBET法による比表面積測定法等
により測定されるものである。
【0019】該ジルコニアの調製方法は、特に限定され
るものではないが、例えば、ジルコニウムの硝酸塩、塩
化物、硫酸塩、炭酸塩、水酸化物などの無機塩、蓚酸
塩、酢酸塩等の有機化合物を焼成することにより調製で
き、例を示すと水酸化ジルコニウム、オキシ水酸化ジル
コニウムを300〜900℃で焼成することにより調製
することができる。なお、これらのジルコニアの原料に
は、微量の不純物、例えば、SiO2、TiO2、HfO
2等を含有していてもジルコニアの調製には支障はない
ものである。
【0020】本発明において使用されるルテニウム(R
u)は、0.01〜10重量%、好ましくは0.01〜
5重量%、さらに好ましくは0.01〜1重量%担持し
てなるものである。すなわち、0.01重量%未満で
は、窒素酸化物の吸着能が著しく低下し好ましくない。
一方、10重量%を超えると、該吸着剤の原料コストが
高くなるばかりでなく窒素酸化物の吸着能も低下し、好
ましくない。
【0021】また、本発明においては、第1の発明であ
るジルコニアとルテニウムとを含有する吸着剤に、さら
にマンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、鉛及
びセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金
属(以下、重金属成分ともいう)の酸化物を加えること
により、いっそう優れた効果を発揮することも見出し
た。これが第2の発明である。
【0022】この第2の発明に係る吸着剤においては、
ジルコニア、ルテニウム及び当該重金属成分の総量に対
して、ルテニウムが、0.01〜10重量%、好ましく
は0.01〜5重量%、さらに好ましくは、0.01〜
1重量%であり、かつ重金属成分は、1〜70重量%、
好ましくは、10〜70重量%、さらに好ましくは10
〜60重量%である。
【0023】即ち、ルテニウムが0.01重量%未満で
は窒素酸化物の吸着能が著しく低下するので好ましくは
なく、一方、ルテニウムが10重量%を超える場合に
は、吸着剤のコストが高くなり、さらに含まれるに見合
う窒素酸化物の吸着能も向上せず、好ましくはないもの
である。一方、重金属成分が1重量%未満では重金属成
分の添加効果が充分に得られないので好ましくはない。
【0024】ルテニウムおよび重金属成分の酸化物の出
発原料は、各金属の酸化物をそのまま使用する他、水酸
化物、アンモニウム塩、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、シュ
ウ酸塩、炭酸塩、ハロゲン化物等から適宜選ばれるもの
である。なお、上記ルテニウム塩は、通常は本吸着剤の
調製により金属又は酸化物となるが、場合によっては一
部出発原料の塩の状態で存在していてもよい。
【0025】また、ルテニウムの分布状態は、特に限定
されるものではなく、ジルコニアと共にあるだけでな
く、該重金属成分の酸化物と共に、またジルコニアと重
金属成分の酸化物の双方と共にあってもよい。これらは
本吸着剤の使用状態によって適宜変更し使用することが
できるものである。
【0026】本発明の吸着剤の調製方法について、以下
に例示するが各成分の出発原料により、本発明に係る吸
着剤の調製方法は適宜変更できるものであり、本発明が
これら方法に限定されるものではない。まず、ジルコニ
アとルテニウムとを含有する吸着剤を調製方法を示す。
【0027】(1)ルテニウムの金属塩の含有する水溶
液をジルコニアの粉体に含浸し、蒸発、乾燥後、300
〜600℃で焼成し、次いで、所望の形状に成形する方
法。
【0028】(2)ジルコニアを予め所定の形状、例え
ば、ハニカム等に成形し、この成型体にルテニウムの金
属塩を含有する水溶液を含浸し、乾燥後300〜600
℃で焼成する方法。
【0029】(3)ルテニウムの金属塩を含有する水溶
液に、ジルコニウム粉体を添加してスラリー状とした
後、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等
のアルカリ性溶液を添加し、ジルコニア上にルテニウム
を沈着させた後、これを水洗し乾燥した後、300〜6
00℃で焼成し、次いで所望の形状に成形する方法。
【0030】(4)ルテニウムの金属塩を含有する水溶
液とジルコニウムを含有する水溶液と混合し、さらにア
ンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアル
カリ性水溶液を添加し、ルテニウムとジルコニウムを共
沈させる。この共沈物を洗浄後、乾燥し、300〜60
