JP2997588B2 - マルチ投写型表示装置 - Google Patents

マルチ投写型表示装置

Info

Publication number
JP2997588B2
JP2997588B2 JP3309418A JP30941891A JP2997588B2 JP 2997588 B2 JP2997588 B2 JP 2997588B2 JP 3309418 A JP3309418 A JP 3309418A JP 30941891 A JP30941891 A JP 30941891A JP 2997588 B2 JP2997588 B2 JP 2997588B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
screen
projection
light
liquid crystal
center
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3309418A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05142655A (ja
Inventor
尋嗣 加藤
務 坂本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP3309418A priority Critical patent/JP2997588B2/ja
Publication of JPH05142655A publication Critical patent/JPH05142655A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2997588B2 publication Critical patent/JP2997588B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Overhead Projectors And Projection Screens (AREA)
  • Transforming Electric Information Into Light Information (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数台の投写型液晶表
示装置によって大画面を形成するマルチ投写型表示装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶パネルをライトバルブとして
用いて映像光を透過させ、投写レンズによってスクリー
ン上に拡大投写する投写型の液晶表示装置が商品化され
ている。図15はこのような投写型液晶表示装置(以
下、液晶プロジェクターともいう)を示す説明図であ
る。
【0003】アンテナ8に誘起した高周波(RF)信号
をチューナ6に与えて、所定チャンネルの信号を復調す
る。復調された映像信号を映像信号処理回路7において
映像処理した後増幅して、液晶パネル3に供給する。液
晶パネル3は縦横方向に多数分割された画素を有してお
り、各画素に対応する電極に供給する印加電圧によっ
て、液晶パネル3内の図示しない液晶を透明状態と遮光
状態との間で制御する。印加電圧として映像信号処理回
路7からの映像信号を供給することにより、各画素の透
明度は映像信号に基づくものとなり、液晶パネル3上に
映像を映出させることができる。
【0004】一方、光源1から発生する光束9はリフレ
クタ2によって集光して、液晶パネル3に入射する。光
源1としては、高効率、高輝度及び高演色性の特徴を有
するメタルハライド等の放電ランプを採用する。リフレ
クタ2からの光は、液晶パネル3の各画素の透明度(透
過率)に応じて通過し、映像光として投写用レンズ4に
よってスクリーン5上に拡大投写される。こうして、ス
クリーン5上にはマルチ画面画像が結像する。
【0005】ところで、近年、迫力ある大画面画像が指
向されており、表示装置の大画面化が進んでいる。液晶
プロジェクターは、投写距離を長くして投写倍率を大き
くすることによって大画面画像を映出することができ
る。しかし、投写距離を大きくすると装置が大型化して
しまう。また、拡大率を大きくすると画素目立ちが顕著
になるので、一層高精細な液晶パネルを用いる必要があ
る。
【0006】そこで、複数の液晶プロジェクターを使用
し、各液晶プロジェクターに画面の一部(小画面)を表
示させ、小画面を繋ぎ合わせて単一の親画面(マルチ画
面)を構成するようにしたマルチ投写型表示装置が商品
化されている。図16は従来のマルチ投写型表示装置を
説明するための説明図である。また、図17は従来のマ
ルチ投写型表示装置の構成を示す説明図であり、図17
