JP3012908B2 - ジヒドロ葉酸還元酵素―抗アレルギー性ペンタペプチド多量体の融合タンパク質(▲i▼) - Google Patents

ジヒドロ葉酸還元酵素―抗アレルギー性ペンタペプチド多量体の融合タンパク質(▲i▼)

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JP3012908B2
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  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ジヒドロ葉酸還元酵素(以下、DHFRと略
す。)と抗アレルギー性ペプチドであるアスパラギン酸
(Asp)−セリン(Ser)−アスパラギン酸(Asp)−グ
リシン(Gly)−リジン(Lys)の5個のアミノ酸配列よ
りなるペプチド(以下、DSDGKと略す。)を繰り返し単
位とする多量体をアルギニンを介在アミノ酸として含む
融合タンパク質(以下融合タンパク質(I)と略す。)
を大量に生産可能とする新規組換えプラスミド、そのプ
ラスミドを含有する大腸菌、DHFR−DSDGK多量体の融合
タンパク質(I)、DHFR−DSDGK多量体の融合タンパク
質(I)の製造法、DSDGK多量体の製造法及びDSDGKの製
造法に関するものである。本発明は、発酵工学、医薬品
工業などの分野に有効に利用されるものである。
〔従来の技術〕
DSDGKは、抗アレルギー性ペプチドの一種であり、ケ
ミカルメディエーターに起因して発症するアレルギー性
鼻炎、アレルギー性皮膚炎、気管支喘息及びその他のア
レルギー性疾患の予防薬及び治療薬としての利用が期待
される興味深い生理活性ペプチドである(特開平1−31
6398号)。
アミノ酸数の少ないオリゴペプチドの製造方法として
は、通常、化学合成法が知られているが、近年は遺伝子
組換え技術によっても容易に製造しうる方法が開発され
ている。例えば、巌倉らは大腸菌のDHFRを大量に発現さ
せることが可能なプラスミドpTP70−1を作製し(特開
昭63−267276号)、DHFRのカルボキシル末端アミノ酸付
近をコードする塩基配列を種々改変して異種遺伝子を導
入し、有用なポリペプチドをDHFRとの融合タンパク質の
状態で大腸菌に産生させた。その例としてはソマトスタ
チン(特開平1−144977号、特開平1−144995号)、ブ
ラジキニン(特開平1−252289号)がある。
また、巌倉らはDHFRの生産効率を高める目的で、効率
のよいターミネート領域として知られるrrnB遺伝子とpT
H70−1を使用して組換えプラスミドpTH104−4を作製
し(特開平1−144979号)、それを利用してDHFR−ロイ
シンエンケファリン融合タンパク質を発現させることの
できる組換えプラスミドpLEK1の作製も行っている。こ
こで得られる融合タンパク質はDHFRの酵素活性も保持さ
れているので、その精製はDHFRの特性と活性を利用して
容易に行われている。また、目的とするペプチドは、融
合タンパク質をブロモシアン処理もしくはトリプシン処
理した後、HPLCで精製して取得されている(特開平1−
252290号)。
これらの例では、目的とするポリペプチドの産生量の
増大を図るため、プロモータ領域やターミネータ領域の
改変が行われているが、目的とするポリペプチドをタン
デムに複数個連結させたポリペプチドを産生させること
も行われている(特開昭61−31090号)。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の課題は、DSDGKを遺伝子操作技術により大量
に製造することにあり、このために、DSDGKを繰り返し
単位とする多量体をコード化する遺伝子を組み込んだ有
効なプラスミドを作製しようとするものである。そして
このプラスミドは下記の要件を満たすことが必要であ
る。
(i)DSDGKを繰返し含む融合タンパク質(I)として
産生することができるものであること (ii)融合タンパク質(I)の遺伝子を大量発現させる
ものであること (iii)産生される融合タンパク質(I)の精製が容易
なものであること (iv)融合タンパク質(I)からのDSDGKの分離が容易
なものであること 〔課題を解決するための手段〕 本発明者らは、鋭意研究の結果、大腸菌のジヒドロ葉
酸還元酵素遺伝子を用いることにより、上記課題が解決
できることを見いだし、その知見に従ってDHFRとDSDGK
の多量体からなる融合タンパク質(I)をコード化する
遺伝子を組み込んだ組換えプラスミドを作製し、本発明
を完成させた。
すなわち、本発明は下記のアミノ酸配列を有する(ジ
ヒドロ葉酸還元酵素)−(アスパラギン酸−セリン−ア
スパラギン酸−グリシン−リジン)nの融合タンパク質
(nは2から10)をコードする塩基配列を含む組換えプ
ラスミドにある。
(式中、_は介在アミノ酸Argを示す) 上記組換えプラスミドにおけるジヒドロ葉酸還元酵素
−抗アレルギー性ペンタペプチド多量体の融合タンパク
質(I)において、抗アレルギー性ペンタペプチドが二
量体である融合タンパク質(I)は下記のアミノ酸配列
を有するものである。
(式中、_はジヒドロ葉酸還元酵素と抗アレルギー性ペ
ンタペプチドとの介在アミノ酸を示す) 上記抗アレルギー性ペンタペプチドが二量体である融
合タンパク質(I)をコードする塩基配列としては例え
ば下記の塩基配列が挙げられる。
(式中、_はジヒドロ葉酸還元酵素と抗アレルギー性ペ
ンタペプチドとを介在するアミノ酸をコードする塩基配
列を示す) 更に、上記組換えプラスミドにおけるジヒドロ葉酸還
元酵素−抗アレルギー性ペンタペプチド多量体の融合タ
ンパク質(I)において抗アレルギー性ペンタペプチド
が三量体である融合タンパク質(I)は、下記のアミノ
酸配列を有するものである。
(式中、_は前記と同じ意味である) 上記抗アレルギー性ペンタペプチドが三量体である融
合タンパク質(I)をコードする塩基配列としては下記
の塩基配列が挙げられる。
(式中、_は前記と同じ意味である) 更に上記抗アレルギー性ペンタペプチドが二量体であ
る融合タンパク質(I)をコードする塩基配列を含む組
換えプラスミドには、大腸菌において安定に複製され、
宿主である大腸菌にトリメトプリム耐性及びアンピシリ
ン耐性を与え、かつ4655塩基対の大きさを有するものが
含まれる。
更に上記の抗アレルギー性ペンタペプチドが三量体で
ある融合タンパク質(I)をコードする塩基配列を含む
組換えプラスミドには、大腸菌において安定に複製さ
れ、宿主である大腸菌にトリメトプリム耐性及びアンピ
シリン耐性を与え、かつ4670塩基対の大きさを有するも
のが含まれる。
上記組換えプラスミドには第1図の塩基配列を有する
組換えプラスミドpBBK7DAが含まれる。
更に、上記組換えプラスミドには第2図の塩基配列を
