JP3031126B2 - 射出装置の混練制御方法 - Google Patents

射出装置の混練制御方法

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JP3031126B2
JP3031126B2 JP5200446A JP20044693A JP3031126B2 JP 3031126 B2 JP3031126 B2 JP 3031126B2 JP 5200446 A JP5200446 A JP 5200446A JP 20044693 A JP20044693 A JP 20044693A JP 3031126 B2 JP3031126 B2 JP 3031126B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は射出装置の混練制御方法
に係り、特に、複数種の液状樹脂材料の混練を十分に行
うための射出装置の混練制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、複数種の液状樹脂材料をイン
ラインスクリュー式の射出装置を用いて混練、攪拌し、
これを成形用金型に射出して所定の成形品を得る射出成
形法が知られている。この射出成形法は、射出用スクリ
ューを装備した射出用シリンダ部材に複数、例えば二種
の液状樹脂材料を供給し、射出用スクリューの回転によ
って各液状樹脂材料を混練、攪拌してそれらの均質化を
図り、その後に成形用金型内に射出を行うというもので
ある。
【0003】上述の射出装置においては、粘度差の相違
する複数種の液状樹脂材料を用いた場合に、低粘度液状
樹脂材料が高粘度液状樹脂材料に対して射出用スクリュ
ーに沿って先行する傾向があり、これに起因して射出用
スクリューの前部と後部とでは混合比が変化することと
なる。このような混合比の変化を避けるため、従来方法
においては、射出用スクリューの一定領域に特殊形状を
備えたダルメージを設け、このダルメージの存在で低粘
度液状樹脂材料の先行を阻害し、高粘度液状樹脂材料と
の混合比をバラツキなく一定に維持しようとする試みが
採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ダルメ
ージを備えた射出用スクリューを採用しても、粘度差に
よっては低粘度液状樹脂材料が高粘度液状樹脂材料に対
して先行する場合を回避し得ず、結果として混合比が大
きく変化し、得られる成形品の硬度が安定せず、引張強
度の低下や弾性低下をも生ずる等、物性面において無視
し得ない重大な影響をもたらすという不都合があった。
【0005】また、ダルメージを備えた射出用スクリュ
ーの場合、当該ダルメージ形成領域の自動洗浄を極めて
困難にするとともに、スクリューを長寸化させる要因と
もなり、小型化という現代的要請に応えることも困難と
なる。
【0006】
【発明の目的】本発明は、かかる従来例の不都合を改善
するためになされたものであり、その目的は、複数種の
液状樹脂材料の混合比を一定に維持することによって、
成形品の物性を安定化させるとともに、射出用スクリュ
ー領域における自動洗浄を容易にし、且つ、射出用スク
リューの小型化をも達成することのできる射出装置の混
練制御方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、複数種の液状樹脂材料を成形用材料とし
て用い、これらの液状樹脂材料を射出用シリンダ部材内
に装備された射出用スクリューの回転で混練する射出装
置の混練制御方法において、射出用スクリューを回転動
作で後退させながら液状樹脂材料を射出用シリンダ部材
内に供給し、射出用スクリューの後退位置が予め設定し
た位置に達して所定の動作信号が与えられた時に、更に
射出用スクリューの回転を一定時間行って液状樹脂材料
の後攪拌を行う、という方法を採っている。
【0008】
【作用】本発明においては、液状樹脂材料供給後の初期
の段階では低粘度液状樹脂材料が射出用スクリューに沿
