JP2998077B2 - 電子部品の樹脂封止成形方法及び金型 - Google Patents

電子部品の樹脂封止成形方法及び金型

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JP2998077B2
JP2998077B2 JP23335497A JP23335497A JP2998077B2 JP 2998077 B2 JP2998077 B2 JP 2998077B2 JP 23335497 A JP23335497 A JP 23335497A JP 23335497 A JP23335497 A JP 23335497A JP 2998077 B2 JP2998077 B2 JP 2998077B2
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道男 長田
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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Encapsulation Of And Coatings For Semiconductor Or Solid State Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、リードフレーム等の
シート部材に装着されたIC等の電子部品を樹脂材料に
て封止成形するための電子部品の樹脂封止成形方法とそ
の金型の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、金属製のリードフレームに装
着した電子部品を、所謂、トランスファモールド法を用
いて樹脂封止成形することが知られている。
【0003】また、前記したリードフレームと同様にし
て用いられているプラスチック製のシート部材として、
所謂、プリント回路板若しくはPCボード(Printed Cir
cuitBoard) と称されているものが知られている。前記
PCボード等のシート部材はプラスチック等を素材とし
て成形されているために所要の柔軟性を有すると共に、
その表面部には電子回路やIC等の電子部品が装着され
ており、前記したトランスファモールド法を用いて前記
電子部品を樹脂封止成形することできるように構成され
ている。
【0004】前記したトランスファモールド法は、例え
ば、固定上型と可動下型とから成る樹脂成形用金型を用
いて、まず、前記下型の型面に設けたセット部(セット
用凹所)に、前記金属製リードフレーム等のシート部材
を嵌合セットして前記両型を型締めし且つ前記電子部品
を前記上型の型面に設けた樹脂成形用のキャビティ内に
嵌装し、次に、溶融樹脂材料移送用の樹脂通路(ランナ
及びゲート等)を通して溶融樹脂材料を前記キャビティ
内に注入充填させることにより、前記シート部材上の電
子部品を前記キャビティ形状に対応して成形されるモー
ルドパッケージ(樹脂封止成形体)内に封止成形するも
のである。
【0005】また、前述したように、前記したシート部
材に装着された電子部品を樹脂封止成形した場合、前記
ゲート等の樹脂通路内で硬化した製品としては不要な樹
脂が前記シート部材に付着一体化されると共に、前記キ
ャビティ内等から該両型面間に溶融樹脂材料が浸入して
硬化することにより前記シート部材の表面に樹脂ばりが
付着形成され易い。
【0006】即ち、前記したゲート等の樹脂通路内で硬
化した不要な樹脂及びキャビティの外周囲等に発生する
樹脂ばりは、前記したシート部材の表面に付着するの
で、前記したゲート内等の不要な硬化樹脂の切断時(所
謂、ゲート切断時)に、前記不要な硬化樹脂を、或い
は、前記樹脂ばりの除去時に、前記樹脂ばりを、前記シ
ート部材の表面から除去することが非常に難しい。ま
た、前記した不要な硬化樹脂及び樹脂ばりは前記シート
部材に付着しているので、前記したゲート切断時に、或
いは、前記樹脂ばりの除去時に、前記したシート部材の
表面に損傷等が発生し易く、前記したシート部材の表面
に設けられた所要の電子回路を断線し易い。また、前記
したゲート切断時に、前記ゲート内で硬化した不要な樹
脂に接続されたパッケージにクラック及び破損が発生し
易くなると共に、前記ゲート切断後において、前記した