有する組換えプラスミドpBBK5.6TAが含まれる。
更に本発明は上記組換えプラスミドにより形質転換さ
れた大腸菌にある。
更に本発明は下記のアミノ酸配列を有するジヒドロ葉
酸還元酵素−Arg−抗アレルギー性ペンタペプチド二量
体の融合タンパク質にある。
(式中、_は前記と同じ意味である) 更に本発明は、下記のアミノ酸配列を有するジヒドロ
葉酸還元酵素−Arg−抗アレルギー性ペンタペプチド三
量体の融合タンパク質にある。
(式中、_は前記と同じ意味である) 更に本発明は上記形質転換した大腸菌を培養し、培養
菌体から上記ジヒドロ葉酸還元酵素−抗アレルギー性ペ
ンタペプチド二量体の融合タンパク質(I)又はジヒド
ロ葉酸還元酵素抗−アレルギー性ペンタペプチド三量体
の融合タンパク質(I)を採取することを特徴とするジ
ヒドロ葉酸還元酵素−抗アレルギー性ペンタペプチド多
量体の融合タンパク質(I)の製造方法にある。そし
て、前記ジヒドロ葉酸還元酵素−抗アレルギー性ペンタ
ペプチド多量体の融合タンパク質(I)の採取工程は、
培養菌体の無細胞抽出液から、ストレプトマイシン処
理、硫安沈澱、及びメソトリキセート結合アフィニティ
クロマトグラフィーを順次用いて精製する工程を含むも
のである。
更に本発明はジヒドロ葉酸還元酵素−抗アレルギー性
ペンタペプチド多量体の融合タンパク質(I)を酵素処
理することにより、アスパラギン酸−セリン−アスパラ
ギン酸−グリシン−リジンのアミノ酸配列からなる抗ア
レルギー性ペンタペプチドを採取することにある。
そして、上記の酵素処理に用いる酵素としては、トリ
プシンが挙げられる。
以下に本発明の詳細を(1)新規組換えプラスミドの
作製、(2)形質転換された大腸菌、(3)DHFR−DSDG
K多量体の融合タンパク質(I)の製造工程、(4)得
られたDHFR−DSDGK多量体の融合タンパク質(I)、
(5)DSDGK多量体の製造工程、(6)DSDGKの製造工
程、の順に説明する。
(1)新規組換えプラスミドの作製 i)DSDGK多量体をコードするDNAの作製 DSDGK多量体をコードするDNAの作製は、一本鎖DNAを
それぞれ化学合成した後、両鎖をアニールさせて行う。
目的とする二本鎖DNAが長い場合は途中でいくつかに区
切って作製してもよい。
DSDGK多量体をコードするDNAは、両端にベクターと連
結する粘着末端を有し、その間に、DHFRコード領域に近
い方から、DHFRとDSDGK多量体の結合を切断するための
介在アミノ酸であるアルギニンをコードする塩基配列、
DSDGK多量体をコードする塩基配列及び翻訳終了を指令
する塩基配列を含む構造である。
粘着末端としては制限酵素の作用によって生じる切断
面の塩基配列とし、プラスミドpMEK2を用いる場合は、D
HFRコード領域に近い方の末端にBamH Iによる切断面
を、反対側の末端にはXho Iによる切断面を用いるのが
都合がよい。
DHFRとDSDGK多量体との間の介在アミノ酸としては、
例えばアルギニン、イソロイシン−グルタミン酸−グリ
シン−アルギニン[ファクターテンエー(FXa)の認識
配列]等の、カルボキシ末端にアルギニンを有するもの
を用いることができるが、アルギニンが好ましい。
DSDGKの多量体の重合度は好ましくは二量体から十量
体である。なお、後述の具体例としては二量体及び三量
体を例示した。
ii)DSDGK多量体をコードするDNAのベクタープラスミド
への挿入 DSDGK多量体をコードするDNAを発現させるためのベク
ターは、DHFRを発現させることができるものを用いる。
その例としては既に巌倉らが作製している組換えプラス
ミドpMEK2(特開平1−252289号公報参照)がある。pME
K2は、大腸菌に安定に保持され、pMEK2を含有する大腸
菌は、微工研にFERM BP−1816として寄託されている。p
MEK2は、pMEK2を含有する大腸菌から通常に行われるプ
ラスミドの分離方法に従って分離精製し利用することが
できる。精製したpMEK2をBamH I及びXho Iで切断して得
たDNA断片に上記i)の二本鎖DNAをT4−DNAリガーゼを
用いて連結し、目的とする融合タンパク質(I)を大腸
菌菌体内で発現可能とする新規組換えプラスミドを得
る。
iii)新規プラスミドの塩基配列 第1図は本発明の一例である新規組換えプラスミドpB
BK7DAの全塩基配列を示している。二本鎖環状DNAのうち
遺伝情報をコードしている片方のDNA鎖塩基配列だけ
を、プラスミド中に唯一存在する制限酵素Cla Iの認識
切断部位、5′−ATCGAT−3′、最初の“A"を1番とし
て数えて、5′末端から3′末端の方向に記述してい
る。pBBK7DAは、4655塩基対の大きさであり、宿主であ
る大腸菌にトリメトプリム及びアンピシリン耐性を付与
することができる。pBBK7DAは、pMEK2(4640塩基対より
なる。)のBamH I及びXho I切断によって得られる大き
い方のDNA断片(4614塩基対よりなる。)とDSDGK二量体
をコードする塩基配列を含む41塩基対の化学合成DNAが
結合した構造をしている。第1図において、533番目か
ら573番目までの配列が化学合成DNA由来の配列である。
ちなみに、pMEK2の全塩基配列は既に本発明者らによっ
て明らかにされており(特開平1−252289号公報参
照)、第1図に示す塩基配列のうち533番目から573番目
までの配列が、以下に示す26塩基対の配列に置き変わっ
た構造である。
化学合成した二本鎖DNAの末端の配列には、制限酵素B
amH Iによる切断の際に生じる粘着末端、5′−GATC−
3′(第1図の533番目から536番目までの配列。)、及
び制限酵素Xho Iによる切断の際に生じる粘着末端、
3′−AGCT−5′(第1図の574番目から577番目までの
配列と相補する配列。)、を含ませてある。pMEK2由来
の部分には、BamH I及びXho I切断によって生じる粘着
末端部位が存在するので方向を定めて異種DNAの導入を
行い、DHFR遺伝子との融合遺伝子を容易に作製すること
ができる。
第1図の57番目から569番目までの配列は、DHFRカル
ボキシル末端側にDSDGK二量体がアルギニンを介して結
合したDHFR−DSDGK二量体の融合タンパク質(I)をコ
ード化している。
DHFR−DSDGK二量体の融合タンパク質(I)をコード
化する配列の上流にはDHFR−DSDGK二量体の融合タンパ
ク質(I)遺伝子の発現を効率良く行わせる配列が存在
する(特開昭63−267276号明細書)。
即に、43番目から50番目までの配列がSD配列と呼ばれ
るもので、効率のよい翻訳に、また、4613番目から4641
番目までが、コンセンサス転写プロモーターであり、効
率のよい転写に貢献する。そのためpBBK7DAは、大腸菌
に導入された場合、多量のDHFR−DSDGK二量体の融合タ
ンパク質(I)を作る。作られたDHFR−DSDGK二量体の
