JP3004285B2 - 4輪駆動車のトルク配分制御装置 - Google Patents

4輪駆動車のトルク配分制御装置

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JP3004285B2
JP3004285B2 JP1225248A JP22524889A JP3004285B2 JP 3004285 B2 JP3004285 B2 JP 3004285B2 JP 1225248 A JP1225248 A JP 1225248A JP 22524889 A JP22524889 A JP 22524889A JP 3004285 B2 JP3004285 B2 JP 3004285B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、センターディファレンシャル装置付でトル
クスプリット制御される4輪駆動車において、前後輪の
トルク配分を走行条件に応じてアクティブに不等配分す
る不等トルク配分制御に関し、詳しくは、差動制限トル
クの制御ゲインの補正に関する。
〔従来の技術〕
一般にフルタイム式の4輪駆動車として、センターデ
ィファレンシャル装置を備え、このセンターディファレ
ンシャル装置に差動制限用油圧クラッチを付設し、この
差動制限トルクを電子制御して前後輪のトルク配分を可
変にすることで、4輪駆動車の直進安定性,加速性の他
に、更に動力運転性能の向上を図ることが提案されてい
る。ここで、トルク配分を可変に制御するためには、セ
ンターディファレンシャル装置において予め前後輪の基
準トルクを不等配分にする必要があり、この場合に前輪
重視と後輪重視との2つの方式が考えられる。従って、
前輪重視ではフロントエンジン・フロントドライブ(F
F)傾向になり、直進安定性はよいがドリフトアウト傾
向となり、極限状態における旋回性能は必ずしもよくな
い。逆に後輪重視ではフロントエンジン・リヤドライブ
(FR)傾向になって、高μ路での回頭感,旋回性能およ
び操縦性はよいがスピンが生じ易く、特に低μ路では直
進安定性に欠ける。一方、4輪駆動車においての最大の
不都合は4輪の同時スリップであり、この場合は操縦不
能になることから常に回避する必要がある。この4輪の
同時スリップ防止に関し、後輪重視のトルク配分にセッ
ティングし、むしろ常に後輪を先にスリップさせて4輪
スリップを防ぎ、安全性を確保することが望まれる。
また、4輪駆動車の直進安定性は駆動力が4輪に分散
するため、4つの各車輪では駆動力が少ない分だけ横力
に余裕が生じ、これに伴い安定性が向上するのである。
従って、上述の後輪重視のトルク配分で安定性を確保す
るには、後輪の横力を高く保持する必要がある。
ところで、駆動力と横力は車輪のグリップ力の範囲で
相反する要素であり、これは路面,タイヤの摩擦係数に
伴うスリップ率により大きく変化する。特に、所定のス
リップ率(10〜20%)以上の領域では、駆動力の増加と
共に横力が著しく低下して安定性を損うため、後輪のス
リップ率がこの所定のスリップ率を越えないように制御
する。また、所定のスリップ率以下では、横力の低下に
応じて前輪側にトルク配分制御すれば、後輪スリップを
防止して駆動力が確保されるのであり、こうして後輪側
スリップ率に基づいてトルク配分制御することが望まれ
る。
そこで従来、上記4輪駆動車のトルク配分制御に関し
ては、例えば特開昭62−55228号公報,特開昭62−26153
9号公報,特開昭63−8026号公報の先行技術がある。こ
こで、センターディファレンシャル装置にシンプルプラ
ネタリギヤを用いて基準トルク配分を不等配分化する。
また、前後輪の回転数差,またはそれを車速と舵角とで
補正した所定値との関係で差動制限装置のトルク容量を
制御することが示されている。
更に、トルク配分量を決める油圧クラッチの制御ゲイ
ンの補正に関しては、例えば特開昭63−34230号公報の
先行技術がある。ここで、操舵角速度との関係で制御ゲ
インを変更し、急激な旋回時には制御ゲインを高くして
トルク分配率を必要分配率に迅速に変化することが示さ
れている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、上記先行技術のものにあっては、シングル
