JP2997262B1 - コッタ取付治具、コッタ取外し治具および装置 - Google Patents

コッタ取付治具、コッタ取外し治具および装置

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JP2997262B1 JP37416798A JP37416798A JP2997262B1 JP 2997262 B1 JP2997262 B1 JP 2997262B1 JP 37416798 A JP37416798 A JP 37416798A JP 37416798 A JP37416798 A JP 37416798A JP 2997262 B1 JP2997262 B1 JP 2997262B1
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Abstract

【要約】 【課題】 エンジンのバルブステムとスプリングリテー
ナとの間にコッタを取り付けるコッタ取付け作業をスム
ーズに行えるようにする。 【解決手段】 本体47の内周側には、コッタ69を押
えるコッタ押え部材48を軸方向に移動自在に嵌合させ
る。このコッタ押え部材には、バルブステム72の先端
部を挿入させる挿入孔を形成し、コッタへ向かう弾性力
を弾性体49で付加する。コッタ押え部材の押え端部4
8aは、押込力が付加されていない自然状態で、リテー
ナ70におけるコッタ挿入孔70aに嵌合してリテーナ
との芯合せを行う外径とする。本体によってリテーナが
バルブステムの基端側へ押し下げられるのに伴い、コッ
タ押え部材が2つ割りのコッタの間にバルブステムの先
端部を侵入させながらコッタを押し下げ、バルブステム
の係合溝にコッタを係合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンのバルブ
ステムとスプリングリテーナとの間にコッタを取り付け
たり、取り外すのに使用するコッタ取付治具、コッタ取
外し治具および装置に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来、エ
ンジンのバルブステムとスプリングリテーナとの間にコ
ッタを取り付ける作業には、図13に示す取付け・取外
し装置61と、図14に示す治具62を使用して行って
いる。図13の装置61は、エンジンのシリンダヘッド
を支持する支持台63を設けた基体64と、この基体6
4の一端に立設した支柱65に揺動自在に枢支したレバ
ー66とを有し、レバー66の中間部にはシリンダヘッ
ドのスプリングリテーナを押圧する押圧部材67が設け
られている。図14の治具62は円筒体の下部周壁に開
口62aを形成したものである。
【0003】前記装置61による前記コッタ取付作業
は、図14に示すように、装置61の支持台63にシリ
ンダヘッド68を載せ、図15(A)に示すように、2
つ割りのコッタ69,69をテーパ孔からなるテーパ挿
入孔に予め組み込んだスプリングリテーナ70をシリン
ダヘッド68におけるバルブスプリング71A,71B
の上端に載せてセットしておき、図14の装置61の押
圧部材67と前記リテーナ70との間に、治具62を介
在させ、レバー66を回動操作して押圧部材67でリテ
ーナ70を押し下げて、図15(B)に示すように、相
対的にバルブステム72をリテーナ70の中心に貫通さ
せることにより、バルブステム72の先端部でコッタ6
9,69を押し下げる。この状態で、治具62の開口6
2aから工具または指を差し込み、コッタ69の係合突
部69aをバルブステム72の上端部の周面の係合溝7
2aに係合させた後、治具62によるリテーナ70の押
下げを解除する。これにより、バルブスプリング71
A,71Bのばね力でリテーナ70が上動して、リテー
ナ70と、バルブステム72との間にコッタ69,69
が取り付けられる。
【0004】また、前記リテーナ70と、バルブステム
72との間に介在する2つ割りのコッタ69,69を取
り外す作業の場合も、前記装置61および治具62を使
用して、コッタ取付け作業の場合と同様にリテーナ70
を押し下げることにより、図15(B)のように、リテ
ーナ70の上方にコッタ69,69を露出させ、この状
態で、先端に磁石91を取り付けた別のケーブル状の取
外し具92を前記治具62の開口62aから内部に差し
込み、露出したコッタ69,69を前記磁石で吸着して
取り外す。
【0005】しかし、図14に示す装置61および治具
62によるコッタ取付け・取外し作業は困難である。す
なわち、この場合、押圧部材67の中心部分とバルブス
テム72の中心とをほぼ一致させるために、シリンダヘ
ッド68を前後・左右に数回にわたって位置調整する必
要がある。また、シリンダヘッダ68の支持姿勢が傾斜
しており、装置61の押圧部材67が治具62の上端を
点接触状態で押圧するので、治具62が押圧部材67か
らずれることがある。また、コッタ取付作業では、図1
5(B)に示すように、、上方からコッタ69,69を
押さえる必要があり、作業性が悪い。
【0006】このほか、前記コッタ取付作業に使用する
治具として、図16に示す構成のものも知られている
(特開昭60−43108号公報)。このコッタ取付治
具74は、センターガイド77、コッタ押え78および
リテーナ押え79を同心状に配置した上側治具75と、
バルブ80を下側から押し上げる下側治具76とからな
り、以下のようにしてコッタ69,69の取付けを行
う。
【0007】すなわち、コッタ挿入孔に2つ割りコッタ
69,69を嵌め込んだスプリングリテーナ70をバル
ブスプリング71の上端に載せた状態で(図16
(A))、リテーナ押え79によりリテーナ70を押し
下げることにより、リテーナ70に対して相対的にバル
ブ80を上昇させて、バルブ80のステム80aでコッ
タ69,69をリテーナ70から突出する位置まで押し
上げる(図16(B))。次に、コッタ押え78を上昇
退避させるとともに、センターガイド77を下動させ
