JP3004152B2 - 2自由度pid調節装置 - Google Patents

2自由度pid調節装置

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JP3004152B2 JP5219518A JP21951893A JP3004152B2 JP 3004152 B2 JP3004152 B2 JP 3004152B2 JP 5219518 A JP5219518 A JP 5219518A JP 21951893 A JP21951893 A JP 21951893A JP 3004152 B2 JP3004152 B2 JP 3004152B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種のプロセス計装制
御システム等に利用される2自由度PIまたは2自由度
PID(P:比例、I:積分、D:微分)調節装置に係
わり、特に外乱抑制特性と目標値追従特性の双方を同時
に最適化する2自由度PID調節装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】PIまたはPID調節装置は、制御の有
史以来あらゆる産業分野で多用されており、もはや各産
業分野の制御システムではPIまたはPID調節装置無
しには成り立たなくなってきている。
【0003】従来の調節装置には、種々の調節演算方式
が採用されているが、時代の推移に伴ってアナログ調節
演算方式からディジタル調節演算方式に移行しており、
今後もその傾向には変りがなく、プラント運転制御シス
テムの基盤をなしている。
【0004】このPID調節演算の基本式は下記式で表
される。 MV(s) =Kc{1+(1/TI ・s)+ [(TD ・s)/(1+η・TD ・s)]}×E(s) ……(1) 但し、(1)式においてMV(s) :操作信号、E(s) :
偏差信号、Kc :比例ゲイン、TI :積分時間、TD
微分時間、s :ラプラス演算子、(1/η):微分ゲイ
ンである。
【0005】ところで、この(1)式のPIDは1自由
度PID調節方式と呼ばれ、PIDパラメータが1組し
か設定できない。しかし、実際の制御系では、外乱抑制
最適PIDパラメータと目標追従最適PIDパラメータ
との値が大きく異なっており、外乱抑制特性を最適化す
るようにPIDパラメータを調整すると目標値追従特性
が大きくオーバシュートして振動的な特性となり、逆に
目標値追従特性を最適化しようとすると、外乱抑制特性
が劣化する。つまり、この両者の特性は同時に最適化す
ることが出来ず、二律背反の関係となる。
【0006】そこで、この種のPID調節装置では、外
乱抑制特性と目標値追従特性とを同時に最適化できる技
術の出現が望まれていた。ところが、1963年におい
てIssac M.HorowitsがPIDパラメー
タをそれぞれ独立して2組設定できる2自由度PIDア
ルゴリズム(Two Degrees of Freedom PID
Algorithm:以下、2DOF PIDと略称する)の基
本概念が発表するに至った。
【0007】その後、かかる2DOF PIDは実用化
の方向に歩み出し、最近ではプラント運転制御システム
の高度化に大きく貢献している。これまでの2自由度化
は、比例(P)調節演算動作と積分(I)調節演算動作
との2自由度であり、以下、かかる従来の2DOF P
ID調節装置の構成について図5を参照して説明する。
【0008】この図5はPIの2項を2自由度化した従
来の2DOF PID調節装置の中でも最も先進的なも
のの機能ブロックを示す図である。この調節装置の調節
演算方式は、測定値微分先行形1自由度PIDの目標値
に補償演算手段を挿入し、PIの2項を2自由度化した
構成である。
【0009】具体的には、目標値SVn を(1+αβT
I ・s)/(1+βTI ・s)なる伝達関数をもつ目標
値フィルタ手段1に導き、ここで得られる目標値演算信
号を偏差演算手段2に導入する。この偏差演算手段2で
は、目標値演算信号と制御対象7ー1からの制御量検出
