JP3010131B2 - 枚葉シート打抜き製造機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、枚葉シートに印された
複数の印刷箇所を打ち抜いて複数のカードを製造する枚
葉シート打抜き製造機に関するものであり、特にその打
抜き用金型へ枚葉シートを効率的に搬送することができ
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、打抜き用金型にて枚葉シート
（原反シートと称されることもある）を送り込み複数の
印刷箇所を打ち抜いて、テレホンカード，クレジットカ
ード等のカード群を製造する打抜き製造機が存在してい
る。その多くのものでは、束状に積層した枚葉シート群
から枚葉シートを一枚ずつ抽出し、その枚葉シートをベ
ルトコンベア等にて打抜き用金型箇所へ搬送し、その枚
葉シートの所定箇所（印刷箇所）を打ち抜いて、多数の
カードを製造してゆくものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記構造においては、
クランプ装置により枚葉シートを打抜き用金型内に送り
込み、枚葉シートよりカードを打ち抜いた後、再びクラ
ンプ装置を元の位置に戻し、新たな枚葉シートをクラン
プ装置にてクランプして、同様の動作を行うもので、そ
のクランプする動作時に枚葉シートが不正確な位置であ
っても挟持してしまうこととなり、打抜き用金型におい
て枚葉シートから複数のカードを製造するときに正確に
製造することができなくなることがあった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】そこで、発明者は上記課
題を解決すべく鋭意，研究を重ねた結果、本発明を枚葉
シートから複数のカードを打抜き製造する打抜き用金型
の前方側にベルト送り部とスライド送り部とを設け、該
スライド送り部は前記打抜き用金型と前記ベルト送り部
との間に位置し、且つ打抜き用金型の前方に送りローラ
を、後方に排出ローラを夫々設け、且つベルト送り部と
スライド送り部との間を往復し、前記枚葉シートを適宜
挟持且つ開放自在としたクランプを有する搬送用クラン
プ体をベルト送り部の幅方向一方側に設け、該ベルト送
り部の幅方向他方側には枚葉シートを前記搬送用クラン
プ体側に押し出す幅方向位置決め体を設け、ベルト送り
部に枚葉シートの送り方向先端辺が当接可能な正面位置
決め体を設けてなる枚葉シート打抜き製造機としたこと
により、動作及び時間的な無駄を排除し、且つ枚葉シー
トから正確に複数のカードを製造することができるよう
にしたものである。

【０００５】

【作用】まず、枚葉シート供給体２４より枚葉シートＳ
が吸引装置等を介して一枚ずつベルト送り部５に抽出さ
れる。そして、ベルト送り部５が始動し、枚葉シートＳ
がベルト送り部５を介して前進し、その枚葉シートＳの
先端が正面位置決め体１３に当接し正面方向の位置が正
確に設定される〔図５及び図８（Ａ）参照〕。次に、枚
葉シートＳの幅方向（送り方向に直交する方向）の一辺
側より幅方向位置決め体１０により押し出されて搬送用
クランプ体Ｂ側に枚葉シートＳの他辺側に当接される
（図６，図７参照）。このようにして、枚葉シートＳは
ベルト送り部５上において正確な配置状態が確保され
る。その枚葉シートＳの位置が正確に決定されると、前
記正面位置決め体１３は枚葉シートＳの上方に移動し、
枚葉シートＳの通過を可能ならしめるものである〔図８
（Ｂ）参照〕。

【０００６】次に、枚葉シートＳの幅方向一辺が搬送用
クランプ体Ｂのクランプ７，７により挟持され、そのま
ま枚葉シートＳがスライド送り部６上を通過して打抜き
用金型Ａに送り込まれる〔図８（Ｂ）及び（Ｂ）参
照〕。図９及び図１０は、搬送用クランプ体Ｂによる枚
葉シートＳの搬送状態を平面的に見たものである。次
に、枚葉シートＳはそのまま送りローラＲｆ箇所に移動
し、枚葉シートＳを送りローラＲｆが挟みながら、打抜
き用金型Ａに運び込む。そして、枚葉シートＳは打抜き
用金型Ａにより複数のカードｓ，ｓ，…が打抜き製造さ
れる（図１１乃至図１６参照）。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。本発明の装置の略全体の構成を図１，図２に示し
ている。まず、枚葉シートＳ（原反シート）より複数の
カードｓ，ｓ，…を打抜き製造する打抜き用金型Ａを中
心にして、その前方側には複数の枚葉シートＳ，Ｓ，…
を束ねて貯蔵し、供給する枚葉シート供給体２４，ベル
ト送り部５，スライド送り部６が設けられている。ま
た、打抜き用金型Ａの後方側には打抜き用金型Ａよりカ
ードｓ，ｓ，…を打抜き製造完了して、残りカスとなっ
た枚葉シートＳが排出される排出移送部２５が設けられ
ている。そのスライド送り部６は前記打抜き用金型Ａと
前記ベルト送り部５との間に位置している。