て、その下端部でコッタ69,69を径方向に開いた姿
勢にする(図16(C))。次に、下側治具76でバル
ブ80を押し上げるとともに、センターガイド77を上
昇退避させ、これによりコッタ69の係合突起69aを
バルブステム80aの上端部周面の係合溝83と対向さ
せる(図16(D)。次に、リテーナ押え79を上昇退
避させるとともに、下側治具76を下降退避させ、これ
によりバルブ80に対してリテーナ70を相対的に上昇
させ、リテーナ70とバルブステム80aとの間にコッ
タ69,69を取り付ける(図16(E))。
【0008】しかし、上記構成では、コッタ69を開く
ためのセンターガイド77、コッタ押え78およびリテ
ーナ押え79の3部材からなる上側治具75のほかに、
下側治具76が必要で、構成が複雑になる。
【0009】このほか、前記センターガイド77を、前
記コッタ押え78の奥部(上部)からばねを介して下側
に付勢することにより、上動するバルブステム80aに
押されてセンターガイド77が前記ばねの付勢力に抗し
て上昇退避できるようにした構成の治具も知られている
(特許2584484号)。
【0010】しかし、この構成の場合、センターガイド
77、コッタ押え78およびリテーナ押え79の3部材
のほかに、ばねが必要で、構成が複雑であることに変わ
りはない。
【0011】本発明は、上記に鑑みてなされたもので、
簡単な構造でありながら、エンジンのバルブステムとス
プリングリテーナとの間にコッタを取り付けるコッタ取
付け作業や、コッタを取り外すコッタ取外し作業をスム
ーズに行うことができるコッタ取付治具、コッタ取外し
治具および装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記した目的を達成する
ために、本発明の請求項1に係るコッタ取付治具は、エ
ンジンのバルブスプリングを保持するリテーナとバルブ
ステムの先端部との間に、この先端部にリテーナを保持
する2つ割りのコッタを取り付けるためのコッタ取付治
具であって、一端に押込力が付加される押込力付加部を
有し、他端の押圧部で前記押込力によってリテーナをバ
ルブスプリングのばね力に抗してバルブステムの基端側
へ押圧する筒形の本体と、バルブステムの先端部を挿入
させる挿入孔を有し、前記本体の内周側に軸方向へ移動
自在に嵌合されてコッタを押えるコッタ押え部材と、前
記コッタ押え部材にコッタへ向かう弾性力を付加する弾
性体とを備え、前記コッタ押え部材の押え端部は、前記
押込力が付加されていない自然状態で、リテーナにおけ
る前記コッタ保持用のコッタ挿入孔に嵌合してリテーナ
との芯合せを行う外径を有し、前記本体によってリテー
ナがバルブステムの基端側へ向かって押し下げられるこ
とにより、前記コッタ押え部材が2つ割りのコッタの間
にバルブステムの先端部を侵入させながらコッタを押し
下げて、バルブステムの係合溝に係合させるようにして
いる。
【0013】前記コッタ取付治具によれば、本体の押圧
部でリテーナを押圧するとともに、コッタ押え部材の押
え端部がリテーナのコッタ挿入孔に嵌合してリテーナと
の芯合せを行うことにより、2つ割りのコッタとバルブ
ステムとの芯合せもなされるので、2つ割りのコッタの
間にバルブステムの先端部が侵入して、相対的にコッタ
がバルブステムの先端部から押し下げられ、リテーナの
押圧を解除することにより、バルブステムの係合溝にコ
ッタが係合するので、コッタの取付けを行うことができ
る。また、上記のとおり、コッタ抑え部材の抑え端部に
よって、コッタ間にバルブステムの先端部を侵入させる
から、従来におけるコッタを開くためのセンターガイド
が不要になり、構造が簡略化される。
【0014】本発明の請求項2に係るコッタ取付治具
は、請求項1の構成において、さらに、前記弾性体の長
さを調節することにより弾性力を調整する弾性力調整部
材を備えている。
【0015】前記コッタ取付治具によれば、コッタ押え
部材にコッタへ向かう弾性力を付加する弾性体の弾性力
を調整できるので、コッタ押え部材からコッタやバルブ
ステムに作用する押圧力を適正な値に加減調整できる。
【0016】また、本発明の請求項3に係るコッタ取付
治具は、請求項1の構成において、前記コッタ押え部材
の押え端部は、コッタの内周面に当接し前記本体の押し
下げにともなって2つ割りのコッタを径方向に押し開く
テーパ状の押開き面を有している。
【0017】前記コッタ取付治具によれば、リテーナの
押圧にともなって、コッタ押え部材の押え端部における
押開き面にガイドされて、2つ割りのコッタが径方向に
押し開かれるので、コッタの間にバルブステムを侵入さ
せ易くなり、コッタの取付け作業が容易になる。
【0018】また、本発明の請求項4に係るコッタ取外
し治具は、エンジンのバルブスプリングを保持するリテ
ーナとバルブステムの先端部との間に介在して、この先
端部にリテーナを支持する2つ割りのコッタを取り外す
ための治具であって、一端に押込力が付加される押込力
付加部を有し、他端の押圧部で前記押込力によってリテ
ーナをバルブスプリングのばね力に抗してバルブステム
の基端側へ押圧する筒形の本体と、バルブステムの先端
部を挿入させる挿入孔を有し、前記本体の内周側に装着
されてコッタを吸着する磁石体と、前記本体によってリ
テーナがバルブステムの基端側へ向って押し下げられる
ことによりコッタを径方向に開いて、バルブステムの係
合溝から離脱させて、コッタに近接した磁石体によりコ
ッタを吸着するようにしている。
【0019】前記コック取外し治具によれば、本体の押
圧部でリテーナを押圧することにより、相対的にバルブ
ステムの先端部が磁石体の挿入孔に侵入するとともに、
コッタが径方向に開いて、バルブステムの係合溝から外
れ、磁石体にコッタが吸着されるので、コッタの取外し
作業をスムーズに行うことができる。
【0020】また、本発明の請求項5に係るコッタ取外
し治具は、請求項4において、前記磁石体が、前記本体
に軸方向へ移動自在に嵌合されており、さらに、前記磁
