JP3028321B2 - 高油脂ソフトキャンデー用ミックスの製造法 - Google Patents

高油脂ソフトキャンデー用ミックスの製造法

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JP3028321B2 JP7125551A JP12555195A JP3028321B2 JP 3028321 B2 JP3028321 B2 JP 3028321B2 JP 7125551 A JP7125551 A JP 7125551A JP 12555195 A JP12555195 A JP 12555195A JP 3028321 B2 JP3028321 B2 JP 3028321B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は油のシミだしや型崩れの
ない高油脂ソフトキャンデーに適したミックスの製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその問題点】ソフトキャンデーは糖類、
油脂、練乳などを混合し、所定の水分量まで煮詰めその
後、冷却、成形し製造される。ソフトキャンデーの食感
を滑らかにしたり、風味を改良したりする方法として油
脂の含有率を高めることが従来より試みられているが、
油脂の含有率を高めると夏場など流通時に品温が上昇し
た場合、含有している油脂がソフトキャンデー表面にシ
ミだしたり、はなはだしい場合には型くずれして商品価
値が失われる。特に風味や口溶けの良い乳脂を使用した
場合は、その融点が比較的に低いことから、4〜5%程
度の添加が実際的には上限であった。
【0003】これに対してソフトキャンデーミックス中
の油脂の均質性を向上させるために、モノグリセリン脂
肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン
脂肪酸エステルなどの乳化剤を添加したり(特開平5−
7459、特開平5−227893)、エマルションを
安定化させるために酵素分解蛋白、粉末状大豆蛋白の添
加(特開平4−30752、特開平4−84858)す
るなどの方法で、油のシミ出し、型崩れを防止する工夫
がなされてきた。しかし、高融点の硬化油脂の使用が前
提であったり、乳化剤特有の風味が感じられるなどの問
題があった。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、油脂殊に
風味良好な乳脂などの低融点油脂を多量に安定な状態で
ソフトキャンデーに含有せしめ、その結果として後の油
のシミ出し、型崩れを起こさず、かつ、食感が滑らかで
コクのある風味を持つソフトキャンデーの製造方法を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
達成するために鋭意研究を行った結果、ソフトキャンデ
ーミックスの原料である油脂に親油性乳化剤を添加溶解
し、水を均一に分散させながら注加して得られた油中水
型エマルションを他原料の混合物に添加し、均一に分散
させることで水中油型エマルションに転相させること、
又、さらに未変性乳清タンパク質をソフトキャンデーミ
ックスに添加することにより、上記課題を解決した。以
下に本発明を詳細に述べる。
【0006】本発明にいうソフトキャンデーとは、日本
農林規格により定められた通りで、煮詰めた後の水分
が、概ね6%以上で20%以下のキャンデーを言い、具
体的には、キャラメル、ヌガーなどが挙げられる。
【0007】本発明にいうソフトキャンデーミックスと
はキャンデーの原料を混合、溶解した、煮詰める前の混
合液で、その溶解が不十分であるなら相当量の水をそれ
に添加したものである。通常使用される原料として、油
脂、糖類、乳製品、風味原料、乳化剤、香料及び水など
が挙げられる。
【0008】原料として使用される油脂には、乳脂、魚
鯨油、ヤシ油、パーム油、カカオ脂、ごま油、サフラワ