クラック及び破損によって前記パッケージの係着搬送が
困難になることがある。
【0007】従って、前記した不要な硬化樹脂及び樹脂
ばりを前記シート部材の表面から除去し易くするため
に、例えば、前記したシート部材の表面に樹脂との接着
力が低いAuメッキ等を表面処理する構成にて、或い
は、前記シート部材に硬化樹脂剥離用のフィルムを重合
貼着して一体化したものを用いる構成にて、前記した不
要な硬化樹脂及び樹脂ばりを前記シート部材から除去し
易くすることが検討されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記A
uメッキを表面処理する構成には、予め、前記シート部
材の表面に高価なAuメッキを表面処理する工程が必要
になることから、また、前記したフィルム一体化シート
部材を用いる構成には、予め、前記フィルムを重合貼着
する工程が必要になることから、製品(モールドパッケ
ージ)の全体的な生産性を著しく低下させると云った弊
害がある。
【0009】即ち、本発明は、電子部品を装着したシー
ト部材を樹脂封止成形する場合に、ゲート等の樹脂通路
内で硬化した不要な樹脂及び樹脂ばりを容易に除去し得
て、製品(モールドパッケージ)の生産性を向上させる
ことのできる電子部品の樹脂封止成形方法とその金型を
提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記した技術的課題を解
決するための本発明に係る電子部品の樹脂封止成形方法
は、固定型と可動型とを対向配置させた樹脂封止成形用
の金型を用いて前記両型の一方の型に設けられたシート
部材のセット部に電子部品が装着されたシート部材を供
給セットすると共に、前記両型を型締めして前記シート
部材上の電子部品を前記両型の他方の型に設けられた樹
脂成形用のキャビティ内に嵌装し、この状態で、前記両
型に設けられた樹脂通路を通して前記キャビティ内に溶
融樹脂材料を注入充填させることにより、前記シート部
材上の電子部品を樹脂封止成形する電子部品の樹脂封止
成形方法であって、前記したシート部材を前記セット部
に供給セットした後、前記両型間に、前記したシート部
材における電子部品の樹脂封止範囲と対応する個所に穴
部を形成した硬化樹脂剥離用の薄い被覆部材を張設する
工程を行い、次に、前記両型を型締めする工程を行うこ
とを特徴とする。
【0011】また、前記技術的課題を解決するための本
発明に係る電子部品の樹脂封止成形用金型は、固定型
と、該固定型に対向配置した可動型と、前記した両型の
一方の型に設けられた電子部品を装着したシート部材を
供給セットするセット部と、前記したセット部に対向し
て他方の型に設けられた前記電子部品を嵌装セットする
樹脂成形用のキャビティと、前記両型の少なくとも一方
に設けられた樹脂材料供給用のポットと、前記ポット内
で加熱溶融化された樹脂材料を前記キャビティ内に注入
充填する溶融樹脂材料移送用の樹脂通路とを備えた電子
部品の樹脂封止成形用金型であって、前記したシート部
材における電子部品の樹脂封止範囲と対応する個所に穴
部が形成され且つ前記両型間に張設された硬化樹脂剥離
用の薄い被覆部材と、前記薄い被覆部材を前記両型の型
開閉方向に移動させる移動機構とを設けたことを特徴と
する。
【0012】また、本発明に係る電子部品の樹脂封止成
形用金型は、前記した薄い被覆部材を移動させる移動機
構に対して前記薄い被覆部材を張設した交換体を着脱自
在に構成したことを特徴とする。
【0013】
【作用】本発明によれば、固定型と可動型とから成る樹
脂封止成形用金型を用いて、シート部材に装着された電
子部品を樹脂封止成形する場合に、前記したシート部材
を前記両型の一方の型に設けられたセット部に供給セッ
トした後、前記した両型間に、前記したシート部材にお
ける電子部品の樹脂封止範囲と対応する個所に穴部を形
成した硬化樹脂剥離用の薄い被覆部材を張設する工程を
行い、次に、前記両型を型締めする工程を行う構成であ
るので、前記両型を型締時に、前記穴部を除いて前記薄
い被覆部材を前記セット部内のシート部材に被覆止着す
ることができる。また、このとき、前記シート部材上の
電子部品は、前記両型の他方の型に設けられたキャビテ
ィ内に前記穴部を通して嵌装セットされることになる。
また、前記シート部材上の電子部品を樹脂封止成形した
後、前記両型に設けられたゲート等の樹脂通路内で硬化
した製品として不要な樹脂及び樹脂ばりは、前記薄い被
覆部材を介して、直接的にではなく間接的に、接触する
ことになる。即ち、前記した不要な樹脂及び樹脂ばりは
前記シート部材の表面に付着(直接的に接触)すること
はないので、前記した不要な樹脂及び樹脂ばりを容易に
前記シート部材の表面から除去することができる。従っ
て、前記した薄い被覆部材を用いる構成にて、前記した
不要な樹脂及び樹脂ばりを容易に除去することができる
ので、製品(モールドパッケージ)の全体的な生産性を
向上させることができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例図に基づいて詳細に説
明する。図1〜図5は本発明に係る樹脂封止成形用の金
型である。図6〜図8は他の実施例である。
【0015】即ち、図1〜図5に示すように、前記した
金型は、固定上型1と、該固定上型1に対向配置した可
動下型2とから構成されている。また、前記固定型1は
固定型取付用ベース20に装設されると共に、前記した可
動型2は可動型取付用ベース21に装設されている。ま
た、前記した可動型2には、電子部品3を装着したシー
ト部材4を供給セットするセット部5(セット用凹所)
が設けられると共に、前記固定型1には、前記セット部
5に供給セットされたシート部材4上の電子部品3を嵌
装セットする樹脂成形用の固定型キャビティ6が設けら
れ、更に、前記キャビティ6内に溶融樹脂材料を注入充
填する溶融樹脂材料移送用の固定型樹脂通路7(ランナ
8及びゲート9等)が設けられている。また、図示はし
ていないが、前記した可動型2には樹脂材料供給用のポ
ットが設けられると共に、該ポット内には樹脂加圧用の
プランジャが嵌装セットされている。即ち、前記可動型
2を上動して該両型(1・2) を型締めすると共に、前記ポ
ット内で加熱溶融化された樹脂材料を、該プランジャに
て加圧することにより、前記したランナ8及びゲート9
等の樹脂通路7を通して前記キャビティ6内に注入充填
することができるように構成されている。従って、前記
した電子部品3を該キャビティ6の形状に対応したモー
ルドパッケージ10(樹脂封止成形体)内に封止成形する
ことができる。
【0016】なお、前記したシート部材4は、PCボー
ド等のプラスチック製であって、このシート部材4の本
体は所要の柔軟性を有すると共に、その表面部には電子
回路やIC等の電子部品3が装着されている。また、前
記したシート部材4の電子部品3が装着された側の表面
(図例では前記シート部材の上面)には、前記電子部品
3を含み且つ前記固定型キャビティ6の開口縁部と略同
じ位置及び略同じ広さとなる電子部品の樹脂封止範囲11
が設定されている。従って、前記両型(1・2) による樹脂
封止成形時に、前記したシート部材4における樹脂封止
範囲11内が樹脂にて封止成形されることになると共に、
前記電子部品3が前記モールドパッケージ10内(前記樹
脂封止範囲11内)に封止成形されることになる。
【0017】また、図1及び図2に示すように、前記し
た固定型取付用ベース20には、先端側に挟持部14が備え
られた移動ロッド15を型開閉方向に移動する移動機構13
が設けられている。また、前記した移動機構13に設けら
れた挟持部14には、硬化樹脂剥離用の薄い被覆部材12が
挟持される(図8参照)と共に、前記した薄い被覆部材
12が、前記移動機構13(前記挟持部14)によって、前記
両型(1・2) の型面間に、前記型面と平行となるように張
設・配置されて構成されている。即ち、前記した移動機
構13に設けられた移動ロッド15を型開閉方向に移動させ
る(図例では上下動)ことにより、前記した薄い被覆部
材12を張設した状態で、前記した固定型1の型面側に或
いは可動型2の型面側に移動させることができるように
構成されているので、前記した薄い被覆部材12を、前記
した固定型1の型面に或いは可動型2の型面に、当接し
て被覆止着することができる。
【0018】また、前記した薄い被覆部材12には、前記
したシート部材4における電子部品の樹脂封止範囲11
(前記キャビティ6)に対応する個所に穴部18が形成さ
れると共に、前記セット部5内に供給セットされたシー
ト部材4に前記した樹脂封止範囲11(前記穴部18)を除
いて前記薄い被覆部材12を被覆止着することができるよ
うに構成されている。即ち、前記シート部材4の樹脂封
止範囲11に前記穴部18を確実に対応させることができる
ように構成されている(図5参照)。従って、前記可動
型2のセット部5に前記シート部材4を供給セットした
後、前記両型(1・2) の型締時に、前記薄い被覆部材12を
前記セット部5内のシート部材4の表面に前記薄い被覆
部材12を当接して被覆することにより、前記した薄い被
覆部材12を前記シート部材4に重合止着することができ
る。このとき、前記したシート部材4上の電子部品3を
該穴部18を通して前記キャビティ6内に嵌装セットする
ことができる(図2・図4・図5参照)。
【0019】また、前記した可動型2のセット部5に供
給セットされた前記シート部材4に前記薄い被覆部材12
を被覆止着するとき、その位置決めには位置決め用パイ
ロットピン16が利用されている。即ち、前記可動型2の
型面には前記薄い被覆部材12のセット位置を決める位置
決め用パイロットピン16が所要数設けられると共に、前
記薄い被覆部材12には前記パイロットピン16に対応する
孔部17が設けられている(図5参照)。従って、前記し
たパイロットピン16に前記薄い被覆部材12の孔部17を嵌
合セットすることにより、前記可動型2の型面における
所定位置に前記薄い被覆部材12を確実に被覆止着するこ
とができるように構成されると共に、前記した薄い被覆
部材12を前記シート部材4に確実に重合止着させること
ができるように構成されている。また、前記可動型2の
セット部5に供給セットされたシート部材4に被覆止着
された薄い被覆部材12を前記シート部材4から離間して
容易に除去することができるように構成されている。な
お、図5に示す図例では、前記した可動型2の型面にお
いて、前記薄い被覆部材12が被覆する被覆範囲は、前記
したセット部5に供給セットされたシート部材4の全面
(前記樹脂封止範囲11を除く)を含む少なくとも前記セ
ット部5全面である。
【0020】また、前記したキャビティ6内に溶融樹脂
材料を注入充填して前記キャビティ6内でモールドパッ
ケージ10を樹脂封止成形した後、前記シート部材4には
前記薄い被覆部材12が被覆止着されているので、前記し
た樹脂通路7(ランナ8及びゲート9)内で硬化した製
品としては不要な樹脂19は、前記薄い被覆部材12を介し
て、間接的に、前記したシート部材4の表面と接触する
ことになる。即ち、前記したシート部材4の表面に前記
樹脂通路7内の硬化樹脂19が、直接的に、接触する(付
着する)ことがないので、樹脂封止成形後、前記モール
ドパッケージ10と接続する前記樹脂通路7内の不要な硬
化樹脂19のゲート9に対応する部分から切断すると共
に、前記樹脂通路7内の不要な硬化樹脂19を除去するこ
とができる。
【0021】また、前記両型(1・2) を型締めして樹脂封
止成形した場合に、該両型面間に溶融樹脂材料が浸入し
て形成される樹脂ばりは、前記した不要な硬化樹脂19と
同様に、前記シート部材4に被覆止着された薄い被覆部
材12を介して、間接的に、前記シート部材4の表面と接
触することになる。即ち、前記した薄い被覆部材12を前
記シート部材4から離間して除去することにより、前記
樹脂ばりを前記シート部材4から除去することができ
る。
【0022】次に、図1〜図5に示す金型にて前記した
シート部材4上の電子部品3を樹脂封止成形する場合を
説明する。即ち、まず、前記可動型2のセット部5に前
記シート部材4を供給セットすると共に、前記樹脂材料
を前記ポット内に供給する。次に、前記した可動型2を
上動して該両型(1・2) を型締めすると共に、前記移動機
構13を作動させることにより、前記した可動型2のセッ
ト部5に供給セットされたシート部材4の表面に前記穴
部18を除いて前記薄い被覆部材12を被覆止着する。次
に、前記ポット内で加熱溶融化された樹脂材料を前記プ
ランジャにて加圧することにより、前記した樹脂通路7
を通して注入充填すると共に、前記キャビティ6内で該
キャビティ6の形状に対応したモールドパッケージ10内
に前記電子部品3を樹脂封止成形する。
【0023】溶融樹脂材料の硬化後、前記両型(1・2) を
型開きすると共に、前記キャビティ6内から前記パッケ
ージ10をエジェクターピンにて突き出して離型する。こ
のとき、前記した不要な硬化樹脂19及び樹脂ばりは、前
記薄い被覆部材12を介して、間接的に、前記シート部材
4の表面と接触する。次に、前記したゲート9内等で硬
化した不要な樹脂19を除去すると共に、前記不要な硬化
樹脂19と前記パッケージ10とを分離する。また、次に、
前記移動機構13にて前記薄い被覆部材12を前記両型(1・
2) 間に移動させることにより、前記薄い被覆部材12を
前記シート部材4から離間して除去すると共に、前記樹
脂ばりを前記シート部材4から除去する。
【0024】即ち、前記ゲート9等の樹脂通路7内で硬
化した不要な樹脂19及びキャビティ6の外周囲等に発生
する樹脂ばりを、前記薄い被覆部材12を介して、間接的
に、前記シート部材4に接触させることができるので、
前記不要な硬化樹脂19の切断時に、前記不要な硬化樹脂
19を、或いは、前記樹脂ばりの除去時に、前記樹脂ばり
を、前記シート部材4の表面から容易に除去することが
できる。また、前記した不要な硬化樹脂19及び樹脂ばり
を容易に除去することができるので、前記したシート部
材4の表面に設けられた所要の電子回路を断線すると云
った弊害を効率良く防止することができる。また、前記
ゲート切断時に、前記不要な硬化樹脂19を容易に除去す
ることができるので、前記不要な硬化樹脂19に接続され
たパッケージ10にクラック及び破損が発生することを効
率良く防止することができると共に、前記ゲート切断後
に、前記パッケージ10の係着搬送を効率良く行うことが
できる。
【0025】従って、前記した両型(1・2) による樹脂封
止成形時に、前記した樹脂封止範囲11(即ち、穴部18)
を除いて前記薄い被覆部材12を前記シート部材4に被覆
止着する構成であるので、予め、前記シート部材4の表
面に高価なAuメッキを表面処理する工程が不要になる
ことから、また、予め、前記薄い被覆部材12を重合貼着
する工程が不要になることから、全体的な製品の生産性
を向上させることができる。
【0026】また、前記した硬化樹脂剥離用の薄い被覆
部材12は、少なくとも樹脂成形温度以上の耐熱性と耐久
性及び保形性を備えた薄膜状素材であればよい。例え
ば、前記した硬化樹脂剥離用の薄い被覆部材12として、
テフロンフィルム等のプラスチックフィルム、紙材、金
属製薄膜状プレートが挙げられる。また、前記薄い被覆
部材として、硬化樹脂との接着力が低い素材、例えば、
テフロン素材を薄膜状プレート(テフロンプレート)に
形成した構成を採用することができる。
【0027】また、上記した実施例において、前記した
薄い被覆部材12の厚さは、前記両型(1・2) の型締めに影
響しない厚さに設定されている。例えば、前記薄い被覆
部材12の厚さを、0.05mm〜0.1mm に設定する構成を採用
することができる。即ち、前記薄い被覆部材12の厚さが
0.05mm未満の場合には、前記薄い被覆部材12が磨耗或い
は破損し易く耐久性上の問題が発生すると共に、前記薄
い被覆部材12の厚さ が0.1mmを越えた場合には、前記キ
ャビティ6内で成形されるパッケージ10の厚さが所定の
厚さより厚くなって、前記パッケージ10(製品)の厚さ
の値が所定の規格値からはずれると云う品質保証上の問
題が発生する。
【0028】また、前記した金属製薄膜状プレートの表
面の少なくとも溶融樹脂材料と接触する部分に、硬化樹
脂との接着力が低い素材、例えば、テフロン層を表面処
理する構成(即ち、テフロン加工を施した金属製薄膜状
プレート)を採用することができる。
【0029】また、前記した実施例においては、主とし
て、前記したPCボード等のプラスチック製のシート部
材を例に挙げて説明したが、本発明の趣旨にしたがっ
て、金属製リードフレームの他、各種の素材にて形成さ
れたシート部材を採用することができる。
【0030】本発明は、前述した実施例のものに限定さ
れるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内
で、必要に応じて、任意に且つ適宜に変更・選択して採
用できるものである。
【0031】次に、図6・図7・図8に示す他の実施例
について説明する。なお、図6・図7・図8に示す実施
例に用いられる樹脂封止成形用の金型の基本的な構成部