【０００８】次に、打抜き用金型Ａの直前位置には送り
ローラＲｆが設けられており、直後位置には排出ローラ
Ｒｂが設けられている（図４参照）。該送りローラＲｆ
は、下部送りローラ１４と上部送りローラ１５とから構
成されており、該下部送りローラ１４と上部送りローラ
１５とは適宜に離間及び当接する動作をコントロールす
ることができる。また、前記排出ローラＲｂを構成する
下部排出ローラ１６と上部排出ローラ１７とはシートＳ
が通過可能で当接状態（略当接状態も含む）となるよう
にしたものである。

【０００９】前記ベルト送り部５の幅方向（送り方向に
直交する方向）の一方側においてベルト送り部５とスラ
イド送り部６との間を往復し、枚葉シートＳを適宜挟持
且つ開放自在とした搬送用クランプ体Ｂが設けられてい
る。そのベルト送り部５の幅方向の他方側には枚葉シー
トＳを前記搬送用クランプ体Ｂ側に押し出して、正確な
位置にて搬送用クランプ体Ｂにて枚葉シートＳを挟持さ
せるための幅方向位置決め機構部が設けられている（図
２，図３，図５等参照）。

【００１０】その打抜き用金型Ａは、図４に示すよう
に、ダイ１及びパンチ２によって、構成され、枚葉シー
トＳより複数のカードｓ，ｓ，…を打ち抜いて製造され
るものであって、パンチ２が上下方向に移動し、ダイ１
上に存在する枚葉シートＳに向かってパンチ２が食い込
む構成となり、打ち抜き、カードｓ，ｓ，…が枚葉シー
トＳより打抜き切断されるようにして製造されるもので
ある。そのパンチ２は、金型部支持機枠３に設けたモー
タ等の原動機からなる駆動部により上下方向に往復可動
するものとなっている。

【００１１】ベルト送り部５は、多数の枚葉シートＳ，
Ｓ，…を積層して貯蔵した枚葉シート供給体２４より枚
葉シートＳを一枚ずつ抽出したものを打抜き用金型Ａ方
向に搬送するものである。そのベルト送り部５の構成
は、図３，図９等に示すように、複数のベルト５ａ，５
ａ，…と二つのベルト車５ｂ，５ｂからなり、その送り
方向の両側に配置されたベルト車５ｂ，５ｂに複数本の
ベルト５ａ，５ａ，…が適宜の間隔をおいて巻き掛けさ
れたものである。そのベルト車５ｂ，５ｂの一方は、適
宜に回動，停止を行うことができるようにモータ等の駆
動機構と一体的に構成され、ベルト送り部５の始動，停
止を適宜に制御することができ、これは後述する搬送用
クランプ体Ｂの始動，停止動作と連携して行われるよう
になっている。

【００１２】次に、スライド送り部６の構成は、図３，
図９に示すように、複数のスライド用軸杆６ａ，６ａ，
…が同方向に配列されたものであり、それぞれのスライ
ド用軸杆６ａは、表面が精密に加工されており、枚葉シ
ートＳがそのスライド用軸杆６ａ，６ａ，…上を摩擦が
少なく、極めて滑らかにスライドして打抜き用金型Ａ側
に搬送することができる構造となっている。上述したよ
うにスライド送り部６は、それ自体では枚葉シートＳを
搬送する機能はなく、搬送用クランプ体Ｂにより枚葉シ
ートＳを打抜き用金型Ａの方向に搬送することが良好に
できるようにしたものである。また、スライド送り部６
の構造は、上記実施例に限定されるものではなく、枚葉
シートＳが滑らかに流れることができるものであれば上
記実施例に限定されるものではなく、その具体的例をあ
げると、図示しないが、表面を平坦状に加工した板状部
としたものや、板面状に多数の転動自在な小球体を配置
し枚葉シートＳがその小球体を移動するタイプのもので
あってもよい。