ー油、大豆油、とうもろこし油、なたね油、ひまわり
油、綿実油、落花生油及びオリーブ油その他の動植物性
油脂並びにこれらの硬化油脂が挙げられる。
【0009】本発明に殊に使用される低融点油脂とは、
動植物性油脂を1種類あるいは2種類以上混合した、油
脂の融点が30℃以下のものをいう。いわゆるサラダ油
などの常温で液状のものであってもよい。特にトリグリ
セライドの組成にはこだわらない。
【0010】本発明に使用される親油性乳化剤とは、シ
ョ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びポ
リグリセリン脂肪酸エステルの不飽和脂肪酸エステルで
あってHLB1〜5ののうち1種あるいは2種類以上混
合したものであり、その主要構成不飽和脂肪酸がオレイ
ン酸、リノール酸及びエルカ酸などである。特にショ糖
オレイン酸エステルがよいようである。
【0011】本発明にいう他原料とは、油中水型エマル
ションの調製に用いない原料であって、具体的には、糖
類、乳製品、風味原料、香料及び溶解用の水などが挙げ
られる。
【0012】原料として使用される糖類には、砂糖、異
性化糖、麦芽糖、乳糖、プドウ糖、果糖、キシロース、
水あめ、はちみつ、メープルシロップ、カップリングシ
ュガー、パラチノース、イソマルトオリゴ糖、フラクト
オリゴ糖、ガラクトオリゴ、乳果オリゴ糖、キシロオリ
ゴ糖、ソルバトール、マンニトール、マルチトール、キ
シリトール、パラチニット及びエリスリトールなどが挙
げられる。
【0013】原料として使用される未変性乳清タンパク
質とは、牛乳のホエイから精製、抽出された乳清タンパ
ク質をいい、例えば限外ろ過法にて得られる。乳清タン
パク質は熱凝固性、乳化性、保水結着性などが特長であ
るが、製造されるソフトキャンデーの食感の柔らかさ、
滑らかさの点で15%水溶液としたときのゲル強度が3
00g/cm程度のものが望ましい。添加率はミック
スに対して0.5〜20%がよい。
【0014】ソフトキャンデーミックスの調製方法は以
下の通りである。先ず油脂に親油性乳化剤を添加溶解す
る(得られたものを以下、油相という)。油脂に対する
親油性乳化剤の添加率は使用する乳化剤の種類にもよる
が、3%以上とし、できるだけ多いほうがよい。しか
し、得られたソフトキャンデーの組成に占める親油性乳
化剤の割合が1%を越えると乳化剤の風味が感じられ好
ましくない。
【0015】油相に水を均一に分散させながら注加す
る。例えば、油脂の融点以上に保温した油相をホモミキ
サーで高速撹拌するところへ同温度の水を徐々に所定量
添加し、その後、数分間十分に撹拌する。油脂に対して
添加する水の量は、使用する乳化剤の種類、添加率で左
右されるが、水/油脂の体積比率で0.5〜2.0、好
ましくは1.0〜1.5がよい。これらの操作により油
中水型エマルションを得る。
【0016】得られた油中水型エマルションを、他原料
の混合物に添加し、例えば高速撹拌などにより均一に分
散させることで水中油型エマルションに転相させる。こ
れらの操作によりソフトキャンデーミックスを得る。
【0017】ソフトキャンデーの製造方法は、通常の方
法でよい。上記で得られたソフトキャンデーミックスを
6〜10%程度の水分率になるまで真空又は常圧で煮詰
める。真空で煮詰めるときの真空度は160〜100T
orr、煮詰め終了温度は100〜110℃が相当であ
る。又、常圧で煮詰めるときの煮詰め終了温度は通常1
15〜125℃である。その後60〜50℃まで冷却
し、ロールを通して圧延する。品温が40℃程度になっ
たらカッターで切断成形する。
【0018】
【作用】本発明の特徴は、予め水注加により油中水型エ
マルションを調製し、それを他原料の混合物に均一に分
散させることで、水中油型エマルションに転相させるこ
とにある。このとき、油脂以外の原料の混合物に乳化剤
を添加したものに油脂を添加したり、油脂に乳化剤を添
加したものを油脂以外の原料の混合物に添加したりする
場合よりも、乳化剤の乳化効果が飛躍的に高まったと考
