JP3019298U - 伸縮性編地を備えたニットウエア - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ニットウエアと同じ質感を有する伸縮性編地
をニットウエアに形成する。 【構成】 弾性糸によって伸縮性編地２を編成する。伸
縮性編地２はニットと同様な製法でループ状に編んであ
る。そして、この伸縮性編地２はニット製のショートパ
ンツ１のウエスト部１Ａに形成する。 【効果】 伸縮性編地２をニットと同様な製法でループ
状に編んであるから、立体感とソフトな風合を有してい
るにも拘らず、弾性糸によって優れた高伸縮性を有し、
ゴム紐や単に紐を縛って抑えていたスポーツウエアでは
得られない斬新なデザインとすることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、伸縮性編地を備えたニットウエアに関する。

【０００２】

【従来の技術】

ニット生地で編織されるニットウエアは、糸をループ状に編むことから元来、 平織された織物に比べて伸縮性に富んでおり、軽快な風合とソフトな質感を備え 、カジュアルウエアやスポーツウエアあるいはアクティブウエアといった各種の 衣料に広く用いられている。また、機能的な面からカジュアルウエアやスポーツ ウエアなどの襟口や袖口あるいはウエスト部分など、部分的に伸縮性を与えるよ うなデザインが多く、例えば、ニット製の上着類は、袖口やウエスト部分を他の 前後の身ごろより密に編むことによって、伸縮性に富んだ編成組織としているの が一般的である。特にスポーツウエアにおいては、動き易さを最も重視したデザ インを採用する傾向にあり、例えば、トレーニングズボンやショートパンツ類は 、一般的にベルトは使用しないタイプが多い。したがって、このようなショート パンツ類を止める手段として、一般的にウエスト部分に縫着したゴム紐やウエス ト部分に通した紐を縛ったり、あるいはこれら紐とゴム紐を併用している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記従来のように、スポーツウエアにおけるトレーニングズボンあるいはショ ートパンツ類は、紐やゴム紐あるいはこれらの併用によって抑えるものであるか ら、ウエスト部分に皺がよってしまい、デザイン性を優先した場合、好ましくな い。また、上着類において、袖口やウエスト部分を密に編むことによって、その 部分を絞る方法では、密に編んだ編成組織と他の部分の編成組織が異なるなどの デザイン的の制約を受けるとともに、前記ニット製のスポーツウエアにおけるト レーニングズボンあるいはショートパンツ類のウエスト部分に伸縮性を付与する 手段として、そのウエスト部分を密に編んだとしても、激しい運動に対してズボ ンあるいはショートパンツ類が落ちるのを抑えるまでの伸縮性を得るには至らな い。ところで、皺もよらず、また、優れた伸縮性を有するものとしてサスペンダ ーなどが知られている。しかし、これは、弾性を有する糸を平織したもので、外 観がフラットな平面状なものであって、このような立体感に乏しい伸縮性の編成 組織をニットウエアおける襟口や袖口あるいはウエスト部分などの伸縮性が要求 される部分に採用したとしても、立体的な編成組織を有するニットウエアとのバ ランスが悪く、デザイン性に劣るという問題があった。

【０００４】 本考案は、このような問題点を解決しようとするもので、高伸縮性を有すると ともに、立体的な伸縮性編地をニットウエアの伸縮性を要求される部分に形成し てデザイン性に優れた伸縮性編地を備えたニットウエアを提供することを目的と する。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

請求項１の考案は、前記目的を達成するために、芯糸にゴム糸を絡めて形成し た伸縮自在な弾性糸を伸張させて編機に給糸し、その弾性糸を編成して伸縮性編 地を形成するとともに、この伸縮性編地をニットウエアの一部に製織したもので ある。

【０００６】 請求項２の考案は、請求項１記載の伸縮性編地を備えたニットウエアにおいて 、デザイン性を高めることを目的とし、前記伸縮性編地に織模様部を製織したも のである。

【０００７】 請求項３の考案は、請求項２記載の伸縮性編地を備えたニットウエアにおいて 、ニットウエアにおけるウエスト部に高伸縮性を付与することを目的とし、前記 伸縮性編地を前記ニットウエアのウエスト部に配したものである。

