JP2972124B2 - めっき密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板 - Google Patents
めっき密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板Info
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Description
れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板に関する。
安価で耐食性に優れているため主に自動車車体用として
用いられている。自動車車体用鋼板の性能としては耐食
性以外に、プレス加工時のめっき密着性が要求されてい
る。めっき密着性が悪化すると、めっき層が粉状または
塊状に剥離し、いわゆるパウダリングを生じ、型かじり
の原因となったり、剥離部分の耐食性が劣化する。ま
た、剥離しためっき片によりキズが生じるといった問題
があった。密着性を改善するための従来技術として、特
開昭61−276961号公報では溶融亜鉛めっきを施
した後700〜850℃の高温で合金化することを必要
としている。しかし、高温での合金化はコストの上昇を
伴うだけでなく、ロールなどの設備への負担が増加す
る。
鋼中にZr、La、Ce、Y、Caのうち少なくとも1
種以上を含有し、さらに再結晶焼鈍からめっきまでの冷
却速度50℃/s以上に規定している。鋼中にZrなど
を添加することでコストは高くなり、また、冷却能力の
問題から通板速度を遅くせざるを得ないため生産性が悪
いという問題がある。
特にO、Al、Nの成分をそれぞれ0.0045wt%
以下(25×Nwt%)〜0.15wt%、0.003
0wt%以下と規定している。また、特開平6−811
01号公報においては、Ti、Si、P量の制限および
Si(wt%)+P(wt%)≧Ti(wt%)を満足
しなければならない。いずれにしても、成分による規制
は目的の強度や絞り性などの鋼板性能が達成されるとは
限らず、また、成分はずれによるパウダリングの劣化の
危険性が大きい。特開平4−333552号公報では溶
融亜鉛めっき前にNiプレめっきを行うことによりめっ
き密着性を改善している。しかし、通常溶融亜鉛めっき
ラインにはそのような設備はなく、設備の改善等に多大
な投資が必要になる。
題点を克服して、プレス加工時における密着性に優れた
合金化溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法を提供する
ことを目的とするものである。
決するために開発されたもので、合金化溶融亜鉛めっき
層直下の鋼板結晶粒界に熱延時に生成したMn、P、A
l酸化物を有することを特徴とするめっき密着性に優れ
た合金化溶融亜鉛めっき鋼板を提供する。
下の粒界酸化物について説明する。この粒界酸化物は、
熱延時に生成するものであり、とくにコイル巻き取り時
の温度が高く、その後の冷却速度が遅い場合に成長し形
成させることができる。その熱延時に形成した酸化物は
図6(写真)に示すように黒皮(スケール)の直下に観
察される。また、図7(写真)に示すように従来の熱延
板には黒皮の直下に酸化物が全くみられない。図6、図
7は熱延板での黒皮(スケール)直下の粒界酸化物の断
面光学顕微鏡写真であって、倍率1000倍のものであ
る。鋼板素地1上に黒皮2が被覆されており、図6では
鋼板素地と黒皮との界面に粒界酸化物3が観察される。
物についてEPMA(X線マイクロアナライザ)で分析
した結果を図1に示す。Mn、P、Al、Oにピークが
みられることから、これらの酸化物が生成していること
がわかる。本発明に係る合金化溶融亜鉛めっきにおける
めっき層直下の粒界の酸化物は、熱延段階で形成した黒
皮直下の酸化物が、その後の冷延、焼鈍、めっきなどの
工程を経て残存しているものである。図2は冷延後未焼
鈍板のグロー放電(GDS)による表層から10μm程
度までの深さ方向元素分析測定結果を示したものであ
る。、図3には冷延焼鈍後の結果を示した。図3におい
て、表層からの深さ0.3〜4μm程度に見えるMn、
Al、P、Oのピークが粒界酸化物に相当するものであ
る。
P、Alは鋼中に特に多量に存在するわけではなく、例
えば図1から図3に示した鋼板の鋼中成分はMn:0.