(a)はその正面図であり、図17(b)はその側面図
であり、図17(c)はその上面図である。
【0007】図16に示すように、スクリーン11上に表
示するマルチ画面12は2つの小画面PL ,PR を繋ぎ合
わせたものである。各小画面PL ,PR は、光学ボック
ス(プロジェクター)13a,13bによって表示する。光
学ボックス13a,13bは、図15の液晶プロジェクター
と同様の構成であり、夫々光源1a,1b、リフレクタ
2a,2b、液晶パネル3a,3b及び投写レンズ4
a,4b等から構成している。光学ボックス13a,13b
は、各液晶パネル3a,3bの中心を通過する光軸15
a,15bが平行となる状態で、図17に示すように、筐
体16内に水平方向に一列に配設している。筐体16の前面
にはスクリーン11を取付けており、光学ボックス13a,
13bからの投写光14a,14bをスクリーン11の背面から
投写することによって、スクリーン11の前面側から投写
画像を観察することができる。なお、各光学ボックス13
a,13bは、各投写光14a,14bがスクリーン11上で隙
間なく連続的に投写されるように配置してある。また、
隣接する小画面PL ,PR を若干重ね合わせて表示する
こともある。
【0008】このように構成された従来のマルチ投写型
表示装置においては、各光学ボックス13a,13bの投写
倍率は、比較的小さな値に設定することができる。した
がって、各投写レンズ4a,4bからスクリーン11まで
の投写距離を小さくして、装置を小型化することがで
き、また、画素目立ちも抑制される。図17では光学ボ
ックス13a,13bによって水平方向に並列に映像光を投
写しており、同一の投写倍率では単一画面に比して横方
向に2倍の大きさの画像を得ることができる。
【0009】ところで、一般に、レンズの収差は中央よ
りも周辺ほど不良である。また、レンズは開口効率のコ
サイン4乗則に従い周辺部は中心部よりも光量が低下す
る。図18はこれらの影響による問題を説明するための
説明図である。また、図19は横軸に光軸に対する角度
ωをとり縦軸に効率をとって、コサイン4乗則を示すグ
ラフである。
【0010】液晶パネル3とスクリーン5との間には投
写レンズ4を配設している。液晶パネル3からの映像光
10は投写レンズ4に入射し、投写光14をスクリーン5上
に投写する。投写光14によってスクリーン5上に斜線に
て示す投写画像17が結像する。この場合には、投写レン
ズ4の中心部a、左部b及び右部cを通過した光は、夫
々スクリーン5上の中心部a′、右部c′、左部b′に
投写される。投写画像17は、収差の影響により、周辺部
b′,c′において中心部a′よりも歪が大きくなる。
【0011】また、図19に示すように、光軸15と投写
光14とが成す角ωが大きくなるほど、効率は低下する。
すなわち、スクリーン5上の投写画像17は、光軸15と交
差する中心部a′から周辺部b′,c′に向かうに従っ
て光量が低下する。このように、投写画像17の周辺部は
中央部よりも歪が大きく、光量が低い。
【0012】図20及び図21はマルチ画面の表示の問
題点を説明するための説明図である。
【0013】各光学ボックスからの投写光をスクリーン
11の背面側から夫々投写して各小画面PR ,PL を形成
している。上述したように、各投写光による投写画像は
各投写光の光軸中心から離れるほど光量が低下すると共
に、歪が大きくなる。このため、図20に示すように、
各小画面PR ,PL の各中心部近傍(破線で囲った部
分)18a,18bは各周辺部(斜線部)に比して高輝度と
なってしまう。単一のスクリーンにおける表示のよう
に、画面の中心部近傍が周辺部よりも明るい場合には、
観察者にとって明るさの変化はそれほど目立たない。し
かし、図20のように、明るい部分がマルチスクリーン
11の水平方向の中央部から比較的離れた2カ所の部分に
生じると明るさの変化が目立ち、各小画面PR ,PL の
つながりが不自然となって、画質の劣化が顕著に認識さ
れてしまうという問題がある。
【0014】また、各小画面PR ,PL の投写画像の周
辺部では歪が大きい。図21の破線は投写画像の歪を示
しており、各小画面PR ,PL の接続部分における整合
性は極めて不良である。しかも、マルチスクリーン11の
左右の中央部分で小画面PR,PL を接続しているの
で、マルチ画面の品位は著しく劣化してしまうという問
題があった。
【0015】図22は4台の液晶プロジェクターを用い
た従来のマルチ投写型表示装置を示す説明図である。図
22(a)はその正面図であり、図22(b)はその左
側面図であり、図22(c)はその右側面図であり、図
22(d)はその上面図である。