融合タンパク質(I)は、菌体内に可溶性の状態で、菌
体タンパク質の約20%程度蓄積する。トリメトプリムは
このDHFRに対する阻害剤であるが、pBBK7DAを有する大
腸菌はDHFR−DSDGK二量体の融合タンパク質(I)を菌
体内に大量に蓄積するので、トリメトプリム耐性を示す
ようになる。
第2図は本発明の他の一例である新規組換えプラスミ
ドpBBK56TAの全塩基配列を示している。第1図と同様
に、二本鎖環状DNAのうち遺伝子情報をコードしている
片方のDNA鎖の塩基配列だけを、プラスミド中に唯一存
在する制限酵素Cla Iの認識切断部位、5′−ATCGAT−
3′、の最初の“A"を1番として数えて、5′末端から
3′末端の方向に記述している。pBBK56TAは、4670塩基
対の大きさで、pMEK2(4640塩基対よりなる。)のBamH
I及びXho I切断によって得られる大きい方のDNA断片(4
614塩基対よりなる。)とDSDGK三量体をコードする塩基
配列を含む59塩基対の化学合成DNAが結合した構造をし
ている。第2図において、533番目から588番目までの配
列が化学合成DNA由来の配列である。
第2図の57番目から584番目までの配列は、DHFRのカ
ルボキシル末端側にDSDGK三量体がアルギニンを介して
結合したDHFR−DSDGK三量体の融合タンパク質(I)を
コード化している。
pBBK56TAは、大腸菌に導入された場合、多量のDHFR−
DSDGK三量体の融合タンパク質(I)を産生するほかはp
BBK7DAと同様な特徴をもっている。
pBBK7DA及びpBBK56TAは、それぞれ実施例1及び実施
例2に従って作製することができるが、組換えプラスミ
ドの作製方法によって本発明が制限されるものではな
い。
(2)形質転換された大腸菌 上記(1)で作製した組換えプラスミドを常法に従い
大腸菌に取り込ませる。形質転換された大腸菌は、トリ
メトプリム及びアンピシリンに対して耐性を示す。この
プラスミドを含有する大腸菌は、プラスミド上のDHFR−
DSDGK多量体の融合タンパク質(I)遺伝子の効率のよ
い発現の結果、DHFR−DSDGK多量体の融合タンパク質
(I)を菌体内に可溶性の状態で大量に蓄積する。この
プラスミドを含有する大腸菌をYT+Ap培地(培地1L中
に、5gのNaCl、8gのトリプトン、5gのイーストエキス、
及び100mgのアンピシリンナトリウムを含む液体培
地。)を用いて、37℃で定常期まで培養した場合、蓄積
するDHFR−DSDGK多量体の融合タンパク質(I)は、菌
体タンパク質の約20%に達する。培養菌体を、リン酸緩
衝液などの適当な緩衝液に懸濁し、フレンチプレス法も
しくは超音波破砕法で破砕し、これを遠心分離法により
上清と沈澱に分離した場合、ほとんど全てのDHFR−DSDG
K多量体の融合タンパク質(I)は上清中に回収され
る。この新規な組換えプラスミドのうちpBBK7DAを含有
する大腸菌は、微工研条寄第2391号(FERM BP−2391)
として、またpBBK56TAを含有する大腸菌は、微工研条寄
第2390号(FERM BP−2390)として、それぞれ寄託され
ている。
(3)DHFR−DSDGK多量体の融合タンパク質(I)の製
造工程 本発明のDHFR−DSDGK多量体の融合タンパク質(I)
の製造工程は、i)菌体の培養、ii)菌体の破砕、ii
i)ストレプトマイシン処理、iv)硫安沈澱、及びv)
メソトリキセート(MTX)結合アフィニティクロマトグ
ラフィーの5工程により成り立っている。
i)菌体の培養 本発明のプラスミドを含有する大腸菌の培養は、YT+
Ap培地(培地1L中に、5gのNaCl、8gのトリプトン、5gの
イーストエキス、及び50mgのアンピシリンナトリウムを
含む液体培地。)で培養することができる。培地として
は、この他にST+Ap培地(培地1L中に、2gのグルコー
ス、1gのリン酸2ナトリウム、5gのポリペプトン、5gの
イーストエキス及び50mgのアンピシリンナトリウムを含
む液体培地。)など、菌体が成長する培地であれば、い
ずれの培地でも用いることができるが、DHFR−DSDGK多
量体の融合タンパク質(I)の生産にはYT+Ap培地が望
ましい。本発明のプラスミドを含有する大腸菌を、培地
に接種し、37℃で対数成長期の後期もしくは定常期まで
培養する。培養温度により菌体中のDHFR−DSDGK多量体
の融合タンパク質(I)の蓄積量が変動し、調べた限り
では、培養温度が高いほど蓄積量が大であった。培養し
た菌体は、4,700×gの遠心分離により集める。培地1L
から湿重量2〜4gの菌体が得られる。集菌及びこれ以降
の操作は、特にことわらない限り低温(0から10℃の
間、4℃が望ましい。)で行うのが好ましい。
ii)菌体の破砕 培養して得られた菌体を、培養液1Lにつき、10mの
割合で緩衝液1[0.mMエチレンジアミン4酢酸2ナトリ
ウム(EDTA・Na2)及び14mM 2−メルカプトエタノール
を含む10mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)]に懸濁
し、フレンチプレスまたは超音波破砕機を用いて菌体を
破砕する。菌体破砕液を27,000×gで、20分間遠心分離
し、上清(以下、無細胞抽出液という。)を得る。
iii)ストレプトマイシン処理 無細胞抽出液に対して1.5%(W/V)のストレプトマイ
シン硫酸をスターラーで攪拌しながらゆっくり加える。
20分間攪拌した後ストレプトマイシン処理した液を27,0
00×gで、20分間遠心分離し、上清を得る。
iv)硫安沈澱 上記の操作により得られた上清1容に対して0.8〜0.9
容の飽和硫酸アンモニウム液をスターラーで攪拌しなが
らゆっくり加える。20分間攪拌した後硫安沈澱処理した
液を27,000×gで、20分間遠心分離し、上清を得る。
v)MTX結合アフィニティクロマトグラフィー 上記の操作により得られた上清に、あらかじめ緩衝液
1で平衡化した25mのMTX結合アガロースゲル(ジグマ
社製)を加える。10分間放置しゲルに吸着させた後、ゲ
ルをカラムに詰める。カラムを緩衝液1、1M KClを含む
緩衝液1、1M KClを含む緩衝液2[0.1mMエチテンジア
ミン4酢酸2ナトリウム(EDTA・Na2)、14mM 2−メル
カプトエタノールを含む10mMリン酸カリウム緩衝液(pH
8.5)。]の順で洗う。DHFR−DSDGK多量体の融合タンパ
ク質(I)の溶出は、1MのKClと3mMの葉酸を含む緩衝液
1を2NのNaOHでpHを9.3に調整した溶液を用いて行い、
溶出液を一定量ずつフラクションコレクターを用いて分
画する。分画した溶出液についてDHFR活性を測定し、酵
素活性が含まれる画分を集める。得られた溶液を、緩衝
液1に対して透析する。この段階で、純度90%以上のDH
FR−DSDGK多量体の融合タンパク質(I)が得られる。