石体にコッタへ向かう弾性力を付加する弾性体を備えて
いる。
【0021】前記コック取外し治具によれば、磁石体に
リテーナやコッタやバルブステムが押し当てられて、磁
石体に所定以上の押圧力が働くとき、磁石体が自動的に
上方に退避するので、磁石体に無理な外力が加わるのを
防止できる。
【0022】また、本発明の請求項6に係るコッタ取外
し治具は、請求項4または5の構成において、前記本体
が、前記リテーナの外周に嵌合して、リテーナとの間で
芯出しを行う外嵌部を備えている。
【0023】前記コッタ取外し治具によれば、本体の外
嵌部がリテーナの外周に嵌合することにより、コッタ取
外し治具とリテーナとの間の芯出しが行われるので、コ
ッタの取外し作業が容易になる。
【0024】また、本発明の請求項7に係るコッタ取付
装置は、エンジンのバルブスプリングを保持するリテー
ナとバルブステムの先端部との間に、この先端部にリテ
ーナを保持する2つ割りのコッタを取り付けるための装
置であって、バルブステムが鉛直になるようシリンダヘ
ッドを傾斜して支持し、かつ、傾斜角度が調整自在なベ
ースと、このベース上に水平方向へスライド自在に支持
されたスライド台と、このスライド台に設けられてシリ
ンダヘッドのノックピン孔に嵌合してシリンダヘッドの
スライド台に対する位置決めを行うノックピンと、押込
力を受けてリテーナをバルブステムの基端側へ向かって
押し下げながらコッタをバルブステムの先端部の係合溝
に係合させるコッタ取付治具と、前記コッタ取付治具に
前記押込力を付加する押込具とを備えている。
【0025】前記コッタ取付装置によれば、エンジンの
種類を問わず、バルムステムが鉛直となるようにシリン
ダヘッドを支持できるとともに、押込具で押し下げられ
るコッタ取付治具の真下にバルブステムが正しく配置さ
れるようにシリンダヘッドを位置決めできるので、コッ
タの取付作業を容易に行うことができる。
【0026】また、本発明の請求項8に係るコッタ取付
装置は、請求項7の構成において、前記ノックピンが、
前記スライド台に移動可能に装着された2組のピンプレ
ートに偏心して設けられており、一方の組のピンプレー
トは、中心軸まわりの回転位置が変更可能にスライド台
に固定され、他方の組のピンプレートは、中心軸まわり
の回転位置および一方の組との距離が共に変更可能にス
ライド台に固定されている。
【0027】前記コッタ取付装置によれば、シリンダヘ
ッドのノックピン孔の位置が多種にわたる場合でも、ス
ライド台上にシリンダヘッドを安定よく位置決めできる
ので、多種類のエンジンに対応でき、それだけ汎用性が
高まる。
【0028】また、本発明の請求項9に係るコッタ取外
し装置は、エンジンのバルブスプリングを保持するリテ
ーナとバルブステムの先端部との間に介在してこの先端
部にリテーナを支持する2つ割りのコッタを取り外すた
めの装置であって、バルブステムが鉛直になるようシリ
ンダヘッドを傾斜して支持し、かつ、傾斜角度が調整自
在なベースと、このベース上に水平方向へスライド自在
に支持されたスライド台と、このスライド台に設けられ
てシリンダヘッドのノックピン孔に嵌合してシリンダヘ
ッドのスライド台に対する位置決めを行うノックピン
と、押込力を受けてリテーナをバルブステムの基端側へ
向かって押し下げながらコッタをバルブステムの先端部
の係合溝から離脱させるコッタ取外し治具と、前記コッ
タ取外し治具に前記押込力を付加する押込具とを備えて
いる。
【0029】前記コッタ取外し装置によれば、エンジン
の種類を問わず、バルブステムが鉛直となるようにシリ
ンダヘッドを支持できるとともに、押込具で押し下げら
れるコッタ取外し治具の真下にバルブステムが配置され
るようにシリンダヘッドを位置決めできるので、コッタ
取外し作業をスムーズに行うことができる。
【0030】また、本発明の請求項10に係るコッタ取
外し装置は、請求項9の構成において、前記ノックピン
が、前記スライド台に移動可能に装着された2組のピン
プレートに偏心して設けられており、一方の組のピンプ
レートは中心軸まわりの回転位置が変更可能にスライド
台に固定され、他方の組のピンプレートは中心軸まわり
の回転位置および一方の組との距離が共に変更可能にス
ライド台に固定されている。
【0031】前記コッタ取外し装置によれば、シリンダ
ヘッドのノックピン孔の位置が多種にわたる場合でも、
スライド台上にシリンダヘッドを位置決めできるので、
多種類のエンジンに対応でき、それだけ汎用性が高ま
る。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一
実施形態に係るコッタ取付装置を示す斜視図である。こ
のコッタ取付装置1は、図8に示すように、エンジン6
0におけるシリンダヘッド68のバルブスプリング71
A,71Bを保持するリテーナ70とバルブステム72
の先端部との間に、この先端部にリテーナ70を保持す
る2つ割りのコッタ69、69を取り付けるのに使用す
る装置である。この装置1は、図1に示すバルブステム
72が鉛直姿勢となるようにシリンダヘッド68を傾斜
して支持するベース2と、このベース2上に水平方向H
へスライド自在に支持されたスライド台3と、コッタ取
付治具4と、このコッタ取付治具4を垂直姿勢に保持し
て昇降させる押込具5とを備えている。前記コッタ取付
治具4は、図8のバルブステム72の先端部の周面に設
けられた係合溝72aに2つ割りのコッタ69,69を
係合させるための治具である。
【0033】図1のベース2は、ベース本体6と、この
ベース本体6を傾斜姿勢に支持する傾斜支持機構7とか
らなる。傾斜支持機構7は、図2に示すように、水平基
盤8上に互いに平行に並べて配置された3台の傾斜支持
板9を備える。3台の傾斜支持板9のうち、左右両側の
2台の傾斜支持板9の上面には、前記ベース本体6に形
成された係合孔10(図3)に係合する係合ピン11が
それぞれ突設されている。水平基盤8の上には前記各傾
斜支持板9に対応する3台の水平台12が並べて固定さ
