JP3010409B2 - 電子制御エアサスペンション車用制御装置 - Google Patents

電子制御エアサスペンション車用制御装置

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JP3010409B2
JP3010409B2 JP6063908A JP6390894A JP3010409B2 JP 3010409 B2 JP3010409 B2 JP 3010409B2 JP 6063908 A JP6063908 A JP 6063908A JP 6390894 A JP6390894 A JP 6390894A JP 3010409 B2 JP3010409 B2 JP 3010409B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は電子制御エアサスペンシ
ョン車用制御装置に関し、特に車両にローリングが発生
する場合の車体振動を制振する技術に関する。
【従来の技術】従来、バスや大型トラック等に装備され
るサスペンションは、例えば、実開昭64−52920
号公報及び実開平2−141510号公報等に開示され
るような空気弾性を利用して車体を支える車両用エアサ
スペンション装置が主流となっている。ここで、車両用
エアサスペンション装置はエアスプリングに圧縮性流体
である空気(エア)を用いているため、リーフスプリン
グを用いた通常のものに較べて優れた乗り心地を確保す
ることが可能となる。このようなエアサスペンション装
置を用いているものにあっては、エアスプリング内の空
気圧を調整することにより、エアスプリングのばね定数
を調整できるので、車両の乗り心地を低減させることな
く、ロール制御性を高めようとする試みがなされてい
る。即ち、図12に示すように、エアスプリング83内部と
配管85を介して連通したサブタンク86を設け、前記配管
85に開閉手段としての電磁弁87を介装し、車速や操舵角
に応じて電磁弁87の開閉を制御することにより、ばね定
数を切り換えるエアサスペンション装置が提案されてい
る。尚、84は所定圧力に調圧されたエアリザーバタンク
(図示せず)との連通配管に介装されたレベリングバル
ブである。例えば、車速が所定値未満のとき或いは車速
が所定値以上でも操舵角が所定値未満のときには、電磁
弁87を開いてエアスプリング83内部とサブタンク86とを
一体とすることにより、エアスプリング83内部のエア容
積を実質的に大きくする。この場合、エア容積が大きい
程外力に対して内部圧力が上昇しないので、該エアスプ
リング83の反力が小さくなり、もってばね定数が小さく
なり、乗り心地を向上できる。一方、車速が所定値以上
で操舵角が所定値以上のときには、電磁弁87を閉じてエ
アスプリング83内部とサブタンク86とを遮断することに
より、エアスプリング83内部のエア容積を実質的に小さ
くする。この場合、エアスプリング83の反力が大きくな
り、もってばね定数が大きくなり、ロールを低減でき
る。尚、上記のようにばね定数を切り換えるようにした
電子制御エアサスペンション装置として、車体の前側車
軸近傍の左右外側に各々上下Gセンサを配置すると共
に、操舵角を検出する操舵角センサを設け、車体のロー
リング動作を検出した場合にはエアスプリングもしくは
ショックアブソーバの少なくとも一方をハード状態に切
り換えて、ローリング動作を抑制して乗り心地を改善し
ようとしたものがある(特開平5−193324号公報
参照)。このものにあっては、車体がローリング動作を
しているか否かの判定を、先ず操舵角速度を検出するこ
とにより判定し、同角速度が一定の所定値以下の場合の
み上下Gセンサにより検出される横加速度に基づいて判
定するようにしている。さらに、特開平5−19332
4号公報に開示される技術を用いた電子制御エアサスペ
ンション装置として、三菱自動車テクニカルビュー19
93年No.5の97頁〜102 頁に記載されるような大型
バス用電子制御サスペンションがある。
【発明が解決しようとする課題】これらの電子制御エア
サスペンション装置にあっては、通常の外力として車線
変更時や旋回時に発生する求心加速度による慣性力を想
定し、それらに対してサスペンション特性を制御する構
成となっている。しかしながら、車両は走行時に急激な
横風を受けることがあり、該横風により車両に直接外力
が作用すると、横風を受風した直後に当該横風の風下側
に車体がローリングする場合と、横風を受風したことに
より車両にヨーイングモーメントが作用し、ヨーイング
が生じて当該横風の風上側に車体がローリングする場合
とがあるため、従来の電子制御エアサスペンション装置
にあっては、該横風によるローリングの発生には対処す
ることができず、もって、車体の揺れを抑制できず、運
転性が悪化してしまう惧れがある。そこで、本出願人
は、進行方向横側からの風が車両に作用した場合も、発
生する車体振動を効果的に制振して、安定した姿勢制御
を可能とした電子制御エアサスペンション車用制御装置
を先に出願した。ところで、これら従来の電子制御サス
ペンション装置にあっては、操舵角を検出する操舵角セ
ンサが故障した場合には、サスペンションの制御を中止
する制御となっているため、該操舵角センサが故障した
場合の旋回時等のロール特性が極端に悪化し、運転性が
悪化しまう惧れがある。そこで、本発明は以上のような
従来の問題点に鑑みなされたもので、進行方向横側から
の風が車両に作用した場合の車体振動を効果的に制振す
ると共に、操舵角センサが故障した場合の旋回時等のロ
ール特性の悪化を防止することが可能な電子制御エアサ
スペンション車用制御装置を提供することを目的とす
る。
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の発明は、車両におけるばね上系と前後左右の各ばね下
系との間に少なくとも1個設けられ該ばね上系を支持す
るエアスプリングと、前記ばね上系と前記各ばね下系と
の間に少なくとも1個ずつ設けられるショックアブソー
バと、ステアリングの操舵角を検出する操舵角検出手段