って先行するが、後攪拌制御により計量完了後の高粘度
液状樹脂材料が射出用スクリューの前方に押し出されて
混合比の改善がなされることとなる。また、後攪拌時に
おいて、低粘度樹脂は停滞混練され、その一部は射出用
シリンダ部材先端に加圧状態に保持され計量値の安定化
が図られる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照しなが
ら詳細に説明する。
【0010】図1及び図2は本実施例に係る射出装置の
混練制御方法が、シリコーンゴムの如き複液性の反応硬
化型樹脂の射出装置に適用された場合の一実施例を示し
ている。
【0011】これらの図において、射出成形用スクリュ
ー式樹脂射出装置は、前後進基板1上に固定されたシリ
ンダ固定基台3を有し、シリンダ固定基台3は、射出用
シリンダ部材5を水平姿勢にて固定保持するようになっ
ている。
【0012】射出用シリンダ部材5は、内部に射出用シ
リンダ室7を構成し、この射出用シリンダ部材5の一端
部、即ち、図1中左側の端部には射出ノズル保持用の先
細のシリンダヘッド部材9が同一軸線上に連接されてい
る。
【0013】射出用シリンダ部材5の射出用シリンダ室
7には、射出用スクリュー11が自身の中心軸周り回転
可能に且つ軸線方向に移動可能に配置されている。この
射出用スクリュー11は、図3に示されるように、比較
的大ピッチで、リード角の大きい三角ねじ状のスクリュ
ーポンプ作用部13と、スクリューポンプ作用部13に
比べて小ピッチで、リード角の小さい角ねじ状のミキシ
ングスクリュー部15とを有している。ミキシングスク
リュー部15には、その軸線方向全域に亘り、ねじ高さ
に等しい深さの矩形断面の軸線溝17が、この実施例に
おいては、4個、周方向に互いに等間隔をおいて設けら
れている。
【0014】射出用スクリュー11の先端部には、図4
ないし図6に示されるように、スクリューヘッド部材1
9がねじ止め固定されており、また、スクリューヘッド
部材19の軸部21にシールリング部材23が軸線方向
に移動可能に装着されている。
【0015】シールリング部材23は、射出用スクリュ
ー11の先端面がなすシール座面25とこれに対向する
スクリューヘッド部材19の端面27との間を軸線方向
に移動可能であり、図4に示されるように、シール座面
25に着座することにより射出用シリンダ室7のノズル
側とスクリュー側との連通を遮断するようになってい
る。この一方、図5に示されるように、シールリング部
23が端面27に着座することによりシール座面25と
の間の間隙29、軸部21との間の間隙31及びスクリ
ューヘッド部材19の頭部33に形成された3個の切り
溝35を通じて射出用シリンダ室7のノズル側とスクリ
ュー側との連通せしめるようになっている。
【0016】シールリング部材23の外周には、Oリン
グ37が二つ互いに軸線方向に所定間隔を隔てて配置さ
れており、これにより、シールリング部23の外周面と
射出用シリンダ部材5の射出用シリンダ室7内周面との
間のシールが行われるようになっている。
【0017】シリンダヘッド部材9の先端部には、図7
に示されるように、弁付きノズル装置39が取り付けら
れている。弁付きノズル装置39は、シリンダヘッド部
材9の先端孔41に軸線方向に移動可能に挿入されたノ
ズル本体43と、射出用シリンダ室7内にてノズル本体
43の細軸部45に軸線方向に相対変位可能に嵌合され
たスプール弁リング47と、細軸部45の後端部、即
ち、図7中右端部に固定された弁座部材49と、ノズル
本体43をシリンダヘッド部材9に対し閉弁側、即ち図
中左側へ付勢する圧縮コイルばね51とを有し、ノズル
本体43が成形用金型Mとのタッチ圧により圧縮コイル
ばね51のばね力に抗してシリンダヘッド部材9に対し
図中右側へ相対移動することにより、弁座部材49をス
プール弁リング47との当接より離間させて細軸部45
の径方向に設けられた弁孔53をシリンダ室7に露呈せ
しめるようになっている。弁孔53は、ノズル本体43