【0016】マルチスクリーン21上のマルチ画面22は上
下左右に接続した4つの小画面PRD,PRU,PLD,PLU
によって形成する。光学ボックス13a乃至13dは図15
の液晶プロジェクターと同一構成であり、筐体23内で上
下左右に隣接して配置している。各投写レンズ4a乃至
4dから投写する各投写光14a乃至14dによって、夫
々、小画面PRD,PLD,PRU,PLUを形成するようにな
っている。
【0017】図23及び図24は図22中のマルチスク
リーン上の表示を説明するための説明図である。
【0018】上述したように、各光学ボックス13a乃至
13dからの投写光14a乃至14dによる投写画像は、周辺
において歪が大きく、また、周辺光量は低い。このた
め、図23に示すように、小画面PRD,PLD,PRU,P
LUの各中心部近傍(破線で囲った部分)24a乃至24dは
各周辺部(斜線部)に比べて明るい。すなわち、マルチ
画面の輝度分布は一様でなく、明るい部分が4カ所に発
生してしまう。このため、観察者に輝度むらが多い画像
として認識されやすくなってしまう。
【0019】また、図24の破線にて示すように、各小
画面PRD,PLD,PRU,PLUの投写画像の周辺部の歪が
大きいので、各小画面PRD,PLD,PRU,PLU相互の接
続部分において整合性が悪化し、マルチ画面の品位は著
しく劣化してしまう。
【0020】ところで、スクリーンとしては、投写光を
スクリーン前面の観察者に集光させるために、その出射
面側にフレネルレンズを形成したフレネルスクリーンを
採用する。図25は4面マルチスクリーンで採用するフ
レネルスクリーンを説明するための説明図である。
【0021】フレネルレンズ25はスクリーン出射面に同
心円状に形成した溝によって突レンズの作用を呈するも
のであり、周辺部(暗部)の光を集光して画面全体を明
るくする効果を有している。従って、フレネルレンズ25
はスクリーンの輝度分布に応じた形状にする必要があ
り、図25に示すように、4面マルチスクリーン21で
は、各小画面PRD,PLD,PRU,PLUの明部を中心とす
る同心円状に形成している。すなわち、マルチスクリー
ン21の4カ所に分散してフレネルレンズ25を形成する。
現在のスクリーン製造技術では1枚のスクリーンの4カ
所に分散してフレネルレンズを形成することは極めて困
難であり、このため、フレネルレンズ25を形成した4枚
のスクリーン21a乃至21dを接合して1枚のマルチスク
リーン21を形成するようにしており、製造性が極めて悪
い。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】このように、上述した
従来のマルチ投写型表示装置においては、複数台の液晶
プロジェクターによる各投写画像の周辺部における歪及
び投写光量の低下によって、スクリーン上の輝度むら及
び各小画面の接続部分の整合性が悪化し、画面品位が著
しく劣化してしまうという問題点があった。また、輝度
明部が各小画面の中心に分散していることから、フレネ
ルレンズを夫々形成した複数のスクリーンを接合したマ
ルチスクリーンを用いなければならないという問題点が
あった。
【0023】本発明は、輝度むら及び歪特性を改善して
マルチ画面の画面品位を向上させると共に、マルチスク
リーンを1枚のスクリーンで構成して製造性を向上させ
ることができるマルチ投写型表示装置を提供することを
目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明に係るマルチ投写
型表示装置は、各入射光をマルチスクリーン上に夫々拡
大投写して各小画面を形成する複数の投写レンズと、光
源装置からの光を入射して映像光に変換しこの映像光を
出射面から前記入射光として前記複数の投写レンズに夫
々出射するものであって、前記マルチスクリーンの中心
を通過し前記投写レンズの各光軸に平行な軸方向に前記
各出射面の中心が偏移した複数の液晶ライトバルブと、
によって複数の光学ボックスを構成し、これらの光学ボ
ックスをマルチスクリーンに対して適宜配置することに
よって各小画面をつないだマルチ画面をマルチスクリー
ン上に表示させるものである。
【0025】
【作用】本発明において、液晶ライトバルブの出射面中
心は、マルチスクリーンの中心を通過し投写レンズの各
光軸に平行な軸方向に偏移している。このため、液晶ラ
イトバルブ及び投写レンズによって構成する光学ボック
スは、光軸に対して偏移した投写光を投写することがで
きる。すなわち、各投写光の光軸近傍の一方側は他方側
に比して投写光量が大きく、また、歪も小さい。各投写
光の一方側をマルチスクリーンの中心側に投写させるこ
とにより、マルチスクリーンの中心近傍において投写光
