JP2974687B2 - 複合記録媒体 - Google Patents

複合記録媒体

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JP2974687B2
JP2974687B2 JP1051680A JP5168089A JP2974687B2 JP 2974687 B2 JP2974687 B2 JP 2974687B2 JP 1051680 A JP1051680 A JP 1051680A JP 5168089 A JP5168089 A JP 5168089A JP 2974687 B2 JP2974687 B2 JP 2974687B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、記録媒体に関し、特に、磁気記録層ならび
に抵抗発熱型(通電発熱)記録層を有する多層記録が可
能な複合記録媒体に関する。
〔発明の背景〕
プラスチックなどの基体の表面に磁気記録層が設けら
れてなる磁気記録媒体は、クレジットカード、キャシュ
カード、ICカード、乗車券、定期券、磁気テープなどと
して広く用いられている。このような磁気記録媒体は、
その記録密度が高くしかも外部から簡単には記録情報を
読み出せないという利点もあるが、これに伴い必然的に
記録情報は目に見えないため、これらの記録媒体に可視
情報を記録させる必要が生じてくる場合がある。このよ
うな場合には、磁気記録媒体の基体表面の余白部または
裏面に、文字、図案などを印刷することが行なわれてき
ているが、一般に磁気記録媒体はそのサイズが小さいた
め、必要な文字などの可視情報を印刷するスペースが不
足しており、充分な情報量を印刷できないという問題が
ある。
このため、磁気記録媒体の磁気記録層上にも、文字、
図案などの可視情報が印刷手段により形成されている磁
気記録媒体が近年になり出現してきた。ところが、前記
可視情報は通常の印刷手段により形成されているため、
その内容は画一的でかつ固定的になり変化に乏しいとい
う欠点があった。また磁気記録層上に個々の情況に応じ
たたとえばバーコード、OCR文字、氏名、有効期限など
個別の情報を印刷することは、製造上のコストアップに
つながるため、実現的でないという欠点もある。さらに
磁気記録上に2〜5ミクロンの印刷インキが設けられて
いるため、磁気記録層と磁気ヘッドとの間隔が大きくな
り、その部分の磁気出力が非印刷部に比べて低下し、出
力変動が大きくなるという問題の生じる。
また、近年、キャシュカード、クレジットカード、定
期券などの磁気記録媒体の偽造・変造が大きな社会問題
となりつつあり、いかにして磁気記録情報の偽造・変造
を防止するかについて多くの研究がなされてきている
が、簡単でかつ効果的な磁気記録情報の偽造・変造の防
止法はいまだに見出されていないのが現状である。
上記のような状況に鑑みて、本発明者は既に、磁気記
録層と感熱記録層とを組合わせた感熱磁気記録媒体を提
案している(特願昭59−199284号)。この記録媒体は、
磁気記録層上にさらに非磁性薄膜からなる感熱記録層を
設け、磁気的な情報記録とともにサーマルヘッドなどの
加熱印字手段により薄膜感熱記録層に可視情報を記録で
きるようにしたものである。ところで、このような記録
媒体をたとえばストアードフェアカード(たとえば駅務
関係)に用いる場合にあっては、ゲード適性などの物理
的耐久性を向上させるために感熱記録層の表面に保護層
を設けることが実用上必ず要請される。また、上記のよ
うな記録媒体の場合、感熱記録層は120℃程度の温度に
も耐えられるようにAl、Snなどの低融点金属薄膜で構成
されている。
しかしながら、上記のような構成の感熱磁気記録媒体
においては、サーマルヘッドを用いて可視情報を記録す
る場合、印字のために印加する熱量を比較的多く必要と
するため、印字スピードがいきおい制限されてしまうと
いう問題がある。また、このような高熱量の印加はサー
マルヘッドの寿命を短くするという問題にもつながる。
一方、印字スピードを上げるためには、保護層を出来る
だけ薄くすることが考えられるが、保護層を薄くするこ
とはそれだけ耐久性を低下させることを意味し、実用性
の点で問題が生じる。他方、感熱記録層自体の感熱温度
範囲を低くすることも考えられるが、この場合は逆に保
存性が低下し、保存温度が高くなるに従って劣化や変色