の中心部を軸線方向に延在する誘導孔55及びこれに連
続したノズル孔57と連通しており、シリンダ室7の射
出用樹脂材料は誘導孔55を介してノズル孔57へ導か
れるようになっている。なお、ノズル本体43の外周に
はシール用のOリング59が設けられ、シリンダヘッド
部材9の先端孔41との間におけるシールが行われるよ
うになっている。
【0018】図1及び図2に示されるように、射出用ス
クリュー11の後端近傍部には樹脂の後方への洩れを防
止するためのOリング61が設けられている。
【0019】射出用スクリュー11の後端部にはプラン
ジャ軸63が同軸に固定連結されている。プランジャ軸
63が射出用シリンダ部材5と嵌合している部分の外周
には樹脂が後方へ洩れることを防止するための逆ねじ6
5が形成されており、またプランジャ軸63とシリンダ
固定基台3との間にはメカニカルシール67が設置され
ている。
【0020】プランジャ軸63は射出用シリンダ部材5
の後端部より後方へ突出しており、この突出部をシリン
ダ固定基台3に固定のベアリング支持部材69より保持
されたリニアモーションベアリング71により自身の中
心軸線の周り回転可能に且つ軸線方向に移動可能に支持
されている。
【0021】プランジャ軸63の後端近傍部にはフラン
ジ73が設けられており、この部分のプランジャ軸63
の外周には、図2に示されるように、駆動アーム75の
一端部がプランジャ軸63に固定装着されたエンドリン
グ77とフランジ73との間にニードルスラストベアリ
ング79を挟んで相対回転可能に軸線方向に連結されて
いる。
【0022】駆動アーム75は、図2に示されるよう
に、射出用シリンダ部材5の径方向に延在し、先端部に
て空気圧シリンダ装置81のシリンダロッド83の先端
部と連結されている。空気圧シリンダ装置81は、射出
用シリンダ部材5の側方にこれと並行して配置され、シ
リンダ固定基台3の側壁に固定されている。
【0023】プランジャ軸63の後端部にはこれの中心
部を軸線方向に延在してプランジャ軸63の後端面に開
口している軸受け入れ孔85が形成されている。軸受け
入れ孔85には回転駆動軸89が軸受け入れ孔85に抜
き差し可能に挿入されている。
【0024】換言すれば、プランジャ軸63と回転駆動
軸89とがテレスコーピングに係合している。プランジ
ャ軸63と回転駆動軸89との間にはトルク伝達型のリ
ニアモーションベアリング87が設けられており、これ
によりプランジャ軸63と回転駆動軸89とがトルク伝
達関係に係合し、回転駆動軸89の回転がプランジャ軸
63へ伝達されるようになっている。
【0025】回転駆動軸89は、前後進基板1上に固定
された電動機91の出力軸93とカップリング95によ
りトルク伝達関係に連結され、電動機91により回転駆
動されるようになっている。
【0026】シリンダ固定基台3には樹脂供給ブロック
97が固定されている。樹脂供給ブロック97には複液
性の反応硬化型樹脂の射出成形のため、この実施例にお
いては、図8に示されるように、計量シリンダを兼ねた
液状樹脂材料供給チューブ99が二つ互いに並列に取り
付けられている。液状樹脂材料供給チューブ99は各々
先端の樹脂吐出口101をもって樹脂供給ブロック97
に設けられた樹脂通路103に連通している。樹脂通路
103は樹脂供給ブロック97に設けられたロータリ弁
105を介して樹脂供給ブロック97の樹脂通路10
7、シリンダ固定基台3の樹脂通路109、更に射出用
シリンダ部材5の中間部に設けられた樹脂供給口111
に選択的に連通するようになっている。
【0027】ロータリ弁105は、手動レバー113に
より回転操作される手動式のものであり、図1及び図9
に示されている回動位置においては、樹脂通路103と
樹脂通路107との連通を確立し、図1及び図9に示さ
れている回動位置より図にて時計廻りに90度回動され
た時には樹脂供給ブロック97に形成された洗浄用溶剤
通路115を樹脂通路103と樹脂通路107とに連通
接続し、図1及び図9に示されている回動位置より図に