【０００８】 請求項４の考案は、請求項３記載の伸縮性編地を備えたニットウエアにおいて 、ニットウエアにおける袖口に高伸縮性を付与することを目的とし、前記伸縮性 編地を前記ニットウエアの袖口に配したものである。

【０００９】

【作用】

請求項１の考案では、ニットウエアと同様な起伏に富んだ立体的な質感を有す る伸縮性編地をニットウエアの一部に形成できる。

【００１０】 請求項２の考案では、ニットウエアにおける伸縮性が要求させる部位に模様を 配したから、ニットウエアに要求される機能とデザイン性とを両立できる。

【００１１】 請求項３の考案では、ニットウエアと同様な起伏に富んだ立体的な質感を有す る伸縮性編地をニットウエアのウエスト部に形成でき、特に、スポーツウエアに おけるトレーニングズボンあるいはショートパンツのウエスト部に形成した場合 、デザインを損なうことなく、トレーニングズボンやショートパンツを確実に抑 えることができる。

【００１２】 請求項４の考案では、ニットウエアと同様な起伏に富んだ立体的な質感を有す る伸縮性編地をニットウエアの一部に形成し、デザインを損なうことなく、優れ たフィット感が得られる。

【００１３】

【実施例】

以下、本考案の実施例を添付図面を参照して説明する。図１ないし図２は、本 考案の第１実施例を示し、同図において１は、織機によって経糸と緯糸とをルー プ状に編んだニット製のショートパンツであり、主に動きの激しいスポーツ用の ものである。２は前記ニット製のショートパンツ１と同様、織機によってループ 状に編んで編成した伸縮性編地であり、伸縮自在な弾性糸３で編成している。か かる弾性糸３は図２に示すように、芯糸４にゴム糸５を螺旋状に絡めて形成した ものである。そして、その弾性糸３によって伸縮性編地２を製織する際、図示し ない織機のテンプルによって弾性糸３に張力を与えた状態で給糸し、その弾性糸 ３をジャガード編みして模様部６を有する編成組織を形成する。すなわち、伸縮 性編地２を構成する弾性糸３は、絡ませたゴム糸５によって縮んだ状態となって いるが、テンプルによって弾性糸３に張力を与えた状態で給糸することで、通常 の糸と同様に織機で製織することができ、このようにして製織した伸縮性編地２ はニット特有の立体感とソフトな風合を有しているにも拘らず、弾性糸３によっ て優れた高伸縮性を有する。そして、この伸縮性編地２は前記ショートパンツ１ のウエスト部１Ａに形成する。

【００１４】 以上のように本実施例では、芯糸４にゴム糸５を絡めて形成した弾性糸３を織 機で製織するだけで、従来のニット製品と同様な立体感とソフトな風合を有する 高伸縮性の伸縮性編地２を編成でき、この伸縮性編地２を同様な織り方で編成し たニット製のショートパンツ１のウエスト部１Ａに形成することによって、伸縮 性編地２とショートパンツ１とが違和感なく一体化し、伸縮性編地２に模様部６ を形成することとあいまって、単にゴム紐や紐を縛って抑えていた従来のスポー ツウエアでは得られない斬新なデザインとすることができる。また、ショートパ ンツ１のウエスト部１Ａに配した伸縮性編地２によって、動きの激しいスポーツ ウエアとして用いたとしても伸縮性編地２が使用者の動きに応じて伸縮し、ショ ートパンツ１を確実に抑えることができ、ベルトの代替としての実用的な効果も 発揮することができる。

【００１５】 図３は本考案の第２実施例を示し、前記第１実施例と同一機能を有する部分に は、同一符号を付し、その詳細な説明を省略して説明する。

【００１６】 本実施例では、ニット製のポロシャツ10のウエスト部10Ａと袖口10Ｂに伸縮性 編地２を形成している。伸縮性編地２は、前記第１実施例と同様にジャガード編 みして模様部11を有する編成組織を形成し、本実施例では伸縮性編地２の模様部 11をポロシャツ10の襟12に形成する模様部11Ａに合わせて形成している。