が生じ、やはり耐久性が低下するという問題がある。こ
のように従来の記録媒体においては、印字感度と耐久性
とは相互に矛盾し、これらの双方を満足させるものは得
られていないのが現状である。
本発明は上記のような従来技術に伴う問題点を解決し
ようとするものであって、本発明は以下のような目的を
有する。
a) 磁気情報ならびに可視情報の両者からなる質の異
なる、しかも多量の情報を記録することのできる複合記
録媒体を提供すること。
b) 耐久性にすぐれ、しかも高速印字、高速記録の可
能な複合記録媒体を提供すること。
c) 個々の情況に応じた個別の可視情報が簡単に記録
できる複合記録媒体を提供すること。
d) 磁気情報の偽造・変造が容易には行うことができ
ない記録媒体を提供すること。
e) 磁気情報ならびに可視情報のダブルチェックが可
能で、偽造・変造の困難な記録媒体を提供すること。
f) 磁気記録層上に設けられた可視記録部による磁気
出力の低下の小さい記録媒体を提供すること。
〔発明の概要〕
本発明による複合記録媒体は、基体上に磁気記録層が
設けられ、さらにこの磁気記録層の表面に、非磁性薄膜
からなる感熱記録層、および抵抗発熱性材料からなる保
護層がこの順序で形成されてなることを特徴としてい
る。
本発明の複合記録媒体においては、媒体中の磁気記録
層には通常の磁気情報記録手段により磁気的情報を記録
することができるとともに、感熱記録層は可視情報を記
録することができる。この感熱記録層への情報の記録
は、感熱記録層の表面に設けられた抵抗発熱性材料から
なる保護層に電極ヘッドを接触させることにより電極ヘ
ッドから印字情報に応じた電流を印加し、これによって
発生した熱によって非磁性薄膜(感熱記録層)を印字情
報に応じて破壊することによって行われる。
本発明の複合記録媒体においては、さらに必要に応じ
て、非磁性薄膜(感熱記録層)と磁気記録層との間に着
色層や磁気記録層の色を隠蔽するための隠蔽層を設ける
こともでき、さらに場合によっては、各層間の接着力を
増加させて各層間の剥離を防止する接着層を設けること
もできる。
〔発明の具体的説明〕
以下、本発明を図面に示す具体例に基づいて説明す
る。
本発明に係る複合記録媒体1は、基本的には、第1図
に示すように、シート状あるいは板状の基体2と、この
上に設けられた磁気記録層3と、この磁気記録層3上に
設けられた非磁性薄膜からなる感熱記録層4および抵抗
発熱性材料からなる保護層5とから構成されている。
尚、この保護層は光透過性がよいことが望ましいが、完
全に透明である必要はない。
磁気記録層3は、基体2の表面に全面的あるいは部分
的に設けられている。また感熱記録層4は、磁気記録層
3の表面に全面的あるいは部分的に設けられているが、
場合によっては、第2図に示すように、感熱記録層4が
磁気記録層3よりも広い範囲にわたって基体2の表面上
に設けられていてもよい。
本発明に係る複合記録媒体1の別の具体例を図示す
る。
第3図に示す複合記録媒体1は、基体2上に、磁気記
録層3と、着色層6と、感熱記録層4と、保護層5とが
この順序に積層されており、この場合、着色層6は感熱
記録層4に記録された可視情報にコントラストを与える
という機能を有している。また、この場合、着色層6は
磁気記録層4の色を隠蔽する隠蔽層としての機能を具備
させることもできる。さらに、上記の場合、着色層6と
磁気記録層3との間に別途、磁気記録層4の色を隠蔽す
るための隠蔽層(図示せず)を設けると着色層の効果が
一段とさえる。
第4図に示す複合記録媒体1は、基体2上に、磁気記
録層3と、感熱記録層4とがこの順序で積層されてお
り、磁気記録層3と感熱記録層4との間には接着層7が
設けられている。この接着層7は、磁気記録層3と感熱
記録層4との接着性を強固にし両層が剥離するのを防止
する機能を果たすだけでなく、この接着層の断熱効果を
上げることにより、最少限の熱量で感熱記録層を破壊す
ることができ、感度アップを図ることができる効果があ
る。また、第3図の着色層も材料を選択することにより
同様の効果がある。
第5図に示す複合記録媒体1は、基体2の表裏両面上
に、それぞれ、磁気記録層3、感熱記録層4、および保
護層5がこの順序で積層されており、磁気情報および可
視情報を多く記録できるようになっている。
以下、本発明に係る複合記録媒体の製造方法ならびに