えられる。すなわち、油脂に対して3〜10%程度の高
濃度の乳化剤を添加した油相に、例えば高速撹拌しなが
ら水を少しずつ注加するので、水/油脂界面に素早く乳
化剤が配向し、より厚みを有するラメラ型液晶相が構築
されたと考えられる。これを他原料の混合物に添加し、
例えば高速撹拌により均一に分散させると、厚みを有す
るラメラ型液晶相を維持しながら油中水型エマルション
が水中油型エマルションに転相すると考えられる。ラメ
ラ型液晶相は転相した後も水/油脂界面を厚くあたかも
玉子の殻のように油脂粒子表面を覆い、その結果油のシ
ミだしを抑制すると考えられる。ラメラ型液晶相の強
度、厚さは油脂に添加する親油性乳化剤の種類に左右さ
れ、また添加率に比例する。
【0019】転相は二重乳化物(水中油中水型エマルシ
ョン)が生成しているかどうかで判断できる。もし転相
が不十分であれば、二重乳化物が残存する。しかしなが
ら本発明の場合、油中水型エマルションの水相が単なる
水であり、他原料の混合物の浸透圧が著しく高く、内水
相である水は自ずと外水相へ速やかに透過するため二重
乳化物は生成せず、転相は容易に完了する。
【0020】親油性乳化剤の添加率が油脂に対して3%
未満であると得られたソフトキャンデーに油のシミだし
が生じる。又、親油性乳化剤の添加率がソフトキャンデ
ーミックスに対して1%を超えると得られたソフトキャ
ンデーに乳化剤の風味を感じ好ましくない。油脂に対す
る乳化剤濃度と油のシミだしの関係は、図1のようにな
る。
【0021】HLB1〜5の不飽和脂肪酸エステル以外
の乳化剤を使用すると強度、厚さが十分なラメラ型液晶
相が得られないため、油のシミだしの抑制は困難である
と考えられる。
【0022】油中水型エマルションを構成する水/油脂
体積比率と製造されたソフトキャンデー製品の油のシミ
だしとの関係は図2のようになる。水/油脂体積比率が
大きいほど乳化後には水/油脂の界面が大きくなり高濃
度に添加した乳化剤を効率よく使用できると考えられ
る。しかし、水/油脂の体積比率が2.0を超えるとソ
フトキャンデーミックス中の水分量が大きくなり煮詰め
時間が長くなるため、ラメラ型液晶相が破壊され油のシ
ミだしを生じ、逆に、水/油脂体積比率が0.5未満で
あると水/油脂界面に乳化剤のラメラ型液晶相が十分に
形成されないため、油のシミだしを生じると考えられ
る。
【0023】未変成乳清たんぱく質は、ゲル化性、結着
性、乳化性等を有しており、請求項1に記載の方法と併
用することで一段と油脂の添加率を向上させることがで
きる。未変成乳清タンパク質がソフトキャンデ−ミック
スに対して0.5重量%未満であると、乳化性、ゲル化
性が不十分で油のシミだし防止効果は向上しない。未変
成乳清タンパク質がソフトキャンデ−ミックスに対して
2.0重量%を超えるとゲル化により粘度状のボディを
形成し、ソフトキャンデ−が硬化する傾向がある。
【0024】油のシミ出しは次の油のシミだし率にて評
価する。煮詰め、冷却後1cm厚に圧延したソフトキャ
ンデーを3時間室温に保管した後、2cm×2cmにカ
ッターで切断し、切断面をろ紙上に置く。温度40℃、
相対湿度60%の恒温器に3日間保存する。保存後、デ
ジタルプラニメーター(タマヤ計測システム(株)製)
でろ紙への油のシミ出し面積を計測する。油のシミ出し
率は、以下のように定義する。
【0025】ソフトキャンデーの保形性は次のソフトキ
ャンデーの高さで評価する。煮詰め、冷却後1cm厚に
圧延したソフトキャンデーを3時間室温に保管した後、
2cm×2cmにカッターで切断し、切断面をろ紙上に
置く。温度40℃、相対湿度60%の恒温器に3日間保
存する。保存後、ソフトキャンデーの高さを測定する。
保形率は以下のように定義する。
【0026】
【実施例】
(実施例1)バター12部、ヤシ硬化油2部とHLB1
のショ糖オレイン酸エステル(商品名;リョートーシュ
ガーエステルO−170、三菱化学フーズ(株)製)
0.5部を50℃で加温溶解した油相に水7部又は14