以上の操作により、DHFR−DSDGK多量体の融合タンパ
ク質(I)の精製を再現性良く行うことができる。本発
明に従うと、DHFR−DSDGK多量体の融合タンパク質
(I)の精製は、培養を含めて3日以内に行うことがで
き、回収率約80%で、均一なタンパク質標品を得ること
ができる。
DHFR酵素活性の測定は、反応液[0.05mMのジヒドロ葉
酸、0.06mMのNADPH、12mMの2−メルカプトエタノール
を含む50mMのリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)。]1m
をキュベットにとり、これに試料を加え、25℃で340nm
の吸光度の時間変化を測定することにより行う。酵素活
性はユニットで表し、上記反応条件において、1分間に
1マイクロモルのジヒドロ葉酸を還元するのに必要な酵
素量を1ユニットとして定義する。この測定は、分光光
度計を用いて容易に行うことができる。
(4)得られたDHFR−DSDGK多量体の融合タンパク質
(I) 第3図は、DHFR−DSDGK多量体の融合タンパク質
(I)の一例として、pBBK7DAに含まれるDHFR−DSDGK二
量体の融合タンパク質(I)をコード化する部分のDNA
配列とそれから作られるタンパク質のアミノ酸配列を示
している。DHFR−DSDGK二量体の融合タンパク質(I)
は、171アミノ酸よりなる新規なタンパク質である。ア
ミノ末端側から数えて、1から159番目までの配列が、
大腸菌の野生型DHFRに1箇所のアミノ酸置換が起こった
[Cys−152(wild)→Glu−152]配列であり、162番目
から171番目までがDSDGK二量体の融合タンパク質(I)
の配列である。160番目のイソロイシン(Ile)は、pMEK
2のBamH I部位にDSDGK二量体をコード化する遺伝子を導
入する際に、遺伝子情報の読み取り枠を合わせるために
生じた配列である。161番目のアミノ酸、つまりDSDGK二
量体の配列の直前のアミノ酸はアルギニン(Arg)であ
る。そのため、DHFR−DSDGK二量体の融合タンパク質
(I)をアルギニルエンドペプチダーゼ処理することに
より、DSDGK二量体を切り出すことができる。DHFR−DSD
GK二量体の融合タンパク質(I)の分子量は、19,299で
ある。
また、第4図はDHFR−DSDGK多量体の融合タンパク質
(I)の他の一例として、pBBK5.6TAに含まれるDHFR−D
SDGK酸量体の融合タンパク質(I)をコード化する部分
のDNA配列とそれから作られるタンパク質のアミノ酸配
列を示している。DHFR−DSDGK三量体の融合タンパク質
(I)は176アミノ酸よりなる新規なタンパク質であ
る。アミノ末端側から数えて1から171番目までの配列
は、上記のDHFR−DSDGK二量体の融合タンパク質(I)
と同一であるが、DHFR−DSDGK三量体の融合タンパク質
(I)はDHFR−DSDGK二量体の融合タンパク質(I)の
カルボキシル末端側にもう一つDSDGKが結合した構造と
なっている。DHFR−DSDGK三量体の融合タンパク質
(I)の分子量は19,801である。
なお、DHFR−DSDGK二量体の融合タンパク質(I)及
びDHFR−DSDGK三量体の融合タンパク質(I)は、DHFR
のカルボキシ末端側に、介在アミノ酸を介してそれぞれ
DSDGK二量体及びDSDGK三量体が結合した構造をしている
にもかかわらず、DHFR酵素活性を有する。このため、大
腸菌がDHFR−DSDGK二量体の融合タンパク質(I)やDHF
R−DSDGK三量体の融合タンパク質(I)を多量につくる
と、DHFRの阻害剤であるトリメトプリムに対して耐性を
示すようになる。
(5)DSDGK多量体の製造工程 上記(4)のDHFR−DSDGK多量体の融合タンパク質
(I)においてDSDGK多量体の直前のアミノ酸はアルギ
ニン(Arg)である。そこでこのDHFR−DSDGK多量体の融
合タンパク質(I)をアルギニルエンドペプチターゼで
酵素処理すると、DHFR−DSDGK多量体の融合タンパク質
(I)からDSDGK多量体が切り出される。その酵素処理
分解物をHPLCで精製することで、DSDGK多量体を得る。
(6)DSDGKの製造工程 上記(5)で得たDSDGK多量体をトリプシンで処理す
るか、またリジルエンドペプチダーゼで処理してDSDGK
を得る。また、(4)で得たDHFR−DSDGK多量体の融合
タンパク質(I)にトリプシンを作用させ、その分解物
をHPLCで精製することにより、DSDGK多量体を経ること
なく直接DSDGKを得ることもできる。
〔実施例〕
次に本発明を実施例により更に詳細に説明する。但
し、本発明はこれらの実施例により限定されるものでな
い。
(実施例1) pBBK7DAの作製 DSDGK二量体をコード化するDNAとしては、 の2本の41ヌクレオチドからなるDNAをホスホミダイド
法に従って化学合成機(ミリジェン社製、7500型)で化
学合成し、オリゴヌクレオチド精製カートリッジ(アプ
ライド・バイオシステムズ社製)で精製後、DNAを約0.0
2m(約0.1μgのDNAを含んでいる。)ずつ取り、これ
にカイネーション用反応液(50mM Tris−HCl pH7.8、10
mM MgCl2、5mMジチオトレイトール、0.5mM ATP)を180
μとT4ポリヌクレオチドキナーゼ(宝酒造社製 10ユ
ニット/μ)を1μ加え、37℃で30分間インキュベ
ートすることによって、5′末端をリン酸化した。これ
を一旦80℃でインキュベートした後、徐々に冷却させる
ことにより、両DNAをアニールさせ、下記の二本鎖DNAを
得た(これを以下、DNA1と呼ぶ。)。
精製した約1μgのpMEK2を20ユニットのBamH I(宝
酒造社製)及び20ユニットのXho I(宝酒造社製)で切
断した後、0.85%アガロースゲル電気泳動法により分離
した。約4.6キロ塩基対のDNA断片を含むゲルを切出し、
ゲルからDNAを回収した(これを以下、DNA2と呼ぶ)。B
amH I及びXho IによるDNAの切断の操作は、“Molecular
Cloning:A Laboratory Manual"[T.Maniatis,E.F.Frit
sch,J.Sambrook,eds.Cold Spring Harbor Laboratory
(1982)。]に記載されている方法に従って行った。全
20μのDNA2に20μlのリガーゼ用反応液(10mM Tris
−HCl pH7.4、5mM MgCl2、10mMジチオトレイトール、5m
M ATP)、10μのDNA1を加え、これに1μのT4−DNA
リガーゼ(宝酒造社製300ユニット/μ)を加えて、
室温で19時間DNAの連結反応を行わせた。この反応物
を、形質転換法(transformation method、上記Maniati