手段8によって検出された制御量PVn との偏差を求め
た後、PI調節手段3に印加し、ここで得られたPI調
節演算出力を減算手段4に送出する。また、制御量検出
手段8で検出された制御量PVn はD(微分)調節手段
5に送られ、ここで微分調節演算によってD調節演算出
力を得た後、同様に減算手段4に送出される。
【0010】この減算手段4では、PI調節演算出力か
らD調節演算出力を減算し、この減算出力に比例ゲイン
手段6にて比例ゲインKp を乗算して操作信号MVn
してプロセス7に印加し、目標値SVn =制御量PVn
となるように制御している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、以上のような
調節装置は、比例ゲインと積分時間の2自由度について
考えられているが、実際に制御系の伝達関数をもって表
してみると、次のような形となる。つまり、PV→MV
間の伝達関数をCpv(s) 、SV→MV間の伝達関数をC
sv(s) とすると、 Cpv(s) =MVn /PVn =−Kp {1+1/(TI ・s)+(TD ・s)/(1+ηTD ・s)} ……(2) CSV(s) =MVn /SVn =KP {α+[1/(TI ・s) −(1−α)(β−1)/(1+βTI ・s)]}…(3) で表される。ここで、αは比例ゲイン2自由度化係数、
βは積分時間2自由度化係数である。そこで、この図5
から応答式を求めると、 PVn ={[CSV(s) ・Gp (s) ]/[1−Cpv(s) ・Gp (s) ]}・SVn +{Gp (s) /[1−Cpv(s) ・Gp (s) ]}・Dn (s) …(4) で表され、この(4)式の前段はSV変化に対する項で
あり、後段は外乱Dに関する項である。
【0012】従って、以上の式から明らかなように、前
記(4)式から外乱抑制特性が最適になるようにKP
I ,TD を決定した後、前記(4)式と(3)式とに
基づいて目標値追従特性が最適となるようにα,βを決
定すれば、比例動作と積分動作との2自由化度を達成で
きる。
【0013】しかし、PID動作の中で積分動作は非常
に重要な地位を占めているにも拘らず、前記(3)式か
ら明らかなように、 (1) 積分動作の2自由度化のメカニズムが複雑で、
分かりにくいこと。 (2) 積分動作の2自由度化に、積分時間2自由度化
係数βの他に、比例ゲイン2自由度化係数αが関与して
おり、2つの係数が相互に干渉し、非常に調整が難しい
こと。 (3) さらに、積分時間2自由化係数が分母と分子に
入っているので、βを可変した影響が直感的に理解しに
くく、非常に煩雑さが否めないこと。
【0014】2自由度PID制御を広く普及させ、プラ
ントの制御性を高度化するためには、これらの問題点を
是非とも克服しなければならない。本発明は上記実情に
鑑みてなされたもので、比例動作の2自由度化と積分動
作の2自由度化とを完全に分離し、積分動作の2自由度
化をシンプルで分かり易い構成にし、2自由度化係数の
調整を容易にし、特に積分時間2自由度化係数の調整を
直感的に把握し易くする2自由度PID調節装置を提供
することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1,2に対応する発明は、制御対象からの制
御量とこの制御量の目標値から補償演算を行って得られ
る実効目標値との偏差が零となるようにPIまたはPI
D(P:比例,I:積分,D:微分)調節演算を行い、
得られる調節信号を操作信号として前記制御対象に印加
する調節装置において、前記制御量の目標値から実効目
標値を得るために、比例ゲインの2自由度化係数αおよ
び積分時間の2自由度化係数βを用いた補償演算手段を
設け、かつ、前記目標値から前記操作信号間の伝達関数
sv(s) が下式となるように構成した2自由度PID調
節装置。
【0016】 Csv(s) =Kp {α+1/[TI ・s(1+βTI ・s)]} …(5) そして、前記補償演算手段としては、 H(s) =α{1−1/(1+TI ・s)}+ 1/[(1+TI ・s)(1+βTI ・s)]}… (6) なる伝達関数H(s) を有し、得られる前記実効目標値