と、車両に生じる少なくとも横方向を含む加速度を検出
する加速度検出手段と、操舵角検出手段により検出され
る操舵角が所定角以上の場合は、該操舵角に基づいて、
前記エアスプリングとショックアブソーバの少なくとも
一方をハードもしくはソフトに切換制御する操舵角基準
切換制御手段と、操舵角検出手段により検出される操舵
角が所定角未満の場合は、加速度検出手段により検出さ
れる横加速度が所定値以上の場合に、前記エアスプリン
グとショックアブソーバの少なくとも一方をハードに切
換制御する横加速度基準切換制御手段と、を備えてなる
電子制御エアサスペンション車用制御装置において、操
舵角検出手段の故障を検出する故障検出手段と、該故障
検出手段により操舵角検出手段の故障が検出されたとき
に、前記操舵角基準切換制御手段及び横加速度基準切換
制御手段を中止すると共に、加速度検出手段により検出
される横加速度が故障時所定値以上の場合に、前記エア
スプリングとショックアブソーバの少なくとも一方をハ
ードに切換制御する故障時切換制御手段と、を設けた。
請求項2記載の発明は、前記故障時切換制御手段におけ
る故障時所定値を前記横加速度基準切換制御手段におけ
る所定値より小さく設定した。請求項3記載の発明は、
前記故障時切換制御手段による前記エアスプリングとシ
ョックアブソーバの少なくとも一方のハードへの切換制
御中に、前記横加速度が故障時所定値未満となった状態
が所定時間継続した場合に、該切換制御を解除する切換
解除手段を設ける構成とした。請求項4記載の発明は、
前記切換解除手段は、前記横加速度が故障時所定値未満
となった状態が第1の所定時間継続した場合に、前記エ
アスプリングの状態をソフトに切換制御し、該エアスプ
リングのソフトへの切換制御後に前記横加速度が故障時
所定値未満となった状態が第2の所定時間継続した場合
に、前記ショックアブソーバの状態をソフトに切換制御
する構成とした。
【作用】車体にローリングが発生するのは、車体に車線
変更時や旋回時に発生する求心加速度による慣性力が作
用する場合と、車両が走行時に急激な横風を受けて、該
横風により車両に直接外力が作用する場合とがある。こ
こで、車線変更時や旋回時に発生する求心加速度による
慣性力が作用したことによる発生した車体のローリング
動作は、操舵の方向とローリング動作の方向とが一致す
る。一方、車両が走行時に急激な横風を受けたことによ
る発生した車体のローリング動作は、横風の風下側に車
体がローリングする場合と横風の風上側に車体がローリ
ングする場合とがあると共に、操舵角の大きさとは一致
しない。従って、検出された操舵角が所定角以上の場合
は、運転者が車両を操舵しており、車体に車線変更時や
旋回時に発生する求心加速度による慣性力が作用して、
ローリングが発生する場合であるとして、操舵角基準切
換制御手段により、該操舵角に基づいて、前記エアスプ
リング及びショックアブソーバ各々の状態をハードもし
くはソフトに切換制御され、一方、検出された操舵角が
所定角未満の場合は、運転者が車両を操舵しておらず、
車体がローリングするとすれば、車両が走行時に急激な
横風を受けたことによる発生した車体のローリング動作
であるとして、横加速度基準切換制御手段により、検出
される横加速度に基づいて、前記エアスプリング及びシ
ョックアブソーバ各々の状態をハードもしくはソフトに
切換制御される。ここで、故障検出手段により操舵角検
出手段の故障が検出されたときには、前述の操舵角基準
切換制御手段を実行することが不可能となると共に、横
加速度基準切換制御手段に移行すべきか否かの判断もで
きなくなる。従って、請求項1記載の発明に係る作用と
して、故障検出手段により操舵角検出手段の故障が検出
されたときには、前記操舵角基準切換制御手段及び横加
速度基準切換制御手段を中止することにより、操舵角検
出手段の故障の影響が姿勢制御に反映しないようにす
る。さらに、故障時切換制御手段により、加速度検出手
段により検出される横加速度が故障時所定値以上の場合
に、前記エアスプリングとショックアブソーバの少なく
とも一方をハードに切換制御することとして、少なくと
も車体に発生するローリング動作を抑制して、最低限の
姿勢制御を行う。請求項2記載の発明に係る作用とし
て、前記故障時切換制御手段における故障時所定値を前
記横加速度基準切換制御手段における所定値より小さく
設定することにより、より小さな値の横加速度でも故障
時切換制御手段により姿勢制御が実施されることとな
り、より小さな値の横加速度が作用しただけで、車体に
発生するローリング動作が抑制されることとなり、制振
制御が行われるようになる。請求項3記載の発明に係る
作用として、前記故障時切換制御手段による前記エアス
プリング及びショックアブソーバ各々のハードへの切換
制御は、前記横加速度が所定値未満となった状態が所定
時間継続した場合に、切換解除手段により、解除される
ので、前記横加速度が瞬間的に所定値未満となっても、
該切換制御が継続されるので、切換制御の実行、解除に
係るハンチングを防止できる。請求項4記載の発明に係
る作用として、前記切換解除手段を、前記横加速度が故
障時所定値未満となった状態が第1の所定時間継続した
場合に、前記エアスプリングの状態をソフトに切換制御
し、該エアスプリングのソフトへの切換制御後に前記横
加速度が故障時所定値未満となった状態が第2の所定時
間継続した場合に、前記ショックアブソーバの状態をソ
フトに切換制御する構成としたので、エアスプリングを
ソフトに切換制御した後に、エアスプリングがソフトで
ショックアブソーバがハードという状態となり、自由振
動における自由減衰運動を早めることが可能となり、切
換制御の実行、解除に係るハンチングをさらに防止でき
る。
【実施例】以下、添付された図面を参照して本発明を詳
述する。図1は車両の車輪1輪分のエアサスペンション
装置を示している。即ち、この図において、車両のばね
上としての車体20とばね下としてのタイヤ1との間に
は、エアスプリング2と、減衰力切換機構を内蔵したシ
ョックアブソーバ7とが夫々設けられている。圧縮空気