sらの文献に記載。)に従って、大腸菌(宝酒造社製E.c
oli HB101コンピテントセル)に取り込ませた。この処
理をした菌体を、100mg/のアンピシリンナトリウム及
び5mg/のトリメトプリムを含む栄養寒天培地(培地1L
中に、2gのグルコース、1gのリン酸2カリウム、5gのイ
ーストエキス、5gのポリペプトン、及び15gの寒天を含
む。)上に塗布し、37℃で24時間培養することにより、
数十個のコロニーを得ることができた。これらのコロニ
ーのうち6個を、2mのYT+Ap培地(培地1L中に、5gの
NaCl、8gのトリプトン、5gのイーストエキス、及び100m
gのアンピシリンナトリウムを含む。)で37℃、一晩菌
体を培養した。培養液をそれぞれエッペンドルフ遠心管
(15m容)に取り、エッペンドルフ社製遠心分離機(5
414S型)を使用して12,000回転/分で10分間遠心分離
し、菌体を沈澱として集めた。これに、0.1mの電気泳
動用サンプル調製液[0.0709MのTris−HCl pH6.8、2%
(W/V)のラウリル硫酸ナトリウム(SDS)、11%(V/
V)のグリセリン、5%(V/V)の2−メルカプトエタノ
ール、及び0.045%(W/V)のブロムフェノールブルーを
含む。]を加え、菌体を懸濁し、これを沸騰水中に5分
間保ち、菌体を溶かした。この処理をしたサンプルをSD
S−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法[U.K.Laemmli;N
ature,vol.227,p680(1970)。]に従って分析した。分
子量マーカーとしてラクトアルブミン(分子量14,20
0)、トリプシンインヒビター(分子量20,100)、トリ
プシノーゲン(分子量24,000)、カーボニックアンヒド
ラーゼ(分子量29,000)、グリセロアルデヒド−3−リ
ン酸デヒドロゲナーゼ(分子量36,000)、卵アルブミン
(分子量45,000)、及び牛血清アルブミン(分子量66,0
00)の混合物(シグマ社製DALTON MARK VII−L)を使
用し、アクリルアミド濃度が10から20%である濃度勾配
ゲル(第一化学社製)で泳動した。その結果、6個のコ
ロニーのうち1個について、推定される大きさのタンパ
ク質が作られていることが明らかになった。このコロニ
ーをYT+Ap培地で培養し、TanakaとWeisbiumの方法[T,
Tanaka,B.Weisblum;J.Bacteriology vol.121,p.354(19
75)。]に従って、プラスミドを調製した。得られたプ
ラスミドをpBBK7DAと名付けた。pBBK7DAは、pMEK2のBam
H IとXho I部位の間の配列が合成DNAと置き換わった構
造をしているはずである。合成DNAには、制限酵素Xho I
で認識切断させる配列、5′−CTCGAC−3′、が含まれ
ているので、Xho IでpBBK7DAの切断を試みたところ、確
かに切断された。また、pBBK7DAのEcoR I(第1図の471
−476番目の配列)とSal I(第1図の872−877番目の配
列。)による切断によって得られる約400ヌクレオチド
長のDNAについて、M13ファージを用いたジデオキシ法
[J.Messing;Methods in Enzymology,vol.101,p20(198
3)。]に従って、EcoR IからSal Iの方向に塩基配列を
決定した。その結果、第1図に示すpBBK7DAの全塩基配
列の471番目から872番目までの配列が確かめられた。
また、pBBK7DAのBamH I−Xho I切断によって得られる
約4.6キロ塩基対のDNAは、EcoR I,Pst I,Hind III,Hpa
I,Pvu II,Bgl II,Cla I(以上は、宝酒造社製)及びAat
II(東洋紡社製)を用いた制限酵素による切断実験の
結果、pMEK2のBamH I−Xho I切断によって得られる約4.
6キロ塩基対のと全く同一であることが示された。
以上の結果から、pBBK7DAの全塩基配列を第1図に示
したとおり決定した。
(実施例2) pBBK7DAを含有する大腸菌が作るDHFR−DSDGK二量体の融
合タンパク質(I) pBBK7DAを含有する大腸菌が作るDHFR−DSDGK二量体の
融合タンパク質(I)のアミノ酸配列は、DHFR−DSDGK
二量体の融合タンパク質(I)遺伝子の塩基配列から予
想することができる。第1図の57番目から569番目まで
の配列がDHFR−DSDGK二量体の融合タンパク質(I)を
コード化していることから、トリプレットコード表を用
いてアミノ酸配列を推定した。その結果、第3図に示す
アミノ酸配列が得られた。そして、pBBK7DAを含有する
大腸菌を用い、以下のようにして、DHFR−DSDGK二量体
の融合タンパク質(I)の分離精製及びその同定を行っ
た。
DHFR−DSDGK二量体の融合タンパク質(I)の精製 A.用いた菌体量:湿重量15.9g/3L培養液 B.酵素精製工程:下記表1に示す(表におけるは無細
胞抽出液、はストレプトマイシン処理、及びはメソ
トリキセート結合アフィニティクロマトグラフィーを表
す。
DHFR酵素活性の測定は、反応液[0.05mMのジヒドロ葉
酸、0.06mMのNADPH、12mMの2−メルカプトエタノー
ル、50mMのリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)]1mをキ
ュベットにとり、これに試料を加え、25℃で340nmの吸
光度の時間変化を測定することにより行った。酵素活性
はユニットで表し、上記反応条件において、1分間に1
マイクロモルのジヒドロ葉酸を還元するのに必要な酵素
量を1ユニットとして定義した。
得られたDHFR−DSDGK二量体の融合タンパク質(I)
をSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(実施例1
に記載の方法。)により分析したところ、約22,000の単
一なタンパク質バンドが示され、得られたDHFR−DSDGK
二量体の融合タンパク質(I)標品が均一であることが
示された。
(実施例3) 精製分離したDHFR−DSDGK二量体の融合タンパク質
(I)からのDSDGK二量体の分離 実施例2で得られた31mlの精製均一化したDHFR−DSDG
K二量体の融合タンパク質(I)の溶液を阻外濾過膜
(アミコン社製YM5 径25mm)で濃縮し、EDTA・Na2を含
まない緩衝液1で透析し、6mのDHFR−DSDGK二量体の
融合タンパク質(I)濃縮液を得た。これは、27.6mg/m
の濃度でDHFR−DSDGK二量体の融合タンパク質(I)
を含んでいた。このDHFR−DSDGK二量体の融合タンパク
質(I)濃縮液20μに1Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.