を、測定値微分先行形PID調節手段の目標値とするも
のである。
【0017】次に、請求項3に対応する発明は、制御対
象からの制御量とこの制御量の目標値から補償演算を行
って得られる実効目標値とを用いてPIまたはPID
(P:比例,I:積分,D:微分)調節演算を行い、得
られる調節信号を操作信号として前記制御対象に印加す
る調節装置において、前記制御量の目標値から測定値微
分先行形PID調節手段の目標値である実効目標値を得
るために、 F(s) =1/{(1+TI ・s)(1+βTI ・s)} … (7) なる伝達関数F(s) をもつ補償演算手段を設け、さらに
前記制御量の目標値に比例ゲインの2自由度化係数αを
乗じた目標値の単位比例調節信号を、前記測定値微分調
節手段に加算合成する2自由度PID調節装置である。
【0018】さらに、請求項4に対応する発明は、制御
対象からの制御量とこの制御量の目標値から補償演算を
行って得られる実効目標値とを用いてPIまたはPID
(P:比例,I:積分,D:微分)調節演算を行い、得
られる調節信号を操作信号として前記制御対象に印加す
る調節装置において、前記制御量の目標値からI−PD
調節手段の目標値とする実効目標値を得るために、 E(s) =1/(1+βTI ・s) … (8) なる伝達関数E(s) をもつ補償演算手段を設け、かつ、
前記制御量の目標値に比例ゲインの2自由度化係数αを
乗じた値から前記制御量を減じた単位比例調節信号を、
前記I−PD調節手段に加算合成する2自由度PID調
節装置である。
【0019】但し、前記(5)式ないし(8)式におい
てKp :比例ゲイン、TI :積分時間、s:ラプラス演
算子、α:比例ゲインの2自由度化係数(0〜1間の定
数)、β:積分時間の2自由度化係数(0〜2間の定
数)である。
【0020】
【作用】従って、請求項1ないし請求項4に対応する発
明は以上のような手段を講じたことにより、2自由度化
係数であるα,βが完全に分離され、何れか一方の係数
を変化させても他方は変化せず、しかも係数βが分母の
みに挿入されているので、積分時間の2自由度化係数β
を調整したとき、直感的に把握可能となる。
【0021】
【実施例】先ず、本発明装置の基本構成である請求項1
に係わる発明の実施例について説明する。本装置は、上
述した従来の問題点を解決する観点から、比例ゲイン2
自由度化係数αと積分時間2自由度化係数βとが相互に
干渉しない構成とすることが前提であり、これにより
α,βが相互に影響を受けることなく独立に可変するこ
とができる。
【0022】また、積分時間の2自由度化係数βは、α
から完全に独立しても、β自体が分子と分母とに存在す
る場合にはβによる可変結果が直感的に把握できないこ
とになる。
【0023】そこで、本発明者は、以上の点を考慮しつ
つ、制御系に十分に適用可能か否かを含めて種々の実験
を積み重ねながら理想形を追及したところ、目標値から
操作信号間の伝達関数Csv(s) として次式のような伝達
関数をもつ構成が理想的であることが判明された。
【0024】 Csv(s) =Kp {α+1/[TI ・s(1+βTI ・s)]} …(9) 但し、Kp :比例ゲイン、TI :積分時間、s:ラプラ
ス演算子、α:比例ゲインの2自由度化係数(0〜1間
の定数)、β:積分時間の2自由度化係数(0〜2間の
定数)である。
【0025】従って、この(9)式の伝達関数をもつ構
成であれば、2自由度化係数α,βは互いに完全に分離
しており、αまたはβを可変しても他方が全く変化せ
ず、しかもβは分母の1次遅れ要素TI ・sに乗算する
形で入るので、このβだけの可変で後段の積分項のみが
変化する非常な簡素な調整構成となる。このことは、β
の可変による影響が直感的に把握できる。
【0026】次に、請求項2に係わる発明の一実施例に
ついて図1を参照して説明する。この実施例装置は、前
記(9)式の伝達関数Csv(s) を前提にし、目標値SV