れており、各水平台12の一端部には、それぞれボール
ねじ13が回転自在に立設されている。また、これらの
ボールねじ13には、それぞれボールナット14が螺合
させてある。
【0034】各傾斜支持板9の一端部は二股状に形成さ
れており、この二股部9aが、対応する前記ボールナッ
ト14を挟む状態で、支軸15を介してボールナット1
4の側部に回動自在に支持されている。これにより、各
傾斜支持板9は、対応するボールねじ13を回動させて
ボールナット14を上下動させることで、傾斜角度を調
整できる。なお、この傾斜角度の調整にともない傾斜支
持板9の他端部が円滑に前後移動できるように、水平台
12の上には傾斜支持板9の他端部を支持するロール材
16が設けられている。また、水平台12の両側部に
は、傾斜支持板9の横ずれを規制するガイド片17が設
けられている。
【0035】前記ベース本体6の上面には、図3に示す
ように、前記スライド台3のスライド方向Hである長手
方向に向けて延びる溝18が形成され、この溝18には
スライド台3を円滑にスライドさせるローラベルト19
が配置されている。このローラベルト19は多数のロー
ラをベルト状の樹脂製ホルダに保持させたものである。
また、ベース本体6のボールねじ13側に向く端部と反
対側の端部とには、スライド台3をガイドするガイド突
条20が設けられている。
【0036】図1に示すスライド台3の上面の4隅部に
は、2組の円板状のピンプレート21A,21A,21
B,21Bが設けられている。これらピンプレート21
A,21Bの上面には、シリンダヘッド68の下面に形
成されたノックピン孔(図示せず)に嵌合して、スライ
ド台3に対するシリンダヘッド68の位置決めを行うノ
ックピン22が偏心して突設されている。スライド台3
の左側の2つの隅部には、図6(A),(B)に示すよ
うに、1組のピンプレート21A,21Aが回転自在に
嵌合する円形のプレート嵌合凹部23A,23Aが形成
されており、その中心部には、ピンプレート21Aの下
面中央に突設された軸部21aが係合する係合孔24A
が貫通して形成されている。このプレート嵌合凹部23
Aに嵌合するピンプレート21Aを回動させることによ
り、ノックピン22の回転位置を可変調整できる。この
位置調整後、スライド台3の下面側からピンプレート2
1Aの軸部21aを、座金25を介してビス26(図6
(B))でスライド台3に締め付けることにより、ノッ
クピン22が位置決めされる。
【0037】また、スライド台3の右側の2つの隅部に
は、他の1組のピンプレート21B,21Bが、回転自
在で、かつスライド台3の長手方向にスライド自在に嵌
合する長円形のプレート嵌合凹部23B,23Bが形成
されている。これら長円形のプレート嵌合凹部23Bの
底面には、ピンプレート21Bの下面中央に突設された
軸部21aが係合する長円形の係合孔24Bがプレート
嵌合凹部23Bの長手方向に向けて形成されている。こ
のプレート嵌合凹部23Bに嵌合するピンプレート21
Bを回動させせることにより、ノックピン22の回転位
置を可変調整でき、係合孔24Bに沿って長手方向に移
動させることにより、先の1組のピンプレート21A,
21Aのノックピン22との距離が可変調整できる。こ
の位置調整後、スライド台3の下面側からピンプレート
21Bの軸部21aを、座金25を介してビス26(図
6(B))でスライド台3に締め付けることにより、ノ
ックピン22が位置決めされる。
【0038】さらに、前記スライド台3の上面には、バ
ルブ支持板27を左右方向に位置調整自在に嵌合させる
ガイド溝28が設けられている。バルブ支持板27は、
図8に示すように、スライド台3を、このスライド台3
上に支持されるシリンダヘッド68のバルブステム72
が鉛直姿勢となる傾斜角度にしたとき、シリンダヘッド
68の下面に臨むバルブ73が水平面で支持されるよう
にするためのものであり、図6(B)に示すように、両
側に傾斜面を有する断面山形の形状とされており、下面
には前記ガイド溝28に係合する係合突部27aが形成
されている。また、バルブ支持板27の上面中央には、
図6(A)に示すスライド台3に対してバルブ支持板2
7を位置調整する時の目安となる指標用凹部27bが形
成されている。
【0039】また、前記スライド台3のボールねじ13
に対向する端部およびこれに対向する端部には、スライ
ド台3をベース本体6の所望のスライド位置に位置決め
するための雄ねじからなる位置決め部材29が設けられ
ている。
【0040】図1の押込具5は、前記水平基盤8のボー
ルねじ13側に突設された支柱37と、この支柱37か
らスライド台3の上方に向けた水平方向に突出するアー
ム38とを有し、アーム38の先端部には、コッタ取付
け治具4を垂直姿勢で保持して押圧する治具押込部40
を下端に有する昇降ロッド39が昇降自在に支持されて
いる。この昇降ロッド39には、図5に示すように、上
下に延びるラック41が設けられている。また、アーム
38の内部には、前記昇降ロッド39のラック41に噛
み合うピニオン42が設けられており、このピニオン4
2は操作レバー43によって回動操作できるようにされ
ている。この操作レバー43でピニオン42を回動させ
ることにより、昇降ロッド39を昇降動作させることが
できる。
【0041】図7は、前記コッタ取付治具4の縦断面図
を示す。このコッタ取付治具4は、筒形の本体47と、
この本体47の内周側に同心状に形成された嵌合孔47
cと、この嵌合孔47cに軸方向へ移動自在に嵌合され
たコッタ押え部材48と、このコッタ押え部材48にコ
ッタ69(図8)へ向かう弾性力を付加する弾性体であ
るコイルばね49とを備える。
【0042】前記本体47の一端(上端)は、前記コッ
タ取付装置1における昇降ロッド39の下端の治具押込
部40で保持されて、コッタ取付装置1の押込具5によ
る押込力が作用する押込力付加部47aとなる。また、
本体47の他端(下端)には、図8のエンジン60のシ
リンダヘッド68におけるバルブスプリング71A,7