て反時計廻りに90度回動された時には樹脂通路103
と樹脂通路107との連通を遮断して洗浄用溶剤通路1
15を樹脂通路103に連通接続するようになってい
る。
【0028】図9に示されるように、液状樹脂材料供給
チューブ99は、各々の先端側に樹脂取入れ口117を
有しており、樹脂取入れ口117の各々には個別の液状
樹脂材料タンク119より液状の樹脂材料が樹脂供給パ
イプ121、開閉弁123、樹脂供給パイプ125を介
して補給されるようになっている。
【0029】洗浄用溶剤通路115は樹脂供給ブロック
97に設けられた洗浄用溶剤供給口127に連通してお
り、洗浄用溶剤タンク129より洗浄用溶剤を洗浄用溶
剤供給パイプ131を介して供給されるようになってい
る。
【0030】液状樹脂材料供給チューブ99にはピスト
ン133がそれぞれ嵌合しており、ピストン133の図
9中左方への移動により液状樹脂材料供給チューブ99
内の液状樹脂材料が樹脂吐出口101より樹脂通路10
3へ吐出されるようになっている。
【0031】樹脂供給ブロック97には樹脂材料圧送用
空気圧シリンダ装置135が液状樹脂材料供給チューブ
99と平行に取り付けられている。樹脂材料圧送用空気
圧シリンダ装置135はピストンロッド137の先端に
連接プレート139を取り付けられ、連接プレート13
9には二本のプッシュロッド141の一端が各々固定連
結されている。プッシュロッド141の各々の他端には
プッシュパッド143が取り付けられており、プッシュ
パッド143は各々液状樹脂材料供給チューブ99のピ
ストン133と当接してこれを図9中左方へ押圧するよ
うになっている。
【0032】プッシュパッド143にはコの字形の位置
検出用ロッド145が取り付けられており、また樹脂供
給ブロック97には液状樹脂材料供給チューブ99と平
行にスイッチ支持ロッド147が取り付けられている。
スイッチ支持ロッド147には位置検出用ロッド145
の先端に取り付けられたスイッチ感応部材153の近接
によりスイッチングを行う近接スイッチ149、151
が取付位置調整可能に取り付けられている。これにより
プッシュパッド143、ひいては樹脂供給チューブ99
内におけるピストン133の軸線方向位置が監視され
る。
【0033】前後進基板1は、図1に示されるように、
ロッドレス空気圧シリンダ装置155の移動テーブル1
57と連結され、ロッドレス空気圧シリンダ装置155
により前後進移動されるようになっている。
【0034】射出用シリンダ部材5が前方側にて外部に
露呈している部分には、射出シリンダ室7内の樹脂の硬
化防止のため、この実施例においては、冷却ジャケット
159が取り付けられている。
【0035】以上の構成において、成形用金型Mに対す
る樹脂の射出時には、先ずロータリ弁105が図1或い
は図9に示されている回動位置にある状態にて樹脂材料
圧送用空気圧シリンダ装置153が駆動され、プッシュ
ロッド141、プッシュパッド143の各々により各液
状樹脂材料供給チューブ99内のピストン133が左方
へ押圧され、これにより各液状樹脂材料供給チューブ9
9の液状樹脂材料が樹脂通路103、ロータリ弁10
5、樹脂通路107、109を通って樹脂供給口111
より射出用シリンダ部材5の射出用シリンダ室7内に送
られる。また、これに伴い電動機91により回転駆動軸
89が回転駆動され、これの回転がトルク伝達型のリニ
アモーションベアリング87によりプランジャ軸63、
射出用スクリュー11に伝達される。これによりこれら
が自身の中心軸線廻りに回転し、射出用シリンダ室7内
に送られた液状樹脂材料が射出用スクリュー11のスク
リューポンプ作用部13によるスクリューポンプ作用に
より射出用シリンダ室7内を前方へ、即ちミキシングス
クリュー部15の部分へ圧送される。
【0036】ミキシングスクリュー部15には、その軸
線方向全域に軸線溝17が設けられていることから、ミ
キシングスクリュー部15へ圧送された液状樹脂材料は