0)10μ、精製水130μ、1ユニット/mのアルギニ
ルエンドペプチダーゼ(宝酒造社製)60μを加え、37
℃で一晩インキュベートした。反応後、この反応液25μ
をとり、高速液体クロマトグラフィー装置(日立655
形)を用いYMC−ODS−5カラム(山村化学社製 径4.6
×250mm)で分離した。溶出は、0.1%トリフルオロ酢酸
中、アセトニトリルの濃度勾配(0%から10%)をかけ
ることによって行った。0から5分までは、0%のアセ
トニトリルを用い、5分から35分までは、0%から10%
のアセトニトリルの直線濃度勾配をかけた。その結果、
第5図に示すような溶出曲線が得られた。試料注入後約
28分後のピーク画分を分離し、分離した溶出液に少量の
水を加え凍結乾燥して溶媒を除き、ペプチドを得た。得
られたペプチドを酸加水分解後、その1.4分の1をアミ
ノ酸分析に用いた。その結果、アスパラギン酸が1.8n m
ole、セリン、グリシン、及びリジンがそれぞれ、0.9n
moleずつ検出された。アミノ酸組成は、DSDGK二量体の
それと一致した。この結果から、精製均一化したDHFR−
DSDGK二量体の融合タンパク質(I)をアルギニンエン
ドペプチダーゼ処理し、次いで高速液体クロマトグラフ
ィーを用いて分離することにより収率約19%でDSDGK二
量体を回収できることが明らかになった。DHFR−DSDGK
二量体の融合タンパク質(I)の精製の収率が約43%で
あり、DHFR−DSDGK二量体の融合タンパク質(I)から
のDSDGK二量体の分離の収率が約19%であることから、
無細胞抽出液からのDSDGKの単離収率は約8%であっ
た。
(実施例4) 分離精製したDHFR−DSDGK二量体の融合タンパク質
(I)からのDSDGKの分離 実施例3で使用したDHFR−DSDGK二量体の融合タンパ
ク質(I)濃縮液20μをエッペンドルフ遠心管(1.5m
容)に入れ、これにアセトン80μを加えた。そして
−20℃の冷凍庫中に30分間置き、DHFR−DSDGK二量体の
融合タンパク質(I)を沈澱させた。これをエッペンド
ルフ社製遠心分離機(5414S型)を使用して12,000回転
/分で2分間遠心分離して上清液を除き、10μの1Mト
リス−塩酸緩衝液(pH8.0)、90μの精製水、10μ
のTPCK−トリプシン(シグマ社製)を加え、37℃で一晩
インキュベートした。反応後、このうちの10μをと
り、高速液体クロマトグラフィー装置(日立655形)を
用い、YMC−ODS−5カラム(山村化学社製 径4.6×250
mm)で分離した。溶出は実施例3と同一の条件で行っ
た。その結果、第6図に示すような溶出曲線が得られ
た。試料注入後約8分後のピークがDSDGKである。化学
合成で得られた濃度のわかっているDSDGK溶液を標準と
して、クロマトグラムのピーク高さから、得られたDSDG
Kの量を求めたところ、1.8μgであった。このことか
ら、DHFR−DSDGK二量体の融合タンパク質(I)をトリ
プシン処理して、DSDGKを得るときの回収率は約69%と
計算される。
(実施例5) pBBK56TAの作成 DSDGK三量体をコード化するDNAとしては、 の4本のDNAをホスホアミダイド法に従って化学合成機
(ミリジェン社製7500型)で化学合成し、オリゴヌクレ
オチド精製カートリッジ(アプライド・バイオシステム
ズ社製)で精製後、DNAを約0.1m(約0.1μgのDNAを
含んでいる。)ずつ取り、これにカイネーション用反応
液(50mM Tris−HCl pH7.8、10mM MgCl2、5mMジチオト
レイトール、0.5mM ATP)を180μとT4ポリヌクレオチ
ドキナーゼ(宝酒造社製10ユニット/μ)を1μ加
え、37℃で30分間インキュベートすることによって、
5′末端をリン酸化した。これを一旦80℃でインキュベ
ートした後、徐々に冷却させることにより、両DNAをア
ニールさせ、下記の二本鎖DNAを得た(これを以下、DNA
3と呼ぶ。)。
10μのDNA3に、20μのDNA1、20μのリガーゼ用
反応液、1μのT4−DNAリガーゼ(いずれも実施例1
に記載)を加えて室温で19時間DNAの連結反応を行っ
た。そして、実施例1記載の方法に従って大腸菌の形質
転換、形質転換体の培養、培養菌体を用いたSDS−ポリ
アクリルアミドゲル電気泳動を行った。
その結果、4個のコロニーについて推定される大きさ
のタンパク質の産生が認められた。そこで、このうちの
1個のコロニーをYT+Ap培地で培養し、前記TanakaとWe
isblumの方法に従ってプラスミドを調製した。得られた
プラスミドをpBBK56TAと名付けた。pBBK56TAは、pMEK2
のBamH IとXho I部位の間の配列が合成DNAと置き換わっ
た構造をしているはずである。合成DNAには、制限酵素X
ho Iで認識切断される配列、5′−CTCGAG−3′、が含
まれているので、Xho IでpBBK56TAの切断を試みたとこ
ろ、確かに切断された。また、pBBK56TAのEcoR I(第2
図の471−476番目の配列)とSal I(第2図の887−892
番目の配列)による切断によって得られる約400ヌクレ
オチド長のDNAについて、M13ファージを用いたジデオキ
シ法に従って、EcoR IからSal Iの方向に塩基配列を決
定した。その結果、第2図に示すpBBK56TAの全塩基配列
の471番目から887番目までの配列が確かめられた。
また、pBBK56TAのBamH I−Xho I切断によって得られ
る約4.6キロ塩基対のDNAは、EcoR I,Pst I,Hind III,Hp
a I,Pvu II,Bgl II,Cla I(以上は宝酒造社製)及びAat
II(東洋紡社製)を用いた制限酵素による切断実験の
結果、pMEK2のBamH I−Xho I切断によって得られる約4.