n から測定値微分先行形PID調節手段の目標値である
実効目標値SVn0を得るために、補償演算手段10を改
良したものであり、その他は従来装置である図5と同一
であるので、同一符号を付して重複する構成部分の説明
は省略する。
【0027】従って、本発明装置においては、従来装置
と比較して特に異なる部分を中心に説明する。すなわ
ち、この補償演算手段10は、目標値SVn の入力ライ
ンが2分岐され、その一方のラインの目標値SVn は減
算手段11に導入され、他方の入力ラインの目標値SV
n は積分時間TI を時定数とする1次遅れ手段12に導
入される。この1次遅れ手段12では、目標値SVn
所要時間だけ遅れ補償して出力し、前記減算手段11お
よびβTI (β:積分時間の2自由度化係数)を時定数
とする1次遅れ手段13に供給する。
【0028】前記減算手段11は目標値SVn から1次
遅れ手段12の出力を減算し、得られる減算出力に係数
手段14にて比例ゲイン2自由度化係数αを乗じた後、
加算手段15に導く。この加算手段15では比例ゲイン
2自由度化係数の乗算値と1次遅れ手段13の出力とを
加算合成し、1自由度の測定値微分先行形PID調節装
置の実効目標値SVn0を得、偏差演算手段2に供給する
構成となっている。
【0029】従って、このような実施例の構成であれ
ば、伝達関数Csv(s) は前記(9)式と同様な伝達関数
となるばかりでなく、補償演算手段10は下記する(1
0)式のような伝達関数H(s) となる。具体的に伝達関
数で表現してみると、 Csv(s) =H(s) ・{1+1/(TI ・s)}・Kp =Kp {α+1/[TI ・s(1+βTI ・s)]} H(s) =αTI ・s/(1+TI ・s) +1/{(1+TI ・s)・(1+βTI ・s)} =α{1−1/(1+TI ・s)}+ 1/{(1+TI ・s)(1+βTI ・s)}…(10) つまり、この(10)式が補償演算手段10の伝達関数
H(s) となる。従って、この図1における目標値SVn
→操作信号MVn 間の伝達関数は前記(9)式の理想形
を維持しながら、前記(10)式から明らかなように、
比例ゲイン2自由度化係数αと積分時間2自由度化係数
βとを完全に分離でき、かつ、積分時間2自由度化係数
βについても分母のみに存在する形となる。
【0030】次に、請求項3に係わる発明の一実施例に
ついて図2を参照して説明する。なお、同図において図
5と同一部分には同一符号を付し、その詳しい説明は省
略する。
【0031】すなわち、この装置は、目標値SVn の入
力ラインが2分岐され、その一方の入力ラインの目標値
SVn は係数手段21にて比例ゲイン2自由度化係数α
を乗算して単位比例調節信号を得、前記減算手段4に加
算合成する。
【0032】他方の入力ラインの目標値SVn は、積分
時間TI を時定数とする1次遅れ手段22およびβTI
(β:積分時間2自由度化係数)を時定数とする1次遅
れ手段23を経由し、測定値微分先行形PID調節装置
の目標値である実効目標値を得、偏差演算手段2に供給
する構成である。
【0033】従って、このような実施例の構成によれ
ば、目標値SVn →操作信号MVn 間の伝達関数C
sv(s) は、 Csv(s) =MVn /SVn =Kp {α+[1/(1+TI ・s)]・[1/(1+βTI ・s)] ・[(1+TI ・s)/(TI ・s)]} =Kp {α+1/[TI ・s(1+βTI ・s)]} …(11) となる。従って、この(11)式は前記(9)式と等し
い伝達関数となる。
【0034】従って、図2のように構成した場合にも同
様に理想形に実現でき、このときの目標値SVn から測
定値微分先行形PID調節装置の目標値である実効目標
値を得るための補償演算手段の伝達関数F(s) は、図2
から明らかなように、 F(s) =1/{(1+TI ・s)・(1+βTI ・s)} …(12) となる。この場合にも、積分時間2自由度化係数βは比
例ゲイン2自由度化係数αと完全に分離され、かつ、積
分時間2自由度化係数βについても分母のみに存在する
形となる。