用いられる材料について説明する。
本発明に係る複合記録媒体1は、基体2上に、直接、
磁気記録層3、感熱記録層4、および保護層5、さらに
必要に応じて着色層6あるいは接着層7を、印刷法、コ
ーティング法あるいは蒸着法などにより形成することが
できる。
また、第6図に示すように、一旦転写用基体8上に、
剥離層9を介して、保護層5、感熱記録層4、磁気記録
層3およびホットメルト接着層10がこの順序で積層され
た転写用積層体11を準備し、この積層体11のホットメル
ト接着層10を基体2の表面上に接着させるとともに前記
剥離層9により転写用基体8を取り去るという転写法に
よって、本発明に係る記録媒体1を形成することもでき
る。
さらに、第7図に示すように、一旦、貼着用基体12上
に、磁気記録層3、感熱記録層4および保護層5が積層
された貼着用積層体13を準備し、この積層体13の裏面に
粘着層14を設け、この粘着層14を介して、基体2と貼着
用基体12とを一体に接着させるという貼着法によって、
本発明に係る記録媒体1を形成することもできる。
基体2は、シート状あるいは板状を呈しており、この
基体2としては、ナイロン、セルロースジアセテート、
セルローストリアセテート、ポリスリレン、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリイミド、ポリ
カーボネートなどのプラスチック類、銅、アルミニウム
などの金属、紙、含浸紙等を単独であるいは組合せて複
合他意として用いることができる。基材として要求され
る物性たとえば強度、剛性、隠蔽性、光不透過性などを
考慮して、上記材料の中から好ましいものを適宜選択す
ればよい。なお基材2の膜厚は0.005〜5mm程度である。
磁気記録層3は、γ−Fe2O3、Co被着γ−Fe2O3、Fe3O
4、CrO2、Fe、Fe−Cr、Fe−Co、Co−Cr、Co−Ni、MnA
l、Baフェライト、Srフェライトなどの従来公知の磁性
微粒子が適当な樹脂あるいはインキビヒクル中に分散さ
れてなる分散物を、グラビア法、ロール法、ナイフエッ
ジ法などの従来公知の塗布方法によって基材2上に形成
することができる。また、磁気記録層3は、Fe、Fe−C
r、Fe−Co、Co−Crなどの金属または合金あるいはそれ
らの化合物を用いて、真空蒸着法、スパッタ法、めっき
法などによって基材2上に形成することもできる。
塗布方法によって磁気記録層3を形成する場合には、
その膜厚は1〜100ミクロン好ましくは5〜20ミクロン
程度である。また真空蒸着法、スパッタ法、めっき法に
よって磁気記録層3を形成する場合には、その膜厚は10
0Å〜1ミクロン好ましくは500〜2000Å程度である。
γ−Fe2O3などの磁性微粒子が分散される樹脂あるい
はインキビヒクルとしては、ブチラール樹脂、塩化ビニ
ル/酢酸ビニル共重合体樹脂、ウレタン樹脂、ポリエス
テル樹脂、セルロース系樹脂、アクリル樹脂、スチレン
/マレイン酸共重合体樹脂などが用いられ、必要に応じ
て、ニトリルコムなどのゴム系樹脂あるいはウレタンエ
ラストマーなどが添加される。また、磁性微粒子が上記
樹脂中に分散されてなる分散物中に、必要に応じて、界
面活性剤、シランカップリング剤、可塑剤、ワクス、シ
リコーンオイル、カーボンその他の顔料を添加すること
もできる。
感熱記録層4はTe、Sn、In、Al、Bi、Pb、Znなどの金
属あるいはこれらの合金もしくはTe−カーバイドなどの
上記金属の化合物を、真空蒸着法、スパッタ法、めっき
法などにより、磁気記録層上に形成することができる。
この非磁性薄膜からなる感熱記録層層4は、保護層5で
発生した熱を受け入れて記録を行う感熱記録層としての
役割を果たすため、低融点の材料であることが好まし
い。このような非磁性薄膜の膜厚は100Å〜1ミクロン
(μm)、好ましくは、500〜1000Å程度である。
保護層5は、通電によって発熱し得る抵抗発熱性材料
によって構成される。この抵抗発熱性材料は、表面抵抗
10-2〜107Ω/□の物性を有していることが好ましい。
さらに好ましいのは、表面抵抗10〜103Ω/□のもので
ある。このような抵抗発熱性材料は、樹脂に導電性物質
を所定量混合して得られる組成物によって構成し得る。
また、第8図に示すように、一旦絶縁性樹脂層5aを塗布
形成したのち、更にこの表面に導電性物質層5bを、蒸着
法、スパッタ法等により付着させることによっても保護
層5を構成することができる。
保護層用組成物に用いる樹脂としては、、エチルセル
ロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、セルロー
スアセテートプロピオネート、酢酸セルロースなどのセ
ルロース誘導体、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチ
レンなどのスチレン樹脂あるいはスチレン共重合樹脂、
ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポ
リアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチルなどのアク
リル樹脂またはメタクリル樹脂の単独あるいは共重合樹
脂、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フ
ェノール樹脂、重合ロジンなどのロジンエステル樹脂、
ポリ酢酸ビニル樹脂、クマロン樹脂、ビニルトルエン樹
脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン
樹脂、プチラール樹脂などが用いられ得る。
一方、導電性物質としては、たとえば、スズの酸化
物、インジウムの酸化物、スズ・インジウム酸化物、ア
ンチモン・チタン酸化物、アンチモン・インジウム酸化
物、あるいは酸化チタンや硫酸バリウムなどの顔料粒子
の表面を上記の導電性物質で表面加工したもの、錯体等
を含む導電性高分子ならびに各種導電性界面活性剤など
が用いられ得る。
上記の樹脂ならびに導電性材料の配合比率は、組成物
が上述した物性値の範囲になるように適宜調製され得
る。また、本発明においては、上述した導電性物質を感
熱記録層上に直接、蒸着法、スパッタ法あるいはCVD法
等により付着させて保護層とすることもできるし、ま
た、前述したように、感熱記録層上に一旦絶縁性樹脂層
を設け更にその上に前記導電性物質を蒸着法、スパッタ
法等により付着させて作製することもできる。このよう
にして形成された導電性材料層は耐薬品性などの面で耐
久性にも特にすぐれている。
保護層の厚さは、特に制限されるものではないが、0.
05〜15μの範囲が好ましい。
また、保護層中にシリコーンなどを添加して表面の滑
性をよくすることもできる。
着色層6は、エチルセルロース、エチルヒドロキシエ
チルセルロース、セルロースアセテートプロピオネー
ト、酢酸セルロースなどのセルロース誘導体、ポリスチ
レン、ポリ−α−メチルスチレンなどのスチレン樹脂あ
るいはスチレン共重合樹脂、ポリメタクリル酸メチル、
ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリ
アクリル酸ブチルなどのアクリル樹脂またはメタクリル
樹脂の単独あるいは共重合樹脂、ロジン、ロジン変性マ
レイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、重合ロジン
などのロジンエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、クマ
ロン樹脂、ビニルトルエン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリ
エステル樹脂、ポリウレタン樹脂、プチラール樹脂など
のバインダーに、着色すべき色に応じて各種の顔料を添
加し、さらに必要に応じて、可塑剤、安定剤、ワック
ス、グリース、乾燥剤、乾燥補助剤、硬化剤、増粘剤、
分散剤を添加した後、溶剤あるいは希釈剤で充分に混練
してなる着色塗料あるいはインキを用いて、通常のグラ
ビア法、ロール法、ナイフエッジ法、オフセット法など
の塗布方法あるいは印刷方法により、所望部分に形成で
きる。
接着層7は、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチ
レン/酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル/プロピオン酸
共重合体、ゴム系樹脂、シアノアクリレート樹脂、セル
ロース系樹脂、アイオノマー樹脂、ポリオレフィン系共
重合体などのバインダーに、必要に応じて、可塑剤、安
定剤、硬化剤などを添加した後、溶剤あるいは希釈剤で
充分に混練してなる接着層用塗料を用いて、グラビア
法、ロール法、ナイフエッジ法などの塗布方法によっ
て、基体上の所望部分に形成できる。特に、磁気記録層
上に接着層を設ける場合には、磁気記録層の再溶解を防
止するため、熱可塑性樹脂をエマルジョン化して塗布
し、乾燥してヒートシール型の接着層とすることが好ま
しい。
磁気情報は、磁気ヘッドなどの通常の方法によって、
磁気記録層3中に記録される。
一方、バーコード、OCR文字、氏名、有効期限などの
可視情報は、感熱記録層4に記録される。この感熱記録
層4への記録は、保護層5に対して電極アレイなどの通
電手段により交流ないし直流電圧を印加し、この印加電
流によって保護層及び非磁性薄膜層4に発生する熱によ
り感熱記録層4を印字情報に応じて選択的に破壊するこ
とによって行われる。したがって、本発明においては、
印字手段としてサーマルヘッドなどの加熱印字手段は用
いず、印加する電圧を変化させることによって容易に発
生熱量を調整することができる。サーマルヘッドは電極
間に設けられた抵抗発熱体に電流を流して発熱させるた
めに印加電圧を大きくすると過電流により発熱体が破壊
され、以後印字不可能となる。しかし本発明は、印字用
電極から印加する電圧を大きくしても電極が破壊される
ことはなく、瞬時に高熱を発生させることができるの
で、加熱印字手段で印加する場合に比べて印字スピード
を飛躍的に高くすることができる。
また、本発明の複合記録材料においては、保護層の厚
さを厚くするほど抵抗発熱作用を大きくすることができ
るので、この点、耐久性のさらなる向上を図る上におい
ても有利である。さらに、本発明においては上記のよう
に、印字用電極から印加する電圧は比較的容易に大きく
することができ、瞬時に高熱を発生させることができる
ので、感熱記録層の材料としては熱破壊温度の高い材料
も使用することができ、したがって、印字スピードを低
下させることなく耐久性の向上を図ることができる。
なお、通常、従来公知の放電破壊記録の場合、保護層
の電圧印加部を破壊させることが多いが、印字後におい
ても保護層が破壊されずに残るような材料で保護層を構
成することもでき、本発明においてはこのような態様も
本発明の範囲に含まれる。
上記のようにして磁気情報および可視情報を記録する
場合、まず可視情報、次いで磁気情報の順序で記録して
もよく、あるいは磁気情報、次いで可視情報の順で記録
してもよい。ただし、可視情報を記録するのに印字部が
発熱するため、可視情報の記録時に磁気記録層の温度が
キュリー温度以上になる恐れがある場合には、まず可視
情報を記録し次いで磁気情報を記録することが好まし
い。
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこ
れらの実施例に限定されるものではない。なお以下の実
施例において、特に言及しない限り、すべての「部」は
重量部である。
例1A 厚さ188ミクロンのポリエチレンテレフタレートシー
ト上に、下記組成の磁性塗料をグラビアコート法にて塗
布し、厚さ10ミクロンの磁気記録層を形成した。次いで
その上に真空蒸着法により、スズを水晶振動子による膜
厚測定法で測定して1000Åの膜厚に蒸着して感熱記録層
である非磁性薄膜層を形成した。次いで、下記組成の保
護層形成用塗料をグラビアコート法によって塗布し、厚
さ5ミクロンの保護層を形成して本発明の複合記録媒体
を得た。
磁性塗料の組成: Co被着γ−Fe2O3(チタン工業社製「X−6000」) 75部 部分ケン化塩化ビニル/酢酸ビニル共重合樹脂 10部 (ユニオンカーバイド社製「ビニライトVAGH」) ポリウレタネレストマー樹脂 10部 (三洋化成工業社製「サンプレンIB114B」) 綿状飽和ポリエステル樹脂(東洋紡社製「バイロンRV
53SS」) 5部 イソプロピルアルコール 50部 メチルエチルケトン 50部 トルエン 50部 イソシアネート系硬化剤三菱化成社製「ATマイテック
NY−220A」) 3部 保護層用塗料の組成: ポリビニルブチラール樹脂 3部 (積水化学社製「エスレックBX」) 湿気硬化型ウレタン樹脂 3部 (三井東圧社製「オレスターM95−50A」 メチルエチルケトン 30部 トルエン 30部 酢酸エチル 30部 導電性顔料 6部 (スズインジウム酸化物) 例1B 例1と同様にしてポリエチレンテレフタレートシート
上に磁気記録層および非磁性薄膜層を形成した後、下記
組成の保護層用塗料をグラビアコート法により厚さ5ミ
クロンで塗布乾燥した、次いで、真空蒸着法によりスズ
インジュウム酸化物の薄膜を1000Å付着させて第8図に
示す態様の導電性保護層とした。
保護層用塗料の組成: ポリビニルブチラール樹脂 3部 (積水化学社製「エスレックBX」) 湿気硬化型ウレタン樹脂 3部 (三井東圧社製「オレスターM95−50A」 メチルエチルケトン 30部 トルエン 30部 酢酸エチル 30部 導電性顔料 6部 (スズインジウム酸化物) 例2 例1Aと同様にして、ポリエチレンテレフタレートシー
ト上に、磁気記録層および非磁性薄膜層を形成した後、
下記組成の着色塗料を用い、グラビアコート法により厚
さ3ミクロンの透明着色保護層を形成した。更に、この
上に例1Aと同様にして導電性薄膜を形成した。
透明着色保護層用塗料の組成: 部分ケン化塩化ビニル/酢酸ビニル共重合樹脂 20部 (ユニオンカーバイド社製「ビニライトVAGH」) 顔 料 3部 イソシアネート系硬化剤 3部 (武田薬品工業社製「タケネートD110N」) メチルエチルケトン 30部 トルエン 30部 例3 例1Aと同様にして、ポリエチレンテレフタレートシー
ト上に磁気記録層を形成した後、例2で用いたのと同様
の着色塗料を用いてグラビアコート法により膜厚3ミク
ロンの着色層を形成した。この例の場合においては、顔
料は透明性顔料である必要はなく、むしろ磁気層の色を
隠蔽するためには、不透明性が高い方が好ましい。した
がって、この例の場合は、顔料の量を10部程度に増して
使用する。次いでその上に真空蒸着法により、スズを10
00Åの膜厚に蒸着して感熱記録層である非磁性薄膜層を
形成した。更にその上に導電性保護層を形成した。
例4 例1Aと同様にして、ポリエチレンテレフタレートシー
ト上に、磁気記録層および非磁性薄膜層を形成した後、
下記組成の保護層用塗料を用い、グラビアコート法によ
り厚さ1ミクロンの保護層を形成した。
保護層用塗料の組成: ポリビニルブチラール樹脂 3部 (積水化学社製「エスレックBX」) 湿気硬化型ウレタン樹脂 3部 (三井東圧社製「オレスターM95−50A」 メチルエチルケトン 30部 トルエン 30部 酢酸エチル 30部 導電性顔料 6部 (スズインジウム酸化物) 例5 例1Aと同様にして、ポリエチレンテレフタレートシー
ト上に、磁気記録層を形成した後、下記組成の接着層用
塗料を用い、グラビアコート法により厚さ0.5ミクロン
の第1接着層を形成した。次いでその上に真空蒸着法に
より、スズを1000Åの膜厚で蒸着して感熱記録層である
非磁性薄膜層を形成し、更にその上に導電性保護層を形
成した。
接着層用塗料の組成: 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合樹脂 10部 (高分子化学社製「ビニロールK−2」) イソシアネート系硬化剤 1部 (武田薬品工業社製「タケネートD110N」) 酢酸エチル 200部 例6 まず、基体に磁気記録層および非磁性薄膜層を形成す
るための、幅6.5mmの熱転写テープを以下のようにして
作製した。
(a) 25ミクロン厚ポリエチレンテレフタレートシー
ト上に、下記組成の剥離層用塗料を用い、グラビアコー
ト法により厚さ1ミクロンの剥離層を形成した。
剥離層用塗料の組成: 酢酸セルロース樹脂(大日本セルロイド社製) 5部 メチロールメラミン系熱硬化性樹脂(日本カーバイト
社製) 1部 メチルエチルケトン 50部 メチルアルコール 25部 トルエン 25部 (b) 例1Aで用いたのと同一の保護層用塗料を用い、
グラビアコート法により厚さ3ミクロンの保護層を剥離
層上に形成した。
(c) 真空蒸着法により、スズを1000Åの膜厚で保護
層上に設けて非磁性薄膜を形成した。
(d) 例5で用いたのと同一の接着層用塗料を用い、
グラビアコート法により、厚さ0.5ミクロンの接着層
を、非磁性薄膜上に形成した。
(e) 例1Aで用いたのと同一の磁性塗料を用い、グラ
ビアコート法により厚さ10ミクロンの磁気記録層を、接
着層上に形成した。
(f) 下記組成のホットメルト接着層用塗料を用い、
グラビアコート法により厚さ10ミクロンのホットメルト
接着層を磁気記録層上に形成した。