1Bを保持するリテーナ70に当接して、前記押込力を
リテーナ70に付加するリング状に突出した図7の押圧
部47bが形成されている。
【0043】前記コッタ押え部材48の先端部は押え端
部48aとされ、この押え端部48aには、挿入孔50
が形成されている。さらに、前記押え端部48aの端面
における挿入孔50の開口縁には、テーパ状の押開き面
48bが形成されている。
【0044】前記押え端部48aは、図8に示すコッタ
69を押えるためのものである。前記挿入孔50はバル
ブステム72の先端部を挿入させる。また、前記押え端
部48aは、リテーナ70におけるコッタ挿入孔70a
(図8)に嵌合する外径とされている。このコッタ挿入
孔70aは、バルブステム72の先端部を挿通させると
ともに、コッタ69を保持するためのものである。前記
押開き面48bは、コッタ69の内周面に当接し前記本
体47の押し下げにともなって2つ割りのコッタ69,
69を径方向に押し開く。
【0045】また、前記コッタ押え部材48は、図7に
示す本体47内のコッタ押え部材48が嵌合する下半部
よりも大径とされた中間孔47dに配置されたばね受け
部材51にビス52で連結されている。本体47内に
は、前記嵌合孔47cと中間孔47dとの段部47eに
より、ばね受け部材51の下動を規制するストッパが形
成されている。この段部47eがストッパとなって、コ
ッタ押え部材48が本体47内から所定位置以上に下動
するのが規制される。
【0046】さらに、前記本体47内の上半部には、前
記ばね受け部材51とでコイルばね49を挟み付ける弾
性力調整部材53が螺着されている。この弾性力調整部
材53を回動させて螺着位置を可変設定することによ
り、前記コイルばね49の長さが調節されて、前記コッ
タ押え部材48に作用するコイルばね49の弾性力を調
整することができる。これにより、図8に示すコッタ押
え部材48から、コッタ69やバルブステム72に作用
する押圧力を適正な値に加減調整できる。
【0047】前記構成のコッタ取付装置1(図1)を使
用して、シリンダヘッド68におけるリテーナ70とバ
ルブステム72の先端部との間に2つ割りのコッタ6
9,69を取り付ける作業の手順を以下に説明する。
【0048】先ず、コッタ取付作業の対象となるエンジ
ンの機種に応じて、図2の傾斜支持板9の傾斜角度を、
傾斜支持機構7の各ボールねじ13の回動操作により調
整する。これにより、図5に示すように、ベース本体6
上のスライド台3に載せたシリンダヘッド68が傾斜姿
勢となり、作業対象のバルブステム72(図8)が鉛直
姿勢となるようにする。
【0049】次に、図1に示すスライド台3上の2組の
ピンプレート21A,21Bを回動および移動させて、
各ピンプレート21A,21Bのノックピン22を、シ
リンダヘッド68(図5)の下面の各ノックピン孔(図
示せず)に嵌合するように位置調整し、位置調整した後
に、ビス26(図6(B))で締め付けて、各ピンプレ
ート21A,21Bをスライド台3に固定する。
【0050】このようにノックピン22を位置調整した
スライド台3の上に、図5に示すシリンダヘッド68の
下面の各ノックピン孔が対応するノックピン22に嵌合
する状態に載せて、シリンダヘッド68を位置決めす
る。さらに、スライド台3上に配置された各バルブ支持
板27の傾斜面で、シリンダヘッド68の対応する各バ
ルブが受け止められるように、バルブ支持板27を図1
のガイド溝28に沿って長手方向(水平方向)Hに移動
させて位置調整する。この位置調整では、図4に示すよ
うに、シリンダヘッド68における各プラグ孔74か
ら、対応する図1のバルブ支持板27の指標用凹部27
bが覗けるようにバルブ支持板27を位置させること
で、バルブ支持板27を、対応するバルブを支持する位
置に位置合わせできる。
【0051】このようにして、エンジン60の種類を問
わず、図8のバルブステム72が鉛直となるようにシリ
ンダヘッド68を支持できるとともに、スライド台3上
にシリンダヘッド68を位置決めできるので、多種類の
エンジン60に対応でき、それだけ汎用性が高まる。
【0052】次に、図4に示すシリンダヘッド68にお
ける作業対象のバルブステム72が、昇降ロッド39の
下端の治具押込部40の直下位置に来るように、ベース
本体6に対してスライド台3を手動で水平にスライドさ
せ、その後に位置決め部材29(図6(A))で、スラ
イド台3をベース本体6に位置決めする。さらに、図8
に示す作業対象のバルブステム72に対応するバルブス
プリング71A,71Bの上にリテーナ70をセットす
る。リテーナ70内のコッタ挿入孔70aの下部のテー
パ部には、2つ割りのコッタ69,69が予め組み込ん
である。
【0053】このようにセットした状態で、図4に示す
ように、コッタ取付治具4を手で握持して押込具5の治
具押込部40の真下に位置させ、押込具5の操作レバー
43を回動操作して昇降ロッド39を下動させる。これ
により、図9(A)に示すように、先ず、コッタ取付治
具4における本体47の押圧部47bがリテーナ70に
当接するとともに、コッタ押え端部48aがリテーナ7
0のコッタ挿入孔70aの上部の円周部に嵌合して、リ
テーナ70との芯合せが行われる。これにより、以後の
コッタ取付け作業を適正に行うことができる。
【0054】ついで、昇降ロッド39をさらに下動さ
せ、押込力を本体47の押圧部47bからリテーナ70
に作用させて、図9(B)に示すように、バルブスプリ
ング71A,71Bのばね力に抗してリテーナ70をバ
ルブステム72の基端側(下側)へ押圧すると、相対的
にバルブステム72の先端部がリテーナ70のコッタ挿
入孔70a内に侵入する。これにより、先ず、コッタ6
9がコッタ押え部材48の押え端部48aで押えられる
まで、バルブステム72の先端部で押し上げられ、それ
以後はバルブステム72だけが上動する。コッタ69の
上動がコッタ押え部材48の押え端部48aで規制され
るとき、コッタ69は、押え端部48aのテーパ状の押