【0035】さらに、請求項4に係わる発明の一実施例
について図3を参照して説明する。この装置は、目標値
SVn の入力ラインが2分岐され、その一方の入力ライ
ンの目標値SVn は係数手段31にて比例ゲイン2自由
度化係数αを乗じて減算手段32に導入され、ここで係
数乗算値から制御量PVn を減算して単位比例調節信号
を得る。
【0036】他方の入力ラインの目標値SVn は、βT
I (β:積分時間2自由度化係数)を時定数とする1次
遅れ手段33を経由し、I−PD調節手段の目標値であ
る実効目標値を得、偏差演算手段2に供給し、偏差演算
を行った後、積分手段34に供給する。
【0037】そして、前記単位比例調節信号と積分手段
34の積分出力とを減算手段4で加算合成し、さらに当
該加算合成値からD調節手段5の出力を減算し、園結果
を比例ゲイン手段6に導き、比例ゲインKp を乗じた信
号を操作信号としてプロセス7に印加し、制御量PVn
=目標値SVn となるように制御する。
【0038】この実施例の構成における目標値SVn
操作信号MVn 間の伝達関数Csv(s) は、 Csv(s) =MVn /SVn =Kp {α+1/[TI ・s(1+βTI ・s)]} …(13) となり、前記(9)式と同じ理想形の構成となる。
【0039】このときのI−PD調節手段の目標値であ
る実効目標値を得る補償演算手段の伝達関数E(s) は、
図3から明らかなように、 E(s) =1/(1+βTI ・s) …(14) となる。
【0040】しかして、従来装置においては、付加すべ
き補償演算手段について単にPIの2自由度化を実現す
る方向だけに依存するあまり、積分動作が分かり易いと
か、調整し易いとかに関知せずに実現されていたが、本
装置における各請求項の実施例では比例および積分の2
自由度化の理想形を前記(9)式のように設定し、これ
を実現するための補償演算手段を求めるという逆転の発
想から、それぞれの補償演算手段の構成を実現するに至
ったものである。
【0041】次に、積分項の2自由度化について考えて
みる。今、基本積分=Kp /TI ・sと2自由度化積分
=KI /{TI ・s(1+βTI ・s)}との比U(s)
、U(s) ={1/[TI ・s(1+βTI ・s)]}
/(1/TI ・s)についてβ≧0なる調整をすると、
その初期値と最終値は次のようになる。
【0042】
【数1】
【0043】この関係を図示すると、図4に示すように
なる。つまり、β(β≧0)を可変することにより、積
分動作を等価的に変化させることができ、シンプルで分
かり易い構成となり、積分動作の2自由度化を実現でき
る。なお、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変
形して実施できる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、P
ID制御の2自由度化のための積分動作の2自由度化を
非常にシンプルな形とし、かつ、比例ゲイン2自由度化
係数αと積分時間2自由度化係数βの相互干渉を除去で
きる補償演算手段を設けたことにより、 (1) 積分動作の2自由度化が非常に簡単になり、か
つ、分かり易い形に実現できる。 (2) 積分動作の2自由度化において比例ゲイン2自
由度化係数αの関与を排除でき、調整が簡単になる。 (3) さらに、積分動作の2自由度化係数βの関与を
分母のみとし、シンプルで2自由度化係数βの調整時に
直感的に把握可能となる。
【0045】このように本発明装置は、従来の欠陥を完
全に克服し、2自由度PID調節装置のを分かり易く、
調整し易くし、広範囲に適用可能とすることができる。
その結果、今後のプラント制御システムへの適用が拡大
し、プラント全体の制御性を革新でき、ひいては産業界
に大きな貢献をもたらすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項2に係わる発明の一実施例を示す構成
図。
【図2】請求項3に係わる発明の一実施例を示す構成
図。