が貯留される図示しないエアリザーバタンクと前記エア
スプリング2とは該エアスプリング2に対する圧縮空気
の給気と排気を行わせるレベリングバルブ4を介装した
給・排気通路21により連通される。又、前記エアスプリ
ング2内部とサブタンク5とは、ばね定数切換用の開閉
手段としての電磁弁からなるばね定数切換弁6を介装し
た連通路22により連通される。また、マイクロコンピュ
ータを内蔵したコントロールユニット9には、後述する
モードの切換スイッチ10からの切換M信号、車速センサ
17からの車速V信号、操舵角センサ11からの操舵角θ信
号及び加速度センサ14からの横加速度GY 信号が入力さ
れる。そして、コントロールユニット9には、前記操舵
角θ信号及び横加速度GY 信号に基づいて、ショックア
ブソーバ7及びエアスプリング2を切換える操舵角基準
切換制御手段、横加速度基準切換制御手段と、操舵角検
出手段の故障を検出する故障検出手段と、故障時切換制
御手段及び切換解除手段とが、ソフトウェア的に装備さ
れており、前記ばね定数切換弁6及びショックアブソー
バ7の減衰力切換機構のアクチュエータ8が、マイクロ
コンピュータを内蔵したコントロールユニット9から出
力される制御信号により切換制御され、連通路22の開閉
制御及びショックアブソーバ7の減衰力切換制御が行わ
れる。図2は本発明の請求項1記載の発明に係る実施例
の詳細な制御ブロック図を示しており、モード切換スイ
ッチ10から出力される信号はモード信号入力手段31を介
して、また車速センサ17から出力される信号は車速信号
入力手段32を介して、また操舵角センサ11から出力され
る信号は操舵角信号入力手段33を介して、また加速度セ
ンサ14から出力される信号は横加速度信号入力手段34を
介して、制御手段35に入力される。制御手段35から出力
される制御信号は、ばね定数切換弁切換信号出力手段36
を介してばね定数切換弁6に、またショックアブソーバ
切換信号出力手段37を介してショックアブソーバ7の減
衰力切換機構のアクチュエータ8に、夫々入力される。
次に、実施例に係る制御内容を説明する。図に示すフロ
ーチャートは、コントロールユニット9によるばね定数
切換弁6及びショックアブソーバ7の減衰力切換機構の
アクチュエータ8の切換制御内容である。図3及び図4
に示すルーチンは、制振制御のメインルーチンである。
ステップ1(図ではS1と略記する。以下同様)では、
モード切換スイッチ10の切換位置を判定し、ハードモー
ド(ばね定数大)又はソフトモード(ばね定数小)の固
定モードに切換えられているか、自動的に切換制御を行
うオートモードに切換えられているかを判断する。そし
てオートモードが選択されるとステップ2以下に進み、
ハードモード又はソフトモードが選択されている場合に
は、当該切換制御を行わないとして、そのままリターン
する。ステップ2では、車速センサ17から車速信号Vを
読込む。なお、車両は前進する場合と後退する場合とが
あり、もって当該車速信号Vは正負を有する信号であ
る。ステップ91では、後述する故障検出ルーチンにより
設定された故障フラグFがたっているか否かを判断し、
故障フラグFがたっていない場合(F=0)には、操舵
角センサ11が故障していないとして、ステップ3以降に
進み、故障フラグFがたっている場合(F=1)には、
操舵角センサ11が故障しているとして、ステップ95に進
む。ステップ3では、操舵角センサ11が正常な状態であ
るので、該操舵角センサ11からの操舵角θ信号を読込
む。なお、車両は右に操舵される場合と左に操舵される
場合とがあり、もって当該操舵角θ信号も正負を有する
信号である。ステップ4では、加速度センサ14からの横
加速度GY 信号を読込む。なお、車両に横加速度が生じ
るのは、例えば左右からの横風が車両に作用した場合で
あり、横風により右に加速度が生じる場合と左に加速度
が生じる場合とがあり、もって当該横加速度GY 信号も
正負を有する信号である。次に、それ以上の横加速度G
Y が車両に作用した場合に、車体20にローリングが発生
するとしたしきい値としての所定横加速度GYrを設定す
るが、ステップ92では車速センサ17から読込んだ車速信
号Vに基づいて設定した操舵角センサ正常時のGY1を所
定横加速度GYrとして設定する。ステップ6では、操舵
角センサ11から読み込んだ操舵角θの大きさとしての絶
対値|θ|を判断し、操舵角が所定操舵角θr 以上であ
るか否か、即ち運転者が大きくハンドルを操作している
か否かを判断する。そして、大きく操舵されている(|
θ|≧θr )と判断された場合には、運転者が車両を操
舵しており、車体20に車線変更時や旋回時に発生する求
心加速度による慣性力が作用して、ローリングが発生す
る可能性がある場合であるとして、ステップ7以下に進
み、操舵角θに基づいて、ばね定数切換弁6及びショッ
クアブソーバ7の減衰力切換機構のアクチュエータ8の
切換制御を行う。ステップ7では、操舵角センサ11から
読み込んだ操舵角θ信号の正負を判断することにより、
車両が右に操舵されたか、左に操舵されたかを判断す
る。右に操舵されたと判断された場合には、ステップ8
以降に進む。ここで、ステアリングが右に所定操舵角θ
r 以上操舵されたことが検出された場合には、運転者が
車両を右に操舵したことにより、進行方向左側に車体20
のローリングが発生した場合であるとして、ステップ8
でばね定数切換弁6を開として右側のエアスプリング2
をソフト状態に、ステップ9でばね定数切換弁6を閉と
して左側のエアスプリング2をハード状態にすることに
より、ばね上系における静的変位を抑制する。さらに、
ステップ10において、ショックアブソーバ7の減衰力切
換機構のアクチュエータ8を切換制御して、該ショック
アブソーバ7をハード(減衰力大)に切換えることによ
り、動的変位も抑制して、制振制御を行う。次にステッ
プ11では、ステップ8〜ステップ10において開始した制
振制御をどのタイミングまで継続するかを判断する右旋
回制振制御継続判断ルーチンを実行する。また、ステッ
プ7において、操舵角センサ11から読み込んだ操舵角θ