開き面48bで案内されて、径方向に押し開かれる。こ
れにより、コッタ取付け作業をより適正に行うことがで
きる。
【0055】さらに、昇降ロッド39を下動させて、図
9(C)に示すように、バルブステム72の先端部がコ
ッタ押え部材48の挿入孔50に侵入し、バルブステム
72の先端部の係合溝72aがコッタ69よりも上位置
となるように、リテーナ70を押圧する。
【0056】この後に、昇降ロッド39(図1)を上動
させてコッタ取付治具4を上昇退避させ、リテーナ70
への押圧力を解除する。これにより、図9(D)に示す
ように、リテーナ70がバルブスプリング71A,71
Bのばね力で上昇復帰し、相対的にリテーナ70に対し
てバルブステム72が下動する。その結果、バルブステ
ム72の先端部の係合溝72aにコッタ69の係合突部
69aが係合する。すなわち、リテーナ70とバルブス
テム72の先端部との間に、2つ割りのコッタ69,6
9が取り付けられる。このようにして、コッタ取付け作
業をスムーズに行うことができる。
【0057】図10は、コッタ取外し治具54の縦断面
図を示す。このコッタ取外し治具54は、図8に示した
エンジン60におけるリテーナ70とバルブステム72
の先端部との間に取り付けられた2つ割りのコッタ6
9,69を取り外すための治具であって、図1に示した
コッタ取付装置1における昇降ロッド39の下端の治具
押込部40により押し込まれる。つまり、コッタ取付装
置1は、コッタ取付治具4の代りにコッタ取外し治具5
4と組合わせることで、コッタ取外し装置100とな
る。
【0058】図10に示すコッタ取外し治具54は、筒
形の本体47と、この本体47の内周側で嵌合孔47f
に軸方向へ移動自在に嵌合されたコッタ吸着用の円筒状
磁石体55と、この磁石体55にコッタ69(図8)へ
向かう弾性力を付加する弾性体であるコイルばね49と
を備える。なお、このコッタ取外し治具54の構成にお
いて、先述したコッタ取付治具4と同一符合を付した部
材は、同等の部材を示す。
【0059】前記本体47の下端の押圧部47bの外周
には、外嵌部47jが形成されており、この外嵌部47
jが、図11に示すリテーナ70の外周に嵌合して、リ
テーナ70との間で芯出しを行う。
【0060】図10の磁石体55は永久磁石からなり、
前記本体47の内周側で別の嵌合孔47gに軸方向に移
動自在に嵌合された別の軸部材56の下端にインロウ結
合により連結されている。なお、磁石体55と軸部材5
6とは一体の永久磁石で構成してもよい。また、磁石体
55の内周側は、バルブステム72の先端部を挿入させ
る挿入孔57とされる。
【0061】前記軸部材56は、本体47内の軸部材5
6が嵌合する嵌合孔47gよりも大径とされた中間孔4
7cに配置されたばね受け部材51にビス52で連結さ
れている。これにより、やはり、段部47eがストッパ
となって、磁石体55が本体47内から所定位置以上に
下動するのが規制される。
【0062】さらに、前記本体47内の上半部に、前記
ばね受け部材51とでコイルばね49を挟み付ける弾性
力調整部材53が螺着されていることは、先のコッタ取
付治具4の場合と同様である。この弾性力調整部材53
を回動させて螺着位置を可変設定することにより、前記
コイルばね49の長さが調節されて、前記磁石体55に
作用するコイルばね49の弾性力を調整することができ
る。
【0063】これにより、コッタ取外し作業において、
磁石体55にリテーナ70、コッタ69,69またはバ
ルブステム72が押し当てられて、磁石体55に所定以
上の押圧力が働くとき、磁石体55は自動的に上方に退
避することになるので、磁石体55に無理な外力が加わ
るのを防止できる。
【0064】前記コッタ取外し治具54を、図1のコッ
タ取付装置1の治具押込部40により押し込んで、図1
1のリテーナ70とバルブステム72の先端部との間に
介在する2つ割りのコッタ69,69を取り外す作業の
手順を、以下に説明する。コッタ取外し作業の対象とな
る図4のシリンダヘッド68を、スライド台3上に位置
決めする手順や、スライド台3をベース本体6に位置決
めする手順等は、先述したコッタ取付作業の場合と同様
であり、ここではその説明を省略する。
【0065】押込具5の操作レバー43を回動操作して
昇降ロッド39を下動させることにより、図11(A)
に示すように、先ず、コッタ取外し治具54における本
体47の外嵌部47jがリテーナ70の外周に嵌合し
て、リテーナ70との間で芯出しが行われる。これによ
り、以後のコッタ取外し作業をより適正に行うことがで
きる。また、このとき、磁石体55がリテーナ70に接
近するので、その磁力作用でリテーナ70に対してコッ
タ取外し治具54が強く結合し、コッタ取外し治具54
が位置ずれするのを防止できる。
【0066】ついで、昇降ロッド39(図1)をさらに
下動させ、押込力を本体47からリテーナ70に作用さ
せて、図11(B)に示すように、バルブスプリング7
1A,71Bのばね力に抗して,押圧部47bがリテー
ナ70をバルブステム72の基端側へ押圧すると、相対
的にバルブステム72の先端部がリテーナ70のコッタ
挿入孔70aから磁石体55の挿入孔57内に侵入す
る。これにともない、バルブステム72とともに、上動
したコッタ69が、コッタ挿入孔70aにおける内径が
大きい上部に移動することで径方向に拡開して、バルブ
ステム72の先端部の係合溝72aへのコッタ69の係
合突部69aの係合が解除されるとともに、磁石対55
に吸着される。
【0067】この後に、昇降ロッド39(図1)を上動
させてコッタ取外し治具54を上昇退避させ、リテーナ
70への押圧力を解除する。これにより、図11(C)
に示すように、磁石体55に吸着されたコッタ69が持
ち上げられて、リテーナ70のコッタ挿入孔70a内か
ら取り出される。
【0068】このようにして、コッタ取外し作業をスム
ーズに行うことができる。
【0069】なお、前記コッタ取外し治具54では、永