ホットメルト接着層用塗料の組成: 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合樹脂 1部 (電気化学社製「デンカラック721」) アクリル樹脂 2部 トルエン 8部 酢酸エチル 8部 次に、このようにして作製された転写テープを、塩化
ビニル基材上に熱転写し、たて86mm、幅54mm、厚さ0.8m
mのカードを製造した。
例7 上記例1〜6に従って製造された記録媒体に、電極ヘ
ッドにより、印加エネルギー密度30mJ/mm2となる電圧を
印加して、バーコード、OCR文字、漢字、ローマ字など
を印字したところ、記録媒体上には所望のパターンが形
成された。バーコード、 OCR文字は機械にて充分読取ることができる程度に鮮明
であった。
次いでこの印字済記録媒体に磁気ヘッドにより磁気記
録を行なったところ、その再生出力に及ぼす印字による
影響は実用上問題のない範囲であった。
〔発明の効果〕
本発明による複合記録媒体は、磁気記録層ならびに非
磁性薄膜からなる感熱記録層および抵抗発熱性材料から
なる保護層を有しているため、以下のような効果を有す
る。
a) 磁気情報ならびに可視情報の両者を記録媒体上に
記録でき、多くの情報量の記録が可能になる。
b) 磁気情報に加えて、個々の情況に応じた個別の可
視情報が簡単に記録できる。
c) 保護層が抵抗発熱性材料からなるので、通電印字
手段による高速印字が可能となり、しかも耐久性が向上
する。
d) 磁気記録層上に非磁性薄膜層からなる感熱記録層
が一体的に設けられているため、磁気記録層のみを有し
ている記録媒体と比較して、記録媒体の偽造・変造が困
難である。
e) 記録媒体に、磁気情報ならびにバーコード、OCR
文字などの可視情報が記録できるため、磁気的チェック
と機械的読出しチェックとのダブルチェックが可能とな
り、この点からも記録媒体の偽造・変造が困難である。
f) 磁気記録層上に設けられた可視情報記録部である
非磁性薄膜層の厚さが、印刷手段により設けられる可視
情報記録部と比較して薄く、したがって磁気ヘッドと磁
気記録層との間でのスペーシングロスが小さく、再生出
力の出力変動が小さい。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第5図および第8図は、本発明に係る複合記録
媒体の断面図であり、第6図および第7図は本発明に係
る複合記録媒体を製造する際に用いられる転写用積層体
の断面図である。 1……記録媒体、2……基体、3……磁気記録層、4…
…感熱記録層、5……保護層、6……着色層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−199284(JP,A) 特開 昭59−199285(JP,A) 特開 昭64−30786(JP,A) 特開 平2−137121(JP,A) 特開 昭64−144086(JP,A) 特開 平1−103493(JP,A) 特公 昭51−11500(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41M 5/24

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体上に磁気記録層が設けられ、さらにこ
    の磁気記録層の表面に、非磁性薄膜からなる感熱記録
    層、および樹脂と導電性物質の混合物からなる抵抗発熱
    性材料からなる保護層がこの順序で形成されてなること
    を特徴とする、複合記録媒体。
  2. 【請求項2】前記保護層が、光透過性を有しかつ表面抵
    抗10-2〜107Ω/□の抵抗発熱性材料からなる、請求項
    1に記載の複合記録材料。
  3. 【請求項3】磁気記録層と非磁性薄膜層との間に着色層
    が設けられている、請求項1に記載の複合記録材料。
  4. 【請求項4】前記各層間に接着層を設けた、請求項1に
    記載の複合記録材料。
  5. 【請求項5】非磁性薄膜層が、Te、Sn、In、Al、Bi、P
    b、Znまたはこれらの合金もしくは化合物からなる群か
    ら選択された材料によって構成されている、請求項1に
    記載の複合記録材料。
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