信号の正負を判断することにより、車両が左に操舵され
たと判断された場合には、ステップ12以降に進む。ここ
で、ステアリングが左に所定操舵角θr 以上操舵された
ことが検出された場合には、運転者が車両を左に操舵し
たことにより、進行方向右側に車体20のローリングが発
生した場合であるとして、ステップ12でばね定数切換弁
6を閉として右側のエアスプリング2をハード状態に、
ステップ13でばね定数切換弁6を開として左側のエアス
プリング2をソフト状態にすることにより、ばね上系に
おける静的変位を抑制する。さらに、ステップ14におい
て、ショックアブソーバ7の減衰力切換機構のアクチュ
エータ8を切換制御して、該ショックアブソーバ7をハ
ード(減衰力大)に切換えることにより、動的変位も抑
制して、制振制御を行う。次にステップ15では、ステッ
プ12〜ステップ14において開始した制振制御をどのタイ
ミングまで継続するかを判断する左旋回制振制御継続判
断ルーチンを実行する。即ち、ステップ7〜ステップ15
が、請求項1に係る操舵角基準切換制御手段の機能を奏
している。一方、ステップ6において、それ程大きく操
舵されていない(|θ|<θr )と判断された場合に
は、運転者が車両を操舵しておらず、車体20がローリン
グするとすれば、車両が走行時に急激な横風を受けたこ
とによるとして、ステップ16以降に進み、横加速度GY
信号に基づいて、ばね定数切換弁6及びショックアブソ
ーバ7の減衰力切換機構のアクチュエータ8の切換制御
を行う。また、ステップ91において、故障フラグFがた
っている場合(F=1)には、操舵角センサ11が故障し
ているとして、ステップ95に進むが、ステップ95におい
ては、前述のステップ4と同様に、加速度センサ14から
の横加速度GY 信号を読込む。次に、それ以上の横加速
度GY が車両に作用した場合に、車体20にローリングが
発生するとしたしきい値としての所定横加速度GYrを設
定するが、ステップ96では車速センサ17から読込んだ車
速信号Vに基づいて設定した操舵角センサ故障時のGY0
を所定横加速度GYrとして設定する。ここで、操舵角セ
ンサ故障時のGY0は前記ステップ32で設定したGY1より
小さく設定されている。即ち、より小さな横加速度GY
が作用しただけで、車体20にローリングが発生したと判
断されるように設定されている。即ち、当該ステップ96
が請求項2に係る機能を奏している。ステップ16では、
加速度センサ14から読み込んだ横加速度GY の大きさと
しての絶対値|GY |を判断し、横加速度GY がステッ
プ92或いはステップ96で設定した所定横加速度GYr以上
であるか否かを判断する。そして、大きい加速度が生じ
ている(|GY |≧GYr)と判断された場合には、運転
者はハンドル操作を実施しておらず、車体20に車線変更
時や旋回時に発生する求心加速度による慣性力が作用す
ることは無く、該慣性力に係るローリングは発生するこ
とはないが、車両が走行時に急激な横風を受けて、車体
がローリングしている可能性がある場合であるとして、
ステップ17以下に進み、操舵角GYに基づいて、ばね定
数切換弁6及びショックアブソーバ7の減衰力切換機構
のアクチュエータ8の切換制御を行う。ステップ17また
ステップ18では、ばね定数切換弁6を閉として右側また
左側のエアスプリング2をハード状態にすることによ
り、ばね上系における静的変位を抑制する。さらに、ス
テップ19において、ショックアブソーバ7の減衰力切換
機構のアクチュエータ8を切換制御して、該ショックア
ブソーバ7をハード(ばね定数大)に切換えることによ
り、動的変位も抑制して、制振制御を行う。次にステッ
プ20では、ステップ17〜ステップ19において開始した制
振制御をどのタイミングまで継続するかを判断する横風
制振制御継続判断ルーチンを実行する。即ち、ステップ
16〜ステップ20において、ステップ92で設定した所定横
加速度GYrを用いて演算を行う機能が、請求項1に係る
横加速度基準切換制御手段に相当し、さらに、ステップ
96で設定した所定横加速度GYrを用いて演算を行う機能
が、請求項1に係る故障時切換制御手段に相当する。な
お、ステップ16において、横加速度はそれ程大きくない
(|GY |<GYr)と判断された場合には、運転者はハ
ンドル操作を実施しておらず、車体20に車線変更時や旋
回時に発生する求心加速度による慣性力が作用すること
は無く、もって該慣性力に係るローリングは発生するこ
とはなく、また車両が横風を受けていることもないの
で、制振制御を実施することがないとして、そのままリ
ターンする。従って、本実施例によれば、操舵角センサ
11が正常であって、操舵角θが所定操舵角θr 以上の場
合は、運転者がハンドル操作を行うことにより、大きく
操舵され、もって車体に車線変更時や旋回時に発生する
求心加速度による慣性力が作用して、ローリングが発生
する場合であるとして、該操舵角θに基づいて、前記エ
アスプリング2及びショックアブソーバ7各々の状態を
ハードもしくはソフトに切換制御する。即ち、操舵角セ
ンサ11が正常であって、ステアリングが左に操舵された
ことが検出された場合には、検出された操舵角θが所定
操舵角θr 以上の場合は、運転者が車両を左に操舵した
ことにより進行方向右側に車体20のローリングが発生す
る場合であるとして、車両における右側のエアスプリン
グ2をハード状態に、左側のエアスプリング2をソフト
状態にすることにより、ばね上系における静的変位を抑
制すると共に、ショックアブソーバ7をハード状態に切
換制御して動的変位も抑制して、制振制御を行う。ま
た、操舵角センサ11が正常であって、ステアリングが右
に操舵されたことが検出された場合には、検出された操
舵角θが所定操舵角θr 以上の場合は、運転者が車両を
右に操舵したことにより進行方向左側に車体20のローリ
ングが発生する場合であるとして、車両における左側の
エアスプリング2をハード状態に、右側のエアスプリン
グ2をソフト状態にすることにより、ばね上系における
静的変位を抑制すると共に、ショックアブソーバ7をハ