材は、前記した実施例に用いられる金型の基本的な構成
部材と同じであると共に、前記した実施例と同様に、硬
化樹脂剥離用の薄い被覆部材を利用した構成により、製
品の全体的な生産性を向上させることができるように構
成されている。
【0032】即ち、前記実施例と同様に、図6・図7・
図8に示す実施例に用いられる金型には、固定上型と、
可動下型とが設けられると共に、前記固定型が装設され
た固定型取付用ベースには、先端に着脱部32が設けられ
た移動ロッド33を型開閉方向に移動させることができる
移動機構34が装設されている(図1・図2参照)。ま
た、前記移動機構34に設けられた着脱部32に対して、硬
化樹脂剥離用の薄い被覆部材30が張設された交換体31
が、着脱自在に設けられて構成されている。即ち、前記
した交換体31には、前記薄い被覆部材30と、前記薄い被
覆部材30の外周囲に設けられ且つ前記薄い被覆部材30の
外周囲部を挟持して張設する挟持部35と、前記挟持部35
に立設された着脱用ロッド36とが設けられると共に、前
記着脱部32に設けられた着脱用嵌合孔37に対して、前記
着脱用ロッド36が着脱自在に設けられて構成されている
(図6・図7・図8)。
【0033】即ち、図8に示すように、前記着脱部32に
は着脱用ロッド36を前記嵌合孔37の所定位置に装着する
ために、係合用ボール39と、該ボール39を前記嵌合孔37
内へ弾性突出させる圧縮スプリング等の弾性部材40とが
設けられると共に、前記着脱用ロッド36には前記ボール
39を係合する係合部41(凹部)が設けられている。この
ような構成によれば、前記した着脱部32の嵌合孔37内に
対して、前記着脱用ロッド36を容易に着脱することがで
きるので、前記した交換体31を前記金型側に対して容易
に着脱し得て、前記した薄い被覆部材30を容易に交換す
ることができる。従って、例えば、多品種を成形する場
合に、前記交換体31を利用して前記薄い被覆部材30を容
易に交換することができるので、全体的な製品の生産性
を向上させることができる。また、前記した薄い被覆部
材30には、前記実施例と同様に、前記したシート部材の
樹脂封止範囲に対応した穴部42と、前記可動型に設けら
れたパイロットピンを嵌合セットする孔部43とが設けら
れている。
【0034】なお、上記各実施例において、前記パイロ
ットピン(16)を前記した薄い被覆部材(12・30) の孔部(1
7・42) に嵌装して位置決めすることにより、前記したセ
ット部(5) に供給セットしたシート部材(4) に前記した
薄い被覆部材(12・30) を被覆止着する場合に、前記した
薄い被覆部材(12・30) を水平面方向に微移動させる構成
にて、例えば、前記した薄い被覆部材(30)の交換体(31)
を前記移動機構(34)に対してルーズに(緩やかに)装着
した構成にて、前記薄い被覆部材(30) の位置を微調整
して被覆止着する構成を採用しても差し支えない。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、ゲート等の樹脂通路内
で硬化した不要な樹脂及びキャビティの外周囲等に発生
する樹脂ばりを、前記薄い被覆部材を介して、間接的
に、前記シート部材に接触させることができるので、前
記ゲート内等の不要な硬化樹脂の切断時(所謂、ゲート
切断時)に、前記不要な硬化樹脂を、或いは、前記樹脂
ばりの除去時に、前記樹脂ばりを、前記シート部材の表
面から容易に除去することができると云う優れた効果を
奏する。
【0036】また、本発明によれば、前記した不要な硬
化樹脂及び樹脂ばりを容易に除去することができるの
で、前記したシート部材の表面に設けられた所要の電子
回路を断線することを効率良く防止することができると
云う優れた効果を奏する。
【0037】また、本発明によれば、前記ゲート切断時
に、前記ゲート内で硬化した不要な樹脂を容易に除去す
ることができるので、前記ゲート内の不要な硬化樹脂に
接続されたパッケージに発生するクラック及び破損を効
率良く防止することができると共に、前記ゲート切断後
において、前記パッケージの係着搬送を効率良く行うこ
とができると云う優れた効果を奏する。
【0038】また、本発明によれば、電子部品を装着し
たシート部材を樹脂封止成形する場合に、ゲート等の樹