【００１３】次に、搬送用クランプ体Ｂの構成は、図３
に示すように、ベルト送り部５の幅方向の一方側に配置
され、且つ図８，図９に示すように、該ベルト送り部５
とスライド送り部６との間を往復可動自在としたもので
ある。その搬送用クランプ体Ｂは、ベルト送り部５によ
り枚葉シート供給体２４から取り出した枚葉シートＳを
さらに、スライド送り部６上をスライドさせて打抜き用
金型Ａへ搬送させるものである。その搬送用クランプ体
Ｂは、図３に示すように、送り方向に沿って二つのクラ
ンプ７，７が適宜の間隔をおいてクランプ支持部８に固
定されたものである。それぞれのクランプ７は、下部ク
ランプ片７ａと上部クランプ片７ｂとから構成され、下
部クランプ片７ａに対して上部クランプ片７ｂが上下方
向に可動し、枚葉シートＳを下部クランプ片７ａと上部
クランプ片７ｂとで挟持及び開放動作を適宜行うことが
できるようになっている。それぞれのクランプ７の可動
機構は、エア，液体等の流体圧駆動或いはモーター駆動
等であるが、特に反応速度の早いタイプのものが使用さ
れることが好ましい。

【００１４】そして、クランプ７，７は、クランプ支持
部８に支持されており、該クランプ支持部８はベルト送
り部５及びスライド送り部６の枚葉シートＳの送り方向
に沿って配置されたガイドレール９により往復動する構
造となっている。そのクランプ支持部８がモーター駆動
によりガイドレール９に沿って往復可動し、ベルト送り
部５にて搬送されてきた枚葉シートＳを搬送用クランプ
体Ｂの両クランプ７，７にて挟持し、クランプ支持部８
がガイドレール９に沿って移動し、枚葉シートＳをスラ
イド送り部６上を通過して打抜き用金型Ａに送り込むも
のである。

【００１５】次に、ベルト送り部５の幅方向反対側に
は、前記搬送用クランプ体Ｂに対向して幅方向位置決め
体１０を設けている（図２，図３等参照）。該幅方向位
置決め体１０は、枚葉シートＳを搬送用クランプ体Ｂの
クランプ７，７に正確に挟持させるために設けられたも
のであり、ベルト送り部５の脇に適宜に固定された固定
ボックス１０ａより位置決め用部材１０ｂが突出且つ引
込み自在に設けられている。該位置決め用部材１０ｂの
固定ボックス１０ａに対する動作機構は空気圧等の流体
圧を利用したり、或いはソレノイド等による電磁制御に
よるもので突出動作をするものである。そして、枚葉シ
ート供給体２４からベルト送り部５により搬送されてき
た枚葉シートＳの幅方向一辺を固定ボックス１０ａから
位置決め用部材１０ｂが突出して押圧し、枚葉シートＳ
の幅方向他辺側をクランプ７，７が正確に挟持すること
ができるように押し込む動作をするものである（図５乃
至図７参照）。

【００１６】また、ベルト送り部５の送り方向の略終端
部分で、且つスライド送り部６の略始端部分には正面位
置決め体１３が設けられている（図３，図５，図８等参
照）。該正面位置決め体１３は、ベルト送り部５により
搬送される枚葉シートＳの送り方向先端辺が当接可能と
なっている。即ち、ベルト送り部５上において枚葉シー
トＳの送り方向先端部分の位置を整えるものであり、前
記幅方向位置決め体１０とともに、枚葉シートＳの正面
及び幅方向両側の位置を整えベルト送り部５上にて適正
な配置にするものである（図５参照）。その枚葉シート
Ｓがベルト送り部５上にて適正配置となり、さらにスラ
イド送り部６を通過して打抜き用金型Ａ方向へ搬送され
るときには、図７及び図８（Ｂ）に示すように、正面位
置決め体１３は枚葉シートＳの上方に移動することがで
き、枚葉シートＳのスライド送り部６上の通過が可能と
なる。

【００１７】次に、打抜き用金型Ａの直前位置に設けら
れた送りローラＲｆは、搬送用クランプ体Ｂにより搬送
された枚葉シートＳからカードｓ，ｓ，…を打ち抜き製
造するために、その枚葉シートＳを打抜き用金型Ａに適
正速度で且つ間欠的に送り込むことができる構造となっ
ている。その送りローラＲｆは、下部送りローラ１４と
上部送りローラ１５とから構成されており、その下部送
りローラ１４と上部送りローラ１５とは適宜に当接（近
接状態を含む）及び離間を行うことができる構成となっ
ている。具体的には下部送りローラ１４が位置的に固定
したものであり、上部送りローラ１５が上下方向に可動
し、下部送りローラ１４はステッピングモータ等の回転
制御可能な動力にて回転駆動するものである。