像の輝度を高くすると共に、歪を低減することができ
る。これにより、マルチ画面の画面品位が向上する。
【0026】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。図1は本発明に係るマルチ投写型表示装置
の光学系の一実施例を示す説明図である。本実施例は2
つのプロジェクターを用いた2面マルチ投写装置に適用
したものである。
【0027】図示しない光源からの光は液晶パネル31
a,31bの入射面に入射する。液晶パネル31a,31bは
図示しない映像信号処理回路から映像信号が供給されて
おり、各画素の透過率を映像信号に基づいて変化させる
ことにより、入射光を夫々映像光34a,34bに変換して
出射面から出射する。液晶パネル31a,31bからの映像
光34a,34bは投写レンズ4a,4bに入射し、投写レ
ンズ4a,4bは出射面から投写光32a,32bをマルチ
スクリーン33に投写するようになっている。
【0028】本実施例において、液晶パネル31a,31b
は、投写レンズ4a,4bの中心を夫々通過する光軸15
a,15bに対して、その出射面中心を相互に近づく方
向、すなわち、マルチスクリーン33の中心を通り光軸15
a,15bと平行な軸方向にずらして配置する。図2は光
軸に対する液晶パネル及び投写レンズの配置を説明する
ための説明図である。図2では液晶パネル31a及び投写
レンズ4aによって構成する一方の光学系のみを示して
いるが、液晶パネル31b及び投写レンズ4bによって構
成される他方の光学系の構成も同様である。
【0029】図2に示すように、投写レンズ4aの中心
部aを光軸15a上に位置させている。液晶パネル31aは
光軸15aからずれた位置に出射面中心が位置するように
配設しており、液晶パネル31aの両端は夫々投写レンズ
4aの最左部b及び右部cに対向している。映像光34a
は投写レンズ4aの最左部bと右部cとの間に入射す
る。これにより、投写レンズ4aからの投写光32aはマ
ルチスクリーン33上の右部c′と左部b′相互間に結像
し、斜線にて示す投写光像35を形成する。
【0030】投写レンズ4aに入射する映像光34aの範
囲が光軸15aに対して対称でなく、スクリーン33側から
見て左側にずれているので、投写光像35の結像範囲はマ
ルチスクリーン33と光軸15aとの交点に対して対称とな
らず、スクリーン33の前面側から見て右側にずれて形成
される。同様に、投写レンズ4bからの投写光32bによ
る図示しない投写光像は、マルチスクリーン33の前面側
から見て光軸15bの左側にずれて形成される。
【0031】図3はこれらの光学系を組込んだ一対の光
学ボックスを有するマルチ投写型表示装置を示す上面図
である。なお、図3では破線によって従来のマルチ投写
型表示装置を示している。
【0032】一対の筐体36a,36bの前面は開口してお
り、この開口部にマルチスクリーン33を取付けている。
各筐体36a,36bの後部側には光学ボックス37a,37b
を配設している。光学ボックス37aは図示しない光源及
び図1に示す液晶パネル31a、投写レンズ4a等によっ
て構成しており、同様に、光学ボックス37bは図示しな
い光源及び図1に示す液晶パネル31b、投写レンズ4b
等によって構成している。破線にて示す従来の光学ボッ
クス13a,13b(図16参照)がマルチスクリーン33の
左右の小画面PR ,PL の略中心に対応する位置に夫々
配設されているのに対し、本実施例では、光学ボックス
37a,37bをマルチスクリーン33の中心近傍に対応した
位置に配設している。
【0033】従来の光学ボックス13a,13bによる投写
光像の結像範囲は光軸に対して対称であったが、上述し
たように、本実施例の光学ボックス37aからの投写光32
aによる投写光像の結像範囲は、光軸に対して、スクリ
ーン33の前面側から見て右側にずれ、また、光学ボック
ス37bからの投写光32bによる投写光像の結像範囲は、
光軸に対して、スクリーン33の前面側から見て左側にず
れる。このため、光学ボックス37a,37bをマルチスク
リーン33の中心近傍に対向させて配置することにより、
投写光32a,32bによる小画面PR ,PL をマルチスク
リーン33の左右の中心でつないで、スクリーン33の全面
にマルチ画面を形成している。
【0034】次に、このように構成された実施例の作用
について図2並びに図4及び図5の説明図を参照して説
明する。図4及び図5はマルチスクリーン33上の表示を
示している。
【0035】図2において、投写光像35の結像範囲はス
クリーン33と光軸との交点に対して右側にずれている。
すなわち、投写レンズ4aの右部cに対応するスクリー
ン33上の結像位置b′は光軸15aとスクリーン33との交