0℃で焼成しする。次いで、この焼成物を所望の形状に
成形する。
【0031】次いで、ジルコニアとルテニウムと、さら
に重金属成分の酸化物を加えてなる吸着剤の調製方法を
示す。
【0032】(5)ルテニウムの金属塩を含有する水溶
液を、ジルコニア粉体とを混合し、乾燥し、300〜6
00℃で焼成し得られた粉体と、重金属成分の酸化物、
水酸化物または炭酸塩等の粉体とを、適当な水等を添加
し良く練った後、所望の形状に成型した後300〜60
0℃で焼成する方法。
【0033】(6)ルテニウムの金属塩を含有する水溶
液と、重金属成分の酸化物、水酸化物または炭酸塩等の
粉体及びジルコニア粉体とを混合し、300〜600℃
で焼成し得られた粉体を、適当な水等を添加し良く練っ
た後、所望の形状に成型した後300〜600℃で焼成
する方法。
【0034】(7)ルテニウムの金属塩を含有する水溶
液を、重金属成分の酸化物、水酸化物または炭酸塩等の
粉体と混合し、乾燥し、300〜600℃で焼成し得ら
れる粉体とを、ジルコニアとをよく混合し、適当な水等
を添加し良く練った後、所望の形状に成型した後300
〜600℃で焼成する方法。
【0035】(8)ジルコニア粉体にルテニウムの金属
塩を含有する水溶液を添加してスラリー状とした後、ア
ンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアル
カリ性溶液を添加し、ジルコニア上にルテニウムを沈着
させた後、これを水洗し乾燥し、300〜600℃で焼
成し得られた粉体と、重金属成分の酸化物、水酸化物ま
たは炭酸塩等の粉体とを、適当な水等を添加し良く練っ
た後、所望の形状に成型した後300〜600℃で焼成
する方法。
【0036】(9)ルテニウムの金属塩を含有する水溶
液、重金属成分の金属塩を含む水溶液、およびジルコニ
ウムの金属塩を含有する水溶液とを十分混合しアンモニ
ア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ性
溶液を添加し、ルテニウム、重金属及びジルコニウムを
共沈させた後、これを水洗し乾燥した後、300〜60
0℃で焼成し、次いで所望の形状に成形する方法。
【0037】なお、上記の成形に際し、成形助剤を使用
し成形する場合は、ポリビニルアルコール、グリセリ
ン、セルロース等の有機バインダーまたはアルミナゾ
ル、シリカゾル等の無機バインダー等を用いることがで
き、好ましくは有機バインダーである。
【0038】吸着剤の形状については、特に制限はな
く、円柱状、円筒状、球状、板状、ハニカム状、その他
一体に成形されたものなどを、本吸着剤の充填部分、本
吸着方法を用いる状態により適宜選択することができ
る。この吸着剤を成形する際は、一般的な成形方法、例
えば、打錠成形法、押出し成形法等によることができ
る。これらのうち粒状吸着剤である場合は、平均粒径1
〜10mmであり、ハニカム状である場合は、いわゆる
モノリス担体と同様に押出成型法、シート状にして巻き
固める方法等で製造される。またガス通過口(セル形
状)の形状は、6角形、4角形、3角形またはコルゲー
ション形等が好ましい。セル密度(セル数/単位断面
積、「セル/平方インチ」ともいう)は、25〜600
セル/平方インチあれば充分使用可能であり、好ましく
は25〜500セル/平方インチある。
【0039】また、当該吸着剤は、上記組成であれば使
用条件により、適宜、強度、形状、比表面積、細孔容積
等の物性を変更し使用することができる。これらの物性
のうち、特に比表面積は、10m 2 /g以上、好ましく
は10m 2 /g〜400m 2/g,さらに好ましくは1
0m 2 /g〜300m 2 /gである。この比表面積は、
通常、比表面積を測定する方法によりなされ、例えばB
ET比表面積測定法を用いてなされるものである。
【0040】細孔容積は、0.2〜5μmの範囲にある
細孔の容積が0.02cc/g以上、好ましくは0.0
5cc/g以上であり、0.02cc/g未満である場
合は窒素酸化物の吸着能が低下し、好ましくないからで
ある。また、吸着剤の全細孔容積は0.2cc/g〜
0.6cc/g好ましくは、0.2cc/g〜0.5c
c/gである。
【0041】この細孔容積の測定は、通常細孔容積の測
定に用いられる方法であればいずれであってもよいが、
一般的には水銀圧入法により測定される。
【0042】以下に本吸着剤を調製する例を示すが、本
発明の趣旨に反しない限り以下の調製例に限定されるも
のではない。
【0043】(1)本吸着剤の粉体の粒子を適度に調
整する方法である。具体的には、例えば、平均粒子径3
〜30μmの粉体を使用し吸着剤を調整する方法であ