圧縮作用を受けつつ一部がミキシングスクリュー部15
のスクリュー溝に沿って流れ、残りの液状樹脂材料が各
軸線溝17を進む等して、複数個の流れを生じ、そして
これらが合流し、分流することが繰り返し生じる。これ
により各液状樹脂材料供給チューブ99より供給された
液状樹脂材料の混練が高効率に満遍なく行われる。
【0037】混練された液状樹脂材料は、射出用スクリ
ュー11の先端部に至り、シールリング部材23を左方
へ押圧し、これを押し開いて間隙29、間隙31及びス
クリューヘッド部材19の切り溝35を通ってシリンダ
室7のノズル側へ流れる。
【0038】なお、この時、シールリング部材23はO
リング37による抵抗により回転せず、射出用スクリュ
ー11とスクリューヘッド部材19とが回転するだけ
で、シールリング部材23と射出用スクリュー11とが
相対回転する。これによりシールリング部材23が確実
に開き、樹脂通路としての間隙29が確実に確保され
る。
【0039】射出用シリンダ室7のノズル側に液状樹脂
材料が充填されることに応じてその反力が射出用スクリ
ュー11に図中右方の力として作用し、これにより射出
用スクリュー11とプランジャ軸63が図にて右方へ後
退する。この後退はリニアモーションベアリング71に
よる案内の下に低抵抗にて行われ、この後退により回転
駆動軸89の軸受け入れ孔85に対する進入量が増大
し、このプランジャ軸63と回転駆動軸89との軸線方
向の相対移動下においても、電動機91による回転駆動
軸89の回転がトルク伝達型のリニアモーションベアリ
ング87により駆動プランジャ軸63、射出用スクリュ
ー11へ滞りなく伝達される。
【0040】またこの時には、射出用スクリュー11の
後退移動を助けるべく、空気圧シリンダ装置81により
射出用スクリュー11がプランジャ軸63と共に軽く駆
動され、射出用スクリュー11に後退力が与えられてよ
い。この場合、プランジャ軸63は回転しているが、駆
動アーム75とプランジャ軸63とはスラストニードル
ベアリング77により相対回転可能になっているから、
プランジャ軸63の回転駆動と軸線方向駆動とが互いに
支障なく両立する。
【0041】射出用シリンダ室7内に所定量の液状樹脂
材料が充填されると、電動機91による射出用スクリュ
ー11の回転、空気圧シリンダ装置135による射出用
スクリュー11の回転、空気圧シリンダ装置135によ
る液状樹脂材料供給チューブ99よりの液状樹脂材料の
吐出が停止され、次にロッドレス空気圧シリンダ装置1
55により前後進基板1が前進移動される。これにより
シリンダ固定基台3、射出用シリンダ部材5、射出用ス
クリュー11の全体が前進移動し、図7に示されるよう
に、ノズル本体43が成形用金型Mに当接し、ノズル孔
57が成形用金型MのスプルーSに連通するようにな
る。これより更に前後進基板1が先進移動されることに
より、シリンダヘッド部材9がノズル本体43に対し前
進移動し、これによって弁座部材49がスプール弁リン
グ47との当接より離間して弁孔53が射出用シリンダ
室7内に露呈し、射出用シリンダ室7が誘導孔55を介
してノズル孔57と連通するようになる。
【0042】次に空気圧シリンダ装置81により射出用
スクリュー11が前進駆動される。すると、先ず射出用
シリンダ室7内の液状樹脂材料の圧力によりシールリン
グ部材23がスクリューヘッド部材19に対し後退移動
してシール座面25に着座し、射出用シリンダ室7のノ
ズル側とスクリュー側との連通が遮断される。更に射出
用スクリュー11が前進駆動されることにより、これが
ピストンとして作用し、空気圧シリンダ装置81による
射出用スクリュー11の前進推力が射出用シリンダ室7
内の液状樹脂材料に射出圧力に変換され、射出用シリン
ダ室7内の液状樹脂材料がノズル孔57より成形用金型
MのスプルーSへ射出される。
【0043】この時、射出用シリンダ室7内の液状樹脂
材料はシールリング部材23の外周と射出用シリンダ部
材5の射出用シリンダ室内周面との間の間隙より後方へ
漏洩逆流するバックフローを生じようとするが、この間