久磁石で磁石体55を構成したが、電磁石で構成し、ス
イッチのオン・オフ操作により磁力を選択的に発生させ
るようにしてもよい。このように構成した場合には、磁
石体55でコッタ69を吸着してリテーナ70のコッタ
挿入孔70a内から取り出した後で、スイッチをオフし
て磁石体55の磁力を解除することで、コッタ取外し治
具54からコッタ69を手で取り外すことができる。
【0070】また、前記コッタ取外し治具54では、磁
石体55を軸部材56の下端部に連結したが、図12に
示すように、本体47の下端部の嵌合孔47h内に直接
固定し、磁石体55から、本体47の磁石体55配置部
よりも上方にわたってバルブステム72の挿入孔57を
形成してもよい。これにより、構成をより簡略化でき
る。
【0071】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1のコッ
タ取付治具によれば、本体の押圧部でリテーナを押圧す
るとともに、コッタ押え部材の押え端部がリテーナのコ
ッタ挿入孔に嵌合してリテーナとの芯合せを行うことに
より、2つ割りのコッタとバルブステムとの芯合せもな
されるので、2つ割りのコッタの間にバルブステムの先
端部が侵入して、相対的にコッタがバルブステムの先端
部から押し下げられ、リテーナの押圧を解除することに
より、バルブステムの係合溝にコッタが係合するので、
コッタの取付けをスムーズに行うことができる。また、
コッタ押え部材の押え端部によって、コッタ間にバルブ
ステムの先端部を侵入させるから、従来におけるコッタ
を開くためのセンターガイドが不要になり、構造が簡略
化される。
【0072】また、本発明の請求項4のコッタ取外し治
具によれば、本体の押圧部でリテーナを押圧することに
より、相対的にバルブステムの先端部が磁石体の挿入孔
に侵入するとともに、コッタが径方向に開いて、バルブ
ステムの係合溝から外れ、磁石体にコッタが吸着される
ので、コッタの取外し作業をスムーズに行うことができ
る。
【0073】また、本発明の請求項7のコッタ取付装置
によれば、エンジンの種類を問わず、バルムステムが鉛
直となるようにシリンダヘッドを支持できるとともに、
押込具で押し下げられるコッタ取付治具の真下にバルブ
ステムが正しく配置されるようにシリンダヘッドを位置
決めできるので、コッタの取付作業をスムーズに行うこ
とができる。
【0074】また、本発明の請求項9のコッタ取外し装
置によれば、エンジンの種類を問わず、バルブステムが
鉛直となるようにシリンダヘッドを支持できるととも
に、押込具で押し下げられるコッタ取外し治具の真下に
バルブステムが正しく配置されるようにシリンダヘッド
を位置決めできるので、コッタ取外し作業をスムーズに
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るコッタ取付・取外し
装置を示す斜視図である。
【図2】同コッタ取付・取外し装置のベース本体取付け
前の状態を示す斜視図である。
【図3】同コッタ取付・取外し装置のスライド台取付け
前の状態を示す斜視図である。
【図4】同コッタ取付・取外し装置によるコッタ取付作
業を示す斜視図である。
【図5】同コッタ取付・取外し装置の概略構成を示す側
面図である。
【図6】(A)は同コッタ取付・取外し装置におけるス
ライド台の平面図、(B)は(A)のVI−VI矢視断面図
である。
【図7】同コッタ取付・取外し装置に取り付けられるコ
ッタ取付治具の縦断面図である。
【図8】同コッタ取付治具によるコッタ取付作業の直前
の状態を示す縦断面図である。
【図9】同コッタ取付治具によるコッタ取付作業を示す
工程図である。
【図10】前記コッタ取付・取外し装置に取付け可能な
コッタ取外し治具の縦断面図である。
【図11】同コッタ取外し治具によるコッタ取外し作業
を示す工程図である。
【図12】コッタ取外し治具の他の例の要部を示す縦断
面図である。
【図13】コッタ取付・取外し作業に使用する装置の従
来例を示す斜視図である。
【図14】同装置によるコッタ取付作業を示す斜視図で
ある。
【図15】同装置によるコッタ取付作業の説明図であ
る。
【図16】コッタ取付治具の他の従来例によるコッタ取
付作業を示す工程図である。
【符号の説明】
1…コッタ取付装置、2…ベース、3…スライド台、4
…コッタ取付治具、5…押込具、21A,21B…ピン
プレート、22…ノックピン、47…本体、47a…押
込力付加部、47b…押圧部、47j…外嵌部、48…
コッタ押え部材、48a…押え端部、48b…押開き
面、49…コイルばね(弾性体)、50…挿入孔、54
…コッタ取外し治具、55…磁石体、60…エンジン、
69…コッタ、70…リテーナ、70a…コッタ挿入
孔、71A,71B…バルブスプリング、72…バルブ
ステム、72a…係合溝 、100…コッタ取外し装置
フロントページの続き (72)発明者 山本 一彦 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工 業株式会社 明石工場内 (72)発明者 浅野間 武 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工 業株式会社 明石工場内 (72)発明者 世良 由樹 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工 業株式会社 明石工場内 (72)発明者 島上 明広 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工 業株式会社 明石工場内 (56)参考文献 特開 平8−155763(JP,A) 実開 平3−103128(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23P 21/00 303 F01L 3/24

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンのバルブスプリングを保持する