【００１８】次に、打抜き用金型Ａの直後位置には排出
ローラＲｂが設けられている。該排出ローラＲｂは、前
記送りローラＲｆと同様に上下一組のローラからなり、
具体的には下部排出ローラ１６と上部排出ローラ１７か
ら構成されている。その排出ローラＲｂにおいては、下
部排出ローラ１６と上部排出ローラ１７とは常時当接状
態とし、両下部排出ローラ１６と上部排出ローラ１７と
のローラ軸の位置を固定し、互いに離間不能とした構造
である。その当接状態には、略当接状態も含まれ、さら
に詳しくは極めて近接した状態が略当接状態の範囲に含
まれる。その排出ローラＲｂは、前記送りローラＲｆと
同等の回転駆動を行うもので、枚葉シートＳを打抜き用
金型Ａの前後方向両側より挟みながら、枚葉シートＳが
送り方向に伸びたり、或いは縮んだりしないようにして
移動させるものであり、排出ローラＲｂにおいても下部
排出ローラ１６が駆動側ローラとなる。

【００１９】そして、上部排出ローラ１７は下部排出ロ
ーラ１６側に常時当接或いは極めて近接するように弾性
部材を介して付勢されており、下部排出ローラ１６と上
部排出ローラ１７とで枚葉シートＳを適正圧力にて挟持
することができるようになっている。或いは、上部排出
ローラ１７の回転軸には上下方向に僅かのゆとりが設け
られ、枚葉シートＳがその排出ローラＲｂ箇所を通過す
るときには、上部排出ローラ１７は枚葉シートＳの厚み
分だけ上方に押し退けられるようにすることもできる。

【００２０】その打抜き用金型Ａの金型部支持機枠３の
下方箇所に枚葉シートＳの複数の印刷箇所から打抜き製
造したカードｓ，ｓ，…を貯蔵し、次工程に送り出すた
めのカード搬出機構Ｇが設けられている。そのカード搬
出機構Ｇは、図２に示すように、供給コンベア２１，カ
ードマガジン装着部２２及び送出コンベア２３等から構
成されており、これらが平面的に見て略コ字形状に配置
されている。

【００２１】そのカード搬出機構Ｇは、カードマガジン
１８がダイ１の下方箇所に位置し、打抜き用金型Ａから
打抜き製造した多数のカードｓ，ｓ，…を貯蔵してゆく
ものである。そのカードマガジン１８はカードｓの平面
よりも僅かに広い底面積を有する複数のカード貯蔵室１
８ａ，１８ａ，…が形成されたものである。該カードマ
ガジン１８は、金型部支持機枠３の下部箇所より前記カ
ードマガジン装着部２２を介して送り込まれ、そしてダ
イ１の直下において昇降可能な構造となっており、カー
ドマガジン１８の頂部口部分がダイ１の打抜き孔に直結
する構造となっている（図４，図１１等参照）。

【００２２】そのカードマガジン１８の各カード貯蔵室
１８ａには、下部外方より内部を通過して上方箇所まで
昇降可能なリフタ１９が設けられている（図４参照）。
そのリフタ１９は、束状に積層された複数のカードｓ，
ｓ，…を載置可能な被搭載部１９ａと、該被搭載部１９
ａの下方に形成した脚片１９ｂとからなり、またそのリ
フタ１９を水平方向に往復動するためのシリンダ２０が
備えられている。さらに、シリンダ２０は上下方向に移
動することができるもので、これによって、リフタ１９
は上下及び前後方向に移動することができる（図４参
照）。

【００２３】そして、まずカード貯蔵室１８ａの内部上
方に前記リフタ１９の被搭載部１９ａが位置するように
して配置されており、打抜き用金型Ａにより打抜き製造
されたカードｓ，ｓ，…がカード貯蔵室１８ａ内に落下
するとともにリフタ１９の被搭載部１９ａ上に束状に積
層してゆく（図１３，図１４参照）。具体的には、その
カード貯蔵室１８ａ内に落下した複数のカードｓ，ｓ，
…の積層量に応じてリフタ１９は降下してゆくものであ
る。さらに、図１５に示すように、カードマガジン１８
の各カード貯蔵室１８ａ，１８ａ，…内にカードｓ，
ｓ，…が十分に溜まると、そのカードマガジン１８は、
図１６に示すように、打抜き用金型Ａから自動的に降下
し、次の新たなカードマガジン１８が打抜き用金型Ａの
金型部支持機枠３に配置される構造となっている。