る。3μm未満であれば、目的とする細孔分布を得るこ
とが困難であり、また30μmを越えるものは、成形性
が悪くなり好ましくはないものである。
【0044】(2)各成分の出発原料として、吸着剤の
調製する際の焼成段階で分解する原料、例えば、炭酸
塩、水酸化物、塩化物、アンモニウム塩等の無機塩類、
蓚酸塩、酢酸塩等の有機化合物を用いる方法である。
【0045】(3)吸着剤の成形時の焼成段階で揮発、
分解する樹脂、セルロースなどの有機高分子や硝酸アン
モニウムなどの無機塩類等を添加することにより、細孔
を形成する方法である。例えば、有機高分子の例として
は、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、アセタール樹
脂、結晶性セルロースなどであり、無機塩類の例として
は、硝酸アンモニウム、蓚酸アンモニウム、炭酸アンモ
ニウムなどである。また、これらの添加量としては、成
形物全量のうち5〜30重量%が好ましいものである。
以上の方法により得られる吸着剤は、0.2〜5μmの
範囲の細孔の容積が0.02cc/g以上を有している
だけでなく、図1に示したように0.2〜5μmの範囲
において極めてシャープな細孔分布を有する点に特徴が
ある。このように極めてシャープな細孔分布を有し、特
定の細孔径の範囲であることは、この範囲内の細孔は極
めて均一な細孔を有することを示すものであり、これが
本発明に係る吸着剤が常温でかつ低濃度の窒素酸化物に
対し優れた吸着特性を示す原因となるものと考えられ
る。即ち、その原因としては定かではないが、ガスが吸
着剤の細孔内に拡散していく際に、温度が常温であるこ
とから、本発明に係る吸着剤に見られるような特定の細
孔の範囲において均一な細孔分布を有するものが、容易
に細孔内を拡散し、その結果低度の窒素酸化物であっ
ても有効に吸着し、さらに耐久性に富むものとなると考
えられる。
【0046】本発明の窒素酸化物の除去方法における上
記吸着剤と排ガスとの接触方法については特に制限はな
く、通常、上記吸着剤からなる層中に排ガスを導入して
行う。また、この際の処理条件については、排ガスの性
状によって異なるので一概に特定できないが、供給する
ガスの温度は、通常、0〜200℃であり、特に0〜5
0℃の範囲が好ましい。
【0047】また、供給するガスの空間速度(SV)
は、通常、500〜50000hr-1(STP)であ
り、特に2000〜30000hr-1(STP)の範囲
が好ましい。
【0048】本発明の吸着剤は、排ガスをそのまま本発
明の吸着剤と接触させて、窒素酸化物のうち主として二
酸化窒素を吸着除去してもよいが、本発明に係る吸着剤
は窒素酸化物のうち特に二酸化窒素の吸着除去に効果的
であるため、排ガス中の窒素酸化物を除去する際に、一
酸化窒素をオゾン等の酸化剤で予め酸化して二酸化窒素
に変換した後、吸着剤と接触させると排ガス中の窒素酸
化物を更に効果的に除去することができる。
【0049】予め排ガス中にオゾン(O3 )を添加する
場合は窒素酸化物濃度の0.5〜5倍の濃度が好まし
い。0.5倍未満である場合は、効率よく窒素酸化物を
吸着できず、5倍を越える場合は、オゾンが流し易く
なるので好ましくない。
【0050】さらに本発明の吸着剤は排ガス中に添加し
た過剰のO3も分解除去できるという優れた効果を有し
ている。
【0051】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を更に具体的に説
明する。
【0052】(実施例1)硝酸ルテニウム水溶液(田中
貴金属株式会社製、Ru貴金属として3.75g重量%
含有)80gを、平均粒径10μmのジルコニア(BE
T比表面積が100m2/g)99.7gに添加し適量
の水を添加しつつニーダーでよく混合した後、押出し成
型器で直径5mm長さ5mmのペレット状に成型した。
このペレットを100℃で10時間乾燥した後、450
℃で3時間空気雰囲気下で焼成した。
【0053】このようにして得られた吸着剤の組成はR
uおよびZrO2が各々0.3重量%および99.7重
量%であった。なお、この吸着剤の組成および比表面積
等は表1に示した。
【0054】(実施例2)実施例1において、平均粒径
10μmのジルコニアを平均粒径5μmのジルコニア
(BET比表面積23m2 /g)にえた以外は実施例
1と同様にして、ペレット状の吸着剤を調製した。な
お、この吸着剤の組成および比表面積等は表1に示し
た。
【0055】(比較例1)実施例1において、平均粒径
10μmのジルコニアを平均粒径1μmのジルコニア
(BET比表面積4m2 /g)にえた以外は実施例1
と同様にして吸着剤を調製した。この吸着剤の組成およ