    リテーナとバルブステムの先端部との間に、この先端部
    にリテーナを保持する2つ割りのコッタを取り付けるた
    めのコッタ取付治具であって、 一端に押込力が付加される押込力付加部を有し、他端の
    押圧部で前記押込力によってリテーナをバルブスプリン
    グのばね力に抗してバルブステムの基端側へ押圧する筒
    形の本体と、 バルブステムの先端部を挿入させる挿入孔を有し、前記
    本体の内周側に軸方向へ移動自在に嵌合されてコッタを
    押えるコッタ押え部材と、 前記コッタ押え部材にコッタへ向かう弾性力を付加する
    弾性体とを備え、 前記コッタ押え部材の押え端部は、前記押込力が付加さ
    れていない自然状態で、リテーナにおける前記コッタ保
    持用のテーパ部を有するコッタ挿入孔に嵌合してリテー
    ナとの芯合せを行う外径を有し、 前記本体によってリテーナがバルブステムの基端側へ向
    かって押し下げられることにより、前記コッタ押え部材
    が2つ割りのコッタの間にバルブステムの先端部を侵入
    させながらコッタを押し下げて、バルブステムの係合溝
    に係合させるコッタ取付治具。
  2. 【請求項2】 請求項1において、さらに、前記弾性体
    の長さを調節することにより弾性力を調整する弾性力調
    整部材を備えたコッタ取付治具。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記コッタ押え部材
    の押え端部は、コッタの内周面に当接し前記本体の押し
    下げにともなって2つ割りのコッタを径方向に押し開く
    テーパ状の押開き面を有しているコッタ取付治具。
  4. 【請求項4】 エンジンのバルブスプリングを保持する
    リテーナとバルブステムの先端部との間に介在して、こ
    の先端部にリテーナを支持する2つ割りのコッタを取り
    外すためのコッタ取外し治具であって、 一端に押込力が付加される押込力付加部を有し、他端の
    押圧部で前記押込力によってリテーナをバルブスプリン
    グのばね力に抗してバルブステムの基端側へ押圧する筒
    形の本体と、 バルブステムの先端部を挿入させる挿入孔を有し、前記
    本体の内周側に装着されてコッタを吸着する磁石体と、 前記本体によってリテーナがバルブステムの基端側へ向
    って押し下げられることによりコッタを径方向に開い
    て、バルブステムの係合溝から離脱させて、コッタに近
    接した磁石体によりコッタを吸着するコッタ取外し治
    具。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記磁石体は、前記
    本体に軸方向へ移動自在に嵌合されており、さらに、前
    記磁石体にコッタへ向かう弾性力を付加する弾性体を備
    えたコッタ取外し治具。
  6. 【請求項6】請求項4または5において、前記本体は、
    前記リテーナの外周に嵌合してリテーナとの間で芯出し
    を行う外嵌部を備えたコッタ取外し治具。
  7. 【請求項7】 エンジンのバルブスプリングを保持する
    リテーナとバルブステムの先端部との間に、この先端部
    にリテーナを保持する2つ割りのコッタを取り付けるた
    めのコッタ取付装置であって、 バルブステムが鉛直になるようシリンダヘッドを傾斜し
    て支持し、かつ、傾斜角度が調整自在なベースと、 このベース上に水平方向へスライド自在に支持されたス
    ライド台と、 このスライド台に設けられてシリンダヘッドのノックピ
    ン孔に嵌合してシリンダヘッドのスライド台に対する位
    置決めを行うノックピンと、 押込力を受けてリテーナをバルブステムの基端側へ向か
    って押し下げながらコッタをバルブステムの先端部の係
    合溝に係合させるコッタ取付治具と、 前記コッタ取付治具に前記押込力を付加する押込具とを
    備えたコッタ取付装置。
  8. 【請求項8】 請求項7において、 前記ノックピンは、前記スライド台に移動可能に装着さ
    れた2組のピンプレートに偏心して設けられており、 一方の組のピンプレートは中心軸まわりの回転位置が変
    更可能にスライド台に固定され、 他方の組のピンプレートは中心軸まわりの回転位置およ
    び一方の組との距離が共に変更可能にスライド台に固定
    されているコッタ取付装置。
  9. 【請求項9】 エンジンのバルブスプリングを保持する
    リテーナとバルブステムの先端部との間に介在してこの
    先端部にリテーナを支持する2つ割りのコッタを取り外
    すためのコッタ取外し装置であって、 バルブステムが鉛直になるようシリンダヘッドを傾斜し
    て支持し、かつ、傾斜角度が調整自在なベースと、 このベース上に水平方向へスライド自在に支持されたス
    ライド台と、 このスライド台に設けられてシリンダヘッドのノックピ
    ン孔に嵌合してシリンダヘッドのスライド台に対する位
    置決めを行うノックピンと、 押込力を受けてリテーナをバルブステムの基端側へ向か
    って押し下げながらコッタをバルブステムの先端部の係
    合溝から離脱させるコッタ取外し治具と、 前記コッタ取外し治具に前記押込力を付加する押込具と
    を備えたコッタ取外し装置。
  10. 【請求項10】 請求項9において、 前記ノックピンは、前記スライド台に移動可能に装着さ
    れた2組のピンプレートに偏心して設けられており、 一方の組のピンプレートは中心軸まわりの回転位置が変
    更可能にスライド台に固定され、 他方の組のピンプレートは中心軸まわりの回転位置およ
    び一方の組との距離が共に変更可能にスライド台に固定
    されているコッタ取外し装置。
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