隙はOリング37により封止されていることから、バッ
クフローの発生が回避される。これにより圧力損失が無
くなり、高い射出圧力が得られるようになる。このこと
は、低粘度で、流動性が高く、バックフローを生じ易い
液状樹脂の射出成形において特に有用である。
【0044】シリコーンゴムの如き複液性の反応硬化型
樹脂の射出成形においては、樹脂通路107、109、
樹脂供給口111、射出用シリンダ室7等に混練された
液状樹脂材料が一定時間以上に亘って停滞すると、これ
が硬化反応を生じるから、一定時間、射出を休止するよ
うな場合は、ロータリ弁105を切り換え、洗浄用溶剤
供給口127より洗浄用溶剤タンク129の洗浄用溶液
を樹脂通路107、109、樹脂供給口111、射出用
シリンダ室7等に流し、これらを洗浄用溶剤により簡単
に洗浄することができる。
【0045】次に、本発明の実験例について、図10な
いし図14を参照しながら説明する。ここで、図10
(A)ないし図10(B)は、射出サイクルにおける各
工程並びに後混練のタイミング制御を説明するための模
式図を示し、図11はそのタイムチャートを示す。
【0046】図10(A)に示されるように、射出用シ
リンダ部材5のノズル部が金型Mに対する当接位置にあ
る状態で液状樹脂材料が供給される。本実験例において
は、液状樹脂材料としてのシリコーンゴム本剤の粘度が
1000〜12000ポイズ、硬化剤の粘度が1500〜20000ポイズ
である。
【0047】次いで、図10(B)に示されるように、
図示省略した制御装置の後退指令に基づいて射出用シリ
ンダ部材5が後退し、材料供給指令により射出用スクリ
ュー11が回転する。この時、射出用シリンダ室7側の
圧力が次第に上昇し、その反力によって射出用スクリュ
ー11が後退する。
【0048】図10(C)に示されるように、射出用ス
クリュー11が後退して、その後退位置が予め設定した
位置に達すると、射出用スクリュー11の後退位置がリ
ミットスイッチ200により検出され、その検出信号が
ミキシングタイマ201に出力され、当該ミキシングタ
イマ201の動作信号によって射出用スクリュー11の
回転駆動源である原動機91は更に一定時間駆動され、
これによって射出用スクリュー11による液状樹脂材料
の後混練が行われることとなる。この際、本実験例にお
ける後混練時間は、上述の材料条件で約8秒であるが、
この設定時間は本剤と硬化剤との粘度差によって変化す
る相対的な時間であり、本発明を限定するものではな
い。図10(C)における工程では、初期の段階におい
て、低粘度液状樹脂材料が射出用スクリュー11に沿っ
て先行することとなるが、後混練が更に進んで計量が完
了する時には、図10(D)に示されるように、高粘度
液状樹脂材料は次第に射出用スクリュー11に沿って前
方に押し出され、先行した低粘度液状樹脂材料との再攪
拌によって混合比の平均化がなされることとなる。
【0049】この後、図10(E),(F)に示される
ように、所定の射出指令に従って、射出用シリンダ部材
5及び射出用スクリュー11が前進して金型キャビティ
Mに樹脂材料を射出することとなる。
【0050】以上の射出サイクルは図11のタイムチャ
ートに示されるタイミングで行われるようになってい
る。この図に示されるように、射出用スクリュー11の
後退停止後、ミキシングタイマ201の動作信号に基づ
いて一定時間に亘って射出用スクリュー11が回転され
ることが明らかであろう。
【0051】図12ないし図14は各液状樹脂材料に相
違した着色を行い、色差計における所定の基準値に対す
る変化に基づく混合比のバラツキを表したグラフであ
り、図12は、上述の実験に基づいて得られた混合比の
グラフを示し、図13は、上述の装置構成において後混
練を行わない場合の混合比のバラツキを示すグラフであ
る。また、図14は、従来一般のインラインスクリュー
射出装置における混合比のバラツキを示すグラフであ
る。これらのグラフに示されるように、後混練を行った