点に比較的近い。また、投写レンズ4aの最左部bに対
応する結像位置c′は光軸15aとスクリーン33との交点
から比較的離れている。従って、結像位置b′近傍にお
いては投写光量が大きく、また、歪は小さい。同様に、
投写レンズ4bの左側からの投写光像の結像位置は光軸
15bに比較的近く、その近傍における投写光量は大き
く、また、歪は小さい。
【0036】つまり、投写レンズ4a,4bからの投写
光32a,32bによる投写光像がつながる部分、すなわ
ち、光学ボックス37a,37bによる小画面PR ,PL が
つながる部分の近傍(図4の破線で囲った部分)39で
は、周辺部(斜線部)に比べて高輝度となる。このよう
に、投写光像の高輝度部分はマルチスクリーン33の略中
央の1カ所に現れる。マルチスクリーン33の略中央が明
るく周辺部が暗いという比較的自然な輝度分布となり、
画面品位が向上する。
【0037】また、図2の結像位置c′は、光軸15aと
スクリーン33との交点から比較的離れているので歪が大
きいが、結像位置b′の歪は小さい。図5は破線によっ
て歪を示しており、結像位置c′に対応するマルチスク
リーン33の周辺部では歪は大きいが、結像位置b′に対
応するマルチスクリーン33の中央部における歪は小さ
い。すなわち、小画面PR ,PLの接合部分における歪
が小さいことから、整合性が良好なマルチ画面を構成す
ることができる。
【0038】このように、本実施例においては、液晶パ
ネル31a,31bを光軸15a,15bに対して偏移させて配
置することにより、各投写光32a,32bの結像位置を光
軸に対して偏移させ、投写光32a,32bがつながる部分
を光軸の近傍となるようにしており、マルチスクリーン
33の中央の1カ所を高輝度とすると共に、マルチスクリ
ーン33の中央における歪を低減して整合性を向上させて
いる。このため、従来に比して自然な画像を得ることが
でき、画面品位が向上する。また、図3に示すように、
従来に比して光学ボックス37a,37bを近接して配置す
ることができ、装置を小型化することが可能となる。
【0039】図6は本発明の他の実施例に係るマルチ投
写型表示装置を説明するための説明図である。本実施例
は4台の光学ボックスを用いた4面マルチ投写装置に適
用したものである。図6は図示しない4つの光源側から
投写レンズ4a乃至4d及び液晶パネル31a乃至31dを
見て模式的に示したものである。
【0040】液晶パネル31a及び投写レンズ4a等によ
って光学ボックス37aを構成し、液晶パネル31b及び投
写レンズ4b等によって光学ボックス37bを構成し、液
晶パネル31c及び投写レンズ4c等によって光学ボック
ス37cを構成し、液晶パネル31d及び投写レンズ4d等
によって光学ボックス37dを構成している。光学ボック
ス37a乃至37dは、図示しない筐体内に上下左右に隣接
して配置し、各投写光によってマルチスクリーン上に4
つの小画面から成るマルチ画面を構成する。なお、図6
ではマルチ画面の中心を通過し光軸15a乃至15dに平行
な軸を◎印によって示している。
【0041】各光学ボックス37a乃至37dは光軸15a乃
至15d(図6の×印)が平行となるように配置してお
り、投写レンズ4a乃至4dの中心は光軸15a乃至15d
と一致する。本実施例においては、各液晶パネル31a乃
至31dは、夫々、その出射面中心を光軸15a乃至15dか
ら◎印にて示すマルチ画面の中心を通過する軸方向にず
らして配置している。
【0042】次に、このように構成された実施例の作用
について図7及び図8の説明図を参照して説明する。図
7はマルチ画面の輝度分布を示し、図8は破線によって
マルチ画面の歪を示している。
【0043】各光学ボックス37a乃至37dによる投写光
をマルチスクリーン41に投写して、小画面PRD,PLD,
PRU,PLUから成るマルチ画面42を構成する。各液晶パ
ネル31a乃至31dを各光軸15a乃至15dからマルチ画面
42の中央を通過する軸方向に偏移させて配設しているの
で、各投写レンズ4a乃至4dからの各投写光は各光軸
15a乃至15dに対してマルチ画面42の周辺部側にずれ
る。すなわち、各投写光による投写光像を上下左右でつ
ないでマルチ画面42を構成すると、マルチ画面42の中心
近傍で各光軸15a乃至15dとスクリーン41とが交差す
る。従って、各光学ボックス37a乃至37dによる小画面
PRD,PLD,PRU,PLUはマルチ画面42の中央近傍(破
線にて囲った部分)において高輝度となる。マルチ画面
42の中心近傍が明るく、周辺が暗いという比較的自然な
輝度分布となり、画質品位が向上する。
【0044】また、スクリーン41と各光軸15a乃至15d