1wt%、P:0.006wt%、Al:0.03wt
%のものである。粒界に酸化物が生成するメカニズム
は、酸素の鋼中への拡散によるものであるため、鋼中成
分が微量であっても酸化物は生成する。
粒界に存在する酸化物の観察方法については、1%ナイ
タール液での数秒〜数十秒のエッチングによりめっき層
直下の粒界酸化物は観察が可能である。従来の酸化物の
ない合金化溶融亜鉛めっき鋼板および本発明である酸化
物の存在する鋼板の観察例を図8(写真)、図9(写
真)に示した。図8、図9は合金化溶融亜鉛めっき鋼板
の断面光学顕微鏡写真であって、倍率1000倍のもの
である。鋼板素地1にめっき層4が被覆されており、図
8ではその界面に矢印で示す粒界酸化物5が観察され
る。めっき層直下に観察される黒い帯状のもの(矢印で
示したもの)が酸化物である。
説明する。プレス加工時において、主に圧縮応力を受け
ることによりめっきが剥離することが知られている。ま
た、合金化処理時には亜鉛と鉄の熱拡散により亜鉛−鉄
合金が生成するが、鋼板粒界にも亜鉛が拡散し亜鉛−鉄
合金相を形成している。本発明である合金化溶融亜鉛め
っき鋼板のめっき層直下の酸化物の存在する鋼板粒界
は、従来の酸化物の存在しない粒界に比べ、酸化物の結
晶間に隙間があるため亜鉛が浸透しやすい。その結果、
めっき層と鋼板界面の凹凸が激しくなり、めっき層が鋼
板と強固に密着する。その結果、本発明の合金化溶融亜
鉛めっき鋼板では、プレス加工時におけるめっきの密着
性は良好となる。
的に溶解して鋼板を露出させてSEM(走査電子顕微
鏡)により観察した結果を図10、11(写真)に示
す。従来の粒界酸化物のない鋼板に比べ、明らかにめっ
き層と鋼板界面の凹凸が激しくなっていることがわか
る。
密着性の向上は、断面を研磨した後1%ナイタールでエ
ッチングし、光学顕微鏡でこのめっき層直下の酸化物が
少量でも観察される場合に効果がみられた。本発明にお
いてはめっき層について特に限定するものではないが、
耐食性等の観点より自動車用鋼板としては通常亜鉛−鉄
合金の付着量は25〜90g/m2、めっき層中の鉄含
有率は8〜13wt%が適当である。また、同様に亜鉛
浴条件についても特に限定するものではないが、亜鉛浴
中Al濃度は0.13〜0.15wt%程度、Fe濃度
は0.01wt%〜飽和が適当である。また、さらにP
b、Mg、Mnなどを含んでもよい。
鋼A)および極低炭素鋼(供試鋼B)の供試材を転炉に
て溶製した後、連続鋳造によりスラブとした。このスラ
ブをスラブ加熱温度(SRT)1050〜1250℃、
仕上げ温度850〜950℃、コイル巻き取り温度60
0〜750℃にて熱間圧延し緩冷却を行って35mm厚
とし、実施例の粒界酸化物を有する鋼板を製造した。一
方、比較例としては巻取温度を600℃未満としたも
の、又は巻取温度600〜750℃で急冷却を行ったも
ので、粒界酸化物のない鋼板を製造した。その後、酸洗
によりスケール層を除去し冷間圧延を行い0.7mm厚
とした。この冷間圧延板を連続溶融亜鉛めっきライン
(CGL)において、750〜880℃で再結晶焼鈍を
行った後460〜485℃で溶融亜鉛めっきを行った。
引き続き480〜530℃で15〜30秒の合金化処理
を行った。粒界酸化物の有無は断面研磨後1%ナイター
ル液によりエッチングした後観察を行った。
た。合金化溶融亜鉛めっき鋼板を90度曲げ、曲げ戻し
を行い、圧着側をテープ剥離して亜鉛の剥離量を蛍光X
線にて測定した。蛍光X線によるカウント数が とした。結果を表1に示す。鉄含有率の変化と付着量の
変化により耐パウダリング性は変化するが、本発明例で
は比較例と比較して耐パウダリング性の改善効果が十分
にみられる。
融亜鉛めっき鋼板はプレス加工における密着性は良好で
あり、高品質の合金化溶融亜鉛めっき鋼板を供給するも
のであり、その用途を拡大するものである。
トである。
S)による表層から10μm程度までの深さ方向元素分
析測定結果のグラフである。
S)による表層から10μm程度までの深さ方向元素分
析測定結果のグラフである。
よる表層から10μm程度までの深さ方向元素分析測定
結果のグラフである。
よる表層から10μm程度までの深さ方向元素分析測定
結果のグラフである。
1000倍の光学顕微鏡写真である。
1000倍の光学顕微鏡写真である。
00倍の断面光学顕微鏡写真である。
の倍率1000倍の断面光学顕微鏡写真である。
00倍のSEM写真である。
0倍のSEM写真である。
Claims (1)
- 【請求項1】 合金化溶融亜鉛めっき層直下の鋼板結晶
粒界に熱延時に生成したMn、P、Al酸化物を有する
ことを特徴とするめっき密着性に優れた合金化溶融亜鉛
めっき鋼板。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7199306A JP2972124B2 (ja) | 1995-07-13 | 1995-07-13 | めっき密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板 |
US08/913,314 US6030714A (en) | 1995-07-13 | 1997-01-13 | Zinc and zinc-alloy hot-dip-coated steel sheet having decreased bare spots and excellent coating adhesion and a method for manufacturing the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7199306A JP2972124B2 (ja) | 1995-07-13 | 1995-07-13 | めっき密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0931620A JPH0931620A (ja) | 1997-02-04 |
JP2972124B2 true JP2972124B2 (ja) | 1999-11-08 |
Family
ID=16405614
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7199306A Expired - Fee Related JP2972124B2 (ja) | 1995-07-13 | 1995-07-13 | めっき密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2972124B2 (ja) |
-
1995
- 1995-07-13 JP JP7199306A patent/JP2972124B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0931620A (ja) | 1997-02-04 |
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