部又は28部を徐々に添加しながら、ホモミキサー(特
殊機化工業(株)製)で10000rpm、15分間撹
拌して油中水型エマルションを得た。予め、水あめ(固
形分75%)40部、砂糖25部、練乳54部(固形分
75%うち乳脂8%)、食塩0.2部を混合し加熱溶解
し50℃に保温しておいた他原料の混合物に油中水型エ
マルションを添加し、ホモミキサーでさらに10000
rpm、5分間撹拌し、油中水型エマルションを水中油
型エマルションに転相させ、ソフトキャンデーミックス
とした。ソフトキャンデーミックスは常圧で118℃ま
で煮詰めて水分7%のソフトキャンデーを得た。油脂含
有率は14.0%(うち乳脂12.3%)、油脂融点2
9.5℃であった。このようにして得たソフトキャンデ
ーは、それぞれ油のシミだし率0%、保形率100%で
油のシミだし、保形性に全く問題がなかった。風味、口
溶けも良好であった。
【0027】(実施例2)バター18部、ヤシ硬化油3
部とHLB1のショ糖オレイン酸エステル0.7部を5
0℃で加温溶解した油相に水21部を徐々に添加しなが
ら、ホモミキサーで10000rpm、15分間撹拌し
て油中水型エマルションを得た。以下、実施例1と同様
にしてソフトキャンデーを得た。油脂含有率は18.1
%(うち乳脂15.7%)、油脂融点29.6℃であっ
た。このようにして得たソフトキャンデーは、油のシミ
だし率17%でややシミだしが認められ、保形率98%
であったが商品価値が失われるほどではなかった。風
味、口溶けは良好であった。
【0028】(実施例3)バター18部、ヤシ硬化油3
部とHLB1のポリグリセリンオレイン酸エステル(商
品名;SYグリスターPO−310、阪本薬品工業
(株)製)0.7部を50℃で加温溶解した油相に水2
1部を徐々に添加しながら、ホモミキサーで10000
rpm、15分間攪拌して油中水型エマルションを得
た。以下、実施例1と同様にしてソフトキャンデーを得
た。油脂含有率は18.1%(うち乳脂15.7%)、
油脂融点29.6℃であった。このようにして得たソフ
トキャンデーは、油のシミだし率19%でややシミだし
が認められ、保形率97%であったが商品価値が失われ
るほどではなかった。風味、口溶けは良好であった。
【0029】(実施例4)バター18部、ヤシ硬化油3
部とHLB1のショ糖オレイン酸エステル0.7部を5
0℃で加温溶解した油相に水21部を徐々に添加しなが
ら、ホモミキサーで10000rpm、15分間撹拌し
て油中水型エマルションを得た。予め、水あめ40部、
砂糖25部、練乳54部、乳清タンパク質(商品名;ミ
ルプロL−1、三栄源エフ・エフ・アイ(株)製)0.
7部、食塩0.2部を混合し加熱溶解し50℃に保温し
ておいた他原料の混合物に油中水型エマルションを添加
し、ホモミキサーでさらに10000rpm、5分間撹
拌し、油中水型エマルションを水中油型エマルションに
転相させ、ソフトキャンデーミックスとした。以後、実
施例1と同様にしてソフトキャンデーを得た。油脂含有
率は18.0%(うち乳脂15.6%)、油脂融点2
9.6℃であった。このようにして得たソフトキャンデ
ーは、油のシミだし率0%、保形率100%で油のシミ
だし、保形性に全く問題がなかった。風味、口溶けも良
好であった。
【0030】(実施例5)バター23部、ヤシ硬化油4
部とHLB1のショ糖オレイン酸エステル1部を50℃
で加温溶解した油相に水27部を徐々に添加しながら、
ホモミキサーで10000rpm、15分間撹拌して油
中水型エマルションを得た。予め、水あめ40部、砂糖
25部、練乳54部、乳清タンパク質1.2部、食塩
0.2部を混合し加熱溶解し50℃に保温しておいた他
原料の混合物に油中水型エマルションを添加し、ホモミ
キサーでさらに10000rpm、5分間撹拌し、油中
水型エマルションを水中油型エマルションに転相させ、
ソフトキャンデーミックスとした。以後、実施例1と同
様にしてソフトキャンデーを得た。油脂含有率は21.