の交点近傍において各投写光をつないでマルチ画面42を
形成しているので、図8の破線に示すように、マルチ画
面42の中心部では歪が小さく、周辺部では歪が大きくな
る。中心部の歪が低減されるので、各小画面PRD,PL
D,PRU,PLU同士の整合性が向上し、一層画面品位が
良好なものとなる。
【0045】なお、本実施例では、図1の実施例と同様
に、従来の4面マルチ投写装置よりも小型化することが
できることは明かである。
【0046】図9は本実施例に採用するマルチスクリー
ンを説明するための説明図である。
【0047】マルチスクリーン41は出射面側に周辺部の
光を集光するためのフレネルレンズ45を同心円状に形成
している。前述したように、フレネルレンズはマルチ画
面の輝度分布に対応させる必要がある。このため、従来
は、マルチ画面の複数カ所に分散して同心円状のフレネ
ルレンズを形成する必要があった。しかし、本実施例に
おいては、マルチ画面の中央の1カ所に輝度明部が集中
している。従って、マルチ画面の中央、すなわち、マル
チスクリーン41の中心を中心として同心円状にフレネル
レンズを形成すればよい。このため、マルチスクリーン
41を1枚のスクリーンによって形成することが容易とな
り、製造性が著しく向上する。
【0048】なお、マルチスクリーンの1枚化について
は、図1乃至図3の実施例の2面マルチ投写装置にも適
用することができる。
【0049】ところで、上記各実施例に採用する液晶パ
ネルとしては、例えば、ツイストネマチック液晶を採用
する。図10はこれらの実施例で採用しているツイスト
ネマチック液晶パネルの視野角特性を説明するための説
明図である。
【0050】ツイストネマチック型の液晶パネルは、1
対のガラス電極によって液晶を封入し、各ガラス電極に
ラビング方向(配向方向)が相互に90度異なる配向膜
を形成して、液晶分子をガラス電極相互間で90度ねじ
れるように配列させたものである。図10は液晶パネル
を入射面に垂直な方向から見て、一対のガラス電極のラ
ビング方向(配向方向)を実線矢印で示したものであ
る。すなわち、図10ではラビング方向は入射面の長手
方向(左右方向)及びその垂直方向(上下方向)であ
る。この場合には、液晶パネルは、図10の破線矢印に
て示す、斜め方向に広い視野角特性を有する。
【0051】図11は図10の液晶パネルを図6の4面
マルチ投写型表示装置に適用した実施例を示す説明図で
ある。
【0052】液晶パネル51a乃至51dは、夫々、図6の
液晶パネル31a乃至31dと同様に、各光軸15a乃至15d
(×印)に対して、マルチ画面の中心を通過し各光軸に
平行な軸(◎印)54方向に偏移させて配設している。ま
た、液晶パネル51a乃至51dは、広視野角方向が図の破
線矢印に示すように、液晶パネル51a乃至51dの中心と
軸54とを結ぶ直線方向となるように、夫々ラビング方向
を決定している。
【0053】図12は図11の装置におけるマルチ画面
の視野角特性を説明するための説明図である。
【0054】投写レンズ4a乃至4dからの投写光をス
クリーン52に投写して、小画面PRD,PLD,PRU,PLU
から成るマルチ画面53を形成する。液晶パネル51a乃至
51dの広視野角方向が液晶パネル51a乃至51dの中心と
マルチ画面53の中心を通過する軸54とによる方向である
ので、図12の破線矢印に示すように、マルチ画面53の
広視野角方向はマルチ画面63の対角線方向となる。これ
により、観察者は広い範囲で良質の画像を得ることがで
きる。
【0055】図13は図1の2面マルチ投写型表示装置
に広視野角特性を付与した変形例を示す説明図である。
【0056】液晶パネル55a,55bは各光軸15a,15b
に対して、マルチ画面の中心を通り光軸15a,15bに平
行な軸(◎印)58方向に偏移させて配設している。これ
らの液晶パネル55a,55bは、その広視野角方向が、図
13の破線矢印に示すように、液晶パネル55a,55bの
中心と軸58とに基づく方向となるように、ラビング方向
を決定している。
【0057】図14は図13の装置におけるマルチ画面
の視野角特性を説明するための説明図である。
【0058】投写レンズ4a,4bからの投写光をスク
リーン56に投写して、小画面PR ,PL から成るマルチ
画面57を形成する。液晶パネル55a,55bの広視野角方
向が液晶パネル55a,55bの中心とマルチ画面57の中心
を通る軸58とに基づく方向であるので、図14の破線矢
印に示すように、マルチ画面58の広視野角方向はマルチ
画面の中心を通過する水平方向となる。これにより、観
察者は広い範囲で良質の画像を得ることができる。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、輝