び比表面積等は表1に示した。
【0056】(比較例2)Y型ゼオライト(東ソー株式
会社製、ゼオライト、TSZ−320、SiO2/Al2
3で5.5)を、1モル/リットルの塩化第二銅(C
uCl2)水溶液に室温で20時間撹拌しながら浸漬さ
せ、その後水洗、ろ過した後、110℃で2時間乾燥、
400℃で3時間焼成した。
【0057】この粉体に適量の水を添加しつつ、ニーダ
ーで、よく撹拌した後、押出し成型機で、直径5mm、
長さ5mmのペレット状に成型した。このペレットを1
00℃で10時間乾燥後、350℃で3時間、空気中で
焼成した。
【0058】このようにして得られた吸着剤の組成は、
CuおよびY型ゼオライトが各々7.5重量%および9
2.5重量%であった。なお、この吸着剤の組成および
比表面積等は表1に示した。
【0059】
【表1】
【0060】(実施例3)実施例1、2および比較例
1、2で得た吸着剤について、窒素酸化物の吸着性能
(NOx除去率)を下記方法により評価した。
【0061】吸着剤114mLを内径30mmのガラス
製反応管に充填した。下記組成の合成ガスを下記条件下
に上記吸着剤層に導入した。
【0062】合成ガス組成 一酸化窒素(NO):3ppm、H2O:2.5容量
%、残り:空気処理条件 ガス量:15.2NL/min、処理温度:25℃、空
間速度(SV):8000hr-1(STP)、ガス温
度:85%RH 上記合成ガスを導入してから1時間経過後、上記吸着剤
層の入口および出口における合成ガス中の窒素酸化物
(NOX)濃度を化学発光式NOX計により測定し、次式
に従ってNOX除去率を算出した。
【0063】
【数1】
【0064】また評価試験の結果については表2に示
す。
【0065】
【表2】
【0066】(実施例4)実施例1、2および比較例
1、2で得た吸着剤について、実施例3において合成ガ
ス組成を下記のように変えた以外は、実施例3と同様に
して窒素酸化物の吸着性能(NOx除去率)を評価し
た。
【0067】合成ガス組成 一酸化窒素(NO):3ppm、H2O:2.5容量
%、オゾン(O3):3ppm、残り:空気、但し、一
酸化炭素(NO)は、オゾンの添加により全て二酸化窒
素(NO2)となっている。
【0068】上記合成ガスを導入してから10時間およ
び20時間経過後、上記吸着剤層の入口および出口にお
ける合成ガス中の窒素酸化物(NOX)濃度を化学発光
式NOX計により測定し、前式に従ってNOX除去率を算
出し、その結果を表2に示した。
【0069】(実施例5)実施例1、2および比較例
1、2で得た吸着剤について、実施例3において合成ガ
ス組成を下記のように変えた以外は、実施例3と同様に
して窒素酸化物の吸着性能(NOx除去率)を評価し
た。
【0070】合成ガス組成 一酸化窒素(NO):3ppm、H2O:2.5容量
%、オゾン(O3):4.5ppm、残り:空気、但
し、一酸化炭素(NO)は、オゾンの添加により全て二
酸化窒素(NO2)となっている。
【0071】なお、一酸化窒素(NO)は、オゾンの添
加によりすべて二酸化窒素(NO2)となっており、さ
らに過剰のオゾン(O3)1.5ppmが共存してい
る。
【0072】上記合成ガスを導入してから10時間およ
び20時間経過後、上記吸着剤層の入口および出口にお
ける合成ガス中の窒素酸化物(NOX)濃度を化学発光
式NOX計により測定し、前式に従ってNOX除去率を算
出し、その結果を表2に示した。
【0073】(実施例6)平均粒径10μmのジルコニ
ア497gに硝酸ルテニウム水溶液(田中貴金属株式会
社製、Ru貴金属として3.75g重量%含有)80g
と炭酸マンガン(特級試薬)661.1gを加え、さら
に適量の水を添加しつつニーダーでよく混合した後、押
出し成型器で直径5mm長さ5mmのペレット状に成型
した。このペレットを100℃で10時間乾燥した後、
450℃で3時間空気雰囲気下で焼成した。
【0074】このようにして得られた吸着剤の組成はR
u、MnO2およびZrO2が各々0.3重量%、50重
量%および49.7重量%であった。なお、この吸着剤
の組成および比表面積等は表3に示した。
【0075】
【表3】
【0076】(実施例7〜13)実施例6において、炭
酸マンガンを、水酸化鉄、塩基性炭酸コバルト、塩基性
炭酸ニッケル、塩基性炭酸銅、塩基性炭酸亜鉛、塩基性
炭酸鉛および炭酸セリウムに代えた以外は、実施例6と
同様にして、それぞれペレット状の吸着剤を調製した。
なお、この吸着剤の組成および比表面積等は表3に示し
た。
【0077】(実施例14)平均粒径10μmのジルコ
ニア597gに硝酸ルテニウム水溶液(田中貴金属株式