ード状態に切換制御して動的変位も抑制して、制振制御
を行う。一方、操舵角センサ11が正常であって、検出さ
れた操舵角θが所定操舵角θr未満の場合は、運転者が
車両を操舵しておらず、車体がローリングするとすれ
ば、車両が走行時に急激な横風を受けたことによる発生
した車体のローリング動作であるとして、検出される横
加速度GY に基づいて、前記エアスプリング2及びショ
ックアブソーバ7各々の状態をハードに切換制御するこ
とにより、横風の風下側への車体のローリングや横風の
風上側への車体のローリングを防止し、制振制御を行
う。一方では、本実施例によれば、操舵角センサ11が故
障して、操舵角θの検出が不可能となった場合も、ステ
ップ16〜ステップ20が実行される。即ち、運転者がハン
ドル操作を行うことにより、大きく操舵され、もって車
体に車線変更時や旋回時に発生する求心加速度による慣
性力が作用して、ローリングが発生するとして、検出さ
れる横加速度GY に基づいて、前記エアスプリング2及
びショックアブソーバ7各々の状態をハードもしくはソ
フトに切換制御する。即ち、操舵角センサ11が故障して
いるので、ステアリングを左に操舵したか、右に操舵し
たかを検出することは不可能となるので、操舵角θに基
づいてエアスプリング2やショックアブソーバ7の切換
制御をすることはできない。もって、操舵角センサ11の
故障時には、車体がローリングするとすれば、車両が走
行時に急激な横風を受けたことによる発生した車体のロ
ーリング動作であるか、操舵の大きさにかかわらず、運
転者が車両を操舵することにより発生したローリング動
作であるとして、検出される横加速度GY に基づいて、
前記エアスプリング2及びショックアブソーバ7各々の
状態をハードに切換制御することにより、横風の風下側
への車体のローリングや横風の風上側への車体のローリ
ング、あるいは操舵により発生したローリングを防止
し、制振制御を行うこととする。即ち、操舵角センサ11
の故障が検出された場合には、故障フラグFにより判断
され、より小さい横加速度GY が検出されただけでも、
エアスプリング2及びショックアブソーバ7各々の状態
をハードに切換制御することにより、少なくとも車体に
発生するローリング動作を抑制して、最低限の姿勢制御
を可能としている。次に、ステップ11において実行され
る右旋回制振制御継続判断ルーチンについて、図5に示
すフローチャート及び図6に示すタイムチャートを参照
しつつ説明する。ステップ31では、正常である操舵角セ
ンサ11から読み込んだ操舵角θの大きさとしての絶対値
|θ|を判断し、操舵角が所定操舵角θr 未満となった
か否か、即ち運転者によるハンドル操作が終了したか否
かを判断する。そして、所定操舵角θr 未満となった
(|θ|≧θr ではない)と判断された場合には、運転
者による操舵が終了し、車体20に車線変更時や旋回時に
発生する求心加速度による慣性力の作用も終了し、ロー
リングが発生する可能性は無くなったとして、ステップ
32に進む。ステップ32では、ディレイタイマTdt1のカ
ウントをスタートする。ステップ33では、再度操舵角θ
の大きさとしての絶対値|θ|が所定操舵角θ r 未満と
なったか否かを判断する。そして、所定操舵角θr 未満
となった(|θ|≧θr ではない)と判断された場合に
はステップ36に進み、所定操舵角θr 以上である(|θ
|≧θr )と判断された場合にはステップ35に進む。ス
テップ35では、正常である操舵角センサ11から読み込ん
だ操舵角θ信号の正負を判断することにより、車両が右
に操舵されたか、左に操舵されたかを判断する。そして
ステップ35において、右に操舵されたと判断された場合
には、当該ルーチンが右旋回制振制御継続判断ルーチン
であるので、ステップ31に戻り、当該ルーチンによる継
続判断を実行する。一方ステップ35において、左に操舵
されたと判断された場合には、車両が右に操舵されたと
して、右旋回制振制御により右側または左側のエアスプ
リング2の状態を所定状態にする制御を実施していた
が、左に操舵されたことにより、逆の制御状態に移行す
る必要があるとして、当該右旋回制振制御継続判断ルー
チンを抜けて、前述のメインルーチンのステップ12に進
む。ステップ36では、ディレイタイマTdt1のカウント
が終了したか否かを判断し、Tdt1が経過したと判断さ
れた場合には、前記右旋回制振制御による前記エアスプ
リング2及びショックアブソーバ7の切換制御が行わ
れ、該右旋回により発生した横加速度GY が小さくな
り、当該右旋回制振制御に係る静的変位は小さくなった
として、ステップ37に進み、ばね定数切換弁6を開とし
て左側のエアスプリング2をソフト状態に戻して、乗り
心地を確保する。ステップ38では、ディレイタイマTdt
2のカウントをスタートする。ステップ39では、再度操
舵角θの大きさとしての絶対値|θ|が所定操舵角θ r
未満となったか否かを判断する。そして、所定操舵角θ
r 未満となった(|θ|≧θr ではない)と判断された
場合にはステップ40に進み、所定操舵角θr 以上である
(|θ|≧θr )と判断された場合にはステップ41に進
む。ステップ41では、正常である操舵角センサ11から読
み込んだ操舵角θ信号の正負を判断することにより、車
両が右に操舵されたか、左に操舵されたかを判断する。
そしてステップ41において、右に操舵されたと判断され
た場合には、未だ右旋回により発生した横加速度が大き
く、右旋回制振制御を継続する必要があるとして、右旋
回制振制御継続判断ルーチンを抜けて、前述のメインル
ーチンのステップ8に進む。一方ステップ41において、
左に操舵されたと判断された場合には、車両が右に操舵
されたとして、右旋回制振制御により右側または左側の
エアスプリング2の状態を所定状態にする制御を実施
し、さらに動的変位を抑制するためにショックアブソー
バ7をハードとする制御を実施していたが、左に操舵さ
れたことにより、逆の制御状態に移行する必要があると
して、当該右旋回制振制御継続判断ルーチンを抜けて、
前述のメインルーチンのステップ12に進む。また、ステ