【００２４】そのカードマガジン１８は、金型部支持機
枠３より適宜に取出自在に装着されている。そして、そ
のカードマガジン１８の打抜き用金型Ａへの装着及び交
換は、供給コンベア２１，カードマガジン装着部２２，
送出コンベア２３にしたがって行われる。図１において
符号２４は、枚葉シート供給体であって、複数の枚葉シ
ートＳ，Ｓ，…が束ねられて内装されており、ベルト送
り部５上に枚葉シートＳが一枚ずつ自動供給される。

【００２５】

【発明の効果】請求項１の発明においては、枚葉シート
Ｓから複数のカードｓ，ｓ，…を打抜き製造する打抜き
用金型Ａの前方側にベルト送り部５とスライド送り部６
とを設け、該スライド送り部６は前記打抜き用金型Ａと
前記ベルト送り部５との間に位置し、且つ打抜き用金型
Ａの前方に送りローラＲｆを、後方に排出ローラＲｂを
夫々設け、且つベルト送り部５とスライド送り部６との
間を往復し、前記枚葉シートＳを適宜挟持且つ開放自在
としたクランプ７，７を有する搬送用クランプ体Ｂをベ
ルト送り部５の幅方向一方側に設け、該ベルト送り部５
の幅方向他方側には枚葉シートＳを前記搬送用クランプ
体Ｂ側に押し出す幅方向位置決め体１０を設け、ベルト
送り部５に枚葉シートＳの送り方向先端辺が当接可能な
正面位置決め体１３を設けてなる枚葉シート打抜き製造
機としたことにより、先ず第１に枚葉シートＳから複数
のカードｓ，ｓ，…を打抜き製造する工程を効率的にす
ることができ、ロスタイムを最小限にすることができる
し、第２に打抜き製造の精度を高くすることができる
し、第３に装置の構造を比較的簡単なものとすることが
できる等の種々の効果を奏する。

【００２６】上記効果を詳述すると、枚葉シートＳを打
抜き用金型Ａまで搬送する構成は、打抜き用金型Ａの前
方側にベルト送り部５とスライド送り部６とが設けてあ
り、さらに、搬送用クランプ体Ｂをベルト送り部５とス
ライド送り部６との間を往復動するように、ベルト送り
部５の幅方向一方側に設けている。また、ベルト送り部
５の幅方向他方側には枚葉シートＳを前記搬送用クラン
プ体Ｂ側に押し出す幅方向位置決め体１０を設けてお
り、さらに枚葉シートＳの送り方向先端辺が当接可能な
正面位置決め体１３を設けた構成としている。

【００２７】それゆえに、枚葉シート供給体等の枚葉シ
ートＳ，Ｓ，…を束状にして貯蔵している所から枚葉シ
ートＳを一枚ずつ取り出してベルト送り部５上に配置す
るときには、ベルト送り部５の始動とともに枚葉シート
Ｓが正面位置決め体１３により正面方向位置が決定さ
れ、また幅方向位置決め体１０により枚葉シートＳは搬
送用クランプ体Ｂのクランプ７，７に正確に挟持できる
ようにするものである。

【００２８】これらの動作は略瞬時に行われ、また搬送
用クランプ体Ｂによりその枚葉シートＳをベルト送り部
５からスライド送り部６上を通過させて打抜き用金型Ａ
箇所に搬送させることで、工程におけるロスタイムを消
滅させ、極めて効率的且つ高速なる打抜き作業ができる
ものである。また、ベルト送り部５とスライド送り部６
とを往復動する搬送用クランプ体Ｂにより、ベルト送り
部５とスライド送り部６との間の枚葉シートＳの受渡し
も滑らかにできるが、ここでもなんら複雑な構造とはな
らず、その構造を簡単なものにすることができる。

【００２９】次に請求項２の発明は、請求項１におい
て、前記送りローラＲｆは適宜離間可能な下部送りロー
ラ１４と上部送りローラ１５とからなり、前記排出ロー
ラＲｂを構成する下部排出ローラ１６と上部排出ローラ
１７は枚葉シートＳを通過可能としてなる枚葉シート打
抜き製造機としたことにより構造を簡単にすることがで
きる。