会社製、Ru貴金属として3.75g重量%含有)80
g、炭酸マンガン(特級試薬)264.4gおよび水酸
化鉄(特級試薬)222.7gを加え、さらに適量の水
を添加しつつニーダーでよく混合した後、押出し成型器
で直径5mm長さ5mmのペレット状に成型した。この
ペレットを100℃で10時間乾燥した後、450℃で
3時間空気雰囲気下で焼成した。
【0078】このようにして得られた吸着剤の組成はR
u、MnO2、Fe23およびZrO2が各々0.3重量
%、20重量%、20重量%および59.7重量%であ
った。なお、この吸着剤の組成および比表面積等は表4
に示した。
【0079】
【表4】
【0080】(実施例15〜20)実施例14におい
て、水酸化鉄を、塩基性炭酸コバルト、塩基性炭酸ニッ
ケル、塩基性炭酸銅、塩基性炭酸亜鉛、塩基性炭酸鉛お
よび炭酸セリウムに代えた以外は、実施例14と同様に
して、それぞれペレット状の吸着剤を調製した。なお、
この吸着剤の組成および比表面積等は表4に示した。
【0081】(実施例21)実施例6〜20で得た吸着
剤について、実施例3において空間速度を12000h
-1に代えた以外は、実施例3と同様にして窒素酸化物
の吸着性能(NOx)を評価した。得られた結果を表5
に示した。
【0082】
【表5】
【0083】(実施例22)実施例6〜20で得た吸着
剤について、実施例4において空間速度を12000h
-1に代えた以外は、実施例4と同様にして窒素酸化物
の吸着性能(NOx)を評価した。得られた結果を表5
に示した。
【0084】(実施例23)実施例6〜20で得た吸着
剤について、実施例5において空間速度を12000h
-1に代えた以外は、実施例5と同様にして窒素酸化物
の吸着性能(NOx)を評価した。得られた結果を表5
に示した。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1に係る吸着剤の細孔分布の測
定結果を示すものである。横軸は細孔径(μm)を示
し、左の縦軸は細孔容積の積算(cc/g)を示すもの
である。右の縦軸は微分細孔容積を示すものである。
【図2】図2は、比較例1に係る吸着剤の細孔分布の測
定結果を示すものである。横軸は細孔径(μm)を示
し、左の縦軸は細孔容積の積算(cc/g)を示すもの
である。右の縦軸は微分細孔容積を示すものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 基伸 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地 の1 株式会社日本触媒 触媒研究所内 (56)参考文献 特開 平7−88363(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 20/06 ZAB B01D 53/02 ZAB B01D 53/34 ZAB B01D 53/56 B01D 53/81

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジルコニウムとルテニウムとを含有し、
    比表面積が10m 2 /g以上、かつ0.2〜5μmの範
    囲の細孔容積が0.02cc/g以上であることを特徴
    とする窒素酸化物吸着剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の吸着剤に、さらにマンガ
    ン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、鉛及びセリウ
    ムよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属の酸化
    物を加えてなる請求項1記載の吸着剤。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の吸着剤に排
    ガスを接触させることにより、該排ガス中に含まれる窒
    素酸化物を吸着させることを特徴とする窒素酸化物の除
    去方法。
  4. 【請求項4】 排ガス中の一酸化窒素を予め二酸化窒素
    に酸化したのち、該排ガス中の窒素酸化物を吸着し除去
    する請求項記載の除去方法。
  5. 【請求項5】 排ガス中の一酸化窒素を予め二酸化窒素
    に酸化するために、オゾンを排ガス中に添加する請求項
    記載の除去方法。
  6. 【請求項6】 オゾンの添加量が該窒素酸化物の濃度に
    対し0.5〜5倍モルである請求項記載の除去方法。
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