ップ40においては、横加速度GY の大きさとしての絶対
値|GY |が所定横加速度GYr未満となったか否かを判
断する。そして、所定横加速度GYr未満となっている
(|GY |≧GYrではない)と判断された場合には、前
記右旋回制振制御による前記エアスプリング2及びショ
ックアブソーバ7の切換制御が行われて、静的変位が抑
制された後に、ディレイタイマTdt2のカウントをスタ
ートしたが、カウントスタート時の状態がそのまま継続
しているとして、ステップ42に進む。一方、ステップ40
において、横加速度GY の大きさとしての絶対値|GY
|が所定横加速度GYr以上となっている(|GY |≧G
Yr)と判断された場合には、前記右旋回制振制御による
前記エアスプリング2及びショックアブソーバ7の切換
制御が行われて、静的変位が抑制されたが、横加速度G
Y が大きいために、横風制振制御を実施する必要がある
として、当該右旋回制振制御継続判断ルーチンを抜け
て、前述のメインルーチンのステップ17に進む。ステッ
プ42では、ディレイタイマTdt2のカウントが終了した
か否かを判断し、Tdt2が経過したと判断された場合に
は、前記右旋回制振制御による前記エアスプリング2及
びショックアブソーバ7の切換制御が行われ、該右旋回
により発生した横加速度GY が小さくなり、当該右旋回
制振制御に係る動的変位も小さくなったとして、ステッ
プ43に進み、アクチュエータ8を切換えてショックアブ
ソーバ7の減衰力をソフト状態に戻して、乗り心地を確
保する。次に、ステップ15において実行される左旋回制
振制御継続判断ルーチンについて、図7に示すフローチ
ャートを参照しつつ説明する。図7に示すフローチャー
トについては、前述の図5に示した右旋回制振制御継続
判断ルーチンに係るフローチャートと同一機能を有する
ステップには同一ステップ番号を付して説明を省略する
と共に、ステップ52,53,54,55及び56については、図
5におけるステップ35,36,40,41及び42において左右
を逆にしたものであるので、説明を省略する。即ち、本
実施例によれば、右旋回制振制御あるいは左旋回制振制
御が行われているときに、前記操舵角θが所定操舵角θ
r 未満となった状態がTdt1だけ継続した後に初めてエ
アスプリング2の状態をソフトに切換制御し、さらにT
dt2だけ継続した後にショックアブソーバ7の状態をソ
フトに切換制御する構成としたので、前記Tdt1が経過
中には、エアスプリング2がソフトでショックアブソー
バ7がハードという状態となり、自由振動における自由
減衰運動を早めることが可能となり、切換制御の実行、
解除に係るハンチングをさらに防止できるという効果が
ある。次に、ステップ20において実行される横風制振制
御継続判断ルーチンについて、図8及び図9に示すフロ
ーチャート及び図10に示すタイムチャートを参照しつつ
説明する。ステップ61では、加速度センサ14から読み込
んだ横加速度GY の大きさとしての絶対値|GY |を判
断し、横加速度が所定横加速度GYr未満となったか否
か、即ち走行中の車両に側面から吹いていた横風が止ん
だか否かを判断する。そして、所定横加速度GYr未満と
なった(|GY |≧GYrではない)と判断された場合に
は、車両に側面から吹いていた横風が止み、車両が走行
時に急激な横風を受けて、車体がローリングしている可
能性は無くなったとして、ステップ62に進む。ステップ
62では、ディレイタイマTdt1のカウントをスタートす
る。ステップ98では、後述する故障検出ルーチンにより
設定された故障フラグFがたっているか否かを判断し、
故障フラグFがたっていない場合(F=0)には、操舵
角センサ11が故障していない場合のルーチンであるとし
て、ステップ63に進み、故障フラグFがたっている場合
(F=1)には、操舵角センサ11が故障している場合の
ルーチンであるとして、ステップ63をジャンプして、即
ち操舵角センサ11に係る判断を実施することなく、ステ
ップ64に進む。ステップ63では、操舵角センサ11が故障
していない場合であるので、操舵角θの大きさとしての
絶対値|θ|が所定操舵角θr 未満であるか否かを判断
し、所定操舵角θr 以上である(|θ|≧θr )と判断
された場合には、運転者がハンドル操作を行ったとし
て、ステップ65に進む。ステップ65では、操舵角センサ
11から読み込んだ操舵角θ信号の正負を判断することに
より、車両が右に操舵されたか、左に操舵されたかを判
断する。そしてステップ65において、右に操舵されたと
判断された場合には、当該ルーチンが横風制振制御継続
判断ルーチンであり、左右のエアスプリング2をハード
状態とする制御を実施していたが、運転者がハンドルを
操作したことにより、右旋回制振制御継続判断ルーチン
を実施する必要があるとして、前述のメインルーチンの
ステップ8に進む。また、ステップ65において、左に操
舵されたと判断された場合には、当該ルーチンが横風制
振制御継続判断ルーチンであり、左右のエアスプリング
2をハード状態とする制御を実施していたが、運転者が
ハンドルを操作したことにより、左旋回制振制御継続判
断ルーチンを実施する必要があるとして、前述のメイン
ルーチンのステップ12に進む。一方、ステップ63におい
て、操舵角θが所定操舵角θr 未満である(|θ|≧θ
r ではない)と判断された場合にはステップ64に進み、
再度横加速度GY の大きさとしての絶対値|GY |が所
定横加速度GYr未満となっているか否かを判断する
(尚、この場合の所定横加速度GYrも前述のようにフラ
グFによって設定が変えられるものである)。そして、
所定横加速度GYr未満となっている(|GY|≧GYr
はない)と判断された場合には、前記横風制振制御によ
る前記エアスプリング2及びショックアブソーバ7の切
換制御が行われた後に、ディレイタイマTdt1のカウン
トをスタートしたが、カウントスタート時の状態がその
まま継続しているとして、ステップ66に進む。一方、ス
テップ64において、横加速度GY の大きさとしての絶対
値|GY |が所定横加速度GYr以上となっている(|G