【００３０】上記効果を詳述すると、送りローラＲｆは
適宜離間可能な構造の下部送りローラ１４と上部送りロ
ーラ１５としているが、排出ローラＲｂにおいては、下
部排出ローラ１６と上部排出ローラ１７は、単に枚葉シ
ートＳが通過可能となる構造としたものである。それゆ
えに特に、下部排出ローラ１６と上部排出ローラ１７と
を離間させるタイプとはしていないことで、排出ローラ
Ｒｂの両上下部ローラを離間させたり、当接させたりす
る構造とするものではなく、下部排出ローラ１６と上部
排出ローラ１７との間を通過するのみの構造としたもの
で、それゆえにその構造を簡単にすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の略示側面図

【図２】本発明の略示平面図

【図３】本発明の要部斜視図

【図４】打抜き用金型箇所の要部断面図

【図５】ベルト送り部上で枚葉シートの配置状態を適正
にする工程を示す平面図

【図６】ベルト送り部上で枚葉シートの配置状態を適正
にする以前の状態を示す正面図

【図７】ベルト送り部上で枚葉シートの配置状態を適正
にした状態を示す正面図

【図８】（Ａ）は枚葉シートがベルト送り部上に配置さ
れた状態の要部側面図 （Ｂ）は枚葉シートが搬送用クランプ体によってスライ
ド送り部に搬送された状態を示す要部側面図

【図９】枚葉シートがベルト送り部上に配置された状態
の要部平面図

【図１０】枚葉シートが搬送用クランプ体によってスラ
イド送り部に搬送された状態を示す要部平面図

【図１１】枚葉シートが搬送用クランプ体により送りロ
ーラ箇所に搬送された状態を示す要部略示断面図

【図１２】枚葉シートが送りローラにより挟まれ、送り
ローラによる搬送が開始された状態を示す要部略示断面
図

【図１３】枚葉シートが打抜き用金型によりカードが製
造された状態を示す要部略示断面図

【図１４】枚葉シートが打抜き用金型によりカードが製
造され、且つその枚葉シート先端が排出ローラに挟持さ
れた状態を示す要部略示断面図

【図１５】カードマガジンにカードが所定量貯蔵された
状態を示す要部略示断面図

【図１６】カードが所定量貯蔵されたカードマガジンが
取り出された状態を示す要部略示断面図

【符号の説明】

Ｓ…枚葉シート ｓ…カード Ａ…打抜き用金型 ５…ベルト送り部 ６…スライド送り部 Ｒｆ…送りローラ Ｒｂ…排出ローラ Ｂ…搬送用クランプ体 ７…クランプ １０…幅方向位置決め体 １３…正面位置決め体

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 道下 正則 神奈川県横浜市緑区東方町1725番地 イ ースタン技研株式会社内 (72)発明者 内山 皓 神奈川県横浜市緑区東方町1725番地 イ ースタン技研株式会社内 (72)発明者 河西 正彦 神奈川県横浜市緑区東方町1725番地 イ ースタン技研株式会社内 (56)参考文献 特開 平５−177590（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−90495（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−279229（ＪＰ，Ａ) 特開 昭52−30989（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B26D 7/06 B26D 7/01

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 枚葉シートから複数のカードを打抜き製
   造する打抜き用金型の前方側にベルト送り部とスライド
   送り部とを設け、該スライド送り部は前記打抜き用金型
   と前記ベルト送り部との間に位置し、且つ打抜き用金型
   の前方に送りローラを、後方に排出ローラを夫々設け、
   且つベルト送り部とスライド送り部との間を往復し、前
   記枚葉シートを適宜挟持且つ開放自在としたクランプを
   有する搬送用クランプ体をベルト送り部の幅方向一方側
   に設け、該ベルト送り部の幅方向他方側には枚葉シート
   を前記搬送用クランプ体側に押し出す幅方向位置決め体
   を設け、ベルト送り部に枚葉シートの送り方向先端辺が
   当接可能な正面位置決め体を設けてなることを特徴とし
   た枚葉シート打抜き製造機。
2. 【請求項２】 請求項１において、前記送りローラは適
   宜離間可能な下部送りローラと上部送りローラとからな
   り、前記排出ローラを構成する下部排出ローラと上部排
   出ローラは枚葉シートを通過可能としてなることを特徴
   とした枚葉シート打抜き製造機。