【００１７】 このように、本実施例では、ニット製のポロシャツ10と同じ織り方で編成した 伸縮性編地２をウエスト部10Ａと袖口10Ｂに配したから、前記第１実施例と同様 にポロシャツ10と伸縮性編地２が何等違和感のないデザインとすることができ、 また、ウエスト部10Ａと袖口10Ｂに配した伸縮性編地２によって優れたフィット 感を得ることができるととも、襟12に形成する模様部11Ａに合わせて伸縮性編地 ２の模様部11を形成しているので一層デザイン性が向上する。

【００１８】 以上、本考案の各実施例を詳述したが、本考案は、前記各実施例に限定される ものではなく、本考案の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、 伸縮性編地は、前述したショートパンツやポロシャツに限らず各種のニットウエ アに適用可能であり、また、伸縮性編地の模様部は、デザイナーのロゴやブラン ド名あるいは各種の図形や文字を形成してもよく、さらには、無地であってもよ い。また、伸縮性編地は、ウエスト部や袖口に形成した例を示したが、伸縮性編 地を衣類の身ごろに縦あるいは横に配してデザインの一部として形成することも でき、伸縮性編地の形成位置は、ウエスト部や袖口に限定されるものではない。

【００１９】

【考案の効果】

請求項１の考案によれば、芯糸にゴム糸を絡めて形成した伸縮自在な弾性糸を 伸張させて編機に給糸し、その弾性糸を編成して伸縮性編地を形成するとともに 、この伸縮性編地をニットウエアの一部に製織したものであるから、ニットウエ アと同様な起伏に富んだ立体的な質感を有する伸縮性編地をニットウエアの一部 に形成でき、ニットウエアと伸縮性編地とが違和感なく一体化し、デザイン性を 高めることができる。

【００２０】 請求項２の考案は、請求項１記載の伸縮性編地を備えたニットウエアにおいて 、前記伸縮性編地に織模様部を製織したものであるから、ニットウエアが要求さ れる伸縮性とデザイン性とを両立できる。

【００２１】 請求項３の考案は、請求項２記載の伸縮性編地を備えたニットウエアにおいて 、前記伸縮性編地を前記ニットウエアのウエスト部に配したものであるから、ス ポーツウエアなどの激しい動きに追従してニットウエアのウエスト部が伸縮し、 例えば、トレーニングズボンやショートパンツ類の落ちることなく確実に抑える ことができる。

【００２２】 請求項４の考案は、請求項３記載の伸縮性編地を備えたニットウエアにおいて 、前記伸縮性編地を前記ニットウエアの袖口に配したものであるから、フィット 感に優れ、しかもデザイン性にも優れたニットウエアを提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例を示す正面図である。

【図２】同上弾性糸の説明図である。

【図３】同上本考案の第２実施例を示す正面図である。

【符号の説明】

１ ショートパンツ（ニットウエア） １Ａ，10Ａ ウエスト部 ２ 伸縮性編地 ３ 弾性糸 ４ 芯糸 ５ ゴム糸 ６，11 模様部 10 ポロシャツ（ニットウエア） 10Ｂ 袖口

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 芯糸にゴム糸を絡めて形成した伸縮自在
   な弾性糸を伸張させて編機に給糸し、その弾性糸を編成
   して伸縮性編地を形成するとともに、この伸縮性編地を
   ニットウエアの一部に製織したことを特徴とする伸縮性
   編地を備えたニットウエア。
2. 【請求項２】 前記伸縮性編地に模様部を製織したこと
   を特徴とする前記請求項１記載の伸縮性編地を備えたニ
   ットウエア。
3. 【請求項３】 前記伸縮性編地を前記ニットウエアのウ
   エスト部に配したことを特徴とする前記請求項２記載の
   伸縮性編地を備えたニットウエア。
4. 【請求項４】 前記伸縮性編地を前記ニットウエアの袖
   口に配したことを特徴とする前記請求項３記載の伸縮性
   編地を備えたニットウエア。