Y |≧GYr)と判断された場合には、前記横風制振制御
による前記エアスプリング2及びショックアブソーバ7
の切換制御が行われているが、未だ横風により発生した
横加速度GY が大きいために、当該横風制振制御を継続
する必要があるとして、ステップ61に戻り、当該ルーチ
ンによる継続判断を実行する。ステップ66では、ディレ
イタイマTdt1のカウントが終了したか否かを判断し、
Tdt1が経過したと判断された場合には、前記横風制振
制御による前記エアスプリング2及びショックアブソー
バ7の切換制御が行われ、該横風により発生した横加速
度GY が小さくなり、当該横風制振制御に係る静的変位
は小さくなったとして、ステップ67に進み、ばね定数切
換弁6を開として右側のエアスプリング2をソフト状態
に戻し、またステップ68において、ばね定数切換弁6を
開として左側のエアスプリング2をソフト状態に戻し
て、乗り心地を確保する。ステップ69では、ディレイタ
イマTdt2のカウントをスタートする。ステップ99で
は、後述する故障検出ルーチンにより設定された故障フ
ラグFがたっているか否かを判断し、故障フラグFがた
っていない場合(F=0)には、操舵角センサ11が故障
していない場合のルーチンであるとして、ステップ70に
進み、故障フラグFがたっている場合(F=1)には、
操舵角センサ11が故障している場合のルーチンであると
して、ステップ70をジャンプして、即ち操舵角センサ11
に係る判断を実施することなく、ステップ72に進む。ス
テップ70では、操舵角センサ11が故障していない場合で
あるので、再度操舵角θの大きさとしての絶対値|θ|
が所定操舵角θr 未満となったか否かを判断する。そし
て、所定操舵角θr 未満となった(|θ|≧θr ではな
い)と判断された場合にはステップ72に進み、所定操舵
角θr 以上である(|θ|≧θr )と判断された場合に
はステップ71に進む。ステップ71では、操舵角センサ11
から読み込んだ操舵角θ信号の正負を判断することによ
り、車両が右に操舵されたか、左に操舵されたかを判断
する。そしてステップ71において、右に操舵されたと判
断された場合には、当該ルーチンが横風制振制御継続判
断ルーチンであり、左右のエアスプリング2をハード状
態とする制御を実施していたが、運転者がハンドルを操
作したことにより、右旋回制振制御継続判断ルーチンを
実施する必要があるとして、前述のメインルーチンのス
テップ8に進む。また、ステップ71において、左に操舵
されたと判断された場合には、当該ルーチンが横風制振
制御継続判断ルーチンであり、左右のエアスプリング2
をハード状態とする制御を実施していたが、運転者がハ
ンドルを操作したことにより、左旋回制振制御継続判断
ルーチンを実施する必要があるとして、前述のメインル
ーチンのステップ12に進む。また、ステップ72において
は、横加速度GY の大きさとしての絶対値|GY |が所
定横加速度GYr未満となったか否かを判断する。そし
て、所定横加速度GYr未満となっている(|GY |≧G
Yrではない)と判断された場合には、前記横風制振制御
による前記エアスプリング2及びショックアブソーバ7
の切換制御が行われて、静的変位が抑制された後に、デ
ィレイタイマTdt2のカウントをスタートしたが、カウ
ントスタート時の状態がそのまま継続しているとして、
ステップ73に進む。一方ステップ72において、横加速度
Y の大きさとしての絶対値|GY |が所定横加速度G
Yr以上となっている(|GY |≧GYr)と判断された場
合には、前記横風制振制御による前記エアスプリング2
及びショックアブソーバ7の切換制御が行われて、静的
変位が抑制されたが、未だ横風により発生した横加速度
Yが大きいために、当該横風制振制御を継続する必要
があるとして、当該横風制振制御継続判断ルーチンを抜
けて、前述のメインルーチンのステップ17に進む。ステ
ップ73では、ディレイタイマTdt2のカウントが終了し
たか否かを判断し、Tdt2が経過したと判断された場合
には、前記横風制振制御による前記エアスプリング2及
びショックアブソーバ7の切換制御が行われ、該横風に
より発生した横加速度GY が小さくなり、当該横風制振
制御に係る動的変位も小さくなったとして、ステップ74
に進み、アクチュエータ8を切換えてショックアブソー
バ7の減衰力をソフト状態に戻して、乗り心地を確保す
る。即ち、以上説明した横風制振制御継続判断ルーチン
は請求項3記載の切換解除手段の機能を奏する。さら
に、Tdt1は請求項4記載の第1の所定時間であり、T
dt2が請求項4記載の第2の所定時間であるので、横風
回制振制御継続判断ルーチンは請求項4記載の電子制御
エアサスペンション車用制御装置としての構成を有して
いる。次に前述の故障検出ルーチンについて、図11に示
すフローチャートを参照しつつ説明する。ステップ101
では、操舵角センサ11が中立位置にあるか否かを判断す
る。そして中立位置に無い場合には、故障検出を行わな
いとしてそのままリターンする。中立位置に有る場合に
は、ステップ102 に進み、操舵角センサ11の出力電圧範
囲が所定範囲K内にあるか否かを判断する。操舵角セン
サ11が正常であれば、操舵角センサ11が中立位置にある
場合には、操舵角センサ11の出力電圧範囲も所定範囲K
にあるはずであるので、出力電圧範囲が所定範囲Kであ
れば、操舵角センサ11が正常であるとして、ステップ10
3 に進み、故障フラグFをF=0とする。一方、出力電
圧範囲が所定範囲Kになければ、操舵角センサ11が故障
しているとして、ステップ104 に進み、故障フラグFを
たてる(F=1)。即ち、本実施例によれば、操舵角セ
ンサ11が故障時であっても、横風制振制御が行われてい
るときには、前記横加速度GY が所定横加速度GYr未満
となった状態がTdt1だけ継続した後に、初めてエアス
プリング2の状態をソフトに切換制御し、さらにTdt2
だけ継続した後にショックアブソーバ7の状態をソフト
に切換制御する構成としたので、前記Tdt1が経過中に
は、エアスプリング2がソフトでショックアブソーバ7