6キロ塩基対のと全く同一であることが示された。
以上の結果から、pBBK56TAの全塩基配列を第2図に示
したとおり決定できた。
(実施例6) pBBK56TAを含有する大腸菌が作るDHFR−DSDGK三量体
の融合タンパク質(I) pBBK56TAを含有する大腸菌が作るDHFR−DSDGK三量体
の融合タンパク質(I)のアミノ酸配列は、DHFR−DSDG
K三量体の融合タンパク質(I)遺伝子の塩基配列から
予想することができる。第2図の57番目から584番目ま
での配列がDHFR−DSDGK三量体の融合タンパク質(I)
をコード化していることから、トリプレット暗号表を用
いてアミノ酸配列を推定した。その結果、第4図に示す
アミノ酸配列が得られた。そして、pBBK56TAを含有する
大腸菌を用い、以下のようにしてDHFR−DSDGK三量体の
融合タンパク質(I)の分離精製及びその同定を行っ
た。
DHFR−DSDGK三量体の融合タンパク質(I)の精製 A.用いた菌体量:湿重量28.4g/3L培養液 B.酵素精製工程:下記表2に示す。(表におけるは無
細胞抽出液、はストレプトマイシン処理及びはメソ
トリキセート結合アフィニティクロマトグラフィーを表
す。
DHFR酵素活性の測定方法及び活性の定義は実施例2に
従った。
得られたDHFR−DSDGK三量体の融合タンパク質(I)
をSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(実施例1
に記載の方法。)により分析したところ、約21,500の単
一なタンパク質バンドが示され、得られたDHFR−DSDGK
三量体の融合タンパク質(I)標品が均一であることが
示された。
(実施例7) 分離精製したDHFR−DSDGK三量体の融合タンパク質
(I)からのDSDGK三量体の分離 実施例6で得られた56mの精製したDHFR−DSDGK三量
体の融合タンパク質(I)の溶液を阻外濾過膜(アミコ
ン社製YM5径25mm)を用いて濃縮し、6.5mのDHFR−DSD
GK三量体の融合タンパク質(I)濃縮液を得た。これ
は、65mg/mの濃度でDHFR−DSDGK三量体の融合タンパ
ク質(I)を含んでいた。
このDHFR−DSDGK三量体の融合タンパク質(I)濃縮
液10μに1Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)10μ、精
製水140μ、1ユニット/mのアルギニルエンドペプ
チダーゼ(宝酒造社製)60μを加え、37℃で一晩イン
キュベートした。反応後、この反応液30μをとり、高
速液体クロマトグラフィー装置(日立655形)を用い、Y
MC−ODS−5カラム(山村化学社製 径4.6×250mm)で
分離した。溶出は実施例3と同一の条件で行った。その
結果、第7図に示すような溶出曲線が得られた。試料注
入後約34分後のピーク画分を分離し、分離した溶出液に
少量の水を加え凍結乾燥して溶媒を除きペプチドを得
た。得られたペプチドを酸加水分解後、その1.4分の1
をアミノ酸分析に用いた。その結果、アスパラギン酸が
3.1n mole、セリン、グリシン及びリジンがそれぞれ1.6
n moleずつ検出された。アミノ酸組成は、DSDGK三量体
のそれと一致した。この結果から、精製したDHFR−DSDG
K三量体のタンパク質をアルギニルエンドペプチターゼ
処理し、次いで高速液体クロマトグラフィーを用いて分
離することにより収率約17%でDSDGK三量体を回収でき
ることがわかった。DHFR−DSDGK三量体の融合タンパク
質(I)の精製の収率が約90%であり、DHFR−DSDGK三
量体の融合タンパク質(I)からのDSDGK三量体の分離
の収率が約17%であることから、無細胞抽出液からのDS
DGK三量体の収率は約15%であると計算される。
(実施例8) 分離精製したDHFR−DSDGK三量体の融合タンパク質
(I)からのDSDGKの分離 実施例7で使用したDHFR−DSDGK三量体の融合タンパ
ク質(I)濃縮液10μをエッペンドルフ遠心管(1.5m
容)に取り、これにアセトン40μを加えた。そして
−20℃の冷凍庫中に30分間置き、DHFR−DSDGK三量体の
融合タンパク質(I)を沈澱させた。
これをエッペンドルフ社製遠心分離機(5414S型)を
使用して12,000回転/分で2分間遠心分離して上清を除
き、沈澱に8M尿素を20μ加えて溶解させた。さらに80
μの0.1Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)、10μの0.5
%トリプシン(Difco社製)を加え、37℃で一晩インキ
ュベートした。反応後、そのうちの20μをとり、高速
液体クロマトグラフィー装置(日立655形)を用いYMC−
ODS−5カラム(山村化学社製 径4.6×250mm)で分離
した。溶出は実施例3と同一条件で行った。その結果、
第8図に示すような溶出曲線が得られた。試料注入後約
9分後のピーク画分を分離し、分離した溶出後に少量の
水を加え凍結乾燥し溶媒を除き、ペプチドを得た。得ら
れたペプチドを酸加水分解後、その1.6分の1のアミノ
酸分析に用いた。その結果、アスパラギン酸が9.2n mol
e、セリン、グリシン及びリジンがそれぞれ4.7n moleず
つ検出された。アミノ酸組成は、DSDGKのそれと一致し
た。この結果から、精製したDHFR−DSDGK三量体の融合
タンパク質(I)をトリプシン処理し、次いで高速液体
クロマトグラフィーを用いて分離することにより収率約
42%でDSDGKを回収できることがわかった。DHFR−DSDGK
三量体の融合タンパク質(I)の精製の収率が約90%で
あり、DHFR−DSDGK三量体の融合タンパク質(I)から
のDSDGKの分離の収率は42%であることから、無細胞抽
出液からのDSDGKの収率は約38%であると計算される。
〔発明の効果〕
上記のように、本発明の新規組換えプラスミドは、DH
FR−DSDGK多量体の融合タンパク質(I)をコード化し
ているため、このプラスミドを有する大腸菌はDHFR−DS
DGK多量体の融合タンパク質(I)を可溶性の状態で大
量に生産蓄積する。さらに、産生されるDHFR−DSDGK多
量体の融合タンパク質(I)は、DHFR酵素活性を保持し
ており、精製を容易に行うことができる。本発明の精製
法に従うことにより、DHFR−DSDGK多量体の融合タンパ
ク質(I)の精製を迅速に効率よく行うことができる。
また、このようにして得られたDHFR−DSDGK多量体の融
合タンパク質(I)に直接トリプシンを作用させるか、
又はアルギニルエンドペプチダーゼ等適当な酵素によっ
てDSDGK多量体を切り出した後にトリプシンを作用さ
せ、高速液体クロマトグラフィーによってDSDGKを単離
精製することができる。精製されたDSDGKはアレルギー
性疾患の治療薬として有用である。従って、本発明によ
り、アレルギー性疾患の治療薬として有用なDSDGKを遺
伝子操作技術によって製造するための有利な手段が提供
できた。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は、それぞれpBBK7DA及びpBBK56TAの
全塩基配列を示した図であり、二本鎖DNAのうち遺伝情
報をコードしている片方のDNA鎖の塩基配列だけを、
5′未満から3′未満の方向に記述している。図中符号
は、核酸塩基を表し、Aはアデニンを、Cはシトシン