場合には、基準値に対して殆どバラツキなく一定の値が
得られ、混練が十分に行われていることが明らかであろ
う。
【0052】なお、前述の説明において、液状樹脂材料
としては、二液の場合を例示したが、本発明はこれに限
定されるものではなく、必要に応じて液状樹脂材料を三
液以上とするものであっても同様に適用することが可能
である。
【0053】また、射出用スクリュー11の後退位置検
出用の手段としては、リミットスイッチ200に限ら
ず、軸方向位置の検出が可能である限り、電気式、磁気
式等を問わない種々のセンサに代替可能である。さら
に、ミキシングタイマ201は、図10(C)の模式図
においては独立的に表されているが、これは説明の便宜
上のものであり、実際には、ミキシングタイマ201
は、射出装置の制御回路内に組み込まれるものである。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
複数種の液状樹脂材料の混合比を一定に維持することに
よって、最終成形品における硬度の安定化を図ることが
できるとともに、引張強度の低下や弾性低下をも有効に
回避することができ、また、従来例におけるダルメージ
形成の必要性を一掃することによって、射出用スクリュ
ーの構造の簡易化が図れ、当該射出用スクリュー領域に
おける自動洗浄を容易にし、且つ、射出用スクリューの
小型化にも資することができる、という従来にない優れ
た効果を奏する射出装置の混練制御方法を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る射出装置の混練制御方法が適用さ
れたスクリュー式射出装置を示す断面図である。
【図2】図1に示されたスクリュー式射出装置の射出用
スクリュー部分の平断面図である。
【図3】前記射出用スクリューの拡大斜視図である。
【図4】前記射出用スクリューの先端部構造を示し、シ
ールリング部が閉状態を示す断面図である。
【図5】前記射出用スクリューの先端部構造を示し、シ
ールリング部が開状態を示す断面図である。
【図6】図5のB−B線矢視断面図である。
【図7】前記スクリュー式射出装置に用いられるノズル
装置の拡大断面図である。
【図8】図1のA−A線矢視拡大断面図である。
【図9】前記スクリュー式射出装置の液状樹脂材料供給
部分を示す部分拡大断面図である。
【図10】本発明に係る混練制御方法の射出サイクルに
おける工程を説明するための模式図である。
【図11】本発明に係る混練制御方法のタイムチャート
である。
【図12】本発明の混練制御方法における混合状態を色
差計の値に基づいて表したグラフである。
【図13】前記スクリュー式射出装置において後混練を
行わない時の混合状態を示すグラフである。
【図14】従来のインラインスクリューを用い、後混練
を行わない時の混合状態を示すグラフである。
【符号の説明】
5 射出用シリンダ部材 11 射出用スクリュー 91 電動機 200 リミットスイッチ 201 ミキシングタイマ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/00 - 45/84 B29B 7/00 - 7/94

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数種の液状樹脂材料を成形用材料とし
    て用い、これらの液状樹脂材料を射出用シリンダ部材内
    に装備された射出用スクリューの回転で混練する射出装
    置の混練制御方法において、射出用スクリューを回転動
    作で後退させながら液状樹脂材料を射出用シリンダ部材
    内に供給し、射出用スクリューの後退位置が予め設定し
    た位置に達して所定の動作信号が与えられた時に、更に
    射出用スクリューの回転を一定時間行って液状樹脂材料
    の後攪拌を行うことを特徴とする射出装置の混練制御方
    法。
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