度むら及び歪特性を改善してマルチ画面の画面品位を向
上させると共に、マルチスクリーンを1枚のスクリーン
で構成して製造性を向上させることができ、更に、良好
な視野角特性を得ることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るマルチ投写型表示装置の光学系の
一実施例を示す説明図。
【図2】光軸に対する液晶パネル及び投写レンズの配置
を説明するための説明図。
【図3】図1の実施例のマルチ投写型表示装置の構成の
一例を示す上面図。
【図4】実施例の作用を説明するための説明図。
【図5】実施例の作用を説明するための説明図。
【図6】本発明の他の実施例に係るマルチ投写型表示装
置を説明するための説明図。
【図7】図6の実施例の作用を説明するための説明図。
【図8】図6の実施例の作用を説明するための説明図。
【図9】図9は図6の実施例に採用するマルチスクリー
ンを説明するための説明図。
【図10】ツイストネマチック液晶パネルの視野角特性
を説明するための説明図。
【図11】図10の液晶パネルを図6の4面マルチ投写
型表示装置に適用した実施例を示す説明図。
【図12】図11の装置におけるマルチ画面の視野角特
性を説明するための説明図。
【図13】図1の2面マルチ投写型表示装置に広視野角
特性を付与した変形例を示す説明図。
【図14】図13の装置におけるマルチ画面の視野角特
性を説明するための説明図。
【図15】投写型液晶表示装置を示す説明図。
【図16】従来のマルチ投写型表示装置を説明するため
の説明図。
【図17】図17は従来のマルチ投写型表示装置の構成
を示す説明図。
【図18】従来の問題点を説明するための説明図。
【図19】横軸に光軸に対する角度ωをとり縦軸に効率
をとって、コサイン4乗則を示すグラフ。
【図20】マルチ画面の表示の問題点を説明するための
説明図。
【図21】マルチ画面の表示の問題点を説明するための
説明図。
【図22】4台の液晶プロジェクターを用いた従来のマ
ルチ投写型表示装置を示す説明図。
【図23】図22中のマルチスクリーン上の表示を説明
するための説明図。
【図24】図22中のマルチスクリーン上の表示を説明
するための説明図。
【図25】4面マルチスクリーンで採用するフレネルス
クリーンを説明するための説明図。
【符号の説明】
4a,4b…投写レンズ、15a,15b…光軸、31a,31
b…液晶パネル、32a,32b…投写光、33…スクリーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−227238(JP,A) 特開 平3−245687(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03B 21/00,21/10 G02F 1/13 H04N 5/74

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各入射光をマルチスクリーン上に夫々拡
    大投写して各小画面を形成して各小画面によるマルチ画
    面を形成する複数の投写レンズと、 光源装置からの光を入射して映像光に変換しこの映像光
    を出射面から前記入射光として前記複数の投写レンズに
    夫々出射するものであって、前記マルチスクリーンの中
    心を通過し前記投写レンズの各光軸に平行な軸方向に前
    記各出射面の中心が偏移した複数の液晶ライトバルブと
    を具備したことを特徴とするマルチ投写型表示装置。
  2. 【請求項2】 夫々液晶ライトバルブ及び投写レンズを
    有し、各小画面を形成するための各投写光をその各光軸
    に対して偏移させて出射する複数の光学ボックスと、 その中心を中心とする同心円状にフレネルレンズを形成
    し前記各小画面によるマルチ画面を表示するマルチスク
    リーンと、 前記各光軸が前記マルチスクリーンの中心近傍で前記マ
    ルチスクリーンと交差するように前記複数の光学ボック
    スを支持する所定の支持部材とを具備したことを特徴と
    するマルチ投写型表示装置。
  3. 【請求項3】 前記液晶ライトバルブは、前記マルチ画
    面の形状に基づいてラビング方向を決定することを特徴
    とする請求項1,2に記載のマルチ投写型表示装置。