プラネタリギヤ式のセンターディファレンシャル装置で
あるため、トルク配分比がサンギヤとリングギヤとの径
の比により決定され、この形状に限界があることから、
充分後輪に片寄った不等トルク配分に定めることは難し
い。このため、トルク配分制御域も狭い。
また、基本的には前後輪の回転数差によりトルク配分
を制御する方法であるから、センターディファレンシャ
ル装置のディファレンシャルロック的制御になる。従っ
て、路面に対する車輪のスリップ状態は判断されず、ス
リップ状態に対応して安定性,操縦性を適正化するよう
なアクティブなトルク配分制御ができない。更に、低摩
擦路(低μ路)において前後輪スリップ状態で走行する
ような場合で、回転数差が小さい条件では制御できない
等の問題がある。
更に、第4の先行技術のものは、旋回時に操舵する場
合に限り適用でき、加速等には適用できない。
また先行技術においては、トルク配分制御における差
動制限トルク低下時の低下速度を考慮しておらず、それ
により急激なトルクの増減によるハンチングが生ずる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、その目
的とするところは、充分に後輪偏重のトルク配分に設定
した車両の後輪スリップ率により、スリップ状態に応じ
適切にトルク配分制御して走破性,安定性等を発揮し、
更に差動制限トルクの制御ゲインを加速状態に応じ適正
化すると共に、ゲイン速度を制御してスリップの繰返し
を防ぐことが可能な4輪駆動車の不等トルク配分制御装
置を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、本発明の4輪駆動車のトル
ク配分制御装置は、 (1)前輪と後輪との間にて差動作用を行うセンターデ
ィファレンシャル装置と、上記センターディファレンシ
ャル装置による差動を制限する差動制限装置とを備え、
上記差動制限装置における差動制限トルクを制御して前
後輪へのトルク配分を可変に制御するセンターディファ
レンシャル装置付4輪駆動車において、車輪のスリップ
率を算出するスリップ率算出手段と、加速状態を検出す
る手段と、上記車輪スリップ率あるいは上記車輪スリッ
プ率の目標スリップ率からの偏差に応じて上記差動制限
トルクを設定するとともに、上記加速状態に応じて上記
差動制限トルクのゲインを変更する差動制限トルク設定
手段と、上記差動制限トルクに応じて上記差動制限装置
を駆動する駆動手段とを備えたこと、 (2)上記加速状態を検出する手段はスロットル開度セ
ンサであること、 をそれぞれ特徴とするものである。
〔作用〕
上記構成に基づき、車輪スリップ率が算出され、その
スリップ率が小さい場合はセンターディファレンシャル
装置がフリーで、その基準トルク配分で前後輪に動力伝
達される。また、スリップする場合は差動制限トルク
が、請求項1,2では車輪スリップ率或いは車輪スリップ
率と目標車輪スリップ率の偏差に応じて設定され、設定
された制限トルクのゲインをスロットル開度センサから
の値による加速状態に応じて変更して、急加速時のトル
ク移動を迅速に行い走破性を向上させる。
〔実 施 例〕
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図において、センターディファレンシャル付4輪
駆動車の駆動系の概要について述べると、符号1はエン
ジン、2はクラッチ、3は変速機であり、変速機出力軸
4がセンターディファレンシャル装置20に入力する。セ
ンターディファレンシャル装置20から前方にフロントド
ライブ軸5が、後方にリヤドライブ軸6が出力し、フロ
ントドライブ軸5は、フロントディファレンシャル装置
7,車軸8を介して左右の前輪9に連結し、リヤドライブ
軸6は、プロペラ軸10,リヤディファレンシャル装置11,
車軸12を介して左右の後輪13に連結して、伝動構成され
る。
センターディファレンシャル装置20は、複合プラネタ
リギヤ式であり、出力軸4に連結する第1のサンギヤ21
と、リヤドライブ軸6に連結する第2のサンギヤ22とを
有し、同軸的に連結したピニオン群23の第1,第2のピニ
オンギヤ23a,23bが、第1,第2のサンギヤ21,22に噛合
う。そしてピニオン群23を軸支するキャリヤ24が出力軸
4に回転自在に支持されたリダクションドライブギヤ25
に結合し、リダクションドライブギヤ25がフロントドラ
イブ軸5のリダクションドリブンギヤ26に噛合って成
る。
こうして変速機出力軸4の動力が、第1のサンギヤ21
に入力してピニオン群23を遊星回転させ、これに伴いキ
ャリヤ24からリダクションドライブギヤ25,リダクショ
ンドリブンギヤ26,フロントトライブ軸5等を介して前
輪側と、第2のサンギヤ22からプロペラ軸10等を介して
後輪側に、所定の基準トルク配分で分割して伝達する。
また旋回時の前後輪の回転数差を、ピニオン群23の遊星
回転により吸収するようになっている。
ここで、センターディファレンシャル装置20によるト
ルク配分について詳記すると、複合プラネタリギヤ式で
あり、第1のサンギヤ21と第1のピニオンギヤ23aが、
第2のサンギヤ22と第2のピニオンギヤ23bが、それぞ
れ噛合っている。従って、前輪側トルクTFと後輪側ト
ルクTRは、入力トルクTiに対しこれら4つのギヤの噛
合いピッチ円半径で自由に設定されることになり、この
ため基準トルク配分を、例えば TF:TR=34:66 のように充分に車輪偏重に設定することが可能になる。
また、上記センターディファレンシャル装置20には差
動制限用油圧クラッチ27が付設され、この油圧クラッチ
27は、例えばセンターディファレンシャル装置20の直後
方でドラム27aをキャリヤ24に、ハブ27bをリヤドライブ
軸6に結合して同軸上に配置される。そして油圧クラッ
チ27に差動制限トルクTcが生じると、差動制限トルクTc
に応じて後輪側から前輪側にバイパスしてトルク移動
し、前後輪トルク配分を、上述の後輪偏重から直結のデ
ィファレンシャルロック状態まで可変に制御する。
ここで、フロントエンジンの搭載により車両の静的重
量配分は、例えば WF:WR=62:38 のようになっており、直結時には、この重量配分WF:WR
に応じてトルク配分される。従って、差動制限トルクTc
により前後輪トルク配分は、後輪偏重の基準トルク配分
から前輪偏重の重量配分に及ぶ広い範囲で制御されるこ
とになる。
次いで、油圧クラッチ27の油圧制御系について述べ
る。
符号30はオイルポンプであり、変速機3が自動変速機
の場合はその自動変速用のものであり、レギュレータ弁
31で調圧されたライン圧油路32が、クラッチ制御弁33,
油路34を介して油圧クラッチ27に連通する。また、ライ
ン圧油路32は、パイロット弁35,オリフィス36を有する
油路37によりデューティソレノイド弁38に連通し、デュ
ーティソレノイド弁38によるデューティ圧が油路39を介
してクラッチ制御弁33の制御側に作用するようになって
いる。こうして、デューティソレノイド弁38のデューテ
ィ圧によりクラッチ制御弁33を動作することで、油圧ク
ラッチ27のクラッチ圧と共に差動制限トルクTcが可変に
制御される。
更に、電子制御系について述べるが、先ず基本的制御
方法について述べる。
本発明の制御方法は、後輪偏重で常に先にスリップす
る後輪のスリップ率に基づいてトルク配分をフィードバ
ック制御するものであり、スリップ率Sに対する駆動力
Tと横力Fとの関係は、第2図(a)に示すようになっ
ている。即ち、ノンスリップ(S=0)の状態で最大の
横力Fは、スリップ率Sの増大に応じて徐々に低下し、
また駆動力Tは、S=0の零から増大して所定のスリッ
プ率Sa(10〜20%)以降は低下する特性である。従っ
て、S≦Saの範囲に制御すれば、横力Fは高い状態を保
って後輪による安定性を確保し得ることがわかる。
またスリップ率Sは、対地車速V,タイヤ半径r,後輪角
速度ωRを用いて、以下のように表わされる。
S=(r・ωR−V)/(r・ωR) ここで、約3:7の不等トルク配分で後輪スリップ率S
がS<Saの略線型領域内で制御される場合は、前輪のス
リップ率Sは常に小さくて車速と近似的に同一とするこ
とができる。即ち、前輪角速度ωF,タイヤ半径rとする
と、 V≒r・ωF になる。従って、上述のスリップ率Sは以下のように表
わせる。
S=(r・ωR−r・ωF)/(r・ωR) =(ωR−ωF)/ωR このことから、電子制御系において前輪回転数センサ
40,後輪回転数センサ41,舵角センサ42,スロットル開度
センサ43を有する。前輪回転数センサ40,後輪回転数セ
ンサ41による前輪角速度ωF,後輪角速度ωRは制御ユニ
ット50の後輪スリップ率算出手段51に入力し、後輪スリ
ップ率Sを前輪角速度ωF,後輪角速度ωRを用いて上述
の式により算出する。また前輪角速度ωF,後輪角速度ω
Rは車速算出手段52に入力し、両者の平均値により車速
Vを算出するのであり、この車速Vと舵角センサ42の舵
角ψが目標スリップ率設定手段53に入力する。
目標スリップ率設定手段53は、第2図(a)に示され
るように最大駆動力を得るような値に目標スリップ率Sd
を定めるものである。ここで本発明では、上述のように
実際の後輪スリップ率Sを算出するために対地車速Vと
して前輪角速度ωFを利用するため、転舵時には後輪ス
リップ率Sは前後輪回転数差を含んで実際のスリップ率
から離れてしまう。そこで目標スリップ率Sdは、その誤
差を考慮して車速Vと舵角ψに基づく理論的回転数差で
補正されて、車速Vと舵角ψに応じたマップ等で設定さ
れている。またこの目標スリップ率Sdは、高速転舵時の
安定性,旋回性能等を考慮して補正される。そして後輪
スリップ率S,目標スリップ率Sdは偏差算出手段54に入力
して、偏差ΔSをΔS=S−Sdにより算出する。この偏
差ΔSとスロットル開度センサ43のスロットル開度θと
は、差動制限トルク設定手段55に入力して差動制限トル
クTcを定める。
ここで差動制限トルクTcは、第2図(b)に示される
ようにスロットル開度θが一定の場合に、偏差ΔSに対
しΔSb<ΔS<ΔSaの制御域で増大関数で設定されてい
る。即ち、下限の偏差ΔSb以下では不感帯としてTc=0
であり、下限の偏差ΔSb以上で偏差ΔSの増大に応じて
差動制限トルクTcは徐々に高くなり、上限の偏差ΔSa以
上において差動制限トルクTcは直結の最大値が生じるよ
うになっている。また、この特性の立上りは、スロット
ル開度θの増大に応じて急になるように複数あるいはリ
ニアに設定されている。
この差動制限トルクTcは、制御量設定手段56に入力し
て差動制限トルクTcに応じたデューティ比Dに変換さ
れ、このデューティ信号が駆動手段57を介してデューテ
ィソレノイド弁38に出力される。
一方、かかる後輪のスリップ率Sのフィードバック制
御において、偏差ΔSと共に差動制限トルクTcが増大す
る方向は問題がないが、偏差ΔSと共に差動制限トルク
Tcが減少する方向では、差動制限トルクTcを減少制御し
た直後に再びスリップが発生して差動制限トルクTcを増
大制御することを繰返す危惧がある。そこで、このよう
なハンチングを防止するため、差動制限トルク設定手段
55の出力側にトルク低下速度補正手段58を有し、記憶手
段59の前回の差動制限トルクTc′と今回の差動制限トル
クTcとを比較判断する。そしてTc′−Tc>k(kは正の
定数)のトルク低下時は、Tc=Tc′−kに低下速度を制
限するようになっている。
次いで、かかる構成の不等トルク配分制御装置の作用
を、第3図のフローチャートと第4図の特性図を用いて
述べる。
先ず、車両走行時にエンジン1の動力がクラッチ2を
介して変速機3に入力し、変速動力がセンターディファ
レンシャル装置20の第1のサンギヤ21に入力する。ここ
で、センターディファレンシャル装置20の各歯車諸元に
より基準トルク配分が、TF:TR=34:66に設定されてい
ることで、変速動力がこのトルク配分でキャリヤ24と第
2のサンギヤ22とに分配して出力される。
一方、このとき前輪回転数センサ40,後輪回転数セン
サ41で前輪角速度ωF,後輪角速度ωRが検出され、これ
が制御ユニット50の後輪スリップ率算出手段51に入力
し、車速に近似的な前輪角速度ωFを用いて後輪スリッ
プ率Sが算出される。
他方、目標スリップ率設定手段53で、車速Vと舵角ψ
とにより目標スリップ率Sdがマップ検索されている。次
に偏差算出手段54で、後輪スリップ率Sと目標スリップ
率Sdとの偏差ΔSが求められる。
そこで、ΔS≦ΔSbの後輪スリップ率Sがほとんど目
標スリップ率に収束している場合は、差動制限トルク設
定手段55でTc=0に設定され、これに応じたデューティ
比Dの大きい信号がデューティソレノイド弁38に入力す
る。このため、油圧制御系においてデューティソレノイ
ド弁38により略零のデューティ圧がクラッチ制御弁33に
入力してドレン側に切換えることで、油圧クラッチ27は
Tc=0の解放状態になる。
そこで、センターディファレンシャル装置20のトルク
配分に基づき、34%のトルクが、キャリヤ24からリダク
ションドライブギヤ25,リダクションドリブンギヤ26,フ
ロントドライブ軸5以降の前輪9に伝達し、66%のトル
クが、リヤドライブ軸6以降の後輪13に伝達し、第4図
に示されるように、点P1のような後輪偏重の4輪駆動走
行となる。そしてこのトルク配分ではFR車的になって、
回頭感が良好に発揮される。
また、センターディファレンシャル装置20はフリーの
ため、旋回時には、前後輪の回転数差に応じてピニオン
群23が遊星回転してその回転数差を完全に吸収するので
あり、こうして自由に旋回することが可能になる。
次いで、低μ路等のスリップし易い走行条件では、常
に先に後輪13がスリップする。そして目標スリップ率設
定手段53で、各走行状態に応じた目標スリップ率Sdが設
定され、後輪スリップ率Sと目標スリップ率Sdとの偏差
ΔSが下限の偏差ΔSb以上になって後輪13による安定性
が失われるようになると、差動制限トルク設定手段55で
偏差ΔSに応じた差動制限トルクTcが設定され、油圧ク
ラッチ27に差動制限トルクTcが生じる。そこでセンター
ディファレンシャル装置20の差動は制限され、差動制限
トルクTcに応じ後輪13から前輪9にトルク移動し、トル
ク配分は第4図に示すように、点P2のように前輪寄りに
なる。こうして後輪13は、トルク減少でスリップ回避し
て安定性が回復することになり、更に目標スリップ率Sd
で各走行状態に適したトルク配分に補正されて、高速転
舵時の安定性,回頭感も発揮することになる。
また、かかるトルク配分制御において、スロットル開
度θに代表されるようなセンターディファレンシャル装
置20への入力トルクの大きい時には、差動制限トルクTc
の立上りが急になることで迅速にトルク移動し、かつト
ルク配分は更に前輪寄りに移行して、特に加速時の安定
性,走破性が増す。一方、後輪スリップ率Sの値が差動
制限トルクTcにより小さくなり目標スリップ率Sdとの偏
差ΔSの値が小さくなると、トルク低下速度補正手段58
で前回の差動制限トルクTc′と、今回の差動制限トルク
Tcとが比較され、トルク低下量が大きい場合は、Tc=T
c′−kに低下速度が制限され、差動制限トルクTcの低
下速度が減少補正される。そこで例えば第4図の点P2
ら後輪寄りのトルク配分にゆっくり戻り、このため偏差
ΔSの減少開始直後に再び偏差ΔSが増大してハンチン
グを生ずることが防止される。
一方、ΔS≧ΔSaの場合で極度に不安定になると、油
圧クラッチ27の差動制限トルクTcは最大になる。このた
め、センターディファレンシャル装置20は、ディファレ
ンシャルロックされて直結式4輪駆動走行になり、この
場合のトルク配分は第4図に示されるように、点P3のよ
うに車両重量配分と等しい前輪偏重になって、走破性,
脱出性等が最大限発揮されるのである。
第5図において、本発明の他の実施例について説明す
る。
制御ユニット50は、前輪回転数センサ40の前輪角速度
ωF,後輪回転数センサ41の後輪角速度ωRから後輪スリ
ップ率Sを算出する第1の実施例と同様の後輪スリップ
率算出手段60を有しており、この後輪スリップ率Sは差
動制限トルク設定手段61に入力し、差動制限トルクTcを
定める。ここで差動制限トルクTcは、第6図に示す如く
最大駆動力が得られる上限のスリップ率Saと、制御上の
不感帯を考慮して設定された下限のスリップ率Sbとの範
囲で後輪スリップ率Sに対してリニアに設定されてお
り、さらにセンターディファレンシャル装置20への入力
トルクを代表するスロットル開度センサ43からのスロッ
トル開度θに対しても増大関数で設定されており、従っ
て差動制限トルクTcは、後輪スリップ率Sおよびスロッ
トル開度θをパラメータとしたマップを検索することに
より設定される。この差動制限トルクTcは、トルク低下
速度補正手段62に入力し、記憶手段63の前回の差動制限
トルクTc′と今回の差動制限トルクTcとを比較し、Tc≧
Tc′の場合はそのままTcを制御量設定手段64に出力し、
Tc′−Tc>k(kは正の定数)でトルクが大きく低下す
る場合はTc=Tc′−kと補正し、トルク低下速度を制限
して出力する。制御量設定手段64では、トルク低下速度
補正手段62からの差動制限トルクTcをデューティ比Dに
変換し、このデューティ信号が駆動手段65を介してデュ
ーティソレノイド弁38に出力される。
第7図に上述の他の実施例に関する制御フローチャー
トの一例を示す。
以上のように他の実施例においても、センターディフ
ァレンシャル装置20への入力トルクに応じて差動制限ト
ルクTcの立上りが可変に制御され、加速時の車両の安定
性が向上すると共に、差動制限トルクTcの低下速度が制
限されることにより差動制限トルクTcの増減のハンチン
グが防止される。
以上、本発明の実施例について述べたが、センターデ
ィファレンシャル装置への入力トルクは計算により求め
てもよく、またスロットル開度以外の代表パラメータを
用いてもよい。
〔発明の効果〕
以上述べてきたように、本発明によれば、 センターディファレンシャル装置付で充分な後輪偏重
のトルク配分制御であるから、4輪駆動車の操縦安定性
の他に、FR車的な回頭感,旋回性能も発揮し得る。
さらに、後輪偏重のトルク配分であることで常に先に
スリップする後輪のスリップ率を算出し、少なくともこ
のスリップ率に応じ差動制限トルクを設定するので、ス
リップ状態に応じ適切にトルク配分制御できる。
さらにまた、差動制限トルクはセンターディファレン
シャル装置への入力トルクに応じ変更されるので、特に
高負荷時の走破性が向上する。
また、差動制限トルクの低下速度の制限により、後輪
スリップ率に対するフィードバック制御のハンチングが
確実に防止され、制御が安定化する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の4輪駆動車の不等トルク配分制御装置
の第1の実施例を示す構成図、 第2図(a)はスリップ率に対する駆動力,横力の特性
図,(b)は第1の実施例における差動制限トルクの特
性を示す図、 第3図は第1の実施例における不等トルク配分制御の作
用のフローチャート図、 第4図は第1の実施例における不等トルク配分制御状態
を示す特性図、 第5図は本発明の第2の実施例の制御ユニットの構成を
示す図、 第6図は第2の実施例における差動制限トルクの特性を
示す図、 第7図は第2の実施例における制御のフローチャート図
である。 3……変速機、9……前輪、13……後輪、20……センタ
ーディファレンシャル装置、27……差動制限用油圧クラ
ッチ、33……クラッチ制御弁、38……デューティソレノ
イド弁、50……制御ユニット、51,60……後輪スリップ
率算出手段、55,61……差動制限トルク設定手段、58,62
……トルク低下速度補正手段

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】前輪と後輪との間にて差動作用を行うセン
    ターディファレンシャル装置と、上記センターディファ
    レンシャル装置による差動を制限する差動制限装置とを
    備え、上記差動制限装置における差動制限トルクを制御
    して前後輪へのトルク配分を可変に制御するセンターデ
    ィファレンシャル装置付4輪駆動車において、 車輪のスリップ率を算出するスリップ率算出手段と、加
    速状態を検出する手段と、上記車輪スリップ率あるいは
    上記車輪スリップ率の目標スリップ率からの偏差に応じ
    て上記差動制限トルクを設定するとともに、上記加速状
    態に応じて上記差動制限トルクのゲインを変更する差動
    制限トルク設定手段と、上記差動制限トルクに応じて上
    記差動制限装置を駆動する駆動手段とを備えたことを特
    徴とする4輪駆動車のトルク配分制御装置。
  2. 【請求項2】上記加速状態を検出する手段はスロットル
    開度センサであることを特徴とする請求項1記載の4輪
    駆動車のトルク配分制御装置。
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