【図3】請求項4に係わる発明の一実施例を示す構成
図。
【図4】積分時間2自由度化係数βを可変したときの積
分動作出力特性図。
【図5】従来の2自由度PID調節装置の構成図。
【符号の説明】
2…偏差演算手段、3…PI調節手段、4…減算手段、
5…D調節手段、6…比例ゲイン手段、7…プロセス、
7-1…制御対象、10…補償演算手段、12,13,2
2,23,33…1次遅れ手段、14,21,31…係
数手段、34…積分手段。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御対象からの制御量とこの制御量の目
    標値から補償演算を行って得られる実効目標値との偏差
    が零となるようにPIまたはPID(P:比例,I:積
    分,D:微分)調節演算を行い、得られる調節信号を操
    作信号として前記制御対象に印加する調節装置におい
    て、 前記制御量の目標値から実効目標値を得るために、比例
    ゲインの2自由度化係数αおよび積分時間の2自由度化
    係数βを用いた補償演算手段を設け、かつ、前記目標値
    から前記操作信号間の伝達関数Csv(s) が下式となるよ
    うに構成したことを特徴とする2自由度PID調節装
    置。 Csv(s) =Kp {α+1/[TI ・s(1+βTI
    s)]} 但し、Kp :比例ゲイン、TI :積分時間、s:ラプラ
    ス演算子、α:比例ゲインの2自由度化係数(0〜1間
    の定数)、β:積分時間の2自由度化係数(0〜2間の
    定数)
  2. 【請求項2】 補償演算手段は、 H(s) =α{1−1/(1+TI ・s)}+1/[(1
    +TI ・s)(1+βTI ・s)]} なる伝達関数H(s) を有し、得られる前記実効目標値
    を、測定値微分先行形PID調節手段の目標値とするこ
    とを特徴とする請求項1記載の2自由度PID調節装
    置。
  3. 【請求項3】 制御対象からの制御量とこの制御量の目
    標値から補償演算を行って得られる実効目標値とを用い
    てPIまたはPID(P:比例,I:積分,D:微分)
    調節演算を行い、得られる調節信号を操作信号として前
    記制御対象に印加する調節装置において、 前記制御量の目標値から測定値微分先行形PID調節手
    段の目標値である実効目標値を得るために、 F(s) =1/{(1+TI ・s)(1+βTI ・s)} なる伝達関数F(s) をもつ補償演算手段を設け、さらに
    前記制御量の目標値に比例ゲインの2自由度化係数αを
    乗じた目標値の単位比例調節信号を、前記測定値微分調
    節手段に加算合成することを特徴とする2自由度PID
    調節装置。但し、上式においてTI :積分時間、s:ラ
    プラス演算子、α:比例ゲインの2自由度化係数(0〜
    1間の定数)、β:積分時間の2自由度化係数(0〜2
    間の定数)
  4. 【請求項4】 制御対象からの制御量とこの制御量の目
    標値から補償演算を行って得られる実効目標値とを用い
    てPIまたはPID(P:比例,I:積分,D:微分)
    調節演算を行い、得られる調節信号を操作信号として前
    記制御対象に印加する調節装置において、 前記制御量の目標値からI−PD調節手段の目標値とす
    る実効目標値を得るために、 E(s) =1/(1+βTI ・s) なる伝達関数E(s) をもつ補償演算手段を設け、さらに
    前記制御量の目標値に比例ゲインの2自由度化係数αを
    乗じた値から前記制御量を減じた単位比例調節信号を、
    前記I−PD調節手段に加算合成することを特徴とする
    2自由度PID調節装置。但し、上式においてTI :積
    分時間、s:ラプラス演算子、α:比例ゲインの2自由
    度化係数(0〜1間の定数)、β:積分時間の2自由度
    化係数(0〜2間の定数)
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