1%(うち乳脂18.0%)、油脂融点29.7℃であ
った。このようにして得たソフトキャンデーは、それぞ
れ油のシミだし率0%、保形率100%で油のシミだ
し、保形性に全く問題がなかった。風味、口溶けも良好
であった。
【0031】(実施例6)バター29部、ヤシ硬化油6
部とHLB1のショ糖オレイン酸エステル1.2部を5
0℃で加温溶解した油相に水35部を徐々に添加しなが
ら、ホモミキサーで10000rpm、15分間撹拌し
て油中水型エマルションを得た。予め、水あめ40部、
砂糖25部、練乳54部、乳清タンパク質2.4部、食
塩0.2部を混合し加熱溶解し50℃に保温しておいた
他原料の混合物に油中水型エマルションを添加し、ホモ
ミキサーでさらに10000rpm、5分間撹拌し、油
中水型エマルションを水中油型エマルションに転相さ
せ、ソフトキャンデーミックスとした。以後、実施例1
と同様にしてソフトキャンデーを得た。油脂含有率は2
4.7%(うち乳脂20.4%)、油脂融点30.0℃
であった。このようにして得たソフトキャンデーは、そ
れぞれ油のシミだし率0%、保形率100%で油のシミ
だし、保形性に全く問題がなかった。食感は若干硬めで
あったが風味は良好であった。
【0032】(実施例7)バター8部、ヤシ硬化油2部
とHLB4.3のソルビタンオレイン酸エステル(商品
名;エマゾールO−10F、花王(株)製)0.5部を
5.℃で加温溶解した油相に同温度に保温した生クリー
ム20部、ついで水10部を徐々に添加しながら、ホモ
ミキサーで10000rpm、15分間撹拌した。最
初、油中水型エマルションを形成したが撹拌中に水中油
型エマルションに転相した。予め、水あめ40部、砂糖
25部、練乳54部、乳清タンパク質1.2部、食塩
0.2部を混合し加熱溶解し50℃に保温しておいた他
原料の混合物に油中水型エマルションを添加し、ホモミ
キサーでさらに10000rpm、5分間撹拌、分散さ
せ、ソフトキャンデーミックスとした。以後、実施例1
と同様にしてソフトキャンデーを得た。油脂含有率は1
8.3%(うち乳脂16.7%)、油脂融点29.2℃
であった。このようにして得たソフトキャンデーは、油
のシミだし率0%で、保形率100%で油のシミだし、
保形性に全く問題がなかった。風味、口溶けも良好であ
った。
【0033】(実施例8)バター5部、大豆油7部とH
LB1のショ糖オレイン酸エステル0.8部を50℃で
加温溶解した油相に水12部を徐々に添加しながら、ホ
モミキサーで10000rpm、15分間撹拌して油中
水型エマルションを得た。以下、実施例1と同様にして
ソフトキャンデーを得た。油脂含有率は14.4%(う
ち乳脂7.1%)、油脂融点15.0℃であった。この
ようにして得たソフトキャンデーは、油のシミだし率は
0%であった。また保形率は95%であったが、商品価
値が失われるほどではなかった。ミルク風味はやや弱い
が口溶けは良好であった。
【0034】(実施例9)バター8部、大豆油10部と
HLB1のショ糖オレイン酸エステル1.2部を50℃
で加温溶解した油相に水12部を徐々に添加しながら、
ホモミキサーで10000rpm、15分間撹拌して油
中水型エマルションを得た。予め、水あめ40部、砂糖
25部、練乳54部、乳清タンパク質3部、食塩0.2
部を混合し加熱溶解し50℃に保温しておいた他原料の
混合物に油中水型エマルションを添加し、ホモミキサー
でさらに10000rpm、5分間撹拌し、水中油型エ
マルションに転相させ、ソフトキャンデーミックスとし
た。以後、実施例1と同様にしてソフトキャンデーを得
た。油脂含有率は17.6%(うち乳脂8.5%)、油
脂融点13.9℃であった。このようにして得たソフト
キャンデーは、油のシミだし率0%、保形率100%で
油のシミだし、保形性に全く問題がなかった。ミルク風
味はやや弱いが口溶けは良好であった。
【0035】(比較例1)バター12部、ヤシ硬化油2
部、HLB1のショ糖オレイン酸エステル0.5部、水
あめ(固形分75%)40部、砂糖25部、練乳54
部、食塩0.2部を加温溶解しソフトキャンデーミック
スとした。ソフトキャンデーミックスは常圧で118℃
まで煮詰めて水分7%のソフトキャンデーを得た。油脂
含有率は14.0%(うち乳脂12.3%)、油脂融点
29.5℃であった。このようにして得たソフトキャン