JP3309418A 1991-11-25 1991-11-25 マルチ投写型表示装置 Expired - Fee Related JP2997588B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3309418A JP2997588B2 (ja) 1991-11-25 1991-11-25 マルチ投写型表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3309418A JP2997588B2 (ja) 1991-11-25 1991-11-25 マルチ投写型表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05142655A JPH05142655A (ja) 1993-06-11
JP2997588B2 true JP2997588B2 (ja) 2000-01-11

Family

ID=17992766

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3309418A Expired - Fee Related JP2997588B2 (ja) 1991-11-25 1991-11-25 マルチ投写型表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2997588B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH095890A (ja) * 1995-06-15 1997-01-10 Nec Corp 液晶マルチ・スクリーン・システム
KR100685908B1 (ko) * 2000-03-02 2007-02-23 엘지.필립스 엘시디 주식회사 대화면 액정표시소자
US6863400B1 (en) * 2004-01-21 2005-03-08 Eastman Kodak Company Tiled projection display using spatial light modulators
JP5444963B2 (ja) 2008-11-26 2014-03-19 セイコーエプソン株式会社 プロジェクタ
JP2016109840A (ja) * 2014-12-05 2016-06-20 セイコーエプソン株式会社 表示装置、及び、表示装置の制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05142655A (ja) 1993-06-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4722593A (en) Liquid-crystal projector with light beam reduction lens array for improved brightness of image outer portions
US7604354B1 (en) Three-dimensional projection apparatus using coaxial optical alignment
JPH05273516A (ja) イメージプロジェクションシステム
JP2000112035A (ja) 投写型画像ディスプレイ装置及びそれに用いるスクリーン
JP2000075259A (ja) 液晶装置及びこれを用いた投写型表示装置
JP2997588B2 (ja) マルチ投写型表示装置
JP2794915B2 (ja) 大画面表示装置
JPS6373782A (ja) プロジエクタ
JPS62194788A (ja) プロジエクタ
JPH08220634A (ja) 背面投射型プロジェクタ−
JP2973594B2 (ja) 投写型画像表示装置
JPH05328376A (ja) 液晶プロジェクタ
JPH0271240A (ja) 液晶プロジェクタ
JPH04125536A (ja) 背面投射型液晶表示装置
JPS6160636B2 (ja)
JPH04362623A (ja) 背面投射形画像表示装置
WO2000075724A1 (fr) Plaque pare-lumiere pour appareil video de projection
JP2998811B2 (ja) 透過型スクリーン及びそれを用いた背面投写型画像ディスプレイ装置
JPH0277726A (ja) 液晶表示装置
JP2635149B2 (ja) 投写形画像デイスプレイ装置用光学系
JP2723585B2 (ja) 投射型液晶表示装置
KR0151033B1 (ko) 배면투사형 프로젝터
JP2002107831A (ja) 背面投射型マルチ画面ディスプレイ
JPH02239218A (ja) 形状補正レンズおよび形状補正レンズを用いた投射型ディスプレー装置
KR940006726B1 (ko) 배면투사형 lcd 프로젝터 광학계

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees