JP2985973B2 - ゼオライト系抗菌剤及び樹脂組成物 - Google Patents

ゼオライト系抗菌剤及び樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゼオライト系坑菌剤及
びこれを配合してなる樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から無機系の抗菌剤としては、例え
ば活性炭に銀を担持したもの(特開昭49−61950
号公報)が知られている。しかしながら、上記の抗菌剤
は、銀イオンが溶液へ溶出する速度が早く、抗菌効果を
永続的に得ることができないと言う問題点があった。
【0003】このような問題点を解消するものとして、
ゼオライトに抗菌性成分を担持した、いわゆる抗菌性ゼ
オライトが開発されている(例えば、特公昭61−22
977号公報、特開昭60−181002号公報)。
【0004】また、樹脂に抗菌性を付与するためには、
抗菌能を有する有機系殺菌剤等を樹脂に添加したり、殺
菌作用を有する金属をイオン状態で保持したゼオライト
を添加したりするのが一般的であが、前記抗菌性ゼオラ
イトの開発に伴い、これを樹脂に配合した抗菌性樹脂組
成物が提案されている。(特開昭59−133235号
公報)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
抗菌性樹脂組成物の中で、樹脂に有機系殺菌剤等を添加
したものは、一般に抗菌能が時間の経過と共に低下する
と同時に殺菌剤が製品の表面にブリードアウトし易く、
表面のべたつき等の外観不良が生じるものが多いことが
問題となっている。
【0006】一方、樹脂に、殺菌作用を有する金属イオ
ンを担持した抗菌性ゼオライトを添加した抗菌性樹脂組
成物は、抗菌能の時間の経過に共なう低下は少なく、ま
た製品表面のべたつきもない等の点で優れている。しか
しながら、抗菌性ゼオライトを配合した樹脂は経時的に
黄色もしくは茶褐色に変色する問題がある。
【0007】従来、抗菌性ゼオライトの光や熱に対する
耐性は勿論のこと、これを配合した樹脂組成物の光や熱
に対する変色性について多くの検討がなされてきた。例
えば、ゼオライトに抗菌性金属イオンと共にNH + 4
担持させた抗菌性ゼオライトや抗菌性ゼオライトと紫外
線吸収剤との併用などが提案されているが、効果的な解
決には至っていない。
【0008】このように、抗菌性ゼオライトは、代表的
な無機系抗菌剤として優れた抗菌力をもっているにも拘
わらず、樹脂に配合した樹脂組成物の変色性のために使
用範囲が限定されていた。
【0009】本発明は、前記の問題点を解決すべく鋭意
研究した結果完成されたものであり、長期間の使用にお
いても抗菌能を有し、且つ樹脂に配合した場合に樹脂組
成物の変色性を改善することができるゼオライト系抗菌
剤及びこれを配合してなる樹脂組成物を提供することを
目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明が提供しよ
うとするものは、抗菌性金属イオンとして少なくとも銀
イオンを置換担持している抗菌性ゼオライトに、有機酸
(但し、ギ酸、酢酸を除く)を抗菌性ゼオライト100
重量部に対して2〜30重量部配合してなることを特徴
とするゼオライト系抗菌剤、および樹脂に前記ゼオライ
ト系抗菌剤を含有してなることを特徴とする樹脂組成物
である。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
係るゼオライト系抗菌剤は抗菌性ゼオライトに、有機酸
を配合してなるものであるが、前記抗菌性ゼオライトに
は抗菌性金属イオンとして少なくとも銀イオンを置換担
持したものでなければならない。特に、抗菌性金属イオ
ンとして少なくとも銀イオン(Ag+ )を担持する理由
は、最も抗菌力および抗菌スペクトルの幅が広いものが
得られるためである。
【0012】多くの場合、本発明において用いられる抗
菌性ゼオライトは、酸化物表示に基づいて次の一般式;
【化2】 (式中、m,n,x,y,zはそれぞれ1.8≦m≦1
0,0≦n≦5,0<x≦0.2,y≧0.2,z≦
0.7、0.8≦x+y+z≦1.2,y/x≦20の
モル比関係を有し、M′は周期率表IIA族、IB族又
はIIB族に属する2価金属、M″はアルカリ金属を表
す)で示されるものが好ましい。この理由は、抗菌性ゼ
オライト自体ができるだけ耐変色性のあるものを選択す
ることによるものである。すなわち、本発明において用
いられる抗菌性ゼオライトは、原料ゼオライトのナトリ
ウムイオンが銀イオンおよびその他の特定の金属イオン
によりイオン交換されたものであるが、特に原料ゼオラ
イトに対するイオン交換率で言えば、銀イオンは元のナ
トリウムイオンに対して1〜10%、好ましくは2〜8
%のイオン交換率のものがよい。1%未満では抗菌力が
不充分であり、一方、10%を越えると抗菌力が飽和す
ると共に変色傾向が強くなる。
【0013】また、上記の一般式において、M′で表わ
される、イオン交換によって担持させる銀イオン以外の
金属イオンとしては、周期率表のIIA族、IB族又は
IIB族に属する1種又は2種以上の2価金属イオン、
特に好ましくはZn++,Cu++,Co++,Ca++,Mg
++などであり、これらの金属のイオン交換率は元のナト
リウムイオンに対して少なくとも20%が必要である。
また、これらの金属イオンは、錯体イオンとして担持し
たものであってもよい。
【0014】抗菌力の点から言えば、銀イオンと共に
金,銅,亜鉛又は水銀等の抗菌性金属イオンを併用する
と抗菌スペクトルが拡大され、より広範囲の種類の細菌
やカビ類に対する効果が発揮される。他方、2価金属イ
オンにおいて、マグネシウム、カルシウム、銅、コバル
ト又は亜鉛等の金属イオンを担持することが、変色抵抗
性の観点からみて好ましい。
【0015】更に、上記の一般式において、M″で表わ
されるアルカリ金属には、ナトリウム,カリウム,リチ
ウム等が挙げられる。特に、抗菌性ゼオライトの変色抵
抗性の観点から、ナトリウムの含有量が低いことが重要
であり、ナトリウム含有量はNa2 Oとして10重量%
以下、特に8重量%以下が好ましい。また、塩素イオン
を可及的に含有していないものが望ましい。抗菌性ゼオ
ライト中のNa2 Oが10重量%を越えると、樹脂に抗
菌性ゼオライトを配合した樹脂組成物の混練や加熱成形
加工時に樹脂の劣化を促進し、着色傾向を増大させる。
さらに、M′O/Ag2 Oが20以下、好ましくは15
以下であると変色抵抗性に有効に作用する。
【0016】以上に説明したように、本発明に用いられ
る抗菌性ゼオライトは、原料の合成ゼオライトをイオン
交換処理して銀イオンのほかに、2価金属イオンを所定
量それぞれ担持しているものが好ましい。なお、イオン
交換処理は公知の方法で行うことができ、慣用の手段で
抗菌性ゼオライトを製造することができる。
【0017】また、かかる抗菌性ゼオライトは、使用お
よび抗菌性の観点から微粉末であることが望ましく、好
ましくは平均粒径(D50)が0.1〜10μm、好まし
くは0.5〜5μmの範囲にあり、且つD50の1/2〜
3/2の粒子部分が全体の少なくとも50%の粒度分布
を有するものが望ましい。また、粒子形状は、微粉末の
分散性の点から一次粒子が角のとれた丸味のあるもの
か、実質的に球状をしているものがよい。さらに、平衡
pHが8.5〜10.5の範囲のものがよい。
【0018】なお、抗菌性ゼオライトとしては、上記一
般式から明らかなように、ゼオライトA、ゼオライト
P、ゼオライトX、ゼオライトY、モルデナイト等が挙
げられるが、工業的にはゼオライトAに基づく抗菌性ゼ
オライトが最も好ましい。
【0019】本発明に係るゼオライト系抗菌剤は、上記
の抗菌性ゼオライトに、有機酸を配合してなるものであ
る。有機酸としては、ギ酸、酢酸を除いたカルボン酸類
であれば特に制限はない。例えば、ラウリン酸、ミリス
チン酸、パルミチン酸、リノール酸、リノレイン酸、ア
ゼライン酸、ステアリン酸、エチレン−ビス−ステアリ
ン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、エルカ酸、ベヘン酸な
どの脂肪族カルボン酸類、安息香酸、フェニル酢酸、ケ
イ皮酸、フタール酸等の芳香族カルボン酸類、その他ヒ
ドロキシカルボン酸類、オキソカルボン酸類、アミノ酸
類等があげられる。これらのうち、特に、高級脂肪酸が
実用的で好ましい。
【0020】本発明のゼオライト系抗菌剤は、抗菌性金
属イオンとして少なくとも銀イオンを置換担持している
抗菌性ゼオライトに有機酸を配合して得られるものであ
るが、配合方法としては両成分が均一混合物となる方法
であれば特に制限はなく通常の方法でよい。例えば、上
記有機酸が液体であれば、抗菌性ゼオライトと直接的に
又は、必要に応じ所望の溶媒の存在下で固液混合すれば
よい。一方、有機酸が固体である場合には、所望の溶媒
に溶解して抗菌性ゼオライトと混合するか、抗菌性ゼオ
ライトと該固体有機酸との配合物を加熱処理して融解し
た液体との固液混合するなどの方法が採用される。本発
明では、特に加熱混合により配合したものが好ましい。
また、上記の様に、水の不存在下にて配合を行うのが好
ましい。
【0021】また、抗菌性ゼオライトに有機酸を配合す
る場合に、有機酸の使用量は、抗菌性ゼオライト100
重量部に対して2〜30重量部、好ましくは5〜20重
量部が望ましい。2重量部未満では処理して得られたゼ
オライト系抗菌剤を樹脂に添加した場合に樹脂組成物の
変色を抑える効果が少なく、30重量部を越えると有機
がブリードアウトするために好ましくない。
【0022】本発明に係るゼオライト系抗菌剤は、上記
の様に抗菌性ゼオライトに有機酸を均一に配合処理して
なるものであるが、抗菌性ゼオライト自体の特徴と相俊
って著しく耐変色性が改善されたものである。
【0023】この点、後記のように、樹脂組成物を構成
する場合、樹脂添加剤としてのステアリン酸又は/及び
ステアリン酸塩などの有機酸を通常の抗菌性ゼオライト
と共に樹脂ベースに混合しても抗菌性ゼオライトの耐変
色性が実質的に改善されないのをみると全く予想外のこ
とであると言えよう。
【0024】さらに、本発明は、上記のゼオライト系抗
菌剤を樹脂に配合してなる樹脂組成物を提供する。ここ
で、樹脂としては特に制限はなく広範囲のものを用いる
ことができるが、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレ
ンで代表されるポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹
脂、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリオレフィンの如き
塩素系樹脂、ポリアミド、ABS樹脂、ポリエステル、
ポリスチレン、ポリアセタール、ポリビニールアルコー
ル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポ
リウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー、
フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、レーヨ
ン、キュプラ、アセテート、トリアセテート、ビニリデ
ン、天然及び合成ゴム等の熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹
脂などを挙げることが出来る。なお、これらの樹脂は、
共重合体又はグラフトポリマー、または2種以上の混合
樹脂であってもよい。特に、上記の樹脂の中で、ポリオ
レフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂が好ましい。
【0025】本発明に係る樹脂組成物において、ゼオラ
イト系抗菌剤の樹脂への配合量は、該抗菌剤の物性、特
に銀の担持量や有機酸の含有量、合成樹脂の種類やその
用途等によって多様に異なるが、多くの場合樹脂100
重量部に対して0.1〜70重量部の範囲にある。好ま
しくは0.5〜10重量部であるが、マスターバッチと
して構成される樹脂組成物にあっては70重量部まで配
合することができる。ゼオライト系抗菌剤が0.1重量
部未満の場合、樹脂組成物の抗菌作用が実質的に得られ
ないからであり、また上限は多くの場合経済的理由から
制限され、実用的範囲として設定される。
【0026】なお、樹脂組成物を調製するに当って、各
種の樹脂添加剤と併用することができる。例えば、酸化
チタン、炭酸カルシウム、シリカの如き体質顔料、有機
又は無機の着色材、可塑剤、架橋剤、難燃剤、酸化防止
剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤などの
樹脂添加剤は本発明に係る無機質抗菌剤とそれぞれ個別
に又は予め調合したワンパック型として必要に応じ併用
することができる。
【0027】本発明に係る樹脂組成物は、従来の銀を担
持した無機質抗菌剤が有する露光下での経時変化による
褐変現象が実質的に生じないすぐれた抗菌作用のゆえに
その用途は多大である。例えば、食品包装用フィルム、
各種医療,衛生用器具、装置又はその部品類、各種容器
類、フィルター類、繊維類、合成紙、合成畳、接着剤等
多用な特徴的用途の拡大を図ることができる。
【0028】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。実施例中の各測定値はそれぞれ次の方法によって
求めた。 (a)平均粒径(D50) コールターカウンター(コールターエレクトロニクス社
製)を用いアパチャーチューブ30μmで測定した。 (b)組成分析 原子吸収光光度法及びICP法によって定量した。 (c)灼熱減量(水分含有率) 試料1gを磁製ルツボに秤りとり800℃で1時間加熱
し、その減量から求めた。 (d)平衡pH 試料5gを蒸留水100mlに分散させ、25℃で30
分撹拌した後、pHメーターで測定した。 (e)白色度 白色度計(ケット社製)で青フィルターを用い酸化マグ
ネシウム標準試料を対象として求めた。
【0029】(1)抗菌性ゼオライトの調製 原料のゼオライトとして表1に示したナトリウムA型ゼ
オライト(NaA)、X型ゼオライト(NaX)及びP
型ゼオライト(NaP)を用いた。
【0030】
【表1】 これらの含水アルミノシリケートをイオン交換するため
の各イオンを提供するための可溶性塩として、Ag、Z
n、Cu、Ca又はMgの硝酸塩を用いた。
【0031】各試料は次の手順によって調製した。表1
に示した原体ゼオライト粉末1kgを充分蒸留水で洗浄
したのち、蒸留水5lに分散懸濁させた。懸濁液を撹拌
しながら所定量の塩類を溶解した水溶液5lを加え、室
温で3時間、5wt%硝酸でpH調整しながら撹拌しイ
オン交換を行った。常法により固相を分離、洗浄、乾燥
したのち、粉砕した。表2に得られた各試料の組成、性
状とそれらの調製条件を示す。尚、各試料は用いた原料
ゼオライトとほぼ同じ形状、大きさ及び粒度分布を示し
た。
【0032】
【表2】 (2)抗菌性試験 各試料の抗菌性は下記の方法によって評価した。
【0033】試料0.5gを予め調製した細菌汚染水
(注1)またはカビ希釈水(注2)の50mlに加え、
10分間マグネチックスターラーでゆっくり撹拌した。
次に、この液を微生物簡易測定器具イージーカルトTT
C(好気性菌、真菌、酵母類検査用:三愛石油社製品)
及びイージーカルトM(真菌、酵母類検査用:三愛石油
社製品)を用い培養試験(注3)を行なった。
【0034】その結果を表3に示す。 (注1):河川水を無菌水で希釈し、細菌数を105
としたもの−総細菌検査用 (注2):黒カビ発生壁土1gを無菌水100mlに希
釈したもの−真菌検査用 (注3):培養は27〜30℃のインキュベーター中で
2日間(総細菌)または4日間(真菌)行なった。
【0035】
【表3】 (注4):総菌数の評価は、コロニー発生度合いを予め
概略求められた細菌数との関係から行なった。0はコロ
ニーの発生が全く認められない場合である。 (注5):真菌汚染度は、下記4段階で評価した。 −:汚染なし +:軽度汚染 ++:中度汚染 +++:強度汚染 (注6):抗菌性ゼオライトを添加しなかった場合。
【0036】実施例1 ステアリン酸マグネシウム950g、ステアリン酸50
gを160℃で加熱溶解し、攪拌しながら抗菌性ゼオラ
イト(試料No.4)1000gを加えて30分間攪拌
後、冷却固化してゼオライト系抗菌剤(実施例試料1
を得た。
【0037】実施例2 実施例1 のステアリン酸マグネシウムをオレイン酸マグ
ネシウムに、ステアリン酸をオレイン酸に変えた以外
は、実施例1と同様にしてゼオライト系抗菌剤(実施例
試料2)を得た。
【0038】比較例1 ステアリン酸マグネシウム1000gを160℃で加熱
溶解し、攪拌しながら抗菌性ゼオライト(試料No.
4)1000gを加えて10分間ミキサーで混合後、冷
却固化してゼオライト系抗菌剤(比較例試料1)を得
た。
【0039】比較例2 比較例1 のステアリン酸マグネシウムをラウリン酸マグ
ネシウムに変えた以外は比較例1と同様にしてゼオライ
ト系抗菌剤(比較例試料2)を得た。
【0040】実施例3 エルカ酸アマイド900g、ベヘン酸100gを120
℃で加熱溶解し、攪拌しながら抗菌性ゼオライト(試料
No.5)1500gを加えて30分間加熱混合後、冷
却固化してゼオライト系抗菌剤(実施例試料3)を得
た。
【0041】比較例3 エルカ酸アマイド1000g、抗菌性ゼオライト(試料
No.5)1500gを20℃で10分間ミキサーで混
合しゼオライト系抗菌剤(比較例試料3)を得た。
【0042】実施例4 低分子量ポリエチレン(三井石油化学製、Hiwax
210P)970gを160℃の温度で加熱溶解し、こ
れにパラ第三級ブチル安息香酸30gを溶解後、さらに
攪拌しながら抗菌性ゼオライト(試料No.7)100
0gを加えて30分間加熱混合後、冷却固化してゼオラ
イト系抗菌剤(実施例試料4)を得た。
【0043】実施例5 下記配合に係る樹脂組成物を170℃に調節した試験ロ
ールで5分間混練後、シートとして取り出し、このシー
トを180℃に調節したプレスで5分間プレスして、厚
さ1mmの試験用塩化ビニルシートを作成した。
【0044】 (配合物) PVC(ゼオン103EP) 100 重量部 DOP 50 エポキシ化大豆油 3 Ba−Zn系液状安定剤 1.5 Ba−Zn系粉末状安定剤 0.5 実施例試料又は比較例試料 表4参照 (耐変色性試験)実施例5 で得られた塩化ビニル樹脂の試験シートを蛍光
灯(60W×2本)の直下1mの位置に置き、24時間
暴露後の変色度を下記の評点で評価し、表4に示す結果
を得た。 (評点) 激しく変色するもの × やや変色するもの △ 少ししか変色しないもの ○ ほとんど変色しないもの ◎
【0045】
【表4】 実施例6〜7および比較例4〜6 表5に示す各種合成樹脂に対してAg2 Oとして350
ppmの濃度になるように各実施例試料又は比較例試料
を添加混練後、射出成形によってそれぞれ180mm×
50mm×1mmの合成樹脂シートを作成した。得られ
た合成樹脂シートを実施例5と同様の方法で耐変色性試
験を行い評価したところ表6の結果を得た。
【0046】
【表5】
【0047】
【表6】
【0048】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明のゼオライト
系抗菌剤は抗菌性金属イオンとして少なくとも銀イオン
を置換担持している抗菌性ゼオライトを、有機酸で処理
してなるので、長期間の使用においても抗菌能を有し、
かつ樹脂に配合すると樹脂の変色性を改善することがで
きる。また、本発明のゼオライト系抗菌剤を樹脂に配合
してなる樹脂組成物は、長期間使用しても抗菌能を有す
ると共に光や熱に対する耐変色性に極めて優れたもので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 27/04 C08L 27/04 101/00 101/00 (72)発明者 梅本 桂吾 東京都中央区日本橋室町1丁目6番3号 株式会社耕正内 (72)発明者 三田 宗雄 東京都江東区亀戸9丁目15番1号 日本 化学工業株式会社内 (72)発明者 野川 正史 東京都江東区亀戸9丁目15番1号 日本 化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−249702(JP,A) 特開 平1−287172(JP,A) 特開 平2−169645(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A01N 59/00 - 59/26 C08K 3/34 C08K 9/04

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗菌性金属イオンとして少なくとも銀イ
    オンを置換担持している抗菌性ゼオライトに、有機酸
    (但し、ギ酸、酢酸を除く)を抗菌性ゼオライト100
    重量部に水の不存在下にて2〜30重量部配合してなる
    ことを特徴とするゼオライト系抗菌剤。
  2. 【請求項2】 抗菌性ゼオライトが下記一般式;【化1】 (式中、m,n,x,y,zはそれぞれ1.8≦m≦1
    0,0≦n≦5,0<x≦0.2,y≧0.2,z≦
    0.7、0.8≦x+y+z≦1.2,y/x≦20の
    モル比関係を有し、M′は周期率表IIA族、IB族又
    はIIB族に属する2価金属、M″はアルカリ金属を表
    す)で示され、その平均粒径が0.1〜10μmの範囲
    にあり、且つ平均粒径の1/2〜3/2の粒子部分が全
    体の少なくとも50%である請求項1記載のゼオライト
    系抗菌剤。
  3. 【請求項3】 前記有機酸が高級脂肪酸または芳香族カ
    ルボン酸である請求項1記載のゼオライト系抗菌剤。
  4. 【請求項4】 樹脂に請求項1乃至3のいずれかの項記
    載のゼオライト系抗菌剤を含有してなることを特徴とす
    る樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 樹脂100重量部に対してゼオライト系
    抗菌剤を0.1〜70重量部配合してなる請求項4記載
    の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 樹脂がポリオレフィン樹脂である請求項
    4又は5記載の樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 樹脂がポリ塩化ビニル樹脂である請求項
    4又は5記載の樹脂組成物。
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