デーは、油のシミだし率64%、保形率91%となり、
全く商品価値が失われていた。
【0036】(比較例2)バター12部、ヤシ硬化油2
部、HLB3のグリセリンステアリン酸エステル(商品
名;エマルジーMS、理研ビタミン(株)製)0.5
部、HLB3のレシチン(商品名;サンレシチンLB、
太陽化学(株)製)0.5部、水あめ(固形分75%)
40部、砂糖25部、練乳54部、食塩0.2部を加温
溶解しソフトキャンデーミックスとした。ソフトキャン
デーミックスは常圧で118℃まで煮詰めて水分7%の
ソフトキャンデーを得た。油脂含有率は14.0%(う
ち乳脂12.3%)、油脂融点29.5℃であった。こ
のようにして得たソフトキャンデーは、油のシミだし率
82%、保形率88%となり、仝く商品価値が失われて
いた。
【0037】
【発明の効果】本発明により、油脂を14%以上含有し
ても、又、そのうち低融点油脂とりわけ乳脂を多量に含
有しても、製造中あるいは流通時の油脂のシミだしがな
く、型崩れがない、滑らかで口どけが良くコクのある風
味のソフトキャンデーが製造できるようになった。
【0038】
【図面の簡単な説明】
【図1】 油脂に対する乳化剤濃度と油のシミだしの関
係を示した図である。測定に用いる油脂含有率14%の
ソフトキャンデーは実施例1に準じ製造した。但し、油
中水型エマルションの水/油脂の体積比率は1.0、乳
化剤濃度はショ糖オレイン酸エステルの添加量を適宜変
化させて調整した。
【図2】 油中水型エマルションを構成する水/油脂の
体積比率と製造されたソフトキャンデー製品の油のシミ
だしとの関係を示した図である。測定に用いる油脂含有
率14%、18%、21%のソフトキャンデーはそれぞ
れ、実施例1、実施例2、実施例5(但し配合から未変
性乳清タンパク質を除く)に準じ製造した。但し、油中
水型エマルションを構成する水/油脂の体積比率は水の
添加量を適宜変化させて調整した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−30752(JP,A) 特開 昭57−18945(JP,A) 特開 平7−39310(JP,A) 特開 平4−84858(JP,A) 特開 平5−227893(JP,A) 特開 平6−62749(JP,A) 「シュガーエステル物語」,第一工業 株式会社発行,昭和59年7月10日 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23D 7/02 A23G 3/00 B01J 13/00 CA(STN) WPIDS(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親油性乳化剤としてショ糖脂肪酸エステ
    ル、ソルビタン脂肪酸エステル、 若しくはポリグリセリン脂肪酸エステルの不飽和脂肪酸
    エステルのうち、HLB1〜5のものの1種類又は2種
    類以上組み合わせたものを、油脂に対して3%以上添加
    して溶解し、これに水を均一に分散させながら注加して
    得られた油中水型エマルションを、他原料の混合物に添
    加し、均一に分散させることで水中油型エマルションに
    転相させることを特徴とし、かつ油中水型エマルション
    を得る時に使用した油脂の融点が30℃以下の油脂を用
    いることを特徴とする高油脂ソフトキャンデ−用ミック
    スの製造法
  2. 【請求項2】 油中水型エマルションを構成する水/油
    脂の体積比率が0.5〜2.0になるように水を注加す
    ることを特徴とする請求項1に記載の高油脂ソフトキャ
    ンデ−用ミックスの製造法
  3. 【請求項3】 油脂に親油性乳化剤を添加溶解し、これ
    に水を均一に分散させながら注加して得られた油中水型
    エマルションを、ソフトキャンデ−ミックスに対し0.
    5〜2.0重量%となる未変成乳清タンパク質と他原料
    の混合物に添加し、均一に分散させることで水中油型エ
    マルションに転相させることを特徴とする請求項1に記
    載の高油脂ソフトキャンデ−用ミックスの製造法
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