がハードという状態となり、自由振動における自由減衰
運動を早めることが可能となり、切換制御の実行、解除
に係るハンチングをさらに防止できることとなり、もっ
て操舵角センサ11が故障時であっても、より制御性が良
好な姿勢制御を行うことが可能となる。
【発明の効果】車体にローリングが発生するのは、車体
に車線変更時や旋回時に発生する求心加速度による慣性
力が作用する場合と、車両が走行時に急激な横風を受け
て、該横風により車両に直接外力が作用する場合とがあ
る。ここで、請求項1記載の発明によれば、故障検出手
段により操舵角検出手段の故障が検出されたときには、
操舵角基準切換制御手段及び横加速度基準切換制御手段
を中止することにより、操舵角検出手段の故障の影響が
姿勢制御に反映しないようにすると共に、故障時切換制
御手段により、加速度検出手段により検出される横加速
度が故障時所定値以上の場合に、前記エアスプリングと
ショックアブソーバの少なくとも一方をハードに切換制
御することとして、少なくとも車体に発生するローリン
グ動作を抑制して、最低限の姿勢制御が行われるので、
操舵角検出手段の故障時にあっても、旋回時等のロール
特性の悪化が抑制されるという効果がある。請求項2記
載の発明によれば、故障検出手段により操舵角検出手段
の故障が検出されたときには、より小さな値の横加速度
でも故障時切換制御手段により姿勢制御が実施されるこ
ととなり、よりフェールセーフの機能が奏されることと
なる。請求項3及び4記載の発明によれば、操舵角検出
手段の故障時においても、切換制御の際に、該切換制御
の実行、解除に係るハンチングが防止され、制御性が向
上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例のシステム図
【図2】 本発明の実施例の制御ブロック図
【図3】 同上実施例に係る制振制御のメインルーチン
を説明するフローチャート
【図4】 同上実施例に係る制振制御のメインルーチン
を説明するフローチャート
【図5】 同上実施例に係る右旋回制振制御継続判断ル
ーチンを説明するフローチャート
【図6】 同上実施例の旋回制振制御作用を説明するタ
イムチャート
【図7】 同上実施例に係る左旋回制振制御継続判断ル
ーチンを説明するフローチャート
【図8】 同上実施例に係る横風制振制御継続判断ルー
チンを説明するフローチャート
【図9】 同上実施例に係る横風制振制御継続判断ルー
チンを説明するフローチャート
【図10】 同上実施例の横風制振制御作用を説明するタ
イムチャート
【図11】 同上実施例に係る故障検出ルーチンを説明す
るフローチャート
【図12】 従来の車両用エアサスペンション装置の一例
のシステム構成図
【符号の説明】
1 タイヤ 2 エアスプリング 4 レベリングバルブ 5 サブタンク 6 ばね定数切換弁 7 ショックアブソーバ 8 アクチュエータ 9 コントロールユニット 11 操舵角センサ 14 加速度センサ 17 車速センサ

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両におけるばね上系と前後左右の各ばね
    下系との間に少なくとも1個設けられ該ばね上系を支持
    するエアスプリングと、 前記ばね上系と前記各ばね下系との間に少なくとも1個
    ずつ設けられるショックアブソーバと、 ステアリングの操舵角を検出する操舵角検出手段と、 車両に生じる少なくとも横方向を含む加速度を検出する
    加速度検出手段と、 操舵角検出手段により検出される操舵角が所定角以上の
    場合は、該操舵角に基づいて、前記エアスプリングとシ
    ョックアブソーバの少なくとも一方をハードもしくはソ
    フトに切換制御する操舵角基準切換制御手段と、 操舵角検出手段により検出される操舵角が所定角未満の
    場合は、加速度検出手段により検出される横加速度が所
    定値以上の場合に、前記エアスプリングとショックアブ
    ソーバの少なくとも一方をハードに切換制御する横加速
    度基準切換制御手段と、 を備えてなる電子制御エアサスペンション車用制御装置
    において、 操舵角検出手段の故障を検出する故障検出手段と、 該故障検出手段により操舵角検出手段の故障が検出され
    たときに、前記操舵角基準切換制御手段及び横加速度基
    準切換制御手段を中止すると共に、加速度検出手段によ
    り検出される横加速度が故障時所定値以上の場合に、前
    記エアスプリングとショックアブソーバの少なくとも一
    方をハードに切換制御する故障時切換制御手段と、 を設けたことを特徴とする電子制御エアサスペンション
    車用制御装置。
  2. 【請求項2】前記故障時切換制御手段における故障時所
    定値は前記横加速度基準切換制御手段における所定値よ
    り小さいことを特徴とする請求項1記載の記載の電子制
    御エアサスペンション車用制御装置。
  3. 【請求項3】前記故障時切換制御手段による前記エアス
    プリングとショックアブソーバの少なくとも一方のハー
    ドへの切換制御中に、前記横加速度が故障時所定値未満
    となった状態が所定時間継続した場合に、該切換制御を
    解除する切換解除手段を設けたことを特徴とする請求項
    1または2に記載の電子制御エアサスペンション車用制
    御装置。
  4. 【請求項4】前記切換解除手段は、前記横加速度が故障
    時所定値未満となった状態が第1の所定時間継続した場
    合に、前記エアスプリングの状態をソフトに切換制御
    し、該エアスプリングのソフトへの切換制御後に前記横
    加速度が故障時所定値未満となった状態が第2の所定時
    間継続した場合に、前記ショックアブソーバの状態をソ
    フトに切換制御することを特徴とする請求項1〜請求項
    3の何れか一つに記載の電子制御エアサスペンション車
    用制御装置。
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