を、Gはグアニンを、Tはチミンを示している。図中番
号は、pBBK7DA及びpBBK56TAにそれぞれ1箇所存在する
制限酵素Cla Iの認識切断部位、5′−ATCGAT−3′、
の最初の“A"を1番として数えた番号を示している。 第3図及び第4図は、それぞれpBBK7DA及びpBBK56TA中
に存在するDHFR−DSDGK二量体の融合タンパク質(I)
及びDHFR−DSDGK三量体の融合タンパク質(I)をコー
ド化する部分の塩基配列及びタンパク質のアミノ酸配列
を示す図である。図中符号は、核酸塩基及びアミノ酸を
表し、Aはアデニンを、Cはシトシンを、Gはグアニン
を、Tはチミンを、Glyはグリシンを、Alaはアラニン
を、Valはバリンを、Leuはロイシンを、Ileはイソロイ
シンを、Serはセリンを、Thrはトレオニンを、Cysはシ
ステインを、Metはメチオニンを、Aspはアスパラギン酸
を、Asnはアスパラギンを、Gluはグルタミン酸を、Gln
はグルタミンを、Argはアルギニンを、Lysはリジンを、
Hisはヒスチジンを、Pheはフェニルアラニンを、Tyrは
チロシンを、Trpはトリプトファンを、Proはプロリンを
示している。図中番号は、融合タンパク質(I)のアミ
ノ末端のアミノ酸であるメチオニンを1番として数えた
番号を示している。 第5図及び第7図は、それぞれDHFR−DSDGK二量体の融
合タンパク質(I)及びDHFR−DSDGK三量体の融合タン
パク質(I)をアルギニルエンドペプチダーゼで処理
し、逆相カラムを用いた高速液体クロマトグラフィー装
置で分離したときのクロマトグラムを示している。横軸
は時間を分単位で、縦軸は220nmの吸光度を任意単位で
表している。図中の矢印はそれぞれDSDGK二量体及びDSD
GK三量体が溶出される位置を示している。第6図及び第
8図は、それぞれDHFR−DSDGK二量体の融合タンパク質
(I)及びDHFR−DSDGK三量体の融合タンパク質(I)
をトリプシンで処理し、逆相カラムを用い高速液体クロ
マトグラフィー装置で分離したときのクロマトグラムを
示している。横軸は時間を分単位で、縦軸は220nmの吸
光度を任意単位で表している。 図中の矢印はいずれもDSDGKの溶出される位置を示して
いる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07K 1/22 C07K 19/00 7/06 C12N 1/21 19/00 9/02 C12N 1/21 C12P 21/02 C 9/02 A61K 37/02 C12P 21/02 37/50 //(C12N 1/21 C12R 1:91) (C12P 21/02 C12R 1:19) (72)発明者 井筒 浩 茨城県つくば市和台48番 日立化成工業 株式会社筑波開発研究所内 (72)発明者 小原 和彦 茨城県つくば市和台48番 日立化成工業 株式会社筑波開発研究所内 (72)発明者 高須賀 晶子 茨城県つくば市和台48番 日立化成工業 株式会社筑波開発研究所内 (56)参考文献 特開 平1−316398(JP,A)

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記のアミノ酸配列を有する(ジヒドロ葉
    酸還元酵素)−(アスパラギン酸−セリン−アスパラギ
    ン酸−グリシン−リジン)nの融合タンパク質(nは2
    から10)をコードする塩基配列を含む組換えプラスミ
    ド。 (式中、_は介在アミノ酸Argを示す)
  2. 【請求項2】前記融合タンパク質が(アスパラギン酸−
    セリン−アスパラギン酸−グリシン−リジン)の二量体
    を含み、下記のアミノ酸配列を有するものである請求項
    1記載の組換えプラスミド。 (式中、_は前記と同じ意味である)
  3. 【請求項3】前記融合タンパク質をコードする塩基配列
    が下記の塩基配列である請求項2記載の組換えプラスミ
    ド。 (式中、_は介在アミノ酸Argをコードする塩基配列を
    示す)
  4. 【請求項4】前記融合タンパク質が(アスパラギン酸−
    セリン−アスパラギン酸−グリシン−リジン)の三量体
    を含み、下記のアミノ酸配列を有するものである請求項
    1記載の組換えプラスミド。 (式中、_は前記と同じ意味である)
  5. 【請求項5】前記融合タンパク質をコードする塩基配列
    が下記の塩基配列である請求項4記載の組換えプラスミ
    ド。 (式中、_は前記と同じ意味である)
  6. 【請求項6】組換えプラスミドが、大腸菌において安定
    に複製され、宿主である大腸菌にトリメトプリム耐性及
    びアンピシリン耐性を与え、かつ4655塩基対の大きさを
    有するものである請求項2記載の組換えプラスミド。
  7. 【請求項7】組換えプラスミドが、大腸菌において安定
    に複製され、宿主である大腸菌にトリメトプリム耐性及
    びアンピシリン耐性を与え、かつ4670塩基対の大きさを
    有するものである請求項4記載の組換えプラスミド。
  8. 【請求項8】組換えプラスミドが第1図の塩基配列を有
    する組換えプラスミドpBBK7DAである請求項2記載の組
    換えプラスミド。
  9. 【請求項9】組換えプラスミドが第2図の塩基配列を有
    する組換えプラスミドpBBK5.6TAである請求項4記載の
    組換えプラスミド。
  10. 【請求項10】請求項1乃至9記載の組換えプラスミド
    により形質転換された大腸菌。
  11. 【請求項11】下記のアミノ酸配列を有するジヒドロ葉
    酸還元酵素−Arg−抗アレルギー性ペンタペプチド二量
    体の融合タンパク質。 (式中、_は前記と同じ意味である)
  12. 【請求項12】下記のアミノ酸配列を有するジヒドロ葉
    酸還元酵素−Arg−抗アレルギー性ペンタペプチド三量
    体の融合タンパク質。 (式中、_は前記と同じ意味である)
  13. 【請求項13】請求項10記載の大腸菌を培養し、培養菌
    体から請求項1記載の融合タンパク質を採取することを
    特徴とする該融合タンパク質の製造方法。
  14. 【請求項14】前記融合タンパク質の採取工程が、培養
    菌体の無細胞抽出液から、ストレプトマイシン処理、硫
    安沈殿、及びメソトリキセート結合アフィニティクロマ
    トグラフィーを順次用いて精製する工程を含むものであ
    る請求項13記載の製造方法。
  15. 【請求項15】請求項11又は請求項12記載のジヒドロ葉
    酸還元酵素−Arg−抗アレルギー性ペンタペプチド二量
    体の融合タンパク質又はジヒドロ葉酸還元酵素−Arg−
    抗アレルギー性ペンタペプチド三量体の融合タンパク質
    を酵素処理することにより、アスパラギン酸−セリン−
    アスパラギン酸−グリシン−リジンのアミノ酸配列から
    なる抗アレルギー性ペンタペプチドを採取することを特
    徴とするアスパラギン酸−セリン−アスパラギン酸−グ
    リシン−リジンのアミノ酸配列からなる抗アレルギー性
    ペンタペプチドの製造方法。
  16. 【請求項16】酵素が、トリプシンである請求項15記載
    の製造方法。
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