脂通路内で硬化した不要な樹脂及び樹脂ばりを容易に除
去し得て、製品の生産性を向上させることのできる電子
部品の樹脂封止成形方法とその金型を提供することがで
きると云う優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る樹脂封止成形用金型を示す概略縦
断面図であって、その型開状態を示している。
【図2】図1に対応する金型の概略縦断面図であって、
その型締状態を示している。
【図3】図1に対応する金型の要部を拡大して示す拡大
概略縦断面図であって、その型開状態を示している。
【図4】図2に対応する金型の要部を拡大して示す拡大
概略縦断面図であって、その型締状態を示している。
【図5】図1に示す金型の概略平面図であって、その下
型面を示している。
【図6】本発明に係る他の実施例の金型の要部を示す概
略縦断面図である。
【図7】図6に示す金型要部の概略平面図である。
【図8】図6に示す金型要部を拡大して示す拡大概略縦
断面図である。
【符号の説明】
1 固定上型 2 可動下型 3 電子部品 4 シート部材 5 セット部(セット用凹所) 6 キャビティ 7 樹脂通路 8 ランナ 9 ゲート 10 モールドパッケージ(樹脂封止成形体) 11 樹脂封止範囲 12 薄い被覆部材 13 移動機構 14 挟持部 15 移動ロッド 16 パイロットピン 17 孔部 18 穴部 19 硬化樹脂 20 固定型取付用ベース 21 可動型取付用ベース 30 薄い被覆部材 31 交換体 32 着脱部 33 移動ロッド 34 移動機構 35 挟持部 36 着脱用ロッド 37 着脱用嵌合孔 39 係合用ボール 40 弾性部材 41 係合部 42 穴部 43 孔部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // B29L 31:34

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定型と可動型とを対向配置させた樹脂
    封止成形用の金型を用いて前記両型の一方の型に設けら
    れたシート部材のセット部に電子部品が装着されたシー
    ト部材を供給セットすると共に、前記両型を型締めして
    前記シート部材上の電子部品を前記両型の他方の型に設
    けられた樹脂成形用のキャビティ内に嵌装し、この状態
    で、前記両型に設けられた樹脂通路を通して前記キャビ
    ティ内に溶融樹脂材料を注入充填させることにより、前
    記シート部材上の電子部品を樹脂封止成形する電子部品
    の樹脂封止成形方法であって、 前記したシート部材を前記セット部に供給セットした
    後、前記両型間に、前記したシート部材における電子部
    品の樹脂封止範囲と対応する個所に穴部を形成した硬化
    樹脂剥離用の薄い被覆部材を張設する工程を行い、 次に、前記両型を型締めする工程を行うことを特徴とす
    る電子部品の樹脂封止成形方法。
  2. 【請求項2】 固定型と、該固定型に対向配置した可動
    型と、前記した両型の一方の型に設けられた電子部品を
    装着したシート部材を供給セットするセット部と、前記
    したセット部に対向して他方の型に設けられた前記電子
    部品を嵌装セットする樹脂成形用のキャビティと、前記
    両型の少なくとも一方に設けられた樹脂材料供給用のポ
    ットと、前記ポット内で加熱溶融化された樹脂材料を前
    記キャビティ内に注入充填する溶融樹脂材料移送用の樹
    脂通路とを備えた電子部品の樹脂封止成形用金型であっ
    て、前記したシート部材における電子部品の樹脂封止範
    囲と対応する個所に穴部が形成され且つ前記両型間に張
    設された硬化樹脂剥離用の薄い被覆部材と、前記薄い被
    覆部材を前記両型の型開閉方向に移動させる移動機構と
    を設けたことを特徴とする電子部品の樹脂封止成形用金
    型。
  3. 【請求項3】 薄い被覆部材を移動させる移動機構に対
    して前記薄い被覆部材を張設した交換体を着脱自在に構
    成したことを特徴とする請求項2に記載の電子部品の樹
    脂封止成形用金型。
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